モバP「終電が無くなった…」【前編】
モバP「終電が無くなった…」【後編】
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モバP「また終電が無くなった…」
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第18話・南条光「遅れてきた英雄」
9月13日
美世のマンション
頼子「誕生日おめでとう、光ちゃん」
美世「おめでとう、光ちゃん」
光「あ、ありがとう、頼子さん、美世さん」
光「事務所で皆にお祝いしてもらったのに…こんなに」
美世「あたし達同期なんだし、これくらいさせてよ」
頼子「うん…私達がしたかったの……」
光「ほ、本当にありがとう」ウル
美世「新しい仕事も決まったし、良い事は重なるね」
頼子「地道なレッスンの成果だね…」
光「う、うん…でも、これはアタシだけの力じゃない」
光「頼子さんと美世さんと…それにPさんがいてくれたおかげだ」
美世「あたし達何かしたっけ?」
頼子「……はい?」
光「あ、ほら…あの時の…さ」
美世「あ…」
頼子「地獄…姉妹……?」
光「そ、その話は止めてくれー」
・・・
数ヶ月前
シンデレラプロ事務所
頼子「あ、美世さん、お疲れ様です」
美世「頼子ちゃん、お疲れ様!」
頼子「鎌倉のイベント、評判いいみたいですね…」
美世「うん、ありがと!頼子ちゃんも次のフェス出るんだって?」
頼子「はい、都さんと一緒です」
頼子「一緒に仕事はあったけど、一緒のステージは初めてですね」
美世「ツアーで海外続きかと思えば、休む暇もないね」
頼子「うーん…メインではないですし、最近笑美さんも頑張ってますし」
頼子「あ、でも…色んな国の美術館行けて楽しかったです」
美世「頼子ちゃんらしいね、ワタシはアウトバーンをかっ飛ばしたいな」
頼子「安全運転でお願いしますね……」
美世「わかってる、わかってる」
??「あんたには心底幻滅したわよ!」バァン
美世「な、何?」
頼子「…麗奈…さん?」
モバP「ど、どうしたんだ、すごい音がしたけど」
美世「あ、Pさん…怒鳴り声がした後、麗奈ちゃんが飛び出して行って…」
頼子「ど、どうしたら……」オロオロ
モバP「いるのは光か…、二人共、光を頼む」
美世「ま、まかせて」
頼子「…うん」
頼子「入るね…」
光「……」
美世「ど、どうしたの、光ちゃん、その顔」
光「ああ…美世さんと頼子さんか何でもないよ」
頼子「何でも無いようには見えないよ…」
光「どうせアタシなんか…いいよなあ、二人は…」
美世「ね、ねぇ、頼子ちゃん…もしかして…」ボソボソ
頼子「仕事が少ない事気にしてますね…これは」
光「……」ジー
頼子「わ、私だって、お月見イベントからメインのお仕事無いし」
光「海外ツアーに引っ張りだこの人がよく言うよ…」
美世「あたしは…何でもないです」
光「アタシさ…今度、恵さんとユニット組むよ」
光「地獄姉妹って名付けるつもりなんだ、ははは」
美世「ははは」
光「今、ワタシを笑ったかぁ?」
美世「ウッ…頼子ちゃん、これ何?」
頼子「少し前のあの番組じゃないでしょうか…比奈さんに教えてもらいました」
頼子「(それにしても…あやめちゃん並の影響のされやすさ…)」
美世「ああ…、さすが頼子ちゃん、何でも知ってるね」
頼子「知っている事だけです…うん」スッ
美世「頼子…ちゃん?」
光「何だよ、頼子さん…放っといてくれよ」
頼子「光さん」ギュ
光「な…」
頼子「捨て鉢にならないで…光さん」
光「……」
美世「頼子ちゃん…」
頼子「私、二人がいてくれなかったら…きっとデビュー出来なかった」
頼子「二人がいて…支えてくれたから…今の私があるの……だから」
光「でも…アタシ…」ウル
モバP「入るぞ」
麗奈「……」ムス
頼子・美世「Pさん」
モバP「光…これを読んでくれ」
光「これはファンレター?私宛…まだ来てたんだ」
モバP「いいから」
光「はいはい…、これはッ」
手紙『はじめて、おたよりかきます』
手紙『ぼくはひかるちゃんのファンです』
手紙『テレビではあまりみれないけど』
手紙『おとうさんがしらべてくれてステージにいってます』
手紙『さいきんのひかるちゃんはびょうきですか?』
手紙『ステージのうえでとってもつらそうです』
手紙『またぼくがあこがれたヒーローをステージでみたいです』
手紙『これからもがんばってください』
光「…プロデューサー…ワタシ……」
モバP「お前次第だぞ、光」
麗奈「正義の味方は挫けないんでしょうが」
美世「光ちゃん!」
頼子「光ちゃん」
光「プロデューサー…アタシ、やるよ!」
光「もう一度、皆の、この手紙の子のヒーローになるんだ」
モバP「わかった!そんな光に良い話がある」
モバP「今度のドリームLiveフェスティバルで麗奈とユニットを組んでもらう」
光「プロデューサー…」ウル
モバP「この子とご家族の分の招待状だ…返事書いてあげろ」
光「うん!」
・・・
美世「ああ、あの時は何が起こったのかと思ったわ」
頼子「私も同じ日に出演だったから、嬉しかったな…」
光「へへへ、二人共ありがとう」
光「頼子さんにぎゅっとされたの、すごく暖かかったよ」
頼子「う、うん…」カァ
光「頼子さんや美世さんって…お姉ちゃんみたいだ」
頼子「…うん、私も光ちゃんみたいな妹欲しいな」
美世「いいね、あ、Pさんにあたし達3人で姉妹ものの企画提案しようよ」
光「いいなそれ、三人の正義の味方だな」
頼子「ふふふ…三人でユニット組みたいね」
美世「よし、頼子ちゃんが長女役ね!」
頼子「美世さん…」キッ
美世「じ、冗談だって」
光「ははは、やっぱ三人一緒は楽しいや…あ、麗奈からメールだ」
美世「何だって?」
光「他の人には見せるなだって…ふふふ」
頼子「どんな文面かは…」
美世「想像できるね」
頼子「光ちゃん、実はお店取ってあるの…」
美世「あのヒーローのステーキハウスよ」
光「えっ、本当かッ!!」
美世「さ、あたしが車出すから、そろそろ行こっ」
頼子「安全運転でお願いしますね」
・・・
あるカラオケボックス
モバP「へぇ…事務所でお祝いした後、そんなことがあったのか」
光「ああ、憧れのあのヒーローの手料理も食べたし」
光「握手してもらって、写真も撮ってもらったんだ、ほら」
モバP「おっ、直立不動じゃないか…」
光「それはッ、憧れの人に会えたんだ…これくらい」
モバP「何だか、ちょっと悔しいな、ははは」
光「ほ、ホントか、プロデューサー」
モバP「あ、ああ、まあな」
光「ところで、プロデューサーさ…電車ないけど、どうすんのさ」
モバP「う…すまん、光がお手洗いに行ってる間につい…寝てしまって」
光「い、いいって、いつもアタシ達のために頑張ってくれてるんだから」
光「疲れたまって当然だよ…(アタシもちょっと期待してたし)」
モバP「光…?どうかしたか?」
光「な、何でも無いって」
モバP「もうこんな時間だから光も横になったらどうだ、子供は寝る時間だぞ」
光「…なぁ」
モバP「光?」
光「大人って…何なのかな、プロデューサー」
モバP「それは分別があってだな…うわッ」
光「大人って何だ、教えてくれよ、プロデューサー…教えて…」
モバP「…ッ(胸元が開いてて…み、見えた)」
光「なぁ…プロデューサー…こういうの恥ずかしいんだけど」
モバP「…(気づいてないのか…この背でこれだけあれば十分だよな)」
モバP「(もうちょっと背が伸びれば…将来有望だよな)」
モバP「(恥ずかしがる顔、もうちょっと見てようかな)」ニヤニヤ
光「な、なんだよ、プロデューサー、うん、何か当たって」
光「(え、え、えええ、何だこれ、頼子さんから聞いてたけど…えええ)」カァァァ
モバP「(さっきと様子が違う様な…)あああッ」
モバP「ち、違うんだ、これはあくまでも反応であって…」
光「そ、そうだよな」
モバP「俺、お手洗い行ってくるから、適当に歌っててくれ」
・・・
モバP「お待たせ…って光…寝たのか?」
モバP「やっぱり光はまだ子供だなって…こんな時間だもんな」
光「……」スースー
モバP「上着かけてやるか……ちょっと触るくらいいいよな」ゴクリ
モバP「……」ビービー
モバP「うわぁ、ごめんなさい」
モバP「メールか…ちひろさんだ…内容は」サー
モバP「俺も寝よう…」
・・・
翌日Pは憧れのあのヒーローと写真を撮った時の光のように
ちひろの前で直立不動になるのでした
メールの文面は…
ちひろ「おしまいですよ」ニッコリ
第19話・古澤頼子・その2「本当の気持ち」
某県某所
モバP「お疲れ様、頼子、今日も良かったぞ」
頼子「はい、お疲れ様です」
モバP「新しい仕事も板についてきたな」
頼子「うん…Pさんのご指導のおかげですね」
モバP「ははは、照れるな。でも頑張ったのは頼子だから、胸を張ってくれよ」
頼子「うん、ふふふ」
モバP「ど、どうしたんだ、頼子?」
頼子「Pさんと出会った頃は猫背が癖だったけど…」
頼子「Pさんが『胸を張って、顔を上げろ』って教えてくれたから…」
頼子「ちゃんとアイドル出来るようになったのかなって」
モバP「頼子…ありがとう、俺も頼子のおかげで自信が持てたよ」
頼子「はい?…私が役に立ってますか?嬉しい…」
モバP「…頼子は初めてスカウトしたアイドルだったからな」
モバP「正直手探りだったよ…」
頼子「じゃあ、私達は二人三脚でここまで来たの…?…ふふ」
モバP「そうだな…、なあ、頼子」
頼子「は、はい」
モバP「まだ東京に戻る電車まで時間あるし…二人で食事に行かないか?」
頼子「……えっ」
モバP「結局、あの日の約束も闇鍋パーティーになったしさ」
頼子「あれはあれで楽しかったですよ」
モバP「まあな…途中の記憶ないけど」
モバP「頼子が良かったら是非」
頼子「うん…、断る理由なんてないよ…Pさん」
モバP「そうか、じゃあお店は…」
頼子「ゆっくり…お話出来る所がいいです」
モバP「そうだな、じゃあ……ああ、そうだ、頼子」
頼子「何ですか?」
モバP「闇鍋パーティーの時さ、俺が気を失ってる間、何があった?」
モバP「何だか、ずっと柔らかい感触が頭から離れないんだ」
頼子「え?えっと、うーん、何ででしょう?」
モバP「そっか頼子もわからないか…暖かくていい感触だったんだけどな」
頼子「ッッ……膝枕ならいつでもしますよ」ボソ
モバP「どうした頼子?あの店にしようか」
頼子「あ…はい」
・・・
ある居酒屋
モバP「結局居酒屋ですまんな…はは」
頼子「いえ…個室ですし…この時間ですから…あ、このお料理綺麗……」
モバP「だろ?都内にも店舗があってさ」
頼子「(どちらかと言うと…女性向けのお店…かな?)」ジト
モバP「か、楓さんに教えてもらったけど…一緒に行ったことはないぞ」
頼子「ふぅん…あ、このいちごのデザート、食後に頼んでいいですか?」
モバP「あ、ああ…なあ、その…酒…いいかな?」
頼子「はい…いいですよ、ビールですか?」
モバP「ああ、最初の一杯はそうだな」
頼子「じゃあ、注文しますね」
・・・
モバP「ああーやっぱり美味いなぁ」
頼子「本当に美味しそう、ふふ」
モバP「いつでも美味いってわけじゃないけどな」
頼子「同じお酒でも…ですか?」
モバP「どんな気分で飲むかや、誰と飲むかも大切だな」
頼子「あ、なるほど(それって私と一緒だと美味しいってことだよね)」ポッ
モバP「頼子と一緒だから美味しいのかな、ははは」グイ
頼子「Pさん…あ、どうぞ」
モバP「ありがとう、頼子、お酌上手だな」
頼子「そ、そうかな…(練習した甲斐があったの…)」
頼子「ねえ、Pさん…私が二十歳になったら…お酒教えてください」
モバP「ああ、喜んで」グイ
頼子「でも…もしかしたら引退してるかもしれませんよ」
モバP「頼子なら引退してても教えるよ…あ、変な意味じゃないからな」グビ
頼子「うん…楽しみにしてるね…あ、どうぞ」
モバP「おお、悪いな…」グイ
モバP「ああ、美味いなぁ」
・・・
モバP「でなぁ、頼子ぉ…俺はなぁ…」
頼子「酔ってる…?」
モバP「頼子…聞いてるかぁ」
頼子「はい、聞いてますよ、お酒はこれくらいに…」
モバP「ああ、いい酒は悪酔いしないから、らいじょうぶ」クイ
頼子「は、はぁ…(そんなに良いお酒には…?)」
モバP「頼子、もう一杯お注いでくれ」
頼子「はい…(大丈夫かな…うーん)」
モバP「大体、皆俺がどーいう気持ちでいるかわからっているのら?」
モバP「なぁ、頼子、わかるかぁ?」
頼子「は、はぁ…?(Pさん溜まってるのかな?)」
・・・
ある公園
頼子「Pさん、私疲れました…少し休みましょう」
モバP「う…すまん、肩貸してくれて…‥俺も少し座りたいな…うぷ」
頼子「飲み過ぎです、Pさん」ナデ
モバP「ううう、すまん…うっ」
頼子「私も注ぎすぎたと思うけど」
モバP「うっっ、オエエエエエ」
頼子「あっ、Pさん、ダメッ」
・・・
モバP「ううう、よ、頼子?」
頼子「Pさん、大丈夫ですか?」
モバP「ああ、頼子、その手…」
頼子「……足元に吐いたら服汚れるから」
モバP「いや、頼子の手が…それに袖とか」
頼子「洗ったら平気ですよ…あそこの蛇口でゆすぎますから」
頼子「Pさんも口…きれいにしよ?」
モバP「ああ……」
・・・
頼子「Pさん…楽になりました?」
モバP「ああ…だいぶ……な」
頼子「良かった…」ナデ
モバP「(闇鍋の時も頼子が膝枕しててくれたんだな…)」
モバP「(それにしても…幻滅されただろうな)」
頼子「Pさん…?」
モバP「頼子、俺は…」
頼子「何も言わなくていいです」
頼子「ちょっと嬉しいんです…」
頼子「いつもしっかりしてるPさんが、こんな姿を見せてくれたのが…」
モバP「いや…それは……」
頼子「私、Pさんと出会ってから、ずっと支えてもらってばかりでした」
頼子「デビュー前に…大泣きしたこともあったよね」
モバP「そんなこともあったな…」
頼子「プロデュサーがPさんがじゃなかったら…私、もうここにいません」
頼子「だから…私も貴方を支えたいの……」
モバP「ありがとう…頼子」
モバP「もっと色んな事、話すようにするよ」
頼子「はいっ」
頼子「ところでPさん…早速なんですが……」
モバP「な、何だ?」
頼子「終電が無くなりました…」
モバP「あ……」
・・・
あるビジネスホテル
頼子「やっぱりベッドは一つですね」
モバP「ああ、ダブルベッドの部屋しか無かったからな」
頼子「……」
モバP「……」
頼子「あの…」
モバP「頼子、シャワー浴びてこいよ」
頼子「ええっ」
モバP「ほ、ほら…俺のせいで臭いが…気分良くないだろ」
モバP「すっきりしてきたらどうだ…?」
頼子「ああ、そういう事ですか…じゃあ、お先にいただきます」
モバP「ああ、ははは(こういう状況だと…そうとるよな)」
頼子「うん…(そういう意味…なのかな)」
モバP「アイドルの前で嘔吐して…その上あんなことまで……」
モバP「俺は頼子に何をしてやれるんだ…?
・・・
モバP「ああー、すっきりした…待たせたな、頼子」
頼子「いえ…、私も髪の手入れしてましたから」
頼子「千秋さんに教えてもらったんですよ、ふふふ」
モバP「ああ、千秋に…確かにこのごろ髪綺麗だな」
頼子「ありがとうございます…明日始発ですよね……そろそろ、寝ましょう」
モバP「そ、そうだな…早く寝ないと明日に響くな」
頼子「はい、ではお休みなさい…Pさん」
モバP「お、お休み、頼子」
・・・
モバP「…ね、眠れん」
頼子「……」
モバP「頼子は…寝てるのか」
モバP「(手を伸ばせば届く距離に…薄布一枚の頼子が……うっ)」
頼子「Pさん……?」
モバP「よ、頼子!?お、起きてたのか」
頼子「はい……、ドキドキして眠れなくて…」
モバP「そ、そうだよな、ははは」
頼子「Pさんもですか……?ふふ」
モバP「……(頼子も寝れないってことは…そういう気持ちなんだよな)」
頼子「………?」
モバP「(俺が頼子にしてやれること…それは……)」ガバッ
頼子「……Pさん?キャッ」
モバP「頼子…俺は……頼子と…その…いいか?」
頼子「……うん」
モバP「…頼子?」
頼子「ダメです……Pさん」
モバP「どうしてっ、頼子だって……」
頼子「私…ずっと、貴方の事見てきました……」
頼子「今日のPさんは……無理をしています」
モバP「……ッッ」
頼子「私は…貴方の本当の気持ちが欲しいの」
頼子「だから…無理に私に応えようとしないで」ウル
頼子「私がこんな事言っても…説得力ないかな?」
モバP「ごめん…頼子」
頼子「いいの…でも、ちょっと嬉しかったです」
頼子「ねぇ、Pさん……その、固くなってません?」
モバP「あああッ…い、いや、これは反応であって、その…」
頼子「ふふふふ」
モバP「わ、笑うなよ、頼子」
頼子「お、収まらないなら…その……し、しますか……」
モバP「バカ言うんじゃない…しばらくすれば収まるから」
頼子「そうですか…?お休みなさい、Pさん」
モバP「ああ、今度こそお休み、頼子」
・・・
結局、その夜Pは収まらず、眠れない夜を過ごすのでした
東京に戻ったP達を数名のアイドルが出迎えたのですが
Pの憔悴した様子に勘違いし、またも事務所は荒れに荒れるのでした
おしまい
第20話・高垣楓「お薦めのお店」
シンデレラプロ・事務所
楓「失礼しまーーーす」ササ
モバP「……」カタカタ
楓「誰もいないのかな?」
楓「あ、プロデューサー、まだ仕事中だ…待たせてもらおう」
モバP「…ふぅ、もうちょっとだ、頑張ろう」カタカタカタ
楓「ふふふ…今のうちにお疲れ様の紅茶いれてあげよう」
楓「ロイヤルミルクティーにしよう…ミルクは…これは?」
・・・
モバP「よしっ、これで終わりだ」
モバP「思ったより時間かかったな、うーーん、疲れた」
モバP「置いといたビール飲んでから帰るかな、ん?」
楓「……」スヤスヤ
モバP「何で、楓さんが…ああッ」
楓「うーん、後五分」
モバP「俺の持ってきたビールが…1,2,3、4本……全部じゃないか」ガクッ
楓「あ、プロデューサー、おはようございます」
モバP「まだ、夜です…これはどういうことですか」
楓「プロデューサーを待ってたんですよ…紅茶いれようと思って…」
モバP「紅茶をいれようと思って、その後は?」
楓「えっと、ミルクを探して冷蔵庫開けたら…ビールがあって」
モバP「ビールがあって?」
楓「キーンと冷えて美味しそうなので、飲んじゃいました!」
モバP「飲んじゃいました!じゃないでしょうっ」
モバP「俺の仕事後の楽しみをとらないでくださいよ」
楓「あ、じゃあ、これから二人で飲みましょう」
楓「ビールの分、私が奢りますから」
モバP「こ、この時間からですか?」
楓「時間がないなら急がないと、ほら、早く行きましょう」グイ
モバP「待ってください、戸締まりとか…(胸…当たってる)」
・・・
都内・ある居酒屋
モバP「結局来てしまった…って、このお店ですか」
楓「もしかして…最近誰かと行きました?」
モバP「べ、別に頼子となんて行ってませんよ」
モバP「あっ…」
楓「やっぱり…」
モバP「(ハメられた…意外としたたかだな)」
楓「頼子ちゃんがいちごのデザートの話してたから、もしかしてって?」
モバP「チェーン店ですけど、イイお店ですね、あははは」
楓「お薦めのお店教えるのって…どういう意味かわかりません?」ムス
モバP「今日はご馳走させてください」
楓「やったぁ、さぁ、行きましょう」
・・・
楓「プロデューサーはビールにしますか?」
モバP「ああ、そうですね、飲み逃しましたから」
楓「うー、もうそれは忘れてください、しつこい人は、めっ、ですよ」
モバP「は、はい…(か、かわいい…)」
モバP「ああ、楓さんは日本酒ですか?」
楓「今日は梅酒にします、梅酒はウメエッシュですから」
モバP「………俺も次そっちにしようかな」
楓「これが売りのお店ですから、こっちも美味しいですよ」
モバP「じゃあ、お店の人呼びますね」ピンポーン
・・・
楓「はぁ…やっぱり美味しい」
モバP「ああ、やっぱり二人で飲むのはいいですね」
楓「誰でもじゃないですよ、プロデューサーと一緒だからです」
モバP「あはは、あのー、楓さん、俺そろそろ終電が…」
楓「えっ?私もっとプロデューサーと一緒にいたいです」
モバP「気持ちは嬉しいですけど、明日の仕事が…」
楓「私が教えたこのお店…頼子ちゃんと行きましたよね」
モバP「うっ」
楓「前にプロデューサーがお薦めのお店に連れて行ってくれたお礼だったのに」
モバP「は、はい……」
楓「せっかく、デート出来るようなお店だったのに…他の娘と…」プイ
モバP「わかりました、わかりました、今日は付き合いますから」
楓「本当ですかぁ、うふふふ」パァァ
モバP「はぁ…(また終電が無くなった…)」
楓「暗いですよ、プロデューサー、さぁ、飲みましょうか」
モバP「はい…」
・・・
モバP「もう…4時か……楓さんは…寝てるか」
楓「……」スヤスヤ
モバP「猫みたいに丸まって寝て……、かわいいな」
楓「……」ムニャムニャ
モバP「それにしても…綺麗な体だよな…」ゴクリ
モバP「このホットパンツから伸びる脚なんて反則じゃないか」
モバP「失礼します…楓さん……スベスベだ」
楓「うん」
モバP「ふくらはぎから…太ももに……はぁはぁ」
楓「…あん」
モバP「…はぁはぁ…あ、ホットパンツか……」
モバP「す、隙間から何か見えているような……ウウッ」
モバP「いや、さすがにこれ以上は不味いだろッ」
モバP「本当に…黙ってれば、文句なしに綺麗な人だな…」
モバP「このまま起きないと俺がキスして起こしちゃいますよ…うわっ」
楓「うーん」ギュッ
モバP「ちょっと、楓さん…うぷっ」
モバP(大きくないけど…柔らかい…あっ、でも酒臭いな)」
モバP「寝ぼけないでください、楓さん」
楓「うーーん、プロデューサー?」
モバP「か、楓さん、起きてくれましたか」
楓「あっ…私、襲われてますか?」
モバP「楓さんが寝ぼけて抱きついたんです」
楓「嘘ばっかり…私の脚触ってたのは誰ですか?」
モバP「え、いや…それは……」
楓「私…プロデューサーなら…いいですよ」
モバP「それは美味し…いや…ダ、ダメです」
楓「えっ…」
モバP「楓さんは今大切な時期なんですから…」
モバP「それにアイドルとプロデューサーですから」
楓「はい…」
・・・
楓「はぁ…この時間は辛いですね」
モバP「そ、そうですねぇ…・俺は2日連続だし」
楓「あ、プロデューサー、あそこで休憩しましょう」
モバP「き、休憩って、何を言ってるんですかっ」
楓「牛丼屋ですけど…うふふふ」
モバP「いいっ」
楓「あっちのホテルが良かったですか?」
楓「プロデューサーのキスで起こしてくれるんですよね」
モバP「ぎ、牛丼屋でお願いします」
楓「はーい、うふふふ」
モバP「はぁ…(でも、こういう奔放な所が魅力だよな)」
・・・
その後、Pが楓の脚を触った件はかなり誇張されて広まり
ちひろにはみっちり怒られ、頼子には弁当に辛子を仕込まれ
こずえにはケダモノと呼ばれ、Pの精神はボロボロになるのでした
おしまい
番外編・第11話「双葉杏と古澤頼子誘拐事件」
シンデレラプロ・事務所
頼子「今日のお弁当、上手く出来た、ふふふ」パカ
頼子「前のお弁当は辛子入りだったから、今度は喜んでもらいたいな」バァン
頼子「えっ、な、何?」
杏「ハァハァ…、頼子だけか…良かった」バタ
頼子「あ、杏さん…?大丈夫ですか?」
杏「ああ…やっときらりんハウスから逃げてきたんだよ…ハァハァ」
頼子「えっと…前にも一度同じようなこと言ってなかった?」
杏「そうなんだけどさ…きらりが飴くれるって言うから…」
杏「着いていったら、この様だよ…ハァハァ」
頼子「……(少し…危なくないかな)」
杏「そ、そう言えば、きらりはいないよね」
頼子「きらりさんは…今日はお仕事でしばらく戻りませんよ」
杏「そっか、やっと落ち着けるよ、あー、もう一生分疲れた」
頼子「………」
杏「あ、何、このお弁当、いただきまーす」
頼子「あっ」
杏「お、美味しいっ!これ頼子が作ったの?」モグモグ
頼子「………」ポカーン
杏「こっちのも美味しそう、うーん美味だね」パク
頼子「……杏さん」
杏「ん、どうしたの、何か怖い顔してさ」
頼子「ヒドイです、杏さん…せっかく」
杏「えっ、頼子まだだったの?こんなに残ってるし、許してよ」
頼子「……あっ、ふふふ」
杏「ど、どうしたのさ、急に笑い出して」
頼子「いいえ、良かったら残りもどうぞ、うふふ」
杏「えっ、いいの?やったー、うーん美味しい」モグモグ
頼子「杏さん、良かったら今日はうちに泊まりません?」
杏「ホント?助かるよー、事務所にいたら働かされるからさ」
頼子「私のレッスンと取材が終わるまで待っててくださいね」
杏「早く帰って来てよ、杏を待たせないでね」
頼子「ええ、そんなに遅くはなりませんから…待っていてください」
・・・
数時間後・頼子のマンション
杏「うわぁー、頼子っていい所住んでるね」
頼子「そうですか?嬉しいな…」
杏「うん、二部屋もあるんだしんさ、杏を養ってよ」
頼子「それは…どうかな……晩ご飯まだだよね?」
杏「うん、お腹空いた、飴食べたい」
頼子「私のお手製で良かったらどうぞ…」
杏「うわぁ、何これ、綺麗ー、それに甘ーーーい」
頼子「ふふふ、喜んでもらえて嬉しいの…」
頼子「(本当はPさんがお疲れの時のために作ったの…)」
頼子「(楽しんでね、最後の晩餐を)」
杏「頼子、どんどん持ってきてよ」
頼子「はい、少し待ってください…ふふふ」ポチ
・・・
都内某所
モバP「頼子からメールだ……まだ怒ってるのかな?」
モバP「いや、俺は悪くないぞ、楓さんの脚が悪いんだ」
モバP「どれどれ…な、何だってぇ」
周子「どうしたん、ケダモノPさん」
モバP「周子…誤解を招く発言は止めてくれないか」
周子「事実じゃん、頼子とかいるのに楓さんの寝込み襲うなんてさ」
モバP「俺が触った時から、楓さん起きてたんだぞ」
モバP「それに、頼子とかって何だ、とかって」
周子「ケダモノPさん、あたしも食べてみる、きゃん」
モバP「悪ふざけはほどほどにしろ」
周子「また小突いた…」ブー
モバP「すまんが、今日はこれまでだ」
周子「えー、せっかくPさんと一緒に夜更かしするつもりだったのに」
周子「わかった、頼子のとこ行くんでしょ」
モバP「ち、違うよ」
周子「じゃあ、あたし、頼子と夜遊びしよー」ニシシ
モバP「わかったよ…これを見ろ」
周子「メール…やっぱ、頼子じゃん、んん?」
周子「あー、杏も年貢の納め時だね」
モバP「だろ、ふふふ」
周子「Pさん、何か怖いよ」
・・・
頼子のマンション
杏「あー、食べた食べた、頼子って料理上手だね」
杏「杏、毎日食べてもいいよ」
頼子「ふふふ、ありがとう…でも、これが最後かも…」
杏「えっ」ピンポーン
頼子「Pさん、お待ちしてました」
杏「頼子ッ、騙したね」
頼子「貴方がいけないんです、杏さん…」
モバP「杏、もうどこにも逃げられないぞ」
モバP「さぁ仕事だ、収録だ、レッスンだ」
杏「えー、杏、働きたくない」
モバP「駄目だ、今までさぼった分働いてもらうぞ」
杏「ならさ、晶葉に杏のロボ作ってもらおうよ」
モバP「ふざけるなッ」バァン
頼子「ッッ」
モバP「あ、すまん頼子…つい」
頼子「いいえ、手大丈夫ですか?」
モバP「ああ、すまんな…少し外してくれるか?」
頼子「はい…じゃあ、近くのスーパーにでも…夜まだですよね」
モバP「いいのか、悪いな」
杏「そーー」
モバP「杏ッ」
杏「ひぃ」
頼子「じゃあ、行ってきますね」
モバP「近くとはいえ、気をつけてな」
頼子「はい…」
・・・
最寄りのスーパー
頼子「これくらいでいいかな…」
頼子「ふふふ、お弁当の分もPさんに喜んでもらわないと」
頼子「ごめんなさい…杏さん、でも貴方が悪いんですよ」
??「今、杏ちゃんって言ったかにぃ」
頼子「えっ、貴方はッ」
??「大人しくするにぃ」
頼子「いやぁぁぁぁぁ」
・・・
頼子のマンション
モバP「頼子…遅いな」
杏「そ、そうだね…(もう、正座止めてもいいよね)」
モバP「ッッ」キッ
杏「うっ」
モバP「お、頼子からメールだ…ほっ」
モバP「なになに…んん?」
モバP『頼子ちゃんはあずかったにぃ』
モバP『頼子ちゃんを返してほしかったら、杏ちゃんをきらりに返すにぃ』
モバP『もし、杏ちゃんを返さない場合は』
モバP『頼子ちゃんをきらりんハウスにお迎えするゆ』
モバP『Pちゃんの懸命な返事を期待してりゅ』
モバP「…頼子が攫われたッッッ」
杏「ちょっと、どういうことだよ、頼子が攫われたって…」
モバP「これを見ろ…」
杏「えっ、きらりがこんな事を…」
モバP「………」
杏「い、嫌だ、杏はきらりんハウスには行かないぞ」
モバP「でも、そうすると頼子が…」
杏「プロデューサーは杏と頼子、どっちが大切なのさ」
モバP「ッッ」
杏「杏さ…養ってもらうのはさ……」
杏「きらりでも、頼子でもなくて、プロデューサーがいいんだ」ギュッ
モバP「おい、杏…」
杏「教えてよ、プロデューサー」
モバP「(当たってるけど…いや、これはこれで…)」
杏「ねぇ…」ウル
モバP「皆大切だよ、杏も頼子もきらりもな」
モバP「杏をきらりんハウスに戻させない」
モバP「頼子も連れ戻す、きらりは…さすがにお説教だな」
杏「プロデューサー……」
モバP「さあ、行くぞ杏…きらりをほっとけないだろ」
杏「う、うん…(ちょっと…かっこいいな)」
杏「上手くいったら、またお休みくれるよね」
モバP「……」バァン
杏「無言で机叩かないでよー」
モバP「…きらりの家……ここからだと乗り継ぎ大変だな」
杏「このままだと、今日中に着かないよ」
モバP「よ、頼子の一大事だ……タクシーで行こう」
杏「プロデューサー、リッチだねー。やっぱ養ってよ」
モバP「ま、まあな(きらりの家、都内だから大丈夫だよな……)」
・・・
Pと杏はきらりに攫われた頼子を救い出せるのか
きらりんハウスに囚われた頼子の運命やいかに
Pの財布は大丈夫か、給料日はまだ先だ
番外編・第12話「諸星きらりと古澤頼子誘拐事件」に続く
番外編・第12話「諸星きらりと古澤頼子誘拐事件」
前回のあらすじ
やっとの思いできらりんハウスから逃れた杏は頼子に匿われる
しかし、それは頼子の罠で、杏はPを自宅に呼ぶダシだった
そんな頼子も杏を取り返そうとするきらりに拐われてしまう
果たしてPの胃袋と財布は持つのか
・・・
頼子のマンション
モバP「さあ、きらりの家に行くぞ、杏」
杏「それなんだけどさ、杏はお留守番するよ」
杏「めんどくさいからじゃないよ、ほら戸締まりとかさ」
モバP「ああ、それなら大丈夫だ…」ゴソゴソ
杏「あれ、プロデューサー、何してんの」
モバP「おっ、あったあった、やっぱり合鍵はここのままか」
杏「えっ…、どうしてプロデューサーが合鍵の場所知ってんのさ」
モバP「べ、別にいいだろ、さあ、行くぞ」
杏「えー(お腹が痛くなったことにしたら良かった…)」
・・・
数時間前
シンデレラプロ事務所
きらり「杏ちゃん、杏ちゃんがいないにぃ」ドンガラガッシャーン
ちひろ「ただいま、戻りました…ってあら?」
周子「あっ、ちひろさん良かったー、ずっときらりがあの調子でさ」
ちひろ「ああ…、あれは上手く行ってるみたいだけど…」
周子「事務所がもたないよねー」
ちひろ「周子ちゃん、Pさんの方は上手く行った?」
周子「もち、今頃よりこんハウスで杏と一緒かな、にしし」
ちひろ「ばっちりね(よりこん……よりりんといい勝負よ、周子ちゃん)」
ちひろ「じゃあ、次の段階に進みましょうか……きらりちゃん」
きらり「ちひろさん!杏ちゃんが杏ちゃんがー」
ちひろ「杏ちゃんなら、Pさんと一緒に頼子ちゃんの家よ」
きらり「どうして、その二人といるにぃ」
ちひろ「騙されて連れ去られたのよ、杏ちゃんを取り返しましょう!」
きらり「わかったにぃ☆杏ちゃんはきらりんハウスにいるのが一番だにぃ」
ちひろ「私達も協力するわ(…それもそれで困るんだけど……)」
きらり「よろしく頼むにぃ、ちひろさん、周子ちゃん」
ちひろ「もちろんよ、車を回すわ」
周子「えっ、あたしもっ?」
ちひろ「……」ジー
周子「わ、わかったって…面白そうだし、ま、いっか」
・・・
頼子のマンションの近く
頼子「うふふ、Pさんに作りたての料理食べてもらえるの久しぶりだな…」
周子「頼子、発見!」
ちひろ「尾行開始ね」
きらり「頼子ちゃん、許さないにぃ」
頼子「……?気のせい…じゃないよね」
周子「もしかして、気づかれてる?あ、スーパーに入ったね」
ちひろ「うーん、作戦変更ね、きらりちゃん、待ち伏せよ」
きらり「おっすおっすばっちし!きらりんパワーで頼子ちゃん、連れてくるにぃ」
ちひろ「(…頼子ちゃん、殺さないでよ)」
・・・
頼子「これくらいでいいかな…」
頼子「ふふふ、お弁当の分もPさんに喜んでもらわないと」
頼子「ごめんなさい…杏さん、でも貴方が悪いんですよ」
きらり「今、杏ちゃんって言ったかにぃ」
頼子「えっ、貴方はッ」
きらり「大人しくするにぃ」
頼子「いやぁぁぁぁぁ」
きらり「頼子ちゃん、確保だにぃ☆」
頼子「うっ、痛いッ…きらりさん、何を……」
きらり「頼子ちゃんが悪いんだにぃ!きらりと来てもらゆ」
頼子「杏さんの件には訳が……」キキッ
周子「きらり、早く中にッ」
きらり「わかったにぃ」グイッ
頼子「キャァァ」
・・・
車内
頼子「何をするんですかっ…そっちは周子さんに…ちひろさん?」
きらり「杏ちゃんを騙した頼子ちゃんが言うことじゃないにぃ」
頼子「それはちひ……ンンッ」
周子「はい、頼子ちゃん、おしゃべりはそこまで」
ちひろ「周子さん、ボールギャグ用意してあるから使って」
頼子「ひっ」
周子「すごいじゃん、何これ、ちひろさんが普段使ってるの?」
ちひろ「……」ジー
周子「ごめんなさい、冗談です…さぁ、頼子、咥えて…あーん」
頼子「んんんッ」
周子「あー、抵抗するんだ、いけっ、きらり」
きらり「きらりに任せりゅ☆」グイッ
頼子「んん、ぷはッ」
周子「はい、あーん」
頼子「んんー」モゴモゴ
周子「外せないように後ろ手に…おっ、手錠なんてあるんだ」
きらり「手はきらりがやるにぃ、周子ちゃんは脚お願いすりゅ」
周子「オッケー」
頼子「ンー、ンーッッ」フルフル
周子「大丈夫だよ、頼子…すぐに気持ちよくなるから」
ちひろ「ふふふ、これでばっちりね…写真撮ってPさんに送ってあげて」
頼子「ンンンッ」モゴモゴ
周子「頼子携帯借りるよ、ほら、大人しくするっ」パシャ
頼子「ッッ」ウル
周子「あ、目隠しもいっとく?」パシャ
ちひろ「周子さん、目的忘れないでね」
周子「はーい、きらり文章よろしくっと」
きらり「わかったにぃ☆」
頼子「んんっ」
ちひろ「(ちょっとやりすぎてるかな…、ううん、これもお金のため…もとい仕事よ)」
ちひろ「(鬼、悪魔になるのよ、ちひろ)」
・・・
タクシー車内
モバP「そう言えば…きらりはどうやって頼子を連れて行ったんだ?」
杏「そーいや、そうだね」
モバP「きらりの体格でも頼子が遮二無二抵抗したら人目につくぞ」
モバP「公共交通機関での移動は不可能だ」
杏「じゃあ、誰かが車出してるってこと?」
モバP「ああ…本当にきらりが拐ったのならまだいいけど……」
杏「えっそれって…、大丈夫だよね…頼子」
杏「(あれ?こんな事になるはずじゃ)」
杏「ねぇ、プロデューサー…さっきのメール写真ついてなかった?」
モバP「ああ、そう言えば…こ、これはッ」
杏「え、何々、何で前かがみになってんの?」
モバP「いや、何でもない…これは他人には見せられない」
杏「いーじゃん、ケチだな、プロデューサー」
モバP「どうしても見たいなら、明日から休み無しな」
杏「…やっぱりいいよ」
モバP「この頼子を抑えてるのどう見てもきらりだな、ちょっとだけ安心したよ」
モバP「とりあえず、きらりの家に行くか」
・・・
きらりの家
きらり「さぁ、頼子ちゃん、きらりんルームへようこそ☆」
周子「おー、ここがきらりんルームか」
ちひろ「可愛らしい部屋ね」
頼子「……」
きらり「頼子ちゃん、元気ないにぃ」
周子「(家の中はカメラたくさんあるから、猿ぐつわにしたけど…まあ、無理ないか)」
周子「(涎垂らしたくなくて、ずっと顔上げてたし…健気だね)」
周子「もうちょっとだけ…我慢してね」ボソ
頼子「ンー」ピンポーン
ちひろ「あ、Pさん来たのかしら?」
周子「じゃあ、あたしらは隠れてるから」
きらり「杏ちゃん、来てくれたにぃ」
モバP『きらり、いるかッ、頼子は無事だろうな』
きらり「Pちゃん、頼子ちゃんは無事だにぃ…杏ちゃんはいるかにぃ」
杏『杏もいるよ…どうしてこんな事するんだよ』
きらり「杏ちゃん、どうしていなくなったにぃ…鍵は空いてりゅ…入るにぃ」
頼子「…(Pさん…来て…くれたんですね)」
・・・
モバP「きらり…入るぞ」コンコン
きらり「どうぞだにぃ…杏ちゃん!」
杏「ううう」
モバP「頼子ッ、無事だったか」
頼子「(Pさん…嬉しい………)」ウル
きらり「頼子ちゃんは杏ちゃんと交換だにぃ」
モバP「駄目だ…頼子も杏も連れて帰る」
きらり「Pちゃん、ふざけてるのかにぃ」
モバP「ふざけてなんかないッ!!」
きらり「っっ」ビクッ
モバP「なぁ、きらり…きらりが杏の事好きなのは知ってるよ」
モバP「でもな、きらり、好きなだけじゃだめなんだ…もっと相手の事考えないと」
モバP「きらりは杏を自分の思い通りにしたいだけ…じゃないだろ」
きらり「きらりは…杏ちゃんに何不自由なく暮らして欲しかっただけだにぃ…」
モバP「二人でいるのはお互いがよければそれでいい」
モバP「でも、もっと杏の希望も聞いてやらないと、杏が嫌がるだろ」
モバP「人を好きになるって、相手の事を思いやることだと思うんだ」
杏「そうだよ、ちょっときらりは強引すぎるよ」
きらり「ごめんにぃ…杏ちゃん、うわーーーん」
杏「べ、別にもういいって…それより飴ちょうだい」
きらり「うん、持ってくるから、待ってるにぃ☆」グス
モバP「…ふふふ、よ、頼子…その、大丈夫か」
頼子「フーフー」
モバP「今外すな…」シュル
頼子「ううう」
モバP「口の回り綺麗にしような」フキフキ
頼子「Pさん…」
・・・
きらりの家の別室
ちひろ「ふふふ、Pさんの名演説がばっちり撮れたわね」
周子「そうだねー、けっこう恥ずかしいこと熱弁してたね」
周子「頼子のボーグギャグ姿をお茶の間に届けられないのは残念だけど」
ちひろ「さすがにあれは放送できないわよ」
モバP『なぁ、きらり…頼子をここまで運ぶのどうやったんだ』
きらり『それは…』
周子「やばっ、ちひろさん、早くいかないと」
ちひろ「ええ、急ぎましょっ」
・・・
きらり「それは…ちひ……」ガチャ
ちひろ「ドッキリでーーーーす」テヘ
周子「だから、笑って許してねん」ペロ
モバP「…………」ブチ
・・・
ちひろ「だから、これはお仕事で仕方が無かったんですって……」プルプル
モバP「はぁッ?」
周子「まさか、あたしまで正座させれるなんて…」プルプル
モバP「はぁ…結局きらりはちひろさんにそそのかされてたのか…」
きらり「でも、こういう事しちゃったのはきらりだにぃ…」
頼子「私も…仕事とはいえ、杏さんをだまして家に連れ込みました」
杏「いいって…杏もほらさ、これ…楽な仕事だから不思議だったんだ」
モバP「ぬいぐるみにカメラ…ちひろさん……」
ちひろ「う……」
モバP「頼子はどこまで知ってたんだ……」
頼子「は、はい…ドッキリなのは知ってましたけど……」
頼子「私は杏さんを家に連れて行くだけのはずでした」
モバP「頼子にボールギャグとか使ったのはどうしてですか?」
ちひろ「それは…」
モバP「……」バァン
ちひろ「ヒッ」
ちひろ「きらりちゃんにはドッキリの事話してなかったので…」
ちひろ「頼子ちゃんからバレるのを防ごうと思いました…はい」
ちひろ「きらりちゃんは知らない方がうまくいくと思って…ごめんなさい」シュン
頼子「もういいですよ…ちひろさん」
頼子「(Pさんに口の回り拭いてもらったの嬉しかったの…、ふふふ)」
頼子「でも、あれつけてる映像は無いですよね」
ちひろ「車のカメラならここです…」
頼子「………」ベキ
頼子「あら、壊れちゃいました…こういうのって壊れやすいんですね」
頼子「あ、メモリーカードも抜いておかないと、ふふふ」バキ
ちひろ「(…高かったのに)」
周子「頼子もこう言ってるんだから…正座止めてもいいでしょ」プルプル
周子「ほら…あたしも手伝っただけなんだからさ」
頼子「そのわりには私にノリノリでボールギャグ咥えさせたの……」
周子「ウッ」
モバP「よし、周子は膝の裏にモップ挟もうか」
周子「じょ、冗談だよね…」
モバP「角材にするか?」
周子「モップ挟ませていただきます」
きらり「きらりも頼子ちゃんに手錠はめたゆ…ごめんにぃ」
頼子「いえ…きらりさんは………いいんです」
きらり「うう…」
頼子「……これから、きらりちゃんって呼んでもいいですか?」
きらり「もちろんだにぃ☆きらりハピハピだにぃ」
モバP「うんうん…仲よき事は美しきかな」
ちひろ「ッッッ」プルプル
周子「も、もうダメ」プルプル
杏「……ねぇ、プロデューサー、帰りどうすんのさ、もう電車ないよ」
モバP「あっ…」
ちひろ「僭越ながら…こ、このちひろめが皆様をお送りいたします……」プルプル
モバP「ほっ……じゃあ、それでお願いします」
きらり「……」
・・・
翌日
シンデレラプロ事務所
頼子「おはようございます…」
モバP「ああ、頼子か…おはよう」
頼子「眠たそうですね…私もですけど」
モバP「昨日遅くなったからな…ふぁ」
頼子「コーヒーでも淹れますか?」
モバP「いや、たまには俺がやるよ……手首とか跡ついてないか?」
頼子「はい…大丈夫ですよ……うん」
モバP「時間あるから少し横になっておけ、今日は遅いからな」
頼子「うん…ありがとう、Pさん」
モバP「コーヒーは起きたころにいれるよ」
頼子「じゃあ、少し…仮眠室に行ってきます」
モバP「あ、そうだ…昨日のあの画像だけど……」
頼子「あ……」カァァ
モバP「ちゃんと削除しといたからな…その…気分よくないだろ」
モバP「あ、なんだったら、俺のパソコンも調べるか?」
頼子「い、いえ…Pさんを信?してます……でもお家には行きたい…かな」
モバP「ああ…それは…だな」
頼子「ふふふ…失礼しますね」
モバP「あははは」
・・・
きらり「今日もー☆おにゃーしゃー☆」
モバP「お、おう、きらりか…元気だな」
きらり「うん、きらりはいつでもハピハピよ☆」
モバP「そっか…今日もよろしく頼むな」
きらり「はい、Pちゃんにこれあげゆ」
モバP「ああ…これはきらりんハウス永久招待券?」
きらり「昨日のPちゃんカッコ良かったにぃ」
きらり「だから、きらりんハウスでは杏ちゃんとPちゃんと三人で住みたいにぃ」
モバP「ははは…、検討させてもらうよ」
きらり「良い返事を期待してるにぃ☆」
・・・
その後、Pの抵抗空しくドッキリ番組はオンエアされ
Pのちょっと恥ずかしい演説は全国中継されるのでした
なお、杏は今回のは仕事として、対価に有給を主張し、Pに怒られるのでした
そして、頼子の緊縛画像を確かに消去したPですが
その前にしっかりおかずにしていたのでした
おしまい
第21話・脇山珠美「珠けがれなく剣けわし」
シンデレラプロ事務所
モバP「お疲れ様です」
ちひろ「お疲れ様です、Pさん」
モバP「あ、ちひろさん、お疲れ様です」
ちひろ「あ……脚が痛いです、うう」
モバP「あれはちひろさんが悪いです……」
ちひろ「はぁい」プイ
モバP「アイドルはまだ誰か残ってますか?」
ちひろ「ああ…それが……」
モバP「えっと…あ、あの……すごく空気がどんよりしてる場所が…」
ちひろ「珠美ちゃん…部活でまた補欠の補欠だったみたいで」
モバP「…ちょっと、話してきます」
ちひろ「はい、お願いします」
モバP「ははは、大丈夫かな」
・・・
珠美「珠美は…珠美は…」
モバP「お、おい珠美、部活で上手くいかなかったらしいな」
珠美「P殿…」ウルウル
モバP「な、なあ、珠美…諦めたら、そこで剣の道は終了だぞ」
珠美「珠美は諦めてなど……」ジュルリ
ちひろ「(Pさんもあの漫画好きなんだ)」
ちひろ「(でも……付き合うならバスケットより野球選手よね)」
モバP「事務所の皆を見ろ…一年間まともに仕事が無くても…」
モバP「腐らないで、しっかりレッスンして、大きい仕事にチャレンジしてるぞ」
珠美「珠美は剣道部に入って一年半経ちました……」
モバP「あ………」
ちひろ「(Pさん…それはフォローになってません…しょうがないなぁ)」
ちひろ「珠美ちゃん、Pさん、ちょっといいですか」
モバP「は、はい」
珠美「どうされたのですか、ちひろさん」
ちひろ「なんと、倉庫にPさんと珠美ちゃんのサイズにぴったりの防具と竹刀があります」
ちひろ「しかも、レッスンスタジオを貸しきってあるんです」
モバP「えっと…それで何をしろと?」
ちひろ「もちろん、特訓ですよ、特訓」
珠美「……」パァァァ
モバP「ちひろさん……どうして防具があるんです?」ボソ
ちひろ「ふふふ、今度剣道もののドラマのオーディションがあるんですよ」ボソ
モバP「俺をアイドルの練習台にするつもりですね」ボソボソ
ちひろ「アイドル同士叩かせるのはちょっと…」ボソボソ
モバP「俺剣道の経験ほとんどありませんよ」ボソボソボソ
ちひろ「ちょっとあれば十分ですよ」ボソボソボソ
珠美「あの、お二人とも、何をお話なのですか?」
珠美「それより、早く特訓を始めましょう、さあ」キラキラ
ちひろ「あんなに期待してる珠美ちゃんを裏切るんですか?」
モバP「う……」
ちひろ「それに脚痛いなぁ…カメラ高かったのになぁ」
モバP「カメラの修理は事務所の経費で落としましたよね」
ちひろ「えっーと」
珠美「P殿、まだでありますか?」
ちひろ「ほら、珠美ちゃんが呼んでますよ」
モバP「わかりましたよ、じゃあ、行ってきます」
ちひろ「二人共頑張ってね、あ、防具はスタジオに置いて直帰でいいですから」
ちひろ「あ、そうだ、適当に負けてあげてくださいね」ボソ
モバP「はい、わかってます」
珠美「いって参ります、ちひろさん」
・・・
レッスンスタジオ
モバP「おお、天井高いからちゃんと竹刀振れるな」ヒュッ
珠美「……」ポカーン
モバP「どうした、珠美…手が止まってるぞ?」
珠美「いえ…P殿の素振りが素晴らしかったもので…」
モバP「そうか!高校の時の体育以来なんだけどな」
モバP「結構スポーツや武道が強かったから、体育とはいえしごかれたな」
珠美「そ、そうですか」
モバP「これでも筋が良いって剣道部に誘われたんだからな」
モバP「まあ、入部はしなかったけどな、ははは」
珠美「これはレベルアップのチャンス、よろしくお願いしますP殿!」
モバP「よしっ、始めるか」
・・・
モバP「踏み込みが足りん!」バシ
珠美「うわ…」グラ
モバP「もらった」バシーン
珠美「ううっ」
モバP「あ……、し、しまった、つい……」
珠美「さ、流石、P殿です…」フラ
モバP「あ、いや、これは…」
珠美「も、もう一本お願いします……」フラ
モバP「もうフラフラじゃないか…そろそろ電車無くなるし、次が最後な」
モバP「(しまった…つい熱くなってしまった)」
モバP「(素人相手にこれじゃ、自信喪失するよな…、どうしよう)」
珠美「行きますよ、P殿、いやぁぁぁぁ」ダン
モバP「お、すごい気迫だ……って飛んだぁ?」
モバP「(えっ、剣道って上に飛んでいいのか…い、いや流石にくらうとまずい…)」
珠美「あああああ」スカ
モバP「へっ…?」キーン
モバP「ッッッッッ」バタ
珠美「……ハァ、ハァ、P殿、珠美はやりました」
珠美「……P殿ぉっ」
・・・
モバP「俺の息子が、息子がぁ」ウーン
珠美「P殿、大丈夫ですか、P殿」
モバP「ううう、何だ、頭の良い感触が……」
モバP「もう少し、このままでいいかな…ふふふ」
珠美「変な事言ってないで起きてください、P殿」
モバP「う、うう、ああ、珠美か…玉は…ふう、無事か」
珠美「P殿…大丈夫でしたか」
モバP「ああ…珠美が膝枕してくれてたのか」
珠美「はい、頼子さんが男性が気を失った時は膝枕が一番だと」
モバP「確かにあれは良かったな…ふふふ」
珠美「やはりはどこか……?」
モバP「ああ、大丈夫だ、ありがとう、珠美(おい、頼子…何教えてるんだ)」
珠美「珠美はやりましたッ、ついにP殿から一本取りましたッッ」
モバP「あ、ああ、そうだな(確か面は空振ったよな…)」
モバP「(それで俺の息子が痛むってことは…ああ、床に当たって跳ね上がったのか)」
珠美「珠美もついに必殺剣を身に付けたのですね」キラキラ
モバP「(でも、この喜びようを見ると言えないな…はは)」
モバP「さっきからずっと膝枕されたままだけど、気持ちいいな」
珠美「………」カァァ
モバP「あ、声に出しちゃった…アアッ!」
珠美「どうしたのですか、P殿?」
モバP「終電が無くなってる……」
珠美「えっ…」
モバP「どうしよう…」
珠美「どうしようと言われましても…」
モバP「……」
珠美「……」
モバP「な、なあ、珠美…いつまで、膝枕してくれるんだ?」
珠美「え、えええ、い、いつまでと言わずいつまででも構いません!」
モバP「バ、バカな事言うんじゃない」
モバP「(この距離で見ると…この距離でも珠美の胸は無いな)」
モバP「(でも、健康的な色気というか…汗と混ざっていい匂いだなぁ…)」
珠美「P殿、どうされたのですか?顔がにやけていますよ」
モバP「ええっ、あははは(いっそ、太ももに顔を埋めてやろうか)」
珠美「P殿…珠美は、剣以外の道も……ご指南いただきたいです」
モバP「……アイドルのレッスンのことだよな?」
珠美「……」フルフル
モバP「い、いや、それは…(本人がこう言ってるんだし、お尻くらい…)」そー
珠美「P殿?」
モバP「うわぁ…な、何でもない、何でもないぞ」
モバP「な、なあ、珠美、俺は珠美とそういう事は出来ないよ」
珠美「P殿…どうしてですか?」
モバP「俺は……珠美の恋人役にはなれない」
モバP「こういう事はいつか珠美が本当に恋した時に大切にとっておくんだ」
珠美「P殿……珠美は」ウル
モバP「剣士に涙は似合わないぞ、膝枕ありがとうな」
珠美「わかりました、珠美はこれから剣士としてアイドルとして益々精進します!」
モバP「おう、その調子だ」
珠美「では、珠美はトレーニングのために寮までランニングします」
モバP「お、おい、こんな時間に一人には…」
珠美「ほら、P殿、珠美を捕まえられますか?」
モバP「ああ、もう……仕方ないやつだな」
珠美「(ふふふ、P殿…いつか珠美があの人の様になった時…)」
珠美「(その時、珠美の本気を受け止めてもらいます)」
・・・
この日、Pはスタジオから寮、自宅と走ることになり
かつて無い筋肉痛に襲われるのでした
事務所内ではPは膝枕に弱いという情報が流れ
一部のアイドル達が事ある事に膝枕をしようとするのでした
おしまい
第22話・荒木比奈「荒木比奈の誤算」
比奈のマンション
モバP「比奈のマンションに来るのも…あの時以来か……」
モバP「出来れば、オートロックのマンションにして欲しいが…」ピンポーン
荒木『…ああ、プロデューサー待ってたっス』
モバP「失礼するぞ…って、ヘ、部屋の中とはいえ、な、なんだその格好は…」プイ
比奈「何スか、その言い方は!今日はプロデューサーが来るからお洒落したのに」プー
モバP「え…?いや……その…胸元……」チラ
比奈「わ、わぁぁぁぁ」カァァァ
比奈「スイマセン、暑くて、ついボタン余計に外してたっス」
比奈「あ、あれ、上手くはめらんないっス!プロデューサー、手伝って欲しいっス!」
モバP「任せろって、そんなこと出来るか」
比奈「ああ、そうっスねって…後ろ向いててくださいッ」
モバP「ご、ご、ごめん」
比奈「もう、いいっスよ」
モバP「今日は仕事の打ち合わせの件、忘れてなかったな」
比奈「アハハ、もちろんっスよ、二度とあんな失敗はしないっス」
比奈「ちゃんとチェーンもしてるし、プロデューサーって確認してから出たっスよ」
モバP「当然の事…、なんだけどな」
比奈「褒めて欲しいっス…」ムー
モバP「早速、今度のお宅訪問企画の事なんだが」
モバP「おっ、部屋の中綺麗じゃないか」
比奈「ふふん、事情を話したら頼子ちゃん、文香ちゃんが協力してくれたっス」
モバP「威張ることじゃない(頼子はともかく、文香は戦力になるのか?)」
比奈「由里子さんも来てくれたっスけど…私のコレクション読んでばっかりで……」
モバP「頼子と文香に問題のあるものは見せてないだろうな」
比奈「私はそんなにそういうのは持ってないっスよ」
モバP「本当だろうな…」
比奈「趣味趣向の問題っスね、あ、ここに座ってて欲しいっス」
モバP「ああ、ありがとう…、これ原稿か?」
比奈「そうっス…ちょっと見て欲しいっス」
モバP「まあ、売り子やらなきゃ別にいいけど…」
モバP「うん…これは中々……面白いなって、ここで……終わりか?」
比奈「いやー、実は後ちょっとだけ、残ってるんスよ」
比奈「小一時間で終わると思うっスから、待っててくれないスか?」
モバP「おい、比奈…まあ、今日はこれが終わったら直帰だからいいか」
比奈「助かるっス、特急で仕上げるっス」ぴゅー
比奈「あ、そこのジュース飲んでもいいっスよ」
モバP「あんなに早く動けるのか…休憩がてら待たせてもらうか」
モバP「ジュースって…間接キスじゃないか……ふぁ」
モバP「ああ、この所遅かったからな…マラソンもしたし……うーん」
・・・
比奈「プロデューサー、お待たせっス」
比奈「あれ?プロデューサー…?あ、寝てるんスね」
比奈「ちょっと悪戯するっス…ってあああああああ」
モバP「んん?どうした?比奈?」
比奈「どうしたじゃないっスよ、これッ」
モバP「げ、原稿がジュースまみれに……」
モバP「ごめん…比奈」
比奈「今日中に出来ないといけないのに…大丈夫なのは……」ガク
モバP「な、なあ、比奈…そろそろ打ち合わせしないと俺終電が…」
比奈「何言ってんスか、さっさと手伝うっス」ギリ
モバP「は、はい…(そうだよな、ははは、また終電が……)」
・・・
比奈「はい!次は飛び上がるようなポーズっス」
モバP「こ、こうか」
比奈「もっと右手を上げるっス」
モバP「お、おう…」
比奈「よし、これでオーケーっス」
モバP「ふう、これで終わりか?」
比奈「次はペン入れっス…ああ、プロデューサーは休んでていいっスよ」
比奈「あ…その前に……」ジッ
モバP「お、おい、比奈?」
比奈「目のアップのコマがあるんスよ…よく見たいっス」
モバP「お、おう(ち、近いぞ…あれ、またボタン外れてる)」
モバP「(み、緑か…こうやって見ると結構…気づいてないのか)」
比奈「ん、どうしたんスか?もうちょっとっスから」
モバP「ああ(せっかくいい眺めなのにな)」
比奈「よし、出来たっス……ふぅ、何とかなりそうっス…んん」
比奈「あれ?変な感触が…ん、なんスかこれ」ギュッ
モバP「ううっ…比奈、手をはな…‥うっ」
比奈「プロデューサーどうしたんスかって…ッッッッ」
モバP「手を離してくれ…比奈」
比奈「スイマセン……(あれって、あれっスよね)」
モバP「(比奈にギュッと握られた……)」
比奈「……」
モバP「…な、なあ」
比奈「私、麦茶飲んで、ペン入れするッス、さあ気合入れるっスよ」
モバP「ああ、俺はお手洗い借りるな」
・・・
比奈「…全然集中出来ないっス…こ、こういう時は…うんッ」
比奈「声出しちゃダメっス……ンンン」クチュ
比奈「ンンンンーーーッ……ああ」
モバP「比奈ー?」
比奈「なななな、なんスか、プロデューサー」
モバP「いや、何か手伝える事あるかなって…」
比奈「ありがたいけど、ペン入れは無理っスね、帰っていいっスよ」
モバP「いや、打ち合わせが…出来るまで待つよ」
比奈「そうっスか、適当に時間潰しててください」
モバP「ああ、すまんな、撮影のためのチェックしておくよ」
・・・
モバP「部屋のチェックは大体終わったな、これなら大丈夫そうだ」
モバP「それにしても、漫画が多いな…わかってたけど」
モバP「比奈は……」
比奈「………」カリカリ
モバP「おお、すごい集中力…何かオーラが見えそうだ」
モバP「へぇ…比奈ってすごいんだな……」
モバP「…何かできることは…おお、そうだ夜食を作ってやろう」
モバP「比奈ー、キッチン借りるぞ」
比奈「………」カリカリ
・・・
モバP「キッチンはさっき見たけど…やはりあまり使ってる感じがしないな」
モバP「冷蔵庫はさっき見てなかったな…どれどれ」
モバP「おっ、冷凍庫に作り置きの料理が残してある…やるな比奈」
モバP「まあ、使ってよさそうなのはここらへんか」
モバP「比奈の作業が終わる頃には朝食になりそうだな…」
・・・
比奈「出来たっスッッッ」
モバP「おお、終わったか」
比奈「いやー、何とかまにあったっス」ギュ
モバP「ひ、比奈、当たってるって…」
比奈「あわわ……今日は誰かのせいで大変だったっス」
モバP「すまん……お詫びになるかわからんが、朝食を用意してある」
比奈「ホントっスか、ちょうどお腹減ってたっス、いだだくっス」
モバP「まあ、男の料理だから過度な期待はするなよ」
比奈「プロデューサーが作ってくれたものなら何でも美味しくいただくっスよ」
モバP「お、おい比奈…」
比奈「あ…(何言ってるんスか、私……)」カァ
・・・
比奈「ご馳走様っス、いやー、ホントに美味しかったっスよ」
モバP「そうか、ありがとう」
比奈「それにしても、朝チュン聞きながら朝食なんて、カップルみたいっスね」
モバP「へ、変な事言うんじゃない、今回だけだ」
比奈「私は何回でも食べたいっス」ボソ
モバP「ん?…そ、そういや、比奈も料理するんだな、ははは」
比奈「えっ……」
モバP「ほら、冷凍庫に…」
比奈「ああ(あれは頼子ちゃんが追い込みの時用にって作ってくれたヤツっス)」
比奈「(私はあんなに上手に出来ないっスけど…いいカッコしたいっスね)」
比奈「そ、そうっスよ、何だったら食べていくっスか」
モバP「いやー、今からは無理だけど、お宅訪問企画のネタに使えるな」
比奈「(ええーーーー)」
・・・
後日お宅訪問企画の撮影が行われるが、幸い撮影中に調理する時間は無く
頼子の作り置きのおかげで、意外とマメで家庭的と好評価を得るのでした
その後、比奈はお料理番組の起用が決定するが、まともに作れないので
大慌てで頼子に料理を教わるのでした
なお、比奈が描いたハリケーン5の同人誌(全年齢向け)は
事務所内、即売会でも好評を得、幾人かを過った道へと誘うのでした
比奈「おしまいっス…トホホ」
番外編・第13話「月と太陽」
移動中の車内
モバP「…頼子…頼子」
頼子「う…Pさん…ごめんなさい、私寝てました?」
モバP「ああ、頼子の家近いから…今日は直帰でいいぞ」
頼子「うん、ありがとう……でも、今日は事務所に寄りたいな」
モバP「無理はするなよ……、事務所まで寝てていいぞ」
頼子「ううん、その…ごめんなさい、寝ちゃって」
モバP「いいさ、撮影で疲れてるんだ、気にするな」
頼子「でも、Pさんも運転やお仕事で疲れてるのに…」
モバP「俺は…ほら、頼子が作ってくれたレモンのハチミツ漬けがあるからさ」
頼子「本当に効いてますか…そうだといいんだけど」
モバP「ああ、いつもよりずっと楽だな、それに美味しいし」
モバP「事務所戻るなら、頼子も食べてみたらどうだ?」
頼子「…じゃあ、一つ…、うん……」パク
モバP「な、けっこう効くだろ?」
頼子「はい…ちょっと手前味噌かな?でも、役に立てて嬉しいです」
モバP「ははは、ありがとな、それに今日は雨も風も無いからな」
頼子「昨日はすごかったね…」
モバP「なあ、頼子…昨日少し怖がってなかったか?」
頼子「え…そんなことは……どうしてわかりました」
モバP「やっぱりな、顔には出てないけど、何となくな…付き合い長いしさ」
頼子「うん…本当は……でも、Pさんも一緒だったから……大丈夫だったよ」
モバP「そ、そうか…俺は事故起こして頼子に怪我させないようにって必死だったな」
頼子「Pさんの必死な横顔カッコ良かったよ」
モバP「…だから、そういう冗談は止めてくれ」
頼子「(冗談じゃないんだけどな…)」
・・・
シンデレラプロ事務所の駐車場
モバP「着いたぞ、頼子」
頼子「うん、ありがとう、Pさん」
モバP「俺は少し事務仕事と…明日の仕込みがあるから」
頼子「紗枝ちゃんとゆかりちゃんのお誕生日の…ですか?」
モバP「ああ、二人一緒だからな、しっかり祝ってやらないと」
頼子「そっちの方は私も手伝いたいな…」
モバP「ああ、頼むよ、周子や千夏もいるはずだから」
頼子「はい…あの、お仕事終わったら少しいいですか?」
モバP「ああ、今日はそんなに遅くならないと思うけど」
頼子「はい、私…待ってますから」
・・・
周子「飾り付けは大体こんな感じかな」
千夏「きっと二人共喜ぶわ」
奈緒「当日はレナさんやそらがパフォーマンスしてくれるってさ」
むつみ「本場ラスベガス仕込みですね、今からワクワクします」
頼子「……」
周子「頼子、窓から外見てどうしたん?」
頼子「あ、はい…いえ、何でも」
周子「そうなん?あ、これ、そこにつけて、頼子なら届くでしょ?」
頼子「はい…ん…」ペタ
周子「おーさすが、頼子」
頼子「周子さんでも届きませんでした?」
周子「うーん、まあね、でも頼子のピンと伸びた体のラインが見たくってさ」
頼子「もう…、変なこと言わないでください」
周子「頼子の体は誰でも見たいでしょ…特に男だったらさ、ほらPさんとか」
頼子「あの人はそういうのじゃ…」
周子「あれ?もしかしてPさんは見慣れてる?」
頼子「そういうことじゃありません…あ、私少し…出てきます」
周子「あ、うん、手伝ってくれてありがとね」
頼子「いえ…」
・・・
モバP「うーん、思ったより時間かかったけど終わったぞ」
モバP「さあ、誕生日パーティーの飾り付け手伝うぞ…あれ?」
奈緒「おせえぞ、もう飾り付けは終わった」
モバP「えっ、本当か?」
千夏「この人数だもの」
むつみ「途中から頼子さんも手伝ってくれて、楽ちんでした」
モバP「そうか…あ、その頼子は?」
千夏「ああ、そう言えばいないわね」
奈緒「さっきまでいたよな」
周子「はー、皆お疲れさん」
モバP「周子、頼子を見てないか?」
周子「頼子?ああ、確か外に出てったね」
周子「その前はずっと空み見てて変な感じだったよ」
モバP「こんな時間に一人でか?…千夏、周子、後頼むな」
モバP「俺は頼子を探してくるよ」
周子「はーい、いってらっしゃーい」
・・・
モバP「はぁはぁ…頼子、どこに行ったんだ」
モバP「近くのコンビニやお店にはいなかったし…」
モバP「帰ったのか…でも俺に用があるっていってたし」
モバP「そう言えば、周子が頼子が空を見てたって…」
モバP「月…今日は雲が多いなって…もしかして」
・・・
ある公園
頼子「………」
モバP「はぁはぁ…頼子、やっぱりここか」
頼子「Pさん…来てくれた……」
モバP「俺に用ってこの事だったんだな」
頼子「うん、今日は十三夜だから……」
モバP「そうだって言ってくれたら、一緒に行ったのに…」
頼子「ごめんなさい、でもPさんなら私を見つけてくれると思ったの……」
モバP「十五夜はここでお月見したよな、頼子らしいというか、ふふ」
頼子「……覚えててくれて嬉しいです」
モバP「それは俺も同じかな…ああ、隣いいか?」
頼子「うん…どうぞ」
モバP「失礼するよ…あ、頼子これ、敷いてくれ」
頼子「ハンカチ?いいの?じゃあ…」
モバP「雲一つ無い満月もいいけど、こういうのも悪くないな」
頼子「はい…雲間からちらっと見える時、すごく綺麗ですよね」
モバP「ああ…何だか、出会った頃の頼子みたいだな」
頼子「……えっ?」
モバP「いや…なんか、控えめに辺りを伺って顔を出す感じとかさ」
頼子「う、うん…あの頃は自信持てなくて…」
頼子「でも、私が変われたのは、貴方のおかげです、Pさん」
モバP「そうか?何だか、照れるな、ははは」
頼子「うん…(今の私があるのは貴方のおかげ…)」
頼子「(いつも優しくて…私を輝かせてくれる太陽のような人)」
頼子「(そんな貴方だから…私は……)」ブーン
モバP「あ、電話…周子から?………」パタン
頼子「出なくていいんですか?」
モバP「ああ、もう少し、頼子と月見たいかなって」
頼子「Pさん…」ピト
モバP「おい、頼子」
頼子「Pさん…貴方は私の太陽です…」
頼子「これからも私を輝かせてください」
モバP「頼子…」
・・・
シンデレラプロ事務所
周子「あれー、Pさん出ないか」
周子「せっかく、今日は十三夜だよって教えてあげようと思ったのに」
周子「電話出ないってことはちゃんと頼子見つけたのかな」
周子「このままじゃ、あたし負けちゃう?」
周子「…ちょっと本気出してみますか」
千夏「周子ちゃん、明日のケーキだけど…」
周子「それなら、明日あたしがとってくるよん」
千夏「じゃあ、それはお願いするわ…周子ちゃん?」
周子「ん、どうかしたの?」
千夏「いえ、すごく楽しそうだったから」
周子「楽しそう?そーかなー、ふふふ」
周子「(ああ、あたし、楽しいんだ、負けないよ、頼子)」
・・・
・・・
シンデレプロ事務所
モバP「ただいま戻りました」
頼子「ただいま戻りました」
周子「おー、Pさんに頼子じゃん」
頼子「ただいまです、周子さん」
周子「あれー、遅かったねー、皆は帰ったよ」
周子「あんまり遅いから、てっきり二人でしけこんだのかと思ったよ」
頼子「しゅ、周子さんッ」
周子「あー赤くなった…もたもたしてるとあたしがPさんとっちゃうぞ」
頼子「私…負けません」
周子「にしし」
モバP「おーい、二人共何話してるんだ?」
周子「何でもないよん」
頼子「はい…、ふふふ」
モバP「そうか、もう遅いから、そろそろ上がるぞ」
周子「うん、駅まで一緒に帰ろうよ」グイ
頼子「あ…」
モバP「当たってるぞ、周子」
周子「当ててんのよ…きゃん」
周子「また無言で小突く…訴えるぞー」
モバP「悪ふざけはほどほどにしろ」
周子「はーい(悪ふざけじゃないんだけどなー)」
頼子「私も駅まで一緒に帰ります」グッ
モバP「おい、頼子…袖摘むなよ、ふふ」
モバP「(なあ、頼子…太陽が必要なのは俺のほうだよ)」
モバP「(俺も皆が…頼子がいてくれるから、俺も輝けるんだ)」
モバP「これからも一緒に頑張ろうな」
頼子「はい」
おしまい
第23話・黒川千秋その2「貴方だけに見せる私」
北海道某市
モバP「いやー、やっぱり北海道は食事が美味しいな」
モバP「都内であんな寿司を食べようと思うと確実に途方もない額になるからなぁ」
モバP「ははは、また終電が無くなった…」
モバP「東京に戻らなくていいのは幸いだけど、ホテルまでか…歩こう」キキッ
モバP「えっ…ち、千秋?」
千秋「私じゃなかったら誰なの?もう…」
モバP「こんな所で会うとは思ってなくて…里帰りしてたんだったな」
モバP「それにしても…ゴクリ」
千秋「ふふ、見とれているのかしら?」
モバP「ああ、すごく綺麗だよ」
千秋「…っ、そ、そういう事は口に出すものではないでしょう……」カァァ
モバP「うっ…しかし、冷えるな」ブル
千秋「東京と一緒に思っちゃダメよ…こっちで泊まり?ホテルは近いの?」
モバP「それが…かなり遠いんだ」
千秋「風邪引くわよ…送るわ…いいでしょう、父さん」
モバP「いいッ」
千秋の父「ああ、構わないよ、千秋」
千秋「ほら、父もこう言ってるわ」
モバP「うーん……」
千秋の父「いつも千秋がお世話になってるお礼もしたいので」
モバP「では、お願いします」
・・・
千秋の父「千秋はどうですか、プロデューサーさん」
モバP「ええ、仕事にもレッスンにも熱心で、他のアイドルにいい影響を与えてます」
モバP「学業も両立しているので、特に学生アイドルの良いお手本ですね」
千秋の父「そうですか…頑張ってるようだね、千秋」
千秋「もう…褒めすぎよ」カァ
モバP「事実じゃないか、それに向上心も高いですね」
千秋の父「ふふ…そうだ、プロデューサーさん」
千秋の父「この後、私の家で一杯いかがですか?」
モバP「えっ…?」
千秋「父さん、それは…」
千秋の父「今日は千秋とデートでしたが、運転があるので飲めなくてね」
千秋の父「千秋の事も色々伺いたいので、どうでしょう?」
モバP「よろしいんですか?」
千秋の父「是非」
モバP「ありがとうございます」
千秋「ちょっと、二人共…もう……」
・・・
千秋の実家
千秋「父さん、Pさん……ああ…」
千秋の父「……」
モバP「ああ…千秋か」
千秋「もう…二人共、私がお風呂に入ってる間にこんなに飲んで」
モバP「ほとんど、千秋のお父さんだけどな」
千秋「……お酒でこんなになる父は初めて見たわ」
モバP「千秋が里帰りしてよっぽど嬉しかったんだろう」
千秋「そう…」
モバP「どうした、千秋」
千秋「いえ…、里帰りするたびに白髪も増えて来て…」
モバP「こういう時は思い切り親孝行してあげるといい」
千秋「うん…厳しい父だけど、父のおかげで今の私があるのよね」ナデ
千秋「とても運べないから、毛布取ってくるわ」
モバP「ああ、俺はそろそろ…」
千秋「帰るつもり?少し私にも付き合ってよ」
モバP「う、うーん」
千秋「……」ジッ
モバP「わ、わかったよ」
・・・
千秋の部屋
千秋「さ、入ってPさん」
モバP「ああ、失礼するよ」
千秋「何?緊張しているの?」
モバP「マンションとかならともかく、実家はなぁ…」
千秋「別にそれも初めてじゃないでしょうに」
モバP「な、いつの事を言ってるんだ?」
千秋「ふふふ、桃華が得意げに離してたわ(その一度じゃないのね…)」
千秋「どうぞ、適当に掛けてちょうだい」
モバP「うーん、それにしても…(いい体だなぁ)」
千秋「…目が泳いでいるわよ」
モバP「ははは…(あの時は急だったけど…今回こういう格好なのは……)」
千秋「私そんなに強いのダメだから…シャンパンで良かった?」
モバP「ああ、飲みやすくていいな」
千秋「はい、どうぞ」
モバP「ああ、ありがとう…うう…見えるけど見えない……」
千秋「ッッ…、な、何が見えないのよ」
モバP「す、すまん…つい口に出してしまった」
千秋「もう…」
モバP「ああ、千秋にも注がないとな、ほら」
千秋「ええ」
モバP「乾杯」
千秋「乾杯」キィン
・・・
千秋「ねぇ、Pさん、注いでちょうだい」
モバP「ああ…」
千秋「ふふ、ありがとう」クイ
モバP「(もう結構飲んでるが…大丈夫か?)」
千秋「なぁに、Pさん…進んでないわよ」
モバP「ああ、貰うよ(火照ってる千秋…色っぽいなぁ)」ジー
千秋「どうしたの…ふふふ」
モバP「な、なんでもないよ(嫌な予感がするが…いい眺めだしいいか)」ジー
・・・
千秋「うう…」
モバP「千秋大丈夫か…シャンパンは酔いが回るの早いんだぞ」
千秋「普段はこんな飲み方しないわ…はぁ」
モバP「うん…わかってるよ」
千秋「ありがとう…Pさんは強いのね」
モバP「まあ、仕事の付き合いで飲むことが多いからな」
千秋「そう……ねぇ、横になりたいわ」
モバP「立てるか?」
千秋「ううん…その…だ……きゃあ」
モバP「お、おい、そんな声出すなよ」
千秋「きゅ、急に抱き上げられたら、誰だって驚くわよ」カァァ
モバP「ああ、すまんな」
千秋「うう…力あるのね……ふふふ」
千秋「王子様にエスコートされるシンデレラの気分よ…」
モバP「へ、変な事言うなよ…さ、ベッドにおろすぞ」ドサ
千秋「うん……ありがとう」
モバP「なあ、千秋……手、離してくれないか」
千秋「どうして?」
モバP「いや、だってこの姿勢結構辛いしさ」
千秋「貴方もベッドで横になれば?」
モバP「おおおお、おい、それは……」
千秋「どうぞ」
モバP「いいのか…じゃあ」
千秋「えっ…ちょっと…お、覆いかぶさるなんて…うん」
モバP「お、おい…(目閉じるなよ、ホントに止まらなくなるぞ)」
千秋「……(…Pさんの息遣いが聞こえる)」
モバP「はぁ…はぁ…(やっぱり綺麗だな…千秋)」
千秋「どうしたの…Pさん」
モバP「…ごめん、千秋、やっぱり、俺…」
千秋「待って…私、私…貴方じゃないと……だって…」
モバP「千秋…聞いたら、たぶん止まれなくなる…だから」
千秋「もう…そんなに困った顔しないでよ」
モバP「ありがとう、千秋でも…」
千秋「私のアイドルとしての今後を心配してくれてる…でしょ?」
モバP「ああ……」
千秋「もう…、空いてる部屋に案内するわ」
千秋「この状況、父に見られたら何を言われるか」
モバP「嫁入り前の大事な娘さんだからな」
千秋「ふふふ、責任さえとればいいと思うけど、ふふふふ」
モバP「それは…ははは」
・・・
翌朝、Pは千秋の運転する車で空港まで送られる
ペーパー丸出しのその運転はPの寿命を確実に縮めたのでした
おしまい
第24話・向井拓海「惚れた弱み」
神奈川県某所
モバP「ふふ、ははは、また終電が無くなってしまった」
モバP「ふう…笑ったらちょっと気が晴れたな…」
モバP「しかし、歩いて帰れる距離じゃないし、給料日前だし」
モバP「漫画喫茶でも探すか」
モバP「そうだ、この辺りは確か拓海の実家の近くか…」
??「おい、オマエ、ちょっと面貸せよ、オラァッ!!」
モバP「ッッッ」
??「何、ビビってんだよ、アタシだよ、ア・タ・シ!」
モバP「なんだ…俺にはアタシさんなんて知り合いはいないぞ、拓海」
拓海「くだんねぇ、冗談言ってんじゃねぇよ」
モバP「ああ、悪い悪い」
拓海「で、何してんだよ、あ、終電無いんだろ」
モバP「な、なんでわかった…」
拓海「そりゃ、都内に住んでるプロデューサーがこんなとこいたらわかるっての」
モバP「まあ…そうだよな、拓海はなんでこんな時間にうろついてるんだ」
拓海「美世達と走って、それから頼子んちでダベってたら遅くなっちまったんだよ」
モバP「へぇ、美世と…って頼子ぉ!?」
拓海「何だよ、アタシが頼子とつるんだら悪いのかよ」
モバP「いやー、そんなことは、ただ意外でさ」
拓海「まー、頼子は美世の後ろだけどな」
モバP「ははは、そう言えば、乗ったことあるって言ってたな」
モバP「でもやっぱり、パンツの頼子は想像しづらいなぁ」
拓海「……チッ」
モバP「な、なんだ、拓海」
拓海「電車無いんならよ、うち来いよ」
モバP「いや、アイドルの家に泊まるわけには…」
拓海「ああん、頼子んちには泊まれて、アタシんちには泊まれないのかよ」
モバP「いや……そんなことは」
拓海「じゃあ、決まりだな、面白いもんを見せてやるよ」
モバP「それは楽しみだな」
拓海「ほら、決まったらさっさと来いよ」グイ
モバP「お、おい、ひっぱるなよ(あまりにでかくて当たってる…)」
・・・
拓海の実家
拓海「さあ、上がれよ」ニー
拓海「おっ、待ってたぞー、おー、よしよし」
モバP「いいものってこの子か…大きくなったなぁ」
拓海「そうだろ、ほら、プロデューサーも抱けよ」
モバP「えっ、いいのかぁ、ふふふ」
拓海「気持ち悪い顔すんなよ…てっきり犬派だと思ってたぜ」
モバP「ははは、さっきの拓海も大概だから気にするな」
モバP「で、どうして俺が犬派だと…?」
拓海「そりゃあ…な、何でもねえよ、ほら」
モバP「ああ、ありがとう…って」フー
拓海「逃げたな」
モバP「ああ、逃げたな」
モバP「なあ、俺何かしたか?」
拓海「さぁな」
モバP「はぁ…」ガク
拓海「そんな、気を落とすなよ、ほら、もう一個いいもんあるからよ」
モバP「ああ……頼むよ」
・・・
拓海の部屋
モバP「おー、ここが拓海の部屋か、おー」
拓海「なんだ、その微妙なリアクションは」
モバP「いや、予想通りの部屋だったもんだから」
拓海「こういう時は、拓海も部屋は女っぽいんだなとか言うのが礼儀じゃないのかよ」
モバP「なんだ、拓海、俺に女っぽいって思われたいのか」
拓海「な…ち、ちげーよ、このバカ!」
モバP「いや、女の子っぽい部屋だと思うよ…そこに隠してるの猫の写真集だろ」
拓海「ッッッ」カァァ
モバP「ふふ、それにそこには…」
拓海「おおおおお、おい、もう止めろよ、見せねえぞ、面白いもん」
モバP「ああ、すまん、すまん」
拓海「チッ、ほらこれだよ」
モバP「おっ、アルバムか…どれどれ」
拓海「余計なとこを見るんじゃねえよ、ほらここだ」
モバP「おお、これは…」
拓海「アンタが見たいって言ってた頼子のパンツ履いた写真だよ」
モバP「ああ、確かにこの姿は新鮮だな…うん、今後こういう衣装もありかな」
モバP「それにしても、やっぱり頼子は腰から尻、太もものラインが最高だな」ニヤ
拓海「チッ、ニヤニヤして他の女の写真見てんじゃねえよ」
モバP「ははは、皆仲いいんだな、拓海に美世に頼子に夏樹に李衣菜に里奈か」
拓海「お、おう、たまに走りに行ってんだよ、頼子と李衣菜は後ろ専門だけどな」
拓海「でよ、プロデューサーはさ、やっぱ頼子みたいなんが好みなのかよ」
モバP「はあ?好み?うーん、ふふ」
モバP「そうだな、頼子に限らず仕事を嫌がらないでやる娘が好みだな」
拓海「あん、それはアタシが仕事より好みしてるって言いたいのかよ」
拓海「もっとアタシに合った仕事持ってきたらどうなんだよ」
モバP「そうか?今までのしごとも拓海にばっちり似合ってると思うけどな」ポチ
??『たくみせんせーのラヴラブスマイルであまーいチョコケーキ出来ましたよー☆』
拓海「ッッッ、テメ、それ」カァァァァ
モバP「どうした、拓海」ポチ
??『ウッフーン、ウッフーン、ウッフーン』
拓海「いい加減にしやがれッ!!」ガシ
モバP「おわッ、いきなりヘッドロックは止めろ」
モバP「い、いや、止めなくていい、全然効いてないぞ(ああ、すごい感触が…)」ムニュ
拓海「あん、効いてないだと、オラァッ」
モバP「うお、これはすごい…ッッッ」グタ
拓海「どうだ見たか…っておい、プロデューサー」
・・・
拓海「ったく、無理してイイカッコすんじゃねえよ」
モバP「ははは(イイカッコしたわけじゃないんだが、黙ってよう)」
拓海「でよ、寝るのはここでいいよな」
モバP「い、いや、それはまずいだろ」
拓海「アタシんちはそんなに広くないからよ」
モバP「う…」
拓海「なんだぁ、隣にアタシが寝てたら襲っちまうか?」
モバP「そんなことはないが…」
拓海「じゃ、決まりだな…アタシ、先シャワー浴びてくっからよ」
モバP「ああ…ははは」
・・・
モバP「お待たせ、拓海、シャワーありがとな」
拓海「……」スースー
モバP「って、なんだ、寝てるのか……寝相悪いな」
モバP「仕方ないやつだな、布団掛け直してやるか…」
モバP「それにしても…でかいなんてもんじゃないな…ゴクリ」
モバP「それにつけてないから…うっ、ぼっち」
拓海(チッ、何だよ、このやろ、寝たふりしたらいい気になりやがって)」
モバP「ちょ、ちょっとくらいいいよな…」スー
拓海「(お、おおおお、おい、マジかよ)」
モバP「い、いいいや、いかん、いかん」
拓海「(あんだよ、この意気地なし)」
モバP「拓海が家に上げてくれたのも、俺を信じてくれたからだからな」
モバP「ちょっと残念だが、布団かけたら俺も寝よう」
モバP「お休み、拓海」
拓海「(……まったく、プロデューサーは…)」
拓海「(バカだけど、優しくて、アタシよりアタシを知ってて…チッ)」
拓海「(何でこんなヤツ……惚れちまったもんはしょうがねぇだろ、クソッ)」
拓海「(お休み、プロデューサー……今度の仕事はちょっとだけ可愛くしてやるよ)」
・・・
モバP「ううん、そろそろ、朝か…何だこれは……」
モバP「こ、これは拓海の…、こ、こか……んぷ」
拓海「ううーーーん」
モバP「こ、こら動くな拓海」
拓海「あ…プロデューサー、起きてたのか…ひゃん」
モバP「拓海…、だから、動く…うぷ」ピト
拓海「うん、変なとこ触んじゃ…この感触はぎゃああああああ」ガシ
モバP「……」ガクッ
・・・
この日、Pの顔には大きな青あざを作って出社したが
事情を説明して頼子にメイクしてもらい、営業に支障をきたさずにすんだ
なお、数日の間、警戒した猫の様にPに接したのでした
おしまい
第25話・鷺沢文香その2「初めての…」
10月27日
都内某所
モバP「ふう、今日の仕事も終わりだな」
モバP「ちょっと遅いが…今日は文香の誕生日だからお祝いしないとな」
モバP「もう家に帰ってるかな…メールしてからいくか」ポチ
モバP「おっ、返事来た、家にいるみたいだな、よし、いくか」
・・・
文香のマンション
モバP「着いたか…前に来た時は……ひどい状況だったが…」
モバP「よし、心配しても始まらない、さあ、いくぞ」ピンポーン
文香『あ、Pさん……お待ちしてました、……どうぞ』
モバP「ああ、こんな時間にごめんな」
文香『いえ……』
文香「(本当に来てくれた……うん…)」
・・・
モバP「文香ー、来たぞー」ピンポーン
文香「こんばんは、Pさん…」ガチャ
モバP「こんばんは、文香」
文香「あの……こんな時間にどういったご用件でしょうか……」
モバP「どんな要件って…今日は誕生日だろ?」
モバP「おめでとう、文香」
文香「………」カァァ
モバP「どうした、文香?」
文香「…自分でも忘れていましたのに…事務所のみなさんも…Pさんも……」
モバP「文香…」
文香「その…あ、上がってください、お茶くらいだしますから」
モバP「ああ、じゃあ、ごちそうになろうかな」
モバP「お、綺麗…だけど何か違和感が…文香、あの大量の本はどうした?」
文香「え、本ですか?隣の部屋が空いたみたいので…」
モバP「まさか…借りたのか、本を置くために……」
文香「はい…、隣はワンルームで安かったですし…」
モバP「…引っ越したほうが安上がりじゃないか?」
文香「え?あ…はい、みなさんにも言われました」
文香「でも…、この部屋にも思い入れがあって…」
モバP「まあ……床が抜けるようなことはしないでくれよ」
文香「はい…」
モバP「(…そのうちビル一棟借りとかするんじゃないだろうな)」
モバP「お祝いがこんな時間になってごめんな、これ、ささやかだけど」
文香「い、いえ…ありがとうございます…開けていいですか?」
モバP「ああ、どうぞ」
文香「これ……大切にします………」ギュ
モバP「喜んでもらえて嬉しいよ」
文香「ふふ………」
モバP「(おっ、可愛く笑うようになったな…)ん、あれは)」
文香「はい?」
モバP「いや…あの酒の山は何かと思ってな」
文香「今日事務所で頼子さん達にお祝いしてもらって……その時に」
モバP「ああ、あの困った大人たちからのプレセントか」
モバP「日本酒は楓さん、焼酎は早苗さん、ワインは志乃さんか?」
文香「はい…事務所で飲酒は良くないので……それで」
モバP「(重かっただろうな……)」
文香「ふふふ、頼子さんからは栞を貰いました…これ」
モバP「おお、綺麗だな…何となく文香の雰囲気にも合ってるな」
文香「ですよね…私も一目で気に入りました」
モバP「頼子達は…ああ、明日の撮影のために移動か」
文香「はい…うちに来てくれるって言ってたんですけど…」
モバP「すまんな…どうしても、そういうスケジュールになって…」
文香「いえ…本当は今日も難しかったって聞いてますから……」
モバP「ああ、頼子に今日だけでも何とかって頼まれてな」
文香「頼子さん…」ウル
モバP「ほ、はら、今日は頼子の分も俺がお祝いしてやるから」
文香「ほ、本当ですか?」
モバP「ああ、何かしようか…部屋の掃除とか…」
文香「……」ジト
モバP「じょ、冗談だって…何かリクエストあるか?」
文香「じゃあ……お酒…教えてください」
モバP「酒?ああ…文香も二十歳だもんな」
文香「……みなさんにいただいたお酒もありますし…」
文香「ビールも冷蔵庫にありますよ…」
モバP「ビールも…友紀か?」
文香「それが…奈々さんです……17歳なのにお酒買えるんですか?」
モバP「(奈々さん…)い、いや、それはお母さんにお願いしたんじゃないかな?」
文香「ああ、わざわざ、そんなお手間を……」
モバP「ははは、せっかくだし、最初はビールにしようかな」
文香「最初は…ですか、そういう作法があるらしいですね、私も…プシュ」
モバP「別にそこまで厳密なものじゃないが…まあ……な」プシュ
モバP「乾杯」
文香「…乾杯」
文香「うっ……ビールって苦いですね」
モバP「ははは、それがいいんだけどな」グビ
文香「どうしたら、いい…ですか?」
モバP「今は二人だから飲みやすいのにしよう…ビールは俺がもらうよ」
文香「(…あ、間接キス……?)……ありがとうございます」
文香「……美優さんからいだたいた梅酒にします」トクトク
モバP「ああ…口当たりもいいしな…ってロック?」
文香「ええ…こうやって飲むものだと…美味しい…」
モバP「文香がお酒の味がわかるようになったか…嬉しいな」
文香「はい…美味しくて、何杯でもいけそうです……」グビ
モバP「お、けっこういける口だな…日本酒も飲んでみるか?」
文香「いただきます…確か一緒に……」
モバP「おお、徳利とおちょこが…こういう用意はいいな、楓さんは…」
モバP「熱燗がいい酒だから…レンジ借りるな」
文香「はい、すみません」グビ
モバP「ちょっと待っててくれよ…(文香、ペース早くないか?)」
・・・
モバP「(…どうしてこうなった)」
文香「…聞いていますか、プロデューサー」
モバP「き、聞いております、あの…そろそろ終電が……」
文香「…私は何度も言いました……人前は恥ずかしいと」
モバP{(俺の話しは聞いてくれないんだな)…はい」
文香「それなのに…前髪は上げさせる……トーク番組に出演させる」
モバP「(まさか文香が絡み酒とは…)」
モバP「で、でも頼子みたいな大人しめだけど、先輩もいるわけで…」
文香「…頼子さんはいい先輩です……」
モバP「そ、そうだろ、じゃあ、俺はそろそろ…」ギュ
文香「初めから芸能界に憧れてた頼子さんと……私は違うんです」ブンブン
モバP「それは…そうだけど……とにかく、離してくれ……」
モバP「(飲んでる人間の頭を揺さぶるな……でも、少し胸当たってる…)」
文香「私が聞きたいのは…頼子さんの事じゃなくて……」ブンブン
モバP「文香も…俺の大切な……アイ…ド……うう」グタ
文香「…責任取ってくれるんですか……って、えっ、Pさん?」
モバP「……」
文香「あ……」
・・・
文香「…すみません、Pさん」
モバP「……」
文香「……」グイ
文香「膝枕…ふふふ……」ナデ
文香「ごめんなさい…Pさん……」
文香「さっきはあんな事言ったけど…本当は感謝してます……」ナデ
文香「きっと…聞こえてないから……言います……ね」
文香「頼子さんを見てると………」
文香「恋愛は書を読むより…実際にする方が素敵だなって…思います」
モバP「………」
文香「頼子さんの気持ちは知って…ます……それでも」
文香「それでも…、わ、私も……貴方を好きになってもいいですか?」
モバP「………」
文香「聞こえてませんよね…」
文香「きっと聞いてたら、私と自分は…アイドルとプロデューサーって……」ナデ
文香「そう…言いますよね……でもいいです」
文香「そんなPさんだから…私は……」
・・・
モバP「ふわぁぁーーー」
モバP「うう、まだ頭クラクラするな…布団、文香が掛けてくれたのか…」
モバP「文香…せめて、ちゃんとベットで寝てくれよ…」
モバP「それにしても、言動からは想像できないわがままボディだよな…ゴクリ」
文香「………」
モバP「……」そー
文香「…………触らないんですか?」
モバP「さ、触るわけないだろ」
文香「……そうですか」
モバP「それに文香の信?に応えないとな……そろそろ始発動くから帰るよ」
文香「えっ……」
モバP「じゃあ、ちゃんとゆっくり休めよ」
文香「聞いて…くれてたんですね……」
・・・
後日、文香の酒癖は事務所内に知れ渡り、酒の量を制限される
事務所の困った大人たちはPに不平不満をぶちまけるが
ちひろのひと睨みには敵わないのでした
おしまい
続き
モバP「また終電が無くなった…」【後編】

