1 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 18:16:00 kZvZ2IkM 1/26

ズ

「おかしいだろ・・・一般的には夏のイメージじゃないか?」

「馬鹿野郎!怖い話に季節なんて関係ないのよ!」

「誰だよ『冬だし怖い話でもするか!』とか言った奴」

「エーダレソレコワーイ」

「ふざけるな」

「まぁ鍋でも食いながらしましょうや」

「しゃーねぇな」


元スレ
女「冬だし怖い話でもするか!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1328519760/

2 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 18:20:21 kZvZ2IkM 2/26

ズズ

「まだ鍋煮えないな」

「んじゃ一丁怖い話でもしますか」

「じゃあお前からな」

「待ってました!!」

「テンションやばいな」

「じゃあ冬の怖い話をするね」

「おー」

「むかーしむかしおじいさんとおばあさんが・・・」


3 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 18:25:56 kZvZ2IkM 3/26

ズズズ

「えっと、それはおとぎ話の気がしてならないんだけど」

「大丈夫!安心して聞いて!」

「おう・・・」

「昔、北の方の話。その村は雪がよく降る地域だったの」

「ここみたいな地域か」

「そ、そ。んで、ある農家のおじいさんは困っていたの。冬は作物が作れないからね」


4 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 18:30:53 kZvZ2IkM 4/26

ズズズズ

「農家は大変だよな」

「ねー。だからそのおじいさんは狩をすることにしたの」

「ほうほう」

「狩のために山に入ると白鳥が罠にはまってもがいていたの」

「・・・うん」

「その白鳥をおじいさんは逃がしてやったの。そしたらその晩、おじいさんの家に若い娘が・・・」

「まて、それは鶴もとい白鳥の恩返しでは無かろうか」

「ちがうよ!オリジナルだよ!」


5 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 18:35:47 kZvZ2IkM 5/26

ズズズズズ

「嘘つけ!自分で言っておいて真面目に話さないのか!」

「冗談だよー・・・あ、鍋煮えた」

「まったく・・・じゃあ鍋食いながら話せよ」

「はぁーい。わお!美味しそう!」

「タラ鍋は美味しいよな。いただきます」

「いっただっきまーす!わお!でっかい鱈!」

「うまい」

「あぁー!その鱈私のよりでっかいよ!」


6 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 18:39:18 kZvZ2IkM 6/26

ズズズズズズ

「知らんがな」

「うぅー・・・男なんか怖い話でビビってろ!」

「んじゃビビるような怖い話してみろよ」

「いいわよ・・・漏らさないでよね?」

「誰が漏らすか」

「ごほん・・・これはあるビルの話よ」

「おう」モシャモシャ

「・・・そのビルの六階にはある噂があるの」


7 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 18:43:55 kZvZ2IkM 7/26

ズズズズズズズ

「六階ってよく怖い話に使われるよな」モシャモシャ

「そうね・・・で、その噂なんだけど・・・」

「うん」ズズー

「・・・冬なのに蝉がなく」

「はぁ?」

「そのビルには二つの階段があるの」

「ほう」

「西階段と東階段。で、その西階段の方から蝉の声がするーって噂されていたのよ」


8 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 18:49:54 kZvZ2IkM 8/26

ズズズズズズズズ

「西階段の方か・・・東階段からはしないのか?」

「そう。蝉がなくのはいつも西階段からなの。で、六階にはある女の人と男の子の家族と老夫婦、若い男の人が住んでいたの」

「・・・うん」

「男の人が会社から帰って西階段を上ると、蝉の声が聞こえたの」

「ほう」

「六階に上がるための踊り場付近からジーッジーッジーッって」


9 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 18:58:13 kZvZ2IkM 9/26

ズズズズズズズズズ

「何だっけ・・・ジージー鳴く蝉って」

「多分アブラゼミかな・・・踊り場をあがるとだんだん声が大きく鳴るの」

「ほう」

「その蝉の声はどうやら女の人の部屋から聞こえるの。ノックをしても蝉の声がするだけ」

「おう・・・」

「ドアノブをひねると・・・ガチャリ。ドアが開いたの。そのドアの裏には・・・」

「・・・」

「ドアいっぱいの大きさの蝉が張り付いていたの」

「きめえええぇええぇえぇえ!!!」

「・・・男の人はその部屋に入ったの」


10 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 19:05:19 kZvZ2IkM 10/26

ズズズズズズズズズズ

「逃げろよ!でっかい蝉いたんだろ!?」

「・・・だってその蝉は死んでいたんだもの。どうやら奥の部屋から声がするから声をかけてみたの『すみません』すると『はーい』と女の人の声」

「・・・」

「みると女の人は奥の部屋にいたの・・・たくさんの蝉と一緒に」

「おぇええ・・・」

「でも、その蝉はすべて死んでいるの。じゃあその蝉の声はどこから・・・すると女の人が声を出し始めたの」

「・・・」

「ジーッジーッジーッって」


11 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 19:08:55 kZvZ2IkM 11/26

ズズズズズズズズズズズ

「身体中に鳥肌が・・・怖いんじゃなくてキモイからだぞ!なんだその話!」

「漏らした?」

「漏らさねーよ!・・・鍋食いたく無くなったじゃん」

「心配しなくてもすべて食べてあげる」

「やめろ!」

「さっ次は男の番!」

「えぇー・・・」

「ほら早く!」

「しゃーねぇな・・・」


12 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 19:22:05 kZvZ2IkM 12/26

ズズズズズズズズズズズズ

「今からほんの少し前・・・ちょうど二、三年前に聞いた話をする」

「ほうほう」

「これは携帯電話にまつわる話だ。ある中年の男には二人の娘がいた。いつも携帯を買って欲しいとせがんできた」

「ふむ」

「でも男は買い与えなかった。無駄だと思っていたからだ」

「ほう」

「ある日、長女が三泊四日の旅行に行くことになった。さすがに連絡を取らねばと思い男は長女に携帯を買ってあげた」

「ふむふむ」


13 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 19:28:50 kZvZ2IkM 13/26

ズズズズズズズズズズズズズ

「留守番を男と次女がしていると電話がなった。どうやら長女のようだ」

「ほう」

「次女が電話を取ると・・・『に』と長女のではない声がしてすぐにきれた」

「おう・・・」

「リダイアルすると長女がでた。電話などかけてないという。疲れているようだったので次女は電話をきった」

「いい子ね」

「次の日は『いち』という電話がきた。長女は旅を楽しんでいるようだった」

「・・・ねぇ、その電話って」


14 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 19:35:14 kZvZ2IkM 14/26

ズズズズズズズズズズズズズズ

「早とちりすんなって。次の日の朝早くに電話が来た。長女が旅行先で倒れたという電話だ。そこで男は旅行先へと向かった」

「・・・うん」

「次女が一人で留守番していると電話がかかる。『ぜろ』という電話だ」

「・・・」

「それからしばらくしてまた電話がきた。病院からだ。旅行先へ向かう途中、男が事故で亡くなったというものだ」

「・・・」

「時間は『ぜろ』という電話がかかってきた時だった」

「・・・その電話、お姉さんへのものかと思ったわ」


15 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 19:37:15 kZvZ2IkM 15/26

ズズズズズズズズズズズズズズズ

「やっぱりな」

「もう・・・でもあまり怖くないわね」

「うるせー!」

「ねぇ、鍋食べちゃいましょ?」

「そうだな・・」

「うーん・・・冷めてる」


16 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 19:41:17 kZvZ2IkM 16/26

ズズズズズズズズズズズズズズズズ

「くそー・・・話が長かったか」

「んじゃ温めますか」

「おー・・・」

「でもこれ美味しいわね・・・おばさんが煮たの?」

「ぶぶー」

「えぇー・・・お姉さん?」

「ぶぶー」

「おばあちゃん!」

「ぶぶー」

「えーっと・・・お父さん?」

「ぶぶー」

「じゃあ・・・まさか」


17 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 19:44:40 kZvZ2IkM 17/26

ズズズズズズズズズズズズズズズズズ

「煮たのは俺です」

「えぇー嘘だよー」

「嘘じゃねーよ」

「くそー負けたー」

「お前は料理下手だからな」

「失礼な!」

「プリンサラダはやばかった・・・」

「何をー!!美味しいじゃないの!」


18 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 19:46:53 kZvZ2IkM 18/26

ズズズズズズズズズズズズズズズズズズ

「げぇー・・・舌おかしいと思うぜ」

「ひどーい!!」

バチン

「!?暗くなったぞ」

「て、停電!?」

「ちょっとブレーカー見てくる」

「うん、よろしく・・・」


20 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 19:49:13 kZvZ2IkM 19/26

ズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズ

「ロックがかかっている!?」

「な、なんで・・・」

「くそ・・・誰だよ」

「怖い・・・」

「・・・」

「・・・ねぇ、変な話、していい?」

「・・・あぁ」

「さっきからさ、変な音しない?」

「・・・」

「ズズズズっていってない?」


21 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 19:52:08 kZvZ2IkM 20/26

ズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズ

「よく気付かないな・・・」

「え?」

「俺はずっと注意してやってたんだぜ?毎回毎回、最初に」

「え?男?」

「・・・なぁ、女」

「な、なに」


「まだ気付かないのか?」


おわり


22 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 20:00:09 scba4nlM 21/26

すげぇ!


23 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 22:19:50 .H.c9wjI 22/26

解説頼む


24 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 22:33:36 kZvZ2IkM 23/26

毎回最初に注意してやった


25 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 23:28:43 .H.c9wjI 24/26

理解した



26 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 23:28:43 kZvZ2IkM 25/26

怖い話は自作なんでちょっとあれだと思う
気にしないで欲しい


27 : 以下、名無しが深夜... - 2012/02/06(月) 23:42:12 kZvZ2IkM 26/26

自分でちょっと書いててアレだけど
解説は無しでオナシャス!!
ではここまで


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