風花「はぁ……」
P「お疲れさま、コーヒー飲む?」
風花「ココアでお願いします……」
P「了解。最近忙しいなぁ」
風花「地方のイベントに、舞台への出演に、収録に……」
P「結構詰め込んでるからなぁ。もう少し休み増やすか?」
風花「いえ、体調は万全なんです。ただ……」
P「ただ?」
元スレ
【ミリマスSS】風花「最近、ネコちゃんが足りない」
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1725405445/
風花「最近、ネコちゃんが足りないんです……!」
P「……ネコ?」
風花「もっと…もっとこう、思いっきりネコちゃ?を抱いたり撫でたり揉んだり突いたりしたい……!」
P「えーっと、猫カフェに行きたいってこと? 今日の打ち合わせ終わったら行くか?」
風花「プロデューサーさんは何も分かってない……!」
P「えっ急に辛辣」
風花「プロデューサーさんは猫カフェに行ったことが無いんですか!?」
P「いやまぁ無くはないです」
風花「打ち合わせが終わったらもう閉店間際!60分やそこらでネコちゃんの何を楽しめるって言うんですか!」
P「えっそういうシステムじゃないの」
風花「そんな短時間で、本当に猫カフェを楽しめるわけないじゃないですか!」
P「楽しかったけどなぁ」
風花「プロデューサーさんはまだ『プロの技』しか見てないんです」
P「プロの……?」
風花「どうせオヤツやお菓子で、無理やり手元に引き寄せたんでしょう!」
P「そういうシステムじゃないの?」
風花「そりゃあネコちゃんたちは賢いですからね。プロとして最低限のお仕事はしますよ」
P「プロとして……?」
風花「いわばネコちゃんが構ってくれている状態……!そんなものが真に『ネコちゃんと触れ合っている』と言えますか……!」
P「もしかしてすげぇ面倒くさい状態になっちゃったのかもしれない」
P「じゃあ少し休みをまとめて取れるように……」
風花「プロデューサーさんは何も分かってない!」
P「うわぁめんどくせぇ!」
風花「ネコちゃんだって出勤日があるんですよ!たった1日でお気に入りのネコちゃんに巡り会えるか分からないじゃないですか!それに……」
P「まだ続くんだ」
風花「一朝一夕で信頼関係が築けますか!? 足繁く通って信頼関係を構築することで、ようやく我々は真にネコちゃんと触れ合えるんです……!」
P「ホストとかハマらないでね」
風花「あぁっ、そうなると足が遠のいてるあの店のネコちゃんも、あそこのネコちゃんも、私のことなんか忘れちゃっているかも……!」
P「思ったより重症だった」
風花「……こほん。すみません取り乱しました」
P「だいぶね」
風花「今の生活が嫌とか、もっと休みをくれとかではないんです。ただの愚痴です。聞いてくれてありがとうございます」
P「うーん、でも……」
風花「本当です。ずっと憧れてたアイドルとして活躍の場が広がって、楽しいんですから。あっ、業者さん来ましたよ」
P「うーん……」
打ち合わせ後
P「風花、さっきの猫カフェの話だけど」
風花「あっ、ぶり返します? お仕事を減らしちゃったりしたらスネちゃいますからね」
P「別の解決策を用意することにした! Hey, Akane!Come on!」
風花「え?」
茜「茜ちゃんを呼んだかねプロちゃん」シュバ
風花「え? どこから?」
P「こちらの Sexy Ladyがネコちゃん成分を御所望だ。行けるか? Akane-chang」
茜「茜ちゃんのネコぢからを以てすれば、宇宙を破壊するよりも簡単なことだよプロちゃん!」
風花「いまセクシーって言いませんでした?」
茜「明日から充実のネコちゃんライフ、いや茜ちゃんライフを約束するよ!」
風花「そこはネコちゃんが良いかなぁ」
茜「ノンノン、茜ちゃんがプロデュースするからにはただのネコちゃんライフだけでは飽きたらず、スーパー茜ちゃんにゃんにゃんワールドへゴートゥーヘヴンだよ風花たゃん!」
風花「私はただのネコちゃんライフが良いなぁ……」
P「HAHAHA!Fukaが目指してるCat Lifeはそんなものじゃないだろう!? ここはひとつAkaneを信じてみないか?」
風花「お薬とか飲んでないですよね?」
茜「まっ、ここは一つ、泥舟にダイブしたと思って! じゃあ茜ちゃんは明日の準備してくるから! まったねー!」
風花「あっ、えっと、ばいばーい」
P「俺たちもGo Homeしようぜ」
風花「誰なんですか貴方は」
次の日
風花(今日はプロデューサーさんと一緒に外で収録だけど、ちょっと早めに劇場に来れないかって)
風花(なんだろう……こぶんちゃんとでも遊ばせてくれているのかな)
ガチャ
風花「し、失礼しま~す」
志保「おはようございます」
風花「あ、志保ちゃんおはよう……志保ちゃん!?」
志保「どうかしましたか?」
風花「いやあの、ネコ耳が……」
志保「そうですね」
風花「そうですねって、えぇ……?」
風花「どうしたの? なにかあった?」
志保「いえ、なにも」
風花「プロデューサーさんに弱みを握られてるとか?」
志保「それは……、違うと思います」
風花「だって、志保ちゃんがそんな、可愛いけど!可愛いけど!」
志保「良かったですね。私は台本を読んでますのでお構いなく」
風花「お構いなくって言われても……」
志保「座らないんですか?」
風花「座りますけども……」
風花(……どうしよう。絶対わたしのせいだよね)
志保「……」
風花(と、とりあえずプロデューサーさんに連絡してみようかな。それとも茜ちゃん?)
志保「……」スッ
風花「……あの」
志保「なんでしょう」
風花「どうして隣に座るの?」
志保「特に理由はないです」
風花「そっかぁ……」
志保「邪魔ならどけますが」
風花「いや、別にいいんだけどね?いいんだけど、いいの?」
志保「そうですか」
志保「……」スリスリ
風花「……あの」
志保「なんでしょう」
風花「どうしてスリスリしてくるの?」
志保「いやですか?」
風花「いやじゃないけど……」
志保「そうですか」スリスリ
風花(あ~、よく分からないけど志保ちゃん可愛い~)
風花(あぁ~だめだめ、撫でたくなっちゃう。撫でたら流石に怒られるかな。どうしようどうしよう)
風花(ゆっくり、ゆっくり、ちょっとだけ)ナデナデ
志保「……」
風花(どうだろう)ナデナデ
志保「……」スリスリ
風花(あぁ~~~~~~~~~~~)ナデナデ
志保「……あの」
志保「そろそろ時間じゃないですか?」
風花「あっ、確かに。でもプロデューサーさんがまだ」
志保「プロデューサーさん、茜さん。入ってきていいですよ」
風花「えっ」
茜「いやぁ~、どうもどうも! さっすがしほりん、どこからどう見ても完璧なネコだったよ!」
P「目を見張るネコっぷりだったな。もうネコなんじゃないか?」
志保「あれ? お二人とも、看板とかカメラとか無いんですか?」
風花「看板とかカメラ?」
茜「あっ、え~っと。そう、茜ちゃんのこのスマホで撮影し続けていたのだ~!」
志保「適当すぎません?」
風花「どういうこと?」
志保「あの、ドッキリの収録だって聞かされて、すみません風花さん」
風花「私は全然大丈夫なんだけど……」
茜「うそじゃない、うそじゃないよしほりん!茜ちゃんチャンネルで流せば5億再生は堅くて」
志保「茜さんのチャンネル?」
P「……よし、逃げるぞ茜!」ダッ
茜「ガッテン承知!ばいばいしほりん!風花ちゃん!」ダッ
志保「あっ、ちょっ……、はぁ」
風花「なんといえば良いか分からないんだけど、ありがとう?」
志保「いえ、お気遣いありがとうございます」
その後、風花の収録に同行するために戻ってきたプロデューサーは志保にこってり怒られた。
後日
風花(志保ちゃん可愛かったな……。髪もふわふわで……)
風花(このソファで撫でてたんだよね。あぁ……手が寂しい)
風花(ここに、この位置に左手が……)
美也「左手がイジケちゃいそうですか~?」
風花「わぁっ、美也ちゃん!? ……って、その猫耳は」
美也「ふふふ~。今日は私がネコちゃんですよ~♪」
風花「茜ちゃんに頼まれたの?」
美也「はい~。猫になってくれって頼まれたので、良いですよ~と答えました~」
風花「良いんだ……」
美也「それで、ネコちゃんになったは良いですけど、何をすればよいでしょうか~」
風花「えっ、うーん……」
風花(あぁ……ネコ耳の美也ちゃん可愛いなぁ……。髪もふわふわで……)
美也「撫でても良いですよ~?」
風花「えっ! その、良いの?」
美也「はい~。今の私はネコですから~」
風花「それじゃあ……」
風花「わぁ……ふわふわ……」ナデナデ
美也「みゃ~♪ 風花さんの撫で方は心地良いですな~」
風花「撫で心地が良くて……」ナデナデ
美也「なんだかふんわりした気分になってしまいます~」
風花「じゃあこっちはどうかな?」ナデナデ
美也「あぁ~、そこも良いですね~。みゃ~」
風花(楽しくなってきちゃった)
風花「ネコが嫌がらない撫で方はコツがあってね」ナデナデ
美也「……」
風花「……あ、あれ? 美也ちゃん?」ナデナデ
美也「……」スースー
風花(寝ちゃったーーー!!!)ナデナデ
風花(ど、どうしよう。私もうすぐ出ないといけないのに!)ナデナデ
風花(と、とりあえずプロデューサーさんに電話を)スッ
美也「……む~」
風花(あっ撫でるの止めてほしくないんだ。可愛い~!)ナデナデ
美也「みゃ~……」スースー
風花(とにかく手を止めずに電話を)ナデナデ
風花「もしもし、プロデューサーさんすみません。少し出発を遅らせても良いですか?」ナデナデ
P『すこし余裕は見てるから大丈夫だけど、そんな小声でどうした?』
風花「いま事務室にいるんですけど、ちょっと手が離せなくなっちゃって」ナデナデ
P『なにかトラブルか? いまちょうど駐車場に着いたから俺も事務室に行くよ』
風花「あっいえ!大丈夫です来なくて! びっくりしちゃうので!」ナデナデ
P『びっくり? 何の話?』
風花「あっあっ、ごめんね大きな声出して。ほら撫で撫でしてあげ、あぁそんな寄りかかって、ふふっ」ナデナデ
P『……育児してる?』
風花「してませんっ!」←小声
後日
風花「ふわぁ……美也ちゃん可愛かったなぁ……」
P「まさか劇場でネコを堪能していたとは」
風花「茜ちゃんとプロデューサーさんのお陰ですね」
P「いや今回は茜が単独で仕込んだことだよ。茜を褒めてやってくれ」
茜「むむっ!茜ちゃんを褒めたい世界の意志を感じる! じゃじゃーん! いつも心に茜ちゃん! 茜ちゃんだよー!」
P「茜はいつでも現れるなぁ」
茜「茜ちゃんをナデナデしたいと考える意思があり、茜ちゃんを観測しようとしたならば、50%の確率で茜ちゃんは出現するのだ! これぞシュレーディンガーの茜ちゃん!」
風花「あっ、茜ちゃんもネコ耳をつけてるんだね」
茜「一切動じずにネコ耳にしか目が向かない風花ちゃんのことが茜ちゃんちょっと怖いよ」
P「最後は茜の番ってことか?」
茜「そう! しほりん美也ちゃんという二大ネコちゃんを堪能した風花ちゃんには、世界で一番可愛いネコちゃんである茜ちゃんをナデナデする権利を与えるのだ~!うれしい? ねぇねぇうれしい?」
風花「……」
茜「あれ? どうしたの風花ちゃん。思いっきりナデナデしても良いんだよ?ほらほら」
風花「茜ちゃんって、ネコ耳つけてもネコちゃんじゃなくて『茜ちゃん』って感じですよね」
P「なんかわかる」
茜「えっ」
風花「そもそもネコちゃんってそんなに喋らないんですよ。普段は動きもそんなに大きくないし」
茜「風花ちゃん?」
風花「ナデナデって言うのも、頭を撫でられることしか想定してないよね? しかも手のひらで激しく。そんな撫で方しちゃうとネコちゃんびっくりしちゃうよね?」
茜「……プロちゃん?」
P「俺にも分からん状態」
風花「教えてあげるね? ネコちゃんの可愛がり方とか……ネコちゃんの可愛さとか……」
茜「待って怖いよ風花ちゃん! 茜ちゃんか弱いネコちゃんだからびっくりしちゃうよ! 待って風花ちゃ、うわチカラ強っ!?」
風花「うふふ……いっぱい可愛がってあげるね」
茜「ぎにゃーーーー!!!」
たいそう気持ちよかったそうです。
おわり
22 : 名無しさ... - 24/09/04 12:10:17 qzg2 22/22終わりです。完結報告してきます。
風花さん誕生日おめでとう!