姉「そんなにくっつかないの」
妹「いいじゃん。可愛い妹なんだし」
姉「よくない」
姉「私忙しいから、ね」
妹「一回だけでいいから!」
妹「ちゅーしたって何も減らないし!」
姉「あのねぇ…」
妹「ほら、見てよお姉ちゃん」
妹「こんな可愛い妹がお願いしてるんだよ?」
妹「ちょっと涙目なんだよ?」
姉「……」
妹「うるうる」
姉「自分で言ってどうするのよもう」
妹「きらきら」
姉「まったく…」
元スレ
妹「お姉ちゃんちゅーしよ、ちゅー」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1453024946/
妹「どうしてもだめ?」
姉「私は得しないでしょ」
妹「あのね、お姉ちゃん」
妹「人間関係を損得で考えちゃだめなんだよ?」ナデナデ
姉「このちょっと上から目線ってのも気に入らないのよね」ペシッ
妹「あうっ」
妹「どーしてもちゅーしてくれないの?」
姉「えぇ」
妹「キスでもだめ?」
姉「……一緒じゃないの?」
妹「じゃあ実戦形式で教えてあげる!」
姉「その流れにしたかっただけなのね」
姉「でもダメよ。どっちも論外」
妹「ふぇぇ…」
妹「もういいよ!お姉ちゃんのばか!」スタスタ
ガチャッ バタンッ!
姉「やっと部屋から出て行ってくれたわ」
姉「まったくいつからあの子は…」
姉「…………」
姉「…………」
姉「(まぁ分かってるけど…)」
ガチャッ!
姉「!」ビクッ
妹「お姉ちゃん!」
姉「もう、今度は何?」
妹「えーと、キスがだめなら…」
妹「くちづけ、接吻、ベーゼ…」カチカチ
姉「いろいろ調べてきてる!」
姉「そんなに調べてどうするのよ」
妹「どれならいいか聞こうと思って」
姉「…………」
妹「あきらめた?」
姉「あきれただけ」
妹「こうなったら実力行使しかない!」
姉「結局そうなるのね」
妹「ね、お姉ちゃん」
姉「なに?」
妹「ここに睡眠薬入りのカルピスあるけど飲む?」
姉「直球ね」
妹「ね、ほら、いるでしょ?ほらほら」グイー
姉「ちょっと、危ないから近づけないで」グイー
妹「あ」
ポタポタ
姉「(服も床もびちゃびちゃ…)」
妹「あわわ、ごめんなさいごめんなさい」
姉「あたふたしてないで、布巾持ってきて」
妹「あたふたあたふた」
姉「私、ぬれてて動けないから」
妹「白い液体…ぬれてて…動けない…」ドキドキ
姉「あと一回ふざけたら一ヵ月部屋入らせないわよ」
妹「すみません布巾持ってきます」スタスタ
ガチャッ
姉「はぁ…」
妹「持ってきた」
姉「どうも」
妹「…………」フキフキ
姉「…………」フキフキ
……
…
姉「もういいわよ」
妹「う、うん」
妹「…………」スタスタ
カチャ バタン
姉「やけに静かだったわね」
姉「もしかして反省してるのかしら」
姉「別にカルピスくらい気にしないのに」
姉「今からお風呂入るんだし」
一時間後 姉の部屋
姉「気持ちよかった」
妹「…………」ジー
姉「そろそろ寝ようかな」
妹「…………」ジー
姉「ドアの隙間からすごい視線を感じるんだけど」
妹「…………」ジー
ガチャ
姉「もう、どうしたのよ。枕抱えて」
姉「怖い映画でも見たの?」
妹「お、お姉ちゃん怒ってる…?」
姉「何の話?」
妹「…かるぴす」
姉「そんなこと気にしてないわよ」
妹「ほ、ほんと?」
姉「うん」
妹「じゃあ一緒に寝ていい?」モジモジ
姉「…………」
妹「やっぱりおこってる」
姉「しょうがないわね」
妹「えへへ」
姉「現金な子ねぇ」
妹「ふふ、お姉ちゃん」ギュッ
姉「はやくベッド入るわよ。眠たいの」
妹「うんっ」
……
…
姉「電気消す?」
妹「うん。消してー」
姉「……」ピッ
妹「ありがと」
姉「じゃあおやすみ」
妹「えへへ」
姉「にやにやしないの」
妹「だってだって、お姉ちゃんと近いもん」ギュッ
姉「無理やり近づいてるだけでしょ」
妹「む」
姉「はやく寝さない」
妹「お姉ちゃん。おやすみの」
姉「キスなんてしないわよ」
妹「けちー」
姉「懲りてないわね」
妹「おやすみのなでなでだけでいいから!」
姉「それが済んだら寝るのね?」
妹「寝る寝る寝るね」
姉「……」zzz
妹「まってまって、うそうそ」
妹「すぐ寝るから」
姉「はいはい」
妹「どきどき」
姉「じゃあ目閉じて」
妹「…………」
姉「今日のことは、ほんとに怒ってないから安心して」
姉「おやすみ」ナデナデ
妹「うん、おやすみ…」
妹「おねえちゃんだいすきい」
姉「…………」ナデナデ
姉「…………」
翌日 学校 12/1(火)
友「普通に引いてるんだけど」
妹「え、なんで?」
友「なんでって、姉妹で何やってんの」
友「しかもそれを私に聞かせるなんて」
妹「えぇ、でもお姉ちゃんほんとにかわいいよ?」
友「はぁ…」
妹「海外ではキスも挨拶のうちだって誰か言ってたし」
友「ここは日本よ」
妹「友ちゃんつめたい」
友「……私も人のこと言えないけどね」
妹「友姉さんのことすきなの?」
友「違うわよ。あいつが私のこと好いてるだけ」
妹「へー。うちと反対だね」
友「代わってほしいよ」
夜 妹の部屋
妹「つかれたー」
妹「課題ばっかでイヤになる」
妹「……そんな時はお姉ちゃんとのいちゃいちゃを敢行するに限る」
妹「一方通行だけどね!」
姉の部屋
妹「おねえちゃーん」
ガチャ
妹「あれ、いない」
妹「出かけてるのかな」
妹「こんな時はベッドに包まれるしかない!」
モフッ
妹「ふぁ…」
妹「ぐっすり寝られそう」
……
…
一時間後
ガチャ
姉「…………」
妹「……」zzz
バサッ!
妹「ひっ」
妹「敵襲!?」
姉「領主は私よ」
妹「あ、お姉ちゃんか」
妹「おじゃましてます」
姉「はいはい出てってね」
妹「なんでよー」
姉「ちょっと疲れてるの」
妹「じゃあ私が癒してあげるから」クイクイ
姉「手招きしても入らないわよ」
姉「はやく部屋に戻りなさい」
妹「えー」
妹「昨日はあんなに激しかったのにぃ」
姉「……」ペシッ
妹「ふぉあっ」
姉「捏造しないの」
妹「じゃあちゅーだけでもいいからさー」
姉「昨日と何も変わってない」
妹「むしろ一日でさらに好きになったよ!」
姉「はいはい、ありがと」
妹「なんか槍投げ」
姉「つっこむ元気もないから自分でしてね」
妹「いや逆だよ!」
妹「どうしてもキスしたいんだけど!」
姉「怒鳴られても困るんだけど」
妹「もういいもん!」スタスタ
ガチャッ バタン
……
…
ガチャ!
姉「またカルピス?」
妹「三千円出すから!キスだけでいいから!」スッ
姉「私に売春させないでよ」
妹「ちゅーだけだったら売春にはならないんだよ!」
姉「なんでそんなに詳しいのよ」
妹「では、契約成立ってことで」カキカキ
姉「会話をさせなさい」
姉「もうほんとに怒るわよ」
妹「じゃあ愛情受け止めてよ!」
姉「重いわねぇ」
妹「come here!」
姉「暑苦しいし」
妹「ロリポップ一緒にぺろぺろするだけでいいから!」
姉「何言ってるのよ」
妹「もしかしてちょっと急ぎ過ぎちゃった…?」
姉「絶対しないわよ。そんなこと」
妹「!」
妹「こ、断られた…」
姉「当たり前でしょ。何考えてるのよ」
妹「うわあああん」
翌日 学校 12/2(水)
友「あんたもぺろぺろとか言ったの?」
妹「うん」
友「正気?」
妹「勝機はあったんだけどね」
友「いやいや」
妹「友ちゃんとこはどうなったの?」
友「どうって…」
友「いつも通りだよ」
友「ノックなしで突入されたり」
友「一緒にお風呂入ろうとするから」
友「うざいっつって追い出した」
妹「えぇ、友姉さん可哀想」
友「別にいいのよ。妹に発情してるなんておかしいんだから」
妹「こころがいたい」
妹「でも羨ましいよ。積極的なお姉ちゃんって」
友「どこが。うざいだけだって」
妹「そんなことないよ」
妹「それに、もっと大事にしなきゃだめだよ」
友「うーん」
妹「ちょっと言い過ぎかもしんないって思ってるんでしょ」
友「……」
友「そうかも」
妹「じゃあちょっとだけでもいいから友姉さんに優しくしてあげてね」
友「はいはい。わかったわよ」
妹「いい子いい子」ナデナデ
友「なでなで…」
友「お姉さん一筋じゃなかったの?」
妹「一筋だよ!友ちゃんはキープ!」
友「……」スパーン
夜 姉の部屋
妹「(ふふ。今日はとっておきの作戦を用意した!)」
妹「(これならお姉ちゃんもいちころ!)」
ガチャ
妹「お姉ちゃん!」ニコニコ
姉「…………」
妹「ど、どしたの?」
姉「いつも思うけどノックしないのね」
妹「あ、ご、ごめんなさい」
姉「……今日はどうしたの?」
妹「あの、」
妹「えと」
妹「なんでもない!」
姉「…………」
妹「(今日のお姉ちゃんなんか雰囲気怖い…)」スタスタ
リビング
母「元気ないの?」
妹「なんでそう思うの?」
母「なんとなく」
父「お父さんに言えない悩みか?」
妹「別にそんなのないよ」
妹「お姉ちゃんがちょっとこわかったから」
姉「私はいつも通りよ」
母「最近べたべたし過ぎてたように思うから」
母「ちょうどいいんじゃないの?」
父「姉離れしないとな」
妹「えー」
妹「やだー」
母「困った子ねぇ」
翌日 学校 12/3(木)
友「失敗した」
妹「何を?」
友「いや、なんか昨日話してたやつ」
妹「優しくしてあげるっての?」
友「うん…」
妹「また強く言っちゃったの?」
友「そーじゃなくて、なんか言われたら意識しちゃって…」
友「作ったお菓子渡せなかった」
妹「そっか」
妹「……」ナデナデ
友「なぜなでる」
妹「友ちゃん乙女でかわいいなぁって」ナデナデ
友「なんでそーなる」ペシッ
妹「はうあっ」
夜 姉の部屋
妹「(今日は大丈夫かなぁ)」
コンコン
姉「誰?」
妹「わ、わたし」
姉「ノックなんかしてどうしたのよ」
妹「昨日言われたから…」
姉「突っ立ってないで入ってきなさいよ」
ガチャ
妹「おじゃましまーす」
姉「昨日はちょっと気になったから言っただけよ」
妹「そうなんだ」
姉「(それに、ちょっと意識しちゃってたし)」
妹「じゃあいつも通りでいいんだよね!」
姉「ふふ、もう何がいつも通りかよくわからないわ」
妹「ちゅーがいつも通りだよお姉ちゃん」
姉「違うでしょ」
妹「じゃあロリポップ」
姉「それもだめ」
妹「……」
姉「すねてもだめよ?」ナデナデ
妹「!」
姉「いやだった?」
妹「う、ううんっ!」
姉「…………」ナデナデ
妹「…………」
姉「はい、おしまい」
妹「や、もっと…」
姉「先にケーキ食べる?買ってきたの」
妹「たべる…」
……
…
妹「おいしそ」
姉「どっち食べたい?」
妹「んー、チーズケーキ」
姉「はい」
妹「いただき」
姉「ゆっくり食べるのよ?」
妹「…………」
姉「固まってるけど…?」
姉「こっちが欲しかった?」
妹「……あ、あーんしてほしい」
姉「一回だけよ?」
妹「!」
姉「はい、あーん」
妹「……」パクッ
妹「(かんせつきすとあーんのれんぞくこうげき!」
姉「途中から声に出てる」
妹「はっ」
妹「おいしい!」
姉「もう、口にもついてるし」フキフキ
妹「あわわわ」
姉「……」モグモグ
妹「(おかしいおかしい)」
妹「(今日のお姉ちゃんすっごいやさしい)」
妹「お、お姉ちゃん、もう一回だけいい?」
姉「欲張りねぇ」
姉「あーん」
妹「あー…んっ」パクッ
姉「幸せそうな顔して」
ベッド
妹「(やっぱりおかしい!)」
妹「(すんなり一緒に寝てくれるし!)」
姉「そんなに怖い顔しちゃだめよ」ナデナデ
妹「んっ」
姉「もう寝るわよ」
妹「う、うん」
姉「おやすみ」
妹「あ」
姉「?」
妹「お姉ちゃん。ほっぺたにケーキついてる」
姉「……とってくれる?」
妹「え、」
姉「指じゃなくてもいいわよ」
妹「……ほ、ほんと?」ドキドキ
姉「……私、目閉じてるから」
妹「(ちかいちかい!)」
妹「どうしよどうしよ」
妹「(ぺろぺろしていいってこと、なの?)」
妹「あわわわ」ドキドキ
姉「…………」
妹「わ、わたしは…」
……
…
翌日 学校 12/4(金)
妹「んで、落ちちゃったんだ」
友「恋に?」
妹「いや、リアルに」
友「気絶したのね」
妹「友ちゃんはどうだったの?」
友「……言わなきゃだめ?」
妹「もち!」
友「一緒にこたつ入ってて…」
妹「うんうん」
友「してほしそうな顔してたから」
友「……こたつの中で手にぎってあげた」
妹「うらやま私刑」サワサワ
友「ちょっ…くすぐんないでっ」
妹「ほんとうらやましい」
友「ま、これで終わりだけどね」
妹「……ふーん」
友「なによ」
妹「このツンデレガールめ」
友「私はツンツンガールよ」
妹「うそだー」
友「ほんと。だってうざいだけだし」
妹「そんなこと言っちゃだめだよー」
友「いいのいいの、事実なんだから」
妹「……お姉ちゃんが昨日優しくしてくれてたのも」
妹「単なる気まぐれだったのかなぁ」
友「さぁね」
翌日 姉の部屋 12/5(土)
ガチャ パタン
姉「…………」
姉「…ん?」
姉「なにか良からぬ気配を感じる」
姉「…………」
姉「まぁ大体そういうときは、思い過ごしか…」
姉「あの子よね」
ガチャッ
姉「ひっ!やっぱりいた!」
妹「あ、お姉ちゃん。ご機嫌麗しゅう」
姉「あんたどこ入ってんのよ」
妹「クローゼットにかくれんぼ」
姉「……私の服に頭つっこみながら?」
妹「スーハー」
姉「はやく出ていきなさいよ」
妹「スーハー」
姉「聞いてるの?」
妹「今窒息しちゃったらここが棺桶になるんだよね」
妹「悪くないよー」
妹「スーハー」
姉「そのままでいいから聞きなさい」
妹「?」
姉「あなたが疲れて帰ってきて」
姉「誰かが自分のクローゼットの中にいたらどう思うのよ」
妹「お姉ちゃんだったら嬉しい!」
姉「…………」
妹「お姉ちゃんを好きな気持ちは世界一だよ!」
姉「…………」
二日後 学校 12/7(月)
妹「はい、これ誕プレ」
友「ありがと」
妹「日曜だから昨日は渡せなかったけど」
友「ううん。うれしい」
友「あいつのより万倍うれしい」
妹「何もらったの?」
友「あいつ」
妹「え?」
友「リボン巻いて私がプレゼントって」
妹「おぉ…」
妹「…………」メモメモ
友「メモらないで」
妹「ためになるね」
友「アイツほんとうっとーしいんだよ」
妹「ほんとにー?」
妹「口では嫌がってても」
妹「身体は正直なんじゃないのー?」ツンツン
友「やめいっ」スパーン
妹「もがっ」
友「まったく…」
友「あんたのところのお姉さんがうらやましい」
友「一日だけでいいから交換してみない?」
妹「お姉ちゃんのこと略奪する気!?」
友「ポーズのくせに」
妹「あらら、ばれたか」
友「で、どうなの?」
妹「じゃあやってみる?」
夜 姉の部屋
妹「ってことなんだけど、いい?」
姉「交換って…」
姉「具体的にどうするのよ」
妹「友ちゃんの勉強見てほしいかなーとか思ったり」
姉「あぁ、そうなの」
姉「友ちゃんと会うの久しぶりね」
妹「お姉ちゃんは交換してもいいの?」
姉「えぇ、友ちゃんが言うならいいわよ」
妹「…………」
姉「?」
妹「なんか友ちゃんに甘い」
姉「だって素直でいい子じゃない」
妹「私も素直だよ!」
姉「欲望にね」
……
…
姉「あんたは友姉に遊んでもらうの?」
妹「うん。たのしみ」
姉「よかったわね」
妹「情報交換するもん」
姉「?」
姉「どういうこと?」
妹「ないしょー」
姉「ふーん」
妹「天気よかったら買い物とか行きたいなぁ」
姉「…………」
姉「…………」
姉「(別に嫉妬なんて…)」
六日後 姉の部屋 12/13(土)
姉「この時の摩擦力は最大静止摩擦力だから…」
友「なるほど」カキカキ
友「あれ、箱の位置ってすごい中途なとこになりませんか?」
姉「いや、ベルトコンベアの動きは無視していいから…」
友「あ、振動端って考えるんですね」
姉「そうそう、んで不等式できるから」カキカキ
友「ここのバネが強いと一緒に動いて…」
姉「単振動と東速度運動の繰り返しになる。これでばっちり」
友「バネがたくさんで難しいです」
姉「分からなくなったら私のこと思い出して解いてね」ナデナデ
友「……えへ」
姉「…………」ジー
友「?」
姉「(多分この子、私と同じタイプね)」
友「どうしたんですか?」
姉「私と同じで、理系だけど物理は苦手なのかなって思ってね」
友「物理と言うか波動と電磁気と力学と…」
姉「ふふ」
……
…
友「でもなんだか変な感じがします」
姉「どうして?」
友「一時間も一緒にいてセクハラされないなんて…」
姉「相当ひどいわね」
友「ほんとに困ります」
姉「まぁ私も思ったけどね」
友「そうなんですか」
姉「最近はどんなことされたの?」
友「んと、クローゼットに入って、ここを棺桶にしたいとか…」
駅前
妹「今日は晴れてよかったです」
友姉「そうだね。ちょっと寒いけどね」
妹「どこ行きましょうか」
友姉「ご飯まだなら行きたいな」
妹「私もお腹空きました」
友姉「もー可愛いなぁ」ナデナデ
妹「……」ニコニコ
友姉「ちゃんとアレ、持ってきた?」
妹「もちろんです」
友姉「楽しみね」
妹「はい!」
二時間後 ホテル
妹「こ、これ…」
友姉「すごいでしょ?」
妹「はい…」
友姉「まだまだあるからね」
妹「私のも見せます!」
友姉「うふふ」
三時間後
妹「わ、わたし疲れちゃいました」
友姉「そっか」
友姉「じゃあそろそろ出ようか」
妹「はーい」
………
……
…
外
妹「雨降ってる」
友姉「ほんとだ」
妹「近くのコンビニで傘買ってきます」
友姉「私が買うよ」
妹「ありがとうございます」
一時間後 自宅前
姉「ほんとに一人で帰れる?」
友「私高校生ですよ。平気です!」
姉「うん、偉いわね」
妹「それで、バスローブ着てリボン巻いたり…」スタスタ
友姉「ふむふむ」スタスタ
姉「あ」
妹「お姉ちゃんだ。勉強終わったの?」
姉「……えぇ。終わったわよ」
妹「友ちゃんもう帰るの?」
友「誰かと違って教え方が上手だったから」
友姉「なぬ」
姉「(……相合傘してる)」
姉「そんなに仲良くなったの?」
妹「前から仲良しだったよ」
友「ふーん」
妹「あ、友ちゃん嫉妬してる」
友「してない!」
姉「…………」
友姉「強がっちゃってー」スリスリ
友「公衆の面前だ!」グイッ
姉「(家なら良いのかしら)」
姉「あんたは楽しかったの?」
妹「うん!」
妹「知らないこといっぱい教えてくれたもん」
友「?」
妹「ね、お姉様!」ギュッ
姉・友「!!!」
友姉「うんうん」
友姉「やっぱり積極的な妹ちゃんは可愛い」ナデナデ
友「私もう帰ります。ありがとうございました」スタスタ
姉「ん。気を付けてね」
友姉「待って待って」
友「やだ」スタスタ
友姉「相合傘して帰ろうよー」
友「私は傘持ってるからしない!」
姉「家入るわよ。寒いし」
妹「う、うん」
姉「(……お姉様か)」
翌日 姉の部屋 12/14(日)
姉「……」
姉「嫌でも思い出す」
姉「……」
姉「これが黒歴史ってやつなのかしら」
姉「相合傘までしちゃって…」
姉「…………」
……
…
姉「もうすぐクリスマスね」
姉「別にすることなんて…」
姉「…………」
翌日 姉の部屋 12/15(月)
姉「(き、気持ちよかった…)」
ガチャッ!
姉「!」ビクッ
妹「お姉ちゃん!」
妹「遊びに来たよ!」
妹「女王様ゲームやろー」
姉「い、いつも急ね」
妹「……やり直した方がいい?」
姉「もう面倒だからいいわよ」
姉「で、なにするって?」
妹「女王様ゲーム!」
姉「ふたりで?」
妹「じゃあどっちか引いてね」
姉「……じゃあこっちにしようかしら」スッ
妹「あーお姉ちゃん1番か」
妹「私はこれだよね。うん。女王様」
妹「ってことで女王様と1番の人が結婚!」
姉「…………」
妹「女王様の言うことは絶対だよ!」
姉「絶対王政にもほどがあるでしょ」
妹「だめ?」
姉「日本じゃできないからね」
妹「うーむ」
妹「じゃあ第二回!」
姉「次に行くのね」
妹「もうお終い?」
姉「そうじゃなくて、オランダ行くとか言うのかと」
妹「??」
姉「だから、同性の結婚ができる国というか…」
妹「あー」
妹「よくわかんないけど次行くよ!」
姉「…………」
………
……
…
姉「いつまで続くのよ」
妹「怒られるまで」
姉「……まったく」スッ
妹「あ、お姉ちゃんが女王様だ!」
妹「どんな言いつけでもこなすよ!」
姉「…………」
姉「そうね…」
姉「一番の人が女王様ゲームの道具を片付ける」
妹「ぜ、絶対王政が崩壊した」
姉「歴史は繰り返されるってやつね」
妹「明日になったら王政復古するから!」
ガチャ パタン!
姉「…………」
姉「助かった…」
姉「大丈夫よね?」
姉「…………」
姉「…………」
姉「…………」
姉「(さっきのやり取りを考えると…)」
姉「(全部お遊びの範疇なのよね、きっと)」
五日後 姉の部屋 12/20(日)
妹「お姉ちゃん、クリスマスは予定空いてる?」
姉「…………」
妹「ま、まさか彼氏が…!」
姉「違うわよ」
妹「助かった!」
姉「何するのよ」
妹「ん?」
妹「デートだよ」
姉「ふーん」
姉「あんたには恋人いないの?」
妹「いるよ」
姉「!」
妹「お姉ちゃん!」
姉「…………」
妹「びっくりした?」
姉「えぇそうね」
妹「えへへ」
姉「今日はお出かけするの?」
妹「うん。食べたいものある!」
……
…
レストラン
店員「すみません、こちらはカップル専用パフェとなっていまして…」
妹「はい、これください!」
店員「ですから…」
姉「こんなことだろうと思ったわ」
姉「店員さん」クイクイ
店員「な、なんでしょうか」ドキドキ
姉「これ食べたいの。お願い」
10分後
妹「……」プンスコ
姉「何が不満なのよ」モグモグ
妹「……」
姉「食べられてよかったじゃない」
妹「お姉ちゃんが浮気したもん」
姉「交渉よ」
妹「色目つかったし」
姉「戦術よ」
妹「ふん!」モグモグ
姉「おいしい?」
妹「おいしい!」モグモグ
姉「それならよかったわ」
妹「相合傘して帰るからね!」
姉「はいはい」
翌日 姉の部屋 12/21(月)
妹「さて、問題です」
姉「え?」
妹「友姉さんから借りたものは何でしょう」
姉「うーん」
妹「ちなみに外れると罰ゲームです」
姉「なにそれ」
妹「5、4…」
姉「カウントダウン始まってるし」
妹「1」
姉「喋ってる間にもカウント止まらないパターンのやつ!」
妹「-2、-3…」
姉「あらら。じゃあゲームで」
妹「せっいかーい!」パチパチ
妹「レースゲーだから一緒にできるよ」
姉「いや、カウントダウンはなんだったのよ」
妹「あれは口癖」
姉「あんた大丈夫?」
妹「っていうか半分正解だけどね」
姉「?」
……
…
姉「これなんてやつ?」
妹「ディディコン」
姉「聞いたことないわね」
妹「レア社の名作だよん」
姉「でも私ゲーム下手だから楽しくないわよ」
妹「だからやるんだよ!」
姉「ん?」
妹「始まりゃわかるよ。お姉ちゃんこっちね」
……
…
姉「ま、曲がりにくい!」グイー
ピトッ
妹「もー」
妹「肩が当たってるよ」
姉「(ぐぬぬ、そういうことね)」
姉「でもこれほんとに…!」
ピト
妹「お姉ちゃんそんなに私に近づきたかったんだー」
妹「やらしいなぁ」ナデナデ
姉「む、手離してたら追いつくわよ」
妹「周回遅れで何言ってるんだか」
姉「バルーンとバルーンの間をすり抜けていく!」
ピトッ
……
…
妹「ふー」
姉「ぜ、全敗…」
妹「お姉ちゃんよわーい」
姉「もうやめる」プンスコ
妹「珍しくすねてる」
姉「なんだか悔しいから」
妹「全部トップだった私にご褒美ちょうだい!」
姉「いや」
妹「しょうがないから目隠しで勝負してあげようか?」
姉「いや」
妹「プンスコモードだ」
姉「ふん」
妹「すねてるお姉ちゃんもかわいいぺろぺろ」
姉「はやく部屋戻って」
妹「あ、あれ…ほんとにすねてる」
姉「…………」
妹「(うー)」
妹「(スリスリしたいけど怒られそう)」
妹「(勝ち過ぎちゃったのかなぁ…)」スタスタ
カチャ パタン
姉「はぁ…」
姉「我ながら大人げない」
姉「…………」
姉「…………」
姉「…………」
姉「返事あいまいにしちゃったけど」
姉「どうしようかしら…」
翌日 学校 12/22(火)
妹「終業式だね」
友「そうね」
妹「明後日はイブだね」
妹「私とデートしようよ」
友「それもポーズ?」
妹「……さみしいよ」
友「誘えばいいじゃない、私は予定埋まってるわよ」
妹「ほ、ほんとに?」
友「えぇ」
妹「前に話したけど返事してくれなかったから」
友「変なところで奥手なのね」
友「いつもみたいにできないの?」
妹「なんだか真剣なのは苦手というか」モジモジ
友「(……かわいい)」
友「かわいいわね」
妹「……」テレテレ
友「だから自信持っていいんじゃないの」
妹「えへへ、そーかなー」
友「うん、やっぱりそんな顔のほうが似合ってるわね」
妹「えー、だらしない顔ってことー?」
友「違うわよ」
友「……上手く言えないけど、かわいい顔かしら」
妹「友ちゃんに惚れそう」
友「あのねぇ」
妹「冗談だよ!」
友「その憎らしい顔も似合ってる」
妹「……ありがと」
妹「冬休み入ったら遊びに行きたいね」
友「そうね」
妹「でもお小遣い少ないから大変だ」
友「そうなの?」
妹「うん」
友「じゃあお年玉貰ってからにする?」
友「私にはほとんど関係ないけど」
妹「私もお年玉なんてないよー」
友「ん、私の家と一緒なのね」
妹「親戚もほとんど集まんないし」
友「(つくづく私んとこと一緒みたいね)」
妹「バイトでもはじめよっかな」
友「それもいいかもしれないわね」
夜 妹の部屋
妹「…………」ペラ
妹「…………」ペラ
妹「(なるほど、ここで逆転して…)」
コンコン
妹「だーれー」
姉「わたし」
ガチャッ!
妹「ど、どしたの!」
姉「あんたがどうしたのよ」
姉「返事から開けるまでが早すぎるわよ」
妹「え、えへへ」
姉「ご褒美残ってたわよね」
妹「……?」
姉「あのレースゲーよ」
妹「そうだったかな」
姉「自分で言ってて覚えてないのね」
妹「すみませぬ」
妹「で、それがどうしたの?」
姉「私がご褒美決めていいかしら」
妹「ん?」
妹「さっきから話がよく分かんないというか」
姉「だ、だからね…」
姉「…ご褒美は私とデート」
姉「ってことでいいわよね、うん」
妹「!?」
姉「どうなの」
妹「ふえっ!」
姉「笛じゃなくて、行くの?行かないの?」
妹「イく!イきます!」
翌朝 姉の部屋 12/23(水)
姉「……」
姉「ふー」
姉「気持ちよかった…」
姉「…………」
姉「さて、本チェックしなきゃ」
姉「……」ペラ
姉「……」ペラ
姉「でーと、でーと」
姉「どこ行こうかしら」
姉「えへへ」
姉「……」ペラ
ピリリリ
姉「ん、先生からメール」カチカチ
姉「嫌な予感しかしないわね…」
二時間後 午前9時 研究室
姉「先生」
教授「なんだ」
姉「私は先生の手足じゃないですよ」
教授「そうだな」
姉「じゃあなんでイブ前日に一日かかる合成があるんですか」
教授「……そこに、高分子があるから」
姉「しょうもないです」
教授「え?」
姉「最近教授になったから浮かれてるんですか」
教授「そんなことはない」
教授「それに研究する時間は短くなった」
姉「責任が増えたから?」
教授「そうだ」
姉「だから私に頼んだと」
教授「まぁ、他の研究室は年末までやるところもあるから」
姉「よそはよそ、うちはうち」
教授「はい」
姉「新年会はお酒のおいしいところにしてくださいね」
教授「はい」
姉「じゃあ頑張っちゃいます」ニコニコ
教授「はい」
姉「はい、しか言ってないですよ」
教授「…………」
姉「なんですか」
教授「あとは、M2と准教に手伝ってもらって」
姉「え?」
教授「私は…」
教授「逢引だ」スタスタ
姉「」
六時間後 午後3時
姉「(おやつたべたい)」
准教「おつかれさま」
姉「わ、コーヒー」
准教「肩もんであげる」モミモミ
姉「はう」
准教「そんな声出しちゃだめよー」
准教「私と違って若いんだから」
姉「センセも若いじゃないですか」
准教「えらく褒めるのねぇ」ナデナデ
姉「あーセクハラだー」
准教「じゃあもうちょっとやっちゃおうかしら」サスサス
姉「うわぁ」
准教「え?」
姉「……今のはなんだか若くない」
准教「む」
姉「あ、かわいい」
准教「えへへ」
姉「それはあんまり」
准教「……ぐすん」
姉「よしよし」ナデナデ
准教「くすぐったーい」
姉「この人やっぱかわいい」
准教「そーゆーのは心の声で言ってよー」
姉「すみません」
准教「じゃ、お仕置きだー!」サスサス
姉「(……絶対飲んでる)」
七時間後 午後10時
ガチャ
先輩「ちーす」
女「どもです」
先輩「今日は何時出?」
女「9時です」
先輩「あ、呼び出し食らったのか」
女「はい」
先輩「お疲れ、晩飯は?」
女「まだです」
先輩「買ってくるよ、何がいい?」
女「高いの」
先輩「わがまま娘」
女「ふふ」
先輩「すぐ戻る」
……
…
姉「そろそろ落ち切るわね」
姉「よし、これ片したらデータ作って…」
ガチャ
先輩「ほら、感謝したまへ」
姉「わぁ素敵」
姉「惚れそうです」
先輩「あんたが惚れてるのは妹だろ」
姉「ぬえっ!?」
先輩「話によく出てくるし。当たってた?」
姉「……」
先輩「正直に言えばトルティーヤだ」
姉「……あ、当たってます」
先輩「かわいいからデザートも追加で」
……
…
姉「…………」カタカタ
姉「…………」カタカタ
姉「ん?」
姉「X線と合わない」
姉「いや、合わないのはいつものことだけど…」
姉「間隔が」
姉「…んー」
カチャ パタン
准教「どったの」
姉「ここがなんだかおかしくて…」
准教「見せてみ」
……
…
姉「……」カタカタ
姉「……」カタカタ
姉「やっぱミスってるわね」
姉「……途中からやり直し確定」
姉「…………」
姉「…………」
姉「ほんとに心折れそう…」
姉「家帰りたい…」
准教「ほら、頑張って」トントン
姉「わ、独り言聞いてました?」
准教「うん」
姉「恥ずかし」
八時間後 12/24(木) 午前6時
准教「よし、今日は終わりにしよう」
姉「はい…」
准教「おつかれさま」
姉「はい…」
准教「シュークリーム食べる?」
姉「はい…」
准教「はい、しか言ってないよ」
姉「φ」
准教「なんだかそれも若くない」
姉「えへへ」
准教「徹夜明けだからしょうがないか」
姉「……」zzz
准教「襲っていいのかしら」
姉「終わりました」
先輩「んっかえー」モグモグ
姉「……昼夜逆転合成はやめた方がいいですよ」
先輩「生意気に忠告か?」
姉「はい」
先輩「かわいいやつめ」
姉「ふふ」
先輩「じゃあ私からも忠告」
姉「?」
先輩「今日デートなら発情しないように一人で済ませときなよ」
姉「!」
先輩「いやなら手伝ってやろうか?」
先輩「それかセンセと」
姉「!」ブンブン
先輩「3割冗談だよ、朝飯食べに行こう」
食堂
准教「朝は人いないね」
姉「そうですね」
先輩「貸切みたいだ」
准教「んで、今日はあなたがターゲットってことでいいの?」
姉「え?」
先輩「妹さんと仲良しなの話したの、ごめんごめん」
姉「もう…」
准教「可愛いのに奥手なのねぇ」
先輩「純情というか清楚というか…」
准教「ふーん」
准教「もしかして保体のアレも苦手だった感じ?」
先輩「アレって?」
姉「……あの授業が好きな人っているんですか?」
准教「私は好きだったよ、時雨茶臼」
姉「もうその言い方が若くない」
准教「そうかな」
先輩「あぁ…思い出したくない…」
姉「嫌いだったんですか?」
先輩「なんか地味な子が上手くてショックだった」
准教「あー」
先輩「まぁ私の県は授業1回分だけでしたけど」
准教「うそ、私2回半くらいやった覚えあるよ」
姉「私は2,30分だったような」
准教「でもほとんどの中学校はやんないらしいね」
先輩「たしか全部で5県か6県だっけ…?」
姉「結構ヤンチャな子がわざと休んでましたね」
先輩「腰の動かし方なんて知ってるアピールだったのかなー」
准教「そうかも。でも私も最初は上下に動くのが正解だと思ってた」
先輩「前後にグラインドってのは今でも意識するかも…」
准教「たしかに意外と役立つから覚えてる」
姉「(みんな大人なのね)」
先輩「あんたはどうなの?」
姉「私ですか?」
准教「そーよ」
准教「ターゲットなんだから教えなさい」
姉「それアカハラです」
先輩「アカハライモリ可愛いよね」
姉「先輩ってペット飼えるんですか?」
先輩「失礼な」
先輩「私はペット中心の生活してるから昼夜逆転してんの」
准教「先生に報告だ」
先輩「じゃセンセが教え子狙ってるのも報告します」
姉「……ちょっと幻滅です」
准教「適齢期は月末までってネットで書いてたの」
姉「どゆことですか?」
准教「昔はクリスマスケーキの売れ行きに例えられてたのよ」
先輩「そ、25歳を過ぎると結婚が難しいからね」
准教「昔の話だよ、昔」
姉「へぇ、それが今は月末と」
先輩「じゃあ28歳超えてるセンセはアウトか」
准教「なぜ2月を用いる、西向く侍以外でいいの」
姉「(あたふたしててかわいい…)」
先輩「…………」
姉「指見つめてどうしました?」
先輩「指の骨使う覚え方もあったなって思って」
………
……
…
リビング
姉「……ただいま」
妹「…………」プンスコ
姉「?」
妹「長い!」
姉「え?」
妹「さっき起きたからなんとも言えないけど」
妹「長いよ!そっちのターンが!」
姉「なに言ってるのよ。私眠いから部屋行くわね」
妹「ぐぬぬ」
妹「夜7時からデートだからね!」
妹「駅前で待ち合わせだから!」
姉「はいはい、恋人っぽく待ち合わせなのね」
妹「うん!」
妹「ぜったいぜったい遅刻しちゃだめだよ!」
姉の部屋 午前8時
姉「……つかれた」
姉「待ち合わせまであと11時間…」
姉「2時間前に起きればいいから5時にセットして」
姉「よーし、寝よう…」
姉「で、もしできるなら…」
姉「……」zzz
………
……
…
姉「……ん」
姉「今何時かしら」
姉「時計は鳴ってないから…」
姉「時間は大丈夫だと思うけど」
姉「2時か、もう眠たくないしオフっとこう」パチッ
姉「あの子は…」カチカチ
妹『私お出かけしてそのまま駅前行くから』
妹『戸締りお願いね、お姉ちゃん』
姉「ふむ、なるほど」
姉「ということは…」
姉「…………」
姉「(一人で済ませときなよ、か…)」
姉「…………」
姉「は、派手なのできちゃうかしら」
姉「……」ドキドキ
姉「三時間あるわけだから」
姉「とりあえずは…」
30分後 脱衣所
姉「お風呂気持ちよかった…」
姉「うん…」
姉「…………」
姉「…………」
スタスタ
姉「こ、このままバスタオルだけでちょっと歩くくらい…」
姉「おかしくないわよね」
姉「うん、大丈夫大丈夫」
姉「……」
姉「(なんでこういう時って謎の言い訳考えちゃうのかしら…)」
姉「きっと大義名分が欲しいんだ…」
スタスタ
姉「あ、あの子の部屋に忘れ物してたような気がするわね」
姉「してないと思うけどしてるはず」
妹の部屋
姉「……ふー」
スタスタ
姉「シーツ…」
姉「乾くよね…」
クチュッ
姉「……っ」
姉「ま、まくらも…いい、よねっ…」
ギシッ ミシッ
姉「(グラインド…)」
姉「んっ…」
姉「うぅ…っ…」
ヌチュッ ギシッ ギシッ
姉「(もっと…もっともっとこすりたい…)」
姉「………」ピクッ
姉「(あの子の…)」
姉「(ショーツ…どこあったかしら…)」
姉「……ふっ」ビクッ
姉「(もうっ…)」
クチュッ
姉「(何回やったかも…)」
姉「……ごめんね」
ギシッ ミシッ
姉「こんなお姉ちゃんで…」
ヌチュッ ギシッ ギシッ
姉「!」
姉「(これさいご…)」
姉「(さいごにするから…!)」ピクッ
……
…
午後6時 駅前
妹「(さすがに一時間前は早すぎたかな、えへへ)」
妹の部屋
姉「も、もういっかい…だけ…」ビクッ
午後6時15分 駅前
妹「(お姉ちゃんもオシャレしてくれたらいいな)」
妹の部屋
姉「ん…はぁ…」クチュッ
午後6時30分 駅前
妹「(お姉ちゃんだったら新しいヘアピン気付いてくれるよね!)」
妹の部屋
姉「ち、ちこくしちゃう…のにっ…はいとくかんで…おかしくなっひゃうっ…」
午後6時45分 駅前
妹「(あとちょっとだ)」カチカチ
妹の部屋
姉「……」ビクッ
午後7時 駅前
妹「遅刻なんて珍しい」
妹の部屋
姉「……」ピクッ
午後7時30分 駅前
妹「(お姉ちゃんが私の部屋でショーツ等を使った気持ちいいことを一人でしていて)」
妹「(遅刻してしまうのにやめられないという背徳感から部屋を出られずにいる…)」
妹「(っていう原因以外の遅刻なら許さないからね)」プンスコ
妹「(まぁ有りえないけどね……私嫌われちゃったのかな……)」
……
…
妹の部屋
スタスタ
姉「いままでで…いちばんっ」
スタスタ
姉「きもちいっ…」ヌチュ
スタスタ
姉「……んっ」
スタスタ
姉「……」ピクッ
ガチャッ!
姉「!!」
妹「な、なにこれ…」
姉「う、あ…」
妹「お姉ちゃん…?」
姉「……」グスッ
妹「てか裸だし…!」
姉「……ぅ」
妹「と、とにかくそんな恰好じゃ風邪…」
姉「……」ギュッ!!
妹「!」
姉「ごめん…ごめんなさいっ…」グスッ
姉「ひとりできもちよくなっちゃってごめんなひゃい…」
妹「」
姉「あなたのことがきもちわるいくらいだいすきなの」
姉「だからわたしをこいびとにしてくだひゃい…」
妹「」
姉「……」ゴシゴシ
二週間後 1/7(木) 学校
妹「えらく飛んだね」
友「何の話よ」
妹「それは置いといて重大発表があります」
友「ふーん」
妹「適当な反応!」
友「そのリアクションもいいから」
妹「お姉ちゃんと付き合うことになりました!」
妹「しかもお姉ちゃんからの告白!」
妹「……」ドヤァ
友「ふーん」
妹「結局同じ反応…」
友「じゃあ私も発表」
友「私からお姉ちゃんに告白してオッケーもらった」
妹「ふぇ!?」
妹「う、うそ…」
友「嘘なんかつかないわよ」
妹「ま、まじですか…」
妹「あれ?」
妹「でも私とお姉ちゃんのいちゃいちゃレポートも」
妹「『同性で何やってんの』ドヤァ」
妹「みたいな感じじゃなかったっけ」
友「今の私の真似?」
妹「うん」
友「私が否定したのは姉妹間よ」
友「女の子同士ってことについては何も言ってないわよ」
友「(だから…姉妹間の恋愛は自分でブレーキかけてたのに…)」
友「ってかむしろ女の子大好き」
妹「わお…」
妹「ちょっと気になることがあるんだけど…」
友「ん?」
妹「同性が好きってことは」
友「…………」
妹「…………」
友「なによ」
妹「(恥ずかしいけど聞きたい…)」
妹「そ、その…」
妹「私のこと想像して…みたいな…」
友「ふふ」
友「…………」パチン
妹「その手を合わせたポーズは…」
友「昨日はごちそうさまでした」
友「いっぱい鳴かせちゃったわ、ふふ」
妹「」
妹「フォキュアッ」
友「聞いたことない声出てるわよ」
妹「だ、だって友ちゃんが…!」
友「冗談に決まってるでしょ」
妹「!」
妹「もう!」
妹「さっき嘘なんてつかないって言ったのに!」プンスコ
友「ごめんごめん」
友「かわいくてつい」
妹「びっくりして損したよ」
妹「ってか自意識過剰だったみたいで恥ずかしい」テレテレ
友「…………」
友「(未遂が何度かあったってことは…)」
友「(口が裂けても言えないわね)」
友「あんたは同性が好きってわけじゃないのね」
妹「まぁ…」
妹「なんというか」
友「好きな相手がたまたま姉だったと」
妹「その通り」
友「なるほど」
友「やっぱりお姉さんだけが私と同じタイプだったのね」
……
…
カラオケ
妹「始業式の帰りにカラオケなんて青春だね」
友「そうかしら」
妹「だって楽しいもん」
友「それが基準なら青春ね」
妹「先に歌っていいよ」
友「ありがと」
………
……
…
友「好きなことしてるだけだよ♪」
妹「(す、好きな子とシてるだけ!?)」
妹「(友ちゃん大胆…!)」
一時間後
妹「渡したいものあったんだ」
妹「はい、これ」
友「……なにこのやらしい表紙」
妹「薄い本だよ」
友「だよって言われても」
妹「参考にしてほしいなと思って持ってきたんだけど」
妹「友ちゃんとこも付き合っちゃったんだよね」
友「まぁそうね」
妹「じゃあこれ要らない?」
友「…………」
妹「…………」
友「…………」
妹「姉妹物だよ」
友「貰ってあげないこともない」
夜 姉の部屋
姉「(こんな物貰っちゃったけど…)」
姉「…………」ペラ
姉「…………」ペラ
姉「…………」ペラ
姉「……思ったよりいいわね」
ガチャッ!
妹「お姉ちゃん!」
姉「!」サッ
姉「(びっくりした…)」
妹「私のこと好き?」
姉「急にどうしたのよ」
妹「はやく」
姉「大好きよ」
妹「いつから好きだったの?」
姉「……」
妹「最近?」
姉「質問が多いわね」
妹「どうなの?」
姉「……昔から好きだったわよ」
妹「ほ、ほんとに?」
姉「これで満足?」
妹「えへへ」
姉「じゃあやっぱり昔のことは覚えてないのかしら」
妹「なにそれ教えて!」
姉「うーん…」
妹「恋人だから隠し事は控えめに、だよ!」
姉「恥ずかしいからイヤなんだけど…」
妹「お気になさらず」
姉「……言うとしたら私なんだけど」
回想
幼妹「おねえちゃーん」
幼姉「こら!」ポカ
幼妹「たたかれた」
幼姉「おねえさま、でしょ!」
幼妹「えーなんでー?」
幼妹「おねえちゃんはおねえちゃんだよ」
幼姉「わたしのことすきでしょ?」
幼妹「んー…」
幼姉「こら!」ポカ
幼妹「またたたかれた」
幼姉「すきっていって」
幼妹「…じゃあすき」
幼姉「えへへ」
幼姉「わたしもすき!」ギュッ
一ヵ月後
幼姉「わたしのことがすきになる」
幼姉「わたしのことがすきになーる」
幼妹「……やっぱりなってないよ」
幼姉「……」グスン
幼妹「ないてるの?」
幼姉「ううん」ゴシゴシ
幼妹「でもいま…」
幼姉「ないてないもん」
幼妹「よしよし」
幼姉「えへ」
幼姉「じゃあおよめさんにしてくれる?」
幼妹「けっこんできないよ」
幼姉「……」グスン
一ヵ月後
幼姉「すーはー」
ガチャ
幼姉「!!」
幼妹「お、おねえちゃんなにしてるの?」
幼姉「すーはーしてないよ!」サッ
幼妹「うしろにかくしてる!」
幼姉「みちゃだめ」
バサッ
幼妹「わたしのパジャマだー」
幼姉「(どうしよどうしよ)」
幼妹「あ!」
幼妹「パジャマたたんでるんだ」
幼姉「そ、そうだよ」
幼妹「わたしもてつだうー!」
姉「この時すでに好きだったわね」
妹「衝撃の事実過ぎるんだけど」
姉「だから内緒にしたかったのよ」
妹「お姉ちゃん私の事ずっと好きだったんだねぇ」
姉「そんなしみじみ言わないでよ」
妹「でね、お願いがあるの」
姉「……なに?」
妹「お姉ちゃんが私に告白したとき服着てなかったよね?」
姉「!」
妹「お姉ちゃん顔真っ赤」
姉「恥ずかしいからに決まってるでしょ!」
妹「……私、ちゃんと返事できてないから」
妹「一生のお願い。もう一回だけ告白してほしいの」ギュッ
姉「…………」
姉「……すき」
姉「大好きなの」
姉「ずっと前から好きだったの」
姉「あんたの好きよりずっと重いけど」
姉「それを受け入れてくれるなら…」
姉「私を恋人にしてください」
妹「……」
スタスタ
姉「……」
スタスタ
妹「……」ギュッ
姉「それが返事?」
妹「うん!」
妹「世界で一番好き!」
終わり、以下いちゃいちゃ
姉の部屋
姉「……」ペラ
姉「……」ペラ
姉「……」ペラ
姉「ふふ」
……
…
リビング
妹「あ、プリンない」
姉「私が食べたのよ」
妹「なんで食べるの!」プンスコ
姉「わるかったわね」
妹「(……なるほど、もう手にしてたんだ)」
妹「ふーん…」
妹「じゃあお姉ちゃんお仕置き決定ね」
三時間後 妹の部屋
姉「ま、まってまって…」
姉「心の準備が…」
妹「お仕置きなんだから待たないよ」
妹「えいっ」カチッ
姉「!」
ヴイィィィィン
姉「んっ…ふっ…」
妹「一時間はローター切らないからね」
姉「う、うそっ…」
妹「プリン食べたんでしょ」
妹「食べ物の恨みは怖いってことで」
妹「どうせだからおっきい方も使っちゃおうか」ガサゴソ
姉「こ、こわいのやだ…」
ヴイィィィィン
二時間後
妹「はい、おしまい」
姉「……」ビクッ
妹「お姉ちゃんシーツよごしちゃったね」
妹「私のシーツにいっぱいだして気持ちよかった?」
姉「うん…」ドキドキ
妹「お仕置きなのに気持ちよくなったの?」
妹「だめでしょー?」
姉「だ、だって…」
妹「じゃあ今のに対するお仕置きもするから待っててね」
姉「!」
妹「今よろこんだ?」
姉「そ、そんなこと…」
妹「うそついたから10分間スイッチオン」カチッ
ヴイィィィィン
姉「う、うそなんてついてないっ…」
姉「ひゃっ…んっ」
妹「今のも嘘だから計20分」
姉「や、やだやだっ」
ヴイィィィィン
妹「ほんとにいやなの?」
姉「う、うん…」
妹「わかった」カチッ
姉「……」
妹「もういいよ」
妹「プリン買いに行くから」
姉「え…」
妹「私が帰ってきて一人で気持ち良くなってたら」
妹「またお仕置きするからね」
……
…
一時間後
姉「はぁ…」
姉「さ、さいごまで…」
姉「してほしかったのにっ」
ヴイィィィィン
姉「んっ」
姉「つよすぎてっ」
姉「こしが…」
姉「勝手に…!」ピクッ
ガチャ
妹「ただいま」
姉「!」
妹「してほしかったんだよね?お姉様」
………
……
…
姉の部屋
妹「なんで顔真っ赤なの?」
姉「だって…」
姉「我に返ると…」
姉「すごいことしゃべったなぁとか」
姉「ぜんぶ見せちゃったなぁとか…」
妹「お姉ちゃんかわいい」スリスリ
姉「ご、誤解のないように言っておくけど」
姉「私はああいうのしか気持ちよくならないってわけじゃ…」
妹「わかってるよ」
妹「薄い本のシチュでしてみたかったんでしょー?」
姉「……」コクリ
翌日
妹「ふー」
妹「寒いときのお風呂は最高だ」
スタスタ
ガチャ
妹「!」
姉「!」
妹「……私のベッド入って何してるの?」
姉「こ、これは…」
姉「ベッドのぬくもり具合からあなたの体調の変化を…」
妹「お姉ちゃんさ」
姉「…はい」
妹「私にお仕置きされたくてわざとやってるの?」
姉「!」
妹「やっぱりそうなんだ」
姉「肯定してないでしょ!」
妹「じゃあ違うの?」
姉「…もちろん」
妹「じゃあお仕置きはされたくないの?」
姉「…………」
妹「懲りてくれるならお仕置きする意味もあるんだけど…」
姉「懲りると思う」
妹「軽いやつだとお姉ちゃん気持ちよくなっちゃうから」
妹「ここは重めのいっときますか」
姉「い、いたいのは…」
妹「そんなことしないよ」
妹「明日が楽しみだね」
姉「…………」ドキドキ
深夜 レンタルショップ
姉「(な、なんでこんなことに…)」
姉「(いつスイッチ入るか…)」
姉「(あの子がどこにいるのかもわからないし)」
……
…
姉「(こ、こんなとこ入ったことないよ…)」ドキドキ
スタスタ
スタスタ
姉「(わぁ…)」
姉「(ピンク一色…)」
ヴイィィィィン
姉「ひゃっ!」
姉「(こ、声だしちゃった…)」
姉「(誰もいないわよね…?)」
……
…
姉「(は、はやくとまって…)」
姉「(立てないっ)」
カチッ
姉「……」
姉「……たすかった」
姉「(えっと借りるのは…)」
姉「(ほんと恥ずかしい…)」
カチャカチャ
カチャカチャ
姉「(このくらいでいいのかしら…)」
……
…
店員「こちらどうぞ」
姉「(何度見ても綺麗な店員さん…)」
姉「(ほんとに言わなきゃだめかしら)」
店員「?」
店員「こちらどうぞー」
姉「あ、はい」スタスタ
姉「これを…」
店員「(わぁ…全部レズもの…)」
店員「ありがとうございます」
姉「あ、あの!」
店員「なんでしょうか?」
ヴイィィィィン
姉「!」
姉「…んっ」ペタン
店員「ど、どうされました?」
姉「(どうにか…)」
姉「(立たなきゃ…)」
ヴイィィィィン
姉「あっ、あのっ…」ピクッ
姉「店員さんの…おすすめのっ…」
姉「AVとか…って」
ヴイィィィィン
姉「あったり…し、しますかっ?」ドキドキ
店員「(やばい)」
店員「(ちょっと…想像以上に…)」
姉「……っ」グスッ
店員「(涙目だし)」
夜 姉の部屋
姉「…………」プンスコ
妹「お、お姉ちゃーん」
姉「…………」プンスコ
妹「やばい、やりすぎた」
妹「ね、ほら、せっかくいっぱい借りたんだし」
妹「一緒に見よーよ」ユサユサ
姉「…………」
姉「……あの店員さんってあんたの古い友達だったのね」
妹「う、うん…」
妹「薄い本書いてるお友達…」
姉「ほんっとに訴えられるんじゃないかとか」
姉「いろいろ考えたんだから!」
妹「あはは、ごめんごめん」
妹「じゃあもう今後一切お仕置きしないから許してよ」
姉「……」
妹「……」
姉「ちゅーして」
妹「……ん」
姉「口に」
妹「ん」
姉「舌も」
妹「……」チロチロ
姉「……大好き」
妹「じゃあ一緒にベッド入って鑑賞会しよっか!」
姉「……うん」ドキドキ
………
……
…
深夜 両親の寝室
父「どこまでいってるんだろうな」
母「気になるの?」
父「気にならんと言えば嘘になる」
母「姉離れの忠告はしたけど逆だったのかもね」
父「まぁ外野からなんて言われようと」
父「曲げられないこともあるだろうがな」
母「……血は争えないのかしら」
父「そうかもしれんな。世間と対立するかもしれん」
母「あなたは後悔してる?」
父「まさか、君と一緒でどれだけ幸せなことか」
母「ふふ」
母「今のはちょっとかっこよかったよ、お兄ちゃん」
終わり