関連
穂乃果「あなたは…誰なの?」ヴィオラ「……」【1】


250 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 15:15:05.44 3ouUjS0Mo 201/707

-部室-


海未「…どういう事ですか?にこ」

ことり「手紙の正体が分かったって…」





にこ「……これよ」カチ

穂乃果「…?」





穂乃果「…何これ?」

にこ「何って都市伝説よ!私達の状況にそっくりじゃない!」

海未「えっと…『プレイすると死んでしまうゲーム…【手紙】』?」

にこ「そうっ!つまりこの手紙っていうゲーム!」

にこ「私達は今…このゲームの出来事を実際に体験してるのよっ!!」

251 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 15:16:17.32 3ouUjS0Mo 202/707

ことり「…え、えっと」

穂乃果「海未ちゃん…どう思う?」

海未「ど、どうと聞かれましても…」

にこ「ちょっと!何よアンタたち!なんでそんな微妙な反応してるのよ!?」

ことり「だ、だって…これは流石に…」

穂乃果「ねぇ…?」

にこ「はぁー!?手紙よ手紙っ!私達にもあるじゃない手紙!」



「にこっち、それはちょっと違うと思うよ」

穂乃果「希ちゃん!?」

252 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 15:17:41.68 3ouUjS0Mo 203/707

海未「い、いつの間に…」

絵里「こんな時間に部室に駆け込むメンバーを見かけたから」

「何事かと思ったんやけど…」カチ

にこ「あーっ!何してるのよ希!?それを見たら本当にっ…!」








ことり「……なにも起こらないね」

にこ「あぁ…もうダメ…私達もう呪われて死んじゃう…」

「にこっち」

にこ「へっ?」

「仮にこのゲームを実際に体験してるとしたら、どうしてこんなに動画がいっぱいあるのかわかる?」

にこ「そ、それは…」

「それにこの都市伝説…ゲームをするだけで死んでしまうって書いてあるよ?」

「これを実際に体験する必要があるとは思えないなぁ」

にこ「そ、そう…なの?」

穂乃果「そうだね…これは違うと思う」







穂乃果(…それに、あの夢には)

255 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 15:31:23.46 3ouUjS0Mo 204/707

絵里「…でも、ゲーム…ねぇ」

海未「絵里?」

絵里「あの家での出来事…仕掛けを動かしたり何かから逃げ回ったり」

絵里「どれも人為的な要素が含まれてる事に気付いたの」

穂乃果「人為的?」

絵里「今日の朝、希が体験した事を聞いててふと思ったの」

絵里「それに、昨日は誰も死ななかったのにこっちに戻ってくることができた」

ことり「そうだね。ことりてっきり誰かが死んじゃったらこっちに戻ってくるって思ってたよ…」

絵里「えぇ、私も最初はそう思ってたわ」

海未「しかし私の探索が終わると私達は目が覚めました」

穂乃果「…という事は?」









「…あの世界には、何らかの法則がある」

「つまり戻ってくることができるシステムが存在するってことやんな」

256 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 15:40:47.65 3ouUjS0Mo 205/707

にこ「な、何よそれ…それってまるっきりゲームと一緒じゃない!」

絵里「そう。だからにこが言ってた【ゲームの出来事を実際に体験している】という事は」

「あながち間違いやない、って事かも」

ことり「…じゃあ、ことりたちは」

海未「ゲームを進めるプレイヤー…ですか」

穂乃果「……」

絵里「そうね、だからあの黒猫という存在は…所謂セーブポイントのようなものかしら」

にこ「…あ、じゃあ花陽が死んじゃって、真姫ちゃんが花陽と同じ場所から現れたのは…」

海未「花陽が黒猫に話しかける前に倒れてしまい、絵里が話しかけた黒猫…セーブポイントから始まった。という事ですか」

絵里「…恐らくはそうだと思うの」

257 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 15:47:11.40 3ouUjS0Mo 206/707

ことり「じゃあ、私達が昨日こっちに戻ってくることができたのは…」

ことり「これにも何か法則があるのかなぁ?」




絵里「それについてはまだ仮定の範疇でしか話せないのだけど…」

絵里「一日目は穂乃果、私、そして花陽が倒れて終わり」

絵里「二日目は真姫、希、海未…そして海未が黒猫に話しかけた時点で終わり」

絵里「…何か気がつかない?」

にこ「えぇ?えーっと…」







穂乃果「…一日目は三人、そして二日目も三人」

穂乃果「三人の探索が【終わった】ら、元の世界に戻って来てるよ」

絵里「…正解よ。穂乃果」

258 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 15:54:32.40 3ouUjS0Mo 207/707

海未「……終わる、というのはつまり」

「黒猫に話しかけるか、力尽きて倒れるかを三回繰り返すと、一日のノルマを達成した事になるって事かな」

にこ「…だから昨日は」

絵里「そして、死んだ人間は次の日の探索にはカウントされない」

絵里「ここがゲームと違う所なの」

ことり「どういう事なの?」

絵里「そうね…簡単に言ってしまえば」










絵里「この世界ではセーブは出来ても、ロードは出来ない。」

絵里「つまり、全員が倒れた時点でゲームオーバ…私達全員、花陽のようになってしまうわ」

259 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 16:00:24.11 3ouUjS0Mo 208/707

穂乃果「……」

にこ「……」ブルッ

絵里「…詳しい話は、放課後に全員が集まり次第始めましょう」

絵里「少しでも情報が増えるだけで生存率は大幅に上がるわ」

絵里「全員で乗り越えましょう。この困難を」




キーンコーンカーンコーン…




「…あ、授業始まっちゃったみたいたね」

絵里「さて、と…教室に戻りましょう」

絵里「4人とも、色々と考えるのはいいけど、ちゃんと頭を休める事もするのよ?」

穂乃果「うん。わかった」

海未「では私達も教室に戻りましょう」

ことり「そうだね。じゃあみんなまた放課後にねっ」











にこ「……ゲーム」

260 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 16:10:13.57 3ouUjS0Mo 209/707

…その後、放課後にまた作戦会議が開かれた。

内容は朝絵里ちゃんが言ってた事と一緒だったけど、凛ちゃんと真姫ちゃんは震えていた。

だから絵里ちゃんはこれ以上犠牲が出ないように昨日集めた情報で色んな仮説を立ててみんなに話していた。

そして気をつける事は昨日と一緒。




【冷静に判断し、慎重に行動すること】







穂乃果(……私達のいる世界は、本当にゲームの中なの?)

穂乃果(じゃあ…穂乃果の見た夢は一体何?)

穂乃果(希ちゃんも魔女とか悪魔とか言ってたけど)

穂乃果(それも全部ゲームの中の話なの?)











穂乃果「……」

穂乃果「よく、分からないや…」









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

261 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 16:17:59.37 3ouUjS0Mo 210/707

-???-



穂乃果「……」

穂乃果「…慣れないなぁ。この部屋」

海未「穂乃果」

穂乃果「海未ちゃん…」

海未「……」




真姫「…最初は誰?」

「……」

にこ「……」

「……」

絵里「…三年生、一年生は全員いるわね。という事は…」

















ことり『……?……!』




穂乃果「ことり、ちゃん…」

262 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 16:21:41.21 3ouUjS0Mo 211/707

――――――――――――――――


-通過路-



ことり「…あ…あ」

ことり「ことりの番…回ってきちゃった…」

ことり「どうしよう…どうしよう…」

ことり「穂乃果ちゃん…海未ちゃん…」












ヴィオラ「……」

ことり「ひっ…!」

ことり「あ…あの…は、はじめ、まして…」

263 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 16:24:29.84 3ouUjS0Mo 212/707

ヴィオラ「……」

ことり(うぇぇん…何も喋ってくれないよぉ~)

ことり(これからどうすればいいのぉ…?)








ヴィオラ「……」テクテク

ことり「えっと…まずは周りをよく調べないと…」

ことり「何かないかなぁ…何か」

ことり「…あれ?」

264 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 16:29:53.36 3ouUjS0Mo 213/707

ヴィオラ「……」

ことり「なんだろう…この大きな袋」

ことり「…開けても大丈夫かな?」

ヴィオラ「……」ゴソゴソ














ことり「ひっ!」

ことり「あっ…ね、猫…黒猫の…死体…っ」

ことり「いやっ!ダメっ!閉めてっ!」

ヴィオラ「……」

265 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 16:33:59.34 3ouUjS0Mo 214/707

ヴィオラ「……」テクテク

ことり(はぁ…変なもの見ちゃったなぁ)

ことり(でもそれだけで何も起こらなくてよかったぁ…)

ことり「えっと…次は」



ことり(北の方向に、すっごく細い道があるね…ことりが乗ったら壊れちゃいそう)

ことり(そして黒猫さんがいる扉は…)






ヴィオラ「……」ガチャガチャ

ことり「開かないね…」

ことり「じゃあ…反対側のあの部屋かな?」

266 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 16:40:02.27 3ouUjS0Mo 215/707

ヴィオラ「……」

ことり「…こ、ここって」

ことり「……」ペラッ













            【カエルは 好き?】















-カエルの部屋-



カエル「♪」 ピョン ピョン 



ことり「……カエル、さん?」







267 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 16:45:47.84 3ouUjS0Mo 216/707

ヴィオラ「……」

ことり「カエルは、好き…?」

ことり(どういう事だろう…?)

ことり(カエルって、ことりの目の前にいるカエルさんの事だよね?)




カエル「……」

ことり「……」コクリ

カエル「!」 ピョン

ことり「きゃっ!」





カエル「~♪」 

ことり「あっ…ことりの手に乗っちゃった」

268 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 16:51:29.77 3ouUjS0Mo 217/707

【カエルがついてきた。】



ヴィオラ「……」

カエル「♪」 ピョイン

ことり「あ、あれ…?この子じゃなくて、ことりになついちゃった…」

ことり「いいのかなぁ…」

カエル「……」 ジーッ






ことり「…よしよーし」ナデナデ

カエル「♪」ピョン ピョン 

ことり「わぁ…」

ことり「……」ナデナデ







カエル「~♪」 ピョイン

ことり「…えへへっ♪」

269 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 16:59:00.01 3ouUjS0Mo 218/707

-通過路-


ヴィオラ「……」テクテク

ことり「えっと…カエルさん、付いて来ちゃっていいの?」

カエル「♪」 ピョイン

ことり「うん…ありがとう」




ことり(よかったぁ…女の子が喋ってくれないから、ことり不安で堪らなかったけど)

ことり(この子がことりに懐いてくれたから、少し元気が出てきた気がする…♪)






ヴィオラ「……」

ことり「でもぉ…これからどうすれば」

ことり「…あっ!」


270 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 17:02:37.82 3ouUjS0Mo 219/707

ヴィオラ「……」

ことり(このすごーく狭い道…その先にレバーみたいなのがあるけど)

ことり(これって、もしかして…)






ことり「…えっとね、カエルさん」

ことり「ここを通って…あそこのレバーを倒す事って、できるかなぁ…?」







カエル「♪」ピョイン

ことり「きゃあっ」

カエル「」 ピョン ピョン ピョン









         ガチャ








ことり「ほ、本当にできちゃった…!」

カエル「♪」 ピョイン ピョイン

272 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 17:13:40.77 3ouUjS0Mo 220/707



    …カチャ




ことり「!」

ことり「今の音は…扉!」

ヴィオラ「……」テクテク









ヴィオラ「……」

ことり「…やっぱり、開いてる」

ことり「先に進めるんだね…」

ことり「…えへへ。これもカエルさんのおかげだよ?」

ことり「ありがとう♪」ナデナデ

カエル「♪」 ピョイン

273 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 17:19:41.25 3ouUjS0Mo 221/707

-鏡写しの部屋-


ヴィオラ「……」

ことり「こ、ここは…?」





ことり(なんだろう…この部屋)

ことり(同じような部屋が…二つ?)

ことり「…あ、貼り紙もあるね」

ヴィオラ「」ペラッ












         【かがみあわせにしろ】













ことり「鏡…合わせ?」

ことり「…あっ!もしかして…」


274 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 17:26:37.50 3ouUjS0Mo 222/707

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ことり「えっと、この観葉植物は…」

ヴィオラ「……」ギッ ギッ

ことり「うん、ここに移動させて…あとぉ」

ヴィオラ「……」 カチャ

ことり「そうそう…あと、薔薇の花が少ないから…この薔薇を」








~~~~~~~~~~~~~~~






ヴィオラ「……」

ことり「うんっ!これでいいかな?」

ことり「あとは…カエルさん。お願いね?」

カエル「♪」 ピョイン

ことり「えへへ、ちょっと待っててね?」

ことり「えっと…ここまで全部左右対称にしたけどぉ…」













ヴィオラ「……」

ことり「…何も起きないね」

275 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 17:34:17.16 3ouUjS0Mo 223/707

ことり「うーん…あと何か見逃してる所はぁ…」







ことり「…!もしかして…」

ヴィオラ「……」テクテク

ことり「……」






ヴィオラ「……」ペリッ

ことり「やっぱり!この張り紙も剥がさないといけないんだね」








 
          …カチャ







ことり「…扉の開く音」

ヴィオラ「……」

ことり(次も頑張らなきゃ)

ことり「カエルさ~ん、おいで~」

カエル「♪」 ピョン ピョン

276 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 17:37:38.05 3ouUjS0Mo 224/707

-小さな部屋-



ヴィオラ「……」

ことり「…すごく小さな部屋だね」

ことり「それに…あっ」









黒猫「」

ことり「黒猫さんだ…!」

277 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 17:39:35.70 3ouUjS0Mo 225/707

ことり「えっと…これでことりの番は終わりかな?」

ことり「うーん…他のみんなと比べるとことり簡単だったけど…いいのかなぁ?」

ことり「うーん…」













ことり「…あれ?」

ことり「なんだろうこれ…日記帳?」

ヴィオラ「……」

278 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 17:46:12.92 3ouUjS0Mo 226/707





        - お父さんもお母さんも -


       - 私を 愛してくれなかった -




          - だから ×した - 




     - それから ずっとこの家にいるの -   












ことり「…『魔女の日記』」

ことり「これって…真姫ちゃんが読んだ日記と同じ、だよね?」

ことり「……」

ことり「×した…って、もしかして」
 

279 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 17:49:14.31 3ouUjS0Mo 227/707

ヴィオラ「……」

黒猫「やぁ。」







ことり「……えっと」

黒猫「そのカエル、迷子みたいだよ。」

ことり「えっ?」

黒猫「探してあげたら? あるべき場所を。」







ことり「…迷子」







プツンッ





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・

280 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 17:53:24.59 3ouUjS0Mo 228/707

-???-





ことり「…あっ」

穂乃果「ことりちゃん!」

ことり「穂乃果ちゃんっ!」

穂乃果「お疲れ様!無事に戻ってこれてよかったー!」

ことり「うんっ!その…ことり、みんなに比べて簡単だったから…」

海未「何を言ってるんですか。無事に帰って来れただけで十分役目を果たしてくれましたよ」

ことり「えへへ…そうかなぁ?」

穂乃果「うんうんっ!本当に戻ってきてくれてありがとう!」

ことり「穂乃果ちゃぁん…」グスッ





281 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 17:57:37.23 3ouUjS0Mo 229/707

絵里「…どうやら、場所によって難易度が異なるみたいね」

「そうやね…ウチや花陽ちゃんの時は、結構難しかったんやない?」

真姫「そうね…私が初見だったら、乗り越えられてたかどうか…」







「あっ、次は…」















にこ『…!!!……!?』





穂乃果「にこちゃん…」

絵里「大丈夫かしら…あの子」

海未「一番嫌がっていましたからね…心配です」


282 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 18:09:25.72 3ouUjS0Mo 230/707

-小部屋-



にこ「……」ブルブル

にこ「いやっ…なんでっ…なんでにこが…」

にこ「来たくなかったのにっ…本当に来たくなかったのにっ…!」













ヴィオラ「……」

にこ「いやあっ!来ないでっ!こっち来ないでっ!!」

283 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 18:27:49.94 3ouUjS0Mo 231/707

ヴィオラ「……」

にこ「なによっ…なによっ…」

にこ「何でついてくるのよぉ…」

ヴィオラ「……」

にこ「何か喋りなさいよっ!気持ち悪いじゃない!」

にこ「無言でにこの前を歩いて怖がらせようだなんてそうはいかないわよっ!」

にこ「そんな事したってにこはぜんっっぜん怖くないんだからっ!えぇ本当よ!」

にこ「だからそんな事してても無駄なの!分かるっ!?」











ヴィオラ「……」

にこ「うっ…グスッ…何か…喋ってよぉ…っ」



284 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 18:30:56.30 3ouUjS0Mo 232/707



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


にこ「……」

にこ「ねぇ…本当に進まないといけないの?」

ヴィオラ「……」

にこ「……チッ」

にこ「何よ…少しぐらい話そうって気はないの?」









ヴィオラ「……」

にこ「……」

にこ(ダメ…もう何を言っても無理)

にこ(やっぱり…ここはゲームの中で、コイツは絶対喋らない)

にこ(いや違う…喋れない!)






285 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 18:34:12.69 3ouUjS0Mo 233/707

にこ「…じゃあ、やっぱり行くしかない」

にこ「この先を…黒猫を見つけるまで」








にこ「……」

にこ(落ち着きなさいにこ…これはゲーム、所詮ゲームの中よ)

にこ(クリア出来ないゲームなんてある訳ないじゃない!必ず出口はあるはず!)

にこ(冷静に冷静に…いつものペースで)










ヴィオラ「……」

にこ「…ふん、分かったわよ」

にこ「進めばいいんでしょ進めば!」

286 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 18:38:35.44 3ouUjS0Mo 234/707

にこ「えっと、その前に…」キョロキョロ

にこ(海未の時みたいに、こういう小さな部屋の先には何か絶対ある筈…)






にこ「…あ、貼り紙」

にこ「ことりが見逃してたの…?」

ヴィオラ「……」ペラッ
















【つぎのドアをくぐったならば そのつぎのドアまで よそみをしてはいけない】














.

287 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 18:41:05.11 3ouUjS0Mo 235/707

にこ「…何これ?」

にこ「要するに真っ直ぐ進めって事?簡単じゃない」

にこ「……」

にこ「お、落ち着きなさい…真っ直ぐ、真っ直ぐ進めばいいのよ…」

にこ「余計なことはしない、ただまっすぐ進めばいい…」















ヴィオラ「……」ガチャ

にこ「…さぁ、行くわよ」

288 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 18:46:53.17 3ouUjS0Mo 236/707

-廊下-



ヴィオラ「……」

にこ「真っ直ぐ、真っ直ぐ…」

にこ(…あれ?)





にこ(ここ…海未が通った廊下にそっくり)

にこ(じゃあ…もしかして…っ!)




    

       ヒュンッ!!






にこ「はぁっ!!」ヒョイッ

にこ「…ふ、ふふ。やっぱり来たわね」

にこ「こうやって忘れた時にやってくるのがありがちなのよねー!」

にこ「へっへーんだ!にこはそんなせこい仕掛けじゃ」



































にこ「   あれ」


にこ「ここ    どこ…?」

290 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 19:10:49.26 3ouUjS0Mo 237/707


…不意に飛んできたナイフ。
それは一度経験したものならば反射的に避ける事は可能である事をにこは知っていた。

そしてそれを予想し、見事避けることができた事を喜ぶ。




しかし、気が付くと周りの景色は一変していた。
意図的に作られたと思われる長い廊下はそこにはなく、辺りは闇に覆われていた。


微かに見える煉瓦の壁には、無数の血の手形が張り詰めてられている。
地面にはいくつもの血の跡と、勢いよく叩きつけて砕けてしまったと思われる石の破片が散らばっていた。












だが、それだけだった。

出口はなく、四方に壁があり、前に進むことも、後ろに下がることも許されない。




まるで監獄のような場所に、にこは立っていた。

291 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 19:58:40.85 3ouUjS0Mo 238/707

にこ「ちょっと……これ、どういうことよ…?」

にこ「にこ、ちゃんと避けたわよ?ナイフ当たらなかったでしょ?見てたわよね?ねぇ?」

にこ「なによここ、何処なのよ? どうしてにこ こんな所に」





混乱した頭でにこは考えた。

あの廊下はどのようにして渡らなけれないけなかったのか、どうして自分はこんな所にいるのか。


思い出すのは、貼られていた注意書き。
その張り紙通りに注意を向け、ただ真っ直ぐに進むもうとしていた。



そう【真っ直ぐ】に、進めばいい。








にこ「……ぁ、あぁ、そ、そっか」

にこ「真っ直ぐ、真っ直ぐ進まなきゃ…」

にこ「うん、にこ もう分かってる。次はちゃんと真っ直ぐ進むわよ」

にこ「ねぇ だからここから出して?次は、次はちゃんと言われた通りに にこ するから」

292 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 20:10:40.91 3ouUjS0Mo 239/707

にこの声は誰にも届かなかった。

いつの間にかあの少女も姿を消し、ただ虚しく自分の声だけが部屋中をこだまする。





にこ「ねぇ 聞いてるの?聞こえてるんでしょ?早くここから出してよ」

にこ「もう避けたりしないから、何が来ても真っ直ぐ進むから」

にこ「ねぇ 早くここから出してよ ねぇ お お願い…」ガリ ガリ






無意識に壁を引っ掻く。
もしかすると隠し扉があるかもしれない。
そんな希望を抱きながら必死に周りの壁を引っ掻いていく


綺麗に整えられた爪は傷つき、やがてひび割れ皮膚を破いていく。
血が滲み、傷が広がり痛みを伴っているにも関わらず、にこはただひたすらに壁を掻き続ける。




そして、その行為は徒労に終わる。
全ての壁を引っ掻き回したにこの手は、新たな血の手形となり壁に染み付いた。

294 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 20:24:30.32 3ouUjS0Mo 240/707

にこ「…ねぇっ!聞こえてるんでしょ!?ここから出してよっ!」 ガリガリ


にこ「もうわかった!もう分かったからっ!今度はもう間違えないからぁ!」 ガリガリ





                頭上から何か落ちてくる





にこ「出してっ!ここから出してっ!お願いっ!助けてっ!」 ガリガリ


にこ「いやぁっ!!!こんな所で死にたくないっ!やだっ!やだっ!いやああああああああああああああああっ!!!!!」 ガリガリ






        大きい 質量を持った何かが、重力に従って落ちてくる 


              そしてそれは 勢いに乗せて




にこ「もう間違えませんっ!お願いしますっ!お願いしますっ!」 バリッ バリッ


にこ「出してええええええええええええっ!!!ここからっ!!ここから出し」





             

              





                    ごしゃあ













             -にこの全てを 押し潰した。-

296 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 20:38:11.33 3ouUjS0Mo 241/707



ブツンッ




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


穂乃果「…な、なに…これ…」

海未「ぁ…あ…ああっ!」

「に、にこ…にこ、ちゃん…っ!」



真姫「…何よ…なん なのよ 今の…」

真姫「ねぇ…何よ…何なのよ…」

真姫「にこちゃんに何があったっていうのよおおおっ!!?」  バンッ!

絵里「真姫っ!?」

真姫「戻しなさいよっ!にこちゃんをさっきの場所に戻しなさいよっ!」 バンッ バンッ!

真姫「にこちゃんはナイフを避けただけでしょ!?なんで死ななきゃいけないのよっ!?」 バンバンッ!

真姫「戻せえええええええっ!!!にこちゃんを戻してえええええええええええええっ!!!!」 バンバンバンッバンッ!

「真姫ちゃん!」

真姫「放せっ!放しなさいっ!うわああああああああああああああああああああ!!!!」

真姫「返してええええええええええっ!!!にこちゃんを返せえええええええええええっ!!!」














真姫「ぁ…ひっ…ぎっ…返せっ…返して…ぁ…ぁあああっ…ぁ…」 ポロポロ

穂乃果「真姫 ちゃん…」





297 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 20:46:16.90 3ouUjS0Mo 242/707

「そんな…にこちゃん…にこちゃん…っ!」

海未「また、一人…死んでっ…」

絵里「……」ガタガタ

真姫「ひぐっ…ぅ…あ…あぁ…あああっ…」

「どうして…こんな…こんな酷い事っ…」










穂乃果「…ねぇ」

穂乃果「なんで ことりちゃん いないの…?」

298 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 20:51:46.89 3ouUjS0Mo 243/707

海未「!?」

海未「こ、ことり!?何故っ!さっきまで私の傍にっ!」

「えっ!?ええっ!?何でっ!?どうしてっ!」

「いない…何処にもおらんよ!ことりちゃんっ!」

絵里「一体どうなってるの!?早く映しなさいよっ!」







ブツンッ












ことり『……え?』





穂乃果「な、何で…どうしてっ…」

穂乃果「どうしてまたことりちゃんなのっ!?」

299 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 20:54:28.81 3ouUjS0Mo 244/707

-小部屋-



ことり「…え?え?」

ことり「また……ことりなの?」

ことり「なんで…?ことりはもう終わった筈だよ…?」

ことり「なのに…どう、どうして…」












ヴィオラ「……」

ことり「ねぇ…どうして?」

ことり「ことりどうしてまた進まなきゃいけないのっ!?」

300 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 21:10:52.77 3ouUjS0Mo 245/707

ヴィオラ「……」

ことり「…本当に、何も答えてくれないの?」

ことり「……」

ことり(…にこちゃんが、死んじゃって…でもことりたちはまだここから出られない)

ことり(という事は…やっぱり三回終わるまで続けないと…)












ヴィオラ「……」テクテク

ことり「ことりが…今日の最後」

301 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 21:14:06.17 3ouUjS0Mo 246/707

-廊下-


ヴィオラ「……」テクテク

ことり「……」



 
 

      ヒュンッ!






ことり「っ!!」ギュッ





ことり「……」

ことり「…やっぱり、偽物だったんだ。ナイフ」

ヴィオラ「……」テクテク

302 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 21:16:28.98 3ouUjS0Mo 247/707

ヴィオラ「……」テクテク

ことり「…あ」






黒猫「」





ことり「黒猫さんっ…!」


ことり「……でも」

ことり(何が見えても、よそ見をしちゃ、ダメ…)







ことり「……にこちゃん」

ヴィオラ「……」ガチャ

303 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 21:20:58.80 3ouUjS0Mo 248/707

-巣窟前-



ヴィオラ「……」

ことり「うっ…」

ことり(なんだろう……ここ、生臭い)

ことり「何でこんなに…あれ?」






ことり「…紙が落ちてる?」

ヴィオラ「……」ペラッ













         【やつは はらをすかせている】













.

304 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 21:24:16.67 3ouUjS0Mo 249/707

ことり「やつ…って、何…?」

ことり「えっと…何か周りにあるものは…」






ヴィオラ「……」

ことり「…ほかに何もないなぁ」

ことり「あるのは蝋燭と扉だけ…」

ことり「…あれ?」







ことり「こ、この扉って」

ことり「…窓から、この先が見えるようになってる…の?」

305 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 21:35:25.57 3ouUjS0Mo 250/707

ヴィオラ「……」

ことり(扉の真ん中に…小さい窓)

ことり(ここ、どうして開いてるのかなぁ…)

ことり「…覗いても、いい?」

ことり「……」







     ジュル

  


           ウジュル


  ズル…  




ことり「ひっ…!」

ことり「な、何っ…あれっ…!」

306 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 21:54:24.06 3ouUjS0Mo 251/707

ヴィオラ「……」

ことり(と、扉の向こうに…大きい…ヌメヌメした…)

ことり(ずりずりって…地を這って…っ)

ことり「あれって…ヘビ?」

ことり「じゃあ…やつって言うのは…あの大きなヘビの事?」

ことり「…む、無理だよぉ!見つかったらことり、絶対食べられちゃうっ…!」

ことり「だって、お腹空かせてるって…」










         『やつは はらをすかせている』














ことり「………」

ことり「あ・・・・ぇ・・・・・?」

ことり「そういう…事、なの ?」

307 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 22:04:05.79 3ouUjS0Mo 252/707

ことり「……」


カエル「?」ピョイン


ことり「……えへへ、冗談だよね?」

ことり「だって、カエルさん、ことりの友達だもん」

ことり「ねっ?カエルさん」ナデナデ

カエル「♪」ピョイン ピョイン







ヴィオラ「……」

ことり「……嘘だって、言ってくれないの?」

308 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 22:10:34.62 3ouUjS0Mo 253/707

ことり「……」ガシッ

ことり「……」

カエル「?」

ことり「……」





カエル「…!?」

カエル「…!…!!」ジタバタ




【カエルは嫌がっている。】





ことり「……」ガクガク

ことり「ぁ…ぅ…ぁ…」グイッ




【カエルは嫌がっている。】




ことり「ごめんなさい…っ…ごめん  なさい…」 

ことり「ごめんなさいっ!」グイッ

カエル「!?」  ガシャン!









…カエルを覗き窓から無理やり押し込んだ。

309 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 22:15:42.00 3ouUjS0Mo 254/707






      ズウンッ…






ことり「…ぁ…あぁ…」

ことり「こ、ことり…とんでもないことっ…!」

ことり「で、でもっ…こうするしかっ…方法はっ…」










ことり(…あれ?)

ことり(でも…最初の場所に…確か…猫の 死骸が…)

ことり(じゃあ…それを入れれば…よかったんじゃ…)

ことり「…ぁ…ぁぁぁあああっ!!こ、ことり…まち、間違ってっ…!」

ことり「カエルさんっ!」ガチャ


312 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 22:24:06.48 3ouUjS0Mo 255/707

-化物の部屋-


ヴィオラ「……」

ことり「…何処にも、いない」

ことり「……」ガタッ







ことり「ヒック…うぐっ…ごめ…ごめんな さ…」ポロポロ

ことり「ことりっ…ぁぐっ…ひどい…こと…してっ…!」

ことり「うわあああああああああんっ!!!ああああぁんっ!」

313 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 22:28:37.36 3ouUjS0Mo 256/707

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ヴィオラ「……」

ことり「……」

ことり(…行か、なきゃ)

ことり(でも…ことり…間違っちゃったから…)

ことり(にこちゃんみたいに…死んじゃうのかな?)

ことり(……)







ことり「ごめんね…ごめんねカエルさん」

ことり「ことりも…多分、死んじゃうから…」

ことり「あっちで…いっぱい謝らせてね」

ことり「…じゃあね」ガチャ













カエル「」

ことり「……え」バタンッ

314 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 22:35:18.35 3ouUjS0Mo 257/707

バタンッ





ことり「い、今…ことりの後ろにっ…!」

ことり「カエルさんっ!いたっ!いたよね!?」

ことり「よかったぁ…!生きて…生きてたよぉ!」

ことり「カエルさんっ!かえっ」ガチャ


   ・躍+撝0・・}芭灯遏慧Cワカ>€オヌM・GfサYス^N曚麈C v徐・テVlCi)ヨK・惚ラテ絎・-ュ・L1
  ゚晥L・・タ駈モEumメgァvョタ"稠
 ートシC2ヌヨャ・・9ソ繝+・]1ニ3オL・・!XR゙eЕ iヲ゚ゥb゙ィゥ被C2ヌヨャ・・9ソ繝+・]1ニ3オL・・!XR゙eЕ
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        オL・・!XR゙eЕ iヲ゚ゥb゙ィゥ被ヘチ盈l 叢Z\]ウ'キu翹サNP・IK}(vー濃zノ
悚櫢フ・゚ネc8o蟠凬・」>゙シMC敢h・I墲ホン腮+A・レ广Y&ゥンヤ渹メェ:貊Lリヘアロ?8T膵・
J-hハサ?悦ョ杖ケ\ク・U`)ヨ#@ヘチ盈l 叢Z\]ウ'キu翹サNP・IK}(vー濃zノ
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     オL・・!XR゙eЕ iヲ゚ゥb゙ィゥ被ヘチ盈l 叢Z\]ウ'キu翹サNP・IK}(vー濃zノ
ル・€饗同QBロ6リワ7&<БDSOKtーJ・ヘチ盈l 叢Z\]ウ'キu翹サNP・IK}(vー濃zノZy
      fァR1<限或鋳カ1・愆m玄d\欄・ヘチ盈l 叢Z\]ウ'キu翹サNP・IK}(vー濃zノ
ア・箙キ[癇現゙ウ€モクワ2ョ・ ヘチ盈l 叢Z\]ウ'キu翹サNP・IK}(vー濃zノヘチ盈l 叢
NP・IK}(vー濃zノヘチ盈l 叢Z\]ウ'キu翹サNP・IK}(vー濃zノ


ことり「ひっ!ひいいっ!?」

ことり「いやっ!!いやあああああああああああああああああっ!!!!!」

ことり「きゃああああああああああああああああああああああっ!!!!!」

315 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 22:48:00.81 3ouUjS0Mo 258/707

…何かがいた、湿った小さな部屋。

そこに生贄の姿は見当たらず、代わりに見えたものは生々しく動く肉の壁であった。


そのあまりのグロデスクな風景はことりに様々なものを彷彿させる。


先ほどの化物に飲まれたカエルの最後に見た光景なのか

カエルの引き裂かれた臓物が具現化したものなのか

あるいはこれが生物を犠牲にした人間に対しての罰なのか




…今のことりには、それを知る由はなかった。

316 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 22:57:34.89 3ouUjS0Mo 259/707

ことり『いやあああああああああああっ!!ごめんなさいっ!ごめんなさあああいっ!!』


ことり『ゆるっ…許してぇっ!あグッ…あっあっあああっ!!』


ことり『いやあああああっ!!!やめてえええええええええっ!!!』


穂乃果「ことりちゃんっ!ことりちゃんっ!」

海未「は、早くっ!早くその場から離れて下さいっ!はやくっ!」



ことり『いやああああああああああああああああっ!!ゆるしてええええええええっ!!』


ことり『もうしませんっ!!もう無理矢理入れたりしませんからああああああああっ!!』


ことり『ごめんなさあああああいいいっ!!!ゆるっ…ぐぇっ…うっ…ゆるっ…ゆるしてっ…ぇぐっ…あ゛っ…!』

317 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 23:02:43.29 3ouUjS0Mo 260/707

絵里「何よっ…これっ…!」

絵里「カエルの幻をみせて…振り返る事が分かってて…っ」

絵里「それを見据えての演出だって言うのっ!?」

「じゃ…じゃあ…さっき、ことりちゃんが二回行ってしまったのもっ…!」

「これを…ことりちゃんに…見せる、為に…?」

真姫「…ふっざけないでよ…っ!」

真姫「何がしたいって言うのよっ!?こんな事して何の意味があるのよっ!」

真姫「答えなさいよっ!見てるんでしょ!?この魔女っ!!」





穂乃果「…これが、魔女の…っ」

318 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 23:07:07.55 3ouUjS0Mo 261/707

ガチャ…バタンッ


ヴィオラ「……」

ことり「…ナサイ…ゴメンナサイ」









黒猫「猫の像がある。」

黒猫「…なんちゃって」


ことり「…ナサイ……ゴメ…」


黒猫「ちょ、ちょっと!無視しないでよ。」








プツンッ




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・

319 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 23:10:34.54 3ouUjS0Mo 262/707

-???-



ことり「……」

穂乃果「こ、ことり…ちゃん」

ことり「…  ・・ ・」ドサッ

海未「ことりっ!?」



ことり「…なさい…ごめんなさい…」

ことり「もう…しません…だから…ゆるして…ぇ…」


穂乃果「ことり…ちゃん…」









グ ニ ャ ア 



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・

320 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 23:16:53.15 3ouUjS0Mo 263/707

――――――――――――――――





穂乃果「……」

穂乃果「…また、一人死んじゃった。」

穂乃果「…にこちゃん」

穂乃果「そして、ことりちゃんは…」

穂乃果「……」






ギシッ




穂乃果「…嫌だ」

穂乃果「もうっ…あんな所…行きたくないっ…」

穂乃果「誰か…助けて…っ」

321 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 23:32:28.56 3ouUjS0Mo 264/707

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


…辺り一面に広がる美しい薔薇。
その薔薇を一つ摘み、花びらを一枚ずつ千切ることで暇を潰している少女がそこにいた。



「やぁ。」


「…なによ。何か用でもあるの」


少女はそれの相手をする事が面倒なのか、正面を向かずに薔薇を千切り続ける。


「ちょっと休憩をもらったんだよ」


「ふうん」


「ひどいなあ、僕もこれでも結構苦労してるんだよ?」


「………」


「あの子は凄いね。家に干渉する魔力を持ち合わせていないから」


「僕がいる場所を増やして絶望を調整するだなんて」


「………」


「聞いてる!?」


…少女は薔薇の花を千切る事に飽きたのか、森の奥を眺め始めた。

322 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 23:40:31.68 3ouUjS0Mo 265/707

「…ねぇ、あとどれくらいで中に入れるの?」


「今の人間が全部終わったらかな?」


それは顔色ひとつ変えずに答えた。
少女の顔にはほんの僅かに苛立ちが現れたが、すぐに無表情を取り繕った。



「あの子が家を支配することは?」


「可能性はゼロに等しいね」


「………」


「やだなあ。どうして僕をそんな目で見つめるんだい?」


「べつに」


そう一瞥すると、少女はまた薔薇を弄りはじめた。

323 : ◆J56L221nBM - 2014/04/29 23:55:26.26 3ouUjS0Mo 266/707

「あの子の魔力は、君の時ほど強くはないけど」

「それでも、着々と力が溜まりつつあるよ」


「………」


「君も運が悪かったね。まさかあの子がこんなに執念深いだなんて」


「友達は選ぶものだよ」


「うるさいな。」


訝しげに放つ言葉はそれの方を向いておらず、少女はただ薔薇に目を向けていた。

324 : ◆J56L221nBM - 2014/04/30 00:02:22.55 BkvYP849o 267/707

「まぁ、僕も今はあの子と契約した身だからね」

「これが終わるまでは付き合ってあげるよ」


「………」


「…あ。あの子が呼んでるみたい」


「じゃあね」


「また来るよ。エレン」






「………」

「別に来なくてもいいから」


「ひどいなあ」



…そう言い残すとそれは、森の奥へと消えていった。


325 : ◆J56L221nBM - 2014/04/30 00:12:23.26 BkvYP849o 268/707

お世辞にも心地よいとは言えない風が、森の中をざわつかせる。

少女はそれがいなくなること確認すると。切り株に座り空を眺めた。



見慣れていた空は外から見上げると別の世界に見えることを、少女は最近知ったのだ。

木、草、花、周りにあるものすべてが少女を新鮮な気分にさせてくれる。



「でも、もう飽きたの」



少女はまた森の奥に目を向け、遠くを見るように目を凝らす。




「だから、早く私を入れて欲しいな」

「……」

「でも、今は我慢してあげる。」











   

        「どうせ 何も変わらないのだから。」













【To Be Continued…】

330 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 18:14:13.04 vaxwgoUto 269/707






「にっこにっこにー☆あなたのハートににこにこにーの矢澤にこにー!」


「にこにーって呼んでラブにこっ♪」








穂乃果「……」



「あっれー?みんなどーしたのー?元気ないじゃなーい」

「そんなテンションじゃ次のライブでも盛り上がらないよー?」




絵里「……にこ、今日は練習は休みにしたから」



「えぇーっ!?ほんとにみんなどーしたのぉ~?」

「元気が無いならぁ~、にこにーのにっこりの魔法でみんなにっこにっこにーにしてあげる♪」

「ほらっ!にっこにっこ」


絵里「にこっ!!」














絵里「…お願い、今日は帰って」


ヴィオラ「もーっ!絵里ちゃんつーめーたーいー!」

331 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 18:15:48.77 vaxwgoUto 270/707


-部室-



…バタンッ



海未「…にこは」

絵里「帰らせたわ。本人は納得してない様子だったけど」

「……」






「…真姫ちゃん」

真姫「……」

海未「真姫…」

真姫「…覚悟、してたから」















真姫「…でも、あんなのっ」

真姫「見たく…なかった……っ!」

穂乃果「……」

332 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 18:18:01.57 vaxwgoUto 271/707

絵里「…そういえば、ことりは」

海未「学校を休んでいます」

海未「電話もメールも送ってみましたが…返事は来ていません」

「こっちにちゃんと【いる】のは確認できた?」

穂乃果「うん。理事長…おばさんが部屋に篭ったまま出てこないって」

絵里「…そう」









海未「始めましょう」

「えっ?」

海未「昨日の時点で明らかになったことがいくつもあります」

海未「それを全員が頭に入れておく必要があると思いませんか?」

穂乃果「それは…」

海未「最早一刻の猶予もありません」

海未「今出来る事を全力で行わなければ…」












海未「私達は全員、あの家に殺されてしまいます」










.

333 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 18:20:12.80 vaxwgoUto 272/707

絵里「…海未の言うとおりだわ」

絵里「仲間を失って、泣きたい気持ちは痛いほど分かる」

絵里「でも悲しんだからといって、今の状況が良くなる訳でもない」

絵里「…やりましょう。生き残って、二人を助ける為に」






「……」

穂乃果「……」

真姫「……」

「…みんな」

海未「絵里、…始めてください」

絵里「分かったわ。まず昨日気付いた事なんだけど…」








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・

335 : 訂正 - 2014/05/05 18:23:44.42 vaxwgoUto 273/707

穂乃果(…絵里ちゃんや海未ちゃんは、昨日分かったことを一生懸命議論していた)

穂乃果(あの家は私たちを恐怖に陥れて殺す事を目的にしているとか、あの女の子が魔女なのか…他にも色々話してたと思う)

穂乃果(でも、凛ちゃんや真姫ちゃん…私も、そこまで真剣に聞いていなかった)

穂乃果(みんな、口に言わないだけで…本当は気付いてるんだと思う)

穂乃果(あの家から出ることが出来ても、二人が元に戻るなんて証拠は何処にもないことを…)








穂乃果(そして……あの家から本当に脱出できるかも分からないってこと)







336 : 訂正 - 2014/05/05 18:24:55.93 vaxwgoUto 274/707

ガララッ


穂乃果「……」

雪穂「あ、お姉ちゃんお帰りー」

穂乃果「ただいま…」

雪穂「…どうしたの?そんな暗い顔して」

穂乃果「ううん、…何でもない」

雪穂「…?」

穂乃果「今日…ご飯いらないって言っといて」










雪穂「……」

雪穂「おかーさーん!お姉ちゃんが何か変だよー」

337 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 18:27:01.08 vaxwgoUto 275/707


-穂乃果の部屋-



カチッ



穂乃果「……」ポチポチ




『新着メールはありません』




穂乃果「…ことりちゃん」

穂乃果「……」








ボスッ…





穂乃果「…寝よう」

穂乃果「早く…終わらせて」

穂乃果「…終わり」





穂乃果「終わりって、いつだろう…」

338 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 18:29:37.45 vaxwgoUto 276/707

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「――お母さん?」∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵
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∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵「どこか……いくの?」∴∵∴∵∴∵∵
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「×××……」∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵
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∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴「お父さんと、仲良くね」∴∵∴∵∵
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「お母さん」∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∵
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「やめて」∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵
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∴∵∴∵∴∵∴『私がやったんだよ!』∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∵
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∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵「やめて」∴∵∴∵
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∴∵「やめろ!」∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∵
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∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵「やめろ!」∴∵∵
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            【――やめろぉ!!!】







.

339 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 18:36:52.54 vaxwgoUto 277/707




「うわああああああっ!!!」 ガバッ


雪穂「うわあああっ!?」ビクッ







穂乃果「はぁ…はぁ…はぁ…っ!」

雪穂「…だ、大丈夫?」

穂乃果「…ゆき、ほ…?」

雪穂「えっと…ご飯も食べずに寝るだなんて相当疲れてるんじゃないかって」

雪穂「お父さんがコレ、持って行ってやれって…」

穂乃果「えっ…?」








穂乃果「…いちご」

雪穂「お姉ちゃん好きでしょ?いちご」

穂乃果「う、うん。でもどうして…」

雪穂「心配してるんだよ。お父さんもお母さんも」

雪穂「あんなに元気な娘がこんなにぐったりしてるだなんて何かの病気だー!って…」

穂乃果「あ、あはは…」

340 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 18:40:55.29 vaxwgoUto 278/707

雪穂「はい、食べ終わったらお皿持ってきてね」

穂乃果「うん、ありがとう雪穂」

雪穂「ん」




ガチャ



雪穂「……」

穂乃果「…?」

雪穂「…無理はダメだよ」

雪穂「もう…倒れるお姉ちゃんなんて、見たくないから」

穂乃果「…雪穂」

雪穂「おやすみー」






バタンッ

341 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 18:52:02.26 vaxwgoUto 279/707

穂乃果「…あはは、何か気を使わせちゃったかな?」

穂乃果「もう、みんな心配性なんだから」

穂乃果「少しぐらい放っておいても穂乃果は大丈…」










          ドクンッ









穂乃果「っ!?」バッ

穂乃果「ぐっ…はっ…はぁっ…!」




穂乃果「…げほっ」

穂乃果「なに…今の」

342 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 18:57:01.07 vaxwgoUto 280/707

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・


‐???‐



穂乃果「……」

穂乃果「あ…いつの間にか寝ちゃってた」





海未「穂乃果…」

穂乃果「海未ちゃん」

穂乃果「…ことりちゃんは?」

海未「……あちらに」







ことり「……」

穂乃果「ことりちゃん…」

ことり「っ!」ビクッ

穂乃果「大丈夫。…穂乃果だよ」

ことり「……」

343 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 19:02:08.03 vaxwgoUto 281/707

海未「…先程から、ずっとあの調子です」

海未「落ち着くには、もう少し時間が必要かと…」

穂乃果「……」




絵里「…相変わらずね。ここの雰囲気は」

穂乃果「絵里ちゃん」

「うちもおるでー」

穂乃果「希ちゃん…真姫ちゃんと凛ちゃんは?」

真姫「…凛なら、あそこよ」






『…………!!』





穂乃果「凛ちゃん…」


344 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 19:07:02.86 vaxwgoUto 282/707

‐猫の銅像前‐



「あ……あっ……」

「来ちゃった…遂に…凛の番がっ…」

「どうしよう…どうしよう…っ!」








ヴィオラ「……」

「ひっ…!」

「り、凛には…無理…っ」

「絶対…無理だよぉ…っ」

345 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 19:28:20.15 vaxwgoUto 283/707

ヴィオラ「……」テクテク

「……」

(本当に…何も喋ってくれない)

(うぅ~これからどうすればいいのぉ…?)








   ゴゴゴゴ…






「ひゃあっ!?」

「…ね、猫の首が」

「うぅ…もう早く帰りたい…」

ヴィオラ「……」

346 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 19:31:54.72 vaxwgoUto 284/707

ヴィオラ「……」カツン カツン

「…長い階段」

「それに…暗いにゃ~…」







ヴィオラ「……」

「…えっ?」









-目の間-



「な…なに、ここ…」

「変な顔が…いっぱい」

ヴィオラ「……」

347 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 19:37:02.13 vaxwgoUto 285/707










           【かためを とじるのがいい】










「……」ペラッ

「かため…とじる」

「片目を…閉じる?」

「どういう意味だろう…」

ヴィオラ「……」






「う~ん…」パチパチ

「凛が片目閉じても何にも起こらないにゃ…」

「えっと…分からない時は、周りを調べて…」

「…ん?」

348 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 19:42:42.74 vaxwgoUto 286/707

ヴィオラ「……」

「こ、この口の絵…」

「…中が空洞になってる?」



(えぇっと…凛がしゃがんで進めばなんとか通れそう)

(それと同じような口の絵が三つ…どれも穴が空いてる)

(って事は…)









「この三つの穴の一つが、…正解?」

ヴィオラ「……」

349 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 19:57:26.65 vaxwgoUto 287/707

(…ど、どれが正解なんだろう?)

(間違ったら…どうなるの?)

(…ううっ!考えたくないよぉ…!)

(で、でも…進まないと帰れないし…)












「うぅ~…どれが正解なのぉ~?」

ヴィオラ「……」






350 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 20:09:57.32 vaxwgoUto 288/707

「うーん…うーん…」

「だめだにゃー…全然分からない」 ドサッ

「絵里ちゃんや海未ちゃんじゃないからこんなの分かる訳…」












(……)

(あれ…?この絵)

(ここから見ると…片方目を瞑ってるように見える…)













「!?」ガバッ

「も、もしかして…!」

351 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 20:15:25.12 vaxwgoUto 289/707

ヴィオラ「……」

(…両目が開いてる口と、両目とも閉じてる口…)

(この二つの口の真ん中に立つと、片方ずつ見えるよね…)

(もしかしたら…)








      バキッ!






ヴィオラ「……」パラパラ

「や、やっぱり…!」

「もう一つ…もう一つ口の道があった!」

352 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 20:18:03.29 vaxwgoUto 290/707

ヴィオラ「……」

「ここ、だよね…正解」

(もし…もしも)

(凛が他の三つの口の中に入ってたら…どうなってたの…?)











ヴィオラ「……」  ズリ  ズリ

「大丈夫…絶対」

「絶対合ってるから…大丈夫…!」

353 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 20:21:21.96 vaxwgoUto 291/707

-隠し通路内-





ドンッ…


             ドンッ…



     ドンッ…






ヴィオラ「……」

「…すごく変な音がする」

「なんだろう…暗くて全然見えない」

「うぅ…ほ、本当に間違ってないよね…?」












「…!」

「と、扉…」

「扉だっ!扉があったにゃ!」

ヴィオラ「……」

354 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 20:37:12.68 vaxwgoUto 292/707

ヴィオラ「……」

「よ、よかった…こっちが正解だったんだ…」

「でもさっきの音は一体なんだっt」






ドン



         ドンッ



    ドンッ









「……」

「え…なに…これ…?」

ヴィオラ「……」

355 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 20:39:55.29 vaxwgoUto 293/707

「…針の、山…」

「え…これ…が…ずっと…動いてたの…?」

「他の…口の…中で…?」













ヴィオラ「……」

「……」

(見なかった…事にしよう)







ガチャ…バタンッ

356 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 20:58:26.56 vaxwgoUto 294/707

-音の部屋-


ヴィオラ「……」

「ここは…?」





(何だろう…ここ、何も聞こえない)

(すっごく…不気味…)













「…あ、紙が落ちてる」

ヴィオラ「……」ペラッ






357 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 21:02:38.88 vaxwgoUto 295/707








 
 
          【4つのへやで おとをならせ】














「…音?」

「どういう意味だろう…これ」


黒猫「やあ。」


「ひっ!?」ビクッ





ヴィオラ「……」

黒猫「この階は静かだねえ。」




「ちょ、ちょっと、まだ凛」





プツンッ



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・

358 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 21:11:45.45 vaxwgoUto 296/707

「……あ」

穂乃果「凛ちゃん!」

海未「お疲れ様です、凛」





「…あ、あれ?」

穂乃果「凛ちゃん?」

「凛…黒猫に話しかけてないのに戻ってきちゃった」

海未「…どういう意味ですか?」

「え、えっとね?確か黒猫は居たんだけど…」

「凛じゃなくて、黒猫が先に話しかけてきたっていうか…」


359 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 21:23:56.85 vaxwgoUto 297/707

真姫「…何よそれ、意味分かんない」

「だって本当にそうなんだよっ!凛、落ちてる紙を読んでたのにいきなり…」

穂乃果「どういう事だろう…?」

海未「分かりません。凛の言っていることが本当ならば…」

海未「私達の黒猫の捉え方は、少し違っているのかもしれません」

「そうやね、じゃあ…」










絵里『………』



「…絵里ちが帰ってきたら、その事教えてあげよっか」

穂乃果「…うん」

360 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 21:29:48.54 vaxwgoUto 298/707

-音の部屋(通路)-




絵里「…2週目。ね」

絵里「穂乃果じゃなくて私だって事は…法則のようなものは無い。と考えていいみたいね」

絵里「やっぱり、この人選は人為的なものなのかしら…?」

絵里「この先、明らかに色々と頭を使わないと進めなさそうだし…」











ヴィオラ「……」

絵里「…悩んでても仕方ないわね」

絵里「まずは一つずつ部屋を廻っていきましょう」

362 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 21:57:18.22 vaxwgoUto 299/707

ガチャ


絵里「…まずはここの部屋ね」






-絵画の部屋-




ヴィオラ「……」

絵里「…何かしら、ここ」

絵里「似たような絵が4つ飾られてる…これも何かの仕掛けなの?」

絵里「他には…」




絵里(机の上にトランプ、百合の花…)

絵里(そして…)








絵里「…何?このカボチャ?」

ヴィオラ「……」

363 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 22:11:30.45 vaxwgoUto 300/707

絵里「…普通のカボチャが一つに、彫刻が施されてるのが二つ」

絵里「ジャック・O・ランタンだったかしら…?」

絵里「詳しくは覚えてないけど…確か青年と悪魔の話で、男の魂が憑依された物のがこれ…」

絵里「…でも、それに何の関係があるの?」







絵里(…私達の認識では、これはハロウィンパーティーで見かけることが多い)

絵里(ハロウィンのイメージとしては…幽霊や悪魔や化物)

絵里(…そして魔女)

絵里(ここは魔女の家…このジャック・O・ランタンは、この家の何かを暗示している…?)








絵里「…よく分からないわ」

絵里「取り敢えず、そこに張ってある貼り紙を見てみましょうか」

ヴィオラ「……」ペラッ

364 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 22:17:27.23 vaxwgoUto 301/707










        【がくふは あおいめが みつめている】











絵里「楽譜?青い目…?」

絵里「カボチャの事は何も書かれてないのね…」

絵里「青い目…と言ったら、あの絵画なんだろうけど…」











絵里「……」ゴシゴシ

絵里「おかしいわね…どの絵も瞳の色が分からないわ」

ヴィオラ「……」

365 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 22:22:27.32 vaxwgoUto 302/707

絵里(……)

絵里(4つの部屋で音を鳴らせ…そして楽譜)

絵里(これが今回の仕掛けなのは分かるのだけど…)

絵里(関連性はあるのだろうけど…その中身がいまいち掴めないわ)

絵里(この部屋だけじゃ、まだ何も分からない…って事ね)












ヴィオラ「……」 ポンッ

絵里「あら、いい音ね。このカボチャ」

絵里「……」

絵里「ふふっ、何やってるのかしら。私」

絵里「他の部屋も調べてみましょう」

366 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 22:35:02.54 vaxwgoUto 303/707

絵里「…次は向かい側の部屋ね」







-オルゴールの部屋-




ヴィオラ「……」

絵里「…結構広い部屋ね」

絵里「随分と色んなものがあるけど…誰かの為の部屋なのかしら」




絵里(周りには机が数台、そして鏡台に日用品の数々…)









絵里「…そして、何よりも気になるのが」

絵里「あの不自然な場所に置かれたオルゴール…よね」

ヴィオラ「……」

367 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 22:48:36.87 vaxwgoUto 304/707

絵里「…どう考えても、これがこの部屋での音の役割をしていることは分かるわ」

絵里「でもその前に、周りの確認は必要ね」

絵里「えっと…あ、あったわ。貼り紙」

ヴィオラ「……」ペラッ











           【オルゴールは 12で ならせ】












絵里「…オルゴールは、12で鳴らせ」

絵里「12…12時に鳴らせって事かしら?」

絵里「あるいはオルゴールのネジを12回捻って鳴らす…とか」

絵里「色々と考えられるけど…確証がない時点での軽率な行動は危険ね」

絵里「何かヒントとなるものはないかしら…?」

















絵里(…あれ、ちょっと待って)

絵里(これ…もしかしたら)

368 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 22:54:04.88 vaxwgoUto 305/707

絵里「……」

絵里(…このオルゴール、ネジの部分が少し欠けてる)

絵里(この机は動かす事は出来ない)

絵里(でも、ここからなら…)







     


              カチリ









~♪



絵里「…!」

絵里「鳴り始めたわっ…どうやら正解のようね」

369 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 23:07:25.35 vaxwgoUto 306/707

絵里(このオルゴールは蓋を開けると起動するアンティークなタイプ…たとえネジが欠けていても、音を鳴らすことは可能だわ)

絵里(オルゴールは12で鳴らせ…つまり、12時の方向を向く事で鳴らすことが出来る)

絵里(蓋を開ける部分はは私から見て12時の方向…つまり正面)

絵里(何も難しい事ではないわ…ただ正面を向いて、そこにある蓋を開けることで)








~♪


絵里「…こうやってオルゴールを鳴らすことが可能って訳ね」

絵里「危なかった…もし色々と余計な事を考えていたら、にこみたいになってたかもしれないわね」

絵里「取り敢えず、この部屋の音は鳴らすことが出来た…残り3つ」

絵里「じゃあ次の部屋に…あら?」








絵里「……この部屋、奥に扉があるわね」

絵里「行ってみましょう」

370 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 23:13:12.58 vaxwgoUto 307/707

-日記の部屋-





     ピョイッ!




絵里「ひっ!」

絵里「…び、びっくり箱?」

絵里「うぅ…びっくりするのはこの家の仕掛けだけで十分よ…」









絵里「これは、日記帳…?」

絵里「魔女の日記の続きかしら…」

絵里「…読んでみましょう」

371 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 23:22:18.30 vaxwgoUto 308/707






     - それから この家に 遊びに来た友達 -


           - みんな ×した -




 

        - みんな この家に食べさせた -









絵里「…これって」

絵里(確か希の読んだ本の中に、魔女の家は人間を喰らう。…ってのがあったわよね)

絵里(そして、その魂は残骸は家の住人となって…この家の中にある)




絵里「…じゃあ、にこや花陽の魂も」

絵里「この家の何処かに…潜んでいるって事?」

372 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 23:30:32.54 vaxwgoUto 309/707



~♪





絵里(…もし、魂の残骸がこの家の何処かに残っているのだとしたら)

絵里(あの二人は完全に消えたわけじゃない…何らかの方法で、その魂を元に戻すことができるかも)

絵里(意志は持たないって言ってたから…探すのは少し骨が折れそうだけど)

絵里(それでも、可能性は0では無いって事になるわ)






絵里「……」

絵里「少しばかりだけど、希望の光が見えてきたわ」

絵里「僅かでも可能性がある限り、それは人を動かく動力となる」

絵里「その為にもこの階を突破して、みんなに伝えてあげないと…!」








絵里「さぁ、次の部屋の音を」











            カチリ











絵里「…えっ」

373 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 23:38:26.61 vaxwgoUto 310/707

…扉を開けると、そこには兵隊の格好をしたブリキの人形が立ちふさがっていた。
この兵隊はこの通路の端に立っており、そこから微動だにしなかった事を絵里は見逃していなかった。



しかしその人形は扉の前に移動し、絵里が来る事を予測していたかのように構えていた。













――銃口を、心臓に向けて。

374 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 23:49:14.88 vaxwgoUto 311/707



―ズドンッ!



絵里「がっ…!」

絵里「あ゛っ…あ゛あ゛あ゛ぁっ!!!」



猟銃と思われるその銃は、絵里の腹部に狙いを定めて銃弾を発射させた。
絵里は着弾した痛みと状況が理解できない事により錯乱し始める。


人形は心臓を狙った筈だと思ったのか、今にも折れそうな首を傾けている。
もし絵里ではなく小さな子どもであれば、狙った位置に一発で心臓を打ち抜き絶命させることができたかもしれない。





しかし、もはやそんなことはどうでもよかった。

人形は再び絵里に銃を向け玉を発射させた。




―ズドンッ! ズドンッ!


376 : ◆J56L221nBM - 2014/05/05 23:58:14.73 vaxwgoUto 312/707

絵里「い゛っ…ぎゃああああっ!!!!」

絵里「あ゛っ…あああっ!?ああああっ!!」



…今まである一定の位置でしか発砲していなかったのか、二発の弾丸は絵里の心臓を撃ち抜かずに、右腕と左足にそれぞれ着弾する。


絵里「あ゛っ…なぁっ…なん…でぇ…ぇ…」

絵里「い、い゛やっ…だ、誰か…誰か、助げ…ぇ…っ゛!」



絵里はその場に倒れ、この場から逃げるように床を這いずり始めた。
腕と足から流れ出す血と痛みに耐えながら、半狂乱状態で動き始める…





絵里「だ…めぇ…こ…こで…じ…んだ…ら…ぁ」 ズリ  ズリ

絵里「私が…ぁ…がえらっ  ない   どぉ…!」 ズリ  ズリ

378 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 00:12:12.34 dI7d46o1o 313/707

…やっとの思いで一番近いの扉に到着する。
しかし既に絵里の片足は機能しておらず。その場から立ち上がる事ができなかった…。




絵里「ぎっ…ぐっ…ごほっ!…ぐっ…がぁ…はっ…」



何とかして扉を開けようと壁を伝ってドアノブに手をかけようとする絵里。


壁伝いによじ登り開けようとするその様は、正に子どもの姿と同じだった。







そして、その後ろから向けられる銃口は、正確に絵里を捕らえ…










                 


                ズドンッ













       ― 心臓を撃ち抜き 止めを刺した。 ― 




384 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 20:33:23.89 dI7d46o1o 314/707



ブツンッ




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「……」

「嘘だ」

「こんな…嘘に決まってる」

「だって…あの絵里だよ…?こんな…こんな所で…」

「死ぬ  筈…    ないやん」




海未「の…希…っ!」

「なぁ…そうやろ…?  海未ちゃん…」

「さっきのは…何かの   ま  間違いで…」

「う、ウチは…うち…絵里ち   …ぇ」



ストン



「う   うわ…ぁ…あああああっ!」

「うわあああああああああああああああああっ!!!!!!!」

385 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 20:45:18.64 dI7d46o1o 315/707

真姫「希っ!」

「な、なん…何で…ぇ…絵里ちがっ…どうしてっ…!どうしてっ!?」 ガタガタ

「あんなっ…おもちゃにっ…こ、殺されっ…ぇえ!?」 ガタガタガタ

海未「っ…!凛っ!希をっ!」

「う、うんっ!」

「いやや…こんな…こんなっ…ウチっ…絶対っ!!」 ガタガタ…

真姫「希!お…落ち着いて!お願いっ!」

「やだっ…いやっ…!いやあああっ!!」

海未「落ち着いてくださいっ!希っ!のぞみっ!」



海未(…っ…自分の不甲斐なさに呆れてしまいますっ…!)

海未(あんなっ…あんな酷い殺人を見せられて怯えている友達にっ…)

海未(落ち着けなどとしかっ…言うことが出来ないだなんてっ!)

海未(こんな時、穂乃果ならどうやってっ…)








海未「…穂乃果?」

386 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 20:49:30.79 dI7d46o1o 316/707

海未「ほ、穂乃果っ!穂乃果はっ…!」

ことり「ひっ!」ビクッ

海未「いない…まさかっ!」

「う、海未ちゃん!前っ!」

海未「っ!」









穂乃果『………あ』






海未「そ、そんな…穂乃果っ!」

387 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 21:11:54.68 dI7d46o1o 317/707

真姫「ちょ、ちょっと…嘘でしょ…?」

真姫「絵里でも駄目だったのに…ここで穂乃果だなんてっ!」

海未「あ…ぁ…穂乃果…穂乃果…っ!」


「海未ちゃんっ!」

海未「!?」

「しっかりしてよっ!希ちゃんがこんなに怯えてるんだよ!?」

「海未ちゃんまで混乱したら誰が凛達に指示をくれるの!?」

海未「り、凛…?」

「ことりちゃんもまだ立ち直れてないのに…三年生と二年生がダメになって…!」

「凛と真姫ちゃんだけで色々考えてって言うの!?無理に決まってるじゃんっ!」






海未「…凛」

「お願いだよ…しっかりしてよっ…」

「凛だって…凛だってっ…!」

388 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 21:19:41.72 dI7d46o1o 318/707

海未「…すみません」

「っ…ひっく…うっ…ぁ…!」 ポロポロ

真姫「……」








ことり「……ごめんね、凛ちゃん」






海未「こ、ことり…?」

ことり「…みんな、頑張ってるのに」

ことり「ことりだけ…いつまでも落ち込んで……甘えてた」

「ことり…ちゃん…っ」

389 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 21:21:24.75 dI7d46o1o 319/707

ことり「……」

ことり「海未ちゃん」

海未「は、はい」

ことり「希ちゃんはことりに任せて」

ことり「海未ちゃんは、絵里ちゃんの代わりにこの家の事、よく見てて」

ことり「それと……穂乃果ちゃんの事も」

海未「……」

海未「分かりました。希の事をお願いします」

ことり「うんっ」









穂乃果『………』


海未「穂乃果…っ」


390 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 21:44:23.69 dI7d46o1o 320/707

―――――――――――――――



穂乃果「……」

ヴィオラ「……」テクテク





穂乃果「…この人形」

穂乃果「鉄砲も、おもちゃだ」

穂乃果「……」











ヴィオラ「……」ガチャ

穂乃果「…絶対、許さない」




391 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 22:04:26.88 dI7d46o1o 321/707

-ピアノの部屋-



ヴィオラ「……」

穂乃果「ここは…」





穂乃果「…ピアノ」

穂乃果「それに…なんだろう…この椅子の数」

穂乃果「演奏会でも開いてるの?」









穂乃果「…貼り紙だ」

ヴィオラ「……」ペラッ

392 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 22:07:53.87 dI7d46o1o 322/707











           【おまえが ひくひつようはない】












穂乃果「……」

穂乃果「弾く必要はない…」

穂乃果(じゃあ…何でこのピアノ置いてあるんだろう)







穂乃果「…あ、本も置いてある」

ヴィオラ「……」ペラッ


393 : 【内容省略】 - 2014/05/06 22:15:34.14 dI7d46o1o 323/707

穂乃果「…『瞳の研究』」



ペラッ






穂乃果「……よく、分からない」

穂乃果「でも、髪の色によって瞳の色が違うってことだよね…?」








ヴィオラ「……」

穂乃果(この子は、髪が金色だけど)

穂乃果(瞳の色は何色なんだろう…?)

穂乃果「ねぇねぇ、ちょっとこっち向いてくれないかな?」









ヴィオラ「……」

穂乃果(無反応…振り向いてくれるくらいしてもいいじゃん)

394 : 【内容省略】 - 2014/05/06 22:20:17.70 dI7d46o1o 324/707

ヴィオラ「……」ガチャガチャ

穂乃果「…この扉は、開かない」

穂乃果「…あれ?」












          【4つのへやで おとをならせ】











穂乃果「……そっか、そうだったね」

穂乃果「全部の部屋の音を鳴らしたらこの先に進めるんだ」









ヴィオラ「……」ガチャ

穂乃果「…全部調べたけど、全然分かんないなぁ」

穂乃果「もう一度あの部屋、行ってみよう」

395 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 22:26:14.14 dI7d46o1o 325/707

-絵画の部屋-


ヴィオラ「……」ペラッ

穂乃果「…楽譜は青い目が見つめている」

穂乃果「さっきのピアノ…もしかして、楽譜があれば」




    ボッ





穂乃果「…えっ!?」

穂乃果「は、貼り紙が…燃えたっ…!」







ヴィオラ「……」ペラッ

穂乃果「…!!」

穂乃果「ど、どういう事…?」









穂乃果「ま、また新しい貼り紙が出てきたよっ!?」

穂乃果「何が…何が起こってるの…?」

396 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 22:30:11.96 dI7d46o1o 326/707









             【えを こわせ】











穂乃果「絵を…壊せ?」

穂乃果「どういう事…?あの絵を壊せばいいの?」




  ボッ




穂乃果「きゃあっ!」










ヴィオラ「……」ペラッ

穂乃果「…ま、また燃えた」

穂乃果「そして…最初の貼り紙に、戻った」

397 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 22:39:00.13 dI7d46o1o 327/707

穂乃果「……」

穂乃果(絵を壊せ…)

穂乃果(覚えておいたほうがいいよね)





穂乃果「えっと…青い目が見つめてる所に楽譜があるって事でいいんだよね」

穂乃果「青い目…青い目…」








穂乃果「…んー!こんなの分かんないよ!」

穂乃果「取り敢えず、全部調べてみればいいことだよねっ!」

ヴィオラ「……」

398 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 22:45:50.41 dI7d46o1o 328/707

穂乃果(まず、赤い髪の絵から…)

ヴィオラ「……」ゴソゴソ






穂乃果(…違う。次は金色の紙の絵…)

ヴィオラ「……」ゴソゴソ






穂乃果(…ここも違う)

穂乃果(次は…黒い髪の絵)










ヴィオラ「……」ゴソゴソ

穂乃果「…!」

穂乃果「ここ…壁が割れてる…」

穂乃果「その隙間に…白い紙があるっ!」


399 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 22:51:48.43 dI7d46o1o 329/707

【五線紙を手に入れた】



穂乃果「やった…!これをさっきの部屋にっ…!」






  




            ドクンッ










穂乃果「…え」

穂乃果(な…何…今の)

穂乃果「っ!?」

400 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 22:56:38.77 dI7d46o1o 330/707



ォ   


      オォ  

             オォ

   ォォオ    





        ォォオオオオオ…! 






穂乃果「ひっ!?」

穂乃果「い、いやっ…いやああああああああああっ!!!」ダッ





   オォオォォォォ…



              ォオオオオッ…!





穂乃果「やっ…やめっ…っは!こなっ…来ないでっ!!」 ダッダッダッ!

穂乃果「うわあああああああああああああああっ!!!きゃああああああああっ!!!」

ヴィオラ「……」 ダッダッダ

401 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 23:05:00.06 dI7d46o1o 331/707










             『えを こわせ』












穂乃果「…っ!?」  ダッダッダ!


穂乃果「はぁっ…はぁっ…!」  ダッダッダ…


穂乃果「間に合え…間に合えっ…!」  ダッダッダ…!









穂乃果「間に合えええええっ!!!」  











        バキッ!












ヴィオラ「……」

穂乃果「はぁ…はぁ…はぁっ…!」

402 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 23:21:05.70 dI7d46o1o 332/707

…五線紙を壁の亀裂から取り出し、その瞬間に突如現れた絵画の幽霊。

それは憑依していたと思われる絵画の額縁を壊す事で消し去ることができた。





穂乃果「…はぁ…はぁっ…!」

穂乃果「た…助かった…」

ヴィオラ「……」






穂乃果(危なかった…。あの貼り紙の事、忘れてた…)

穂乃果(…でも、どうしていきなり)

穂乃果(声が…聞こえたんだろう…)











穂乃果「…んぅ」  ポン

穂乃果「何か、穂乃果だけ色々とおかしくないかなぁ」  ポン  ポポンポン

穂乃果「みんなと違って、この家にいない時にも変な声が聞こえるし…」  ポンポポポンポン ポンポン

穂乃果「でも、誰が話しかけてるのかも分からないし…」   ポポンポ








           ガチャ







穂乃果「…えっ?」

ヴィオラ「……」

403 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 23:25:23.88 dI7d46o1o 333/707

穂乃果「えっ?えっ?何?何が起こったの?」

穂乃果「カボチャ叩いてたら…扉が開いたよ…?」

穂乃果「な、何…穂乃果、何か間違ったんじゃ…」












         『4つのへやで おとをならせ』














穂乃果「…もしかして」

穂乃果「このカボチャを叩くことも…音を鳴らすって、事…?」

404 : ◆J56L221nBM - 2014/05/06 23:31:47.47 dI7d46o1o 334/707

-時計の部屋-





ヴィオラ「……」

穂乃果「…な、何…ここ」

穂乃果「色んなものが…いっぱい」










穂乃果「…あ、貼り紙もある」

ヴィオラ「……」 ペラッ












     【私は「太陽」でもあり、「砂」でもあり、「鳥」でもある。】


               

                【私とは何か?】











.

405 : ◆J56L221nBM - 2014/05/07 19:48:09.69 vvu+Nizao 335/707

穂乃果「…なぞなぞ?」

穂乃果「太陽でもあり…砂でもあり…鳥でもある…」

穂乃果「…うーん」
















             【…不正解。】












  ベタァ!




穂乃果「ひっ!?」

ヴィオラ「……」

406 : ◆J56L221nBM - 2014/05/07 19:50:20.00 vvu+Nizao 336/707

ガチャ


穂乃果「な、何…今の」

穂乃果「え、えっと…これじゃないなら…植物?」











            【…不正解。】
  










ブワッ

穂乃果「わぁっ!?」

ヴィオラ「……」

407 : ◆J56L221nBM - 2014/05/07 19:55:52.58 vvu+Nizao 337/707

穂乃果『え、ええっと、植物じゃなければ…鏡?』

穂乃果『ひゃあ!?ち、違う…?』





穂乃果『…あ、赤?』

穂乃果『うわぁ!?また違うっ!』




穂乃果『…お、女!』

穂乃果『ひぃ!もういやーっ!』






ことり「ほ、穂乃果ちゃん…」ハラハラ

海未「見てるこっちが心臓止まりそうですよっ…もうっ!」

408 : ◆J56L221nBM - 2014/05/07 20:02:48.93 vvu+Nizao 338/707

穂乃果「と……時計」












              【…正解。】











チャリン




穂乃果「や、やっと当たった…」

穂乃果「…これは」








【王女のネジを手に入れた。】







穂乃果「…ネジ」

穂乃果「って事は…これっ!」

ヴィオラ「……」







409 : ◆J56L221nBM - 2014/05/07 20:06:23.29 vvu+Nizao 339/707

-オルゴールの部屋-


ヴィオラ「……」カチリ

穂乃果「……」







~♪





穂乃果「オルゴールが鳴った…けど」

穂乃果「絵里ちゃんの時も、鳴る事は鳴ってたよね…?」











ヴィオラ「……」ガチャ

穂乃果(でも、ネジを付けたから…)

穂乃果(大丈夫…だよね?)

410 : ◆J56L221nBM - 2014/05/07 20:10:30.02 vvu+Nizao 340/707

ガチャ



穂乃果「っ…!」








ヴィオラ「……」

穂乃果「…何も起こらない」

穂乃果「って事は…正解?」

穂乃果「……」






穂乃果「…あっ」

穂乃果(さっきまで点いてなかった明かりが…二つ点いてる)

穂乃果(あと二つ点ける所があるから…残りの部屋の音を鳴らしたら)











ヴィオラ「……」ガチャ

穂乃果「…頑張らないと」




411 : ◆J56L221nBM - 2014/05/07 20:15:18.15 vvu+Nizao 341/707

-ピアノの部屋-


ヴィオラ「……」パサッ

穂乃果「楽譜を…ピアノに置いて」

穂乃果「……!」








~♪



…ピアノがひとりでに演奏を始めた。





穂乃果「…ふぅ」




チャリン



穂乃果「…!」

穂乃果「花瓶から何か落ちてきた!」







【王様のネジを手に入れた。】





穂乃果「…え?またネジ?」

穂乃果「またオルゴールに付ける…訳じゃないよね?」

穂乃果「…何に使うんだろう?」

412 : ◆J56L221nBM - 2014/05/07 20:30:35.64 vvu+Nizao 342/707

ガチャ


ヴィオラ「……」

穂乃果「うーん…これ、何に使えば」





穂乃果(…あ、3つめの明かりも点いてる)

穂乃果(後一つ…後一つって、何処?)

穂乃果(えっと…ピアノとオルゴールとカボチャ…)

穂乃果(あとは…)










穂乃果「…!」

穂乃果「もしかして…あの部屋?」

ヴィオラ「……」ガチャ


413 : ◆J56L221nBM - 2014/05/07 20:33:55.94 vvu+Nizao 343/707

-時計の部屋-


穂乃果「…!?」

穂乃果「えっ…どういう事?」

穂乃果「ここ…さっき色々あった部屋だよね…?」









穂乃果「…時計と、椅子だけになってる」

ヴィオラ「……」



穂乃果(もしかして、最後の音って…)

穂乃果「……」







穂乃果「…!」

穂乃果「あった…時計の正面に、ネジをはめる場所…!」

414 : ◆J56L221nBM - 2014/05/07 20:38:45.48 vvu+Nizao 344/707

ヴィオラ「……」ズリズリ

穂乃果(…椅子を動かして、時計の前で乗って)








ヴィオラ「……」カチリ

穂乃果(ネジをはめて、回す…)











   チッ


        チッ


             チッ




…時計が時を刻みはじめた。




穂乃果「…よしっ」

穂乃果「これで全部の部屋で音を鳴らしたよね…?」







   カチャ




穂乃果「扉の開く音!」

穂乃果「やった…終わった」

ヴィオラ「……」

415 : ◆J56L221nBM - 2014/05/07 20:41:53.63 vvu+Nizao 345/707

ガチャ


穂乃果「…ふぅ、これで一安し」









              ブワッ!










穂乃果「ひっ!?」ガタッ










穂乃果「……」

穂乃果(な…何…?今…何かが目の前に…っ)








ヴィオラ「……」

穂乃果「…もしかして、さっきの」

穂乃果「魔女…なの?」

416 : ◆J56L221nBM - 2014/05/07 20:47:36.92 vvu+Nizao 346/707

穂乃果「……」

穂乃果「どこも痛くないから…まだ大丈夫だよね?」

穂乃果「えっと…じゃあ次の扉に」





     




        「おどろいたなあ。」










穂乃果「…え?」

黒猫「」

穂乃果「今…喋った?」

穂乃果(何で…?この黒猫は凛ちゃんがもう…)








黒猫「気づいてる?


    …家に助けられたんだよ。」








穂乃果「…今、何を」




プツンッ




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・

417 : ◆J56L221nBM - 2014/05/07 20:54:48.10 vvu+Nizao 347/707



グ ニ ャ ア



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・





穂乃果「……」

穂乃果「え…?」ムクリ







穂乃果「…いきなりこっちに、戻って…」

穂乃果「……」

穂乃果「絵里、ちゃん…」











       

      
           ドクン…












,

418 : ◆J56L221nBM - 2014/05/07 21:07:52.26 vvu+Nizao 348/707

穂乃果「!?」

穂乃果「がっ…!」バッ



    ドクンッ


          ドクンッ…!




穂乃果「はっ…くぁ…!」 ドッ  ドッ

穂乃果「な…何っ…!?」  ドッ ドッ ドッ

穂乃果「くっ…苦しいっ…!やめっ…やめてっ…!」









        ――やめて。行かないで。










穂乃果「はっ…ぁあっ!」 ズキンッ

穂乃果「うっ…いやっ…はあっ!!!」 ズキンッ ズキンッ

穂乃果「やめ…やめてっ!!」 ズキンッ    ズキンッ

穂乃果「痛いっ…!頭がっ…割れちゃうっ…!」 ズキンッ ズキンッ!






――いや。違う。そんなの、愛なんかじゃない。



――ああ。いやだ。こんなことって、ない。



――私の声で笑わないで。私の手でお父さんに触らないで。


                  やめて

    やめて       やめて  
                          やめて

 やめて        やめて

                    やめて
     やめて                やめて





穂乃果「はぁっ…!あっ…ぁあああああっ!!」

穂乃果「だっ…誰…っ…あっ…あなた  はっ…!」

419 : ◆J56L221nBM - 2014/05/07 21:08:47.38 vvu+Nizao 349/707












          「あなたはっ…誰なのっ…!」











.

420 : ◆J56L221nBM - 2014/05/07 21:50:44.83 vvu+Nizao 350/707

~~~~~~~~~~~~~~~~~


…窓から冷たい風が入り込む。

傷口から入り込んだ風が身体に痛みを走らせる…
が、少女にとってはそれすらも心地よいと感じてしまう程、壊れていた。






「やあ。」




―突如、窓から声が聞こえる。

聞き覚えのある声に少女は身を揺らしなんとか体勢を立てようするが、動けなくなる事を恐れやめた。
それでも顔だけは声のする方を向けて、口を動かそうとする。



「どう?もうこの家には慣れた?」


それの問いに少女は答えなかった。
寧ろ答えることができなかったのかもしれない。




「君は、一体何を考えてるの?」

「明らかにあの子だけ贔屓しているよね。それに何の意味があるの?」



…少女は答えない。
ただひたすらにそれの方をじっと見つめ、何処かに消えろと言わんばかりに睨みつける。



「ふうん。ま、別にいいけどね」

「でも、あの子の分はきちんと補わないと。家が君を主と認めないかもしれないよ」



それは手櫛をしながら興味なさそうに答えた。
少女は訴える事を無理だと判断したのか、顔を楽な方に向け静かに呼吸をする。

421 : ◆J56L221nBM - 2014/05/07 22:09:46.73 vvu+Nizao 351/707

「でも、そうだね」

「もう少し力を溜めることができれば、君はもっと色んな魔法が使えるかもしれない」

「例えば、家に来た人間の痕跡を消して、新しく招く人間を取り込みやすくしたりとか」

「そうすれば余計な知識を与えずに済むだろうね」



少女は何も答えない。
ただ天井だけを見つめ、次の晩に備え動く事をやめ、体力を温存させた。



「ひどいなあ。エレンもそうだけど、どうして僕を無視するんだい?」

「これでも容姿には自信があるんだよ?」




「……ォ」



「わわ!分かったよ!もう消えるよ。」


それは慌てて窓の縁に飛び乗り、少女に一瞥をして去ろうとする。






「…でも、あまり無理をしてはいけないよ」

「その身体は、もう限界をとっくに超えているからね」







…そう言い残すと、それは森の中に消えていった。











           「じゃあね。ヴィオラ」











【To Be Continued…】

432 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 19:40:22.50 /UHhZfUyo 352/707

-穂乃果の家-


穂乃果「……」



コンコン




『穂乃果~。海未ちゃんが来てくれたわよー』



穂乃果「あ、はーい」








ガチャ



海未「…穂乃果」

穂乃果「海未ちゃん、いらっしゃい」

海未「どうですか?身体の調子は…」

穂乃果「うん、もう全然平気」

穂乃果「病院行ってきたけどどこもおかしくないって」

海未「…そうですか」

穂乃果「ごめんね。心配かけちゃって」

433 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 19:47:14.84 /UHhZfUyo 353/707

海未「……」

穂乃果「海未ちゃん?」

海未「いえ、何でもありません」

穂乃果「…?」

海未「それより、今日5人で話し合った事を伝えに来ました」

穂乃果「あ、うん」

穂乃果「…何か解決策、見つかった?」

海未「……いえ」

穂乃果「そっか」

海未「すみません。やはり私では絵里のようには…」

穂乃果「そんなことないよ」













穂乃果「聞かせて。…これからの事を」

海未「…はい」

434 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 19:54:07.66 /UHhZfUyo 354/707

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・



海未「…今日は、4人ですか」


ことり「……」

「……」

真姫「……」


海未「誰か、希の事を知っている人はいませんか?」




シン…




海未「…そうですか」

ことり「さっき、電話は出てくれたの。でも…」

ことり「『大丈夫、心配しないで』って、…それだけ言って切れちゃった」

「希ちゃん…」

海未「……」








真姫「…もう、無理なのよ」

435 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 20:09:43.74 /UHhZfUyo 355/707

「…えっ」

真姫「無理よ。…だって、あの絵里が死んだのよ?」

真姫「私たちをずっと引っ張ってくれて…色んな対策を考えてくれて…」

真姫「その絵里が考えを誤って倒れたのよ!?あんな…馬鹿みたいな人形にっ…殺されてっ…!」

ことり「ま、真姫ちゃん…!」

真姫「分かるのよっ!あの家は…私達を生きて帰すつもりなんて一切ないっ!」

真姫「決まってるのよっ!私達は全員!あの家に殺されるっ!」

「っ…!」










真姫「…っ…何よ、何で誰も言い返さないのよっ…」

海未「……」

真姫「みんな…思ってるのでしょ…!私みたいに…みんな…っ!」 

436 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 20:16:49.98 /UHhZfUyo 356/707

海未「…今の私には、真姫の言っている事に十分な答えを返すことなんて出来ません」

海未「でも、それでも…私達は進まなければいけません」

海未「私達の誰か一人でも、あの家から脱出する事が出来れば」

海未「…救いは、必ずあります」

海未「私は……そう信じたいです」











真姫「……」

海未「さて、今日の会議を始めましょう」

海未「思考の停止は死を意味します。…大事なのは、考えることを辞めないことです」

437 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 20:38:58.19 /UHhZfUyo 357/707

海未「凛、確か昨日…黒猫が自分から話しかけてきたと言っていましたね?」

「う、うん…」

海未「つまりこれは、私達の黒猫に対する認識が間違っていたと考えるべきです」

ことり「でも…どうしてあの時だけ」

海未「思ったのですが…もしかすると昨日のあの部屋は、今までとは何か違う仕様になっていたのではないのでしょうか?」

真姫「…何よ、違う仕様って」

海未「穂乃果の探索をずっと見ていたのですが…それまでに至る所に居た黒猫が、あの一箇所以外には見当たりませんでした」

海未「…おかしくないですか?それまで至る所に黒猫がいましたのに…」

海未「少なくとも、2~3部屋移動する毎に1匹はいたと思います」

「…でも、かよちんの時だって」

海未「はい。あの時も確かに黒猫は初めの部屋にしかいませんでした」

海未「つまり、昨日の4つ…5つの部屋は、花陽の時の構造に似ているのです」

ことり「えっと…つまり、どういう事?」












「…あの階は、誰かの犠牲なしに突破する事が出来なかった」


「「…!?」」



438 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 20:46:15.52 /UHhZfUyo 358/707

真姫「の、希っ…あなた」

「ごめんね。今日はちょっと社長出勤しちゃった」

ことり「えっと…もう、大丈夫?」

「んー?ウチは別に何処もおかしくないよ?」





海未「……希」

「それより、ウチもずっと気にしてた事があるんよ」

「えっ?」

「ほら、ウチと海未ちゃんと真姫ちゃん。三人とも死なずに帰ってくる事ができた夜があったやん?」

「あの時はそれぞれの長所を活かす事が出来たからこその結果やったんやない?」

439 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 21:02:14.93 /UHhZfUyo 359/707

真姫「…確かに。私は毒の検知法が毒見だけではない事を知ってたし、海未は身体能力で突破する事が出来たし」

海未「しかし希、あなたは…」

「そう。ウチは真姫ちゃんのように医学に詳しい訳ではないし、海未ちゃんの様にずば抜けた運動神経もない」

「もしかすると、あの時はウチが犠牲になってたのかもしれないやんなぁ」

「そ、そんな…でも希ちゃんは」

「うん、こうやって皆の前にいる。幽霊じゃないよ?」

「ウチの場合はすごく運がよかったんやろうね」

「…正直、賭けに走った場面もいくつかあった」

ことり「希ちゃん…」
















海未「……もしかして希は、こう言いたいのですか?」

海未「選ばれた三人の誰か一人に、【犠牲になる役目を持つ】者がいる…と」

440 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 21:14:49.64 /UHhZfUyo 360/707

「!?」

真姫「ちょ、ちょっと…それって…!」

「…うん、ウチはそう思ってる」

「花陽ちゃんの【手を貸す】にしろ、にこっちの【よそ見】にしろ…」

「答えを知らない人間なら高い確率で間違えると思うんよ」

真姫「……」

ことり「……」

海未「…そうですか」

「絵里ちはきっと、色々と考えすぎたのかもしれんね」

「慣れてない柔軟な発想をしようとして…空回りしてしまった」

「でもそのおかげで、穂乃果ちゃんは生き延びることができた」

海未「穂乃果は…かなり際どかったですけどね」

「ふふっ…でも、それも大事な事なのかもしれない」

「思い切った行動が実を結ぶ事って、他の事にも言えるやろ?」









「…絵里ちは、それが良くない方向に動いてしまっただけと思う」

海未「……」

441 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 21:30:56.35 /UHhZfUyo 361/707

「…じゃあ、もし自分が犠牲になる役目だったとしたら」

「どうすれば…いいの?」






海未「…家に飲み込まれない事です」

ことり「えっ?」

海未「あの家は、人間の思考や特徴を知り尽くしています」

海未「その思惑に惑わされず、一つ一つの行動を考えて行わなければいけません」

海未「…いいですか、みんな」

















「決して恐怖に支配されてはいけません。…その先にあるのは、 【死】 なのですから」









.

442 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 21:58:08.45 /UHhZfUyo 362/707

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


海未「…それで、今日は解散しました」

穂乃果「…そっか」

海未「何れも確証のない事とは言え、全員の自信を持たせる結果には至りませんでした」

穂乃果「ううん、それでも色んな事が分かった事は大きいよ」

海未「…そう、ですね」










海未「……」

穂乃果「…海未ちゃん?」

海未「……」

穂乃果「……」

443 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 22:11:57.31 /UHhZfUyo 363/707

ギュッ






海未「…ほ、穂乃果?」

穂乃果「安心して。…辛いのは、海未ちゃんだけじゃない」

穂乃果「穂乃果も、みんなも…怖くて怖くて、泣いちゃいそうなくらい辛いと思う」

穂乃果「でも、そんな時にみんなをまとめる事が出来た海未ちゃんはとっても凄いよ」

穂乃果「絵里ちゃんがいなくなって…不安だらけなみんなにまた頑張ろうって事を伝えた」

穂乃果「みんな口に出さないけど…すごく頼もしいと思った筈だよ?」










海未「そ、そんな…私は…っ」

穂乃果「いいんだよ、海未ちゃん」

穂乃果「穂乃果の前でくらい…自分に素直になってくれて」

穂乃果「今は、穂乃果と海未ちゃんの二人だけだから」









海未「穂乃果…っく…あっ…ほの…かっ…!」 

海未「うっ…ぁ…あっ…ああっ…!」 ポロポロ

穂乃果「…海未ちゃん」

444 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 22:20:49.38 /UHhZfUyo 364/707

海未「怖いんですっ……堪らなく…怖い…っ」

海未「一人ずつ…一人ずついなくなって…っ私の、目の前に…」

海未「みんなっ…みんな死んでしまうのでは.…ないかって…っ!」

海未「そう…考えるとっ…居ても立っても…いられなくてっ…!」

海未「私はっ…私はっ…!」

穂乃果「…うん」




海未「穂乃果っ…穂乃果…!」

海未「あなたは…私のっ…前から…消えない…?」

穂乃果「うん。絶対に消えないよ」

海未「本当…ですか?」

穂乃果「うん。だから安心して」

穂乃果「一緒に乗り越えよう…あの家を」








海未「…っ…っはい……勿論です」

穂乃果「えへへ…ありがとう。海未ちゃん」

445 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 22:33:15.44 /UHhZfUyo 365/707

海未「…ふと、考えてしまうのです」

海未「私の目の前から…ことりや穂乃果が消えてしまうのではないかと」

穂乃果「もう、そんな事思ったらダメなよ」

海未「そう考えたくもなります!特に昨日の穂乃果にはどれだけ心配したと思ってるのですか!?」

穂乃果「えっ?あっ…あー」

海未「いいですか!?今後あのように無闇やたらと物に触れないでください!」

海未「それで命を落としたらどうするつもりですか!」

穂乃果「あはは…はい。ごめんなさい」

海未「全く…行動が軽率過ぎなのです穂乃果は」

穂乃果「えーでもあの時はあれしか方法は…」

海未「ありました!もっと手がかりを理解する努力をして下さい!」

穂乃果「は、はい…」

446 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 22:45:44.18 /UHhZfUyo 366/707

海未「はぁ…穂乃果からは目が離せませんよ」

穂乃果「もー心配症だなー海未ちゃん」

海未「あなたの事を思って言っているんです!」

穂乃果「わ、分かってるよ?」

穂乃果「でも穂乃果だって自分の事は自分で出来るからそんなに心配…」












             ドクンッ












穂乃果「っ!?がっ…!あっ…!」  ズキンッ

海未「ほ、穂乃果!?」

穂乃果「い゛っ…!あ゛っ…!あああっ!」 ズキンッ ズキンッ

海未「穂乃果!穂乃果どうしたのですっ!?穂乃果っ!」











穂乃果「あっ…ま…  また…っ!」 

穂乃果「私のっ…な、か…にっ…!」

海未「穂乃果っ!しっかりして下さい!穂乃果ぁ!」


447 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 22:49:39.60 /UHhZfUyo 367/707








    ワタシハ キライ 


    アイサレテイルクセニ ソレヲシラナイオンナガ







    私は 憎い


    愛されているくせに それを受け入れない女が





    私は















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・

448 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 23:18:37.36 /UHhZfUyo 368/707



-???-



穂乃果「…ぁ」

海未「穂乃果!」

ことり「穂乃果ちゃん!」

穂乃果「…海未ちゃん、ことりちゃん」







真姫「…びっくりするじゃないの。ここに来て全然目が覚めないなんて」

「穂乃果ちゃん、もしかして具合でも悪い?」

穂乃果「…ううん、大丈夫」

海未「穂乃果、辛いなら少し横に…」

穂乃果「大丈夫。…それより」









『………!』



穂乃果「…また、凛ちゃん」

ことり「…うん」




449 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 23:31:40.15 /UHhZfUyo 369/707

-ピアノの部屋-



ヴィオラ「……」

「……」

「4つの部屋で音を鳴らしたから…ここから先に進めるん…だよね?」

「……」











ヴィオラ「……」ガチャ

「大丈夫…大丈夫…っ」

「怖がったらだめ…ぜったい…」

451 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 23:38:07.26 /UHhZfUyo 370/707

-女像の部屋-



ヴィオラ「……」

「…あれ?」

「何だろうここ…すごく、暗い」

「それに…」






シクシク…








「…女の人の像が、泣いてる」

ヴィオラ「……」

452 : ◆J56L221nBM - 2014/05/12 23:58:25.26 /UHhZfUyo 371/707





    「わたしの ゆびわ…。


     どこにも ないの…。」





「…指輪?」

「指輪を見つけて来ればいいのかな…?」

「えっと…まずは周りの確認で…」

ヴィオラ「……」











「…あれ、ここ」

「ひび割れてる…もしかして」


453 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 00:03:19.28 xx8k82CAo 372/707




      バキッ!




ヴィオラ「……」

「やっぱり!昨日と一緒!…だけど」

(どうしよう…一緒だから、もしかしたら入っちゃダメなんじゃ…)



「…でも、この部屋に指輪はないよ…」

「だとしたら、先の扉とここしか…」










ヴィオラ「……」ガチャ

「…あれ?」

「この扉…鍵がかかってるけど」

「強く引いたら…開きそう?」






454 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 00:09:55.14 xx8k82CAo 373/707

(どうしよう…どうしようどうしようっ!)

(無理矢理開けていいの…?これが正解なの…?)

(でも…それだとなんで鍵がかかってるの…?)

(もしかしたらこの先に…で、でも…あの穴の中に指輪があるかもしれないし…)

(うぅ~…何で凛はこんな選ぶものばっかり…)












ヴィオラ「……」

「……」

「うん。何でも無理矢理は良くない…よね」

「あの穴を調べてみるにゃ」

456 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 00:23:09.74 xx8k82CAo 374/707

ヴィオラ「……」

「…あっ」










「…日記がある」

「……」

ヴィオラ「……」ペラッ












        ― 病気は いや ―


      
     ― お外に 出られないから ―






     ― 誰も 愛してくれないから ―











「……」

「魔女って…病気だったの?」

「でも…愛してくれないって…どういう事だろう…?」

ヴィオラ「……」

457 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 00:28:15.14 xx8k82CAo 375/707

ヴィオラ「……」

「うーん…結局指輪はなかったなぁ」

「じゃあやっぱり…あの扉を?」

「うー…すごく嫌な予感がする…」 ウロウロ

「でも…もう探す所なんて何処にも」








         ドォォォンッ…!







「にゃあー!?」

「な、何…!?何が…!」
















「さっきの音…ピアノの部屋から…?」

「何が…起こったの…」

ヴィオラ「……」 ガチャ


458 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 00:37:36.96 xx8k82CAo 376/707

-ピアノの部屋-



「えっ…ええっ!?」

「な、何でっ…こんな所に」











「だ…暖炉が…あるの…?」

ヴィオラ「……」

「もー…説明ぐらいして欲しいにゃ~」

「じゃないと何が何だか全然…」








「…あれ」

「この暖炉…穴があいてる…」

「それに…はしご…かかってる…」

459 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 00:43:13.57 xx8k82CAo 377/707

「……」

「…降りる、の…?ここを…」

ヴィオラ「……」









「……」

(わざわざはしごまで掛かってるって事は…進めるって事だよね?)

(それに…)






ヴィオラ「……」

「こんな矢印まで書いてあるのに、違ったらどうすればいいか分かんないじゃん」

「だから…」







カン 
   
   カン

       カン  







「…大丈夫、絶対大丈夫…」

ヴィオラ「……」 

460 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 00:57:37.10 xx8k82CAo 378/707

-食堂-



「…!?」

「こ、ここって…!」







「真姫ちゃんが…スープの毒を当てた場所だ」

「どうしてここに繋がったの…?」

「えっと…確かあそこの扉から…」







ヴィオラ「……」 ガチャガチャ

「…あれ?開かな」







       ゴォォォオッ!
        







「ひぃっ!?」 ビクッ










「せ、石像が…目の前で止まった」

「もうっ!潰されるかと思ったじゃんっ!」

ヴィオラ「……」

462 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 19:33:43.66 xx8k82CAo 379/707

ヴィオラ「……」 ガチャガチャ

「…ここも開かない」

「……」






「こっちにも、矢印が書いてある」

「でも、こっちは…」




    バキッ





「っ!?」

「うっ…っ…」












ヴィオラ「……」ガチャ

「…かよちんっ」

464 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 19:41:01.66 xx8k82CAo 380/707

-厨房-



ヴィオラ「……」

「うっ…」

(変なにおい…それに)






グツグツ…




「…なに、これ」

「臭いの原因は…これ?」




   バタンッ!




「っ!?」 ビクッ

「と、扉…?」

「…こんな所に、扉なんて」









(この部屋…何かおかしい)

(前見たときと…色々違う…!)

ヴィオラ「……」

465 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 19:45:07.61 xx8k82CAo 381/707

「…この鍋、どうしよう」

「……」





ヴィオラ「……」 カチッ

「取り敢えず、火は止めたけど…」

「……」




カパッ



「…うぷっ」 

(は…吐きそう…何これぇ…)

(ウインナー…でも…どれも…黒くて…すごく…)











       

             凛ちゃん













「っ!?」

「ぁ…あっ…あああああっ!?」

「まっ…まさかっ…これ…これっ…!」

「うっ…ぐっ…ぇ…!」


466 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 19:50:56.57 xx8k82CAo 382/707

ボタッ


     ボトッ… ピチョ




「はぁ…はぁっ…はっ…ぁ!」

「げほっ…うっ…ぐぇ…ぇ…」







ヴィオラ「……」

「はぁ…はぁ…」

「……酷い」

「凛に…こんな…こんなのっ…見せる…なん…てぇ…っ!」 

「許さない…っ…許さないっ!」








ヴィオラ「……」 ガチャ

「ひぐっ…ぜっ…絶対…絶対にっ…!」

467 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 20:05:02.08 xx8k82CAo 383/707

-死体遺棄室-


ヴィオラ「……」

「…こ、ここ」

「なに…ここ…?」






「ほ…骨…人間の…骨がっ…!」

「あっ…やっ…やだっ!」

「いやっ…!」 ダッ









『恐怖に支配されてはいけません』











「…そ、そう…だ」

「負けちゃ…負けちゃダメ…」

「やらなきゃ…進まなきゃ…!」




ヴィオラ「……」 パキッ  ペキッ

「っ…っは…ぁ…」  

468 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 20:11:32.50 xx8k82CAo 384/707

「……」

「…ぁ」






「…骨の隙間に、何か刺さってる」

「これって…お箸?」

ヴィオラ「……」 カチャ







【金の箸を手に入れた。】












「……」

「もしかして…これで…」

「…やりたく、ない」

470 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 20:19:01.86 xx8k82CAo 385/707

-厨房-

ヴィオラ「……」 カチャ

「……」





カチン



「…!」

「何か…あった!」










【豚の指輪を手に入れた。】







「…これって」

「!!」

「もしかして、この黒いのが…指輪!?」

「…何でこんな所に」

「でも、これを持っていけば…」

「…よぉし」













ヴィオラ「……」 ガチャガチャ

「…えっ」

「何で…開かないの?」

471 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 20:24:56.92 xx8k82CAo 386/707

「な…何で…どうして…」

「り、凛…何か間違ったこと…!」

「あっ、ああっ…!も、もうっ…!」








「……」

「落ち着いて…怖いのに負けちゃ…!」

「何か…何かないの…?」

「お願い…何か…何かっ…!」











「!」

「あった!…メモだ!」

ヴィオラ「……」ペラッ

472 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 20:31:01.86 xx8k82CAo 387/707












         【つかったものは もとのばしょに】













「使った、もの…?」

「……」

「もしかして、この…お箸?」

ヴィオラ「……」











ヴィオラ「……」ガチャ

「うぅ…もうここ…入りたくないのにぃ…」

473 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 20:59:32.04 xx8k82CAo 388/707

-死体遺棄室-



ヴィオラ「……」

「えっと…確か、ここの骨に刺さって…」

「……」








(…あれ?)

(この骨の…何処に刺さってたっけ…?)

(え、えっと…確か…ここ?)

ヴィオラ「……」ザクッ









…鎖骨の間に、箸を戻した。








「…よし、これで」



 カタ

     カタ




「ひっ!?」

「…う、動いた?動いた、よね…今?」

「や、やめてよぉ…もうっ…やめて…」

「お願い…もう、帰らせてっ…!」 




ガチャ…バタンッ












ヴィオラ「……」

ヴィオラ「」

474 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 21:07:03.93 xx8k82CAo 389/707

ガチャ


「はぁっ…!はぁっ…!」

「は、早くっ…この指輪をっ…!」






「……」

「あれ…あの子が……いない」

「もしかして…まだあの中に…!」




    ズドンッ!




「ひっ!?」

「た、棚がっ…!扉をっ…!」

「待ってよ!まだあの中にあの子がっ!」 グッ

「うっ!…ぐぐぐっ…動かないっ…!」

「はぁっ!はぁっ…!どうしてっ…!」









        トントントントントン










「……ぇ」

「包丁が…勝手に…動い   て…」

476 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 21:29:55.55 xx8k82CAo 390/707


―その厨房には、誰もいない。
数日前に忙しそうに動いていた包丁はまな板の端に放り出されており、動く気配などしていなかった。



凛は辺りを見回すが、何者の姿も見えない。
まな板を包丁に叩いている料理人の姿など何処にもいなかったのである。





…しかし、確かにそれは動いていた。

包丁は以前の様に調理の過程で伴う音ではなく、まるで凛に気づかせる為だけに鳴らしている…


そんな軽快な音で、まな板を叩いていた。







「ぁ…あっ…い、いやっ…」

「あ、あの時と…一緒…だっ…!」

477 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 21:47:34.02 xx8k82CAo 391/707

「ひっ…ぁ…ああっ…やだっ…やだっ!」

「やめてっ……こなっ…来ないでっ!」



凛はその場から逃げようとする。

だが、空中で動いている包丁による恐怖からは目を離す事が出来ず、後退りをしながら包丁との距離を遠下げようとした。




やがて包丁は、まな板から音を出すことを止めると、もう十分だと言わんばかりに刃の向きを変え動きを止める。











―その刃の先は、凛の心臓を狙っていた。

478 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 22:07:43.53 xx8k82CAo 392/707

「やだ…やだっ…いやっ…!」  ジリ ジリ

「やめてっ…!やめっ…お願い…!やだっ…!」





        宙に浮いた包丁は動かない。


       それはずっと機会を待っている。






「いやっ…!誰か…誰かっ!」 





  

     獲物を仕留める機会を伺い楽しんでいた。


         まるで快楽殺人者のように。





「いやあああっ!!やめてっ!来ないでっこないでええええっ!!!」 ダッ!





         獲物が逃げ出す。逃げ出す。


     恐怖に支配された少女の心臓に向かって     













              ザシュ











      ― その刃を 血で染め上げた ―     

479 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 22:48:51.69 xx8k82CAo 393/707




「…が、   はっ…っ」



心臓を突き抜かれ、凛はその場に倒れる。
視界はぼやけ、呼吸は出来ず、四肢は痙攣していた。



凛が倒れた不潔な厨房の床…
それは皮肉にも花陽が腕から血を流し事切れた場所であった。






カツン、カツン…と、何かが階段から降りてくる音がする。
やがてそれは倒れている凛を見つけると、腕を掴みズリズリと引きずり出した。




「……ぁ……ぁ」



意識がなくなる直前に、凛の視界に映ったものは







「わたしはいつまで、豚の手首を集めればいいんだ」








何かに語りかける、顔がつぎはぎだらけの醜い巨体だった。



480 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 23:12:19.67 xx8k82CAo 394/707



ブツンッ



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



穂乃果「……」


穂乃果「また、駄目だった」


穂乃果「今度は…凛ちゃんが」










真姫「  いい加減に、しなさいよ」 

真姫「何よ、何よあれ」

真姫「凛を    花陽と同じ場所で殺して」

真姫「腕を掴んで引きずって…その後何をしたのよ…っ!」




バァンッ!




真姫「答えろおおおおおっ!!!!」

ことり「きゃあっ!?」

真姫「何よっ…何よ何よ何よぉっ!!」

真姫「手向けのつもりっ!?それとも侮辱してるのっ!?」

真姫「どこまで性格捻れてるのよあなたっ!?」

真姫「ふざけるのも大概にしなさいよぉっ!!!」  ズバンッ!

穂乃果「の、希ちゃん!」

「分かってる!真姫ちゃん!真姫ちゃん!」

真姫「うわあああああああああああああああっ!?!!!?!!」


481 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 23:19:44.84 xx8k82CAo 395/707

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・



穂乃果「…真姫ちゃん」

真姫「ひっ…ぎっ…ぁあっ…がっ…ぐうっ…」

真姫「悔しいっ…何もっ…何も出来ないなんてっ…」

真姫「くやしいのよっ…!あっ…ああっあ…ぁ!」

ことり「真姫、ちゃん…」 ポロポロ








「…三人共、前見て」







海未『………』





「今、凛ちゃんが間違えたと思われるところまで、海未ちゃんが…」

穂乃果「……っ」

482 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 23:25:14.29 xx8k82CAo 396/707

-死体遺棄場-



海未「……」

海未「つかったものは、もとのばしょに」

海未(恐らくここが…希の言っていた)

ヴィオラ「……」 ザクッ








…肋骨の間に、箸を戻した。









ヴィオラ「……」 テクテク

海未「……」







     カタカタカタ









海未「…うるさいですよ。骨の分際で動かないでください」

ヴィオラ「……」ガチャ

483 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 23:29:14.57 xx8k82CAo 397/707





       ズドンッ!





海未「……」

ヴィオラ「……」テクテク











ガチャ



海未「……凛、花陽」

海未「待ってて下さい。…私達が、必ず」

ヴィオラ「……」  

484 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 23:34:26.83 xx8k82CAo 398/707

バタンッ




海未「…ここにはもう用はありませんね」

海未「後はあの女像に…」






カツン




       カツン…





海未「…!?」

海未(階段から足音…まさかっ!)






 ズオッ!


             バキッ!



   ビトッ!



           ドドドドッ!






海未「はあっ!!」 ダッ!

海未「はっ…!こんな…所でっ!」

海未「私はっ!絶対に死にませんっ!!」

ヴィオラ「……」 ダッダッダ

485 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 23:52:38.13 xx8k82CAo 399/707

-女像の部屋-



ヴィオラ「……」 チリン

海未「……」







「… … これは … 。」


「… … ありがとう。」








   カチャ







海未(もし、最初が私ならば…難なく通過することが出来る自信があります)

海未(それを凛にさせたという事は…魔女、あなたは)

ヴィオラ「……」ガチャ

486 : ◆J56L221nBM - 2014/05/13 23:58:01.18 xx8k82CAo 400/707

-階段-



海未「…次の階は」







  ガシャンッ!  パリン  パリン…







海未「っ!?」

海未「今の音は…!」

海未(ガラスが割れた…?いや、それにしては音が大きすぎます)

海未(だとすると…っ)








海未「……」

海未「ことりの場合で考えると」

海未「後戻りをする事は…特にマズい事では無さそうですね」

ヴィオラ「……」ガチャ

487 : ◆J56L221nBM - 2014/05/14 00:01:25.24 kG02ldrFo 401/707

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



海未「……」

海未「何故、女像が…」

ヴィオラ「……」









「やあ。」








海未「っ!?」 バッ

海未「黒猫っ!?何故っ…!?」




ヴィオラ「……」

黒猫「愛ってなんだろうね。」







プツンッ




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・・・・・・・・・・・・・

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488 : ◆J56L221nBM - 2014/05/14 00:08:09.09 kG02ldrFo 402/707

-???-


海未「…っ!」

ことり「海未ちゃん!」

海未「迂闊でしたっ…!あんな場所に現れるだなんてっ…!」

海未「私は自分の余裕がある限り進むつもりでしたのに…っ!」

ことり「な、何言ってるの!?そんな事してもし海未ちゃんが…!」

海未「しかしことり!これでは明らかに私がっ!」





プツンッ









穂乃果『………』




海未「ほ、穂乃果!?」

ことり「嘘…何でっ…今日も…穂乃果ちゃん!」

489 : ◆J56L221nBM - 2014/05/14 00:37:45.93 kG02ldrFo 403/707

‐階段‐



ヴィオラ「……」

穂乃果「…何で、こんなタイミングで」








          ドクン
 







穂乃果「っ…!」















ヴィオラ「……」テクテク

穂乃果「…ねぇ、あなたは」

穂乃果「穂乃果に…何を、伝えて…」







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490 : ◆J56L221nBM - 2014/05/14 00:44:04.48 kG02ldrFo 404/707

‐渡り廊下‐



テクテク






穂乃果(……)

穂乃果(何だろう…何となくだけど…)

穂乃果(多分…この先が)

穂乃果(最後の、階)










         ガシャン!








穂乃果「っ!?」

穂乃果「何っ…!?何がっ…!」

穂乃果「…!」












穂乃果「あ、あの子が…」

穂乃果「あの子が…いないっ!どこにっ…!」

491 : ◆J56L221nBM - 2014/05/14 00:56:13.06 kG02ldrFo 405/707








 

              「…………」













穂乃果「…えっ」

492 : ◆J56L221nBM - 2014/05/14 01:12:43.06 kG02ldrFo 406/707

―突如現れた謎の影。
手も、足も、顔もはっきりとしていない。…黒い影の形のみがぼやけて見えた。





「……」




それは何も喋らない。何も語らない。
ただただ穂乃果と向かい合い、ゆっくりと近付いてきた。




やがて影は、穂乃果の目の前に立ちふさがる。
少しでもそれも触れれば取り込まれてしまう…そんな事が起こるだろうと頭の中で考えた。


今動けば離れる事が出来る。一度下の階に戻り、この状況から逃れられる。
そして体勢を立て直し、この影の対策を考えることができるだろう。















穂乃果「……」







…穂乃果は、一歩も動かなかった。

493 : ◆J56L221nBM - 2014/05/14 01:31:36.99 kG02ldrFo 407/707

海未「…ほ、穂乃果」

海未「何を…しているの…ですか…何を…」





―黒い影が、穂乃果を抱きつく。
蛇が鼠を丸呑みするように、影が穂乃果に襲いかかる。




穂乃果『……』



海未「ほ、ほの…か」

海未「穂乃果ぁ!何をしているのですか!逃げて下さいっ!穂乃果っ!」

ことり「穂乃果ちゃん!動いてっ!何で動かないの!?」




影が穂乃果に侵食する。
闇は勢いを上げて膨張し、一つの大きな球となった。




真姫「何してるのよ穂乃果っ!逃げてっ!何で逃げないのよっ!?」

「あっ…ああっ!もう…もうっ…顔までっ…飲み込まれてっ!」





そして影は、穂乃果の全てを取り込もうとする。
微かに人の形をした影の部分が、穂乃果を黒い瞳で見つめていた。












穂乃果「あなたは…」

494 : ◆J56L221nBM - 2014/05/14 01:38:01.10 kG02ldrFo 408/707











                シュン














海未「…あっ…う、嘘…嘘っ…!」

海未「ぁ…あ     あ   っか…!   のかっ…!」














「穂乃果ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!!!!」




















   ― 高坂穂乃果は、紫色の靄となり、跡形もなく消えた。―













【To Be Continued…】



続き
穂乃果「あなたは…誰なの?」ヴィオラ「……」【3】


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