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【艦これ】龍驤「足りなかったもの」その10【安価】(6)
ーー足りないもの鎮守府
多摩「多摩達が出掛けてる間鎮守府は頼んだにゃよ」
曙「なんであたしが秘書艦代理なのよ…」
多摩「菊月はよく姿を消すし、千代田は論外にゃ。荒潮は孤児院にゃし望月には合わない仕事にゃ」
曙「だからって…」
多摩「今日は例によって菊月が居ないにゃ、深海提督と好きなだけ仲良くしてろにゃ」
曙「うっさい!アンタに言われたくないわ!」
深海提督「……」
ガングート「こちらも準備はできているぞ」
朝雲「ガンビアベイさんは先に行ったって」
山雲「出先からそのまま~横須賀に向かうみたいね~」
北上「じゃあそろそろ出発しますか~っと」
伊14「夕張さんを迎えに行って、そのまま横須賀なんだよね?」
伊13「そうだよイヨちゃん…」
伊26「お姉ちゃんも準備いい?」
伊19「うぅ……もっとお洒落とか…せめてクマは取りたかったのね…」
北上「撮影はお洒落NGなのは分かってるでしょ?あとクマは自業自得だね」
ジャーヴィス「行きますよウォースパイトさん!」
ウォースパイト「ええ、行きましょう」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
920 : 以下、名... - 2019/09/26 19:37:42.83 4N731oR5O 470/515横須賀でも鋭意準備中
ーー横須賀鎮守府
青葉「カメラの準備はバッチリですよ司令官!ー
提督「ありがとう青葉」
青葉「夕張さんもイイカメラ持ってたみたいですけど、青葉も負けてはいません!」
提督「いや、あのカメラは俺が買ったものなんだ」
青葉「そうだったんですか?」
提督「あぁ、仲間が増える度に写真を撮る。そう決めた時に買ったものなんだ」
青葉「司令官、ならそのカメラで撮影しませんか?青葉のカメラは性能では勝ってますが、それより大切なものがありますよ!」
提督「…そうか?」
青葉「まだ多摩さん達は到着してませんから、今からでも準備は間に合います!待ってて下さいねー!」
龍驤「もうカメラの用意できたん?」
提督「いや…夕張のカメラでセッティングをし直すそうだ」
龍驤「……うん。青葉らもええ子なんやね」
提督「青葉や秋雲は戦力としても申し分無いが、俺達の話を聞いて一緒にやりたいと言ってくれたんだ」
龍驤「名取は由良の側に居たかったって理由もあるやろうけどね」
提督「…俺も準備をしておこう」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
925 : 以下、名... - 2019/09/26 20:03:17.38 LgXgeoIDO 473/515扉は使いようによってはまだまだ悪用可能なので密かに扉を監視する組織を発足させる計画を話す菊月と富士
平和をただ享受するのではなく持続させる努力はこれからも必要だと
そして人間が居る限りまた何かトラブルは起こるだろうとも
富士「扉を監視して守る…考えは素晴らしいけどそれは無理ね」
菊月「何故だ」
富士「そもそも理想郷への扉は偶発的に開くものなのよ。私みたいに扉の位置を知っていて、尚且つその力を持っているのは稀中の稀なの」
菊月「ストーンヘンジやらの話はどうした。あれは扉を開くための『モノ』じゃないのか?」
富士「あれは扉を開こうとしてああなったんじゃないの。あの地でのみ信仰されていた宗教のシンボルに力が注がれて扉が開いたのよ」
菊月「…平和をただ享受するのではなく持続させる努力はこれからも必要だ。そして人間が居る限りまた何かトラブルは起こる」
富士「そうでしょうね。でも私達はそれには干渉できないのよ」
菊月「黙って見ているだけだというのか……」
富士「こんな話よりこの後の事の方が貴女にとって大切よ。幹部と共に取材を受けるのよね?」
菊月「週刊誌だというのが気になるが、龍驤達のことを記事にした記者だから信頼はできるそうだ」
富士「艦娘への細胞治療についての記事を出すだなんて、随分と思い切ったのね?」
菊月「以前の大本営とは全く違うということをアピールするためだ」
富士「その思想はとてもいいことだと思うわよ」
菊月「…時間だ、失礼する」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
932 : 以下、名... - 2019/09/26 20:32:33.25 q4VsM+H7O 476/515深海海月姫と会う菊月
ーー鉄の海域
深海海月姫「貴女と会うのも随分と久しぶりねぇ」
菊月「色々と忙しかったからな」
深海海月姫「あの人は幸せにしているの?」
菊月「…時々暗い顔をしている。お前の事を気にかけているようだ」
深海海月姫「だから私を消しに来たのかしらぁ?」
菊月「……」
菊月「以前の私ならそうしていた。そうするしかないと考えていた。だがそれは間違った考えのようだ」
深海海月姫「貴女が他人の意見を聞くなんて、明日は嵐かもしれないわねぇ」
菊月「茶化すな」
オォォォォ……
菊月「成虫は元気そうだな」
深海海月姫「触手を使えばお話できるわよぉ?」
菊月「今度にしておく。これから別の仕事がある」
深海海月姫「貴女はここに何をしに来たのかしらぁ?」
菊月「…私が再会するまで司令官を守ってくれてありがとう」
深海海月姫「え…?」
菊月「話はこれで終わりだ。神威、戻してくれ」バシュッ
深海海月姫「あの子も……拗らせてるわねぇ」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
940 : 以下、名... - 2019/09/26 20:47:05.57 UgNojS3fo 479/515愛宕、那智に再度思いを告げる
ーー
那智「私に話とはなんだ?」
愛宕「あのね、那智……」
那智「言っておくが以前と同じ申し出なら断る」
愛宕「…う……ぅ…」
那智「お前が嫌いという訳ではない。私は色恋沙汰に興味か無いんだ」
愛宕「分かってるわ…でも……」
那智「女同士だからだとかそんなつまらない理由で断るんじゃない。貴様が私に癒しを求めているように、私も求めるものがある」
愛宕「それって…?」
那智「強さだ。深海棲艦の数が大きく減り脅威が少なくなったとはいえまだ油断できない」
那智「私は艦娘として生まれた以上、強くなることがその存在意義だと考えている」
愛宕「凄く…立派な考えね……」
那智「愛宕、私は恋愛というものがわからない。皐月達のせいで性知識や気持ち良いというものは知ってしまったが……大事な事は知らないんだ」
那智「そこでだ、私が艦娘では無くなったときに教えてくれないか?」
愛宕「艦娘じゃ無くなった時…?」
那智「幹部達の話によれば命が終わることなく解体ができるようになるかもしれないと。私にもそういう未来があるかもしれない」
那智「その頃には愛宕は新しい相手を見つけているかもしれないが…」
愛宕「貴女以外に考えられないの!いつまでだって待つわ!」
那智「そうか……うむ…分かった。貴様も本気ということだな」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
945 : 以下、名... - 2019/09/26 21:05:09.93 XbI6rK2No 482/515H幹部と朧の近況を
ーー
朧「提督、これで良かったんですか?」
H幹部「なにがよぉ?」
朧「本当なら提督が横須賀鎮守府に行ってたんじゃないですか?」
H幹部「あたしはそういうのに興味ナイのよ」
朧「なら幹部という立場も必要ないはずですよね」
H幹部「アナタ…言うようになってきたわね」
朧「提督のこと、ずっと見てますから」
H幹部「はぁ…しょうがないわねぇ」
H幹部「言っておくけど興味が無いのは本当よ?今さら鎮守府の提督なんて…」
朧「他に理由はあるんですよね?」
H幹部「見たくなったのよ、あの子達がどんな鎮守府にしてくれるかってね」
朧「漣やあの提督ですね」
H幹部「世界はそんなに単純じゃないわぁ。でもあそこまで純粋な気持ちって、久しぶりに見たのよぉ」
朧「まるで昔の提督みたいですね」
H幹部「アナタ…分かってて言わせたわね?」
朧「そんなことありませんよ」
H幹部「ホント、嫌なとこばっかり見られちゃってるわねぇ…」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
949 : 以下、名... - 2019/09/26 21:23:11.97 QfFvcgDh0 485/515夜中に月を眺めているH幹部
ーー
H幹部「提督…足りないものの提督ね。あたしが体以外で男に興味を持つなんて何年降りかしら?」
H幹部「あたしも深海棲艦とは平和の道を築こうとした。けどそれはできなかったのよ」
H幹部「だからあたしはアプローチを変えて和平に乗り出した。そこが彼とは違ったのねぇ」
H幹部「足りないものの彼は諦めなかった。何度裏切られても信じるだなんて普通じゃできないわ」
H幹部「痛い目だって何度も見てる。それなのに自分を曲げなかったのはある意味才能ね」
H幹部「はぁ……妬けちゃうわぁ」
朧「感傷に浸っている所失礼します」ガチャ
H幹部「なによぉ……」
朧「漣ちゃんの所に遊びに行こうとしたんですが、今日は撮影という大事の用がありますので!って断られちゃいました」
H幹部「なによそれぇ…」
朧「提督、お酒飲みませんか?」
H幹部「まだ昼間よぉ…」
朧「こういう時はお酒です。この前いいお酒買ったんです、露の雫っていうんですけど……」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
955 : 以下、名... - 2019/09/26 21:32:22.97 cbGzuVTLo 488/515>>950
950 : 以下、名... - 2019/09/26 21:23:46.88 cbGzuVTLo 489/515あっちへこっちへ乾く暇もない深海綾波
ーー大本営
深海綾波「ひぃ……ひぃ…やっと終わった…」
「綾波様!次は私の番です!」
深海綾波「げえぇぇ…まだ残ってたのかよぉ……」
「その次は私!」
「私も綾波スペシャルを…!」
深海綾波「何度も死にそうになったけど…その度に生き残ったのは…持ち前の悪運の強さ…」
深海綾波「でも……こんな毎日毎日ヤってたら…体……もたないって…」
「そういえば今日って幹部さん取材とか言ってなかったっけ?」
「ならこの時間は何をしてもバレない…!」
「こうなったら三人で楽しみましょう!」
深海綾波「ぎぇーーー!誰か助けてぇーー!」
助けてくれぇーー
幹部「うん?何か声が聞こえたような気が…」
菊月「気のせいだろう。それより取材はもういいのか?」
記者「大満足よ。こんな特ダネうちから出せるなんて最高だわ!」
幹部「君のところは提督君を良く書いてくれた。それに龍驤君の情報を握り潰してくれたんだろう?」
記者「そんなに気にしなくていいわよ。あの写真を買った同僚にはフェイクだったって伝えたら納得もしてたし」
菊月「陽炎のこともなんとかなりそうだな」
記者「彼女髪の毛が金色になったんでしょ?金髪じゃなくて金色。そっちが書類を誤魔化せば彼女は最初からああだって言えるものね」
幹部「細胞治療の副作用がうまく出てくれたということかな」
記者「でも今日の話を聞いてそのまま記事にはできない所があるわ」
幹部「それはどこだい?」
記者「艦娘は戦闘に特化しているから生物的に劣る。だからこそ深海という環境に適応した深海棲艦の細胞を使うという所ね」
菊月「なにが不都合なんだ?」
記者「艦娘は~の所は問題無いの。変えたいのは後半部分の深海という環境に対応したって所ね」
幹部「いや、確かに全ての深海棲艦に確かめたわけではない。だが私の妻やこちらで面倒を見ている深海棲艦には話を聞いた」
菊月「事実を追いかけるジャーナリズムとして裏が取れないことは記事にしたくないということだな」
記者「そうじゃないのよ」
幹部「じゃあ一体なんだというんだい?」
記者「深海棲艦は全て深海にだけ適応したわけじゃないのよ」
菊月「当たり前だ、コイツの嫁も深海棲艦だと言ってるじゃないか」
幹部「陸で当たり前のように生活しているしね」
記者「ええそうよ。私達のごく一部は既に陸に揚がって環境に適応しているの」
幹部「……ん?」
記者「深海棲艦は全てが攻撃的じゃない。争いを好まず人間と同じような生活に憧れる個体もいるの」ズズズ
菊月「お前…!!」
記者「ふふふふ……この部分は訂正して記事にさせてもらうわね」ガチャッ
幹部「な、なんという……」
菊月「……」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
960 : 以下、名... - 2019/09/26 22:11:56.38 truVdZR3O 494/515>>944
944 : 以下、名... - 2019/09/26 21:03:16.74 truVdZR3O 495/515弔った艦娘達の墓地に訪れ、平和な時代を報告する日進
ーー墓地
日進「大本営の言いなりになったとはいえ提督の命令に断れんかったのも多かったじゃろう…」
日進「命令を守っただけなのに。そう思っちょるのも多いんじゃろうて」
日進「じゃがな、その考えはいつか大きな罪を犯しとった。上に立つものが正しいとは限らんのじゃよ」
日進「……お主らの無念はわしが祓う。安心して成仏せい」
日進「これからの平和はお主らの犠牲があったからじゃ。わしはずっと覚えちょる」
ーー横須賀鎮守府
漣「ご主人様、多摩さん達が到着されました!」
提督「そうか、なら俺も撮影場所に行こう」
漣「夕張さんの退院が間に合ってよかったですねぇ~」
提督「そうだな…あのまま精神が崩壊したままというのも考えられたんだ」
漣「先に夕張さんとお話しますか?」
提督「皆が揃うまで話しておこうか」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
966 : 以下、名... - 2019/09/26 22:41:42.98 ZuxV6xwkO 498/515北上が妊娠報告して工廠組てんやわんや
ーー工廠
ええぇぇぇぇーー!
提督「なんだ、どうしたんだ?」
漣「夕張さんと北上さんが横須賀の工廠を改めて見たいって言って、工廠に向かったそうなんですけど」
明石「て、提督!」
提督「なんだ、何があったんだ?」
秋津洲「びっくり仰天なニュースかも!」
漣「色々あったご主人様ですよ?そんな簡単に驚くわけ…」
陽炎「北上さんが妊娠したんですって!」
提督「なんだって!?」
漣「あるぇ~?」
夕張「私も今初めて聞いたんだけど!?」
北上「入院してる方が悪いってやつだね~」
提督「北上、本当なのか!?」
北上「いや~自覚なかったんだけど朝雲達の健康診断に引っ掛かって精密検査したら…ね」
提督「良かった、良かったなぁ北上……」
北上「なに泣きそうになってんのさ」
夕張「北上さんは龍驤さんとも色々ありましたからね」
北上「提督、あたしはちゃんと幸せにしてもらってるから心配いらないって」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
971 : 以下、名... - 2019/09/26 22:58:55.18 XbI6rK2No 501/515写真撮影に集まる皆を満足そうに眺める屋根上の富士さん
その背後には柔らかい笑みを湛えるY子さん
富士さんも一緒に撮りますよー!と呼ぶ漣
ーー横須賀鎮守府、屋上
富士「仲間が増える度に写真撮影だなんて。本当に素敵な場所ねここは」
富士「龍驤が怪我をした時が底だったのね。一番下を経験した人間は強いわ」
富士「あとは這い上がるだけ。歩けば歩くほど事態は進んでいくだなんて最高じゃない」
富士「それでも足りないものは出てくる。それを補い合うことで強く逞しくなっていった」
富士「これが足りないものの到達点…いえ、そうではないわね。これからもずっと続いていくんですもの」
漣「そんなとこで何してんすか!富士さんも一緒に撮りますよー!」
富士「私はいいわよ、貴女達で撮りなさい」
(お姉ちゃんも写ったら?)
富士「……そう、そういう結末になったのね。貴女にも救いが……」
漣「富士さーーーん!」
富士「ええ分かったわ、すぐに行くから待っててちょうだい」
(お姉ちゃんも幸せに…ね)
ーー
富士「あら何か揉め事?珍しいわね」
漣「誰がどこに立つかポジション決めでちょいバトってます」
朝潮「司令官の隣は私です!」
龍驤「なにを言うとんねん!隣はウチに決まっとるやろ!」
朝潮「なら逆隣です!」
朝霜「ばーかそれはあたいだ」
朝潮「なら後ろ!!」
漣「あ、それは漣とうちの嫁です」
朝潮「むぅぅぅーー!」
漣「ほんとご主人様って朝潮型というか朝潮に気に入られますね。何か縁でもあるんでしょうか」
富士「……ふふふふ」
漣「どうしました富士さん?」
富士「あの子…本当に……ふふ、ふふふふ…」
漣「何かが富士さんにツボったんですかねぇ…」
Y朝潮「遅れてしまってすいません!!身支度に時間がかかりました!!」
漣「へ…朝潮さん?あれ、分裂?」
龍驤「なぁ…!?」
朝霜「おい、どういうことだよ!?まさかコイツ傀儡か!?」
?朝潮「司令官……」
提督「な、な…?何が起こって……?」
?朝潮「私後悔していたことがあるんです。それに謝りたいことも…とにかく沢山話したいです!」
提督「朝潮…………?」
S朝潮「司令官…司令官司令官司令官!」ダキッ
Y朝潮「誰ですか貴女!なぜ司令官に抱きついているんです!」
龍驤「それはウチの台詞や!誰であろうと許さん!」
朝霜「なんだよ…どういうことなんだ……?」
早霜「な、き、む、し、姉、さ、ん」
朝霜「ひ……!!あ、あれ……?拒否反応が起こらねぇ…?それよりお前……」
早霜「後で説明するわ。それより今は貴女の父親のことじゃない?」
朝霜「…そうだな。おい朝潮、司令から離れろ!」
青葉「凄くカオスですね~とりあえず一枚いっときます!」
パシャッ
ーー
タシュケント「他人の記憶の中から別人の記憶を取り出して再現する。実験は成功だね」
男「あの鎮守府は皆朝潮君のことを大事にしていた。それは彼女が死んでからもそうだった」
タシュケント「あの鎮守府だからこそできたんだね」
男「でもそうとも言い切れないんだ。朝霜君の中から取り出した早霜君の記憶はとても濃いものだった。数が多ければ良いというものじゃない」
タシュケント「…あのさ、一ついい?いつあの鎮守府の皆から朝潮の記憶を取り出してコピーしたの?」
男「それは内緒さ。さぁ新しい実験の時間だよ」
タシュケント「この人…やっぱりマッドの要素あるよね……」
ーー
夕雲「目覚めなさい伊400」
伊400「ぁ……ここは…?」
夕雲「貴女は今日から組織残党の艦娘として働きなさい」
伊400「お前…夕雲か……なに言ってんだ…………?」
夕雲「偉大なる老幹部様は天に召されてしまった。でもその意思は私が継いだの」
伊400「お前…頭おかしいのか……?」
夕雲「あれわ見てもそんな事が言えるかしら?」スッ
「」
「」
「」
伊400「おい……これは…」
夕雲「培養装置の中で眠っていた傀儡の原型よ。これがあれば組織はもう一度力を取り戻す」
夕雲「そうすれば老幹部様もきっと天から我々を祝福してくれるに違いないわ…!」
伊400(コイツの心は完全に狂ってやがる。こんな傀儡の出来損ないだけで何ができるっていうんだよ)
伊400(ま…どうせ戻ってもまともな生活はできないんだ。こうなりゃ落ちるところまで落ちてやるよ!)
ーー
鳳翔「……」
荒潮「またお祈り?」
鳳翔「えぇ…」
荒潮「鳳翔さんが待っているのはかつて貴女と共に戦っていた提督なのよねぇ」
鳳翔「あの人は大本営の裏を暴こうとした。でも捕まってしまって実験台にされて……」
荒潮「例の『羽』ね…」
鳳翔「艦娘を凶暴化させ別の生物のように変態させてしまう。それは人間に対しても効果があった…」
荒潮「化け物になったという記録はないの。きっと彼は生きているわ」
鳳翔「人間に羽を使うと加齢や全身の皮膚がただれ落ちたり五感を失ってしまったり。生きていたとしても…」
荒潮「鳳翔さん」
鳳翔「…そうね、私が信じなければ彼は帰ってこないもの」
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
ーー
「……」
「…………」ピッ
『今年の全日本ロードレースを制したのは忍……』
『師匠ーー!やりましたよ優勝です!』
『抱き付かないで』
『なんで私達がバイクレースなのよ…』
『忍者の宣伝にもなるからだって』
「……」ピッ
『探検家の橿原丸さんとその助手不知火さんが南極に……』
『寒ぃーーーー!!』
『私で暖まりますか?』
「……」ピッ
『白鶴、ライの下町食べ歩き~!』
『ほうとう美味しい!ほうとうイェー!あーー!』ズデーン
『白鶴さーーん!』
「なにをやっとんねんコイツらはほんま…」
「…ん、そろそろ時間か。もう準備はできとるやろうし早く行ったらなあかんな」
ーー
「ええっと、神鷹と春日丸…やなくて今日から大鷹か。どっちも軽空母やったね」
大鷹「教官、どうぞ宜しくお願いします」
「教官って…ウチは復帰して間もないんやで?それやのに教官……」
神鷹「元帥様とは古くからのお知り合いだと聞いていますけど…」
「幹部…いや、元帥ってちゃんと言わなあかんか。そうやね、元帥とは長~い付き合いや」
大鷹「凄いです教官…!」
「なにも凄いことなんて無いって。それよりウチは艦娘一回辞めてるんやから迷惑かけてしもて申し訳なかったで」
神鷹「だから復帰して欲しいという要請を受けたんですね」
「ま…そういうことやね」
大鷹「艦娘を辞めて何をしていたんですか?」
「それが色々あってなぁ…まずな、ウチの旦那は元提督やねん」
神鷹「そうだったんですか?」
「しかもあの横須賀のや。全ての鎮守府を代表するような地位におったんやで!」
大鷹「そのようなお方がなぜ提督を辞めたんですか?」
「子どもの為や。ウチはこう見えても二児の母なんやで!」
神鷹「嘘……!!」
大鷹「こんなに目を見開いてるの見たことない…」
「二人で頑張って子どもを育ててたんよ。ほんでな、ちょっと手も空くようになったしウチは戻ってみようかなって。最初は旦那が戻るって言うてたんやけど、今度はウチの番や」
「何回も守ってもらったからね。今度はウチが旦那を守るんよ」
大鷹「素敵です…!」
神鷹「…教官が艦娘を一度辞めたのは怪我が原因ですか?」
「そうやんな、やっぱり気になるわな!いつ言われるんか待っとったくらいやわ」
大鷹「左腕と左脚が無いだなんて普通の怪我じゃないですよね」
「ええよ、その辺の話も全部したる。でもその前に一つ言うとかなあかんことがあんねん」
神鷹「言っておかなければならないことですか?」
「キミらはあれが欲しい、これが欲しいって思うことってある?」
大鷹「あります…あって当たり前じゃないですか?」
「そうや、ほんなら誰かを見てこうなりたいとかは?」
神鷹「ありますね…」
「そうやろ?ウチやったら腕と脚……あ、ここ笑うところやで?」
大鷹「……」
神鷹「……」
「ごめんて、そんなつもりやなかったんよ」
「えーごほん。何が言いたいかっていうとな、誰にも足りないものはあるってことや」
大鷹「はぁ……」
「それを手にすることはできへんでも、誰かと補い合えればええんや」
神鷹「簡単な話ではないですよね」
「その通りや。でもな、ウチはそれを現実にした人を知ってる」
大鷹「人ってことは…龍驤さんの旦那さん……?」
「これからウチが話す内容にタイトルをつけるとしたら……うん、これやね」
龍驤「足りないもの」
龍驤「足りないもの」
龍驤「まだ、足りないもの」
龍驤「もう少し、足りないもの」
龍驤「足りなかったもの」
シリーズ 完!
……?
988 : ◆I4lwDj9Dk4S2 - 2019/09/27 00:44:34.41 YubuCVF70 514/515一年半以上もありがとうございました!見て下さった皆さんのお陰で完結することができました!
まだ言いたいことは多々ありますが、とりあえずはゆっくりします。短いコメントでも励みになりました、ありがとうございます
それでは…またいつか!
1000 : 以下、名... - 2019/09/27 01:31:53.51 cKrGXc8K0 515/515みんなに幸あれ