1 : ○堀人 - 2014/11/17 01:11:39.70 6fD5q1NM0 1/92※これはモバマスの女王様系ドSアイドル「財前時子」のSSです。
※多少オリジナル成分を含みますのでご了承ください。
元スレ
【モバマス】ハートの女王様【財前時子SS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1416154289/
P「おはよざーす」
後輩「あっ、先輩おはようございます。聞きましたよ~新しい子また見つけて来たらしいじゃないですか!」
P「ん?あぁ時子の事か、ラッキーだっただけだよ。っていうか本来それはプロデューサーの仕事じゃないしな」
後輩「まぁそりゃそうですけどね。彼女もう出勤して奥の休憩室で待たせてますよ。しっかし先輩ああいうタイプ捕まえてくるの上手いっすよね~」
P「ああいうタイプって?」
後輩「ああいうキツイタイプっすよ。留美さんとか木場さんも確か先輩が連れて来ましたよね?」
P「ああ~…何でだろな?別に意識してる訳じゃないけど」
後輩「まぁ先輩ってわりと男らしいって言うか頼もしい感じをだすのが上手いのかもっすねぇ」
P「そうだったらありがたい話だけどな」
時子「ちょっと」
後輩「!?」ビクゥッ
時子「いつまで待たせる気なのかしら?」
P「おぅ、時子ちゃんおはよう」
時子「(ピキッ)…時子ちゃん?…不躾ね、芸能界の人って礼儀も知らないのかしら?」
P「あぁ~ごめんごめん、じゃその芸能界についてとか今後の方針とか決めるから会議室行こうか」
時子「チッ……まぁいいわどうせ退屈しのぎですもの」
後輩「いってらっしゃーい…」
時子「ねぇ、そこの人」
後輩「はい…?」
時子「懺悔の言葉を用意しておきなさい」
後輩「は?」
真奈美「おやおや、どうやら私達はキツイ女だそうだよ留美さん」
留美「そうですね。残念です」
後輩「え……げぇ!?お二人ともお揃いでぇ!!??」
******************************
P「まぁここまでがうちのプロダクション及び俺個人の基本理念と方針だ」
時子「…素材を生かすプロデュースって言うけど甚だ疑問ね。あの向井拓海とかいうガサツなのはどうなのよ。元々暴走族でって聞いたけど?」
P「いいや、アイツはあれで世話好きだしアレでいいのさ。塩はしょっぱいけど料理をしょっぱくするためだけに入れる調味料じゃないだろ?」
時子「知らないわよそんなの」
P「…まぁいいや、という訳で君のプロデュース方針はこれだ」パサッ
時子「…………………何なのこれ」
P「高慢な女王様アイドル財前時子。なかなかいいだろ?」
時子「貴方馬鹿なの?頭に何か涌いてるの?こんなのやる訳ないでしょ」
P「どうして?」
時子「こんな売れない2流芸人みたいなコンセプトを易々と受けるほど安い女だと思わないで」
P「易々とは受けないか…渋々なら受けてくれるか?」
時子「癪に障る言い方ね…何?私をバカにするためにこんな所に連れてきたの?」
P「まぁ聞いてくれよこれでも勝算があるんだって、まずな…」
…
時子「ふぅん…貴方の言い分は分かったわ。一応確認しておくけど、私が業界に詳しくないからって騙してないわよね?」
P「もちろん」
時子「私の家の事は知ってるんでしょ?もし騙してたら…」
P「大丈夫だって!少しは信じろよ!」
時子「じゃあ私からも条件を出させてもらうわ」
P「は?条件?」
時子「当然でしょ?対等以下の契約なんてする訳ないじゃない」
P「って言ってもなぁ…何が望みかは知らないが契約書の内容なんてそうそう変えれないぞ…」
時子「ふふふ…安心して頂戴。契約を結ぶのは貴方とよ」
P「へ?俺と??」
時子「そうよ、企業と個人の契約なんて信用できないけど人間同士の契約なら信用できるわ。貴方だって仕事より自分の命の方が大事でしょ?」
P「おい、お前な…」
時子「お前…?口の利き方がなっていないわね。時子、財前時子よ。様付けで呼びなさい」
P「おまっ…………………財前様…私個人とのご契約とはどういう事でしょうかー」
時子「簡単よ、貴方私の下僕になりなさい。そしたら言う事を聞いてあげるわ」
P「はぁっ!?下僕ぅ!?」
時子「あら不服?なら、しもべでも下男でも何とでも呼んであげるわ」
P「いや、そうじゃなくてだな…」
時子「煩い豚ね…いい事?貴方さっき私ならトップアイドルになれるって言ったわよね?きっと同じことをどの娘にも言ってるんでしょうけど、そんなの知った事ではないわ。私をトップアイドルにすると言った以上はそれを遂行なさい。もしもダメになった時に私だけ無様に捨てられて、貴方はのうのうと業界に居続けるんでしょうけど、そんなのは許さないから。お分かり?」
P「………」
時子「…ふん、やっぱりそんなものよね。じゃあ私は帰らせてもらうわ、面白そうと思って着いてきたけど肩透かしだったみたいだし…」
P「……待てよ」
時子「嫌よ」
P「待てったら…!」
時子「五月蝿い」
P「待って下さい…財前様!」
ピタッ
時子「……うん?」
P「財前様お願いします。僕に財前様のプロデュースをさせて下さい。絶対…絶対トップアイドルにして見せます。この事務所には貴女が必要なんです。お願いします!」
時子「……………………クックック…いいお返事ね」
P「え…」
時子「いいわ、付き合ってあげる。ただし、トップアイドルになるまで貴方は私の奴隷。いいわね?」
P「…ぃよっしゃあ!ありがとう!ありがとう時子ちゃん!…………あっ」
時子「………とりあえず、正座」
P「…はい」
****************************
後輩「おはよーございまーす」
ちひろ「あら、おはようございます。後輩さん」
後輩「あ、ちひろさんP先輩は?」
ちひろ「Pさんなら向こうで…」
P「でな、向こうのオーダーとしては図のような格好で…」
時子「はぁ?何よこれ、却下に決まってるでしょ」
P「まぁ流石に俺もそれはやり過ぎだと思うから調整する予定なんだけど…」
後輩「あ、向こうか」
後輩「先輩、時子さんおはようございます………ってあれ?先輩は」
時子「おはよう。豚さんをお探しならここにいるわよ」クイクイ
後輩「へ?下…?」
P「…おはよう」
後輩「………えっと…先輩どうして時子さんの椅子になってるんです?」
時子「彼が望んだからよ」
P「違うわ!」
時子「は?何?口答えするの?」
P「うっ………何も聞くな…俺が…俺が自ら望んで椅子になっているんだ…」
後輩「えっ…はい…」
時子「それじゃあ続けるわよ、この3番の項目なんだけどどういう事なの?」
P「ああ、それはだな…」
後輩「ちひろさん…あの、これは…」
ちひろ「出来れば触れないであげて下さい…それとPさんはしばらく彼女専属でプロデュースとマネージメントするそうなので、後輩くんはその分がんばってくださいね」
後輩「え」
**************************
時子「ちょっと私の隣でフラフラしないでよ。その馬鹿みたいな脂肪をスカスカの頭に詰めたらどうなの?」
くるみ「うぇ…」
P「あ~、よしよしよし…いいか~お姉ちゃん口は悪いけど、くるみの事を心配してるんだよ~…よしよーし」
時子「照明のタイミングが遅いわよ、この愚図」
P「あああーごめんなさい!ごめんなさい!照明のタイミングをもうちょっと!あとワンテンポ早くするだけで大丈夫ですんで!はい!」
時子「何この服。貴方ホントにプロなの?」
P「ごごごめんない!ちょっ~とこの辺ほつれててですね!あと出来ればもうちょっとこの辺をこう!こうして~でお願いします!すいません!」
時子「五月蝿いハg」
P「はあああああああっくしょおおおおおおおおぅぅん!!あ、失礼花粉症でして」
**************************
時子「じゃあね、お疲れ様」
P「明日もお待ちしてます…」
P「」白目
後輩「先輩…お疲れ様です…」
P「ハゲそう…」
後輩「いや、もう…いえ何でもないです」
P「」ポロポロ
後輩「無言で泣くのやめてくださいよ…」
P「俺はハゲてないハゲてないハゲてないハゲてない…」
後輩「…そもそも何であんな子連れて来たんです?確かにキレイな子ですけど、性格に難があるってレベルじゃ…」
P「……まぁ…そのうち言うよ」
後輩「はあ…」
*************************
P「(何だかんだありつつも時子のアイドル活動も軌道に乗り始めた)」
P「(苦労はしたが何とか口説き落としてバラエティに出演させたら案の定話題になった)」
P「(一分の隙も無く、デレる気配もヘタれる素振りもない生粋の女王様アイドルとして、少しずつだがお茶の間に浸透している)」
P「(トップアイドルへはまだ遠いが、間違いなく近づいた。後は少し…ほんの少しばかりの隙があれば)」
時子「ねぇ」
P「はい!何でしょう財前様!」
時子「私のファーストライブの件、会場は取れたの?」
P「はい!オールスタンディングで1000人収容クラスでご用意しております!」
時子「ふぅん…そんなものなのね」
P「申し訳ありません。しかし満員には出来るかと」
時子「当然よ」
P「不肖、この豚P。頑張らせて頂きます」
時子「自分で自分を豚呼ばわりなんて恥ずかしくないの?」
P「滅相もございません」
時子「そう。だけど私醜いものは嫌いなの。だから貴方は今日から犬よ」
P「はい、今日からは駄犬として一層頑張らせていただきます。財前様」
時子「クックック…楽しみねぇ」
P「(俺の下僕生活も板について来たなぁ)」
法子「おはようございまーす!」
くるみ「あ…あのおはようございましゅ…」
P「おぅ!法子にくるみちゃんおはよう!」
時子「チッ……あら、お早う」
くるみ「Pしゃん…今日も椅子なんですか…?」
P「まぁな」
時子「ちょっと、人が躾をしている最中なんだけど?」
くるみ「ひぅっ!?……」
P「PさんPさん!駅前のドーナツ屋さんに新作が出てたんですよ!Pさんにもあげますね!」
時子「法子…何度言えば分かるの、人の犬に餌をあげないで頂戴」
P「あ、これ美味しいわ」モグモグ
時子「……誰に尻尾振ってんのよ、この犬は」ギリギリ
P「いだだだだっ!?財前様!!爪!!綺麗なお爪が食い込んでます!!!」
仁奈「おはよーごぜーます!あ、プロデューサーが今日も豚さんの気持ちになってやがるです!仁奈もやるでごぜーます!」
文香「おはようございます…その……ぶ……ぶたさん」
ちひろ「Pさ~ん例の資料です。」パサッ
P「ああ、みんなおはよう。ちひろさん…床に置いてくれるのは助かりますけど、そっと置いてくださいよ、散らかったらとりに行けないんだから」
P「(浸透してるなぁ…)」
P「あの…財前さま?…手の甲にヒールが刺さっ…はい、ありがとうございます」
*************************
~レッスン場~
トレーナー「1.2.3.4.1.2…」
後輩「おじゃましまーす…」ガチャ
P「おう、お前も来たのか」
後輩「お疲れ様です。どうですか時子さん」
P「ん?あぁ、さすがに初めてのソロライブ前だからなこれまでとは気合が違うよ」
後輩「俺が担当してる子達もバックで使ってもらっちゃってすいません」
P「いいって事よ、あの子らにもいい経験だしな。持ちつ持たれつさ」
後輩「普段女の子に虐げられてる人とは思えない余裕ですね」
P「おい」
くるみ「ひゃあっ!?」ドテン
P「ん?」
後輩「あちゃ…」
トレーナー「ストップストップ、くるみちゃん大丈夫?」
くるみ「うぅぅ…ごめんなしゃい…」
時子「ちょっと、いつまで座ってるのよ」グイッ
くるみ「ひゃあ!……ごめんなしゃ」
時子「そんなの聞き飽きたのよ、貴方ここで失敗するの何回目なの?本当に愚図ね」
くるみ「うぇ…」
トレーナー「時子さん!いい過ぎです!」
時子「何?私たちはプロなんでしょ?次のライブはお遊戯じゃなくて興行なんでしょう?だったらこの子に失敗なんて許されないのよ」
トレーナー「それはそうですが…」
時子「チッ…」
真奈美「時子くん、初ライブ前でナーヴァスになるのは分かるが、ここでこの子を萎縮させてもどの道失敗するよ。プロを名乗るなら周囲のメンタルも計算に入れたまえ」
時子「…」
法子「くるみちゃん大丈夫だよ、大丈夫。また練習しよ?ね?」
くるみ「ふぇ…うぇぇ…」
時子「………………今日の練習は終わりよ。お疲れ様」クルッ
トレーナー「あっ!ちょっと時子さん!」
時子「うるさいわね、終わりよ終わり。P!ぼさっとしてるんじゃないわよ!」
P「………はいはい…」
後輩「先輩…」
P「わりぃ、フォロー頼んだ。こっちはこっちでどうにかしとくから」
後輩「……うっす」
ガチャ
バタン
トレーナー「時子さんったら…もう!」
真奈美「トレーナー、今は彼女にも時間が必要だ。一晩頭を冷やせば彼女も分かってくれるさ」
トレーナー「木場さん…」
*****************************
カッカッカッ…
時子「…」
P「…」
時子「………」
P「………」
時子「………………何か言わないの」
P「特に」
時子「チッ…何が『特に』よ」
P「特に言うことはありませんので」
時子「…」
P「財前様」
時子「何よ」
P「どうしてくるみを選んだんですか?」
時子「…」
P「確かに私は『女王様ルックの財前様と対比になるようなコケティッシュな子』を指定しました。ですが何故くるみだったのですか?」
時子「………」
P「千枝、みりあ、メアリー…うちの事務所にはいくらでも候補がいました。その中であえてくるみを選んだ。未熟なくるみに対する憐憫ですか?それとも同期入社のよしみ?まさか先に挙げた先輩アイドルの少女に対する遠慮ですか?いやいやそれでは『首輪をつけたクールな美形』を木場さんにした事と矛盾しますよね。自身初のソロライブという大事な仕事をくるみに任せる理由…お聞かせ願います。」
時子「…五月蝿い犬ね」
P「聞かせて…くれますよね?時子ちゃん?」
バァンッ!!!!
時子「…アァン?」
P「突然扉なんて叩いたら中の人が驚くよ、時子ちゃん」
時子「…やめなさい」
P「時子ちゃん」
時子「…止めろと言っているでしょう!!!!」
バチィンッ!
P「………時子ちゃん」
時子「このっ…駄犬がぁ!!」
バチィンッ!!
P「…」
時子「いいわ!馬鹿な駄犬がせがむから教えてあげる!私はああいう馬鹿でノロマな可愛いだけの愚図が嫌いなの!!分かった!!」
P「…」
時子「返事くらいしなさい!この駄犬!」
P「かわいいとは思ってるんですね」
時子「くっ…馬鹿にしてっ!」
バチィン!
時子「胸糞悪い…二度と顔を見せないで頂戴!」
P「財前様どちらへ」
時子「帰るのよ!タクシーで!」
P「それでは明朝お迎えにあがります」
時子「…」カツカツカツ…
後輩「…せんぱ~い」
P「おう、見てた?」
後輩「すんません」
P「恥ずかしいところ見られたな。くるみは?」
後輩「木場さんと法子ちゃん達の励ましで何とか練習再開しました。」
P「そっかならば良し」
後輩「いやー彼女にも困ったもんですねー…どうして叱り飛ばしてやらなかったんですか?」
P「ん?あぁ、アイツも今は堪えてるだろうからな。溜め込むのも良くないから、とりあえず怒りを限界まで引き出してやった」
後輩「堪えてる?時子さんがですか?」
P「あぁ、もちろん」
後輩「いや、だって…」
P「くるみが転んだ時、立たせたのは誰だ?」
後輩「え?時子さんですけど…」
P「そう、くるみをこのライブに参加させたのも時子。転んだくるみを立たせたのも時子。くるみを叱り飛ばしたのも時子だ」
後輩「えっと…いやでも」
P「お前はどうして時子がくるみを選んだと思う?」
後輩「えっと…苛めるため…とか」
P「性格悪いな」
後輩「すんません。でも他に起用する理由が無いじゃないですか」
P「まぁ俺も本人から直接聞いた訳じゃないし、確かな事は言えないんだけど…アイツの厳しい家柄を考えたらな…」
後輩「どこでしたっけ、デカイ会社の令嬢なんですよね」
P「『愚図は嫌い』か…もしかしたら自分が言われてきたことをそのまま言ってたりするのかな」
後輩「そうなんすかねぇ……ところで先輩頬真っ赤ですよ。大丈夫ですか?」
P「ん?あぁ痛キモチいいくらいでどうって事はないけど…ヤバイ?」
後輩「……ヤバイっすね」
P「マジかー」
***********************
~翌日・財前邸~
ピンポーン
P「モバプロのPです。時子さんをお迎えに来ました。」
ガチャ
使用人「あ、Pさんですね。申し訳ございません、お嬢様は今日…」
P「??」
~レッスン場~
P「こんちわー…」
トレーナー「あ、Pさん!ちょっとどういう事ですかこれ?」
P「…と言うと?」
トレーナー「もう…Pさんまでとぼけないで下さいよ…ほら時子さん」
時子「ワン・ツー・スリー・フォー・ワン…全く、どれだけノロマなの…バランスが悪いのは足りない頭のせい?それともその馬鹿乳?」
くるみ「うぅぅ…ごめんn」時子「ごめんじゃないわよ、悪いと思ってるならさっさと改善なさい」
くるみ「…はい」
P「(ニヤニヤ)」
トレーナー「Pさんどうやったんですか?時子が急にくるみちゃんを指導するなんて…」
P「自分のソロライブを成功させたいだけですよ」ニヨニヨ
トレーナー「はぁ…」
*************************
~ライブ当日~
時子「…」
P「財前様、そろそろお時間です」
時子「分かっているわよ…衣装に問題は無いわね」
P「はい、ございません」
時子「P………………………何でもないわ」
P「はい、それではいってらっしゃいませ」
時子「…えぇ」
P「楽しんで来いよ、最初は最後だけだぞ」
時子「…ふん、生意気な忠犬ね」
P「わんわん!」
時子「いいわ。無事成功したらご褒美をあげる。」
P「成功するんだろ?」
時子「…そうね、訂正するわ。終わったらお礼をしたいから……その…待ってなさい」
P「…仰せのままに」
時子「…………さぁ!豚どもに餌の時間よ!」
~ライブ終盤~
ワアアアアアアアアアッ!!
ファン「時子さまあああああああ!!!!」
「踏んでええええええええええ!!!!」
「P・I・G!!P・I・G!!」
時子「ハァ…ハァ……ウフ…さぁ次で最後の曲よありがたく聴きなさい!!『Slave New World』!!!!」
ウオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!
時子「(クククッ…いい…いいわ!……豚どもが私を見上げている…!)」
時子「(初めは断ろうとも思っていたけど…)」
豚「と・き・こ!Hey!と・き・こ!Hey!」
時子「(悔しいけど……感じちゃうわ…!!)」
~数分後~
時子「クックック……みんな満足した?」
ワアアアアアアアアアアアア!!!!
時子「卑しい豚どもね、でも今日はこれまで。足りなければ次もライブも来なさい!…それじゃ」クルッ
ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!????
くるみ「……」プルプル
真奈美「フフッ…」
法子「えへへー」
時子「!?」
法子「ほらほら、くるみちゃん♪」
真奈美「こわーいお姉さんに仕返しするだけさ。さっ、お客様もお待ちかねだよ」
くるみ「ふぇ…あの…その…初ライブおめでとうございましゅ……あの…お花…でしゅ…」
時子「は?」
くるみ「あの…その…お祝いと……その…ありがとうございましゅ…と」
くるみ「…仕返し」
時子「……」
法子「あれれー?時子さん顔が赤いですよー?♪」
真奈美「ほら、早く受け取らないとせっかくの花もくるみくんも泣いてしまうよ?最後はハッピーエンドで締めようじゃないか」
時子「………頂くわ」
ワアアアアアアアアアアアア!!!!
法子「やったねくるみちゃん!!大成功~♪」
真奈美「ふふふ、一矢報いたね」
時子「…」
*******************************
ワアアアアアアア!!トキコサマ-!!トキコサマー!!
スタッフ「「「お疲れ様でしたー!!!!」」」パチパチパチ
法子「お疲れ様でしたー!!」
くるみ「お疲れ様…でしゅ…」
真奈美「お疲れ様でした!!皆さんありがとうございました!!」
P「おう!みんなお疲れー!法子もくるみもバッチリじゃないか~」
法子「えへへー♪」
真奈美「やれやれ私は無視かな?」
P「もう木場さん何言ってるんですか。相変わらず完璧すぎてこれ以上褒めようがないですよ」
真奈美「ふふっ、世辞が下手だな君は」
時子「…」
P「財前さ」
バチィィンッ!!
法子「きゃっ!?」
くるみ「ふぇっ!?」
真奈美「!」
時子「…あんなの聞いてないわよ」
P「えぇ、サプライズですから。バレてたらダメですし」
時子「このっ…!!」
バチンッ!
パチンッ
ペチッ
時子「……私に恥をかかせないで」
P「申し訳ございません」
時子「…まぁいいわ、今日は機嫌がいいから許してあげる。感謝なさい」
P「ありがとうございます」
時子「…ご褒美」
P「はい?」
時子「忠犬にはご褒美をあげる約束でしょ」
真奈美「(む?)」
法子「(こ…これはまさか!?)」
くるみ「?」
時子「私のこと…名前で呼びなさい」
P「…」
時子「…」
P「かしこまりました。時子様」
時子「…………………」
P「…………………」
時子「ふんっ、まぁいいわ…」
真奈美「(ふふふっ、可愛いところもあるじゃないか)」
法子「(あっ、ドーナッツじゃないんだ…)」
くるみ「????」
アンコール!!アンコール!!
P「時子様、豚どもがおかわりをおねだりしてますよ?」
時子「クックック…いいわ、ぶくぶく太らせてから搾り取らなきゃねぇ…行くわよ!」
法子「はーいっ♪ほら、くるみちゃんもだよ!」
くるみ「ふぇ!?…ひゃ…ひゃい!」
真奈美「ファンサービスもプロの仕事だからね。キッチリ決めるさ」
P「(うんうん、まずは成功…かな?)」
真奈美「おっとP君」
P「はい?」
真奈美「人の趣味にとやかく言うつもりは無いが、前屈みは見苦しいから座りたまえ。年頃の女の子もいるんだよ?」
P「あ、はい」
****************************
~数年後~
後輩「いやぁ~…まさか、先輩と時子さんが結婚するとは…しかも事務所から独立した直後にこんな家まで建てて…」
P「かっかっか」
後輩「(いやまぁある点においてはベストカップルなんだけど…)あれ、時子さんは?」
P「あぁ、買い物に行ってるよ」
後輩「へぇ~自分から行くんですね。てっきりいつも先輩に買いに行かせてるのかと」
P「いつもなら俺が行くんだけど、今日は来客があるって言ったら自分で行くって」
後輩「尚更意外ですけど…」
P「ああ見えて時子は優しいからな。」
後輩「はぁ…」
P「……なぁ、お前は時子をどんな女だと思う?」
後輩「へ…?いや、それは…あの…」
P「遠慮するなよ、正直に言ってみろ」
後輩「………人を苛めるのが好きなサディスト?」
P「うんうん、まぁそうだろうな。じゃあもう一個聞くぞ。それは性格か?性癖か?」
後輩「はい?」
P「だから、人を苛めて喜ぶのはそういう性格だからか?性癖だからか?」
後輩「性癖まではわからないですけど…まさか時子さんあんな性格して夜はドM…?」
P「いやいや、アイツはドSだぞ。生粋の嗜虐志向者だ」
後輩「はぁ…」
P「俺が言いたいのはな「性格と性癖は別だ」って話だ」
後輩「まぁ違うでしょうけど」
P「『人を苛めて喜ぶ性格の奴』と『人を苛めて悦ぶ性癖の奴』はイコールじゃないだろう?」
後輩「性的興奮が伴うかって事ですか」
P「そういう事。時子は間違いなくサディストさ、だけど同時に結構優しい奴なのさ」
後輩「そう言えば先輩と二人で独立した後も何だかんだくるみの事気にかけてましたもんね」
P「そういう奴なんだよ」
後輩「でもという事は『人を苛めるマゾヒスト』も『人に苛められるサディスト』いるって事ですよね?」
P「まぁアルバート・フィッシュみたいな例もあるからな」
後輩「真性マゾヒストの連続殺人鬼でしたっけ?」
P「そうそう。よく知ってるな」
後輩「相手の知識も確認せずにそういう事いうなんてオタクっぽいですよ?先輩」
P「マジか」
後輩「マジです」
ガチャ
時子「ただいま」
P「お、おかえりー」
後輩「お邪魔してます」
時子「あら、いらっしゃい。御免なさいね狭い家で」
後輩「いえいえ、そんなこと無いですよ~(高級住宅街に家建てといて何を…)」
P「遅かったな」
時子「慣れてないのよ、スーパーなんて庶民の店。何か淹れる?」
P「コーヒーでいいよ。お前は?」
後輩「あ、じゃあ僕もコーヒーで…」
時子「待ってて」
P「…」
後輩「…」
P「知ってるか?アイツ時々人を散々苛めた後に凹んでるんだぜ?」ヒソヒソ
後輩「え?そうなんですか?」
P「顔には出さないけどな。大抵そういう時はイライラして俺に八つ当たりしてくるから分かるんだよ。」
後輩「はぁ…」
P「何ていうのかな…ああ見えて繊細なんだ。繊細だから自分の精神や存在をを守ったりするのに忙しいし、サディスティックな性癖が本人の意思と関係無くしゃしゃり出てくる。苛めて悦ぶ自分とそれを悪い事だと認識する自分との矛盾に耐えられないのさ」
後輩「そういうもんですか…」
P「お前だって担当アイドルの胸とか尻に目が行く時あるだろ」
後輩「それはっ…その…まぁ」
P「だろ?そういうレベルで出てきちゃうんだよ、性癖ってやつは」
後輩「分かるような分からないようなですね」
P「すまんな、説明が下手で」
時子「はい、コーヒー」コトッ
P「お、ありがと」
後輩「あ、すいません。頂きます」
時子「何話してたの?」
P「ん、嫁自慢」
時子「…アァ?」ギロリ
P「すいません…」
後輩「(うわぁ…あれは豚を見る目だ…)」
時子「コレに何を吹き込まれたか知らないけど忘れなさい」
後輩「はぁ…」
時子「い い わ ね ?」
後輩「は、はい!」
時子「よろしい、じゃ私は晩御飯の下ごしらえするから」
P「今日のご飯は何で御座いましょう…時子様」
時子「ミネストローネと豚のソテーよ」
P「おー」
後輩「……先輩…そのメニューってそんなに下ごしらえ必要なんですか…?」ヒソヒソ
P「いや、あれは嘘で単純に料理に慣れてないから時間がかか(ry」
スコーンッ!
P「いったぁ!?」
時子「あら、ごめんなさい。手が滑ったわ」
P「手が滑って蝋燭が飛んで来るわけ…!」
時子「あ?」
P「あります…」
時子「よろしい」
後輩「(何でナチュラルに蝋燭が飛んで来るんだ…)」
P「それと貴方」
後輩「はっ!?はいぃ!!」
時子「貴方も食べて行きなさい。料理が下手だなんて思われて帰られるのは癪だもの」
後輩「は…はぁ」
P「期待はし過ぎるなよ?」
時子「…」
P「あ、時子様…?流石に燭台はちょっとマズイかなーって…」
~しばらく後、夕食時~
P「人って言う字はさ、人と人が支えあってるとか片方の人ががもう片方の犠牲になってるとか言うじゃない」
後輩「まぁそうですね」
P「でもなどっちにしても一緒なんだよ。どちらかが欠けてしまったら倒れちゃうんだよ、人間ってやつは。どんな王様だって自分を支える国民がいなけりゃ王様でいられないんだよ」
後輩「はぁ」
P「俺はな、これからも時子を支えていくよ。そうじゃないとコイツは女王様でいられないからな。そして時子にはずっとを俺を尻に敷いてもらう。そうじゃないと俺が気持ち良くないしな」
後輩「…気持ち悪い惚気っすね」
P「もう~…もっと言って!」
時子「ハゲ」
P「頭皮だけは…頭皮だけはそっとしておいて…」
時子「いい子ね~よしよし」ゴシゴシ
P「やめてぇ!!頭皮が!!毛根がぁーっ!!」
後輩「(照れ隠しだな…)」
時子「さてと…じゃあ皿洗いお願いね、薄毛さん」
P「もう俺の心はボロボロだよ!!」
後輩「すいません、ご馳走様でした」
時子「どうも」
ガチャ
バタン
P「…」
後輩「…先輩、そろそろ教えてくださいよ。時子さんをスカウトした理由」
P「んん~…やっぱ教えない」
後輩「ええ~、何すかそれ~」
P「だって恥ずかしいだろ普通に」
後輩「…」
P「…分かったよ……実はな…」ゴニョゴニョ
後輩「…えっ?…」
~その日の夜・2人の寝室~
時子「(『俺がお前を支えてやる。だから俺にこの枷を着ける権利をくれ』か…ウフ、恥ずかしいプロポーズもあったものよね。そして何?この指輪?こんな安物を私に身に着けろだなんて…本当に…)」
P「どした時子?」
時子「何でもないわ。世界一恥ずかしい男の話を思い出してたの」
P「何だよソレ」
時子「ホント何なのかしらね。自分で自分の体を縛れるとかね」
P「はぁー…はぁー…トキコォ…」
時子「は?時子様でしょ?脳ミソどこに付いてるのよ貴方」
P「ときこしゃまぁ…」
時子「クックック…まぁいいわ私が忙しい間ちゃあんと一人遊びを我慢した貞淑な旦那様にはご褒美を上げなくちゃ…ねぇ?」
P「うんうん!…えっ?何これ?……目隠し?」
時子「えぇそうよ…よし……と……いいわよ。入って来なさい」
P「えっ」
???「フゴー…フゴー……」
P「え?え??なになに?…え?」
時子「今晩のゲストのポチよ。元々実家の使用人だったんだけどちょっとソッチの気があるのよ」
P「ん?…んんー?????」
時子「さぁポチ。貴方ももう半年はおあずけ食らってるんだもの、存分にやっちゃっていいわよ」
ポチ「ウオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!」
P「え!?ちょ!!?とっ…時子さん!!??」
パァン!!
時子「と・き・こ・さ・ま。分かるわよね?」
P「とっ…時子様!?そんな調教とNTRを同時行う高等プレイはちょっと…!?」
時子「さぁ、いっぱい悲鳴を聞かせて頂戴…ア・ナ・タ♪」
P「…(キュンッ)」
ポチ「んぎゅんっっ!!!!!!」
P「ひぎいいいいいぃぃぃぃぃぃぃ!!!???」
時子「あーっはっはっはっはっは!!!!」
時子「(ウフフ…せっかく手に入れた枷だもの、この指が千切れるまで外してなんかあげないんだから)」
時子「(ずっと…ずっとね…)」
P「抜いてええええええ!!抜いてええええええ!!!!」
時子「いきり立たせてんじゃないわよ!!尻軽がぁ!!」
P「んひぃぃぃぃぃぃッ!!」
~おわり~
93 : ○堀人 - 2014/11/17 02:53:49.96 6fD5q1NM0 92/92ここまで読んで下さった方々、お付き合いありがとうございました。
テーマは「女王様のままデレさせる」
ポンコツ化も逆転も無しにデレさせるのって難しいですね。一応リアル嫁の友人(指名・満足度No.1女王様)の話を下敷きに書かせてもらいましたが、ずいぶん難儀しました。