1 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/01 23:04:41.21 GttypY3f0 1/26

なんでも来い人向け
短い
書き溜めなし


部室――

穂乃果「最近できた焼肉屋に行きたいんだけど……」

海未「焼肉ですか……今は、大会前なのでちょっと」

穂乃果「えー……」チラ

ことり「ごめんね、穂乃果ちゃん。私も、無理かな……」

穂乃果「……ことりちゃんまで」

花陽「穂乃果ちゃん、良かったら私が」

穂乃果「え? ホント!」

「ダメだよかよちん」

ポンッ

花陽「ひいいッ……ごめんなさいごめんなさい。もうたべませんもうたべませんゆるして」

海未「……何があったんですか」

ガチャ――

絵里「賑やかね、どうしたの」

「花陽ちゃん、なんで頭抱えてしゃがんどるん?」

穂乃果「はッ!」

ガシッ

「うん?」

穂乃果「の、希ちゃん!」


元スレ
穂乃果「最近できた焼肉屋に行きたいんだけど……」希「うちなら、大歓迎やで」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417442671/

2 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/01 23:13:14.54 GttypY3f0 2/26

「なん?」

真姫「ちょっとなんで私には聞かないのよ」

穂乃果「あ、い、行く?」クル

真姫「行かないわ」

穂乃果「ひどいッ」

「?」

穂乃果「はッ、あ、あの……良かったら、付き合ってくれないかな?」モジモジ

「へ?」

絵里「……」ガタッ

海未「……」ガタッ

ガチャ――

にこ「にっこにっこ……なに睨み合ってんの?」

「……あ、あの穂乃果ちゃん?」

絵里「聞き捨てならないわね」

海未「穂乃果、今、なんと?」

3 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/01 23:22:46.09 GttypY3f0 3/26

ことり「ど、どうどう海未ちゃん」

海未「ガルルルッ……」

「穂乃果ちゃんは馬鹿だにゃあ」

花陽「しッ……」

「穂乃果ちゃん……気持ちは嬉しいんやけど、うちにはえりちが……」

穂乃果「あ、違う違う、最近出来た焼肉屋に一緒に付き合ってほしくて」

絵里「……そんなことだろうと思ったわよ」

海未「……絵里、とりあえず穂乃果の胸ぐらを掴むのは止めてもらえませんか?」

絵里「あれ?」

「ええよええよ。うちなら大歓迎やで!」

穂乃果「ほんとー!? わーい!!」

海未「あんなに嬉しそうな穂乃果が見れるなら……涙を飲んで見送るのが愛ですよね」ジワッ

「行ってきてええ? えりち」

絵里「別に私の許可なんて必要ないでしょ?」

「一応、えりちにはちゃんと確認しとこかなーって」

絵里「……」ジワッ

4 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/01 23:28:54.81 GttypY3f0 4/26

にこ「部室の空気が気持ち悪い」

ことり「……なんだかごめんね」

穂乃果「じゃあじゃあ、いつ行く?」

「そうやね……今日、でもええで。練習後は、お腹空くしな」ワクワク

穂乃果「善は急げだね! じゃあ、練習後に行こー!!」ワクワク

「おー!」

にこ「金のある奴はこれだから……ちッ」

「にこっち、おみやげ買ってこようか」

にこ「いらないわよ……」

「……」スッ

にこ「凛、あんたさり気なく私の目の前に冷凍にしたご飯置くのやめなさい」

花陽「……あ……ッ」

5 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/01 23:32:09.03 GttypY3f0 5/26

にこ「ま、もらえるもんはもらっておくけど」スッ

バタッ

穂乃果「花陽ちゃんが倒れた!」

花陽「この世は全て諸行無常……なり」ガクッ

穂乃果「花陽ちゃんッ……」

にこ「……今日はチャーハンでもするか。冷凍ご飯だとちょうどよくぱらっとするし」

真姫「練習始めないの?」

6 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/01 23:37:58.12 GttypY3f0 6/26

練習後――

穂乃果「終わったあああ!」

ことり「あ、穂乃果ちゃんってば、ちゃんと汗吹かないと」

海未「……あ」

ことり「はい、タオル」

穂乃果「ありがとー、ことりちゃん」

フキフキ

海未「ああッ……なんてもったいないことを」

穂乃果「海未ちゃんも汗、すごいよ」

フキフキ

海未「はあああんッ……混ざり合ってしまう」

ことり「はは」



にこ「なに、あのことりの乾いた笑い。マジで怖いんですけど」ゴクゴク

「にこっちー……それ、新商品の『トロける醤油味サイダー』やん。ちょっとちょーだい」

にこ「はいはい……」

スッ

「わーい」ゴクゴク


7 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/01 23:42:01.71 GttypY3f0 7/26

絵里「ちょ、ちょっと……にこ! なに、ちゃっかり希と間接キスしてるのよ」

にこ「へ?」

「ぷはッ……えりちもいる?」

絵里「希、口からちょっとたれてる……」ゴクリ

「あー……」ペロン

絵里「……私は口の端に残るサイダーになりたい」

にこ「……飲む?」

絵里「我慢できそうにないから、いいわ」

にこ「何が……?」



「三人とも、味覚大丈夫かにゃ?」

8 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/01 23:46:07.41 GttypY3f0 8/26

穂乃果「希ちゃーん、着替え終わったよー! いつでも行けるよー!」

「あ、待って……背中のホックが止まらん……真姫ちゃん、お願い」

真姫「なんで、私が……」ブツブツ

カチッ

「おおきにな」

真姫「いいけど別に」

絵里「……」

真姫「……背後に寒気が」くるッ

真姫「誰もいない……」

「さあ、穂乃果ちゃんいざ楽園へ!」

穂乃果「おー!」

9 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/01 23:52:50.24 GttypY3f0 9/26

焼肉屋――


穂乃果「ちょっと、見た目は中華料理屋っぽいんだよ」

「ほんまやな。でも、匂いは焼肉の濃いいタレ臭がする……たまらんで」

穂乃果「私もお腹空いてきちゃったよッ。いざ、ゆかん!」

ガラガラ――

店員「ヘイ、イラシャイッ。ナンメエサマ?」

穂乃果「が、いこくの人だッ……中国人? え、えっと、ニーハオ?」

店員「ニーハオ。トットトウセナサーイ」ニコッ

穂乃果「……」

「……」

店員「ナンメエサマ? 3ビョウカンダケマッテヤル」

穂乃果(……い、今のはもしかして挨拶?)こそこそ

(うちにもわからんけど、そうなんやないん?)こそこそ

10 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/01 23:57:13.44 GttypY3f0 10/26

穂乃果「二名でーす……」ニコ

店員「カチワリマシタ」ペコ

穂乃果「……かしこまりましたかな」こそこそ

「せやないかな?」こそこそ

店員「コッチニドーゾ」

穂乃果「はーい」


個室――

「換気扇付き、掘りごたつ焼肉……最高やん」

穂乃果「でしょでしょ!」

店員「オノミモノハー?」

「ウーロン茶で」

穂乃果「オレンジジュースお願いします」

店員「カチワリマシター」ペコ

18 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/02 21:55:34.29 /Q+v6Dw10 11/26

穂乃果「なににするー?」ワクワク

「穂乃果ちゃんは牛派?豚派?鳥派?」

穂乃果「えー……そうだなあ。牛がいいかな。カルビとか好きだよ」

「そっか、じゃあまずはカルビ行っとこ」

穂乃果「わーい! 希ちゃんは?」

「うちはどれでも、タレが美味しければいける口や」

穂乃果「タレは……醤油テイストと、柚子胡椒風味の塩と、あとレモン……」

「タンはいる?」

穂乃果「食べるッ」

「はいはいっと、あ、メニュー見える?」

穂乃果「うん、見えるよー……あ、韓国風冷麺食べたい」モジモジ

「太るでー」

穂乃果「いいもんいいもん。明日、練習するもん!」

「じゃあ、それと……あ、ご飯とかいるん?」

穂乃果「ご飯はまだいいかなあ」

「サラダとかは?」

19 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/02 22:00:33.48 /Q+v6Dw10 12/26

穂乃果「希ちゃんの好きなのでいいよッ」

「じゃ、和風サラダ頼もっと」

穂乃果「デザートもけっこうあるんだね……」

ペラ

「パフェとかもあるんや」

穂乃果「……」ごくり

「これは、あーと」

ペラペラ

穂乃果「ああん……わかってるもん」

「お肉は他に欲しいもんある?」

穂乃果「ぼんじり食べたいかも……」

「ああ、ええよええよ」

穂乃果「希ちゃんも何か好きなの言ってね?」

「んー……せやな、じゃあピートロいこ」

穂乃果「あ、私も好きッ」

「とろけるよなあ」

穂乃果「とろけるよねー」

21 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/02 22:06:03.61 /Q+v6Dw10 13/26

「とりあえず、こんなもんでえっか」

穂乃果「頼みすぎてないかな食べれるかな?」

「へーきへーき。育ち盛りやん」

穂乃果「……」サスサス

自分のお腹をさする。

「ボタン押すでー」

穂乃果「うん」

ピンポーン!





ガラッ――

店員「オレンジジュースト、ウーロンチャニナリマース」

穂乃果「ありがとうございます。注文いいですか?」

店員「カチワリマシター」

穂乃果「えっと、まずはカルビ……」

店員「ハイ……エット……トクジョウギュウカルビ……ヒトツ」カキカキ

「いや、特上やのうて、普通のカルビな」

店員「トクジョウ?」

「いや、普通」

店員「トクジョウ?」

「フ・ツ・ウ」


22 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/02 22:28:55.17 /Q+v6Dw10 14/26

店員「……タマリマセン」

穂乃果「……希ちゃん、どうしよ」

「……しょうがない。……特上行こッ。これは、ウチの奢りな」

穂乃果「ええ、悪いよッ」

「ま、もしかしたら滅多に来れんなるかもしれんしな」

穂乃果「……んー、じゃあお言葉に甘えます!」

「よろしい」ニコ

穂乃果「えっと、あとピートロ」

店員「ハイ、ウワミスジヒトツネ」

穂乃果「ち、違います違います!」

穂乃果「ピートロッ」

店員「……エ? オキャクサン、イマナンテ?」

「……ほ、穂乃果ちゃん、注文いったんキャンセルして、ちょっと他の店員呼んだ方がええんとちゃう?」

穂乃果「そ、そうだね……」

23 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/02 22:38:01.19 /Q+v6Dw10 15/26

店員「イジョウデ?」

「す、すいません。ちょっと、今の全部キャンセルしてもらっていいですか?」

店員「イイデスケド……」シュン

穂乃果「……すっごく、悲しい顔してるよッ」こそこそ

「い、いやいや同情したいとこやけど、できん……」こそこそ

穂乃果「も、もしかして……最近入ったバイトさんで、注文を取るのが楽しい段階なのかも」こそこそ

「う……ーん。じゃ、韓国風冷麺頼む?」

穂乃果「うん……。あの、韓国風冷麺一つお願いします」チラ

店員「ア……」

「……お?」

店員「……レイメン?」

穂乃果「そうそう!」

店員「カンコクフウ?」

「せやで!」

店員「カチワリマシタ!」ニコ

穂乃果「やった! やったね!」

「良かったな!」

店員「イエーイ!」

パン!(ハイタッチの音)

24 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/02 22:41:04.55 /Q+v6Dw10 16/26

店員「チョットマッテテヨー!」

「ゆっくりでええでッ」

穂乃果「焦らなくていいよ!」

店員「マカセテヨッ」

ガラ―

「良かった良かった! やればできるやんな!」

穂乃果「うん!」

穂乃果「……」

「次は、別の店員さん呼ぼうか」

穂乃果「そうだね」

27 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/02 22:46:12.88 /Q+v6Dw10 17/26

店員「……カンコクフウレイメン♪ カンコクフウレイメン♪」

トタタタ―ドンッ

店員「ホアッ!?」

絵里「……いったあ」クラッ

店員「オケガ?!」

絵里「あ、いえ大丈夫です……すいません」ペコ

店員「ヨカッタ」

絵里「あの、ここに二人組の……」

店員「ニメイサマ? カチワリマシター!」

絵里「はい?」

店員「コシツ!」

絵里「……え、あ、いやちょっと、どこに連れ込む気?!」

店員「コシツ!」

絵里「ひッ……や、止めて!?」

海未「ラブアローシュート!」

ドシュッ

店員「ホアッ!?」

バタッ

28 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/02 22:52:06.13 /Q+v6Dw10 18/26

絵里「海未!? どうして、あなたがここに!」

海未「……焼肉を、食べに来たんです」

絵里「……ホントに?」

海未「ええッ」

絵里「嘘よ」

海未「嘘なんて……」

絵里「ホントは、希と穂乃果のことが気になって追いかけてきたんでしょ」

海未「そ、そういう絵里は、なぜここにいるんですかッ」

絵里「私? 私は、ここでバイトしようかなーって……」

店員「……ウーン……」

海未「……」チラ

絵里「……」チラ

海未「絵里、私良い事を思いついたのですが」

絵里「奇遇ね、私もよ」

海未「交代でどうですか」

絵里「いいわよ」

海未「じゃんけんで勝ったら、先に。負けたら、後に」

絵里「オーケー」


じゃんけん――ぽん!

29 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/02 22:55:46.54 /Q+v6Dw10 19/26

トイレ――

ごそごそ

絵里「……っしょ。あとは、髪の毛を縛って」

絵里「よし、できた……」

店員(絵里)「密室で女と女が二人。間違いが起きないわけがない……」ゴクッ

海未「絵里、できましたか? 今なら、誰も通ってないですよ」

店員(絵里)「行けるわよ」

海未「しっかり邪魔してきてくださいね」

店員(絵里)「ええ。任せて」

海未「誰か来ないか、見張っておきます」

店員(絵里)「お願い」

30 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/02 22:58:57.28 /Q+v6Dw10 20/26

穂乃果「まだかなー」

「さっき頼んだばかりやん」

穂乃果「そうだけど……このもやしキムチ食べちゃお」

パカッ

ヒョイ

穂乃果「……あーん」もぐもぐ

「美味しい?」

穂乃果「からーいッ……ひりひりするー!」

「はい、お水」

穂乃果「あひがと……」ゴクゴク

コンコン―

「どーぞ」

店員(絵里)「失礼します」

穂乃果「まともな人……来たよ」こそこそ

「ほんまや……」こそこそ

31 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/02 23:06:15.20 /Q+v6Dw10 21/26

穂乃果「……」ニコ

(安堵のあまり、笑顔)


店員(絵里)「……!!」ズキューン!

「どないしたんですか?」

店員(絵里)「……フフ」

穂乃果「?」

店員(絵里)「い、いえ……お、お客様。お召し上がりになる前に、こちらの櫛で髪の毛をといてください……」

スッ

「?」

穂乃果「きっと、ご飯の上に落ちないようにっていう配慮じゃないかな?」

「せやな、もしかしたら、お店の作法なんかもな」

32 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/02 23:14:03.22 /Q+v6Dw10 22/26

店員(絵里)「上着もお預かりしますね」

穂乃果「あ、匂いがついちゃうところだったね」

「なるほどな」

ゴソゴソ――

店員(絵里)「こちらのクリームを塗ってください……」

ゴトッ

「なんや苺みたいな甘い匂いがするな。もしかして、これで焼肉の匂いが染み付くんをおさえられるんかもな」

穂乃果「そうかもね。じゃあ、肌にまんべんなく塗ったらいいかな」

ヌリヌリ――

穂乃果「……乾燥肌が潤った」ぐー

穂乃果「……お腹すいた」

「うちも。あの……色々とありがたいんですけど、そろそろお腹が空いたので、注文いいですか?」

店員(絵里)「はい」

穂乃果「……あ、身体が熱い」

「え?」


33 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/02 23:18:45.54 /Q+v6Dw10 23/26

店員(絵里)「もう3分ほどで、すぐ出来上がりますので」

「……う、うちも何か火照って」

店員(絵里)「……」

穂乃果「……あう」こて

「ほ、穂乃果ちゃん!? しっかり!」

穂乃果「土星が見える……」

「違う、それ電球やッ」

穂乃果「うーん」

「ほのかちゃああん!」

店員(絵里)「……希」

「だ、だれ?!」

絵里「私よ」

「え、えりち……ここでバイトしよったんか?!」

34 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/02 23:25:56.30 /Q+v6Dw10 24/26

絵里「違うわよ。二人に間違いがあったらいけないから見に来たの……」

「うち、そんな信用ないん?」シュン

絵里「ち、違うの。ごめんなさい希」

「えりち……」じッ

絵里「うッ」

「焼肉食べよ?」

絵里「……そんなのより、希が食べたい」

「……えっと」

絵里「希……」

ズイッ

「え、えりち……あ、あかんって、ここはッ」

ガラ――!

35 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/02 23:29:57.55 /Q+v6Dw10 25/26

海未「お楽しみの最中にすいません」

「海未ちゃん!?」

海未「絵里」

絵里「な、なに。ここからがいいところなのよ」

店長「……オキャクサン」

海未「捕まりました」

絵里「わーお」

穂乃果「……はッ」パチ

キョロキョロ

「……穂乃果ちゃん」

穂乃果「……や」

「や?」

穂乃果「焼肉たべさせてよお……」グス

「せやなあ……」




おわり

36 : ◆/BueNLs5lw - 2014/12/02 23:30:33.83 /Q+v6Dw10 26/26

終わりです
焼肉食べたい

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