1 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 11:13:30 2NA+YoNIi 1/22

見崎「」ピクッ
赤沢「」ピクッ
綾野「」ピクッ
小椋「」ピクッ
多々良「」ピクッ
有田「」ピクッ

みたいな?

元スレ
恒一「彼女が欲しい」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1339035210/

8 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 11:21:23 2NA+YoNIi 2/22

勅使河原「ほーサカキが。あれ、見崎は?


恒一「見崎は彼女じゃないよ」ハハハ

見崎「」

赤沢「ふっ」ニヤァ

望月「で、どんな子がタイプなの?」

恒一「うーん」

10 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 11:26:01 2NA+YoNIi 3/22

望月「赤沢さんとかは?」

恒一「赤沢さんは、いつも怒られるしあんま…」

赤沢「」



11 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 11:29:21 2NA+YoNIi 4/22

勅使河原「じゃあ、どんなんがいいんだよ」

恒一「うーん…綾野さんみたいに明るい人かな?」

綾野「…へ?」



44 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 14:45:41 pAby8rIq0 5/22

勅使河原「明るい子ねぇ……綾野みたいなってことは、綾野がタイプなんじゃねーの?」

恒一「性格はいいんだけど……」

勅使河原「なにが問題なんだよ?」

恒一「ぶっちゃけ、顔が好みじゃないんだよね」

綾野「」

勅使河原「おまっ、いくらなんでも女子にそれは可哀想だろ……」

恒一「いや、でもだってあるだろ? テレビでアイドルとか観ても、可愛いとは思うけど特に
好きじゃないっての」

勅使河原「そりゃまあ、あるかも知れないが……(綾野が塩の柱と化している)」

恒一「性格は良いんだけどね、性格は」

綾野(性格はって、容姿は変えようがないし! まて、メイクやイメチェンでなんとかなる
か?)

勅使河原「じゃあ、外見的好みは誰なんだよ?」

恒一「誰って、見崎に決まってるじゃないか」

勅使河原「え、だって見崎は彼女じゃないんだろ!?」

48 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 14:54:45 pAby8rIq0 6/22

恒一「そりゃあ、告白したわけでもないし、付き合ってもないからね。でも、容姿で誰が好き
って言われたらやっぱり見崎だよ。あの小柄で細い手足に、起伏のない身体つき……更に眼帯
っ子なんて最高じゃないか」

見崎(何故だろう、あんまり褒められてる気がしない……)

恒一「でも、見崎はあの通りの性格だから、一緒にいるとこっちまで暗い気持ちになっちゃう
ことが多くて。別に嫌ではないんだけどね」

勅使河原「まあ、楽しい気持ちにはなりづらいかもな」

恒一「見崎みたいな外見で、綾野さん並に明るい子がいたら、即座に交際を申し込むんだけど
なぁ」

勅使河原「いっそ、見崎にお願いして性格イメチェンでもしてもらったらどうだ?」

恒一「はは、そんなこと言ったら軽蔑されるのがオチさ……けど、どこかにいないかな。そん
な子」

見崎「………………」

52 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 15:02:00 pAby8rIq0 7/22

夜見山市立病院

未咲「で、私のところに来たの?」

見崎「私と同じ外見で、性格が明るい。そんなの未咲しかいない」

未咲「まあ、双子だしね……それで、私にその恒一君だっけ? 彼との進展させるためにア
ドバイスを貰いたいと?」

見崎「ちょっと違う」スッ

未咲「違うって……待って、鳴。なんでいきなり眼帯とか外してるの?」

見崎「ジッとしてればすぐ終わるから」

未咲「ちょ、こら、入院患者はもっと丁重に……あ、やめ」


見崎「よし、これでどこからどう見ても私にしか見えない」

未咲「……鳴、本当にやるつもりなの?」

53 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 15:08:57 pAby8rIq0 8/22

見崎「なにか問題ある?」

未咲「大有りでしょ! どこの世界に好きな人の気を惹くために、双子の姉妹に代役頼む奴が
いるのよ!?」

見崎「だって、私に綾野さん並に明るい性格とか、ぶっちゃけ無理だし」

未咲「その綾野さんって人は知らないし、そもそも恒一君にだって会ったことないんだけど」

見崎「大丈夫、榊原君は優しいから、きっと未咲も気に入ると思う」

未咲「まあ、可愛い姉妹の頼みだし、会うぐらいなら構わないけど……病院抜け出して怒られ
ないかなぁ」

見崎「その点も抜かりなし。私が未咲の代わりをばっちり務めるから」

未咲「え、でも、鳴だと瞳の色でバレるじゃん」

見崎「それも問題なし。私は未咲が帰ってくるまで寝てることにする」グースカピー

未咲「早っ!? ……じゃあ、行くだけ行ってみるか」

54 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 15:18:02 pAby8rIq0 9/22

恒一「見崎から会いたいってメールが来たけど珍しいな……まさか、学校での会話を訊いてた
んじゃ。いやいや、だってあのとき見崎は遠くで窓の外を眺めていたはず」

未咲「お、いたいた。あれだな……やだ、かなり格好良いじゃん。鳴の奴、クラスに格好いい
人はいないとか前に言ってたくせに」

恒一「ん、あそこにいるのは見崎かな? おーい!」

未咲「き、気付かれた! えっと、どうする? 鳴っぽく行くか? いや、でもそれだと私が
代役を引き受けた意味が……よし、ここは極々普通に」

未咲「こ、恒一く~ん!」アセアセ

恒一「はは、そんな駆け足だといつもみたいに転んで……ん? 恒一君?」

未咲「ごめんごめん、待った?」

恒一「いや、今来たばかりだけど、あれ、恒一君って」

未咲(え、なに? 名前間違えた? あ、そうか! 鳴は榊原君って呼んでるのか!)

55 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 15:27:06 pAby8rIq0 10/22

未咲「い、いやー、たまには名前で呼んでみるのもいいかなー、なんて」

恒一「そうなんだ。突然だったからビックリしたよ」

未咲「あ、あはは。やっぱ苗字の方がいい?」

恒一「別に構わないよ、見崎の好きなように呼んでくれれば。それじゃあ……とりあえずイノ
ヤにでも行こうか?」

未咲「(イノヤ? なんだそれ)そ、そうね、行きましょうか」

未咲(まあ、とりあえず付いて行けばいいか)


イノヤ

未咲(しまった、イノヤって喫茶店だったのか! 私、病院から抜けだしてきたからお金なん
て持ってないんだけど……)

恒一「あれ、どうしたの見崎? 頼まないの?」

未咲(てか、コーヒーが一杯どんだけするのよ!? ハワイコナ? 泥水でも飲んでろブルジ
ョア!)

恒一「僕は何にしようかな……確かこの前、見崎と来たときは」

未咲(鳴と何度も来てるんだ。ということは、鳴もこのクソ高いコーヒーを飲んだりしてる
の? 私なんて、入院前は缶ジュース一本もケチってる生活なのに)

58 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 15:41:11 pAby8rIq0 11/22

恒一「やっぱり、ここは紅茶かな。見崎はどうする?」

未咲「(どうするも何もお金がない)えっと、その……実は私、お財布忘れちゃって」

恒一「なんだ、そうだったのか。大丈夫だよ、僕が奢るから何でも好きなもの頼んでよ」

未咲「な、なんでも!?」ガタッ

恒一「うわっ!」

未咲「このチョコレートケーキセットとか、こっちのフルーツパフェセットとかでもいいの!?」

恒一「え、あぁ、うん。構わないけど……」

未咲「じゃあじゃあ、このチョコケーキセットをアップルジュースで!」

恒一「わかった。すみませーん(見崎が紅茶じゃないとか珍しいな)」

59 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 15:50:09 pAby8rIq0 12/22

オマタセシマシター

未咲「美味しい……元々、ケーキなんて滅多に食べられる生活じゃなかったけど、倒れてから
は一度も食べてなかっただけに凄く美味しい」ヨヨヨ

恒一「(見崎が涙を流しながらケーキ食べてる……)それにしても、今日の見崎ってさ」

未咲(う、流石に違いすぎてバレたか?)

恒一「なんだか凄い明るいね! 見違えるようで、僕驚いたよ」

未咲「そ、そうなの! 今日はすごい嬉しいことがあって、それで」

恒一「嬉しいことって?」

未咲「えーっと、……そう、従姉妹のお見舞いに行ったら具合がとても良くなってた、とか」

恒一「なるほど、それでか。従姉妹って言うと、未咲さん、だよね?」

未咲「そうそう、それよそれ(ていうか、私なんだけど)」

恒一「どんな人なの? ほら、今までは名前だけしか訊かされてなかったし」

未咲「どんなって、そりゃあ……」


未咲「私よりスタイルが良くて、社交性があって、元気で明るく、可愛いいどころか美人でも
あるパーフェクト美少女かな」ドヤッ

60 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 16:01:31 pAby8rIq0 13/22

恒一「へー! なんか想像できないな」

未咲(っていうか、目の前にいるんだけどね)

恒一「見崎が従姉妹とはいえ、人のことをそんなに褒めるなんて珍しいね」

未咲「ま、まあ、可愛い可愛い私の従姉妹だし」

恒一「と、ごめん。そういえば、今日は見崎が用あるんだったよね」

未咲「えっ? あ、あぁ、そうなのよ(しまった、彼を呼び出したの鳴だった)」

恒一「なにか、話があるんでしょ? 3組のこと?」

未咲(3組? クラスの話題なんて私が分かるわけ無いじゃん。っていうか、そうだ、私には
お役目があるんだった)

未咲「その……あー、うー、ひ、昼間の件で!」

恒一「昼? ……も、もしかして昼休みの話?」ギクッ

未咲「実は私、聞いてたんだよね」

恒一「あれはその、あくまで僕の個人的趣味というか、好みというか」

未咲「正直、ショックだった(おかげで私はこんな目に)」

恒一「ごめん! 明日のお弁当はおかずを豪華にするから許して!」

65 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 16:09:34 pAby8rIq0 14/22

未咲「私はタコさんウインナーが好き……って、は? お弁当?」

恒一「あれ、前にタコさん作ったとき、『こんな子供っぽいおかず嫌』とか言ってなかっ
た?」

未咲「まあ、鳴なら言うかもね、じゃなくて、お弁当ってなに?」

恒一「なにって……僕がいつも作ってるお弁当だよ。今日も一緒に食べたじゃないか」

未咲「それ、私の分もあるの?」

恒一「あるのって、一緒にお弁当箱まで買いに行ったのに、何言ってるんだよ」

未咲「……………」

未咲「ねぇ、恒一君。私達って、付き合ってないんだよね」

恒一「そうだね、付き合ってないよ」

未咲「なのに、昼休み一緒にお弁当を食べたり、お弁当箱を買いに行ったりは、したんだよ
ね?」

恒一「そうだね、買いに行ったね」

未咲(いや、そうだねって、これどう考えても付き合ってるでしょ!?)

70 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 16:20:58 pAby8rIq0 15/22

恒一「見崎の分だけ買おうとしたら、ペアになってる奴の方がお得だからって色違いのを僕も
買ってさ」

未咲「……そ、そうなんだ。じゃない、そうだったよね。うん、そうだった、そうだった」

恒一「でも、自分で買ったお弁当箱ってのはいいもんだね。このところ、毎日お弁当をつくる
のが楽しくって」

未咲(え、笑顔が眩しい! こんな爽やかイケメンが夜見北いたなんて)

未咲「恒一君ってさ……えっと、私のこと嫌いなんだよね?」

恒一「は? 誰がそんなこと言ったの。赤沢さん?」

未咲「(赤沢? あぁ、鳴が言ってた無能の)そうじゃなくて、榊原君は私の身体だけが目当
てだとか鳴……昼間に、言ってたじゃない?」

恒一「か、身体だけって/// あれはただ、見崎は可愛いのになってだけの話で」

未咲「でもでも、性格が根暗で陰気ったらしくて嫌いだって!」

恒一「まあ、僕が話しかけたりしたとき無反応だったり、お弁当食べても特に感想がなかった
りするのは堪えるけどね。もう少し、明るく楽しく喋りたいなって」

未咲「………………」

73 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 16:37:41 pAby8rIq0 16/22

恒一「でも、それで見崎を傷つけたのなら謝るよ。本当にごめん」

未咲「ん、まあ、いいよ(優しいんだな、この人)」

恒一「やっぱり、見崎は見崎なんだから、僕の理想とか勝手な思いを押し付けるのは間違って
たよね」

未咲「……ね、恒一君? 私達ってさ、端から見ると、きっと付き合ってると思われてる気が
するんだよね」

恒一「え? あぁ、そういや勅使河原とか望月がそんなことを」

未咲「でも、恒一君的に私たちは付き合ってない。それは何故?」

恒一「何故って、まだどちらも告白とかしてないし、その」モジモジ

未咲「……そっか、そういうことか」

未咲「あのさ、お弁当っていっつも早起きして作ってるの?」

恒一「ん? 多少早起きはするようになったけど、最近は夕食作るときに明日の仕込みまでし
ちゃうから、そうでもないよ」

未咲「夕食を作るとき……か。よしっ!」

未咲「恒一君、これから私、恒一君の家に行っていい?」

恒一「え、家に? 構わないけど、なんでまて」

75 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 16:42:18 pAby8rIq0 17/22

恒一「え、家に? 構わないけど、なんでまた」

未咲「明日のお弁当、毎日作って貰ってばかりだし、たまには私も手伝うよ!」

恒一「手伝うって、見崎料理ダメなんでしょ?」

未咲「もう! そこを教えてくれるのが恒一君の役目じゃない」

恒一「うーん、それは確かに」

未咲「じゃあ、少し家に帰って取ってくるものがあるから、後で行くね」

恒一「分かった、それじゃあ僕も支度しておくよ」


76 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 16:43:53 pAby8rIq0 18/22

イノヤ店前

未咲「それじゃあ、また後で」クルリ

恒一「……ねぇ、見崎」

未咲「なに?」

恒一「君は、タコさんウインナー好きなんだよね?」

未咲「だって、可愛いじゃない」

恒一「……そっか、じゃあ、今度作ってあげるよ」

未咲「(食べるのは鳴だけどね)うん、楽しみにしてる」

恒一「じゃあ、またね。『未咲』さん!」タタタッ

未咲「えっ……!? 行っちゃった」


77 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 16:46:32 pAby8rIq0 19/22

夜見山市立病院

見崎「スヤスヤ」

未咲「まったくこの子は、気持ちよさそうに寝ちゃってまあ」

見崎「榊原君……ダメ、タコをそんなとこに入れちゃ」

未咲「どんな夢見てるのよ。ほら、鳴、起きなさい」

見崎「ムニャ……? 未咲、なんで家にいるの?」

未咲「ここは家じゃなくて病室。可愛い従姉妹を着の身着のままで外に放り出しておきながら、
なにぐっすり寝てるのよ」

見崎「………! そ、そうだ、榊原君は!?」

未咲「会ってきたよ。話しもしてきた」

見崎「それで、どうだったの?」

未咲「別にどうも? あ、ケーキご馳走してくれたよ。優しいね、彼」

見崎「そうじゃなくて! 私のことは? なんて言ってた?」

未咲「……鳴はさ、私に似て可愛いんだから、もっと積極的にならないとダメだよ」

79 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 16:48:57 pAby8rIq0 20/22

見崎「それが出来ないから未咲に」

未咲「明るいとか、そういうのだけじゃないよ。黙っていても気にかけてもらえるからって、
それに甘えてばっかじゃ、何時まで経っても進展しないよ?」

見崎「でも、私たちは付き合ってるわけじゃないし……」

未咲「あー、もー! 二人共それがダメなんだよ! 彼と一緒にいたいんでしょ? 毎日、お
弁当食べてるんでしょ? だったらもっと話して、一言でも『美味しいね』って笑ってあげな
きゃ」

見崎「未咲……」

未咲「恒一君の家、知ってるんでしょ? 今から行ってきなよ。彼、鳴を待ってるよ」

見崎「けど、私なんか……」

未咲「確かに鳴は暗いし、あまり笑わないし、社交的じゃないし、なに考えてるのかわからな
いこともあるけど」

見崎「随分ハッキリ言うのね」

未咲「だけど、私の半身じゃない」

見崎「――――――!」

80 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 16:51:35 pAby8rIq0 21/22

未咲「私の半身に、叶わない恋なんてないよ」

見崎「……私、行ってくる!」ガラリ

未咲「お土産はいらないからね(ケーキ沢山食べたし)」

見崎「……未咲」

未咲「うん?」

見崎「ありがとう」タタタッ


未咲「ありがとう……か。鳴も、大分素直になってきてるじゃない」

未咲「榊原恒一君か、私たちの茶番に付き合ってくれて、本当に良い人だったな」

未咲「恋、か。私も退院したら、あいつに告ってみようかな?」


後日、タコさんウインナーが沢山入ったお弁当を持って、とあるカップルが未咲へお見舞いに
訪れたのは、また別のお話。

おわり

82 : 以下、名無しにかわ... - 2012/06/07 16:53:43 pAby8rIq0 22/22

別に綾野さんや小椋さんが嫌いな訳じゃなかった。
Another初めて書いてみたけど、書いてみると結構面白いね。
>>1はスレを乗っ取ってすまんかった。でも、最近立てっぱなしで落ちるのが
多いから、ついつい出来心で。それじゃあ、また。

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