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【艦これ】龍驤「もう少し、足りないもの」その9【安価】(4)
ーー
龍驤「なんで榛名が呼び出されたんかは分かるか?」
榛名「…はい」
龍驤「この鎮守府で出撃できる戦艦は榛名と金剛とアイオワだけや。戦艦はたったの三人しかおらんねん」
龍驤「アイオワに至っては毎日出ずっぱりや。半日の休みをあげるのが精一杯って状況やね」
龍驤「そんな中…榛名の出撃成績が良くないのは自覚しとる?」
榛名「……申し訳ありません」
龍驤「ウチかってこんな事言いたくないんや。でも言わなしゃーない状況になってしまってるねん」
提督「金剛も榛名もまだ改二では無い。戦力的にこれは厳しい」
龍驤「金剛はもうすぐ改二になれる。けどレンタル移籍のままやったらこっちで改造はできへん」
提督「金剛が所属している鎮守府とは話し合っている途中だが、近い内に金剛はこちらの所属になる」
龍驤「向こうは向こうで高速戦艦が必要やねんけど、ウチらの状況を分かってくれてん。向こうが金剛が必要になったらレンタル移籍してもらうって方向で行くねん」
提督「…出撃して練度の上がりが遅くても不満を言ったことが無かった。自分のペースで頑張ってもらうことが大切だと思っていたからな」
提督「だがそうも言ってられないんだ。榛名が改二になれるかどうかでこの鎮守府の未来が決まる」
龍驤「大袈裟な話やないんや。ほんまに頑張って欲しいねん」
榛名「…………はい」
提督「こんな叱りつけるような事を言ってすまない。だが戦艦の火力は何ものにも変えられないんだ」
龍驤「ウチが休みなしで出撃して解決するんやったらそうしてる。でもそれは無理なんや…」
榛名「分かっています。これからは休みなしで出撃します」
龍驤「…ごめんな」
提督「演習も積極的にやってくれると助かる」
榛名「はい、榛名にお任せ下さい!」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
632 : 以下、名... - 2019/03/04 19:46:23.88 zfxbe4iKO 302/440練度高めの娘達が演習に付き合ってくれる
ーー演習場
榛名「付き合わせてしまってすいません…」
皐月「大丈夫だよ!演習くらいいくらでも手伝ってあげる!」
神通「高い練度の艦娘と演習すれば…練度も効率よく上がります…」
朝霜「いっとくけど手加減はしねぇからな」
龍驤「ウチも手伝うで!頑張ってな榛名!」
榛名「はい!全力でやらせてもらいます!」
ーー
龍驤「榛名の動きはどうや?」
朝霜「全然だな。皐月に負けてんじゃねぇか」
龍驤「今までもそうやってん。榛名を含む艦隊で榛名がMVPを取ることはほとんど無かった」
朝霜「今までなぁなぁにしてたツケが出てんじゃねぇか。あんな腑抜けた戦艦クソも役に立たねえぞ」
龍驤「…今のままやと厳しいわな」
朝霜「龍驤さんも甘めぇんだよ。榛名が腑抜けた原因分かってんだろ?」
龍驤「霞……か」
朝霜「まずはあの二人を引き剥がせ。とりあえず改二になるまでは会わすのも禁止だな」
龍驤「可哀想やけどやるしか無いんか……」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
637 : 以下、名... - 2019/03/04 20:07:28.90 hLeYWs2jO 305/440むしろ霞とコンビを組むとお姉さん力爆発で
大活躍すると発覚
ーー
提督「これは驚いたな…」
龍驤「試しに霞と榛名を同時に出撃させてみたら凄いことになったな」
提督「ここまで活躍した所は見た所が無いな…」
龍驤「これぞ戦艦っちゅう戦果やね」
提督「これだけ活躍してくれるなら文句は無いな」
霞「当たり前でしょ?私のお姉さまなのよ」
榛名「霞ちゃんが側に居るなら榛名はもっと頑張れます!」
龍驤「そう言うんやったら霞と榛名はセットで使いたい所やけど、霞には薬の調合があるしなぁ」
提督「それに霞自体の練度も高くないのがな」
霞「その辺は大丈夫よ」
龍驤「何がよ?」
霞「私は被弾しないから」
提督「…その自信はどこからくるんだ?」
霞「お姉さまは戦艦なのよ、私くらい守れるわよね?」
榛名「もちろんです!霞ちゃんにはかすり傷一つ付けさせません!」
霞「それでこそ榛名お姉さまよ」
龍驤「司令官…霞ってやっぱりドSなんやなぁ」ヒソヒソ
提督「霞といえば司令官をクズ呼ばわりだからな」ヒソヒソ
龍驤「この調子で榛名には頑張ってもらおか」
提督「うまくいけば霞も改二になれるな」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
644 : 以下、名... - 2019/03/04 20:37:41.86 wIfnx6iRo 309/440>>633
633 : 以下、名... - 2019/03/04 19:46:55.19 Clbw+OArO 310/440榛名の元いた鎮守府から比叡が様子を見に来る
ーー
榛名「ふう……」
比叡「頑張ってますね榛名!」
榛名「ひ!?比叡お姉さま……」
比叡「榛名が頑張ってるって聞いて応援に来たんですよ!」
榛名「あ、あ、あ、ありがとう…ございます……」ガタガタ
霞「お姉さまが震えてる…」
比叡「ここまで遠かったけど、榛名の為ならへっちゃです!」
霞「比叡さんが来たってことは…」
比叡「榛名の為にお弁当を作ってきたんです!」バァンッ
榛名「…っ!!」
霞「あの…それって何が入ってるの?」
比叡「練度が上がりやすくなるような食材や調味料を使ってます!」
霞「中身がチラッと見えたけど、紫色してたわよ…」
比叡「遠慮はいりません!どうぞ食べて下さい!」
榛名「は、榛名は……」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
652 : 以下、名... - 2019/03/04 21:00:51.91 YbOSqYLho 313/440金剛、比叡に呼びかけ離脱させる
アイコンタクトでそれを処分しとけと伝える
金剛「ヘーイ比叡!何してマスか?」
比叡「金剛お姉さま!!」
金剛「金剛型戦艦は鎮守府は違えど皆姉妹デスからネー!」
比叡「その通りです!」
金剛「そっちの話も聞きたいデス。食堂でお茶でもどうデスか?」
比叡「お誘いは有り難いですけど…」
榛名「こっちは大丈夫ですよ比叡お姉さま」
霞「そうよ」
比叡「…分かりました。金剛お姉さまのお言葉に甘えさせて頂きます!」
金剛(榛名)パチッ
榛名(はい)コクリ
ーー
榛名「はぁぁぁ…助かりました……」ヘナヘナ
霞「金剛さんには感謝ね。こんなお弁当食べたら命に関わるわ」
榛名「比叡お姉さまには悪いですけど、これは処分ですね…」
霞「食堂に比叡さんは居るのよね?工廠の排水路か中庭の手洗い場に捨てておきましょう」
榛名「すいませんお姉さま。榛名はまだ死ねないんです…」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
658 : 以下、名... - 2019/03/04 21:24:36.00 XmeC7nEGo 316/440工廠で異臭騒ぎに
ーー工廠
秋津洲「えげっ!!おお……!」
明石「ひ…ひ……」ヒクヒク
北上「しっかりして!解毒剤は霞に用意してもらうから!」ガスマスク
夕張「何が原因で毒ガスが発生してんでしょうか…」ガスマスク
陽炎「私じゃないわよ!メッキ液はちゃんと適切に処理してるわ!」ゴールデンガスマスク
北上「メッキ液から毒ガスは発生しないから。分かってるよ~」
北上「ガスは工廠から出てない?鎮守府に蔓延したら全滅だよ」
夕張「そこは大丈夫です!」
秋津洲「…………」
陽炎「大変!秋津洲が息して無いわ!」
北上「酸素呼吸器を使って!急ぐよ!」
明石「秋津洲……ちゃん……」
夕張「なんで…どうしてこんなことに!?」
662 : 以下、名... - 2019/03/04 21:41:21.16 XmeC7nEGo 319/440思ったより大惨事だった
霞「お弁当は処理できて良かったわね」
榛名「工廠に勝手に捨てて良かったのでしょうか…」
霞「排水路だから大丈夫よ。油とかに塗れてすぐ消えるわ」
榛名「そうだといいんですけど…」
霞「それよりこのお弁当を洗わないといけないわね。気をつけて洗わないと手についたら終わるわ」
榛名「中庭で慎重に洗いましょう」
霞「手に付いたら終わりだなんて…どんな劇薬よ」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
666 : 以下、名... - 2019/03/04 21:46:14.92 3VjvwfEaO 321/440秋津洲、鴨が引っ張るブランコ(鬼太郎のアレっぽいの)に乗ってそらをとぶ夢を見て、落ちた瞬間に目覚める
ーーーー
秋津洲「ここは何処……?」
カァーーー
秋津洲「貴女は夕張のカラス?あれ?なんであたし空を飛んでるかも?」
カァーーーーーー
秋津洲「え?向こうに向かってるかも?」
秋津洲「あそこって川が流れてて…誰かが手を振ってる……」
秋津洲「いやいやいや!!秋津洲はまだ死ねないかも!!」
秋津洲「ちょっと!降ろして欲しいかも!!」ユサユサ
カァーーー
秋津洲「へ、嘘!?ここで降ろされたら地面に……!」
秋津洲「あぁぁぁ~~~~!!」ヒュー
ーー医務室
秋津洲「がもっ!!」ガバッ
北上「おお起きた」
秋津洲「はぁ、はぁ…っ!」
北上「何があったか覚えてる?」
秋津洲「三途の川を…飛び越える所だったかも……!」
北上「そういうことじゃなくて…何気に危なかったんだ」
秋津洲「もう少しで逝く所だったかも!!」
ーー
秋津洲「毒ガスの発生源は分かってないかも?」
北上「全然。何が悪かったかサッパリだね」
秋津洲「このままじゃ危険かも…」
北上「そうだね。中庭でも異臭騒ぎがあったから」
秋津洲「中庭で!?」
北上「あの由良がフラフラになりながら教えてくれてんだよ。いや~危なかったよね」
秋津洲「提督達は無事かも?」
北上「鎮守府の中ではガスは発生して無いよ。でも次は中で何かがあるかもしれないから気をつけないとね~」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
673 : 以下、名... - 2019/03/04 22:06:45.87 wIfnx6iRo 325/440霞と榛名がお茶会に合流
ーー食堂
金剛「異臭騒ぎ…毒ガスが発生したそうデスね」
霞「心配だわ…」
榛名「……」
比叡「こんな事は今まであったんですか?」
金剛「無かったデスよ。だからこそ心配なんデス」
霞「私の薬が原因?でも薬草が茹るような排水なんかここには流れ無いし…」
榛名「あの……いや…でも……」
比叡「お姉さまが考え込んでしまいました…はっ、紅茶が無い!」
金剛「うーん……」
比叡「待っていて下さいお姉さま!比叡が飛び切りの紅茶を入れます!」
榛名「あ、あの……」
霞「何が原因なのかしら…」
榛名「は、榛名は……」ガタガタ
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
679 : 以下、名... - 2019/03/04 22:29:19.70 3VjvwfEaO 328/440大丈夫じゃないです!と比叡を羽交い締め
榛名「榛名は大丈夫じゃありません!!」ガガシシッ
比叡「ひえーーー!?」
金剛「ん…どうしたんデスか?」
霞「榛名お姉さまが比叡さんを羽交い締めにしてる?」
比叡「なにをするんですか榛名!私は金剛お姉さまに紅茶を入れようとしたんです!」
榛名「金剛お姉さま申し訳ありません!全ては榛名のせいなんです!」
霞「お姉さまが?」
金剛「詳しく聞かせて下サイ」
ーー
金剛「オーウ……なんという事でショウ…」
霞「毒ガスの正体が比叡さんのお弁当だったなんて…」
榛名「ごめんなさい…榛名が捨ててしまったからなんです」
金剛「仕方なかったんデスよ。テートクも分かってくれます」
霞「間違って食べてたら死は免れなかったわ」
榛名「比叡お姉さまごめんなさい……」
比叡「あ、はい……」
霞「榛名お姉さま、私も司令官の所に行くわ。一緒に怒られましょう」
榛名「霞ちゃん…」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
685 : 以下、名... - 2019/03/04 22:52:53.41 YbOSqYLho 331/440アレな雰囲気になりかけてた提督、安心して脱力
ーー執務室
提督「そう…か……榛名が…」
榛名「申し訳ありませんでした…」
霞「私からも謝るわ。ごめんなさい司令官」
提督「……ふぅぅぅ…」ガクッ
榛名「提督!?」
龍驤「良かったなぁ司令官…ほんまに良かった……」
霞「なに?どうしてそんなリアクションなの?」
提督「俺は……テロか何かなんじゃないかと思ってたんだ………」
霞「……そうね。この状況ならそれを疑うわね」
提督「水道水に何かを混ぜられたりとか…空調を……」
龍驤「あかん。司令官、ちょっと横になり」
提督「医務室は……秋津洲が…明石が…」
龍驤「なら部屋に行こうか。そこやったら大丈夫やろ」
提督「うぅん……」フラッ
榛名「手伝います!!」
龍驤「手伝わんでええ。ウチが司令官を介抱するんや」
榛名「…失礼しました」
龍驤「榛名、霞。後で覚えとき」
榛名「……はい」
霞「…ごめんなさい」
龍驤「あんたらがやったことは些細な事や。でもその結果どうなるかを考えへんだお前らが悪い」
龍驤「司令官にもしもの事があったら分かっとるな」ゾゾゾッ
霞「……」ビクッ
榛名「龍驤さん……」
龍驤「こんな事しとる場合ちゃうのは分かっとるやろ。十分反省しとけ」
霞「……あそこまで怒ってる龍驤さんは久しぶりね」
榛名「よく考え無かったのは事実です…毒物を簡単に捨ててしまってはどうなるかは想像できたはずなのに……」
霞「早く処理しないとって思ってたから…」
榛名「後で提督と龍驤さんに謝りましょう」
霞「司令官の体調がよくなったら、すぐにね」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
691 : 以下、名... - 2019/03/04 23:21:43.91 3K5OnCzDO 336/440提督を介抱しながら
ああ…またやってしもた…あんな事言うつもりは無かったのに…後で謝らんとなあ…と龍驤
ーー提督の部屋
龍驤「司令官、大丈夫か?」
提督「あぁ……」
龍驤「それやったら良かったわ…」
龍驤「……」
龍驤「またやってしもた…あんな事言うつもり無かったのに…後で謝らなあかんなあ…」
提督「俺が…怪我をした訳じゃないだろう……」
龍驤「ほんまやね……でもさっきは頭に血が上ってしもて…」
提督「例え…怪我をしたとしても……俺は…構わない…」
龍驤「うん…キミはそういう人やもんな」
龍驤「でもな、ウチの気持ちも分かってくれる?司令官の事は命より大切なんや」
提督「俺も…龍驤の事は……」
龍驤「ウチにはキミしかおらん。司令官にもしもの事があったらウチはすぐ後を追うで」
提督「それは…やめて……く…れ…」
龍驤「嫌や。司令官のおれへん世界にウチの生きる場所は無い。絶対に死んだる」
提督「……」
龍驤「だからな、ウチの為にも長生きしてな。ずっとウチの隣におって。一生添い遂げさせてな」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
698 : 以下、名... - 2019/03/04 23:47:55.88 ou3A+h0V0 339/440提督
お前ともっと生きていくために、この戦争を終わらせる
つらいことも変わりゆくこともあるかもしれない
それでも、変わりたいと思う、頼りない俺を信じてくれるか?
提督「龍驤ともっと生きていくために…この戦争を終わらせる……」
提督「辛いこと…変わっていくこともあるかもしれない……」
提督「それでも…こんな頼りない俺を…信じてくれるか……?」
龍驤「当たり前やん。キミが行く道がウチの進む道や。例え司令官が誰からも拒絶されてもウチがおる。ずっと…ずっっっと側におるからな」
提督「ありが…とう……」
龍驤「お礼を言うのはウチの方や。こんなカタワの軽空母ともっと生きたいやなんて……嬉しすぎて泣きそうやわ」
提督「そんな…事……」
龍驤「…まだしんどい?えっちはできへんか。愛してるって証拠見せたかったんやけど…」
提督「側に…居てくれ……」
龍驤「うん……大好きやからな司令官」
提督「龍驤…」
龍驤「ん……」
由良「いい雰囲気の所…ごめんなさい……」シュバッ
龍驤「んぉ!?」
提督「由良……」
由良「毒抜きで……大規模に焚火をしたいんだけど………許可を…頂戴…」
提督「どこで…だ……」
由良「中庭…………」
提督「許可…しよう………」
由良「ありがとう……」シュバッ
龍驤「あの状態でもあれだけ動けるんか」
提督「流石は…由良だ……な…」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
704 : 以下、名... - 2019/03/05 00:06:45.29 bY1Gmiimo 342/440比叡の料理改善作戦開始
ーー食堂
間宮「元はと言えば比叡さんの料理のせいなんですからね!これを機にしっかり料理を覚えて下さい!」
比叡「ひぇーーー!なんで私がこんな目に!」
間宮「そっちの間宮は何をしてるんですか、もう!」
金剛「比叡はタップリと絞られてますネー」
間宮「何をしてるんですか!卵焼きに火薬は必要ありません!」
比叡「ええ!?」
間宮「オイルで炒める!?オリーブオイルと機械に使うオイルは違いますよ!」
比叡「ひぇ~~~~!?」
間宮「こんな料理ばっかり作って…よく捕まらなかったものね……」
ーー
ーー
龍驤「今日から入院か…」
提督「予定を随分と早めたそうだな」
ガングート「不測の事態があっては困るからな。それに気になる事を言われたんだ」
龍驤「何よ?」
ガングート「お腹の中にいる双子のうち、片方だけが艦娘である可能性があるらしい」
提督「片方だけが……」
ガングート「双子といっても一卵性と二卵性がある。片方が艦娘で片方が人間であってもおかしくない」
龍驤「そうやとしたらちょっち危険やね。早めの入院はしとくべきや」
ガングート「万が一艦娘の方を産気づくと、残りの胎児は未熟児として生まれてくる」
ガングート「未熟児でも生まれてくれば良い方だ。最悪腹の中で死ぬ……」
ガングート「死………」
龍驤「…病院にはウチらもお見舞い行くから元気に入院しとき」
提督「孫さんも毎日通うと言ってたじゃないか」
ガングート「あいつの酒蔵から近い病院だからな…」
龍驤「大丈夫やで、ガングートも双子の赤ちゃんも大丈夫や」
提督「どうかこれから気をつけてくれ」
ガングート「あぁ……」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
719 : 以下、名... - 2019/03/05 19:46:51.70 z7VdaIWzO 346/440初日は孫さんも一緒に病院へ
検査ではまだまだどちらも同じぐらいの発育具合
ーー病院
「お腹の中の赤ちゃんは順調です。まだどちらがどうとは言えませんね」
孫「同じくらいの大きさならどっちも艦娘や人間ということですか?」
「そうとも限りません。過去の例を見ると胎児が急成長した事もあるんです」
「艦娘の妊娠と出産は少ないんです。データも何も揃っていない状況なので確定している情報は一切ありません」
孫「そうなんですか…」
ガングート「……」
「不安も多いかもしれませんが、ここには我々以外にも大本営の方が在住してくれます。どうか安心して下さい」
孫「ガングートさん、僕も毎日通いますからね」
ガングート「あぁ……」
孫(流石のガングートさんも元気が無いみたいだ…)
「ガングートさんが無事に子どもを産むまで、我々は全力でサポートさせてもらいます」
ガングート「頼む……」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
723 : 以下、名... - 2019/03/05 20:05:13.78 l5D71oJjo 349/440オイル飲みテストをする事に
ーー
「こちらがオイルになります」
ガングート「とはいってもありふれたものだがな」
孫「この検査は母体に負荷がかかるんでは無いんですか?」
「そうですが…これが確かな検査なんです」
ガングート「これで艦娘かどうか分かるなら安いものだ」
孫「大丈夫なんですか?」
ガングート「何も問題は無い」
ガングート「美味く感じれば艦娘なのは知っているが、二人となるとどうなるんだ」
孫「片方が艦娘だとどうなるんでしょう?」
「分かりません……前例が無いもので」
ガングート「ええい飲めば分かるんだ。オイルを貸せ」
「はい、どうぞ」
ガングート「…いくぞ」グイッ
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
730 : 以下、名... - 2019/03/05 20:30:48.96 3iYp4g7D0 352/440美味しいのと不味いのが交互にくる
ガングート「美味……不味い…」
孫「ということは…」
「片方だけが艦娘ということになりますね」
ガングート「……そうか」
「一番対応が難しい結果になりましたね」
孫「これから…どうなりますか?」
「様子を見て対処する、としか言いようがありません」
孫「……そうですか」
ガングート「そんな顔をするな。まだ何も起こっていないだろう」
孫「そうかもしれませんが…」
ガングート「落ち込んでもしょうがない。なるようになると思っていた方が楽になる」
孫「ガングートさん……」
「こちらも全力を尽くします。どうか頑張って下さい」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
735 : 以下、名... - 2019/03/05 20:51:54.60 l5D71oJjo 355/440このケースに詳しいと言われる医師に病院側が打診する(艦娘か人間かは次以降の安価で)
ーー
「……ええそうです。双子のうち片方が艦娘なんです」
「はい……前例はほとんどありません。資料も何も無い状況です」
「はい…はい……」
「是非お願いします。こちらではできることは限られていますので」
「はい…よろしくお願いします」ガチャ
「ふぅ……」
「先生、どちらにお電話をされていましたか?」
「艦娘の妊娠や出産に詳しいと言われている学者さんだよ」
「医者では無いんですか?」
「医者でもあるけど、学者がメインの人なんだ。医師免許を持ってる学者と言えばいいのかな」
「艦娘の婦人科の専門医はいません。そういう人に頼るしか無いんですね」
「腕は確からしい。ガングートさんもなんとかなればいいんだがね」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
740 : 以下、名... - 2019/03/05 21:09:06.76 z7VdaIWzO 358/440しばらくして問診に来てくれたのは自らも経産婦の利根さんだった
ーー
利根「ガングートの事はこの吾輩に任せておけ!」
孫「貴女が学者さんの利根さんですか?」
利根「左様、医者でもあるぞ!」
ガングート「本当に任せていいのか?」
利根「もちろんじゃ!吾輩が居れば全ての問題は解決じゃ!」
孫「頼もしいな人が来てくれましたね!」
ガングート「そこで胡散臭さを疑いのが孫なんだ……」
ガングート「それよりも孫、お前は仕事に行け」
孫「え!?もうそんな時間なんですか!?」
ガングート「お前が居なければあの酒は作れないんだぞ」
孫「あの調整は僕しかできない…でもガングートさんも気になる!」
ガングート「いいかは早く行ってこい」
孫「…はい、行ってきます」トボトボ
利根「男を尻に敷くとはお主もやるの」
ガングート「ふんっ、孫はあぁやって使われるのが似合うんだ」
利根「それよりもよくも人の事を胡散臭いと言ってくれたな?」
ガングート「事実を言っただけだ。急に来て私が専門家だと言われても怪しさしかない」
利根「ほう…吾輩が経産婦と知ってもその台詞が言えるか?」
ガングート「なんだそれは?」
利根「吾輩は出産を経験しとるんじゃ!」
ガングート「なに!?」
利根「しかも艦娘と人間の双子じゃ。まさにお主と同じ状況じゃな」
ガングート「それで……子どもはどうなった?」
利根「安価」
下1~3高コンマ 利根の台詞や行動などを
748 : 以下、名... - 2019/03/05 21:23:16.83 pU/szxnFo 362/440二人とも同じように成長して生まれたぞ
利根「二人とも同じように成長して生まれたぞ!」
ガングート「同じように…」
利根「これはまだ仮説じゃが、どうやら艦娘の方が待ってくれとるんじゃ」
ガングート「……艦娘の胎児が人間の胎児の成長を待つと言うんだな」
利根「そうじゃ。そうでないと吾輩の場合は説明がつかんかった」
ガングート「そんな事が……」
利根「じゃがそもそもどちらも流産の可能性もある。いや、流産で済めばいい方じゃな」
ガングート「母体ごとか」
利根「そうじゃ。艦娘が双子を妊娠した場合の死亡率が異常な程高い」
ガングート「……」
利根「じゃが!こうやって吾輩は生きておるし子どももすくすくと育っとる!吾輩が何よりの証拠じゃ!」
ガングート「…貴様以外に頼れる奴が居ない。どうか協力してくれ」
利根「もちろんじゃ!大船に乗ったつもりでいるがいい!」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
755 : 以下、名... - 2019/03/05 21:38:09.94 kPtDrtETO 365/440利根三人目を妊娠
ーー
孫「大事な話があるってなんですか?」
ガングート「私に何かあったということではなさそうだな」
利根「すまん……お主らのサポートをできなくなってしまったんじゃ」
孫「どうしてですか!?」
ガングート「…大本営の仕業か。もしくは我が祖国の介入か?」
孫「そんな……折角頼り甲斐のある人が来てくれたのに…」
利根「そうでは無い。そういう類のものでは無いんじゃ」
孫「じゃあ一体どうしてですか?」
利根「吾輩も……その…妊娠……したんじゃ」
ガングート「……ん?」
孫「んんんん?」
利根「前の子が双子じゃから…三人目じゃな……」
ガングート「おい貴様、艦娘は妊娠しにくいんだろう?」
利根「そのはずじゃ!というよりそうなんじゃ!」
ガングート「貴様の男は種馬か何かか?」
利根「人の旦那を馬呼ばわりするで無い!!」
ガングート「はぁ……事情は分かった」
利根「吾輩はすぐに地元に戻ることになった。お主らを付きっ切りで見守るという事は不可能じゃ」
孫「そうなりますね…」
利根「じゃがいつでも連絡はしてこい。それこそ吾輩はベッドに寝とるだけじゃ、返事はすぐにしてやろう」
利根「カルテや診断結果も見せてくれればアドバイスするぞ!」
孫「とりあえず…頼もしい味方が増えたということですよね?」
ガングート「いきなり姿は見えなくなってしまうがな」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
764 : 以下、名... - 2019/03/05 21:50:31.80 iua1jUxoO 369/440お腹の双子はその後も順調にすくすく成長
ーー後日
孫「わぁ…!お腹が大きくなってきますね!」
ガングート「毎日見てるくせに分かるのか」
孫「そりゃあ分かりますよ!」
ガングート「…私もだ。日に日に命の重さを感じるようになった」
孫「双子ですから普通より倍ですね」
ガングート「普通ならまだ自覚するには早いくらいなんだろうがな…」
孫「…あ!もうそろそろ仕事に行かないと!」
ガングート「今日は新作を売り出す日だろ。貴様が居ないと始まらないぞ」
孫「はい!生まれてくる子どもの為にも頑張ります!」
ガングート「……なぁ孫、お前に渡しておきたいものがあるんだ」
孫「もの…ですか?」
ガングート「…これだ」スッ
孫「これってパイプですよね?確か物凄く大切なものだって聞いてましたよ?」
ガングート「だからこそ貴様に持っていて欲しいんだ」
孫「…分かりました。子どもが生まれるまでは預かってます」
ガングート「…ありがとう」
孫「ガングートさんが素直にお礼を言うなんて珍しいですね」
ガングート「……」ギロッ
孫「はい!仕事に行ってきます!」ガチャ
ガングート「全く…アイツは……」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
771 : 以下、名... - 2019/03/05 22:09:45.74 pU/szxnFo 372/440>>736
736 : 以下、名... - 2019/03/05 20:52:30.16 pU/szxnFo 373/440子供の名前はどうするのかという話に
ーー
孫「そうだ!子どもの名前をどうするかを考えておかないと!」
孫「でも艦娘の子は生まれた時には名前が決まってるんですよね、確か…」
孫「生まれてくる子の艦種は潜水艦や護衛艦。それ以外には何かあったかな?」
孫「でも人間の子は僕が名前を決めないと!これからは父親になるんですからね!」
孫「ガングートさんとの子ども…楽しみだなぁ!」
ーー同時刻、病院
ガングート「う……ぐぐぐ…!!」
ガングート「腹…が…………!!」
ガングート「い……痛い………!張り裂けそうだ……!!」
ガングート「ここ数日……様子が…おかしいと思ったが…………!!」
ガングート「とにかく……医者…を…………!」
ガングート「ナース……コール……!!」ポチッ
「ガングートさんの容態は!?」
「血圧が下がっています!」
「破水は?」
「ありません!」
「子宮口も開いていない……」
「双子のうち片方が生まれようとしているみたいですね」
「……そのようだな」
「先生!このままでは…」
「…帝王切開で取り出そう」
「もう片方はまだ外には出せません!」
「なんとかするしかないだろう!このままでは母体も子どもも命は無い!」
「ですがそんな手術は聞いたことがありません!」
「何事にも前例があってたまるか!やるぞ!」
「ご家族の方にも連絡しておきます!」
「…頼む」
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780 : 以下、名... - 2019/03/05 22:34:26.90 iua1jUxoO 378/440駆けつけた孫がお腹の子に必死に語りかけると容態が安定し、賢い子で良かったと
その後無事出産
ーー
孫「ガングートさん!ガングートさん!!」
孫「そんな…今朝はあんなに元気だったじゃないですか……」
孫「どうして…なぜ……」
ピピピピピ…
孫「電話………」
孫「…もしもし」ガチャ
利根『孫か!ガングートの事は聞いたぞ!』
孫「そうですか……」
利根『こういう状況にはなって欲しくないと思っておったが、なってしまったんじゃな』
孫「ガングートさんは今…手術中です」
利根『わかっておる。これからはお主も協力するんじゃ』
孫「なにをですか…?」
利根『念じるんじゃ。思いを届けるんじゃ』
孫「ガングートさんになら…」
利根『違う、生まれてくる子どもに対してじゃ』
孫「……」
利根『これは気休めでは無いぞ、子どもに声は届くのじゃ。艦娘の子なら余計にな』
孫「助かって欲しいと…祈るんですか」
利根『そう願うより待ってくれと強く念じる方が良いかもしれん。このまま時間が無くなってしまうのが一番怖い』
孫「…わかりました」
利根『いいか、生まれてくる艦娘の子を想像するんじゃ。闇雲に想うのはいかんぞ』
利根『お主が父親なんじゃ。いいか、子は必ず聞いてくれる』
利根『ガングートと子どもを助けられるのはお主だけなんじゃからな!』
孫「…はい」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
790 : 以下、名... - 2019/03/05 22:54:52.81 l5D71oJjo 382/440>>781
781 : 以下、名... - 2019/03/05 22:36:33.20 l5D71oJjo 383/440子供は一人生まれたがガングートが大量出血で意識不明になる
ーー
「孫さん!」
孫「どうしたんですか!?」
「おめでとうございます!子どもは一人生まれましたよ!」
孫「本当ですか!よ……よかったぁ…」
「すいません…まだ終わっていないんです」
孫「え…?」
「ガングートさんと…もう一人の子どもが……」
「一度は容態が安定したんです。ですが一人目の子どもを取り上げてからまた容態が……」
孫「ガングートさんは今…」
「大量に出血していて手術は中断しています。今はガングートさんの為の治療を施しているところです」
孫「そう……ですか…」
「…覚悟して聞いて下さい。このままだとガングートさんか子どもかを選ぶ状況になります」
孫「そんな!!」
「もちろん全力は尽くします!!ですが最悪の場合を想定しなければいけないんです!」
孫「……」
「貴方が父親なんです。お答えを聞かせていただけますか?」
孫「安価」
下1~3高コンマ 孫の台詞やその他起こったことなどを
795 : 以下、名... - 2019/03/05 23:07:49.74 H98i4r5KO 386/440母体優先の治療を行い、ガングートともう一人の子供も容態が安定し、手術は成功する
孫「ガングートさんを……助けて下さい…」
孫「あの人は……何ものにも…変えられないんです……!」
「…分かりました。全力を尽くします」
孫「お願いします…お願いします……!」
孫「どうか…ガングートさんを助けて下さい……!!」
龍驤「ガングートは大丈夫なんか!?」
提督「連絡を受けた時にはもう手術中だと…」
孫「艦娘の子は生まれました。でもガングートさんの残りの子が……」
龍驤「大丈夫や。そんな事で死ぬような奴や無いで」
提督「…俺たちも見守っていよう」
ーー
「……」
龍驤「先生らが出てきたで!」
孫「先生!!」
「大丈夫ですよ、手術は成功しました。どちらも無事です」ニコッ
孫「あ……あぁぁぁぁぁ…」バタッ
提督「孫さん!」ガシッ
孫「よ…か…………」
龍驤「全身の力が抜けとる。よっぽど強い力を入れて待っとったんやな」
孫「ガングート…さん……」
提督「ガングートの状態はどうなんですか?」
「意識はありませんが問題ありません。全て大丈夫ですよ」
龍驤「ほんまに良かったわ……」
下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなどを
806 : 以下、名... - 2019/03/05 23:33:54.92 bY1Gmiimo 390/440差出人の書いてない出産祝いが届く
龍驤「ガングートとはまだ話せれへんけど、無事でなによりやわ」
提督「孫さんもすぐに眼を覚ますだろう」
龍驤「ウチらが来たで~って分かるようにガングートの部屋にメモでも置いとく?」
提督「そうしておくか」
龍驤「ほなガングートの病室に寄って帰ろか」
ーー
龍驤「ここから移動になっても荷物は運んでくれるもんな。メモはここに置いとこ」
提督「……」
龍驤「どうしたん?」
提督「これ……なんだ」
龍驤「出産、祝い……出産祝い!?」
提督「いつ、誰がここに来たんだ?」
龍驤「差し出し人は……書いてない」
提督「……監視されているということか」
龍驤「ここには大本営の人がおるのは知っとる。でもそれやったら差し出し人は書くやろ」
提督「ということは大本営では無い別の誰か……」
龍驤「司令官、開けてみぃひん」
提督「……そうだな」
龍驤「万が一大本営とかの関係者やったら謝ったらええ。これは怪しすぎるわ」
提督「そうだな、俺達で処理できるからそうした方がいい」
龍驤「……いくで」
提督「あぁ…」
下1~3高コンマ 中身やその他起こったことなどを
811 : 以下、名... - 2019/03/05 23:50:41.71 dyXWTPpfO 394/440中身はでっかいヴェルからのお祝い
陰ながら見守ってるよと一言メッセージが入っている
龍驤「封筒の中身は……メモか」
提督「陰ながら見守っているよ…ヴェールヌイ……」
龍驤「あの背が高いヴェールヌイやんな、これ」
提督「陰ながら見守っている…か」
龍驤「裏を返せばロシアがガングートを監視してるってことやんな」
提督「何としてもガングートは守ろう」
龍驤「そうや!ウチらの仲間やもんな!!」
ーー