千早「………どうも」クルッ スタスタ…
P「あっ…」
P「…ってことがあってだな。怪訝な顔して去って行っちゃったんだ」
春香「いやそれは千早ちゃん怒りますよ」
元スレ
P「千早って歌上手いよな」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1442150056/
P「褒めたのにか?」
春香「プロ野球選手の人が、素人に野球上手いですねって言われて喜ぶと思いますか?」
春香「Pさんに悪気が無かったにせよ、逆にバカにしてるように思われちゃいますって」
P「うーん、そうだったのか…」
春香「褒めるならもっと具体性を持った素敵な言葉を使わないと駄目ですよ?特に女の子には」
P「そう言われても俺、褒めるのって苦手だしなぁ…」
P「誰かが髪型変えた時に何か言わなくて済む様に、二週間おきに床屋行ってキープしてる位だし」
春香「何でアイドルのPやってるんですか…別にアレはお返しに言わなきゃいけない義務とか無いですよ?」
P「七割位の確率で悪化してるから困る…」
春香「そこは似合うって言っとけば良いんですって」
春香「しかし困りましたね。千早ちゃんに謝るにしても、このままじゃロクな言葉が出て来そうにないですし…」
P「面目無い…」
春香「よし、それじゃあ特訓しましょう特訓!」
P「特訓?」
春香「Pさんから気の利いた褒め言葉が出てくる様に特別レッスンです!」
春香「今から私が歌いますから、それに対して感想を言ってくださいね。いきますよ~」
春香「言葉に詰まるだけならまだしも苦渋に満ちた涙を流すってどういうことですか!?」
P「すまん…済まない。一生懸命、真剣に一生懸命歌ってるんだもんな…!」
P「大丈夫、まだ何も諦める必要は無いぞ!ファイトだ春香!」
春香「ぶっ飛ばしますよ…?」ヒクヒク…
春香「えぇーいもうこうなったら千早ちゃんのCD流しながら特訓です!」
こうして春香によるPの甘言レッスンは始まり…
P「声が…大きくて。すごく綺麗な声だと思いました」
春香「小学生並の感想にもなっていません!次!」
P「高音の伸びが良かった、音域の広さが千早の武器だな」
春香「なんかそれっぽいことを言っても、ペラッペラなのはバレッバレですよ!次!」
P「感情の込もった歌が心にジーンと響いて、ちょっと泣きそうになっちゃいました」
春香「それ位の褒め言葉、嘘だって言える!」
P「春香を0.1とすると…」
春香「私を小数点以下にするなぁっ!」
P「千早の不死鳥の如く何度でも蘇る歌声が好きだ」
P「千早の歌声は、悪しき心を浄化し人々を幸福へと導く」
P「千早の澄み切った迫真の歌声は五臓六腑に染み渡り呼吸ができない位素晴らしい」
P「千早の人々の心に立ち込める暗雲を晴らし聴く者を天へと導くような安心感のある歌声は、万物を救済し、生きとし生けるもの全てを祝福する」
春香「うんうん。まぁこれ位のレベルなら、千早ちゃんの歌を褒めるにギリギリ値しないこともないでしょう」
P「ありがとうございます!春香師匠!」
春香「千早ちゃんは今7階の第二レッスン室に居ます。さぁ特訓の成果を見せてくるがよい!」
P「はい!行って来ます!」ダダダダッ
春香(――いつかその褒め言葉、私の歌にも言ってもらいますからね!)
――7階第二レッスン室
千早「~~~~♪」
千早「ふぅ……」
P「千早」
千早「っ!プロデューサー、いつの間に…」
千早「聞いて…いたんですか」
P「…………」コクッ テクテクテク…
千早「プロデューサー…?何をそんな真剣な顔で…」
春香(良いですよPさん。近付いて、そこで練習通りに…)
「好きだ」
春香「!?」
――そしてこの三ヶ月後、Pさんと千早ちゃんは式を挙げることになりました。
たった三文字の褒め言葉が、万の名文句の甘言よりも心に響くこともある。
ウェディングドレスを着たまま、笑顔で歌う
千早ちゃんの日本を明るい未来へと導く天使のような歌声を聞いて――私はそんなことを思うのでした。
HAPPY END
20 : 以下、\... - 2015/09/13 23:21:05.547 chsVHZt30 10/10おしまい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。