1 : ◆yfWmR9mD4k - 2013/10/01 21:31:28.24 cEQOtEEPo 1/32※このSSは「アイドルマスター シンデレラガールズ」に登場する松永涼のSSです
一部人物の名称を略称にしています
――――――――――――朝、松永涼の部屋
ぴぴぴぴ ぴぴぴぴ
涼「うーん……ふわぁ」
涼「……ねみぃ」
涼「今日は朝から拓海、夏樹とレッスンだったな……」
涼「拓海のやつ、起きてっかな? 遅刻するとヤバいから起こしてやるか」
ぷるるるるる ぷるるるるる
拓海『おう……涼か……なんだよ?』
涼「お? 起きてた?」
拓海『たりめーだろ? んで、何の用だ?』
涼「今日レッスンの日だろ? 起こしてやろうと思ってさ」
拓海『起きてるから心配すんな』
涼「じゃさ、一緒に行こうよ。ついでにアタシをバイクに乗せてって」
拓海『はぁ? んなもん一人で行け!』
涼「ケチ」
拓海『じゃあな、切るぞ』
つーつー
涼「んだよ……そんなに怒んなくてもいいじゃん」
――――――――――――事務所
ガチャ
涼「おはよーっす」
ちひろ「あら、涼ちゃん? おはよう」
涼「おはよっす……今日はなんか人少ないね」
ちひろ「そう? 普段通りだと思うけど?」
涼「気のせいかな……」
ちひろ「あっ、そうだ。涼ちゃん」
涼「ん? なに?」
ちひろ「奥の会議室は、大事なお客様が来るから立入禁止よ」
涼「わかったよ……お客様って?」
ちひろ「さあ?……とにかくお願いね」
涼「りょーかい……Pさんは?」
ちひろ「今日は朝から打ち合わせでテレビ局巡りね」
涼「そっか……」
ちひろ「今日は事務所帰れないかも……」
涼「大変だな」
ちひろ「何か用事? 伝言なら伝えとくけど」
涼「いや、いいよ。あんがと」
涼(Pがいないから静かに感じるのかな?……まさかね)
――――――――――――更衣室
ガチャ
涼「あれ?」
夏樹「よぉ、涼」
涼「夏樹、いたの?」
夏樹「そりゃ、いるだろ。いちゃ、マズいのか?」
涼「そんなことねーけどさ……なんか今日事務所静かじゃね?」
夏樹「別に? 普段と変わらねえよ」
涼「やっぱ、気のせいかなぁ……」
夏樹「変なやつ」
涼「あれ? そういや拓海は?」
夏樹「拓海……ああ、また寝坊じゃないか?」
涼「アタシ、今日電話で起こしたぞ?」
夏樹「マジかよ?」
涼「何やってんだよ、あいつ。カミナリ落ちてもしらねーからな」
夏樹「まあ、それもいつものことさ」
涼「ったく……」
ふにゅん
涼「ひゃあああああああっ!!!」
礼子「おはよう、涼ちゃん。相変わらず育ってるわね」
涼「い、い、いきなり背後から胸揉むなよ!! びっくりしたじゃん!!」
礼子「あら? 女同士だから気にしなくてもいいじゃない? 減るもんじゃないし」
涼「気にするよっ!!」
礼子「お姉さんがバストアップのマッサージしてあげましょうか?」
涼「い、いらないって!!」
さわわっ
涼「ぎゃあああああああっ!!」
志乃「これまた素敵なヒップ。果実みたいだわ」
涼「志乃さんまで、何してんですかっ!!」
礼子「若いって素晴らしいわね」
志乃「礼子はもう手に入らないものよ」
礼子「……言ってくれるわね、同い年」
志乃「肌のハリはまだ私のほうが上よ」
夏樹「おーい、涼。そろそろ行くぞー」
涼「ほ、ほらっ! な、夏樹が呼んでるから……失礼しますっ!」
礼子「あら、残念」
志乃「またゆっくりと話しましょう。ワインでも飲みながら」
涼「アタシ未成年だから!」
涼「なんなんだよ、いったい」
――――――――――――ダンスルーム
マスタートレーナー(以下、マス)「よし、揃ったな。それじゃあ、レッスンを行う」
涼「あっ、マスさん」
マス「なんだ? 松永」
涼「拓海がいないんすけど?」
マス「向井は今しがた連絡があった。体調不良で今日は休むそうだ」
涼「体調不良?」
マス「どうした?」
涼「い、いえ……」
涼(あのヤロー、サボりやがったな……)
――――――――――――昼、事務所
涼「や、やっと……終わった……」
夏樹「今日はハードだったな」
涼「ちっくしょー、拓海のやつ……いいタイミングでサボりやがって」
夏樹「まあ、そう言うな……メシでも行くか」
涼「そうだな……どこにする?」
夏樹「実はさ、前にPさんからファミレスの食事券もらってたんだ」
涼「ファミレスかぁ、いいね」
夏樹「んじゃ、いこうぜ」
がちゃ
仁奈「おはよーごぜーます」
小梅「お、おはよう……ございます」
涼「よう、揃っておでましか」
仁奈「涼おねーさま、おはよーでごぜーます」
涼「おはようニナ。相変わらずウサミミ帽子か」
仁奈「ウサギの気持ちになるですよ」
涼「もうそろそろなれたんじゃないか?」
仁奈「まだまだ道はとおいでやがりますよ」
涼「奥が深いんだな」
仁奈「涼おねーさまもウサギになりてーですか?」
涼「アタシは……あの一件がトラウマだからなぁ……」
仁奈「そうでごぜーますか……」
涼「そんな顔すんなよ。いつかはウサギになれるようすっからさ」
仁奈「ほんとーでごぜーますか?」
涼「ホントさ。その時はニナ先生に教えてもらうよ」
仁奈「まかせてくれやがれです」
小梅「りょ、涼さん……お、おはよう……」
涼「よっ、小梅。なんだか眠そうだな?」
小梅「だ、だいじょうぶ……」
涼「新しい映画でも見てたのか?」
小梅「う、う、うん……」
涼「んじゃ、今度見せてくれよ。アタシのオススメも持って行くからさ」
小梅「み、みたい……い、一緒に……涼さんと」
涼「あったりまえじゃん。小梅と見たほうが楽しいからさ」
小梅「えへへ……」
涼「そうだ……ニナも小梅もメシ食った?」
小梅「ご、ごはん……まだ……」
仁奈「まだでごぜーます」
涼「じゃあ、一緒にファミレス行こうぜ」
小梅「で、でも……」
涼「心配しなくても奢ってやるからさ。いいよな、夏樹?」
夏樹「まあ、いいけど」
ルーキートレーナー(以下、ルキ)「あっ! ニナちゃんたちみっけ!」
涼「ん? ルキさん? 悪いけどルキさんの分は奢らないよ? 働いてるんだし」
ルキ「けちーっ……って、ちがうちがう。小梅ちゃんと仁奈ちゃんに用があるの」
小梅「??」
ルキ「次の仕事の打ち合わせ。前に言ってたじゃない?」
小梅「あっ……」
仁奈「あっ!……仁奈もわすれてやがりましたよ」
ルキ「しょうがないなー。ご飯は後でもいい?」
小梅「は、はい……」
仁奈「かしこまりましたです」
涼「んー、仕方ねえか」
夏樹「涼、そろそろ行かないと昼休みなくなるぞ?」
小梅「りょ、涼さん……ご、ごめん」
仁奈「もうしわけねーですよ」
涼「気にすんなって。また今度行こうな」
――――――――――――数時間後、ボイストレーニングルーム
トレーナー(以下、トレ)「はい! これで今日のレッスンは終わりです。お疲れ様でした!」
涼「おつかれさまでしたー」
夏樹「おつかれしたー」
涼「うーん! 終わった終わった! 夏樹、帰りにタワレコ寄って行こうぜ」
夏樹「え? あ、うん……」
涼「なんだよ? ノリ悪いな……なんか用事あんの?」
夏樹「そうじゃねえけど……ちょっとな」
涼「ふーん……じゃ、いいや。一人で行ってくる」
夏樹「あ! ちょっと涼……」
がらっ
ベテラントレーナー(以下、ベテ)「松永! 松永はいるか?」
涼「ここにいるよー。どしたの? ベテさん」
ベテ「お前はこの後補習だ」
涼「えええっ! そんなの聞いてないよ!!」
ベテ「今、言った。お前、ウオーキングやポージング苦手だろ?」
涼「まあ、得意じゃないけどさ……」
ベテ「私は偶然にも時間が空いている。今のうちに特訓しておけば後々役にたつ」
涼「そうだけどさ……こんな突然に……」
ベテ「四の五の言わずにやるぞ」
涼「げえーっ」
トレ「それじゃあ、姉さん。後はお願いします」
ベテ「うむ。そっちも頼んだぞ」
夏樹「へへへ、悪いな涼。ご愁傷さま」
涼「なんてこった……」
――――――――――――一時間後、トレーニングルーム
涼「はあ……はあ……しんどい……」
ベテ「よし、今回はこれぐらいにしといてやろう」
涼「ベテさん、鬼すぎるよ……ずっと缶詰でトレーニングなんて」
ベテ「その分、集中してやれただろ?」
涼「まあ、そうだけどさ……」
ベテ「なんだ? まだ足りないのか?」
涼「ちがうちがう! も、もういいよ!!」
ベテ「そうか。じゃあ、松永。私の後について来い」
涼「まだ、なにかあるの?」
ベテ「まあな、行くぞ」
涼「???」
――――――――――――会議室前
涼「ここ?」
ベテ「そうだ、扉を開けてみろ」
涼「だって、ちひろさんが立入禁止って……」
ベテ「いいから、開けてみろ。私が許可する」
涼「???」
がちゃ
ぱーんっ! ぱーんっ! ぱーんっ!
涼「うわっ! なんだなんだ?!」
小梅「せ、せーの……」
『涼ちゃん、お誕生日おめでとうーっ!!』
涼「へ? へ? なになに? 誕生日?」
夏樹「待たせたな、涼。こっち入ってこいよ」
涼「え?」
夏樹「何、呆けてんだ? 今日はお前の誕生日だろ?」
涼「あっ……やべえ……素で忘れてた……」
夏樹「マジかよ」
ちひろ「はーい、おまたせー。ケーキですよー」
涼「ちひろさん、これって? 会議室は……だって」
ちひろ「ごめんね、涼ちゃん。ここは準備してたから近寄ってほしくなかったの」
涼「それでか……夏樹も知ってたの?」
夏樹「まあな。準備が意外にに手間取っててな。お前が帰りそうになった時はびっくりしたよ」
涼「あっ! じゃあ、さっきの補習は?」
ベテ「お前を帰らせないための時間稼ぎだ」
トレ「おかげで間に合いました」
ルキ「ニナちゃんも小梅ちゃんも準備忘れてたでしょ?」
小梅「ご、ごめんなさい……」
仁奈「すまねーです」
ルキ「大丈夫だよー。おかげでこんなに立派にできたんだから」
涼「トレさんたちも知ってたのか……」
夏樹「よし、じゃあ……ロウソクに火をつけるからな」
『はっぴばーすでー とぅーゆー♪』
ふーっ
ぱちぱちぱちぱち
涼「あ、ありがとね……みんな。なんか……突然でちょっと戸惑ってるよ」
ちひろ「じゃあ、プレゼントタイムにいきましょうか」
マス「では、我々からいこうか。トレ、例のものを」
トレ「はい。おめでとう、涼ちゃん」
涼「あ、ありがとうございます。開けてもいいかな?」
マス「うむ」
がさがさ
涼「これ……トレーニングウエアと、シューズ?」
ルキ「新製品なんだよー」
涼「こんな高級なの……なんか、勿体無くて着れないなぁ」
ベテ「何言ってる? 明日から早速使うんだ」
涼「へ?」
マス「一年間、みっちり使い込んで靴も履きつぶすんだ。また来年には新しいのをやろう」
涼「ひいぃ……手加減してくださいよ……」
トレ「ふふふっ」
礼子「これは私達からよ」
志乃「開けてみて」
涼「ありがとう、礼子さん、志乃さん」
がさがさ
涼「こ、こ、これは……」
礼子「イタリア高級ブランドの最新下着よ」
涼「ちょ、ちょっと……真っ黒だし、スケスケじゃん!」
志乃「官能的だわ」
涼「あ、アタシには……ちょっと……」
礼子「大丈夫、サイズもきちんと合わせてあるわ」
涼「あっ! それって朝の更衣室で……」
礼子「ランジェリーコーディネーターとでも呼んで頂戴」
志乃「これで、大人の仲間入りね」
涼「ま、まだ子供でもいいかな?……でも、ありがとう」
仁奈「仁奈はこれでごぜーます」
涼「ニナもくれるのか。うれしいな……どれどれ?」
がさがさ
涼「……ウサミミ?」
仁奈「涼おねーさま用のウサミミですよ。仁奈とおそろいでごぜーます」
涼「はははっ、こりゃいいや。ありがとな」
仁奈「今、つけてほしーですよ」
涼「へ? い、今?」
仁奈「一緒にウサギになるですよ」
涼「う、うん……こ、これで……いい?」
仁奈「おにあいでごぜーます。うさちゃんっ!!」
涼「……ぴ、ぴーす」
ぱしゃ
涼「夏樹! 写真撮るんじゃねーよ!」
小梅「りょ、涼さん……こ、これ……プレゼント」
涼「悪いな、小梅……いいか? 開けても?」
小梅「……うん……気に入ってくれる……かな?」
がさがさ
涼「映画のポスターと……パンフレット?」
小梅「ど、どうかな……?」
涼「嬉しいよ、すごく! たしか……小梅が事務所に来た時、一緒に見たやつだよな?」
小梅「!……お、覚えてくれてたの?」
涼「もちろんさ。でも、これもらっていいのか? 貴重なやつだろ?」
小梅「わ、私の……宝物だったけど……涼さんにあげる」
涼「でも……」
小梅「い、いい……好きな人にもらってくれたら……その子も喜ぶ……それに」
涼「それに?」
小梅「い、い……今の宝物……涼さんだから……」
涼「こ……小梅っ!! お前ってやつは!!」
小梅「りょ、涼さん……く、くるしい……」
涼「みんな……本当にありがと……アタシ……」
夏樹「あー……ちょっと待て、涼」
涼「ん? どした?」
夏樹「そろそろだから」
涼「そろそろ?」
ばあんっ!!
拓海「はあっ! はあっ!……ま、間に合った……か?」
夏樹「ギリだったな」
涼「拓海! アンタ、体調不良で……」
夏樹「まあまあ。拓海、お前の番だぞ」
拓海「お、おう……ほらっ」
涼「へ? アンタもプレゼント?」
拓海「い、いいから開けろ!」
がさがさ
涼「これ……絶版になったインディーズのCDじゃん! もう無くなったと思ってたのに……どーしたのさ?」
拓海「べ、別に……」
夏樹「こいつさ、涼が欲しそうなCDアタシに聞いたんだけどさ、どこにもなくてオークションでたまたま出品してたのを落札したんだよ」
涼「そっか……」
夏樹「でもさ、おっかしーのが、持ってる人新潟にいるんだよ」
涼「新潟?!」
夏樹「郵送だと今日間に合わないからって、こいつ高速飛ばして取りに行ったんだよな?」
拓海「夏樹っ! てめえ、バラしてんじゃねーよ!!」
夏樹「はははっ、わりーわりー」
涼「それで……アンタ……今日……」
拓海「ち、ち、ち、ちげーから! たまたま……その、そう! ツーリングのついでだ! ついで!」
涼「サンキュー、拓海。本当に嬉しいよ……ありがと」
拓海「ば、ば、ばーかっ! かしこまってんじゃねーっつうの」
夏樹「素直じゃないねえ」
――――――――――――数時間後
夏樹「さてと……そろそろか?」
涼「そろそろ?」
夏樹「そんじゃ、行こうか? お姫様」
涼「お姫様?……何言って……」
夏樹「まあまあ、いいからこれ被れよ」
涼「メット? これからどこか行くのか?」
夏樹「魔法は12時には解けちまうからな」
涼「???」
夏樹「そんじゃ、みんな! あとよろしくな!」
マス「頼んだぞ、木村」
小梅「い、いってらっしゃい……」
仁奈「いってらっしゃいですよ」
礼子「大人になってくるのよ」
トレ「れ、礼子さんっ!!」
志乃「若いっていいわね。大人はもう少し飲みましょうか?」
ベテ「ひ、柊……も、もう……無理……うっぷ」
ルキ「ねーねー? ケーキ残りもらっていい?」
ちひろ「まだ、食べるの?」
拓海「……ぐーっ……ぐーっ……」
夏樹「あいつは疲れてんだろうな。そっとしておくか」
――――――――――――交差点、信号待ち
涼「なあ……夏樹」
夏樹「なんだよ」
涼「みんな、なんでアタシのためにこんなに祝ってくれんだ?」
夏樹「なんでって……」
涼「だって、まだ、アタシ、みんなほど役に立ってないよ。ニナも小梅も大きい仕事持ってるのに……」
夏樹「お前、家族の誕生日祝うのに理由がいるのか?」
涼「家族……?」
夏樹「生まれた場所も年齢も違う奴らだけどさ、こうして同じ場所で同じ時間をずっと過ごしてんだ。家族みたいなもんだろ?」
涼「……」
夏樹「別にアタシらはお前から見返りがほしいワケじゃない。ニナや小梅も拓海も、お前が喜んでる顔が見たい……ただそんだけさ」
夏樹「今回も誰が言い出した訳じゃない。みんな、自分から集まってきたんだ」
涼「……夏樹……アタシ……」
夏樹「ほら、もう行くぞ。舌噛むから黙ってろ」
――――――――――――ライブハウス前
夏樹「ついたぞ」
涼「……ここって……」
夏樹「じゃあ、中に入るか」
涼「でも、電気消えてるぞ? 営業してないんじゃないか?」
夏樹「まあまあ、いいから。入った入った」
――――――――――――ライブハウス内
夏樹「ただいま到着しましたー」
涼「えっ……」
P「悪いな、夏樹。わざわざ」
涼「Pさん……?」
夏樹「そんじゃ、カボチャの馬車は帰りまーす。ちなみに貸し切りなんで。後はごゆっくり~」
涼「ちょ、ちょ! 夏樹!」
P「涼」
涼「な、なに?」
P「すこし、座ろうか……」
涼「う、うん……」
P「ここ、覚えてるか?」
涼「ああ……アタシが二年前までバンドで世話になったライブハウスだ……変わんないな」
P「そうだ。そして……俺がお前に初めて会った場所」
涼「……」
P「あれから、もう二年だな……早いな」
涼「なあ、Pさん」
P「ん?」
涼「アタシら、正直、第一印象悪かったよな?」
P「そうだな」
涼「びっくりしたよ……だって、バンドのボーカルをアイドルにしたいなんてさ」
P「普通はそうだよな」
涼「でも、今は感謝してる。あの事務所に行って本当に良かった」
P「そうか」
涼「音楽しか信じるものがないアタシに、あいつら家族だって言ってくれたんだ」
P「……」
涼「ちひろさんにトレさんたち、アイドルの皆……拓海や夏樹に出会わせてくれて感謝してる」
P「そう言ってもらえると嬉しいよ」
涼「こんないい気持ちになる誕生日は初めてだ」
P「……涼」
涼「なに?」
P「俺はお前に謝らなきゃいけないことがある」
涼「……なんだよ、急に?」
P「お前をスカウトした時、俺が言ったこと覚えてるか?」
涼「……うん」
P「俺はお前に『必ずデビューさせる』と言った」
涼「……」
P「だけど、それは今も達成できていない」
涼「Pさん……」
P「今日までにデビューを決めようといろいろ回ったんだが……ダメだった」
涼「……」
P「プレゼント、間に合わなかった……本当にすまない」
涼「……ふふっ、しょうがねーなー。ったく」
P「……」
涼「別にいいよ。デビューはアタシ自身の力でもぎ取ってみせるからさ」
P「……涼」
涼「だからさ……」
とん
P「えっ」
涼「ちょっとだけ……今だけ……肩を貸してくれ」
P「……ああ」
涼「0時まであと10分……この時間をプレゼントにしてくれよ」
P「……わかった」
涼「…………Pさん」
P「ん?」
涼「ありがとう」
おわり
33 : ◆yfWmR9mD4k - 2013/10/01 22:07:53.61 cEQOtEEPo 32/32※これで終わりです
誕生日になんとか間に合ってよかったです
もっとアイドル出したかったのですが、あまり多すぎると冗長すぎるので省きました。
申し訳ない。
※略称についてはセリフの関係上短くしました
お気を悪くされた方はごめんなさい