P「事務所の扉を開けると、そこは筋肉でした」
むつみ「おはようございますプロデューサーさん!」ムキムキ
P「新アイドルのビスケット・オリバさんかな?」
むつみ「氏家むつみですよ!」
P「認めたくなかったよちくしょう!!」
元スレ
氏家むつみ「プロデューサーさん!」ムキムキ モバP「なん……だと……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1380621995/
P「ところで氏家さん」
むつみ「なんでいきなり敬語なんですか?」
P「その……どうしてお顔は昨日とお変りないのにお体だけ急激に膨れ上がってるのでしょうか……」
むつみ「実は昨日、インターネットをしている時にとある掲示板のある物に目を惹かれたんです」
P「はい」
むつみ「それは『俺が世界中を冒険した時の画像を貼っていく』というスレッドでした」
P「なるほど」
むつみ「後から知ったのですが、こういったタイトルで興味を惹かれた人を誘い込み……」
むつみ「そして個人を識別するIDにある数字の分だけ腹筋をさせる腹筋スレというものがあるんです」
P「あー」
むつみ「そしてまんまと騙されて623回の腹筋をした結果が……」
むつみ「これです」サイドチェスト
P「わけがわからないよ」
むつみ「初めは絶対にできないと思っていましたが、人間って案外やればできるものなんですね」
P「やればできるというか、一日で、しかもその回数で完成するはずのない体の仕上がりになってるんですがそれは……」
きらり「にゃっほーい! おっはよーっ☆」
P「あっ」
むつみ「あ! おはようございますきらりさん!」
きらり「
」
きらり「……」
P(きらりが呆然としてる姿を始めた見た)
きらり「……」
きらり「……にょわーー!!! むつみちゃんすっごーい!!」
P「えっ」
むつみ「ありがとうございます! これで私も晴れて1人前の冒険家です!」
きらり「ねぇねぇむつみちゃん! きらりのこと、がばぁーって持ち上げて、たかいたかーいってやってみてくれる?」
むつみ「お安いご用ですよ! そぉいっ!!」ブゥンッ
きらり「うっきゃー☆ きらりインザスカーイ!! たのすぃ☆」
P「」
P(むつみ式超高度たかいたかいをひとしきり楽しんだきらりはご満悦で帰って行った)
むつみ「プロデューサーさん! 今日から新生・氏家むつみとして頑張っていきますよ!」
P「お、おう……」
翌日
P「おはようございまー」
和久井留美「あら、おはようプロデューサー君」ムキーン
P「失礼しました」
片桐早苗「こらー、女性の顔を見ていきなり帰ろうとする悪いプロデューサー君はタイホしちゃうぞ☆」ムッキムッキ
P「成人男性の首根っこを掴んで軽々と持ち上げるのはやめてもらえませんか……」
早苗「でも今の君、なんだか子猫みたいでかわいいわよ♪」
留美「子猫?」ピクッ
留美「子猫……ちょっと触ってみてもいいかしら」
P「手の威圧感が凄いです留美さん」
留美「お体に触りますよ……」
P「どうしたんですかその口調! 本当にやめてください!」
早苗「……うっひっひ♪ 口ではそんなこと言っても体は正直だね」
P「えっ……」
P「……マジだ! なんで筋骨隆々の女性陣を相手取って反応してるの俺!!」
留美「……ふぅ。ありがとう、久しぶりに満足したわ」
P「いえ……お役に立ててなによりです」
留美「最近、本当に猫分が足りないのよ。昨日も『激かわいい猫の画像を貼っていく』というスレッドをネットで見かけて……」
早苗「あっ、あたしも『最高に旨い酒の飲み方発見したった』っていうのを……元国家権力を騙すなんていい度胸してるわ」
P「ブルータス、お前たちもか」
また翌日
???「フンッ!! フンッ!!」
P「事務所の中から掛け声が聞こえる……」
???「フンッ! フンッ!」
P「まさかまた誰かがオリバに……」
???「……よしッ! 今日もいい汗かいたなァ!」
P「この声は……彼女か」
P「……彼女なら大丈夫だよな? 大丈夫だな……よし大丈夫、大丈夫!!!」
P「おはようございます!!」
愛野渚「とにかく反復ッ! くり返しくり返し同じことをやって体に覚えさせるしかない!」ゴリゴリ
P「いやああああああああああああああ」
渚「あっプロデューサー! おはよう!」
P「お、おはようキャプテン。今日はまた一段とキャプテンキャプテンしてますね……」
渚「そう? プロデューサーにそう言ってもらえるとなんだか嬉しいなァ!」
P「!!」
P(あ、あれ……? なんだか昨日までの人達より現実的な筋肉だから……かわいく見える?)
P(……いや筋肉だよ!? いや渚も早苗さんも留美さんもむつみも、変化してないけどきらりも元々かわいいけど! でもマッシヴ!)
渚「どォしたのプロデューサー?」
P「なんだか自分の中で色々なものがせめぎあっている気が……」
渚「……えーっと?」
P「まぁ気にしないでくれ。渚も皆もかわいいって再確認しただけだよ」
渚「!!」
渚「……へへっ♪」ガバッ
P「ちょっ……気持ちは嬉しいけどッ、締まる締まる!! いろいろな意味で締まってアーーーッッ!!」
一週間後
鷹富士茄子「プロデューサー、おはようございます♪」ガッツガッツ
P「おはようございますタカさん、じゃなくって茄子さん」
茄子「ふふふっ、また間違えちゃってますよぉ~」
P「茄子さんの力強さを与えてくれそうでご利益もありそうな身体つきを見てたらつい言ってしまうんですよ」
茄子「そんなに褒めても何もでませんよ♪」
P「いやいや出てますよ、物凄い力強そうなオーラ。それじゃあお仕事に行きましょうか」
茄子「はーい! 今日は天気もいいですし、歩いて行きましょうか♪」
茄子「るるる~ん♪」
P「おっ、なんだか楽しそうですね茄子さん」
茄子「そう見えますか~?」
P「見えます見えます。やっぱり茄子さんは幸せそうな笑顔が一番素敵です」
茄子「ふふふっ、往来の中で恥ずかしいですよプロデューサー♪」
P「ははは。いいじゃないですか……ってうぉっっと」グラッ
暴走トラック「プップー」
P「あっ……」
通行人M「危ない!! 定められた法定速度を大幅に超過した暴走トラックが躓いて思わず道路側によろめいた男の人に向かって突進してきてるにゃあ!!」
P(もう……間に合わないッ……!!)
P「…………」
P「…………あれ?」
茄子「プロデューサーっ、大丈夫ですか!?」グググググ
P「茄子……さん……? トラックを素手で……!」
P「すいません茄子さん! 俺のせいで迷惑をかけてしまって……」
茄子「危なかったですけれど、プロデューサーが無事で本当によかったです。運転手も早苗さんの元同僚の方に引き渡されましたから」
P「正直、もう終わったと思いましたよ」
茄子「私、運の良さには自信がありますけど、今日その効果が出て……本当によかったと思います」ホロホロ
P「あぁ……泣かないでください茄子さん……はいティッシュです」
茄子「……そうですねっ。これからまだお仕事があるんですから」ズビー
茄子「……それじゃあ行きましょうプロデューサー!」
P「……」
P「幸運って……すごいんだな」
一ヶ月後
前川みく「PチャンPチャン! おっはにゃー!」ムキムキ
P「お、魚を担いだ変なみくじゃないか。今日も元気いっぱいだな」
みく「誰が変なんだにゃ! 今日も大きな魚を捕まえてきたの!」
P「しかし、みくがまさかここまでの魚好きになるなんてなぁ……」
みく「あの時、猫画像のスレッドに騙されてたからこそ今のみくがあるんだにゃ……」
P「力もついて魚嫌いも克服する。腹筋様様だな」
上条春菜「あれ、みくちゃんもあのスレッドを見ていたんですか?」
みく「にゃにゃ? ということは、はるニャンも見ていたのかにゃ?」
春菜「はい……その後で眼鏡画像の方でも騙されました……」
みく「それは大変だったにゃあ……」
P「あれ? でも春菜は特に変化がないんだな……どういうことだ」
春菜「あぁ、それはですね……みくちゃん。ちょっと私の眼鏡に攻撃をしてもらえますか?」
みく「はるニャンの眼鏡を!? みくは嫌だよ!」
春菜「大丈夫、大丈夫ですから」
みく「……本当に怒らない?」
春菜「はい」
みく「それじゃあ……」
みく「……ヴォルフ・ファンゲン!!」
眼鏡「効かぬ」
みく「み、みくの攻撃で……無傷……?」
春菜「ふふふっ」ニヤリ
P「これは……どういうことだ?」
春菜「皆さんの結果が体に現れたように、私の場合は眼鏡に現れたということです」
春菜「眼鏡は私、真の私ですから」
みく「なるほどにゃあ」
P「腹筋ってすごいんだなぁ……ところでみく、さっきなんて言ったんだ? チチもんげ?」
みく「そ、そんなこと言ってないにゃ! Pチャンのエッチ!」
一年後
P「みんな筋肉は持ったな! 行くぞォ!」
川島瑞ム樹「君の目指す筋肉の世界実現に向けて、私もかかわるわ」
龍崎薫「せんせぇ! かおるもおてつだいしまー!」ハナヤマー
高峯ノア「私の必殺エルボーで…………頂点という星を捉える…………」
ムキ山珠美「鋼の肉体を手に入れた今、珠美達に恐れる事などありません!」
マルメターノおじさん「皆……強くなりましたね」
P「マルメターノおじさんさん……ここまでトレーナーを引き受けてくれて本当にありがとうございます」
P「マルメターノおじさんさんが立案したマッスルマッスル特訓……通称MM特訓でウチのアイドル達は飛躍的に急成長しました」
マルメターノおじさん「元はと言えば私が氏家さんや他数人を筋肉の世界に連れ込んだんです。これくらいはお安いご用ですよ」
P「ははは、その事実を知った時は驚きましたよ」
マルメターノおじさん「……それじゃあ、残していきましょうか。私たちの筋跡!」
P「……はいっ!!」
その後、全員筋肉となったシンデレラプロダクションはアイドル界の頂点に立った
おわり