1 : VIPに... - 2014/09/29 01:07:00.73 7UwqJ03/0 1/26

ー事務所ー

「…………」

「そう、彼氏…」

「…………」

「うん……えと、学校の2コ上の先輩で、こないだ告白されたから付き合うことにしたんだ…」

「背が高くてね、うん……プロデューサーよりちょっと大きいくらいかな」

「サッカー部で主将やってて……話したら晴も会いたいって言ってたし…」

「………うん」

「……うん、幸せだよ?」



元スレ
凛「あのね…プロデューサー、私さ……彼氏、できたんだけど」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1411920410/

2 : VIPに... - 2014/09/29 01:08:24.48 7UwqJ03/0 2/26


「…………」

「……え、なんで……って、それは」

「プロデューサーにはこれまでお世話になったわけだし、そう、アイドルとしてね……うん」

「…大丈夫だよ、仕事には支障の出ないようにって彼氏も言ってたしさ」

「大丈夫大丈夫、プロデューサーには迷惑かからないようにするよ、いざとなれば私ひとりが……」

「……うん」

「………そっか…」


「………優しいね、プロデューサーは……」



3 : VIPに... - 2014/09/29 01:09:33.45 7UwqJ03/0 3/26


「…………」

「……」モジモジ


「……あ、あのさ…プロデューサー」

「……あの、その」

「…あ、あとは?」

「え?……何がって、あの……さっきまでのはアイドルとしての話だったじゃない?」

「だから…さ、その……」

「な、何かない?…って……」

「いや、そこは止めるとかしてくれない…のかなーって……あ、うん…ゴメン」

「いや、あの……たしかに、今のは困るよね…」


4 : VIPに... - 2014/09/29 01:10:53.37 7UwqJ03/0 4/26


「私の自由って、それはまぁ……ありがたいことだけど」

「……………」


「……~~~っ」

「……ぁぁぁ……もぅ……」


「……スゥ………はぁ……」


「ふぅ……やっぱり、慣れないことはするもんじゃないね…本当」


5 : VIPに... - 2014/09/29 01:12:11.14 7UwqJ03/0 5/26



「なにがって……その、ウソついたって…いうか」

「………」

「……………」

「そ、全部ウソ…うん、うん」


「だから、さっきのはウソだったんだって、彼氏とかいないし……」

「いや、それはまぁ……あるけど、あっ!ちが、ぜ、全部断ってるよ?ちゃんと!」

「……はぁ、もう…」


「……ぁぁ、ごめんね……なんか変なウソついて、私どうかしてるのかも」

「いや、それはホントに何でもないから…なんでもないって!」

「……プロデューサーも、なんでそこ引き下がるのかなぁ、ホントに付き合ってないのに…」ボソッ


「もっと他に、引き下がるタイミングあったのに……むぅ」


6 : VIPに... - 2014/09/29 01:13:19.32 7UwqJ03/0 6/26


「何でもない、あぁもうこんな時間か…あ、変に時間とらせちゃったね、プロデューサーにも」

「……ん、分かってる」

「それじゃ、うん……また後で」

ガチャ… パタンッ


「……はぁ、なんか……ばかみたい」

パチンッ

「……なにやってんだろ、私」ヒリヒリ


7 : VIPに... - 2014/09/29 01:14:00.95 7UwqJ03/0 7/26



ガタッ…ガタッ


「……ん、プロデューサー?…何を」

カチャッ

「………」チラッ


「…………ぁ」

「……ふぅん、そっか………」


「………ふふっ…」


end

17 : VIPに... - 2014/09/29 14:32:34.95 jv53h8YnO 8/26

ー事務所ー

加蓮「ケホッ、コホっ……あ~、喉がなんかイガイガする…」

加蓮「あ…うん、大丈夫だよPさん、特に体調は……」

加蓮「いやいや、ちょっと咳き込んだだけだから、ノド飴でも舐めておけば平気だって」

加蓮「まったくもう、心配症なんだから……えっと、ノド飴は確かこの中に…」

カサッ…ヒラヒラ~

加蓮「?」

加蓮「いま何か落ち……あ!」


加蓮「っ……ん、えと……その、それは、ね…その」

加蓮「の、ノド飴、ノド飴の包みなん………う、あー…ダメ…か」


18 : VIPに... - 2014/09/29 14:33:16.17 jv53h8YnO 9/26


加蓮「あ、はは……そっか、Pさんもやっぱり、それくらい見たこと、ある…」

加蓮「……うん、そう……飴の包みには見えないしね、こんなの…」

加蓮「…苦し紛れだよ、さっきのは……」

加蓮「そんな"♂♀"マークのはいったのなんて……アレぐらいだよね」

加蓮「……うん、そう…使った、昨日の夜……」

加蓮「……ちえっ、なんで鞄の中に紛れ込んでたのかなぁ……それも開けたのが…こんな」

加蓮「………ううん、なんでもないよ……なんでも、はは」


19 : VIPに... - 2014/09/29 14:33:57.68 jv53h8YnO 10/26


加蓮「本気かって?………ん、本気……か」

加蓮「……うん、私…本気だよ……"そういう意味"では…」

加蓮「一緒にいるとね、ドキドキして……ネイルとか褒めてもらえるとすっごく嬉しくなるんだ」

加蓮「……で、そうしてるうちに……その、そのまま自然とそういう雰囲気になって、それで……ホテルに」



ーーついたてーー

「」

20 : VIPに... - 2014/09/29 14:34:57.94 jv53h8YnO 11/26


加蓮「最初は……まぁ、緊張したけどさ、あっちも上手にリードしてくれたりで、今では私の方が主導権握ったり?して」

加蓮「……まあ私の体調を気づかってくれてるのか、あまり無理なことはされてないかなぁ……」


「…///」ト゚キ ト゚キ

加蓮「でもでも…多少荒っぽくっても私は、Pさんになら…な、なんちゃってー!キャー!」

「…!」ハッ

「…ち、ちょっと加蓮っ」コソコソ

加蓮「な~んて……あれ?凛?……どうしたの?そんなところで」コソコソ


「別にどうもしないし休んでただけなんだけど、それよりさ…何?さっきの話は…」


加蓮「え?あー、うーんと……うまく言えないけど、ちょっとしたドッキリ、かな?」

「………」


「えっ、ドッキリ?!」


21 : VIPに... - 2014/09/29 14:35:31.13 jv53h8YnO 12/26


加蓮「そうそう、ほらPさんって全然動じないじゃない?だからさ、たまにはちょっと慌てた姿も見たくなっちゃって」

「………あー、なるほど」

加蓮「凛も分かる?」

「うん、なんとなく…」

(このあいだ私も似たようなことしたし…)

加蓮「でしょ?…やっぱりね、凛なら分かってくれると思った」

「でもさ、加蓮」

加蓮「ん、なに?」

「……加蓮のは、やりすぎ」

加蓮「へ??」

22 : VIPに... - 2014/09/29 14:37:22.37 jv53h8YnO 13/26


「ほら、見てよプロデューサーのあの顔…」

加蓮「?……あ、あー…」

「ね?…調子悪かったときの加蓮にそっくりだよ」

加蓮「本当だ、たしかに鏡で見たときのアタシってあんな感じだったかも……」

「プロデューサーって、動じなそうに見えても内面はけっこう違うんだね、きっと…」

加蓮「うーん、確かに……あれなら今すぐ入院してもおかしくないもん」

「ま、それにしたって加蓮のは酷かったけどね、冗談が下手っていうか」

加蓮「え、そうだった?……いや、まあ………あれは」

「うん?……」


加蓮「熱演だったでしょ?」

「それはそうだけどそれにしたってウソの趣味悪すぎるよ!」

加蓮「あちゃー…」


23 : VIPに... - 2014/09/29 14:38:24.58 jv53h8YnO 14/26


加蓮「むぅ……昨日みたドラマに影響受けすぎたみたい……ごめんなさい」

「いや私はいいけど、プロデューサーに謝らないと、ホームセンターで紐のような物を買いに行きそうな顔しだしてるから…」

加蓮「そうだね、ちゃんとさっきのはウソでしたってPさんに謝ってこなくちゃ」

「うん…そうしなさい」

加蓮「Pさーん」トコトコトコ


24 : VIPに... - 2014/09/29 14:39:26.76 jv53h8YnO 15/26


「…まったく、加蓮ってたまに暴走するときがあるから……もう」

「反発心が強いというか……なんというか……」

「…………」


「……っ、!?」ガタッ


「ち、ちょっと加蓮!謝るのに抱きつくのは必要ないよねっ?!」

加蓮「ぎゅーっ♪」ムギュッ


25 : VIPに... - 2014/09/29 14:40:12.41 jv53h8YnO 16/26

P.S.

「それにしても加蓮、こんな包みはいったいどこから…」

「まさか、いや…でも………ううん…」

「………」

「……」クンクン

「あ、クッキーの匂い…」


end

26 : VIPに... - 2014/09/29 14:41:16.94 jv53h8YnO 17/26

ー事務所ー


奈緒「な、なあ…ホントにやるのかよ、こんなこと……」

加蓮「あれれ、今さら怖気づいちゃった?」

「でも、奈緒だって昨日ノリノリでカラオケ勝負にのってきたよね?」

加蓮「その上で負けたんだから、責任はとらないとね~…奈緒?」

奈緒「わ、わかったよ……ま、別にこのくらいアタシにとってはなんでもないけどな!」

「そっか」

加蓮「うんうん」


(( 計画通り…))


30 : VIPに... - 2014/09/29 14:51:55.07 jv53h8YnO 18/26


奈緒「あ、いやでも…そういえば」

「なに?どうかした?」

奈緒「いやアタシはいいんだけど、これってPさんに迷惑じゃあないかな?ほら、ウソとはいえこんなこと言ったら…」

加蓮「べつに、いいんじゃない?……そりゃまあ趣味悪いかもしれないけど…」

「他所では"実は今度、結婚するんだ"とかってアイドルに嘘ついてまわる人達もいるって噂だし…」

奈緒「そ、そうか……それならまあ、いいんだけど……アタシは平気だし?」

加蓮「うん、そうだねそうだね」ニヤリ

「それじゃあ平気な奈緒、いってみよっか」

奈緒「お、おう……よしっ」


31 : VIPに... - 2014/09/29 14:54:00.06 jv53h8YnO 19/26


加蓮(さてと、さっそく奈緒がぎこちない足取りでPさんに近づいていってるね)

(いま私たちはついたての裏で見守ってるわけだけど…奈緒、だいじょうぶかな)

奈緒「…////」ギギクシャク ギギクシャク

加蓮(顔が真っ赤、奈緒の顔が真っ赤だね)

(うん、まるで熱出したときの加蓮みたい…)

加蓮(…む、もー……凛ってばすぐにアタシを例えに使うんだから……)

奈緒「あ、あのさ…P、プロデューサー……」

加蓮(お、普段は名前呼びなのに、プロデューサーって言ったね、奈緒……ガッチガチじゃん)

(ま、こういうときはそっちの方が効果があるかもしれないね、普段なら…)


奈緒「…その、アタシ……実は…」

加蓮「…………」

「…………」


32 : VIPに... - 2014/09/29 14:56:29.99 jv53h8YnO 20/26


奈緒「アタシ……その、か…」

「…!」

加蓮「…!」

奈緒「…か、かかっ///…彼氏が、でで…出来たんだっ!」

(い、言ったーーーっ)

加蓮(奈緒が言ったーーっ!)


奈緒「……///……ぅぅ////」ボヒュッ

((でもPさんはなんかニヤニヤしてるーーーっ!))

((流石に三人目ともなると速攻でバレているーーーっ!))


加蓮(ふぅ……ま、そりゃそうだよね……はじめからそれが狙いだし)ニヤニヤ

(なんか、奈緒に悪い気がしてきた…)ニヤニヤ

奈緒「いや、その……ちがくて、彼氏というか……その、なんていったらいいか…///」

加蓮(うーん、ここからだとボソボソとしか聞こえないなぁ…)

(ていうか、奈緒…ぜんぜんプロデューサーの表情に気づいてないね)

加蓮(うん、まともに顔も見れないってことなんだろうね…)

奈緒「とっ///、とにかく!アタシ、付き合うことになったから!だ、男子と!」


(もうプロデューサーも噴き出すの堪えるのに必死だよ…)

加蓮(…っ……く………ひーっひーっ)

(こっちもか…)

33 : VIPに... - 2014/09/29 14:58:31.11 jv53h8YnO 21/26


奈緒「……////」プルプル

(あぁ、黙って俯いちゃった……奈緒、だいじょうぶかな後で…)


加蓮(……ぁぁ、アタシ…何やってんだろ…Pさんの前で……こんな)

(!…ちょ、加蓮…っ)

加蓮(バカみたいなこと……なんかもうアタシ、頭の中こんがらがって、沸騰しそうだよぉ……こんなぁ)

(っ……ぷくく……くっ、やめ…加蓮)


奈緒「な、なぁ……プロデューサー、なんとか言って……あ」

奈緒「な、何ニヤついてんだよいったい……」

奈緒「………え?…凛と……加蓮、が?」

「あ」

加蓮「あ」


奈緒「……………へぇ………」


奈緒「…………ほぉ………」ギラリ

「……あぁ」

加蓮「……おっとっと」


34 : VIPに... - 2014/09/29 15:01:34.28 jv53h8YnO 22/26


「「………にげろ!」」ババッ


奈緒「あっこらァ!二人とも!またアタシのことを担ぎやがったなぁぁああっ!!」ガーッ

「ごめん!ほんとごめん、奈緒の照れ姿想像してたらつい…」ダッ

奈緒「つい、じゃねーっ!!」

加蓮「あっはっはっはっはっはっはっ!」ダダッ

奈緒「笑ってんじゃねーっ!!」

加蓮「ひーっ、ひーっ!」



ドタバタ ドタバタ ドタバタ ドタバタッ!

36 : VIPに... - 2014/09/29 15:03:59.22 jv53h8YnO 23/26

………
……


奈緒「……はーっ…はーっ……つ、疲れた」クテッ

加蓮「はぁ…はぁ…あー、いい汗かいた……」クタッ

「ぜぇ……ぜぇ……ぜぇ………」ガクッ

奈緒「ぅ……ったく、なんだよもう、二人とも……アタシのこと、はめるようなことして……なんだよ、なんだよ…」

加蓮「だ……だからそれは……ごめん、って…」


奈緒「くぅ………っ…」グスンッ

「…あ、奈緒……ほんとにごめん、そこまでするつもりは」

奈緒「だ、だいたい……Pさんも一緒になって人をからかって、なんだよもうっ…」グシグシ

加蓮「いや、Pさんは無関係で……その」

「?……あれ、プロデューサー?

37 : VIPに... - 2014/09/29 15:08:11.77 jv53h8YnO 24/26



奈緒「~っ、ふえっ?!」ナデリ

奈緒「えっ?!……な、なんだよPさん、ひとの頭を急に…っ」

「!」

加蓮「!」


奈緒「ふぁ、そ……そんなこと今更言われても、誤魔化されたりなんか……そんな」ナデラレ

「………」

加蓮「………」


奈緒「……え、えへへ///…あ、ちがっ!笑ってない!笑ってなんかないぞ!……///」ニマニマ

「……」

加蓮「……」


「……え?なにこれ、オチ?」

加蓮「これはクシャポイものだね……」



38 : VIPに... - 2014/09/29 15:10:37.75 jv53h8YnO 25/26

P.S.


「プロデューサー、ちょっと……ここに立ってみて」

「…うん、やっぱり……こう向かい合って立つと…顔、近いね」


「あ、あっごめん、そういう意味で言ったんじゃなくて……」

「ただ、これくらいの距離が私的には都合がいいかな……って」


「?……あっ、もう……イジワル」

「…………」

「………」


「………ね、ねぇ……P、さん…」


END

39 : VIPに... - 2014/09/29 15:16:43.94 jv53h8YnO 26/26

ていう、メモ帳の中で化石化寸前だったのをお焚き上げ
不備あり、キャラのブレ有りって書いときゃよかった。

…特に加蓮

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