見崎「」ピクッ
赤沢「」ピクッ
綾野「」ピクッ
小椋「」ピクッ
多々良「」ピクッ
有田「」ピクッ
みたいな?
元スレ
恒一「彼女が欲しい」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1339035210/
勅使河原「ほーサカキが。あれ、見崎は?
」
恒一「見崎は彼女じゃないよ」ハハハ
見崎「」
赤沢「ふっ」ニヤァ
望月「で、どんな子がタイプなの?」
恒一「うーん」
望月「赤沢さんとかは?」
恒一「赤沢さんは、いつも怒られるしあんま…」
赤沢「」
勅使河原「じゃあ、どんなんがいいんだよ」
恒一「うーん…綾野さんみたいに明るい人かな?」
綾野「…へ?」
勅使河原「明るい子ねぇ……綾野みたいなってことは、綾野がタイプなんじゃねーの?」
恒一「性格はいいんだけど……」
勅使河原「なにが問題なんだよ?」
恒一「ぶっちゃけ、顔が好みじゃないんだよね」
綾野「」
勅使河原「おまっ、いくらなんでも女子にそれは可哀想だろ……」
恒一「いや、でもだってあるだろ? テレビでアイドルとか観ても、可愛いとは思うけど特に
好きじゃないっての」
勅使河原「そりゃまあ、あるかも知れないが……(綾野が塩の柱と化している)」
恒一「性格は良いんだけどね、性格は」
綾野(性格はって、容姿は変えようがないし! まて、メイクやイメチェンでなんとかなる
か?)
勅使河原「じゃあ、外見的好みは誰なんだよ?」
恒一「誰って、見崎に決まってるじゃないか」
勅使河原「え、だって見崎は彼女じゃないんだろ!?」
恒一「そりゃあ、告白したわけでもないし、付き合ってもないからね。でも、容姿で誰が好き
って言われたらやっぱり見崎だよ。あの小柄で細い手足に、起伏のない身体つき……更に眼帯
っ子なんて最高じゃないか」
見崎(何故だろう、あんまり褒められてる気がしない……)
恒一「でも、見崎はあの通りの性格だから、一緒にいるとこっちまで暗い気持ちになっちゃう
ことが多くて。別に嫌ではないんだけどね」
勅使河原「まあ、楽しい気持ちにはなりづらいかもな」
恒一「見崎みたいな外見で、綾野さん並に明るい子がいたら、即座に交際を申し込むんだけど
なぁ」
勅使河原「いっそ、見崎にお願いして性格イメチェンでもしてもらったらどうだ?」
恒一「はは、そんなこと言ったら軽蔑されるのがオチさ……けど、どこかにいないかな。そん
な子」
見崎「………………」
夜見山市立病院
未咲「で、私のところに来たの?」
見崎「私と同じ外見で、性格が明るい。そんなの未咲しかいない」
未咲「まあ、双子だしね……それで、私にその恒一君だっけ? 彼との進展させるためにア
ドバイスを貰いたいと?」
見崎「ちょっと違う」スッ
未咲「違うって……待って、鳴。なんでいきなり眼帯とか外してるの?」
見崎「ジッとしてればすぐ終わるから」
未咲「ちょ、こら、入院患者はもっと丁重に……あ、やめ」
見崎「よし、これでどこからどう見ても私にしか見えない」
未咲「……鳴、本当にやるつもりなの?」
見崎「なにか問題ある?」
未咲「大有りでしょ! どこの世界に好きな人の気を惹くために、双子の姉妹に代役頼む奴が
いるのよ!?」
見崎「だって、私に綾野さん並に明るい性格とか、ぶっちゃけ無理だし」
未咲「その綾野さんって人は知らないし、そもそも恒一君にだって会ったことないんだけど」
見崎「大丈夫、榊原君は優しいから、きっと未咲も気に入ると思う」
未咲「まあ、可愛い姉妹の頼みだし、会うぐらいなら構わないけど……病院抜け出して怒られ
ないかなぁ」
見崎「その点も抜かりなし。私が未咲の代わりをばっちり務めるから」
未咲「え、でも、鳴だと瞳の色でバレるじゃん」
見崎「それも問題なし。私は未咲が帰ってくるまで寝てることにする」グースカピー
未咲「早っ!? ……じゃあ、行くだけ行ってみるか」
恒一「見崎から会いたいってメールが来たけど珍しいな……まさか、学校での会話を訊いてた
んじゃ。いやいや、だってあのとき見崎は遠くで窓の外を眺めていたはず」
未咲「お、いたいた。あれだな……やだ、かなり格好良いじゃん。鳴の奴、クラスに格好いい
人はいないとか前に言ってたくせに」
恒一「ん、あそこにいるのは見崎かな? おーい!」
未咲「き、気付かれた! えっと、どうする? 鳴っぽく行くか? いや、でもそれだと私が
代役を引き受けた意味が……よし、ここは極々普通に」
未咲「こ、恒一く~ん!」アセアセ
恒一「はは、そんな駆け足だといつもみたいに転んで……ん? 恒一君?」
未咲「ごめんごめん、待った?」
恒一「いや、今来たばかりだけど、あれ、恒一君って」
未咲(え、なに? 名前間違えた? あ、そうか! 鳴は榊原君って呼んでるのか!)
未咲「い、いやー、たまには名前で呼んでみるのもいいかなー、なんて」
恒一「そうなんだ。突然だったからビックリしたよ」
未咲「あ、あはは。やっぱ苗字の方がいい?」
恒一「別に構わないよ、見崎の好きなように呼んでくれれば。それじゃあ……とりあえずイノ
ヤにでも行こうか?」
未咲「(イノヤ? なんだそれ)そ、そうね、行きましょうか」
未咲(まあ、とりあえず付いて行けばいいか)
イノヤ
未咲(しまった、イノヤって喫茶店だったのか! 私、病院から抜けだしてきたからお金なん
て持ってないんだけど……)
恒一「あれ、どうしたの見崎? 頼まないの?」
未咲(てか、コーヒーが一杯どんだけするのよ!? ハワイコナ? 泥水でも飲んでろブルジ
ョア!)
恒一「僕は何にしようかな……確かこの前、見崎と来たときは」
未咲(鳴と何度も来てるんだ。ということは、鳴もこのクソ高いコーヒーを飲んだりしてる
の? 私なんて、入院前は缶ジュース一本もケチってる生活なのに)
恒一「やっぱり、ここは紅茶かな。見崎はどうする?」
未咲「(どうするも何もお金がない)えっと、その……実は私、お財布忘れちゃって」
恒一「なんだ、そうだったのか。大丈夫だよ、僕が奢るから何でも好きなもの頼んでよ」
未咲「な、なんでも!?」ガタッ
恒一「うわっ!」
未咲「このチョコレートケーキセットとか、こっちのフルーツパフェセットとかでもいいの!?」
恒一「え、あぁ、うん。構わないけど……」
未咲「じゃあじゃあ、このチョコケーキセットをアップルジュースで!」
恒一「わかった。すみませーん(見崎が紅茶じゃないとか珍しいな)」
オマタセシマシター
未咲「美味しい……元々、ケーキなんて滅多に食べられる生活じゃなかったけど、倒れてから
は一度も食べてなかっただけに凄く美味しい」ヨヨヨ
恒一「(見崎が涙を流しながらケーキ食べてる……)それにしても、今日の見崎ってさ」
未咲(う、流石に違いすぎてバレたか?)
恒一「なんだか凄い明るいね! 見違えるようで、僕驚いたよ」
未咲「そ、そうなの! 今日はすごい嬉しいことがあって、それで」
恒一「嬉しいことって?」
未咲「えーっと、……そう、従姉妹のお見舞いに行ったら具合がとても良くなってた、とか」
恒一「なるほど、それでか。従姉妹って言うと、未咲さん、だよね?」
未咲「そうそう、それよそれ(ていうか、私なんだけど)」
恒一「どんな人なの? ほら、今までは名前だけしか訊かされてなかったし」
未咲「どんなって、そりゃあ……」
未咲「私よりスタイルが良くて、社交性があって、元気で明るく、可愛いいどころか美人でも
あるパーフェクト美少女かな」ドヤッ
恒一「へー! なんか想像できないな」
未咲(っていうか、目の前にいるんだけどね)
恒一「見崎が従姉妹とはいえ、人のことをそんなに褒めるなんて珍しいね」
未咲「ま、まあ、可愛い可愛い私の従姉妹だし」
恒一「と、ごめん。そういえば、今日は見崎が用あるんだったよね」
未咲「えっ? あ、あぁ、そうなのよ(しまった、彼を呼び出したの鳴だった)」
恒一「なにか、話があるんでしょ? 3組のこと?」
未咲(3組? クラスの話題なんて私が分かるわけ無いじゃん。っていうか、そうだ、私には
お役目があるんだった)
未咲「その……あー、うー、ひ、昼間の件で!」
恒一「昼? ……も、もしかして昼休みの話?」ギクッ
未咲「実は私、聞いてたんだよね」
恒一「あれはその、あくまで僕の個人的趣味というか、好みというか」
未咲「正直、ショックだった(おかげで私はこんな目に)」
恒一「ごめん! 明日のお弁当はおかずを豪華にするから許して!」
未咲「私はタコさんウインナーが好き……って、は? お弁当?」
恒一「あれ、前にタコさん作ったとき、『こんな子供っぽいおかず嫌』とか言ってなかっ
た?」
未咲「まあ、鳴なら言うかもね、じゃなくて、お弁当ってなに?」
恒一「なにって……僕がいつも作ってるお弁当だよ。今日も一緒に食べたじゃないか」
未咲「それ、私の分もあるの?」
恒一「あるのって、一緒にお弁当箱まで買いに行ったのに、何言ってるんだよ」
未咲「……………」
未咲「ねぇ、恒一君。私達って、付き合ってないんだよね」
恒一「そうだね、付き合ってないよ」
未咲「なのに、昼休み一緒にお弁当を食べたり、お弁当箱を買いに行ったりは、したんだよ
ね?」
恒一「そうだね、買いに行ったね」
未咲(いや、そうだねって、これどう考えても付き合ってるでしょ!?)
恒一「見崎の分だけ買おうとしたら、ペアになってる奴の方がお得だからって色違いのを僕も
買ってさ」
未咲「……そ、そうなんだ。じゃない、そうだったよね。うん、そうだった、そうだった」
恒一「でも、自分で買ったお弁当箱ってのはいいもんだね。このところ、毎日お弁当をつくる
のが楽しくって」
未咲(え、笑顔が眩しい! こんな爽やかイケメンが夜見北いたなんて)
未咲「恒一君ってさ……えっと、私のこと嫌いなんだよね?」
恒一「は? 誰がそんなこと言ったの。赤沢さん?」
未咲「(赤沢? あぁ、鳴が言ってた無能の)そうじゃなくて、榊原君は私の身体だけが目当
てだとか鳴……昼間に、言ってたじゃない?」
恒一「か、身体だけって/// あれはただ、見崎は可愛いのになってだけの話で」
未咲「でもでも、性格が根暗で陰気ったらしくて嫌いだって!」
恒一「まあ、僕が話しかけたりしたとき無反応だったり、お弁当食べても特に感想がなかった
りするのは堪えるけどね。もう少し、明るく楽しく喋りたいなって」
未咲「………………」
恒一「でも、それで見崎を傷つけたのなら謝るよ。本当にごめん」
未咲「ん、まあ、いいよ(優しいんだな、この人)」
恒一「やっぱり、見崎は見崎なんだから、僕の理想とか勝手な思いを押し付けるのは間違って
たよね」
未咲「……ね、恒一君? 私達ってさ、端から見ると、きっと付き合ってると思われてる気が
するんだよね」
恒一「え? あぁ、そういや勅使河原とか望月がそんなことを」
未咲「でも、恒一君的に私たちは付き合ってない。それは何故?」
恒一「何故って、まだどちらも告白とかしてないし、その」モジモジ
未咲「……そっか、そういうことか」
未咲「あのさ、お弁当っていっつも早起きして作ってるの?」
恒一「ん? 多少早起きはするようになったけど、最近は夕食作るときに明日の仕込みまでし
ちゃうから、そうでもないよ」
未咲「夕食を作るとき……か。よしっ!」
未咲「恒一君、これから私、恒一君の家に行っていい?」
恒一「え、家に? 構わないけど、なんでまて」
恒一「え、家に? 構わないけど、なんでまた」
未咲「明日のお弁当、毎日作って貰ってばかりだし、たまには私も手伝うよ!」
恒一「手伝うって、見崎料理ダメなんでしょ?」
未咲「もう! そこを教えてくれるのが恒一君の役目じゃない」
恒一「うーん、それは確かに」
未咲「じゃあ、少し家に帰って取ってくるものがあるから、後で行くね」
恒一「分かった、それじゃあ僕も支度しておくよ」
イノヤ店前
未咲「それじゃあ、また後で」クルリ
恒一「……ねぇ、見崎」
未咲「なに?」
恒一「君は、タコさんウインナー好きなんだよね?」
未咲「だって、可愛いじゃない」
恒一「……そっか、じゃあ、今度作ってあげるよ」
未咲「(食べるのは鳴だけどね)うん、楽しみにしてる」
恒一「じゃあ、またね。『未咲』さん!」タタタッ
未咲「えっ……!? 行っちゃった」
夜見山市立病院
見崎「スヤスヤ」
未咲「まったくこの子は、気持ちよさそうに寝ちゃってまあ」
見崎「榊原君……ダメ、タコをそんなとこに入れちゃ」
未咲「どんな夢見てるのよ。ほら、鳴、起きなさい」
見崎「ムニャ……? 未咲、なんで家にいるの?」
未咲「ここは家じゃなくて病室。可愛い従姉妹を着の身着のままで外に放り出しておきながら、
なにぐっすり寝てるのよ」
見崎「………! そ、そうだ、榊原君は!?」
未咲「会ってきたよ。話しもしてきた」
見崎「それで、どうだったの?」
未咲「別にどうも? あ、ケーキご馳走してくれたよ。優しいね、彼」
見崎「そうじゃなくて! 私のことは? なんて言ってた?」
未咲「……鳴はさ、私に似て可愛いんだから、もっと積極的にならないとダメだよ」
見崎「それが出来ないから未咲に」
未咲「明るいとか、そういうのだけじゃないよ。黙っていても気にかけてもらえるからって、
それに甘えてばっかじゃ、何時まで経っても進展しないよ?」
見崎「でも、私たちは付き合ってるわけじゃないし……」
未咲「あー、もー! 二人共それがダメなんだよ! 彼と一緒にいたいんでしょ? 毎日、お
弁当食べてるんでしょ? だったらもっと話して、一言でも『美味しいね』って笑ってあげな
きゃ」
見崎「未咲……」
未咲「恒一君の家、知ってるんでしょ? 今から行ってきなよ。彼、鳴を待ってるよ」
見崎「けど、私なんか……」
未咲「確かに鳴は暗いし、あまり笑わないし、社交的じゃないし、なに考えてるのかわからな
いこともあるけど」
見崎「随分ハッキリ言うのね」
未咲「だけど、私の半身じゃない」
見崎「――――――!」
未咲「私の半身に、叶わない恋なんてないよ」
見崎「……私、行ってくる!」ガラリ
未咲「お土産はいらないからね(ケーキ沢山食べたし)」
見崎「……未咲」
未咲「うん?」
見崎「ありがとう」タタタッ
未咲「ありがとう……か。鳴も、大分素直になってきてるじゃない」
未咲「榊原恒一君か、私たちの茶番に付き合ってくれて、本当に良い人だったな」
未咲「恋、か。私も退院したら、あいつに告ってみようかな?」
後日、タコさんウインナーが沢山入ったお弁当を持って、とあるカップルが未咲へお見舞いに
訪れたのは、また別のお話。
おわり
82 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 16:53:43 pAby8rIq0 22/22別に綾野さんや小椋さんが嫌いな訳じゃなかった。
Another初めて書いてみたけど、書いてみると結構面白いね。
>>1はスレを乗っ取ってすまんかった。でも、最近立てっぱなしで落ちるのが
多いから、ついつい出来心で。それじゃあ、また。