あやめ速報-SSまとめ-

姉「……あのね、男くん」

男「どうしたんだのさ、姉ちゃん」

姉「わたし……男くんにたすけてもらったんでしょ？ だからおねぇちゃんだから……」ｼﾞﾜｯ

男「あーはいはい泣かないで……俺のこと思ってくれたんだね」

姉「だって、おねぇちゃんなのにわたしちっちゃいから……」

男「姉ちゃんはいつだって俺の姉ちゃんだってば」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

姉「うぅ……男くぅん」ｷﾞｭｯ

男「はいはい」

男（……姉でもあるけど妹感のほうが強いよなぁ、正直）

姉「ねーねー男くん！」

男「ん、どうしたの姉ちゃん？」

姉「わ、わたしがおべんきょうをみてあげましょう！」

男「……あー、ありがとう」

姉「ふっふーん、どれどれ……」

男「……」

姉「えっくすが……えー？ うー……男くん、これなんてよむの？」

男「……姉ちゃん、ありがとう」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

姉「ふぇっ……ち、ちがうよぉ、おべんきょうおしえてあげたいの！」

男「気持ちだけでも嬉しいよ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

姉「むー」

―――――

姉「……」

弟「おねーちゃん……」ｸﾞｽｯ

姉「なかないの、男くんはつよいこでしょ」

弟「でも、おいしゃさんが……おねーちゃんを……」

姉「だいじょうぶだよ、男くん」

弟「おねえ……ちゃん」

姉「わたしはへいきだから……ね？」

弟「でも……でもぉ……」

姉「だいじょうぶだよ、だいじょうぶ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

弟「ぼく……おねえちゃんをぜったいたすけるから！」

姉「うん……ありがとう」

―――コールドスリープ、ですか

姉「……」

―――現代の医学では助かりません。あと10年……それだけならば蘇生確率も高い

姉「……男くん。わたしはおねぇちゃんだから」

―――蘇生確率って……人での例はないじゃないですか！

姉「だいじょうぶだよ、おねぇちゃんはだいじょうぶ」

―――このまま死ぬぐらいなら……可能性があるほうにかけたほうが

姉「……だから、おやすみ」


―――――――

姉「男くん！ きょうはサラダをつくりました！」

男「あーもう、ねえちゃんなにやってんのさ！」

姉「あのね、手でちぎってつくれるサラダだからだいじょうぶだよ！」

男「……そう？」

姉「うん、いっぱいたべてね！」

男「はいはい……うん、ありがとう。いただきます」

姉「ただいまー！」

男「あっ、姉ちゃんおかえり……ってうわ」

姉「どうしたの？」ﾄﾞﾛﾄﾞﾛ

男「ずいぶん汚して帰ってきたね……なにしてたのさ？」

姉「ケンカしてる子をとめたの！ わたしおねぇちゃんだからね！」

男「あはは……流石姉ちゃんだね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

姉「もーっ、バカにして！ もうっ！」

男「んー……お風呂入っちゃったほうがよさそうだね

姉「おふろ？ あっ」

男「ん？」

姉「いっしょにはいろ！ おねぇちゃんがおせなかながしてあげます！」

男「……あー」

姉「いや？」ｳﾙｯ

男「……はい。一緒にはいろうか」

男「……服脱いで」

姉「ぬがせて？」

男「いつも一人で脱いでるでしょ？」

姉「んー……でも」

男「でもじゃなくて」

姉「……だめ？」

男「そんな見つめられても……」

姉「……」ｼﾞｰ

男「……あーはいはいわかりましたよ。バンザイして」

姉「えへへ……ばんざーい」

男「脱がすよー」ｼｭﾙｯ

姉「んー、まえがみえないー」

男「はいはい手を抜いて」

姉「んー、んー」

姉「男くん？」

男「……ん、あぁ」

姉「おっふろー♪　おっふろー♪」

男「ほらほら、狭い風呂場ではしゃぐなって」

姉「えー、でもー」

男「でももストもありません。転んだら危ないでしょ？」

姉「むー、お姉ちゃんをしんじなさい！」

男「信じてますけど失敗はあるものなんです」

姉「むむむー」

男「はいはい、湯船に入る前に髪の毛洗っちゃおうか」

姉「はーい」

男「はい、かゆいところはございませんか」ﾜｼｬﾜｼｬ

姉「うーん、ないよー」

男「……姉ちゃんの髪はほっそいんだなぁ。指の通りがすごくいい」

姉「えへへー、そうかなー？」

男「うん、撫でる時もそうだけどさらさらできもちいいよ」

姉「そっかー、わたしおねぇちゃんだからね」

男「それは関係ないんじゃないかな」

姉「そうかなぁ」

男「そうだね」ﾜｼｬﾜｼｬ

姉「んんっ……あう、めがいたいよー」

男「あー、目を開けないの」

男「流すよー」

姉「あうー、はやくはやくー」

男「目をつむってー」ｼﾞｬﾊﾞｰ

姉「んー……」ｺﾞｼｺﾞｼ

男「はい、大丈夫？」

姉「だいじょうぶ……おねぇちゃんだからね！」

男「そっか。姉ちゃんは偉いなぁ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

姉「もー、バカにしてるでしょー！」

男「してないしてない」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

姉「むー」

姉「じゃあこんどはわたしがあらってあげましょー」ｸﾙｯ

男「……大人を名乗るちっとは恥じらいとかな？」

姉「あっ……いやーん♪」

男「はいはい。その前に背中流してあげるからもういっかいむこう向いて」

姉「……うん」

男「ほーら泡だてて……わしゃわしゃーってね」

姉「んー、きゃふっ！？」

男「ん？」

姉「あひゃっ、あひひひっ、くすぐったいよぉ男くん！」

男「そんな大げさな……脇腹とか？」ｺﾞｼｺﾞｼ

姉「んんぅ、あははは！ だめっ、やめてぇっ！」

男（ちょっと楽しい）

男「姉ちゃんはちっちゃいなぁ」ﾜｼｬﾜｼｬ

姉「あははははっ、まってぇ、くしゅぐったいぃっ」

男（楽しい）

姉「おとっ、こ、くっ……あはっ、あははっ！ くるひっ、あはははっ！」

男「はい、綺麗に洗えたかな？ 前は自分で洗ってね」

姉「あっ……っふ、あぁっ……え？」

男「ん？」

姉「や、やめるの？」

男「背中流すっていったでしょ？」

姉「そ、そうだけど……うーん」

男「はいはい、さっさと流してくれよな」