1 : ◆VvEVFcGGrs - 2014/09/09 23:15:24.15 uRRtU+8Wo 1/12



―9月8日 夜


貴音「まこと、美しき名月です」ズルズル

「うん」

貴音「月を眺め、心地よき風に包まれ、友と語らう……至福の時とはまさにこのことでしょうか」ズルズル

「そうだね」

貴音「ジュルッ…この良き日を響と過ごせ……ハムッ…わひゃくしはズルルッひわあへハムッ」

「……」




「風情が色々とだいなしだよ!!!!」


元スレ
貴音「ちゃあしゅうの名月」響「中秋な」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410272114/

2 : ◆VvEVFcGGrs - 2014/09/09 23:19:27.71 uRRtU+8Wo 2/12


貴音「はて……?」

「はて……じゃないよ! そもそもちゃあしゅうの名月ってなんなんさー!」

貴音「その名の通り、ちゃあしゅうめんを食しつつ中秋の名月を眺めるのです」

「別にうまくないぞ!」

貴音「そう言わず、響も一口どうですか」スッ

「こっちはうまいぞ!」ズルズルッ

貴音「そうでしょうそうでしょう」



「でもそうじゃねーよ!!」

3 : ◆VvEVFcGGrs - 2014/09/09 23:23:20.80 uRRtU+8Wo 3/12


「ゼェ……そもそもこういうのって普通は月見団子を食べるんじゃないのか?」

貴音「甘いですよ響。アイドルの私たちであるからこそ、普通という概念に縛られてはなりません」

「ぐっ……なんかそれっぽいこと言っていいくるめられそうな気がするぞ」

貴音「それに、もちろんお団子も用意してあります」

「なんだよもうー。あるならあるって言って欲しかったぞ」

貴音「こちらを」ススッ

「それじゃあいただきまーす!」

貴音「どうぞ召し上がれ」

「もぐっ……もぐっ……」

貴音「響、味の方は?」



「これラーメンに入ってるタイプの肉団子だー!?」

4 : ◆VvEVFcGGrs - 2014/09/09 23:25:20.79 uRRtU+8Wo 4/12


貴音「ふふっ、これがボケ倒しという高等てくにっくですよ」

「ドヤ顔禁止!」

貴音「いけずです……」

「ゼーハー……これ以上ツッコミいれてたら自分のノドが潰れちゃうよ」

貴音「それは大変です……もし響にそのようなことがあれば私は……」オロオロ

「いやいや、そんな真剣に狼狽しなくても冗談だから大丈夫だぞ」

貴音「ほっ」

「まぁ、せっかくの名月なんだからゆっくりと楽しむさー」

貴音「ええ……それではこちらに月見団子の方を」スッ

「あ、ちゃんとしたのもあったんだな」

5 : ◆VvEVFcGGrs - 2014/09/09 23:27:26.94 uRRtU+8Wo 5/12


貴音「お団子の味はどうですか響」

「美味しいぞ!」モグモグ

貴音「喜んでいただけたようで何よりです」

「たかねたかねっ」

貴音「どうしましたか?」



「はい、あーん!」

6 : ◆VvEVFcGGrs - 2014/09/09 23:28:27.64 uRRtU+8Wo 6/12


貴音「あーん、ですか」

「ほらほら口を開けてよ!」

貴音「では……あーん」

「よっ」ヒョイッ

貴音「もぐっ……まこと、美味ですね」

「それじゃあもっと食べさせるぞ!」

貴音「しかしこれは……なんとも面映い」

「あははっ! 照れなくてもいいんだぞ貴音っ♪」グリグリ

貴音「およよ」

7 : ◆VvEVFcGGrs - 2014/09/09 23:30:16.15 uRRtU+8Wo 7/12


「さぁ最後のひとつを……アレ?」

貴音「響?」

「いや、なんかこの団子動いてないか?」

貴音「動く団子とは面妖な……」

「んん~~?」





団子「……ヂュイ!」ヒョコッ

「ってハム蔵!?」

8 : ◆VvEVFcGGrs - 2014/09/09 23:32:06.94 uRRtU+8Wo 8/12


貴音「なんと」

「びっくりしたなぁもう……気づかなかったらハム蔵を貴音の口に入れちゃう所だったぞ」

貴音「ハム蔵……一体どのような味なのでしょう」ジッ

ハム蔵「ヂュ、ヂュイ…」

「貴音……冗談だろうけどハム蔵が怯えてるからやめてほしいさー……」

貴音「ふふっ、貴方もわたくしの大切な友人です。左様な真似はしませんよ」

ハム蔵「ヂュイッ♪」ホッ

「じゃあ、改めて皆で月を眺めようよ」

9 : ◆VvEVFcGGrs - 2014/09/09 23:34:42.69 uRRtU+8Wo 9/12



・・・・・・
・・・


貴音「響、水面に映る月がとても綺麗ですよ」

「水面っていうかスープだけどな。というか貴音、またラーメンって食べすぎじゃないか?」

貴音「良いではありませんか。今宵は特別な一日なのですから」

「あんまり食べすぎたらこのハム蔵みたいになっちゃうからなー」

ハム蔵「…zz」

貴音「気持ちよさそうに眠っておりますね」

「まるまるしてハム蔵もお月様みたいだぞ!」

10 : ◆VvEVFcGGrs - 2014/09/09 23:39:26.40 uRRtU+8Wo 10/12


貴音「響、実は月の兎はらぁめんの生地を練っているのですよ」

「な、なんだってー!?」

「……ってそんなわけないだろー!」

貴音「ふふふ」

「まったくもう……自分をからかいすぎだぞ貴音は」

貴音「響だからこそ私は言えるのです」

貴音「貴女だから、響だからこそ」

「ふぅん」

貴音「響は嫌ですか?」



「まっ……自分も貴音になら悪い気はしないかな!」

11 : ◆VvEVFcGGrs - 2014/09/09 23:41:37.36 uRRtU+8Wo 11/12


貴音「響」

「んー?」

貴音「来年も、再来年も、その先も……共に同じ月を眺めましょう」

「そうだな」

貴音「約束です」

「うん、約束」






貴音「嘘ついたららぁめんのすぅぷ千杯のーます、ですよ」

「いやそれはキツすぎるだろ」


おわり

12 : ◆VvEVFcGGrs - 2014/09/09 23:43:19.96 uRRtU+8Wo 12/12

一日遅れたし短いけどひびたか書きたかったんです
というわけでおしまい

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