関連
モバP「まゆのヤンデレを治す!」【前編】


401 : >>400さんありがとうございます!沙南ちゃん書きます。 - 2013/04/10 07:49:30.00 UP9tnoKDO 211/407

P「いやー、もうまゆが家にいることは譲歩しましょう。」

社長「あ、譲歩するんだ。」

P「でも、ここまでです!!これ以上は譲歩させません!」

社長「立派すぎる誓いは三日坊主になるぞ。」

P「もう、まゆのいいなりにはなりません!!」

社長「なってくれた方が助かるんだけどなー。」

P「ははっ、冗談。」

社長「これが冗談じゃないんだよ。」

403 : >>402さんありがとうございます。結構、間違い多いですね…、急騰室とか… - 2013/04/10 08:15:55.01 UP9tnoKDO 212/407

紗南「Pさん、おはよー。」ピコピコ

P「おはよう、紗南。」

紗南「今日は休みだけど、みんなと対戦するために来た。」ピコピコ

P「そ、そうか…」

P(そういえば、紗南も最初はPさん、Pさんって頼りにしてくれたのに今では私の顔を見る度にゲームの方に目を反らすからなー。寂しいなー。…、使うか。)

P「なぁ、紗南。いいビタミン剤があるから飲まないか?」

404 : VIPに... - 2013/04/10 10:21:55.21 UP9tnoKDO 213/407

紗南「うーん、飲んだからってあまり変わらないよね。」

P「まぁ、夜更かしの多い紗南が心配だからな。ビタミンは多く摂っておいた方がいいぞ。」

紗南「な、何言ってるの!?べ、別にどうでもいいじゃん!!」

P「どうでもよくないだろ!!紗南は自分の体を大切にしなさ過ぎだ!!きちんと体調を管理しないと倒れてしまうかもしれないだろ!!」

紗南「Pさん…」

紗南(この気持ち…、もしかして、恋なのかな?もしかしたら、私とPさんにはフラグ立ってるのかな…)

408 : VIPに... - 2013/04/11 05:30:12.62 LjgbUusDO 214/407

紗南「キャッ!!」

P「おっと、大丈夫か!?」

紗南(Pさんが転びそうになった私を受け止めてくれた。フラグが立ちまくりだなぁ…、このまま選択肢を間違えなければ…goodエンドルート!!私とPさんの甘い生活…)

P「紗南、大丈夫か?」

紗南「だ、大丈夫だよ。」

P「そうか…、良かった。」

紗南(か、カッコいい…)

紗南「あ、あのね…、もうちょっとこのままで…」

P「ん、いいぞ。」

紗南(好感度もかなり高い!!これはいける!!私とPさんの幸せ恋人ルートだ!!)

409 : VIPに... - 2013/04/11 09:48:25.68 LjgbUusDO 215/407

紗南「Pさん、お昼ごはん食べるの?」

P「ああ。」

紗南「じゃ、じゃあさ…、食べさせてあげよっか。」

P「え、それはちょっと…」

紗南「あの、ほら…、いつも私のために頑張ってくれてるじゃん。そのお礼にさ…」

P「紗南…」ジーン

P(使って良かった、ヤンデレール。)

紗南「はい、あーん。」

P「あーん。」

まゆ「」ビキビキ

社長「まゆ、机の上に置いてある書類を握ってぐしゃぐしゃにするのはやめてくれ。分かるけれども。」

410 : VIPに... - 2013/04/11 12:21:17.95 LjgbUusDO 216/407

紗南(今まで気付かなかったけど、Pさんと私は相思相愛!これは夕方帰るイベントで手をつないで、そこから家に帰ってからの告白ルート!!いける、いける!Pさんと恋人になれる!!)

P「紗南、そろそろ仕事終わりの時間だから帰った方がいいんじゃないのか?」

紗南(来た!)

紗南「Pさん、一緒に帰ろうよ!!」

P「うーん、たまには女子寮まで歩くか。」

紗南「やった、Pさんありがとう!」

まゆ「」ビキビキ

社長「もう書類はないよ。ぐしゃぐしゃになった紙くずはたくさんあるけど。」

まゆ「」カチッカチッ

社長「ライターはやめよ。シャレにならんから。」

412 : VIPに... - 2013/04/11 15:29:36.67 LjgbUusDO 217/407

紗南「Pさん…、久しぶりだね。こうやって2人できちんと話すのって。」

P「そうだな。お前は私と話すときはいつもゲーム画面見てたな。」

紗南「でも、今はPさんの顔を見てるよ。」

P「そうか。」

紗南(今なら…)



ギュッ



P(紗南が手をつないできた。こんなに頼りにされるのっていつぶりかな…)



ギュッ



紗南(握り返してくれた!もうこれは告白して大丈夫だよね!)

413 : VIPに... - 2013/04/11 18:13:32.61 LjgbUusDO 218/407

P「女子寮に着いたな。」

紗南「うん。」

P「じゃあ、帰るな。」

紗南(ここしかない!!)

紗南「Pさん!」

P「どうした、紗南?」

紗南「あ、あのね、Pさん。ちょっと私の部屋まで遊びに来ない?」

P「うーん、女子寮に入るのは気が引けるな…」

紗南「大丈夫だよ。モバプロの関係者は入ることが出来るから。」

P「うーん、だったらいいかな。」

紗南(やった!!)

414 : VIPに... - 2013/04/11 19:59:30.03 LjgbUusDO 219/407

P「あー、やっぱりゲームだらけだなー。」

紗南(Pさんが部屋に…)

紗南「Pさん、何か飲まない?」

P「気を使わなくて大丈夫だ。長い時間はいれないからな。」

紗南「はい、お茶。」

P「ありがとう。」

紗南「ちょっと飲みかけしかなくて…」

P「いいよ、紗南が出してくれただけで嬉しいし。」ゴクゴク

紗南(間接キスもOK。これはもう大丈夫だよね!)

416 : VIPに... - 2013/04/12 09:06:48.08 A91ZVwVDO 220/407

紗南「ね、ねぇ、Pさん。話があるんだけどいいかな?」

P「ん、なんだ?」

紗南「あ、あのね、その…」

P「どうした、紗南?」

紗南「あ、あの…、Pさん!!」

P「ど、どうした!?」

紗南「わ、私はPさんのことが…、好きです!!」

P「え…」

紗南「Pさん、その…、返事を聞かせて欲しいな…」

P「…、ごめん。紗南。その告白は受け入れられない。」

紗南「え…」

P「私はプロデューサー、紗南はアイドル。これはファンを裏切ることになる。だから、紗南ごめん。」

417 : VIPに... - 2013/04/12 10:28:54.90 A91ZVwVDO 221/407

紗南(あんなに仲良くなって、好感度も上がって、手も繋ぐイベントもあったのにどうして…。フラグが今までもいっぱいあったのに。絶対うまくいくはずなのに!!まさか…、Pさんがバグった…?)

P「紗南…」

紗南「嘘だ…、嘘だよ。Pさん、嘘だよね。これから幸せな恋人になれるだよね。goodエンドになるんでしょ!!」

P「紗南、それはその…」

紗南「こんな結末、絶対おかしいよ…。絶対おかしい。Pさんがバグった…Pさんが壊れた…」スッ

P「紗南…、その取り出したドライバーで何をするつもりなんだ!?」

紗南「決まってるじゃん、直すんだよ、Pさんを。」

P「え!?」

紗南「大丈夫、頭いじったらすぐ直るから。開かせて。」

P「いや、やめろ!!」

紗南「だいぶバグってるね。早く直してあげるよ、Pさん。」

P(あ、これは…ヤバい…)

421 : VIPに... - 2013/04/12 14:39:44.04 A91ZVwVDO 222/407

紗南「壊れた、Pさんが壊れた。バグった、Pさんがバグった。壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた壊れた…」

P(壊れてるのはあなたじゃないかなーって。)

紗南「待ってて、Pさん。今、直してあげる。」

P「ま、待て!!素人が勝手に修理とかしたら余計悪くなるんじゃないか?」

紗南「そうだね。きちんとプロに修理を頼まないとね。」

P「じゃあ、これで失礼するよ。」

紗南「待て!」ガシッ

P「襟を引っ張るのはやめてくれ。く、首が…」

紗南「晶葉ちゃんのところ行こっか。」

P「…、そうだね。」

422 : VIPに... - 2013/04/12 15:18:59.04 A91ZVwVDO 223/407

紗南「はい、これ直して。」

晶葉「ん、何を直して欲しいんだ?」

紗南「Pさんだけど。」

晶葉「ちょっと待ってくれ、今スペシャリストを連れてくる。」

P「?」

紗南「Pさん、早く直してあげるからね!」

晶葉「連れてきたぞ。」

まゆ「」ニコォ

P(アカン)

紗南「どれくらいかかるかな?」

まゆ「今日1日くらいですかねぇ。」ゴゴゴゴゴゴ

P「」

紗南「じゃあ、お願いします。」

まゆ「かしこまりましたぁ。」

P(これは…もうダメだな…)

423 : VIPに... - 2013/04/12 15:36:46.28 A91ZVwVDO 224/407

まゆ「Pさん、言いましたよねぇ…」

P「はい。」

まゆ「言ったそばからですか?」

P「はい。」

まゆ「まあ、Pさんの頭は空っぽですから修理のしようもないんですけどねぇ。」

P「すいませんでした…」

まゆ「いつになったら頭の中に中身が出来るんですか?」

P「ごめんなさい…」






こうしてPはまゆにしっかりと修理されることになった。





まぁ、Pは治らなかった。死ななきゃ治らないからね。ちかたないね。

424 : VIPに... - 2013/04/12 15:38:51.94 A91ZVwVDO 225/407

紗南ちゃん編終了です。ままゆSR化おめでとう。フェス勝てないよ…






次は茄子さんかのあさん書きます。

428 : VIPに... - 2013/04/12 16:31:15.25 A91ZVwVDO 226/407

捕捉とかは、スタートする前の茶番劇でやってるんで許してください。決して投げっぱでやってるわけじゃないんです!




紗南ちゃんがP修理の間にやっていたことは茶番劇に書きます。

432 : 茄子さん書きます。 - 2013/04/12 16:43:12.09 A91ZVwVDO 227/407

社長「紗南に飲ませたんだね。」

P「はい…」

社長「紗南は修理の間、何やってたんだろうね。」

P「一人遊びじゃないですかね。(ゲス顔)」

社長「君は本当に頭の修理をした方がいいんじゃないかな。」

P「お、紗南!」

紗南「あ、あの、ぴ、Pさん!!な、何か、よ、用!?」

P「いや、呼んだだけだ。」

紗南「そ、そうなんだ!じゃあね!!」パサッ

P「何か落ちてる?」

『Pさん攻略法』

社長「誰のだろうね。」

P「うーんと、Pさんと恋人になる→同棲フラグ立つまで…」

社長「紗南、ずっとこれ書いてたんだな。」

P「紗南…」

社長「心が痛むね。」

P「ええ、ちょっと。」

社長「ちょっとしか痛まないの!?本当に修理してもらえよ!!」

P「大丈夫です。」

社長「君の謎の自信が怖いよ!」

434 : VIPに... - 2013/04/12 17:38:28.72 A91ZVwVDO 228/407

P「はぁ~、この薬使っても失敗続き。もうこの辺が潮時なのかなー。」

P「まゆも凄く怒ってたし。あんなに怒ったまゆ見たの初めてだ…」

P「もう、やめよう。これ以上まゆも迫って来ないだろうし。あれだけのことしたんだ。きっと嫌いになってるだろう…。そう考えると寂しいな…」

P「さ、こんな薬捨ててしまおう。」

ガッ

P「あっ。」

P(コードにつまづいた拍子に薬が一粒ビンから外に!!)

茄子「ふわあーあ…」

P(あくびしている茄子の方向へ…)

茄子「」パクッ ゴックン

P(飲んじゃった…)

茄子「あれ、今何か飲んだような…」

P(黙っておこう。関わりを持つとろくなことにならないし。)

435 : VIPに... - 2013/04/12 17:42:03.70 A91ZVwVDO 229/407

まゆ「Pさん、実は私の父が転んで骨折したらしくて…」

P「それは大変だな!命に関わるのか!?」

まゆ「いえ、普通の骨折なので大丈夫だと…」

P「心配だったら帰っていいぞ。仕事も休みにして。」

まゆ「そんな…」

P「まゆもそんな状態じゃ仕事出来ないだろ。早く帰ってあげたら?」

まゆ「ありがとうございます。」

茄子「」クスッ

436 : VIPに... - 2013/04/12 17:56:21.55 A91ZVwVDO 230/407

社長「急に仕事が来たから長野の取引先と話しに行かないといけなくなってしまったから、あとよろしく。」

ちひろ「今日は同窓会があるから早く上がります。」

「私はちょっとハナコが風邪ひいちゃって…。早めに帰るね。」

きらり「今日は、きらりんの大切な日だからお祝いするんだにぃ☆」

川島「わかるわ」

和久井「実はお見合いが入って…」

桃華「Pちゃま、実は本日水瀬グループとの合同パーティーに出席しなければいけませんの。」

幸子「宿題が終わりそうにないんです…」

志乃「今日、いいワインが群馬のお店に入るらしいから買いに行くわね。」

川島「わかるわ」

智絵里「あの…、今日は親戚が…」

かな子「あー、あの…、新発売のスイーツのレポートの予習に神奈川まで…」

藍子「今日は友達と約束があるから早く帰っていいですか?」

泰葉「前の事務所から契約破棄の書類もらって来ないと…」










P(結局、事務所に残っているのは私と茄子だけになってしまった。)

440 : VIPに... - 2013/04/13 09:02:37.96 Bt7dQosDO 231/407

茄子「Pさん、今日はもう終わりにしませんか?」

P「みんな何かしらの用事があって帰ったからな。仕事はここら辺りで切り上げるか。」

茄子「では、私はこの辺りで…」

P「じゃ、事務所閉めるから先に出てくれないか?」

茄子「はい、分かりました。」

441 : VIPに... - 2013/04/13 09:21:42.97 Bt7dQosDO 232/407

P「さて、事務所閉めたし帰るか…」

ブーン ガシャーン

P「うわっ、すぐ近くで事故が起こった!」

ワーワーナンダナンダ

P「ちょっ、野次馬に押されてる…、待って、ちょっと待ってください!!」

P「ふぅ~、やっと脱け出せた。」

警察「あの、すいません。事故があったとき近くにいたと聞いたんですが…」

P「は、はい…」

警察「ちょっと調書をとりたいので署の方までご同行願えませんか?」

P「分かりました。」

P(ついてないな…)

442 : VIPに... - 2013/04/13 10:12:45.08 Bt7dQosDO 233/407

P「ようやく終わった…、警察署って意外に遠いんだな。あの警官スゲー怒られてたな。証言なんてその場でとれ、って。」

P「帰るか、疲れたなー。」

ドンッ

チンピラ「あ?」

P「すいません…」

チンピラ「すいませんじゃすまんねん!!どうしてくれるんじゃ!!ゴラァ!」

P「そ、そんなこと言われても…」

チンピラ「あ?」

P「ヒッ…」

チンピラ「金で誠意見せてもらおうか。」

P「…」

チンピラ「とりあえず財布渡せや。」

P「はい…」







チンピラ「へへ…儲かったな。」

「ようやく帰れたの、。早苗。」

早苗「そうね、巴ちゃん。」

チンピラ(ゲッ、あれは前に俺を捕まえたポリ公や!!)ダッ

早苗「ちょっと巴ちゃん、待っててね。」ダッ

「おお。」

ガシッ

早苗「なんで逃げるのかな?」

チンピラ「そ、それは…」

「ん、お前、ウチのところの下っぱちゃうんか?」

チンピラ「こ、このポリ公はお嬢の連れでっか!?」

早苗「同じ事務所のアイドルよ。で、その手に持ってる財布は何かな?」

チンピラ「ひ、拾ったんや…」

「この財布に見覚えが…」

早苗「Pくんの財布にそっくりね。」

「まさか、Pに何かしたんちゃうやろうな!!」

チンピラ「財布カツアゲしただけで…」

早苗「恐喝ね、すぐ近くに警察署があるわよ。」

「ま、自首せんというのなら親父に言うだけじゃしの。」

チンピラ「自首します…」

443 : VIPに... - 2013/04/13 10:20:37.16 Bt7dQosDO 234/407

P「お金がない…、携帯は電池切れ…、ううっ…、どうしたらいいんだ…」

茄子「あ、Pさん。どうしたんですか?」

P「実はお金もなくて、携帯も電池切れなんだ…」

茄子「だったら、うちに来たらどうですか?緊急ですよね!」

P「いいのか!?」

茄子「いいんですよ、いつもお世話になってますし。」

P「茄子…、ありがとう…」

茄子「いえいえ…」

茄子「幸運過ぎてこちらがお礼したいぐらいですよ。」ボソッ

451 : VIPに... - 2013/04/14 16:30:31.23 IrVbn1K+0 235/407

茄子「Pさん、何か食べます?」

P「あまり気を使わないでいいよ。」

茄子「いえ、たぶんおうちにも帰れないんでしょう。」

P「さすがにそこまでは…」

茄子「まあまあ、いいじゃないですか。」

P「そういうなら…」

P(茄子はヤンデレールを飲んでるから長居すると危険な気がする…)

454 : VIPに... - 2013/04/15 21:32:17.65 uxiquM7+0 236/407

茄子「実は私、お見合いを申し込まれてて…」

P「はぁ…」

茄子「でも、私はアイドルを続けたいんです!!」

P「茄子…、親御さんは何て言ってるんだ?」

茄子「相手は超一流の企業の若きトップエリート。両親はこの縁談にすごく乗り気なんです。アイドルとしての活動もある意味、良い縁談を持ってくるための手段として考えていたようで…」

P「茄子、相談してくれるのは嬉しいんだが、今は財布も携帯もないし…、力になれることなんてないと思うんだ。」

茄子「大丈夫ですよ、Pさん。その縁談の時にPさんが彼氏のふりをしてもらえれば万事解決です。」

P「大丈夫なのか、それ?」

茄子「今から大丈夫にするんですよ、Pさん。」

P「茄子?」

茄子「既成事実を作りましょう。彼氏のふりなんて言わずに、ね。」

P(①超絶天才なPはここで反撃の1手を思いつく
 ②まゆがきっと助けに来てくれる
 ③BAD END。現実は非情である。)

472 : VIPに... - 2013/04/18 15:58:33.28 PtQPqueDO 237/407

P(①超絶天才なPは反撃の手を思いついた!!逃げるんだよーッ!!)

ガチャガチャ

P(玄関が開かない…)

茄子「あら、ついてませんね。鍵がちょうど壊れているみたいで…」

P「茄子も出られないんだけど…」

茄子「私はそっちの方が…」

P(こういうこともあろうとヤンデレールジャマーが…ってあるわけねーじゃん!!)

茄子「何を探してるか分かりませんけど、ヤンデレールジャマーキャンセラーがありますよ。」

P「なんであるの!?」

茄子「偶然拾いました。」

P「なんで拾えるんだよ!!」

474 : VIPに... - 2013/04/19 07:39:58.24 k9M8wU1DO 238/407

P(こうなったらやられる前にやる、って…本末大転倒じゃねーか!!どうする、どうするよ!)

茄子「Pさん、幸せになりましょうよ。ちょうどみんないないんですから…」

P(②まゆが助けに来てくれる。って言ってもまゆは仙台だしな…、しかも父親のお見舞いだから今日は帰って来れないはず…)

茄子「まるで神様が私達が一緒になるのをお祝いしてくれてるみたいですね。」

P(誰も助けに来てくれない…、ここから出る手段もない…、ってことは間違いなく③BAD END 現実は非情であるにまっしぐら…)

茄子「Pさん、何も怖くありませんよ。一緒に幸せになりましょう。幸せに幸せに…」

P(これは、終わったな…。)


ここまで読んで頂きありがとうございました。これにてこのSSは終了となります。>>1の次回作にご期待ください。

477 : ごめんなさい、もうちょっとだけ続くんじゃ。 - 2013/04/19 09:08:35.12 4OJDXcLB0 239/407

P(終わってないよ、むしろ終わらせないよ!!BAD ENDじゃん。茄子ENDじゃん!!どうしよう、打つ手がないよ…)

茄子「大丈夫ですよ、私と一緒ならずっと幸せに暮らせる、そんな気がするんです。」

P「気がするだけだろうが!!」

P(まゆ、ちひろさん、社長…、終わったよ、俺の人生が。)

茄子「Pさん、幸せって愛し合うあうことだと思うんです。Pさんとずっと一緒にいられることが私の幸運なんです。」

P「茄子、アイドルを続けたいんじゃ…」

茄子「Pさんといられるなら夢なんて捨てられます!!」

P「茄子…」

茄子「私にはPさんが…、Pさんが…、Pさんが…」

P「茄子、それは…」

晶葉「そうだな、確かに必要かもしれんな。」ビリッ

茄子「ど…うして…、晶葉ちゃんが…」バタッ

晶葉「まあ、好事魔多しというやつだ。」

478 : VIPに... - 2013/04/19 09:30:16.60 4OJDXcLB0 240/407

P「晶葉、どうしてここが分かったんだ?」

晶葉「以前、君の携帯にPログという機能を付けただろう。そこから位置をわりだしたんだ。」

P「ああ、カレログの私バージョンか。でも、携帯の電池は切れていたような…」

晶葉「プロファイリングというやつだ。ま、早苗から連絡があって私も動いたんだが。」

P「早苗さんから?」

晶葉「ああ、そうだ。君の財布を取ったチンピラを捕まえたという連絡が入ってな。財布がないようだから迎えに行きたいんだが、居場所が分からないから居場所を割り出して欲しいと頼まれたのだよ。」

P「あ、あの時か。」

晶葉「ま、途中で携帯の電池が切れていたみたいだからな。近くの知り合いの家に転がり込んでるんじゃないかと思ってね。この辺り一帯のアイドルに連絡を取っていたんだよ。で、茄子から連絡がないものだからいるのか寝ているのか調べようと思ったらこのザマだ。」

P「誠に申し訳ありませんでした。」

晶葉「まあ、私は新型ピッキングマシンの性能を確かめることが出来てよかったという具合なのだが、早苗達が待たされて怒っていないかが心配だな。」

P「早苗さん達?」

晶葉「巴もいるぞ。」

P「私は歩いて帰ろうかな…」

晶葉「遠慮はするもんじゃないぞ、助手。」

P「ひええええええええええええ。」











P(もしかしたら、晶葉が来たことは茄子にとって幸運だったのかもしれない。もし、ずっと一緒になっていたならアイドルを茄子は続けられなかっただろう。最後に残った理性が自分を止めて欲しいと思って晶葉たちをよびよせたのかもしれない。私はそう考えることにした。)

479 : VIPに... - 2013/04/19 09:34:01.42 4OJDXcLB0 241/407

茄子さん編終了です。もう二度と終わる終わる詐欺なんてしないよ。意外と文字うちって時間かかる…







次は千秋さん編です。今回のイベントは鬼畜。上位のなつきち欲しいな。無理だけど…

485 : 千秋さん編を書きます - 2013/04/19 21:46:05.47 4OJDXcLB0 242/407

P「いや、あの時は本当に終わったと思った…」

社長「こううんのちからってすげー。」

P「茄子も結構へこんでいるみたいですし、過ぎたるは及ばざるがごとしってやつかなって最近思うんです。」

社長「ま、そうかもしれないね。」

P「というわけで、減俸という重すぎる処分は過ぎたることと思うんですよねー、はい。」

社長「まあ、さすがに実害出てるのに処分しないっていいうのもね。あれでしょ。」

P「そ、そんなー。」

社長「俺はね、ヤンデレール飲んだアイドルに襲われる度そう思ってるよ。」

P「なら、襲わないような娘だけに飲ませますから…」

社長「学習能力というものが君にはないのか!?」

P「ありますよ、ちょっとは!!」

社長「それはね、自分が社会人としてやっていけてませんと言ってるのと同じだよ。君の場合は!!」

P「言いすぎですよ、社長。」

社長「本当にそうならどれほど良かったか…」

486 : VIPに... - 2013/04/19 22:04:52.17 4OJDXcLB0 243/407

千秋「あら、プロデューサー。早いわね。いつもこの時間は社長室でお説教なのに。」

P「ち、千秋…」

千秋「ま、いいわ。私は私の予定をこなすだけだから。」

P「ああ、えーと今日はレッスンだな。」

千秋「まったく、こんなに出来るプロデューサーなのにどうして説教されるのかしら。社長の気を疑うわね。」

P「あはは…、人には人の事情があるんだよ。」

千秋「ふふっ、まるで大人が子供に言う言い訳みたいね。」

P「そ、そうか?」

千秋「まあ、いいわ。とりあえず納得してあげる。私はレッスンスタジオに行くから頑張ってね、プロデューサー。」

P「おお、頑張れよ。」

487 : VIPに... - 2013/04/19 22:36:16.37 4OJDXcLB0 244/407

千秋(ふふ、ヤンデレールか。いい薬だわ。誰でも気兼ねなくまゆちゃんのような好意をぶつけることが出来る薬。ちひろさんから譲ってもらったかいがあったというものかしら。これさえあれば、私もプロデューサーに…)

千秋「レッスンが午前終了で良かったわ。この薬は24時間しか効かないらしから、今のうちにこっそり飲んじゃいましょう。」

千秋「なんでしょうね。これと言った変化はないように思えるけど異様に事務所に戻りたくなって来たわね。早く戻ってプロデューサーにレッスンが終わったことを報告に行きましょう。」












晶葉「ちひろ、まさかと思うがヤンデレールの試作品を誰かに譲ったということはないだろうな。」

ちひろ「ええ、ないわよ。晶葉ちゃん、それがどうかしたの?」

晶葉「いや、あれは助手にも渡してないヤンデレールの失敗作のようなものだ。効果が通常のヤンデレールの数倍もある薬でな。制御が効きにくいんだよ。場合によっては人の力の限界まで出しかねん。そうなれば筋肉や骨にかかる負担が増大し、結果入院してしまうような大事になる。」

ちひろ「へ、へぇ~。そうなんだ…」ダラダラ

晶葉「助手には危険すぎて渡せない薬だったからな。スタドリとかエナドリとか売っている君の方が詳しいかと思って試作品を渡したんだ。」

ちひろ「え、えーと誤飲したらどうすればいいの?」

晶葉「うーむ、確実とは言えんが24時間経過するまでに君の持っているスタドリを飲ませることだ。一応、君のスタドリは砂糖水かと見間違うくらいの糖分が含まれている。急激なエネルギー補給に適したものだ。これほどまでに高い糖分を摂れば脳が一気に活性化し、薬によって麻痺した部分が目覚める。それで、通常のヤンデレール程に効果が抑えられる。」

ちひろ「具体的な違いってある?」

晶葉「薬の効力自体には無い。ただ、一日か一生になるかという違いだけだ。」

ちひろ(千秋さんに素直になりたいと相談されたから、ヤンデレールあげてしまったけどこれはまずいですね…。早く千秋さんを見つけなければ…)

晶葉(ちひろのことだし、こう言っておけば安易に利用することもないだろう…。あとは助手からヤンデレールを回収するくらいか。)

488 : VIPに... - 2013/04/20 00:16:00.91 ZEmkakQQ0 245/407

千秋「プロデューサー、今戻ったわよ。」

P「おお、千秋。お疲れ様。」

千秋(なぜだろう、プロデューサーを目の前にすると…、意識が遠のいていくような…、私が私じゃなくなるような…。いや、もっと私が私になっていくような…、そんな感覚が…)

P「千秋、どうした?」

千秋「いえ、なんでもないわ。仕事に集中しないと社長に怒られるんじゃない?」

P「気分の悪そうなお前を放っておく方が怒るよ。さ、仮眠室でゆっくり休め。」

千秋(ああ、なんだかプロデューサーに愛情を注がれてるだけで私の心が満たされていくわ…。もっとプロデューサーに愛されたい、どんな形でもいい、愛されたい、愛情が欲しい、愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい)

P「千秋、今仮眠室に着いたからな。ゆっくり休んでおけ。私は仕事に戻るから…」

千秋「ヤダ…、そばにいて欲しいの…」

P「千秋がここまで弱気になるなんて珍しいな。辛いのか、千秋?」

千秋「辛いわ…、とても」

P「分かった、そばについててやるぞ。」

490 : VIPに... - 2013/04/20 22:30:08.89 ZEmkakQQ0 246/407

千秋「ねえ、プロデューサー。一つだけ聞きたいの。」

P「何だ?」

千秋「あなたにとって黒川千秋ってどんなアイドルに映ってるのかしら?きれいなアイドル、それとも、かわいいアイドル、それとも、面白いアイドル…って最後のは聞くまでもなかったわね。」

P「千秋もそんなことを気にするようになったのか。私の仕事は、黒川千秋の魅力を引き出す仕事だからね。かわいいとか綺麗だとかいうよりはただ魅力的なアイドルっていうところかな。」

千秋「そう…、私は表情の出る着せ替え人形といったところかしら。衣装によって魅力が違ってくるけど、その人形の本来持つ魅力もある。そんな感じかしら。」

P「うーん、そんな感じに取ったんなら別にいいけど…」

千秋「それでね、思うの。私はあなたの人形になりたいって。いつも愛情を注いでくれるだけでいい。愛情が私の生きる糧になる。いつも私という人形を愛でて欲しいの。我がままはなるべく言わない。生きたいとか動きたいとか言わない。だから、私に毎日愛情を注いで。頭をなででかわいいと言って。耳元できれいだねって囁いて。ただ、黒川千秋という人形を愛して。人形でいい。あなたに弄ばれる人形でいい。私は愛されたいの。独占したいわけじゃない。ただ、愛されたいの。あなたの愛が欲しいの。心が渇望しているの。あなたの愛で私の心を満たして欲しいの。私のお願いを聞いてもらえるかしら?


P「」

千秋「黙らないで、お願い。私を不安にさせないで。ただ、愛情が欲しいだけなの。あなたの愛情が…、愛が…」

492 : VIPに... - 2013/04/21 23:52:44.53 g8oQq0pl0 247/407

P「いや、そんなことを言われてもなぁ。」

千秋「お願いだから、私を愛してほしいの。」

P「いや、千秋。落ち着け。」

千秋「落ち着いてるわ。とても、清々しいくらいに。」

P「そうは見えないんだけどなー」

千秋「でも、本気よ。自分の気持ちのままのことを言ってるわ。」

P「ううん、どうしよう…」

494 : VIPに... - 2013/04/22 17:06:11.44 Yeae2qeW0 248/407

P「ただいま…って、誰もいないか。」

千秋「当たり前でしょ。他に誰がいるというの。」

P「まゆだけど。」

千秋「深くは聞かないであげるわ。」

P「心遣い痛み入ります…」

千秋「じゃあ、私をここで愛してくれるためにここに連れて来たの?」

P「いや、違うけど…」

千秋「まさか、説得しようなんて考えてないでしょうね、まゆちゃんと一緒に。」

P「そ、そんなわけないだろ!!」

千秋「ごまかすのが下手ね。」

P「千秋、考え直して…」

千秋「いやよ。」

498 : VIPに... - 2013/04/23 20:03:56.97 /3dbgvHj0 249/407

まゆ「ただいま戻りました。」

P「言いたくないけどお帰り。」

まゆ「で、なんで黒川さんがいるんですか?」

P「実は…」

まゆ「まあ、ヤンデレールを飲ませてしまったから気を付けてとちひろさんから連絡があったので大体のことは分かるんですけどねぇ。」

P「あ、うん、そっか…」

まゆ「で、これを飲ませるように言われたんですけど。」

P「これは…スタドリ?」

まゆ「飲ませないと一生あのままらしいですよ。」

P「分かった、今すぐ飲ませる。」

まゆ(晶葉ちゃんがそこまで危険な薬を渡すはずがありませんし、ちひろさんは一杯食わされたみたいですねぇ。)

499 : ただいま、さんりおタイムネットに夢中 - 2013/04/24 14:20:29.35 LMsMgvHh0 250/407

千秋「プロデューサー、それは?」

P「スタドリだ。これを飲まないと一生このままらしいんだ。」

千秋「だったらこのままでいいわ。私はこんなにいい気分になったのは初めてだもの。あなたに愛される喜びというものを最大限に感じられるのだから。」

P「そんなわけないだろう。お前は上に行くことを目指していた。その過程で私も千秋を褒めた。千秋に優しくした。愛を持ってプロデュースしてきた。その愛がもし欲しいって千秋が思うのならこんな風に薬の力で歪められたお前を私は愛することは出来ない。」

千秋「…、そう。そうよね、勘違いというよりは我がままだったかもしれないわね。」

P「だから、スタドリ飲んでくれるか?」

千秋「それもあなたの愛というのならば。」

P「あけてやるからな。ほら、飲め。」

千秋「ありがとう。」

P(案外、今回は何事もなく終わりそうだ。)

千秋「ふぅ…」

P「千秋?」

千秋「じゃあ、自主練に行ってくるわ。もっとあなたに愛されるために。」








まゆ「千秋さん帰られるんですか?」

千秋「ええ。




                           いつかあなたからその場所を奪うために、ね。」

まゆ「期待しないで待ってますよぉ。」

500 : さんりおタイムネット - 2013/04/24 14:24:01.38 LMsMgvHh0 251/407

千秋さん編終了です。ペースがカメのように遅い…







続いて藍子編かのあさん編です。

505 : さんりおタイムネット - 2013/04/24 18:13:09.78 LMsMgvHh0 252/407

藍子「あ、Pさん。おはようございます。」

P「藍子、おはよう。」

藍子「今日は待ちに待ったライブの打ち合わせですね。」

P「ああ、そうだな。」

藍子「どんな衣装を着られるんでしょう。」

P「パッド入り。」

藍子「」

P「冗談だよ。ひまわりを基調とした清楚な衣装だ。」

社長「藍子が衣装より遺書に興味を示しそうな顔をしてるんだが…」

P「今回のライブ成功するといいですね!」

社長「こんな空気でそのセリフを言える君の精神を疑いたいけどね。」

P「盛り上げない、と!」

藍子「胸を…、ですか…」

P「藍子、自虐に走るのは良くないぞ。」

社長「君は言動を省みるということをしないからいつも痛い目に合うんだよ!!」

506 : さんりおタイムネット - 2013/04/24 18:21:59.17 LMsMgvHh0 253/407

藍子「この内容、すごく良さそうです!」

P「そうか、じゃあライブに向けて頑張ろう!!」

社長「一時はどうなるかと思ったけど、藍子が立ち直ったからよしとするよ。」

P「まあ、日常茶飯事ですからね。」

社長「藍子、ストレスがたまったらいつでもPを殴っていいからね。」

藍子「あはは…」

P「社長、冗談はやめて下さいよ!」

社長「冗談をいってるつもりはないんだけどね。」

藍子「でも、Pさんは大きい胸では得られないものがあるって教えてくれましたし…」

社長「何を教えたんだよ…」

P「うーん、千早さんって知ってる?って聞いたところから…」

社長「その話はやめて差し上げろ。」

507 : さんりおタイムネット - 2013/04/24 18:31:01.29 LMsMgvHh0 254/407

P「まあ、胸とか気にしない方だったはずだからちょっとくらいからかっても大丈夫かなと思ってさ。本当にごめん。」

藍子「それ、この事務所に入ってから何回聞いたと思ってるんですか!!もう怒りましたからね!!」

P(あー、からかって藍子に怒られてしまった。まあ、おれが見たくてからかってるようなものだけど。さて、飲ますか。だいぶ話もそれたし。)

P「藍子、景気づけに一粒どうだ?最近使ってるビタミン剤なんだが、体の疲れがよくとれるんだ。」

藍子「もう、Pさんは調子のいい人ですね…。とりあえず、いただきますけど、今度こんなことがあったら許しませんからね!!」

P「分かったよ、たぶんしないから。」

508 : 途中送信してしまいました… - 2013/04/24 18:35:13.26 LMsMgvHh0 255/407

藍子「うーん、効くんですか、これ?あまり実感がわかないというか…」

P「そうだな。でも、飲むと飲まないでは全然違ってくるから。」

藍子「そうですか。では、私はもう帰りますね。」

P「気を付けて帰れよ。」

藍子「絶対に言わないで下さいよ!!たぶんとか許しませんから。」

P「分かった、分かった。」

509 : 途中送信してしまいました… - 2013/04/25 22:22:10.30 waKY67rR0 256/407

P「藍子も帰ったし、珍しく今日の仕事は一人みたいだし。さっさと終わらせるか。」

P(藍子だし、乃々みたいにならないだろう。もう何も怖くない!!早く終わらせるか。)

P「さてと、ライブの資料、資料…、あった!!」

カシャ

P「何か、今シャッター音がしたような…。気のせいか。」

P「ネクタイも緩めるかな…、と」

ピロン

P「何か、変な電子音が…。まあ、晶葉の機械かなんかだろう。仕事、仕事。」

P「あ、やばっ!!取引先に送る書類、今日までだった。社長がやるって言ったのを無理矢理受け取ったからな。早くしないとエライ怒られる。どうしよう…」

カシャ

P「また、シャッター音が…」

510 : さんりおタイムネット - 2013/04/26 09:40:42.59 clMj8xz70 257/407

P(さっきから仕事をしているとシャッター音や得体のしれない電子音が聞こえてくる。アイドルがいない今、撮られてるのは間違いなく私自身。よって考えられることは一つ。晶葉の発明品だ。なら、こっちも気にすることなく仕事に集中できるな。)

P「で、これがああだからっと。今日のお仕事はこれでお終い、ってもう10時過ぎか…。早く帰って寝るとするか。」

カシャ

P「もう、このシャッター音も聞かずにすむな。」

P(事務所の鍵を閉めてっと。早く帰らないと、またまゆにどやされる…)

P「さてと、多分まゆが夕食を作ってくれてるけど、コンビニでなんか買っていこうかな。」

カシャ

P(またシャッター音!一体誰の仕業なんだ…)

511 : VIPに... - 2013/04/26 23:28:14.74 eAlkUj1DO 258/407

藍子「ふふっ。」

まゆ「何をやってるんですか?」

藍子「私はプロデューサーの写真を撮っています。見て分かりませんか?」

まゆ「分かりませんよぉ。」

藍子「それで何しにきたんですか?」

まゆ「もちろん、止めに来たんですよぉ。私のプロデューサーをそんなに撮られると気分が悪いので。」

藍子「そう…、ただ私はプロデューサーとの思い出が欲しいだけなのにまゆちゃんは邪魔するんだ…」

まゆ「まゆは邪魔するつもりはありません。あなたがまゆの前に立ちはだかっているんですよぉ。」

藍子「ちょっとくらいいいじゃない!!写真で思い出を残すことの何がいけないのよ!!会えばいつも憎まれ口を叩かれ、馬鹿にされて、からかわれて。でも、ライブとかで見せる仕事の顔はかっこよくて…、いつも私達のこと考えてくれてて。そんなPさんを好きになって何が悪いの!?あなたの勝手でしょう!!私はもう我慢出来ない。いつも私には見せないようなPさんの顔を写真に撮って思い出に浸りたいの。ただ単にそれだけなの。邪魔しないでよ。あなただけが…、Pさんを好きなわけじゃないんだから…」

まゆ「…」

藍子「もう私の邪魔しないで。もう私にはこれしか手段はないの。結局、最後までPさんが見てるのはあなたなの。自覚がないの?」

まゆ「そんなこと分かりきってますよぉ…」

藍子「だったら、なぜ!!」

まゆ「その理由を説明する義理はありません。」

512 : VIPに... - 2013/04/26 23:45:11.73 eAlkUj1DO 259/407

藍子「そう…、力づくで邪魔するの?私は絶対に諦めないから。」

まゆ「…、不安になりますよぉ…」

藍子「なんで?あなたは…」

まゆ「Pさんは、いつか私達の前から消えてしまうんですから。」

藍子「…」

まゆ「今はいいかもしれません。でも、トップアイドルに近づくにつれ私とPさんを隔てる壁は厚くなっていきます。Pさんは多分、私達からどんどん遠ざかっていきます。夢が叶えば叶う程、違う夢が消え失せていきます。それが怖いんです。思い出に浸る暇なんて私にはもうないんです。いや、多分最初から…」

藍子「まゆ…ちゃん…?」

まゆ「ああ、だから許せないんです。あなたが横から私のPさんをかっさらうような真似をしていることが!!」ギリッ

藍子「…、かわいそう…」

まゆ「何が分かるんですかぁ!?」

藍子「何も分からないよ、でも、狂ってる。私もあなたもみんなみんな狂ってる…」

まゆ「…」

藍子「だから…、見逃してよ。思い出をちょうだいよ!!このままじゃ私、狂って何をするか分かんないよ。」

まゆ「許せないんですよ、ただ…、許せないんですよ…」

藍子「一緒に思い出を作りましょう。たくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさん作れば心が満たされるかもしれないからね。」

まゆ「そう…ですね…うふ…うふふふ…ふふふ…狂ってしまった方が楽ですよねぇ…」

藍子「カメラ、貸してあげる。」

まゆ「PさんPさんPさんPさんPさんPさんPさんPさんPさんPさんPさんPさん…」

藍子「思い出たくさん作りましょう、Pさん…」









その日の晩、一日中止まない病んだシャッター音が響き続けた…

513 : VIPに... - 2013/04/26 23:46:34.90 eAlkUj1DO 260/407

藍子ちゃん編終了です。>>1も壊れてきました。








バイオショックやりながらのあさん書きます

515 : のあさん編スタート - 2013/04/27 11:57:26.88 YTBXS2OJ0 261/407

P「まゆが昨日、ついに家に来なかったんですよ。」

社長「ということは…、君の作戦が成功したと言っていいのかな?」

P「はい!!」

社長「で、後ろで抱き着いてるまゆを見て成功と言えるのかな?」

P「甘い基準では大成功ですよ!!」

社長「激甘じゃねーか!!」

まゆ「まゆとPさんの関係も激甘ですよぉ。」

P「まあ、そういうわけで…」

社長「なんていうかさ、いちいち俺に報告するなよ…。頭痛くなってきた。」

P「やさしさならありますよ。」

社長「てめーの優しさで治るんだったらバファリンなんていらねーんだよ。」

516 : VIPに... - 2013/04/27 12:17:47.04 YTBXS2OJ0 262/407

のあ「あら、いつものことながら早いわね。」

P「のあさん、今日は休みじゃなかったんですか?」

のあ「休日という日を怠惰に過ごすことには慣れていないの。」

P「事務所に何の御用ですか?」

のあ「ちょっとした忘れ物とジンクスのため、かしら。」

P「ジンクス?」

のあ「あまり人に質問するものではないわ。女ならなおさらに。」

P「はぁ…」

のあ「あなたも自らに課せられた仕事を全うしなさい。もっとも、あなたの場合は課していると言った方が正しいのかしら?」

P「さぁ…」

のあ「自らの意思で選んだ道に食いつぶされないでちょうだい。私とあなたには約束があるんだから。」

P「そうですね。」

P(この人にヤンデレールは効くのだろうか…。不安だ。)


517 : VIPに... - 2013/04/27 12:23:10.97 YTBXS2OJ0 263/407

P「そういえばのあさん、試供品のビタミン剤があるんですけど…」

のあ「ビタミン剤ね…、そう。」

P(なんかバレてる。)

のあ「それがあなたの挑戦というのなら受けてたつわよ。」

P「な、何のことですかね…」

のあ「後悔はしないわね。」

P「いや、するかも…」

のあ「いいじゃない、たった1日私に時間を捧げればいいだけの話よ。」

P(確信犯だよ…)

のあ「じゃあ、一粒もらおうかしら。禁断の果実…いや、ここではビタミン剤ね。」

P「ど、どうぞ…」

のあ「感謝するわ。」

521 : VIPに... - 2013/04/28 19:36:51.76 EV2xEWOJ0 264/407

のあ「じゃあ、帰ろうかしら。」

P「え?」

のあ「案外、暇じゃないってことを思い出したのよ。」

P「え…、それって一体どういうことなんですか?」

のあ「女の子には準備が必要なのよ。」

P「もう女の子って年でもないでしょう。」

のあ「女性はいつでもかわいいと思われたいものよ。それとも、分かっててからかってるのかしら?」

P「…」

のあ「沈黙、ね。ある意味正しい選択肢ね。じゃあ、お先に失礼するわ。」

522 : VIPに... - 2013/04/29 13:29:45.91 w93TEJSw0 265/407

のあ「鍵ね。こんなもので隔てることが出来るとでも思っているのかしら?」

のあ「開きなさい。まだ使命を全うしたいでしょう。って言っても開くはずないわね。悲しいわね、主人に全てをゆだねているあなたをここで壊すのわ。」

まゆ「人の家の前で何をやっているんですかぁ?」

のあ「ちょっと、ね。それよりここはPの家のはずだけど。」

まゆ「わたしとPさんのいえですよぉ。」

のあ「じゃあ、ちょっと家に洋二があるの。上がらせてくれる?」

まゆ「…」

のあ「沈黙は肯定の意味でうけとっていいのかしら?」

まゆ「自分で考えて下さい、そんなこと。」


524 : VIPに... - 2013/04/29 22:08:43.17 w93TEJSw0 266/407

まゆ「何の用ですか、ここはあなたのいるべき場所じゃありませんよぉ。」

のあ「ちょっとだけ貸してちょうだい。対価は払うつもりよ。」

まゆ「そんなことは関係ありません。早く…」

のあ「大丈夫、一瞬であなたは幸せな夢の中へ墜ちる。もう戻ってきたくなくなるくらいの、ね。」

まゆ「そんな冗談にごまかされる年じゃありません。」

のあ「ふふ…、冗談だと思う?残念、私は本気よ。」

まゆ「何を…」

のあ「今からあなたは幸せな夢の世界へ行く。ここ帰ってきたくなくなるくらいの素晴らしい世界に…。さあ、目を閉じなさい。そして願いなさい。自らの幸福を。」

まゆ「ま、まゆは…、そんな、まやかしに屈したりはしません…」

のあ「大丈夫、身を任せて。そう、そのまま、精神を傾けるの…」

まゆ「Pさん…、Pさんが見え…る…」

のあ「飛び越えなさい、世界の境界を!」

まゆ「うふふ…、Pさん…、嬉しいです。こんな素敵な…ゆ…び…わ…」トローン

のあ「指輪ね…、夢の中とはいえ気持ちの良くない者だわ。」

525 : VIPに... - 2013/04/29 23:34:40.79 w93TEJSw0 267/407

P「まゆ、今帰ったぞ。まゆ、まゆ?いないのか。まあ、これが当たり前なんだけど。」

のあ「お帰りなさい……………、にゃん。」

P「の、のあさん!!何やってるんですか!?」

のあ「何も…」

P「いや、そういうことを…」

のあ「まあ、来なさい。全てが分かるわ。」

P「え…」

のあ「その名にふさわしいノアの方舟といったところかしら。」

P「ノアの方舟?」

のあ「その昔、大洪水で地上が洗い流された際、唯一生き残りを許されたノアの一族が乗った方舟よ。」

P「それが一体…」

のあ「分かっているくせに…」

526 : VIPに... - 2013/04/30 00:10:37.86 HyY5XPpu0 268/407

のあ「ここよ。」

P「まゆ!まゆがうつろな目で虚空を眺めているじゃないですか!?どういうことですか!?」

のあ「彼女には遠い世界にいってもらったの。幸せの楽園。いうなれば、エデンかしら。」

まゆ「Pさん、5人目が生まれましたよぉ。これでユニットが作れますねぇ。」トローン

P「まゆ、しっかりしろ!!まゆ!!」

のあ「ただの催眠術よ。そんな長い時間眠っているわけではないわ。まあ、自分の意志で戻ってきそうにはないけどね。」

P「のあさん、どういうつもりなんですか?」

のあ「言ったでしょ。ノアの方舟って。」

P「きちんと教えて…く…だ…さ…い…」

のあ「このアイドルの洪水とも呼べる世界にあなたと私だけの方舟を作るの。そう、永遠に結ばれた愛の契約。決して壊れず、決して沈まない方舟を。私とあなたは神から選ばれし存在。あなたと私でこのアイドルの洪水を生き延びましょう。他の小娘なんてどうでもいいわ。他の女になんて目をくれてやる必要もない。」

P「そんな…こと…は…」

のあ「特殊な香を焚いてるの。徐々に睡眠状態に落ちていくものをね。このまま、洗脳すればあなたと私の楽園になる…、そう、楽園に。」

P「なぜ…あなたには、お香が…」

のあ「ヤンデレールという薬はひどい興奮状態に陥る薬なの。この香の匂いを凌駕するくらいにね。」

P「そ…んな…」

のあ「いらっしゃい、わたしとあなたの楽園へ…」

527 : VIPに... - 2013/04/30 00:37:22.21 HyY5XPpu0 269/407

P(ここは…、どこだ…)

のあ「どこでもいいじゃない。ここは楽園。あなたとあたしだけの楽園。」

P「のあさん?」

のあ「のあって呼んで。ここでは永遠に幸せな時間が過ぎる。あなたにとって幸せって何?」

P「幸せ…、それはアイドルたちと共にトップアイドルを目指すことが…」

のあ「それは建前。本当の幸せを教えて。」

P「普通の日常を送りたい…」

のあ「そう、普通の日常。有名なアイドルたちに圧迫されたり、芸能界の裏なんて見なくてもいい。そんな日常。」

P「違う…、違う…」

のあ「違わないわ。あなたはただの一般人として生きたがってる。でも才能が、夢がそれを邪魔するのね。大丈夫よ。全部、私が背負ってあげるから。」

P「私は…、楽に…」

のあ「本当のあなたを教えて…」

P「私は…、僕は…幸せに…」

のあ「そう幸せに暮らすのよ。この楽園で…」

P「うん、そっちの方がいいのかな、のあ。」

のあ「そうよ、P。私がついててあげる。」

528 : VIPに... - 2013/04/30 00:54:50.42 HyY5XPpu0 270/407

P「のあ、普通ってどう過ごせばいいのかな。最近、働きづめだったから分かんないや。」

のあ「そうね、休日に自分のやりたいことが出来るってことくらいしか思いつかないわ。」

P「あ、ライブだ。見に行こうよ。」

のあ「待ちなさい!!」

P「あ、日高舞のライブだ!!チケットありますか?二枚ください!!」

のあ「ちょっと待ちなさい。」

P「ラッキーだな、チケットが2枚も残っているなんて。行こう、のあ。」

のあ「仕方ないわね。」

P「えへへ…」

531 : VIPに... - 2013/04/30 01:37:07.97 HyY5XPpu0 271/407

P「うわあ、すごい。舞だ、日高舞だ!!」

のあ「良かったわね。」

P「うん!!」

のあ「舞か…」ギリ

P「舞!!舞!!」

「今日は引退ライブに来てくれてありがとう!!」

P「舞の引退ライブに来れて良かった。えへへ。」

「じゃあ、今日はファンの人に来てもらおうかなー。」

観衆「うおー、舞ちゃんと一緒にステージに上がれるの!?」

「じゃあ、そこの君!!」

P「え、僕?行ってくるね、のあ。」

のあ「え、ええ。」

「ボク、お名前は?」

P「Pです。」

「Pくんは将来の夢とかある?」

P「プロデューサー!!だって、舞ちゃんみたいなかわいいアイドルと結婚できるから。」

「あはははは、面白いね、Pくん。」

P「えへへへ…」

のあ「そう、それがあなたの答えなの。」

532 : VIPに... - 2013/04/30 01:47:29.44 HyY5XPpu0 272/407

のあ(今から13年前、電撃引退した日高舞。そのアイドルに憧れてこの世界に入ったのね。なら、私がそのポジションにつけばもう、確実にPは私のもの…)

P「のあ、難しい顔をしてどうしたの?」

のあ「ちょっと考え事をね。P、遊んできなさい。」

P「はーい。」

のあ「ここまで精神年齢を低くしたかいがあったものだわ。彼の原点が見れたわけだし。さて、小学生から中学生程度に上げようかしら。」

P「のあ…、どうしてそんなことするの?」

のあ「P、聞いていたの!?」

P「のあは僕がどんな目にあったか分からないからそんなことが言えるんだ。僕の幸せを壊さないでよ。永遠にこの日が来るだけでいいのに。」

のあ「そう、そうよね。P、この楽園でずっと一緒に暮らしましょう。」

P「うん、そうするよ。」

のあ(彼の中学校時代に何があったのかしら?)

533 : VIPに... - 2013/04/30 01:54:20.87 HyY5XPpu0 273/407

のあ(彼には内緒で中学生の記憶を覗き見しましょう。)

P「舞のコンサート…、のあ。見たいの、僕の過去がそんなに面白いの?」

のあ「え?」

P「見ればいいよ、のあ。君の言う一般人の日常を。」

のあ「P…」

P「学校だ、早く行こう。のあ。」

のあ「ええ。」

P「後悔はしないで。」

のあ「そのつもりよ。」

534 : VIPに... - 2013/04/30 02:04:44.71 HyY5XPpu0 274/407

のあ「下駄箱ね。」

P「開けるか。」ガチャ

ザザーッ

のあ「何、この手紙の山!?」

P「呼んでみてよ、のあ。」

のあ「ええ、そうさせてもらうわ。」

手紙『アナタヲミテイル。エイエン二。ワタシノイトシイヒト。ズットズットイッショ』

手紙『あなたがスキです。どうしようもないくらいに。』

手紙『私はアナタのウンメイの人。』

手紙『アア、ヒトは間違いを犯す。』

手紙『君は純粋だ、怖い位に。』

手紙『君はどうして私の前にいるんだい。』

手紙『さようなら。会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない』

のあ「何これ…」

P「彼女は嘘つきだ。ずっと傍にいてくれるって約束したのに。僕より他の男を選んだ。

のあ「まさか。ストーカーしたんじゃ…」

P「正解。さあ、戻ろうよ。あの頃に、戻ってよ。でなきゃ、まゆに会わせてよ。

のあ「いえ、進めましょう。時を。」

535 : VIPに... - 2013/04/30 02:16:46.24 HyY5XPpu0 275/407

のあ「高校ね。」

P「そうだね。のあは幻滅しないかな。僕に幻滅しないかな?」

のあ「さあね、せめて私の愛したPと同じになるまで止めにしないわ。」

P「まだ彼女のストーカーさ。」

のあ「え?」

P「僕はさ、諦めきれなかった。彼女を。追った、追った、どこまでも。」

社長「おい、何してるんだ?」

P「先輩に言う筋合いはありません。」

社長「いや、ここは進学校だし。もうストーカーなんてやめたら…」

P「先輩にはわかりませんよ。愛なんて、恋なんて…」

社長「すごい言われようだな。で、例の件は考えてくれた?」

P「芸能事務所を立ち上げるからプロデューサーになって欲しいってことですか?ああ、OKですよ。どうせ、商品にしか思えませんし。」

社長「はは、冗談がうまいね。」

P「冗談、か。」

社長「君の夢は知っているよ。プロデューサーになってかわいい女の子と結婚するんだろ。」

P「前に話した通りですよ。それで明らかに向いてない僕をどうして…」

社長「ティンと来たんだよ。なにかしら、ね。」

P「バカにしやがって。」

536 : VIPに... - 2013/04/30 02:25:13.65 HyY5XPpu0 276/407

社長「君は前に言った。シンデレラは魔法にかかる前は単なる灰かぶりでしかなかった。魔法をかけてようやくシンデレラになれた。だから、僕も魔法をかけたい。一番、輝いている女の子を傍で見たい。幼き日に見た日高舞のような…」

P「やめましょう、その話。連れがいるんで。」

社長「そうか、じゃあ、頑張れよ!!ストーカーはダメだからな!!」

P「はい。分かりました。」

のあ「魔法ね。私は今チャームをかけられているわ。ここまで人を一途に思えるって素敵なことよ。」

P「ああ、そうだね。」

537 : VIPに... - 2013/04/30 02:48:45.86 HyY5XPpu0 277/407

のあ「P、ここは、駅のホームよね?」

P「見てるといいよ。」

のあ「ええ。」

  「あなた、ここまで来たの?」

P「逃げなくてもいいじゃないか?だって、僕は君の運命の人だろう。」

  「もう嫌。あなたに付きまとわれたくない。」

P「何を言ってるの?」

  「あなたともう関わりを持ちたくないの。さよなら。」

P「待って!!」

  「私が好きならちょっとだけそこで待ってて。贈り物をあげるわ。」

P「うん、分かったよ。」

  「じゃあね。」

プワーン

ガッタンゴットンガッタンゴットン

  「あなたみたいな素直すぎる男、大っ嫌い。この言葉で吹っ切れたでしょ。最高の贈り物でしょ!!」

P「…、ごめんね。」








のあ「お終い、かしら。」

P「ああ。私の回想はこれでお終いだ。私にとってアイドルは魔法をかける存在にしか過ぎないんだよ。」

のあ「嘘、つかないで。こんな記憶ないくせに。私を騙せると思ったの?こんな作り物で私をあなたから離すことが出来たと思うの?最後に聞くわ。これは嘘でしょう。」

P「のあさんには敵わないなぁ。嘘ですよ。全部、嘘。私にとってアイドルは生きる意味です。それを邪魔しないでください。私の普通の日常はあなた達のプロデュースなんですから。」

のあ「まったく、素敵よ。下らなさ過ぎて。こんなことに必死になって抵抗して…」

P「洗脳なんてされませんよ。絶対に。」

のあ「ええ、終わりにしようかしら。茶番はお終い。本気で洗脳するわ。」

P「夢の中でお話ししているの楽しかったですよぉ…」

のあ「!!、まゆ…、そういうこと…」

538 : VIPに... - 2013/04/30 03:01:05.92 HyY5XPpu0 278/407

まゆ「わたしに催眠術ですかぁ。かかるわけないじゃないですかぁ。結局、まゆがのあさんにかけちゃう形になりましたけど、しかたありませんねぇ。」

P「まゆ、ただいま。」

まゆ「お帰りなさい、Pさん。」

P「あれ、まゆ。のあさんが寝ているんだが…]

まゆ「お疲れなんじゃありませんかぁ?」

P「なんでここに?」

まゆ「さあ、誰かさんの薬のせいじゃないですかねぇ。」

P「うっ…」

まゆ「夕食が冷める前にいただきましょう。」

P「ああ…」

まゆ「方舟は私とPさんのものですよぉ。決してあなたになんか渡しませんからねぇ…」ボソッ












結局、のあさんはその日は1日中寝続けていた。時折苦しそうな顔を見せるのあさんにPは不安を覚えた。

539 : VIPに... - 2013/04/30 03:09:18.84 HyY5XPpu0 279/407

のあさん編終了です。


簡単な補足
のあさんは>>524の時点ですでにまゆに催眠術をかけられています。「まゆはまやかしに屈しません」とありますが、そのあたりからかけ始めています。なので、Pの過去は全てまゆの作り出した嘘です。まゆの声が途切れ途切れになっているのは、のあさんが催眠術にかかり始めたからです。もう最後のまゆが落ちた部分ではのあさんの方が術中にはまってます。



ノリだけのSSなのにどうしてこうなったし…




次はきらり編を書きます。

544 : きらり編書きます。 - 2013/05/01 04:03:35.30 Vco8kBUj0 280/407

P「のあさんが催眠術とか洗脳についての本にはまっているとかなんとか聞きましたが…」

社長「知らねーよ。いちいち報告来るなって言ってんだろうが。忙しいの、こっちも。」

P「またまたー。」

社長「人が暇しているみたいに言うんじゃない!!まったく。」

P「そういえば営業成績ですが、絶賛赤字です。」

社長「当たり前だよ。事務所の備品いくつ壊れたと思ってるんだ。この数ヶ月でよ。」

P「まあ、数えてたらきりないですよね。」

社長「だいたい、テメーのせいなのにどうしてそんなにへらへら出来るんだ。」

P「アイドルをプロデュースすることに命かけてますから!!」

社長「何誤魔化そうしてるんだ!!何もごまかせてないだろうが!!」

P「減給だけは…、減俸だけは…」

社長「減給20%、決定だね。」

P「そ、そんなー。」

社長「解雇できねーかなー、こいつ。」

545 : VIPに... - 2013/05/01 04:13:28.46 Vco8kBUj0 281/407

きらり「にょわー、Pちゃん☆今日もハピハピすうぅ?」

P「きらり、おはよう。今日はハピハピな気分じゃないんだ…」

きらり「どうしてー。」

P「お給料減らされちゃった。」

きらり「それは、かわいそうだにぃ。きらりがよしよししてあげるからこっちに来るんだにぃ。」

P「きらり、ありがとう。」

きらり「よし、よし。」

グキッ

P「きらり、頭持ってかれてるから。もうちょっと優しくして。首から鳴っちゃいけない音がしたから。」

きらり「分かったんだにぃ!!」

グキ、バキ

P「ストーップ、きらり、ストーップ!!」


546 : VIPに... - 2013/05/02 03:12:11.76 EZ0KThOd0 282/407

P「ちょっと首痛めたから湿布取ってくるよ。」

きらり「ごめんなんだにぃ。」

P「気にするなよ。ただ、きらりはちょっと背が高いから、よしよしするときは気を付けないといけないぞ。杏は痛がるだろうから。」

きらり「了解ー☆。」

P「じゃあ、待っててくれ。すぐに取ってくるから。」

きらり「Pちゃん、いっちゃった。これは何だろ、きらり気になるー☆」

きらり「そういえば、杏ちゃんから聞いたことがあるにぃ。これはPちゃんに対してハピハピが止まらない薬だって。きらり気になるー☆」

きらり「ちょっとだけ、飲んでも怒られないよね。Pちゃんと今日はハピハピだよ!!」

552 : VIPに... - 2013/05/03 15:12:57.45 Lae1gzKZ0 283/407

P「きらり、今戻ったぞ。」

きらり「Pちゃん、大丈夫?」

P「まだ痛いけど大丈夫!!」

きらり「良かったにぃ。じゃあ、今日はきらりとハピハピするしよ!」

P「例のごとく仕事があるからな。勘弁してくれ。」

ガシッ

きらり「どうして、どうしてきらりとハピハピしないって言うの?」

P「きらり、腕を握るのはやめるんだ。痛い、痛いから。」

きらり「Pちゃんはきらりのこと嫌い?」

P「いや、そんなわけないだろう!!」

きらり「だったら、なぜなのかな?」

P「きらり、今日ちょっとおかしいぞ。」

きらり「きらりはいつも通りだよ。おかしいのはPちゃんの方だにぃ。」

P(まさか…、いやいや、そんなはずは…)

556 : VIPに... - 2013/05/05 00:38:27.02 yEemNtf80 284/407

まゆ「こんにちは、Pさん。今日もあなたのまゆが来ましたよぉ。」

P「ま、まゆ。」

きらり「にょわー…」

まゆ「きらりさん?」

きらり「今日はね、きらりがね、Pちゃんとハピハピする日なんだよ。」

まゆ「そんなこと知りませんよぉ。だって、Pさんは…、私の…」

ガッ

きらり「まゆちゃん、聞こえなかったのかにぃ?今日は、きらりがPちゃんとハピハピするんだにぃ。」

まゆ「く、首を…」

P「きらり、やめろ!!まゆ、大丈夫か?」

まゆ「まゆのことはいいので、早く逃げて下さい…」

P「まゆ、出来る訳ないだろ、そんなこと!!」

きらり「にょわー…」グイグイ

まゆ「くっ…」

559 : VIPに... - 2013/05/06 10:09:22.28 Jjk3LjqX0 285/407

きらり「Pちゃん、今日はきらりとハピハピすうぅ?」

まゆ「私は…、ここで…、死んでもいいです…。あなたのために[ピーーー]るのなら…、それで…」

P「まゆ!!きらり、やめろ!!」

きらり「じゃあ、きらりとハピハピしてくれる?」

P「する、するから、まゆを放してくれ…」

きらり「うーん、分かったよ。Pちゃん。」

P「そうか。」

きらり「まゆちゃんは絶対に放さないから。ここで放したらPちゃんはまゆちゃんの方に行ってしまうにぃ。」

P「き、きらり!!」

まゆ「グ…、ウ…」

563 : VIPに... - 2013/05/07 20:05:09.26 cBu8Gsdy0 286/407

きらり「まゆちゃん、Pちゃんはきらりのものだよ。だからさ、ね。」

まゆ「死んでも渡しません…」

P「きらり、やめてくれ!!まゆが死んじゃうだろう!!」

きらり「やめない、絶対にやめないよ。」

まゆ「絶対に…、Pさんは渡さな…」ガクッ

P「まゆ…、まゆ!!」

きらり「気絶しちゃったにぃ。仕方ないからそこに置いておくんだにぃ。」

P「まゆ!!」

きらり「Pちゃん、まゆちゃんがどうなってもいいの?」

P「…、分かったよ。きらり、行こう。」

きらり「やったー、Pちゃんだーいすき☆」

566 : VIPに... - 2013/05/08 21:15:13.27 N4RCnRLr0 287/407

きらり「Pちゃんと今日はハピハピだよ☆」

P「きらり、いい加減にしてくれ。一体何がしたいんだ!?」

きらり「きらりはPちゃんとハピハピすゆよ。」

P「ハピハピって、何を…」

きらり「ちゅーとかしたら最高にハピハピだね、Pちゃん☆」

P「そ、それは、まずいぞ、きらり!!」

きらり「どうして、Pちゃん。あー、ファンのため、それとも…、まゆちゃんのため?きらり気になるー☆」

P「ファンのためにきまってるじゃないか!!」

きらり「Pちゃんの嘘つき。いつも、Pちゃんはまゆちゃんのためー、とか言ってまゆちゃんの方ばっか見てるよ。きらりも見て欲しいのにPちゃんは何かつけて、まゆちゃん、まゆちゃん、まゆちゃん、まゆちゃん、ばーっかり。きらり、つまんなーい。」

P「そ、そんなことは…」

きらり「だから、もうきらりのことしか見れないようにしてあげるね。Pちゃん。」

P「な、何をするつもりだ!?」

きらり「何って言わせる気、Pちゃん?きらり、セクハラとかはNGだよ☆」

P(間違いない、既成事実ってやつをつくるつもりだ。きらりも17だからな。知らない方がおかしいか…)

567 : VIPに... - 2013/05/08 21:43:06.73 N4RCnRLr0 288/407

きらり「きらりはPちゃんが大好きだけど、Pちゃんもきらりのことが大好きだよね。」

P「ああ、アイドルとして大好きだよ。」

きらり「じゃあ、まゆちゃんは?」

P「きらり、その話は…」

きらり「きらりは、Pちゃんが嘘ついてるの分かるよ。ここからすぐにでもまゆちゃんのところに行きたいんでしょ。でも、ダメ。Pちゃんはきらりのものだよ。これからも、ね。」

P「きらり、バカなことは止せ!!」

きらり「バカなこと、か。Pちゃんはいつもそう。きらりの気持ちも、杏ちゃんの気持ちも、まゆちゃんの気持ちも、みんなの気持ちも全然わかってない。分かろうともしない。アイドルとの交際はご法度だー、って言い訳して本当に私達と向き合ってくれない。みんなPちゃんのこと大好きなんだよ。みんな、Pちゃんのこと心配してるんだよ。なのに、どうして、分かろうとしないの!?Pちゃん、答えてよ、ねえ、ねえ、ねえってば!!」

P「それは、その…」

きらり「結局、Pちゃんは今が壊れるのが怖いだけ。今のまま楽しく事務所で働ければいいと思ってるだけ。Pちゃんは、アイドルの未来なんかより、自分の今の方がずーっと大事なんだ!!」

P「それは違うぞ、きらり。」

きらり「違わないよ。Pちゃんは臆病だね。大丈夫、きらりがずーっと守ってあげる。きらりがずーっと傍にいてあげる。きらりがずーっと大好きでいてあげる。だから、Pちゃん。ハピハピしよ☆」

P「絶対に嫌だ。みんなが大好きだからこそ、今を壊したくないんだ。自分のためなんかじゃない。今がなければ、未来もないんだ。分かるだろ、きらり?」

きらり「いやだ、分かりたくないよ。だって、認めたら永遠にPちゃんときらりは結ばれないよ。そんなのイヤ。絶対にイヤーッ!!」

570 : VIPに... - 2013/05/10 00:18:33.19 yMOx538V0 289/407

きらり「Pちゃんは、嫌でしょ。きらりとハピハピできないの。」

P「いや、そんなことは…」

きらり「ふーん。」

グッ

P「き…ら…り…、首を絞めるのはやめろ…」

きらり「結局、Pちゃんは死ななきゃきらりに素直になれない照れ屋さんなんだね。」

P「グッ…、ガッ…、ゴホッ…」

きらり「さあ、早くきらりとハピハピしよっ☆」

P「…、や…」

きらり「早く、早く、きらりとハピハピハピハピハピハピハピハピハピハピ…」

P「グアッ…」

きらり「きらりが手を伸ばすとPちゃんでも押し倒せない距離にあるもんね。だから、きらりはPちゃんともうすぐハピハピできるよ☆」

木場「そこまでだ。」トスッ

きらり「あっ…」バタン

P「木場さん!!」

木場「まゆ君が倒れていたものでね。何かあったんじゃないかと思って来てみたんだ。大変だったね。まあ、私も人に言えた義理ではないが、まゆ君が倒れてると何かしらあるんだ。」

P「ありがとうございます…、げほっ。」

木場「無理はするなよ。まあ、後は君に任せるから。」

P「承知しました。」







きらりはその日一日起きることはなかった。いや、起きようとはしなかった。ずっと、泣いていた。薬が抜けても、ずっとずっと…





まゆは、意外と早く復活しました。


571 : VIPに... - 2013/05/10 00:23:52.67 yMOx538V0 290/407

はい、きらり編終わりました。疲れたなんて甘いことは言わないことにしています(謎)






早苗さんか小春ちゃんになるかもしれないです。

579 : 小春ちゃん編スタートです。(茶番なし) - 2013/05/11 16:54:07.30 i8z6zh2i0 291/407

小春「おはようございます。」

小春ちゃんがあいさつをする。そのとき、僕は小春ちゃんに抱かれていた。

P「おはよう、小春。ヒョウくんも元気そうだな。」

この人は小春ちゃんのプロデューサーだ。小春ちゃんはアイドルデビューをして、今人気の絶頂だ。

小春「でも、Pさんなんだか疲れてません?」

P「きらりを慰めていてちょっとな。」

小春「何かあったんですか?」

P「大丈夫、心配いらないよ。」

きらり「おはよー☆Pちゃん、おっす、おっす!!」

P「きらりおはよう。」

こうして、事務所は騒がしくなる。僕はこの雰囲気が大好きだ。

580 : VIPに... - 2013/05/11 17:38:38.46 i8z6zh2i0 292/407

僕はケージに入れられる。仕方ないことかもしれないけど、ちょっと悲しい。

小春「Pさん…、何………ビタミ……ありがとう……ます。」

小春ちゃんの声が遠くから響く。小春ちゃんはが何かを食べているみたい。いいなぁ、僕も欲しいな。

P「………、仕事がある………、がんばれ……よ。」

途切れ途切れにしか聞こえないけど、プロデューサーさんと小春ちゃんは仲良くお話ししているみたいだ。最近、プロデューサーさんと話すことが多くなって、僕に前みたいに話しかけてくれなくなったな。あ、小春ちゃんだ。

小春「ヒョウくん、ちょっと小春はお出かけするのでお留守番しててね。」

ニコニコ笑ってるけど、いつもの小春ちゃんじゃないことは一目瞭然だった。

584 : VIPに... - 2013/05/12 16:51:42.00 wh38qsp50 293/407

ガタッという音ともに目が覚めた。小春ちゃんだ。

小春「ヒョウくん、いい子ですね。きちんと待てて。でも、もうちょっと待っててね。」

小春ちゃんの笑顔がなんだかとても冷たい笑顔に見えた。さっきからずっとそうだ。小春ちゃんは小春ちゃんじゃなくなってる。

小春「小春はもうすぐお姫様になります。」

もう、誰に話しかけているのかも分からない。ただただ、うつろな目でプロデューサーさんを呼んでいるだけ。僕が必死にケージを揺らしても知らんぷりしてる。

小春「ふふふ…」

その時、小春ちゃんの手に持ってるものが見えた。あれは…、銀色でぎらぎら光ってて尖ってる。たぶん、ナイフっていう道具だったはず。僕にだって分かる。とても危険なものだって。

小春「小春は今から…」

小春ちゃんはこれで何をするんだろう。悪い予感しかしない。

585 : VIPに... - 2013/05/12 18:05:19.66 wh38qsp50 294/407

揺らす、揺らす、揺らす。止められない、止められない、止められない。

小春「……、…………、すよ。」

小春ちゃんが遠くなる。なんでか分からないけど、小春ちゃんを止めないといけない!!なのに、ケージ
が開かない。誰も気づいてくれない!!

アッキー「わん、わん!!」

ガチャーン

あ、開いた。ありがとう、アッキーさん。

アッキー「わんわん。」(礼はお嬢ちゃんを止めてからいいな、坊主。)

アッキーさん…。小春ちゃん、絶対僕が止めてみせるからね。

「あー、もう、アッキーったら…、ヒョウくんと喧嘩してるの!?」

アッキー「わん!」(早く行け!!)

うん、分かったよ。アッキーさん!!

590 : VIPに... - 2013/05/13 21:42:39.36 vf/E6ESz0 295/407

アッキー「わんわん。」(ご主人様、そんなに心配ならきちんと坊主のようにケージに入れておけ。)

「あー、ヒョウくん逃げてるー。小春ちゃん悲しんじゃうよー。」

アッキー「くぅ~ん。」(まあ、イグアナなんて逃げたところですぐ捕まるからな。心配いらないぜ、ご主人様。)

「もう、小春ちゃんのところ行って謝ってくるね。」

アッキー(まずい…)ダッ

「あ、ちょっとアッキーどこ行くの!!待ちなさい!!」

アッキー「わんわんわん!!」(クソッ、坊主。借りは高くつきそうだぜ。)

アッキーさんが時間を稼いでいる間に早く小春ちゃんを見つけないと…。

小春「Pさん……、小春は…」

あの部屋から小春ちゃんの声がする!!行こう!!

593 : VIPに... - 2013/05/15 13:36:16.62 pIdHow4G0 296/407

小春「Pさんは、知ってますか?ロミオとジュリエットっていうお芝居。小春が死んじゃったら、Pさんも一緒に…、なんて訳ありませんよね。私はシンデレラになりたいのに、みんなシンデレラで困っちゃいます。ジュリエットやシンデレラとかじゃくて、今、私がなれそうなお姫様は人魚姫です。だって、アイドルになったら横にライバルがいて、ライバルに王子様取られちゃって…、私はこれからその呪縛から解き放たれるためにPさんを…」

虚ろな目…、悲しい目…、寂びしそうな目…、僕に向けられるものとは全く違う表情をしている小春ちゃんは今にも壊れそうだった。

小春「でも、最後は殺せなくて人魚姫は死んじゃうんですよね。でも、一瞬でもPさんのお姫様になれるような気がします。それがとてもうれしいです。」

小春ちゃんはそっと呟くと窓辺に足をかけた。危ないよ、小春ちゃん、落ちちゃうよ!!僕は小春ちゃんの方に走り寄って、服に飛びついた。

594 : VIPに... - 2013/05/15 22:21:25.66 pIdHow4G0 297/407

小春「ヒョウくん、邪魔しないで下さい!!」

僕を必死に振りほどこうとするけど、僕の爪はしっかりと小春ちゃんの服に引っかかっていた。小春ちゃんが暴れるたびにガチャンと窓の冊子が鳴り響く。でも、放したら小春ちゃんはそこから飛び降りちゃう!!誰か助けて!!お願い!!

アッキー「わんわんわん!!」(坊主、無事か!?)

アッキーさん!!

「ちょっと、アッキー。待ってよ~。」

アッキー「わんわん。」(うちの御主人が来るまで粘れるか?)

やってみるよ、アッキーさん。小春ちゃん、踏みとどまって!!お願い!!

アッキー「ばうっ!!」(嬢ちゃん、バカなことはやめるんだ!!)

小春「二人とも放して!!」

598 : VIPに... - 2013/05/18 11:23:18.72 RQ2PW6aJ0 298/407

「も~、アッキーったら…、って!!小春ちゃん、何やってるの!?やめなさい!!」

小春「は、放して下さい!!」

「放すわけないじゃん!!ほら、降りて!!」

優さんに抱きかかえられ、小春ちゃんは窓辺から降ろされた。

その時、服がビリっと破れた。僕はそのまま落っこちて頭を打ってしまった。意識が遠のいていく…

アッキー「わん、わん。」(坊主、大丈夫か!?坊主!!)

小春「ヒョウくん…、ヒョウくん…?」

小春ちゃんに呼ばれた気がしたけど…、小春ちゃんのところへは行けそうになかった。

600 : VIPに... - 2013/05/18 21:05:15.84 RQ2PW6aJ0 299/407

僕の目が覚めたとき見えたのは、Pさんは仮眠室からまゆさんに連れ出されているところだった。

まゆ「また飲ませましたねぇ!!」

P「ひえええええ…」

仮眠室からPさんが起こされて連れ出されたみたいだ。

まゆ「小春ちゃんが、いきなり飛び降り自殺なんておかしいと思ったんですよぉ。聞いたら人魚姫になるとか言ってたみたいですし、大方寝ているPさんのところに来て迷った挙句の行動じゃないんですかぁ?人魚姫は寝ている王子様を暗殺できずに海に飛び込むので。」

「はい、誰もいない休憩時間なら寝ていて大丈夫だとおもったのでつい…」

まゆ「ついじゃありません!!その前に薬を飲ませるのはやめて下さい!!」

「はい…」

Pさんが物凄く怒られてる…。でも、小春ちゃんが飛び降りなくて本当に良かった…

アッキー「わん。」(坊主、良かったな…。それにしても、王子様ねぇ…。いつになったらこのバカ王子は気付くんだろうか。いや、気付かされるか、かな…)

601 : VIPに... - 2013/05/18 21:06:57.91 RQ2PW6aJ0 300/407

小春ちゃん編終了です。遅筆に磨きがかかってる…。もう、ゴールして…いいよね…







早苗さん編は書き溜めて一気に投稿します。

604 : VIPに... - 2013/05/19 13:01:31.37 jGLTfec50 301/407

早苗「P君、おはよー。」

「おはようございます、早苗さん。」

早苗「今日も朝早くからご苦労さんだね。で、何やってるのかな?」

「機密事項…、と言いたいところですが納得してくれます?」

早苗「まゆちゃんのグラビアの切り抜きが機密事項って言うのなら、そのふざけた幻想をシメる!!」

「え…」

早苗「いやー、最近のアニメって面白いね。奈緒ちゃんと一緒に見たんだけど、アニメも進化してるね。」

「ええ、そうですね。だから、その切り抜きを返して下さい。」

早苗「だーめ。」

(ちくしょう、こうなったら…)

早苗「んふふ~、何か言いたげな顔ね。」

「早苗さん、最近肩こりとかが多くなったって愚痴ってませんでしたか?」

早苗「ん~、まあ。でも、それくらいなら自分でなんとかすればいいだけの話だし~。」

「実はここによく効くと評判のビタミン剤があります。」

早苗「へぇ~。」

「これと交換ってわけには…」

早苗「仕方ないぁ…。あまり、こういうことはいけないと思うんだけど。ま、多少はね。人間だから欲に動いちゃうのも仕方ないよね…」

「どうぞ、どうぞ…」

605 : VIPに... - 2013/05/19 13:15:04.31 jGLTfec50 302/407

早苗「はい、これは返すわ。」

「あ、ありがとうございます…」

早苗「まあ、そのグラビアも君に持ってもらった方が喜ぶと思うし。」

「ちょっと意味が分からないですね。」

早苗「シメようか?」

「わかるわ」

早苗「余罪追加と…」

「わからないわ」

早苗「ふん!!」

メキィ

「痛だだだだっだっだっだだだっだだだdっだdっだだだだっだだ!!」

606 : VIPに... - 2013/05/19 19:11:27.87 jGLTfec50 303/407

早苗「えーと、ちょっと給湯室で水取ってくるから。」

「分かりました。」

早苗「やっぱり年かしらね。昨日のレッスンの疲れが残りっぱなしだわ。」

早苗「えーと、水、水…」

早苗「あった、あった。さて飲むか…」

早苗「うーん、まあ、すぐに効果が出るとは限らないけど…。気持ちだけでも楽になったわ。P君にお礼言わないと。」

607 : VIPに... - 2013/05/19 19:38:42.16 jGLTfec50 304/407

早苗「はあ~、それにしても疲れるわね。」

「あ、早苗さん。飲んできたんですか?」

早苗「そんな言い方したら私が給湯室でお酒飲んでたみたいじゃない。」

「すいません。」

早苗「気を付けてね。口は災いの元よ。」

「はーい。」

早苗「まったく…」

「さて、資料を棚に戻すか…」

早苗「…、私がやろうか?」

「いいですよ、これも仕事のうちですし。」

早苗「いや、遠慮はしなくていいのよ。」

「いえ、その…」

早苗「はいはい、運んであげるから。P君はほかのことをしなさい!!」

「は、はい…」

608 : VIPに... - 2013/05/19 19:50:23.47 jGLTfec50 305/407

早苗「資料運び終えたわ。」

「はい、ありがとうございます。」

早苗「いいのよ、お礼なんか…」

「いやいや…」

早苗「あ、それも手伝おうか?」

「いいですって。それよりもきっちり体を休めて下さい。」

早苗「P君、遠慮は…」

「遠慮なんかじゃありません。今日は契約の確認に事務所に来ただけですよね。ゆっくり休んでください。」

早苗「P君はさ…、私のことどう思ってる?」

「早苗さん?」

611 : VIPに... - 2013/05/22 01:56:01.30 mzqLUHvp0 306/407

早苗「P君、私はね。人に頼られることが好きなの。昔は体が小さいからって、ずーっと悩んでいたんだけど。それで武術とかやり始めたの。強くなれば人が頼ってくれるって信じて。あらゆる武術の段位を取ったわ。周りからは天才とか言われていて、後輩からも指導を請われて…。そして、身長が足りないけど武道が優秀だからって理由で警察に勤められることになった。そこから私はずっと頼られてた。酔っ払いなんて一蹴できるし、不良グループなんて拓海ちゃんを除けば裸足で逃げていくし。みんなから頼られて、みんなから感謝されて私は充実した日々を送っていたの。あの日まではね。P君がアイドルにスカウトしたのはびっくりしたわ。でもね、初めは冗談だと思ってた。でも、P君には本当の私に頼られている気がしたの。武術の腕とかじゃなく、小さくてただの一人の女の子だった私を。」

「ちょっと、早苗さん!?」

早苗「なのに、どうしてなのかな?P君はずっと私に頼ってくれなくて。むしろ、私の方が頼ることが多くなって…。でもさ、私はかわいいって言われたりするの嫌いじゃかった。それに、困ったときは必ず頼ってくれるって思った。なのに、いくら人気が出てもP君は『凛、頼めるか?』とか『まゆ、頼む。何でもするから!!』とか。結局、私に頼ってくれない。そんなに頼りないのかな、私って。」

「そんなことは…」

早苗「腕と脚、折ろうか。そうしたら私に頼らざるを得ないでしょう。」

「ひっ…」

早苗「大丈夫よ、痛いのは我慢できる年でしょ。」

「いや、ちょっ…」

612 : VIPに... - 2013/05/22 02:01:32.63 mzqLUHvp0 307/407

早苗「大丈夫よ。ずっと面倒みててあげる…」

「いや、その…。お仕事が…」

早苗「そんなの全部お姉さんに任せなさい。」

「いや、その、ね…」

早苗「大丈夫、逃げないで。すぐに楽になるから…」

「殺す気か!!あんた、わたしを殺す気か!?」

早苗「大丈夫よ、両腕両足をえいっとやるだけだから。」

「それはアカン。」

早苗「私に頼っていいよ。ずっとずっと、ね。お姉さんP君のためなら何でもするから。」

「じゃあ、ほっておいてください。」

早苗「冗談は嫌いよ。」

「冗談じゃないんですけどね。」

613 : VIPに... - 2013/05/22 02:20:26.60 mzqLUHvp0 308/407

早苗「さあ、身を預けて…」

「あばばばばばばっばっばあばっばあばばばば…」

早苗「ほら、捕まえた。」ガチャン

「これって…」

早苗「手錠よ。P君がくれた衣装の付属品。」

「なんてものを付けてしまったんだ…」

早苗「これで、もう、あなたと私は一心同体…」

「絶対に違うと思われますけど?」

早苗「じゃあ…、折りますか?」

「いやあああああああああああああああああああああああああああ!!」

社長「そこまでだ!!早苗さん、目を覚ましてください!!」

早苗「うるせえ。」ボキッ

社長「」チーン

(社長は期待させる間もなくあっさりと倒された。くそう、期待させやがって。)

まゆ「Pさんを返して下さい!!」

(まゆが来た。これで勝つる!!)

早苗「ふん。」

まゆ「きゃーーーーーー!!」

(まゆは投げられた。人ってあんなに飛ぶんだな…)

早苗「さあ、痛いけど我慢してね…」

(もうだめだ…。お終いだ…)

愛海「隙あり!!」

早苗「ちょっ…、何をしてるの放しなさ…、きゃあああああ!!」ゴツーン

(今起こったことをありのままに話すぜ。愛海が胸を揉んだことに驚いた早苗さんが愛海を振りほどこうとしたんだが、手錠のせいでバランスを崩し、机に頭をぶつけて気絶したんだ。何を言っているのか分からないと思うが、私も何を言ってるのか分からない。ただ、ヤンデレとかおっぱい星人とかウサミン星人をなんてチャチなもんじゃねぇ。もっと恐ろしいものの片鱗を見たぜ…)

愛海「いい加減、早苗さんの上から離れたらどうですか。」

「手錠の鍵か晶葉探して来てくれないかな…。動けないや…」








その後、Pは早苗さんにきっちりシメられた後、まゆに心を折られたそうな…

614 : VIPに... - 2013/05/22 02:24:00.77 mzqLUHvp0 309/407

早苗さん編終了です。リアルに忙殺されそうです。




のこり8組かいたら終了する予定です。
ちひろ
P&まゆ
城ヶ崎姉妹
頼子

かな子
和久井さん
ナンジョルノ

622 : 城ヶ崎編スタート - 2013/05/22 19:55:51.09 mzqLUHvp0 310/407

社長「腕を脱臼したため、書類仕事が思うようにできません。」

「それは甘えです。」

社長「全部お前のせいです。」

ちひろ「そんなことより、スタドリとエナドリがお得ですよ。」

社長「社長が脱臼したって言ってるんですけど!?」

ちひろ「そんなことは私に関係ありませんけど。」

社長「鬼、悪魔、ちひろ。」

ちひろ「えいっ」

社長「やめて、やめて、謝りますから、その関節技を外れてない方の腕にかけるのやめて!!」

「ざまみろー。」

社長「減給!!」

ちひろ「ざまみろー。」

625 : VIPに... - 2013/05/23 23:45:42.41 DGEZnL+DO 311/407

美嘉「プロデューサー、おはよー★」

莉嘉「Pくんおはよー☆」

P「美嘉、莉嘉、おはよう。今日はオフだろう。」

莉嘉「Pくんに会いたいから来ちゃった☆」

美嘉「ま、まあ、私は莉嘉の付き添いかな…」

P「うーん、でも、2人とも仕事が多いんだから無理するなよ。」

美嘉「分かってるって…」

莉嘉「大丈夫、莉嘉達はまだまだギャルだから元気いっぱいだよ!!」

川島「ギャルね…、わかるわ」

P(川島さん…。まだ疲れが抜けきってないんですね…)

626 : VIPに... - 2013/05/23 23:51:10.10 DGEZnL+DO 312/407

P「実は、ビタミン剤の試供品が来てます。」

莉嘉「しきょーひん?」

川島(その薬…わかるわ…でも、だまるわ…。恥じは二度も晒せないもの…)

美嘉「お試し品ってこと。で、誰か、そのCMに出るの?」

P「いや、これはただ使ってくださいってもらったものだ。飲むか?」

莉嘉「飲む、飲むー☆」

美嘉「もう、莉嘉ったら…。私も一錠もらおうかな。」

P(これでまゆのヤンデレが治ると信じて…)

630 : VIPに... - 2013/05/25 04:00:12.01 fJmdb0YDO 313/407

莉嘉「Pくん、この薬あまりおいしくない…」

美嘉「ただのビタミン剤だからね…。それより、プロデューサー。このビタミン剤って疲労回復とかに効果があるの?」

P「うーん、そういう感じかな。」

莉嘉「でも、私はまだ疲れてないよ。」

美嘉「もう、莉嘉。疲れにくくなったりとかもするの。」

P「まあ、せっかく事務所に来たんだからゆっくりしておけ。」

美嘉「はいはい、分かりました。」

631 : VIPに... - 2013/05/25 04:06:26.20 fJmdb0YDO 314/407

莉嘉「そうだ、Pくん。そのさ、アタシ達の家に遊びに来ない?」

P「さすがにそれは…」

美嘉「ちょっと親がさ、アイドル活動に関してうるさいの。テレビとかに出るようになって特に。」

P「つまり?」

美嘉「ちょっと親がアイドル活動に良い印象を持ってないみたいだからさ、説得して欲しいんだ。」

P「今日か?」

美嘉「そうだね。今日じゃないと厳しいかも…」

莉嘉「アタシ達のお母さんとお父さんちょー忙しいから☆」

P「分かった、仕事が終わったら行こう。」

美嘉「ありがとう、プロデューサー。」

632 : VIPに... - 2013/05/25 04:11:07.34 fJmdb0YDO 315/407

美嘉「プロデューサー、仕事終わった?」

P「ああ。」

莉嘉「じゃあ、行こ☆」

P「分かったから、引っ張るな。」

美嘉「ごめんね、プロデューサー。」

P「美嘉が謝ることじゃないよ。バラエティっていうのは総じて受け入れが悪いから…。特に幸子の家が。」

美嘉「あっ…」

633 : VIPに... - 2013/05/25 04:18:17.93 fJmdb0YDO 316/407

莉嘉「着いたよ☆」

P「じゃあ、ご両親にあいさつしないとな。」

美嘉「そうだね。」

莉嘉「まー、固いこと言いっこなし。早く入って、入って☆」

P「そうだな、おじゃまします。」

莉嘉「さあ、早く早く!!」

P「焦らせないでくれよ。」

美嘉「ふぅ~、用心のために鍵を閉めておかないとね。」ガチャン











美嘉「これで、もう逃げられない。」ボソッ

639 : VIPに... - 2013/05/26 09:28:52.46 wyUKtdxDO 317/407

美嘉「Pさんが来てくれて助かったよ。」

P「急に名前で呼ぶから、ちょっとびっくりしたぞ。」

美嘉「莉嘉もアタシもPさんには感謝してる。」

P「突然なんだよ…」

美嘉「前にコート貸してもらったじゃん。」

P「ああ…」

美嘉「Pさん、あのコート温かかったよ。」ピトッ

P「な、何をしてるんだ!!美嘉!!」サッ

美嘉「Pさん…、大好きだよ…。かわいい莉嘉にも譲りたくないくらいね。」

640 : VIPに... - 2013/05/29 11:16:03.25 2yj25cLDO 318/407

美嘉「私はPさんのこと大好きだよ…」

P「私は担当アイドルして大好きだよ。」

美嘉「でも、Pさん。薄々気づいてるんでしょ。逃げられないって。」

P「ああ。」

美嘉「じゃあさ、莉嘉に会ってあげてよ。莉嘉、Pさんのこと大好きだから。それこそ、狂っちゃうくらいに。」

P「莉嘉はどこだ?」

美嘉「それはね…」










莉嘉「Pくんとお姉ちゃんの後ろかな☆」

642 : VIPに... - 2013/05/29 19:43:33.90 2yj25cLDO 319/407

莉嘉「あはは☆お姉ちゃんがPくん取っちゃうかもって思ったら予想通り!」

P「莉嘉!!確か、私達より先に家に入ったはずなのに…」

美嘉「また窓から抜け出したの?玄関の鍵は閉めた?」

莉嘉「うん、閉めたよ☆でも、驚いたなー。Pくんがお姉ちゃんに…」

P「いや、そんなことはないぞ。」

莉嘉「へー、コート温かかったんだ。アタシにはそんなことしてくれなかったのに…」

美嘉「莉嘉、Pさんはあなたを担当アイドルとして大好きなだけ。でも、アタシは違う。Pさんに愛されているの。心から、ね。」

莉嘉「嘘だよ。嘘だよね、そんなの…」

P「嘘だよ。」

莉嘉「だよねー。本当は逆だもんねー。」

P「いや、どっちも担当アイドルして大好きだよ。」

美嘉「そっか、ふーん。そんなこと言うんだ…」

643 : VIPに... - 2013/05/29 20:09:26.81 2yj25cLDO 320/407

美嘉「Pさんがそんな態度をとるんだったら私達にも考えがある。」

P「え!?」

美嘉「要するに私達二人しか見えなくしてしまえばいいんだよね。」

P「話が見えないぞ、美嘉。」

美嘉「この家から一歩も出さない。出してあげない。大丈夫、必要なものは全部アタシと莉嘉で揃えてあげる。」

P「とめられるのか?」

美嘉「止めないよ。まあ、どちらかが帰らぬ人になってもいいというのならね。」

P「あい分かりました。逃げません。」

美嘉「だって、莉嘉。」

莉嘉「じゃあ、大人なことしよっか。お姉ちゃんみたいにウブなギャルより私みたいな大人なギャルがいいでしょ☆」

美嘉「大人ね…。Pさん、まだアタシはさ…その…あれだからさ…Pさんの手で大人の女にして欲しいな…」

P(大ピンチです。どちらを選んでも。)

646 : VIPに... - 2013/05/31 23:05:09.55 BtA3EKkDO 321/407

美嘉「どっちを選ぶの、Pさん?まぁ、莉嘉は猿みたいにキーキー叫ぶから人間のアタシの方がいいに決まってるよね。」

莉嘉「そんなこと言ったらお姉ちゃんだってただのたんぱく質の塊じゃん。」

美嘉「アタシの体はPさんへの愛で出来ているの。たんぱく質よりもっと崇高なものよ。お猿さん★」

P「人間はね、そんな都合のいいものでは出来てないよ…」

莉嘉「Pくん、アタシを選ぶよね☆Pくんは年下の方が好きだよね!」

美嘉「アタシを選ぶよね。Pさんはアタシを愛してくれるよね。」

莉嘉「アタシだよね。」

美嘉「アタシだよね。」

まゆ「私ですよねぇ…」

P「」

653 : VIPに... - 2013/06/02 04:03:10.95 1i74vheDO 322/407

P「一応、聞こう。まゆ、なぜ入って来れた?」

まゆ「あんな鍵、開いているのとおんなじですよぉ。」

P「開いてないじゃん。開けてんじゃん!!」

美嘉「まゆ、アタシの邪魔しに来たの?」

まゆ「まゆは、あなた達の邪魔をしに来たんですよぉ。」

莉嘉「ふーん、そっか…」スッ

P「莉嘉、そのハサミは?」

莉嘉「まゆちゃんなんか…行っちゃえばいいんだ…まゆちゃんなんか…まゆちゃんなんか…」

まゆ「何を…」

莉嘉「莉嘉の幸せのために消えてくれる?」ダッ

P「!!」

P(ハサミを持って莉嘉がまゆの方に!!間に合わな…)

美嘉(これで邪魔者が消える…。Pさんを…手に入れら…れ…る…、ウッ…頭が…)

莉嘉『ねぇ、ねぇ、お姉ちゃん、今日はね、Pくんとね、デートしたんだよ!!』

莉嘉『お姉ちゃん、夜景デートしたんだ。ずるーい。』

莉嘉『お姉ちゃん、すごい人数だよ!!こんなにたくさんの人がライブに来てくれるなんて…、お姉ちゃん、泣いてるの?』

莉嘉『お姉ちゃん、単独ライブおめでとう!!』

莉嘉『アタシのポスター買ってくれたんだ。言えばあげたのに☆』

莉嘉『お姉ちゃん…』

莉嘉『お姉ちゃん…』

莉嘉『お姉ちゃん…』









莉嘉『お姉ちゃん、大好き…』





美嘉「莉嘉、ダメーーー!!」

654 : VIPに... - 2013/06/02 04:29:11.79 1i74vheDO 323/407

美嘉「ハァ…ハァ…」

莉嘉「お姉ちゃん…」

P「美嘉…」

P(美嘉が莉嘉に体当たりして突き飛ばした。莉嘉はそのままふっ飛び、転倒した。運良くハサミは、どこかに飛んでいったらしく誰もけがはなかった。)

美嘉「ダメだよ…、莉嘉…、ダメだよ…」

莉嘉「お姉ちゃん…」

美嘉「プロデューサー、ごめん。ちょっと帰ってくれるかな?今は莉嘉と話し合いたい。」

P「美嘉…」

莉嘉「お姉ちゃん…、アタシは何をしてたのかな…」

美嘉「大丈夫、大丈夫だから…」

P「美嘉…」

美嘉「早く帰って。あまり余裕がないの。」

P「…」

まゆ「Pさん、帰りましょう。明日にはいつも通りになってますから。」

P「分かった…」

美嘉「ごめんね、プロデューサー…」

莉嘉「アタシは何でこんなことをしちゃたのかな…」

美嘉「莉嘉…」

莉嘉「どうして…どうして…」

まゆ「早く帰りましょう…」

P「ああ…」






おそらく、明日にはいつも通りになっているのかもしれない。しかし、Pには泣きながら泣いている莉嘉を慰めている美嘉が焼き付いて離れなかった。







Pが社長にこのことを話したら、社長にヤキを入れられたのは言うまでもない。

655 : VIPに... - 2013/06/02 04:33:29.46 1i74vheDO 324/407

城ヶ崎編終了です。もう遅筆に磨きがかかってますね。





続いては頼子。凛はお話的に最後の方になるかも。ナンジョルノ…いつになったら再登場するんだ…比奈のSRが出ないよ…

660 : VIPに... - 2013/06/02 15:27:19.76 1i74vheDO 325/407

千早「この度は、合同レッスンを組んでもらってありがとうございます。」

社長「いや、高木社長や765Pさんにはお世話になってるし。何より、私達の方が技術を教えてもらう立場だしね。色々、追い付かなくてさ…。なんせうち、寄せ集めの集団って揶揄されるくらいだから。」

千早「いえ、そんなことは…」

P「あ、社長。如月さんと合同レッスンするアイドルを連れて来ました。」

社長「うん、連れてきて。」

「よろしくお願いしますー。」

拓海「あんたが千早か!よろしくな!」

早苗「よろしくね、千早ちゃん。こう見えても千早ちゃんよりお姉さんだからね。」

千早「くっ…」

社長(なぜこのメンバーにしたし。)

P「如月さん、よろしくお願いします!!」

千早「え、ええ…」ピクピク

社長(やべーよ、キレてるよ、これ。絶対キレてるよ…)

671 : >>667 ここは今から頼子が始まります。 - 2013/06/04 00:33:27.81 3C/I6Cjm0 326/407

頼子「あら、Pさん。どうしてこんなところにいらっしゃるんですか?」

P「頼子、お前も来ていたのか。」

頼子「ええ、実はその…、千早さんの歌を生で聞きたくて…」

P「ああ。拓海ですら如月さんの歌に夢中になってるからな。」

頼子「本当にすごいですね…」

P「あの3人は決まって歌になると尻込みするからな。ダンスは得意だから歌は少々アレでもね…、とかよく言うからさ。如月さんのレッスンを見て少しでも変わって欲しかったんだ。如月さんは歌もダンスも出来る。そして、765Pさんから聞いた話だが最初は歌しかやらないと言っていた時期もあったらしい。でも、そこを乗り越えて今みたいなパフォーマンスができるようになったんだ。だから、あの3人にも知って欲しかったんだ。一つのことだけじゃなくて、色んなことをすることもまた一つのアイドルの道だよ、って。」

頼子「そうですよね。諦めたり、見限ってしまったりしたらもったいないですもんね。私もアイドルになるなんて思ってみませんでしたし。」

P「頼子はもっと自信を持っていいんだぞ。」

頼子「はい、もっと頑張ります。」

P「次は現代美術館とかどうだ?他のアイドルも一緒にさ。」

頼子「そうですね…、でも、ふ、二人きりの方が…、静かに作品が見られるかも…」

P「そうかもな。」

676 : VIPに... - 2013/06/06 20:25:27.95 Btckz5jDO 327/407

数日後

頼子「え、オフが重なったんですか!?」

P「ああ。ちょっと美術館のことは分からないんだ。前に聞いた話だと、頼子は現代美術館は行ってるみたいだし。」

頼子「いえ、気にしなくてもいいんですよ。」

P「ま、そういうわけだからさ。行きたい美術館があったら調べておいてくれよ。」

頼子「分かりました…」

P「あっ、これビタミン剤の試供品だ。良かったら飲むか?」

頼子「え、あ、はい。ありがたくいただいておきます。」

677 : VIPに... - 2013/06/06 21:08:13.50 Btckz5jDO 328/407

P「あっ、それ、とっておくのか?」

頼子「あまり良くないことですけど…。いざというときに飲みたいんで…」

P「そうか…」

桃華「Pちゃま、聞きましたわよ。」

P「桃華?」

桃華「古澤さんにこれを。」

頼子「これって、櫻井財閥がやってる美術館のチケット?しかも…、あ、愛の芸術展…。予約しても取れないのに…」

桃華「ふふ…、実はこれにはもう1つ特典がございましてよ。」

頼子「特典?」

桃華「実はその日にちは、警備員、ガイド、その他の職員は休みですの。一応、警備員は外に配置しておくのですが、中には誰もいないようにしておきますの。」

P「え、絵画は大丈夫なのか?」

桃華「まぁ、櫻井財閥と村上組、水本グループ。その他様々な系列の企業、名家を敵に回す度胸があればのお話ですがね。」

P「何その抑止力、怖い。」

桃華「二人とも存分に楽しんできて欲しいんですの。宣伝効果のために。」

頼子「そんなことしなくても、人は来ると思うのですが…」

桃華「二人きりにするための口実ですの。」

桃華(こうすれば、きっとPちゃまも私の方に…。気が利く女というところを存分に見せつけたんですから、それなりのリアクションがあれば…)

P「桃華!ありがとうな。この埋め合わせはきっとするから!」

桃華「期待しておりますの。」

桃華(ふふ…、二人きりでデートを思い切り楽しめますわね。頼子さんをだしにしてしまったことは、罪悪感がありますが…)

678 : VIPに... - 2013/06/07 00:43:25.50 5COHU3HDO 329/407

当日

頼子「ゴホ…、ちょっときちんと眠れなかったから風邪ひいちゃったかも…。そういえば、Pさんがくれたビタミン剤が…。飲んじゃおうかな…」

頼子「んっ…」

頼子「…、ふふっ。」

680 : VIPに... - 2013/06/08 00:48:55.67 1zbzQBiDO 330/407

頼子「Pさん、待ちましたか?」

P「ちょっと待ったよ。」

頼子「す、すいません…」

P「冗談だよ。さあ、行こうか。」

頼子「はい。」

P「今日は、ゆっくり見て回っていいからな。」

頼子「分かりました。たくさん見て回りましょう。」







まゆ「やっぱりコアラはかわいいですねぇ。」

ありす「オーストラリアロケに選ばれて良かったです。色々興味深いものがあります。」

「うちがなんで…」

社長「企画をしたバカには感謝しないとな。まったく、プロデューサーが国内にいないと不都合がおきるからきちんと考えて企画しろよっていつも言ってるのに…。事務所のちひろさんスゲー怒ってるだろうな。」

681 : VIPに... - 2013/06/08 03:25:14.24 1zbzQBiDO 331/407

頼子「これは…、すごい数です。このレンタル料だけで一件美術館が建つくらいの金額に…」

P「有名どころばっかりなんだろうが…、まったく分かんない…」

頼子「大丈夫ですよ。私が解説します。」

P「頼むよ。」

頼子「えーと、これは…」

P(本当に頼子は楽しそうにしてるな。連れてきたかいがあった…)

頼子「Pさん…、この部屋…」

P「ん?」

【恋人の部屋:完全防音になっており、外からの音が一切聞こえません。鍵を閉めることもできます。2人の時間を絵画を見ながらお楽しみください。※お一組15分以内でお願いします。】

頼子「入ってみましょう。」

P(鍵がついている部屋にいい思い出がないなぁ…)

686 : VIPに... - 2013/06/10 15:54:14.00 SBsqAx5DO 332/407

桃華(そう言えば、私がPちゃまと2人きりになるためのプライベートルームはきちんとカモフラージュされているのでしょうか…。一般展示に紛れ込ませるとのことでしたけど…)








P「まだ、ここには何もないみたいだな。」

頼子「ここは、もしかしたらスタッフルームかもしれませんね。多分、前に書いてあったプレートは学芸員の人の遊び心かと…」

P「でも、あそこには絵画を飾るための額縁があるぞ。」

頼子「そうですね。」

P「じゃあ、そろそろ帰るか。」

頼子「そうですね。」ガチャン

691 : VIPに... - 2013/06/14 10:40:13.51 QuTJu89DO 333/407

頼子「還るんですよね。」

P「ああ、帰るんだよ。」

頼子「美術の神の下へ…」

P「明らかにかえるの意味が違うんだけど!?」

頼子「あれ、そうですか?」キョトン

P「きょとんとすんなよ…。鍵開けて帰ろうよ…」

頼子「美術の神の下に…ですか?」

P「いや、事務所に。」

頼子「Pさん、美術って偉大ですよね。」

P「そうだね。」

頼子「そのコレクションの一つに加わりたくはありませんか?」

P「嫌だけど。」

頼子「え、おかしいな…、おかしいな…おかしいなアアアア!!」

P(考えたら負けだと思う。)

694 : VIPに... - 2013/06/16 03:09:42.67 qpc2tc9DO 334/407

頼子「プロデューサーってアイドルという作品を創るクリエイターみたいなものですよね。」

P「言い方が悪いけどそうだね。」

頼子「アーティスト、アートが重なる。アートがアーティストに恋をする。でも、アートは所詮アート。アーティストには想いは届きません。ああ、なんて悲しき運命…」

P「頼子…」

頼子「そして、たんなるアートとしての偶像は思います。いっそ、心中してしまおうと。」

P「…」

頼子「そして後、そこに横たわる2人の悲恋は永遠に語り継がれる美術へとなるでしょう。文学、彫刻、絵画…」

P「頼子、違うだろ!!目指していたのはそんなものじゃ…」

頼子「」スッ

P「頼む、頼子。そのナイフをしまってくれ…」

頼子「還るときが来ました。」

P「絶対に今じゃない。よく考えろ!!」

頼子「今しかない。今しかないんですよ。」

698 : VIPに... - 2013/06/17 17:12:02.58 nw1pA5mDO 335/407

頼子「もう手遅れなんです。何もかもが。」

P「いや違う。」

頼子「あなたの目にはあの娘しか映ってない。やるなら今しかない。」

P「頼子、いい加減に…」

頼子「もう話す暇なんてありません。あなたと…」

P「やめろー!!」

ガチャ

頼子「!」

ビリッ

頼子「う…あっ…」

あやめ「危ういところでしたね、P殿。」

P「あやめ、なぜここに…」

あやめ「さっき社長からメールが入りましてP殿に仕事のことを聞きたいと…。でも、携帯が繋がらないため事務所で晶葉に聞きながら来たのでございます。」

P「で、晶葉は…」

晶葉「扉の外だ。3人とも何かあったのか?」

あやめ「大変なのです!!実は頼子殿が…」

晶葉「よし、理解した。後でまゆに連絡しておく。」

P「た、頼む…、許して…」

晶葉「言う相手を間違えてないか?」

P「…」











晶葉「まぁ、全て私のせいなんだかな…」ボソッ

699 : VIPに... - 2013/06/17 17:20:49.55 nw1pA5mDO 336/407

P「なんで鍵開けられたんだ…。って、聞くまでもないか。」

あやめ「ふふっ。あの程度なら…」

P「とりあえず頼子を運ぼうか。」

あやめ「そうですね。」

P「おーい、晶葉。帰るぞ。」

晶葉「ああ、ちょっと待ってくれ。」

P「ん、どうした?」

晶葉「今、まゆが来た。」

P「」

まゆ「後でお話しましょうか…」

P「…、はい。」










次の日、縛られたPは見事に事務所でオブジェにされていたという。

700 : VIPに... - 2013/06/17 17:22:26.17 nw1pA5mDO 337/407

頼子編終了しました。もう書けるかどうか分かんねぇな…





次はかな子編書きます。先輩かわいい

703 : かな子編スタートです - 2013/06/19 12:00:46.07 PkW948eDO 338/407

社長「まゆの初ライブDVDが発売されたみたいだね。」

P「はい。三枚持ってます!!まゆと一緒に見ました。」

社長「もうつっこまないないから。」

P「初回限定特典にまゆの握手券とかつけないのは愚策でしたかね。」

社長「君が後ろで殺人者のような目でファンを見てるからね。握手会なんてできないよ。」

P「またまたー。」

社長「ちょっと冗談が過ぎたかな。」

P「悪くて病院送りですよ。」

社長「おいおい、冗談きついぜ。」

P「えっ」

社長「えっ」

P「本気なのになー。」

社長「なにそれこわい」

704 : VIPに... - 2013/06/21 19:28:48.17 FeMNe/sDO 339/407

かな子「Pさん、おはようございます。」

P「かな子、おはよう。って、少しやつれてないか?」

かな子「こ、ここ最近は忙しかったので…」

P「もしかして、お菓子を食べ過ぎたから夕食や昼食を抜いたんじゃないだろうな?」

かな子「ち、違いますよ!!ただ、ちょっと炭水化物の量を減らしているだけです。」

P「それでも、体に悪いぞ。最近、スイーツロケが増えて糖分摂取の機会が増えているだろうが、ライブ、レッスン、CM、その他もろもろ。体力を使うことも多い。きちんと三食を食べなさい。」

かな子「あ、でも私知ってます!!Pさん、最近ビタミン剤をみんなに配ってるんですよね。出来れば一つ欲しいなぁ…、なんて。」

P「きちんと栄養摂らなきゃダメだ。」

かな子「そんな~。」

P(かな子は体重を気にしすぎなんだよなぁ…)

706 : VIPに... - 2013/06/24 16:26:23.97 j8/FxYtDO 340/407

かな子「えー、でも…」

P「でも、じゃない。きちんと栄養バランスを考えなさい。」

かな子「じゃ、じゃあ、次から気をつけますから、そのビタミン剤を下さい。」

P(まぁ…、かな子に使っても大丈夫なはず。)

P「そこまで言うんだったら仕方ないかな。」

かな子「ありがとうございます!」

P(大丈夫、まゆとか社長にはバレない。絶対にバレない…)

710 : VIPに... - 2013/06/25 00:17:33.08 y+7EnqHDO 341/407

かな子「~♪」

P「言ったそばから何食べてるんだ、かな子?」

かな子「い、いやですね~。あのお野菜を使ったヘルシースイーツを…。ビタミンも豊富ですし…」

P「結局、そうやって食べて無駄に食事を抜くから…」

かな子「だって、食べたいもの食べるってこととダイエットって両立できないんですもん。」

P「レッスンで減ってるんだから気にするなよ。」

かな子「Pさんは、女の子の気持ちがわかってませんね。女の子は恋も甘いも全部欲しいんです。」

P「二兎追うものはなんとやらだぞ。」

かな子「イジワル…」プクーッ

P「まあ、スイーツを食べて幸せそうにしているかな子の方が俺は好きだよ。」

かな子「えっ…」

P「だから、次はエアロビクスのロケを幸子と入れてやるよ。」

かな子「ひどいですよー。」














かな子「でも、幸せそうな顔が好きなんですね…」ボソッ

711 : VIPに... - 2013/06/25 00:33:22.90 y+7EnqHDO 342/407

かな子「Pさんは、甘いものとか好きですか?」

P「んー、まあまあ好きだよ。」

かな子「実は天海さんに、新しいお菓子を教わったんですけど食べませんか?私、作りますから!!」

P「でも、まずいんじゃ…」

かな子「美味しいですよ!!」

P「いやいや、状況が、だよ。」

かな子「まあ、女子寮なんで大丈夫ですよ。」

P「そうかな?」

かな子「寮長さんに許可取れば大丈夫ですから。」

P「わかった、わかった。いつ行けばいいんだ?」

かな子「今日すぐ来て欲しいんです。」

P「はいはい、じゃあ今日は早く上がるわ。」

かな子「楽しみにしてます。」ニコニコ

712 : VIPに... - 2013/06/25 00:40:11.05 y+7EnqHDO 343/407

かな子「ここが私の部屋です。」

P「すごぉい。砂糖が10キロ単位だ!!」

かな子「Pさん…」

P「あ、ごめん…」

かな子「とりあえず、座って下さい。」

P「ああ、この辺りかな?」

かな子「はい。お茶入れます。」

P「じゃあ遠慮なく…」

かな子「すいません、アイスティーしかないですけど。」

P「うん、アイスティー大好きだから。」

かな子「分かりました、今、お次しますね。」

713 : VIPに... - 2013/06/25 00:43:00.77 y+7EnqHDO 344/407

かな子「はい、アイスティーです。」

P「すまんな、かな子。気を使わせて。」

かな子「いいんですよ。私はいつもPさんのお世話になってますから。」

P「かな子…。よし、これからも頑張ろう!!」グイッ

バタッ

かな子「睡眠薬ってこんなにすぐにきくんだ。」ニコォ

714 : VIPに... - 2013/06/25 00:58:48.38 y+7EnqHDO 345/407

P(なんだろう…、体が…、動かない…、頭ボーッとして…、甘い匂いが…)

かな子「Pさん、起きました?」

P「ああ、うう…」

かな子「もう少しで出来ますから、それまでごゆっくり。」

P「うあ…」

かな子「~♪」

P(ずいぶん意識がはっきりしてきた。今ならわかる。ビニールひもで縛られてる。こんなに固いものだっけ、ビニールひも?切れないし…)

かな子「はい、出来ました。ホールケーキとラングドシャとブラウニーと…と…と…と…と……」

P「かな子、一体、何を?」

かな子「一緒に食べましょう。甘いものお好きなんですよね。」

P「こ、こんなに…」

かな子「はい、あーん。」

P(ここで逆らったところで何もいいことはない。大人しく食べよう。)

P「んっ。」

P(美味しい。まぁ、これくらいで済むなら…)

かな子「美味しいですか?」

P「美味しいよ。」

かな子「それは良かったです。もう一口、あーん。」

P「んっ」

P(今回はましかな?)

715 : VIPに... - 2013/06/25 01:30:51.27 y+7EnqHDO 346/407

かな子「はい、あーん…」

P(これは、何個目だろう…何口…食べたんだろう…甘い…甘過ぎる…)

P「み…、水…」

かな子「紅茶やコーヒーもありますよ。」

P「コーヒーを…」

かな子「はい。」

P(今、明らかにスティック数本入れた…)

かな子「どうぞ。」

P(甘い、熱い、溢れ…)

P「ゲホッ」

かな子「大丈夫ですか?」

P「ああ…」

かな子「じゃあ、あーん♪」

P(もう…、甘くて…)

かな子「口開けて下さいよ。もしかしておいしくない…」

P「いや、その…」

かな子「お砂糖が足りない?」

P「いや、違う、逆…」

かな子「甘くないスイーツなんてスイーツじゃないんですよ。」

P「お願いだ…、限界だ…」

かな子「甘いもの食べてもっと一緒に幸せになりましょう♪」パクパク

P「かな子、もう食べられな…んぐっ…」

かな子「美味しいもの…食べる…幸せ…、一緒に…幸せ…アハハ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ…もっと食べる、幸せ、幸せ…」

P(もう吸う空気も甘い…)

716 : VIPに... - 2013/06/25 01:49:11.87 y+7EnqHDO 347/407

かな子「Pさん、口開けて下さいよ…口を開けて…」

P(開けたら…、甘いものが…)

かな子「食べなきゃ幸せになれませんよ。早く口を開けて下さい。」

P(…、吐き気が…)

かな子「スイーツですよ、美味しいですよ、幸せですよー。」

P(あれからいくつ追加されたんだろう…。出る度に甘くなる。)

かな子「口を開けて下さい。」

P「あ…んぐぁっ…」

かな子「どうですか?」

P「美味しい…よ…美味し…い…」

かな子「じゃあ、もっと食べましょう。はい、あーん♪」

P「お腹いっぱい、もう、入らない…」

かな子「食べましょう食べましょう、幸せになりましょう。」

P(あはは…幸せ…幸せなのかな…、幸せだ…幸せ…)

まゆ『今日の夕食は、美味しい肉じゃがですよぉ…』

P(まゆの声が聞こ…え…る…ごめん…甘い、甘い、幸せ、幸せ…)

まゆ「冷める前に帰りますかぁ?」

P「!」

かな子「!」

719 : VIPに... - 2013/06/25 03:12:01.45 y+7EnqHDO 348/407

まゆ「帰りますよぉ…」

P「かな子は…」

かな子「Pさん、甘いもの食べて幸せになりましょうよ…」パクパク

まゆ「体重計が恐ろしいですねぇ…」

かな子「おいしい…幸せ…Pさん…好きになってくれる…」ニコニコ

P「かな子…」

かな子「おいしい…おいしい…おいしい…」ポロポロ

まゆ「帰りましょう。Pさんがいるとただ状況が悪くなるだけですよぉ。」

P「そうだな…」

かな子「おいしいなぁ…おいしいなぁ…」

720 : VIPに... - 2013/06/25 04:02:40.98 y+7EnqHDO 349/407

まゆ「肉じゃが食べられますか?」

P「ごめん、食べられない…」

まゆ「あれだけ食べさせられれば仕方ないですよ。」

P「うう…」

まゆ「まぁ、いいです。冷えれば味もしみますし。」

P「ああ…」

まゆ「うふっ…。」

P「かな子は大丈夫なんだろうか…」

まゆ「多分、また体重戻ってると思います。」

P「あーあ、またかな子が泣き出すな…」

まゆ「大丈夫ですよ。Pさんも一緒にかな子ちゃんと私と茜ちゃんのレッスンを受けて、その後走れば。」

P「無理です、ごめんなさい。」

まゆ「謝るくらいならしない方が…、って言っても無駄でしたねぇ…」

P「まゆが最近いじめる…」








かな子は翌日、プロフィールの体重に戻ってショックを受けていた。



一方、Pは茜と一緒に河川敷を走らされていた。

721 : VIPに... - 2013/06/25 04:03:54.94 y+7EnqHDO 350/407

かな子編は駆け足で終わりました。課題が大量にあって全く終わりません。









次はわくわくさん書きます。あっ…(察し)

724 : 和久井さん編スタートです。 - 2013/06/25 18:57:36.37 y+7EnqHDO 351/407

和久井留美の1日は、彼と目が合うことから始まる。寝室の彼にそっとキスをして寝室を後にする。


リビングで朝食を済ませる。リビングには彼はいないがまた別の彼がいる。おいしいわね、と軽く微笑む。


台所、また別の彼が後ろで微笑んでいる。水がかからないように気を付けて食器を洗う。


洗面所で顔を洗う。彼はここにはいない。だって水が跳ねて彼にかかると危ないから。一回、後悔した。


着替える。彼の目から隠れるように着替える。ちょっと興奮してるのは秘密だ。


ドアの前の彼にそっとキスをする。そして彼と別れ家を出る。


そしてまた、事務所で彼に会うのだ。

729 : VIPに... - 2013/06/26 03:43:49.65 Qrm3LBNDO 352/407

留美「おはようございます。」

誰もいない。タイミングが悪かったのであろうか?

留美「あら、これは?」

彼の机の上の一つの小瓶。これのおかげでいくつの惨劇が起こっただろうか。

留美(まぁ、利用できるものは利用しましょう。)

こっそりと一粒タブレットケースに入れ、仕事に出掛けた。

留美(これだけあればね…)
にやりと微笑むとそのまま仕事へと直行した。彼とはまた会えるだろうから。

730 : VIPに... - 2013/06/26 04:21:30.70 Qrm3LBNDO 353/407

和久井留実は秘書だった。ずっとスケジュールとにらみ合い、嫌がらせに耐え、恋になんて見向きもせずに働いた。

気が付いたら、もう後戻りなんて出来なかった。生きているのが辛いくらい仕事が好きだった。死んでも仕事がしたかった。

でも、仕事をやめた。なぜだろうか、当たり前だ。女の子を捨てきれなかった。後悔するかしないかのとき、彼と出会った。

基本的に運命なんて信じなかったか、アイドルにスカウトされた時はそんな女の子チックなものを感じてしまった。

翌日、壁一面に貼り付けられた予定表は全て無くなり、かわりに一枚。彼を貼った。

732 : VIPに... - 2013/06/26 19:34:01.88 Qrm3LBNDO 354/407

留美「お疲れ様でした。」

今日、最後の仕事が終わった。彼女は、事務所に直帰する。他の男性に目線を配る時間なんていらなかった。彼女の出す独特のオーラに誰も近付けないでいた。
留美「今、帰りました。」
事務所に到着した。社長が電話の対応に追われている。ちひろが札束を数えている。

留美「あら、Pくんは?」

ちひろ「今日は、遅くなるそうです。」

留美「そう。」

椅子に座って書類整理の手伝いをする。前の仕事で経験した作業なのでさほど苦には感じなかった。

ちひろ「すいません、いつも…」

留美「いいのよ。私も家に帰ったところでやることはないし。」

嘘だ。ただ彼に会って礼を言われたいがためにやっているだけだ。

留美「彼、遅いわね。」

社長「そうですね。後のことはやっておくんで、二人ともお帰りになっていいですよ。」

帰るはずがなかった。彼に会うことが最大の目的だからだ。ちひろを見送った後は社長が電話している横で仕事を続けた。

社長「すいません、ちょっと出るんであの鍵渡しておきますから好きな時間に帰ってください。もう今日は事務所に戻れないみたいなんで。」

留美「はい、分かりました。気をつけてくださいね。」

内心、突然舞い込んだ好機に笑いが止まらなかった。

734 : VIPに... - 2013/06/26 21:48:17.34 Qrm3LBNDO 355/407

留美「あら、Pくん。遅かったじゃない。」

時計を見れば12時。仕事帰りにしては遅い。

P「実はドッキリのせいで、テレビ局を錯乱した貴音さんが逃げ回るというハプニングが起こりまして…」

留美「それで社長が…」

P「それだけならまだしも行方不明のスタッフが出るわ、よく見れば次の仕事場行ってるわで…」

留美「大変だったのね。」

P「小梅に貴音さんを脅かす頼んだんです。貴音さんは怪談が苦手って言ってたので…」

留美「結果が見えるわね…」

P「番組スタッフ、社長、私、で平謝りですよ。」

留美「大変ね…」

P「流石に小梅は帰しましたが…。とにかくうかつだったんですよ。」

留美「次から抗議しておかなくっちゃね。」

P「ええ。ドッキリは自業自得ですが、スタッフの管理が…」

延々と仕事の話が続く。このまま時間が止まればいい。今まではそうだった。でも今日は違った。

留美「夜も遅いし、ちょっと車で送ってくれないかしら。」

P「いいですよ。」

ありがとう、という言葉にはどれだけの意味が込められていたのか。Pには知る術などなかった。

736 : VIPに... - 2013/06/27 02:30:21.40 B9aWNooDO 356/407

留美「ありがとう。そうだ、お礼がしたいわ。ちょっと上がって待っててくれない。」

P「ええ、分かりました。」

留美「暗いから電気をつけようかしら。」

電気がついた。悪夢みたいだった。無数の自分から見つめられていた。自分の写真がいたるところに貼られ、恐ろしくなった。

P「わ…く…い…さ…」

留美「ふふっ。恐縮しないで。」

P「は、はい…」

怖い。ただ怖い。もう帰れないんだろうかと思った。

留美「温かい飲み物よ。」

P「ありがとうございます。」

飲み干すことしか出来なかった。彼女の善意が伝わってきたからなおさらだ。

P「お、おいしいです。」

留美「ふふ、良かった。夜食もあるのよ。」

P「そ、そんなに…」

留美「遠慮しないで。」

夜食は簡素な料理だった。

P「お、おいしいです。」

留美「喜んでもらえて嬉しいわ。」

恐怖というものでここまで体を硬直させたのはいつぶりだろうか。思い出したくない。

743 : VIPに... - 2013/07/03 02:16:46.87 OHOBvhNDO 357/407

留美「これが何か分かるかしら。」

一粒の錠剤。説明がなければそれが何であるかはわからないだろう。しかし、Pには予想がついた。

P「ヤンデレール…」

留美「その通り。」

その時に奪えば良かったのかもしれない。しかし、Pにはそれが出来なかった。なぜなら、この異常な空間にいる和久井さんに勝てる気がしなかったからである。体が強張って動かなかった。

留美「じゃあ、服用するわね。」

水の入ったコップ。口に運ばれる錠剤。止めるチャンスなんていくらでもあった。しかし、出来なかった。彼は、恐ろしさに震える子どもよりもさらに弱い存在と化していた。

留美「んっ…」

この一瞬が永遠に思えた。コマ単位でアニメを見たような気がした。しかし、目の前にあるのは非常な現実であった。

留美「飲んじゃった。」

P「実印持ってきてないんですよ。弱ったなー。」

留美「次、ふざけたら…。













誰かが死ぬわよ。」

744 : VIPに... - 2013/07/03 02:42:55.86 OHOBvhNDO 358/407

宣告の意味はPには理解出来なかった。その誰かが自分なのか、和久井さんなのか、まゆなのか、それとも他の誰かなのか。

P「だ、誰が…」

留美「私の気分次第よ。」

和久井さんが気分なんて言葉を使うこと自体が驚きだった。それほどまで自分というものを見せてくれていなかったのだろうか、と考えてしまった。自分のプロデュース力のなさを恨んだ。何一つ分かっていなかった。

P「な、何かしてほしいこととかあります?」

留美「何もして欲しくないし、何かして欲しい。わがままね、私。」

P「い、いえ…」

留美「困らせるのもあれだから、一つお願いしようかしら。」

P「なんでしょうか?」

留美「留美って呼んでくれない?」

P「そ、それくらいなら…」

留美「ごめんなさいね、あなたを困らせるようなことをして。」

P「いえいえ、別にいいんですよ。」

留美「そう?じゃあ、二人っきりで飲みましょう。」

P「そうしましょうか、留美。」

留美「ありがと。」

745 : VIPに... - 2013/07/05 01:53:31.29 jQWIT3/DO 359/407

和久井さんと飲んだのはいつぶりだろうか。和久井さんはまゆの次に積極的だった。一対一で飲むのもかなり控えた。今、思えば全て間違いだったのだ。

留美「Pくんは最近、私と一対一で飲んでくれないわね。礼子さんや楓さんと一緒に飲む機会が増えたわ。」

P「あはは…」

留美「あれだけまゆちゃんに構えば仕方ないのでしょうけど。」

P「お恥ずかしい限りで…」

留美「こんなものまで使って…」

P「うう…」

留美「まあ、いいわ。今はあなたと私で二人っきり。とにかく飲みましょう。」

P「は、はい。」

留美「私、意外と貞操は固い女よ。酔ったところを襲うことなんてしないわ。それに泥酔するまで飲ませないわよ。」

P「はは…」

見透かされていた。この人には敵わない。本当に同年代なのかと疑ってしまう。

留美「襲ってくれてもいいのよ。でも、あまり嬉しくはないわね。もっとちゃんとした手続きを踏んで…、って我が儘言える立場じゃないわね。」

P「ま、まあ、襲いませんけどね。」

留美「そう…、それはそれで残念ね…」

P「冗談がきついですよ…」

留美「そうね、謝るわ。」

なぜ、ヤンデレールを飲んだのにここまで平静を保っているのかPには不思議でならなかった。

749 : VIPに... - 2013/07/08 01:08:55.37 OLhC2qEDO 360/407

留美「ベロベロじゃない。大丈夫なの?」

P「らい…ひょーぶえすよ…」

Pは酒でその場しのぎの回答をすることしかしなかった。というより、全ての話題が婚姻、結婚、全てが即死級のものだったからだ。

P「これくらいいつものことひゃないれすか…」グー

留美「ちょっと、Pくん、Pくん!!」

今の状況は、丸々と太った草食動物がライオンの前でグースカといきなり眠り始めたようなものである。

留美「…」

襲えばひとたまりもなかった。襲えば、の話だ。彼女は宣言通り襲う気は毛頭なかった。カメラを手にとると、写真を一枚とった。彼のだらしない自分にだけ見せた寝顔だ。

留美「そうよね…」

ここで襲うことをしなかったは彼女がまだ女の子チックな恋に憧れを抱いていたからである。彼を敬愛している。溺愛している。でも、無理矢理なんてそんな節操のないことは出来なかった。彼女が思う女の子はそんなことはしないものだった。いつか、彼が迎えに来るのを信じていた。猛アタックの末にガールフレンドになりたかった。だから、和久井留美は襲わなかった。

留美「少しくらいなら…、いいわよね。」

頬に少しキスをする。まったく気付いていない。

さすがに風邪をひいたらいけないので、自分のベッドで寝かせる。

留美「重いわね…」

ベッドで寝ているPに抱きついてみる。彼の匂いがする。なんだか、安心する。

留美「わがままかもしれないけど…、最後に留美ちゃんなんて呼んで頭を撫でてくれないかな。」

少し呟いてみる。反応がない。当たり前だと思ってうとうとしたその時だった。

P「留美ちゃん…」ナデナデ

寝ぼけていたのだろうか。彼が留美の頭を撫でた。

留美「ありがとう…」

そのまま、留美の意識はなくなっていった。大分、酔いが回ったみたいだった。

751 : VIPに... - 2013/07/08 02:03:37.03 OLhC2qEDO 361/407

~翌朝~

留美「…」

P「…」

留美「な、何もしてないわよ。」

P「留美ちゃん」ボソッ

留美「っ…///」

P「ナデナデシテー」

留美「」プチッ

P「あ、あの…和久井さん?」

留美「で、出てけー!!」

P「わ、和久井さん!!す、すみません、すみません!!」

留美「次、ふざけたら誰かが死ぬって言ったわよね。」

P「ええ…」

留美「あなたが死ぬに変更よー!!」

P「ごめんなさい、ごめんなさい、時計を…置時計を投げないで下さい!!」

留美「ぜっっっったい許さない!!」

P「許して下さい、何でもしますから!!」

留美「なら、実印持ってきなさい!!」

P「そ、そんな無茶な!!」

留美「何でもするって言ったじゃない!!」

P「言いましたけど!!」

留美「責任よ、責任とりなさいよー!!」

P「許して下さい!!」

留美「ゆるせないわ!!」







川島「」ガタッ

まゆ「川島さん、一体どうしたんですかぁ?」

川島「何かインスピレーション的なものを感じたのよ。って、あなた達は何やってるの?」

まゆ「ドカポンですよぉ。」

ゆかり「あっ、魔法使いずるい!!」

智絵里「これで一位です。」

響子(次は智絵里ちゃんかな?)

まゆ「こうやって友情を深めてるんですよぉ。」

川島「友情が壊れていってるようにしか見えないんだけど…」

響子「深まってますよ…。まゆちゃん、次は智絵里ちゃん狙いよ。」

智絵里「ひどい…」

まゆ「抜け駆けは許しませんよぉ…」

ゆかり「恨み晴らしますから。」

川島「わからないわ」

752 : VIPに... - 2013/07/08 02:06:26.98 OLhC2qEDO 362/407

和久井さん編終了です。可愛い和久井さんを書きたかったんです。許して下さい。好きな人の写真を壁中に貼るのは普通のことです(嘘)






ナンジョルノは辛いよ…。だって天使すぎる…

760 : ナンジョルノ編スタートです。 - 2013/07/10 18:30:30.77 PWEYkYzDO 363/407

「どうも、こんにちは!!」

社長「菊地さん、いらっしゃい。」

「スポーツ大会ではお世話になります!!」

社長「ゲストに菊地さん迎えられて本当に良かったよ。」

「そうですか?そう言ってもらえると嬉しいです。」

「あれ、確か…?」

社長「ああ、765プロの菊地真さんだよ。」

「あ!!サッカー番組でシュート決めてたのを見てたぜ!」

「ん~、ちょっと前の番組かな?」

「オレ、菊地さんみたいにカッコいいアイドルになりたいです!!」

「そ、そう。ありがとう。」

社長(わ、悪気がないのが…)

「あ!この前、ヒーローショーで!!」

「あ、光ちゃん。あの時のショー以来だね。」

「凄かったな~。悪役をパンチやキックでバッタバッタと倒した時の真さん、スゴくカッコ良かった!私も真さんみたいにカッコ良くなりたい。」

「う、うん。きっとなれるよ。」

社長(ごめん、悪気はないんだよ…、悪気は…)

あい「おや、真じゃないか。」

「東郷さん、お久しぶりです。」

あい「この前の君のステージ、良かったよ。」

「あ、ありがとうございます。」

あい「まあ、私の方が後輩ではあるんだが…」

「カッコいい衣装で王子様風のステージで不安はあったんですけど…」

あい「様になってたよ。」

「本当ですか?」

あい「ああ。次はお姫様かな?」

「え、でも…。いつも、その…」

あい「大丈夫だよ、君はこんなにかわいいじゃないか。」

「あいさん…」ジーン

社長(流石あいさんだな。)

早苗「イケメン2人が揃いも揃ってどうしたの?」ヘベレケ

社長「ちょっ、今、昼の2時ですけど…」

早苗「うるさいわねー、イケメン2人もどう?お姉さん、おごっちゃうよ!!」

あい「あ、ああ…遠慮するよ…」

「み、未成年なんで…」

早苗「男らしくないわよ~、もっと男ならシャキッとしなさい!!」

社長(台無しだ…)

764 : VIPに... - 2013/07/12 14:29:05.01 T/qwAUODO 364/407

「んん~っ、風邪でもひいたか?」

麗奈「ハーハッハッ、今回こそ決着をつけてやる!!覚悟しろ!!」

「レイナか…、ゲホッ、ゴホッ…、かかって、ウェッ、ゲホッ…」

麗奈「お、おい、大丈夫か?」

「ヒー…ロー…は…風邪…なんかに…負け…ない。」

麗奈「…、ちょっと待ってろ。」

「どこに…行くんだ?」

麗奈「Pの机に薬があったんだ。取ってくる。」

「麗…奈…」

麗奈「万全な状態のお前と決着を着けてやるから覚悟しておけ。」

「ごめん…」

麗奈「…」

766 : VIPに... - 2013/07/14 23:28:22.69 C65ZU9sH0 365/407

「んくっ…」

麗奈「げっ、こんな時間…。今日のところは見逃してやる。決して一緒に仕事をする早苗が怖いからとかじゃないからな!!今度会うときを楽しみしてるぞ。ハーッハッハッハハーハッハッ…ンゲホッ…」

(あいつも風邪なのか?)

「さて、今日も世界を…、Pを…、っていかんいかん。せか…、Pを守る…、仕事…、違う、私はヒー…、Pは私の…、ダメだ…、ダメだ!!」

ちひろ「どうかしたの、光ちゃ…!?」

「べ、別に…、どうもしてないさ…」

ちひろ(目から光が消えてる…)

「私は今からPを…、って違う、あれだ…、冗談だ。世界を守るために…Pに近づく女を…、わーーーーーーっ、違う、こんなことはない、絶対に…」

ちひろ「光ちゃん…?」

「悪いがちひろ…、離れてくれないか…、頼む…、今の私はヒーローじゃないんだ…」

ちひろ「わ、分かったわ。でも、何かあったら相談してね。」

「あ、ああ…」

ちひろ(自分の中で葛藤しているのね…。力になれそうにないわ…)

767 : VIPに... - 2013/07/14 23:44:09.11 C65ZU9sH0 366/407

「…、P…、ちひろに絞られて…、まゆに束縛されて…、みんなにいいように扱われて…。やっぱり、私があいつらを…、いかんいかん。ヒーローなのに同じアイドルの仲間を手にかけようなんて…、どうしよう…、このままじゃ…、私は…、私は…」

「…、そうだ!!こういうときはヒーロー戦隊では大抵、長老的ポジションの人に相談したり、助言をもらったりするんだ!!長老的ポジションの人は…」

???『私じゃないわよね。わかるわよね。』

???『ウサミンハーイ、リアルJKですから!!』

???『え、長老?シメるよ。」

???『長老ね。ワインがあれば…』

???『最年長だからってそれは…』

「社長に相談しよう!!」

??・『その発想、わかるわ。』

770 : VIPに... - 2013/07/16 04:08:13.08 cGaeLxLDO 367/407

「長老!!」

社長「え?」

「長老。教えてくれ!!」

社長「社長だから。」

「実は……………ということなんだ。教えてくれ、長老!!私はどうすればいい?」

社長「社長だからね。いや、そんなことを急に言われてもね…。考える時間をちょうだい。」

「ありがとう!!しゃ…長老!!」

社長「言い直さなくていいからね。」

「頼む、長老!!私はみんなを楽しませるアイドルじゃなくなってしまうかもしれない。」

社長「うーん…」

772 : VIPに... - 2013/07/20 00:37:19.83 9oEMEg8DO 368/407

社長「じゃあさ、光はヒーローはみんなのためなら一人を犠牲にしてもいいと思う?」

「そんなわけないだろう!!ヒーローは一人でも百万人でも同じように守らなきゃいけない!!」

社長「アイドルも一緒じゃないかな?」

「え?」

社長「アイドルはたった一人の笑顔も犠牲にしちゃいけない。百万人の笑顔も犠牲にしちゃいけない。けど、たった一人の笑顔のために頑張るのもいいんじゃないかな?」

「でも、ファンを裏切って…」

社長「ファンの幸せも大事だよ。でもね、私は一番はアイドルのみんなに幸せになって欲しいんだよ。言ってることが矛盾してるのはわかってるけど、私が本当に一番に考えたいのはアイドルの幸せなんだ。」

「長老…」

社長「多分、バッシングを受けるよ。それも覚悟の上だから。それに本当のファンは光の幸せを願ってくれているからね。」

「…」

社長「今日は、レッスンだったっけか?じゃあ、今日はお休みにしよう。Pと一緒にどこかに出かけるといいよ。」

「本当にいいのか?」

社長「いいよ。」

「…、ありがとう!!社長!!」

社長「楽しんでおいでよ。」

773 : VIPに... - 2013/07/20 00:44:24.90 9oEMEg8DO 369/407

ちひろ「良かったんですか、社長。あんなこと言って。」

社長「うん。」

ちひろ「ま、退職金はたんまり払ってもらいますからね。」

社長「金ばっかりだな。だから、鬼とか悪魔とか…」

ちひろ「あ?」

社長「聞こえなかったことにしといて。」

ちひろ「むーりぃー。慰謝料払ってください。」

社長「…、次の飲み代は私がちひろさんの分を出します。」

ちひろ「ありがとうございます。」ニコニコ









P「社長も太っ腹だな。今日はいきなり臨時の有給だなんて。」

「P、あれ見たいぞ!!」

P「はいはい…」

P(でもなんで、光に付き合えなんて言ったんだろう…)

P「あ、あの子…」

「P…」

P(目から光が消えて…。あっ…)




この日は、光と仲睦まじくデートするPが見られた。



一方、まゆは…





何か企んでいるみたいです…

774 : VIPに... - 2013/07/20 00:45:33.23 9oEMEg8DO 370/407

光編終了です。リアルが怒涛の忙しさで辛い…









ちひろさんと凛をなるべく早く書きます。

775 : ちひろ編スタートです。 - 2013/07/20 00:51:49.40 9oEMEg8DO 371/407

ちひろ「うーん…」

目の前にはヤンデレール。これを飲めば嫌でもあの人に想いを伝えることが出来ます。

ちひろ「…」

みんながヤンデレ化して想いを伝える中、私は迷っていました。

ちひろ「私なんかが…」

アイドルのみんなと違って、魅力のない私が飲んでも嫌われるだけかもしれません。所詮、私なんて金が恋人とまで言われる女です。

ちひろ「」ゴクッ

でも、光ちゃんとPさんがデートをしているのを見て決心がつきました。もう、私だけ置いていかれるのは嫌です。

ちひろ「んくっ…、あっ…」

Pさん、待っていて下さい。せめて、私が想いを告げるその時までは。

776 : VIPに... - 2013/07/20 00:59:55.53 9oEMEg8DO 372/407

ちひろ「…」

自分が嫌になります。銀行で自分の通帳に入っているお金を全て下ろしました。趣味もなく、おしゃれもせず、ただひたすらに貯めてきたお金です。数百万はあるでしょう。いや、それ以上です。

ちひろ「ありがとうございます。」

怪訝な顔の銀行員からお金の入ったバックを受けとると、私はあの人の家へと向かいました。

ちひろ「すいませーん。」

ボサボサの髪を無理やり整え、まだ歯みがき粉が口の周りにくっついたまんまのPさんが出てきました。部屋着で出てきたみたいで、だらしない格好でした。

ちひろ「はい、そういうことなんで事務所に来てもらえますか?」

もちろん、事務所で用事なんて嘘なのにあの人は、笑顔で行きますと言ってくれました。心が高鳴っています。あの人を自分のものにできるので。

まゆ「…」

777 : VIPに... - 2013/07/20 01:08:00.80 9oEMEg8DO 373/407

ちひろ「あ、どうも…。実は…」

スタドリの倉庫です。私の持っている鍵でしか開きません。

ちひろ「先に入って下さい。」

Pさんは疑いもせずに入ります。だってそうでしょう。ただの事務員があなたに想いを寄せているなんて思いもしないでしょうから。

ちひろ「えーと、ですね。」

さりげなく鍵を閉めます。後は、スタンガンと縄で…

ちひろ「ごめんなさい。」

今の私はとても悪い笑顔をしていると思います。なぜなら、一番欲しかったものを手に入れた気分になったのですから。

ちひろ「よいしょ、っと…」

もっと抵抗すると思ったんですけどね…。やっぱり、あれだけ薬を使えば学習するんでしょうか?してもらわないと困りますけどね。

ちひろ「さて、Pさん。あなたに伝えたいことがあります。」

778 : VIPに... - 2013/07/20 01:18:24.22 9oEMEg8DO 374/407

ちひろ「私はあなたのことが好きです。好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで…」

息が切れます。息を吸う前に次の「好き」を言ってしまいます。

ちひろ「あはっ、好きなんです。好きなんですっ。」

息も絶え絶えに好きという言葉を連呼します。人をここまで好きになったことはありません。中学も高校も大学も…、なんとなくどんよりとした感じで過ごして来ました。社会に出て、社長の紹介でPさんに会って…、それから…、好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き…


ちひろ「大好きですぅ…、愛してますぅ…」

死んじゃう…、好きって言い過ぎて死んじゃう?息が出来ないくらい好きって伝えて死んじゃう?

ちひろ「お金ならあります…お金ならあります…、好きです…、私はあなたが好きです…、私なんてお金しか魅力がないんです…、愛してます…」

あはっ、死んじゃう?嫌だな…。好きって伝えたのに…

779 : VIPに... - 2013/07/20 02:10:04.77 9oEMEg8DO 375/407

ちひろ「…、ううっ…」

私が縛っちゃったからいけないんだ…。あの人が必死に私を気遣ってくれたのに…。もしかしたら、ギュッと抱き締めてくれたかもしれないのに…

ちひろ「…」

ああ…、意識が薄れる…。なんでだろう、涙が…、出ないよ…。辛いのにでないよ…。大人になるって悲しいことだね…。多分、前の私だったら泣けたのに…。無理に見栄を張って…

ちひろ「P…さ…ん…」

ずっと、名前を呼んでくれてる…

ちひろ「わ…た…し…の…こと…あいし…て…ま…す…か…」

馬鹿みたい。自分勝手で一人よがりで…。なんで私、こんなことしちゃったんだろう。なんで?人を好きになるってこういうことなの?

ちひろ「…、そう…です…か。」

愛してるとは違う…。当たり前ですね…。でも、お金なんて魅力じゃない。ちひろさんには魅力があるって…。お世辞でも、この場を切り抜けるための他愛のない言葉でも私は嬉しいです。

ちひろ「ありがとう…ござ…います…」

良かった…、これだけは…、言えた…意識がとおくなっ――――――――――

780 : VIPに... - 2013/07/20 02:21:00.72 9oEMEg8DO 376/407

翌日、目が覚めました。千川ちひろと書かれたプレートが入った病院のベッドの上に私は寝ていました。

ちひろ「あれ、私は…」

社長はいません。私の仕事を全て請け負ってくれてるそうです。しばらく給料を上げる相談はできませんね。

ちひろ「Pさんと…、まゆちゃん?」

どうやら、まゆちゃんが救急車を呼んでくれたらしいです。

ちひろ「ありがとう、まゆちゃん。」

まゆちゃんはこちらに笑顔で返してくれました。3人で他愛のない世間話をしました。でも、私は気付いてしまいました。




Pさん、まゆちゃんと話しているとき幸せそうなんです。私が話しても、誰が話してもこんな顔しなかったのに。

ちひろ「あれ、涙…」

私は嫌な女です。生き残れた嬉し涙ではなく、あの人が遠くに行ってしまった悲しみに涙を流してしまったのですから。

ちひろ「ごめんね、ごめんね。」

涙が止まりません。私は悲しくて悲しくて仕方ありませんでした。初恋が破れた瞬間でした。






泣いて泣いて落ち着いたときに恐ろしいことに気付きました。






あの倉庫の鍵は私しか持っていなかったはずなのにどうやって、開けたんだろう。マスターキーの位置なんてアイドルは知らないはずなのに…





まゆ「うふっ…」

781 : VIPに... - 2013/07/20 02:31:57.26 9oEMEg8DO 377/407

まゆ「ちひろさん、まゆ、とっても怒っちゃいました。」

まゆちゃんが2人きりなったとき、いきなり話しかけてきました。

まゆ「だって、Pさんが縛られてて…」

ちひろ「まゆ…ちゃん…」

まゆ「うふっ…」

ちひろ「私を…どうするの…」

まゆ「どうもしませんよぉ…。ただ…」

ちひろ「ただ…」

まゆ「まゆは、ちひろさんを許せません。」

ちひろ「そうね。」

まゆ「ちひろさんのせいでPさんはボロボロです。ドリンク中心の食生活。いえ、食生活って言ってもいいんでしょうか?」

ちひろ「早く、言って…」

まゆ「ただ、まゆの言いたいことはそれだけですよぉ。」

ちひろ「分かったわ。」

まゆ「まぁ、自分を省みて下さいねぇ…」

ちひろ「…、通報したの?」

まゆ「さぁ…」

部屋に近付く足音が聞こえる。私は、後悔しているのか、それとも、受け入れているのか分からなかった。Pさん…、ごめんなさい。もう二度とあなたに関わったりしません…






ガチャ


早苗「犯罪者ちひろタイホー!!」

ちひろ「えっ…」

まゆ「うふっ…、まぁ、いい薬といったところでしょうかねぇ。」

782 : VIPに... - 2013/07/20 02:36:43.89 9oEMEg8DO 378/407

後日、いつも通り私は仕事をしていました。

「あ、ちひろさん。」

ちひろ「凛ちゃん、どうしたの?」

「聞きたいことがあってさ…」

ちひろ「何?」

「ヤンデレールって薬知らない?」

ちひろ「…、今日はレッスンじゃなかったかしら?」

「まゆにきついお灸でも据えられたの?」

ちひろ「!」

「図星みたいだね…」

ちひろ「ダメよ、使っちゃ…」

「大丈夫。悪用しないから…」

ちひろ「そう…」











一番、怒らせちゃいけない子はまゆちゃんじゃなくて、もしかしたら…

783 : VIPに... - 2013/07/20 02:38:23.25 9oEMEg8DO 379/407

ちひろさん編終了です。というより、プロットがあったんです。イベント走ってたりしたら時間が…












凛編はちょっと待って下さい。

785 : 凛編スタートです - 2013/07/21 21:49:54.64 Zge4TPBDO 380/407

「プロデューサーの嘘つき…、ずっと一緒にって言ったのに…」

「もう許さない、まゆも、プロデューサーも、みんな、みんな許さない…」

「プロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサー…」

「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない…」

「まゆなんて死んじゃえばいいんだ。他のアイドルなんて消えちゃえばいいんだ。」

「プロデューサー、プロデューサーが一番後悔する最期を見せてあげるね…」





カラン


興味本意だったのだろうか、それとも確信を持って飲んだのであろうか?それは誰にも分からなかった。ただ一つのビンがそこに一つ転がっているだけ。事実はそれだけだった。

787 : VIPに... - 2013/07/22 02:50:02.55 dTJpiuKDO 381/407

「プロデューサーの机…。」

中から出てきたのは一枚の写真。凛とプロデューサーのツーショットだ。初めてのアイドルの記念に、と社長が撮影してくれたものだ。

「こんなもの、意味がないよ…」ボソッ

(グシャグシャにして捨てよう。)

「…、捨てられないよ…、やっぱり…」

「戻して…、ん?」

プリクラ、城ヶ崎姉妹と写っているもの、唯と写っているもの、菜々と写っているもの。どれも腹立たしかったが、最も許せない一枚があった。

『まゆ P ずっと一緒』

ラクガキも腹立たしかったが、それをPが持っていたという事実が一番許せなかった。

「…、覚悟はしてもらわないと、ね…」

789 : VIPに... - 2013/07/22 18:38:06.20 dTJpiuKDO 382/407

P「お、凛。人の机の前でどうしたんだ?」

「…、なんでもないよ。」

P「そ、そうか…」

「ねぇ、プロデューサー。相談があるんだけど。」

P「なんだ?」

「実は欲しいものがあってさ。」

P「何が欲しいんだ?」

「目の前にあるのに届かなくて」

P「うーん、お金が足りないのか?」

「いつも私のそばにいるのに」

P「いる?もしかして携帯とか壊れたのか?」

「今もこうして恋が焦がれてる。」

P「お小遣いを上げてもらえるように親御さんに頼んだらどうだ?」

「お金じゃ買えないの?」

P「うーん、そういうのは難しいかな?」

「大丈夫、もうここにいるから。」

P「え、何が?」

「プロデューサー、わざとなの?それとも本当に気づいてないの?」

P「お、おい…、凛…」

「じゃあ、しょうがないよね。」ギリッ

791 : 人数は数えてないです。 - 2013/07/23 02:57:24.21 gAmRLBUDO 383/407

「プロデューサー。」

P「どうした、凛?」

「プロデューサーは変わっちゃったね。」

P「え…」

「凛、凛、凛ってずっと呼んでいてくれたのに…」

P「いや、もう凛はアイドルとしてさ、その…」

「うるさい。今は私の目の前でもまゆまゆまゆ…」

P「そんなことは…」

「ずっと一緒にいてくれるって約束したのに…」

P「凛…」

「プロデューサーの嘘つき。」

P「凛はそれはちが…」

「何が違わないの?」

P「アイドルでいる間はずっとっていう…」

「誤魔化せないよ。」

P「凛!!」

「許さない…、あなた達は絶対に許さない…」

792 : VIPに... - 2013/07/24 13:00:07.30 BEfFkEsDO 384/407

「プロデューサー…」スッ

P「お、おい、凛…」

「大丈夫、このナイフでプロデューサーには危害を加える気はないから。」

P「やめろよ…」

「何を?」

P「そのナイフでやろうとしていることを、だよ…」

「じゃあ、私だけのプロデューサーになってくれる?」

P「そ、そんな…、無茶苦茶な…」

「」ギリッ

793 : VIPに... - 2013/07/26 14:27:00.10 kRKGiSVDO 385/407

「プロデューサーを私のものにする。」

P「なんで少しずつ近づいてきてるんだ!?」

「大丈夫、プロデューサーはケガ一つしないから。」

P「他のアイドルやちひろさんには…」

「多分、大丈夫。」

P「そうか…。社長はどうでも良かったが、他のアイドルやちひろさん達に危害をくわえないと分かっただけでも…」

「…」ビリッ

P「り、り…ん…」

「大丈夫、私だけのプロデューサーにしてあげる。」

794 : VIPに... - 2013/07/26 14:31:45.43 kRKGiSVDO 386/407

「よしっ…、と…」

「これで、プロデューサーにナイフを持たせて…」

「他のアイドルやちひろさん達には危害をくわえない。Pさんにも危害はくわえない。ついでに社長にも、ね。」

「ふふっ…」

「いつでもどこでも誰といても…、一緒。私の存在を感じ続ける…」

「プロデューサー、最期だからキスしてもいいかな?」

「答えは聞かないよ…」










「ありがと…、さよなら…」

800 : VIPに... - 2013/07/27 21:40:04.12 +QJKiKTDO 387/407

「プロデューサー、起きた?」

P「う、うーん…」

P(し、縛られてる!?しかも、手にはナイフが…)

「プロデューサー。」

P「な、なんだ、凛?」

「さよなら、今までありがとう。」

P「ちょっと待て、凛。何を言っているのか、さっぱり…」

「大丈夫、すぐに分かるから。」

P「近付くな、ナイフが…」

「分かってる。だって、私がぐるぐる巻きにして固定したから。」

P「凛!!」

「あなたをずっと支配するにはこれしかないかな、って。」

P「考えなおせ!!」

「もう遅いよ。ナイフが服に触れてるもの。」

P「やめろ、やめてくれ…、頼むから…」

「嫌、絶対に。」

801 : VIPに... - 2013/07/28 02:08:32.41 fS6JMVIDO 388/407

「さよなら、プロデューサー。そして、これからもよろしく。」

P「やめろーーーーー!!」
バン

「!!」

P「社長!?」

「鍵は開かないはずなのに…」

社長「壊したよ。」

P「と、とりあえず、社長。この状況を…」

社長「あっ、すまんすまん。」

「近付いたら死ぬよ。」

社長「…、なんとかならない?」

「なんともならない。」

社長「じゃあ、最後に写真を一枚撮っていいかな?凛とPのツーショット。生きてる間に撮っておきたいからさ。」

「いいよ、別に。」

P「しゃ、社長…」

社長「P、笑えよ…。最後のツーショットだぜ…」

P「…、はい。」

「早く撮ってね。」

社長「分かったよ。笑って、はい、チーズ。」

パシャ

社長「携帯電話で撮ったから送っておくよ。」

「さあ…、プロデューサーこれで…」

早苗「えいっ!!」

「えっ…」

P(早苗さんが凛の腕を固めている…)

社長「じゃあ、後で二人のケータイに送っておくね。」

早苗「社長が写真を撮ってる間に息を殺して、ドアから入って来たかいがあったわね。」

「痛っ…、ほどいて、ほどいてよ…、プロデューサーを私のものにできないでしょ!!私が一番、プロデューサーと長くいたのに!!どうして…、どうして…、まゆなのよ…、なんでまゆなのよ…、私が一番、側にいたのに…、プロデューサー、プロデューサー、プロデューサー…」

P「凛…」

早苗「とりあえず…、色男のPくんは後でシメる♪」

P「えっ…、ひどくない…」

802 : VIPに... - 2013/07/28 19:27:25.03 fS6JMVIDO 389/407

「プロデューサー…」


P(落ち着いたのか?)

早苗「とりあえず、君の拘束は後で社長が解いてくれるとして…」

「なんで…、早苗さんがいるの?今日はオフだったはず…」

早苗「あー、それはね。まゆちゃんから電話があったの?」

まゆ『まゆは、ちょっといけないので早苗さんにお願いしたいことがあって…』

早苗『何?』

まゆ『…、実は…Pさんと凛ちゃんと…連絡が…とれないんです…』

早苗『え?』

まゆ『だから、事務所に行って二人…の予定を…見てきて下さい…』

早苗『分かったわ。』

早苗「で、来てみたら社長が鍵を壊してたの。そして、社長から事の顛末を聞いて、忍びこんで凛ちゃんを押さえることになったの。」

P「ん、まゆはどうして行けなかったんでしょう?まゆも今日はオフですよ。」
早苗「体調が悪かったんじゃないかしら。だって、電話越しに嗚咽が聞こえたもの。」

「最後のヤンデレールを飲んだのは私だから。まゆにヤンデレールことビタミン剤が渡ることなんてないはず…。だから、体調不良を装っても無駄なのに…」
P「えっ…、私が最後に見た時には二粒あったんだけど…」

「うそ…」

P「じゃあ、誰が…」

「まゆだよ。」

P「え?」

「多分、まゆ。プロデューサーをこらしめる、とかなんかそんなことを言ってるのを聞いたから…」

P「凛、ありがとう。拘束が解けたらまゆのところへ行ってみる。」

「…」

社長「P、今、拘束を解くからな。…、よし。解けた!!」

P「社長、ちょっとまゆのところへ行ってきます。」
社長「え、あっ、ちょっと待て!!」

803 : VIPに... - 2013/07/30 22:13:02.75 Uuvq3LZDO 390/407

「プロデューサー、なんで一緒にいてくれないの…。一番私が近くにいたのに…、一番、私があなたと長くいたのに…、ううっ」ウルッ

社長「凛…」

早苗「凛ちゃん…」

「うわあああああああん」ポロポロ

早苗(普段はクールな凛ちゃんがこんなに大声をあげて泣くなんて…)

社長「…、早苗さん。凛をお願いします。」

早苗「ちょっと社長!!」

社長「Pのやり残した事務所の仕事を片付けないといけませんので…」

早苗「仕事よりも大切なことがあると思いますが?」

社長「こんな状況でも私は日常をこなさければならない。辛い仕事ですよ。社長っていう仕事は。なんせ、背負っている人数はプロデューサー以上なんで…」


「社長…」

社長「どうした、凛?」

「プロデューサーと一緒にまた写真を撮ってくれる?」

社長「トップアイドルになったらな。」

「わかった。レッスン行ってくる。」

社長「今日は休みにしておきなさい。明日から頑張ればいい。こんな調子じゃ逆効果だ。」

「…、はい…」

早苗「凛ちゃん。泣いていいのよ。」

「早苗さん…、ぐすっ。」

社長(さっさと邪魔者は退散しますかね。これ以上いても仕方ないし…)





凛はずっとプロデューサーへの思いを呟きながら泣き続けた。誰が来ても構わず泣き続けた。

804 : VIPに... - 2013/07/30 22:14:27.96 Uuvq3LZDO 391/407

凛編終了しました。いや、ちょっとスケジュールが…


まゆ編、ラストを一気に書き上げるので時間を下さい。

809 : まゆ編スタートです - 2013/08/04 01:16:22.57 Oq8LOXPi0 392/407

P「まゆ、大丈夫なのか、まゆ!!」

まゆの携帯にメールを入れようが、電話を入れようが、返事は来なかった。仕方なく、Pはまゆの住んでるアパートへとやって来た。

P「まゆ、まゆ!?」

インターホンを鳴らしても、返事がない。

P「まゆ、大丈夫か!?返事をしてくれ!!」

まゆ「Pさん…」

P「まゆ、どうしたんだ?」

まゆ「お願いだから帰ってください。寂しいんです…」

「え?」

まゆ「会いたくないんです。だから、ドアを開けて入ってきたください…」

「言ってることが分からないぞ、まゆ…」

まゆ「Pさん…、まゆは…、まゆは…、Pさんのことが嫌いです…、だから、来てください…」

「…、今行くから待ってろ。」

810 : VIPに... - 2013/08/04 01:48:35.50 Oq8LOXPi0 393/407

まゆ「入ってこないでください…、まゆはとっても嬉しいですよぉ…」

「まゆ!?」

まゆは部屋の真ん中で震えいていた。爪を二の腕に食い込ませ、泣きながら震えていた。部屋自体は一人の女の子の部屋だった。引き伸ばされたPの写真やPのスケジュールが書き込まれたカレンダーのような狂気に満ち溢れたものさえなければ。

まゆ「Pさん、まゆは…」

「まゆ、一体?」

まゆ「まゆは…、あなたが好きです…、大嫌いです…、見ているだけで幸せです…、視界の端にいるだけでも不快です…、もう、まゆの前から消えて下さい…、まゆを置いて行かないで下さい…、まゆは、Pさんのことを考えてると…、反吐がでるくらいに幸せで…、Pさんとデートした時なんて…、もう天にも昇るような地獄でした…、もう、まゆは…、あなたのまゆでは…、ありたくありません…、まゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆはまゆは…、PさんPさんPさんPさんPさんPさんPさんPさんPさんPさんPさんPさんPさんPさんPさん…、大好きですよぉ…、これからも…、だから、もう…、いなくなってください。」

「まゆ、言ってることが分からないんだ。お前は、私にいて欲しいのか、それとも、いなくなって欲しいのか、どっちなんだ!?」

まゆ「そんなの決まってるじゃないですか…」


811 : VIPに... - 2013/08/04 03:05:54.74 Oq8LOXPi0 394/407

まゆ「まゆは…、Pさんが好きです…。でも、まゆはPさんを好きになっちゃいけなかったんです…。今までのことも全部全部、まゆのせいです。Pさんはまゆのことを心配してくれていたのに…」

「まゆ…」

まゆ「まゆのせいでPさんの日常は全て壊れていきました…。ヤンデレール…、晶葉ちゃんもこんな事態になるだなんて予想はしていなかったと思います…」

「た、確かにそうかもしれないが…」

まゆ「事務所のみんなが壊れていくのを間近で見て、まゆは最初Pさんは、みんなを嫌いになってまゆに傾いてくれる。そう嬉しく思ってました。でも、回数を重ねるごとに、みんなと仲良くなっていくたびに、Pさんが傷ついていくたびに…、まゆは自分の存在がPさんにとっていかに害悪であるかを…」

「それは違う!!」

まゆ「何が違うんですか!!全部、みんな、何もかも、まゆが事務所に入って、あなたにアプローチをして、それから起こったことなんですよ!まゆは、あなたにとっての…」

「それ以上、言うな!!」













まゆ「疫病神でしかなかったんですよぉ…」

813 : VIPに... - 2013/08/04 04:53:36.77 Oq8LOXPi0 395/407

まゆ「まゆがあなたに近づけば近づくほど、あなたの平穏な日常を壊して、今まで積み上げてきた信頼関係を崩して、あなたの将来を暗くしてしまう…」

「それは違う!!」

まゆ「違いません!!あなたはあなたが思っている以上にみんなに想われてるんですよ!!それを知ってて、壊そうとして、近づいたまゆには、もうあなたを好きになる資格なんて無いんです!!まゆのことを大切に思ってくれているのなら、去ってください…。まゆはあなたのために死のうと思って、でも、あなたの悲しむ顔を見たくなくて死ねなかった…」

「まゆ…」

まゆ「ヤンデレールを飲んでも、本質は変わらないんですねぇ…。あなたのために去りたいのに、あなたの前から去りたくないあさましい本性が見え見えで…。こんな状況でもあなたに嫌われたくない、好きになって欲しい、って思ってるんです…」

「まゆの気持ちに私は…」

まゆ「答えないで!!」

「」ビクッ

まゆ「はぁ…、はぁ…、すいません…、ここで聞いてしまったらまゆは、壊れてしまいます…」

「でも、言っておかないと絶対に後悔する。二度と会えないかもしれないんだから。

まゆ「いやです、聞きたくありません…」

「聞いてくれ、まゆ…。私はまゆの気持ちに応える準備は出来ている。」

まゆ「…」

「たとえ、この業界から追放されようとかまわない。仕事なんて失っても構わない。この世界の全ての人間を敵に回してもいい。」

まゆ「Pさん…」

「私は、まゆを…


816 : VIPに... - 2013/08/08 02:46:39.66 PdLH6f2DO 396/407

まゆ「まゆは、アイドルですよぉ…」

P「…、そうだな。」

まゆ「確かにまゆは、Pさんが他の女の子と話したり、遠くに行ってしまったりすることには耐えられません。でも、まゆはアイドルなんですよぉ。あなたがスカウトしたアイドルなんです。一緒に夢を目指すって約束したんです。だから、その告白は…」

P「…、分かったよ、まゆ。そうだな。忘れていたよ。まゆや他のアイドルに会った時に一緒にトップアイドルになろう、って約束していたことを…」

まゆ「うふっ。何も用意できてませんが、ここで何か食べていきませんか?」

P「ああ、頂いていこうかな。」

まゆ「いいえ、いいんですよぉ。ただ…」

P「ん?」

まゆ「みんなには謝って下さいねぇ…。本当にみんなPさんが好きなんですから…」

P「分かったよ。責任はとる。」

まゆ(責任ですか…、嫌な予感がしますが気のせいですよねぇ…)

817 : VIPに... - 2013/08/10 03:00:03.25 eZao0o+s0 397/407

まゆ「はい、Pさん。」

「ありがとう、まゆ。」

まゆ「いえいえ、いいんですよぉ。」

「まゆの料理を食べるのも久々な気がするなぁ…」

まゆ「そうですか?」

「ああ、そうだな。」

まゆ「じゃあ、ずっとずっと食べさせてあげますねぇ…」

「え…、あれ、めまいが…」

まゆ「Pさんは学習しませんねぇ…。こんなに風に薬を盛られたりするパターンも考えられたはずなのに。まあ、そこがかわいいんですけどね。」

「ま…ゆ…」

まゆ「お休みなさい、Pさん。」

「…」









まゆ「さて、”帰り支度”でも始めますかねぇ…」

818 : VIPに... - 2013/08/10 03:19:32.41 eZao0o+s0 398/407

「ま…ゆ…?」

目が覚めたPが見たものは、何もないガランとした部屋と一枚の置手紙だった。

『Pさんへ
こんな風に去ってしまうまゆを許してください。ずっと料理を食べさせてあげたり、お世話をしてあげたかったりしたかったのですが、まゆはもうPさんに会う資格はありません。まゆはPさんのことがずっと大好きです。愛しています。Pさんの幸せを願っています。まゆは必死に考えたのですが、頭の悪いまゆではこんなことしか考えつきませんでした。ずっと料理を食べさせてあげるって言ったのに、一緒にトップアイドルを目指すと言ったのに、嘘をついてしまってごめんなさい。まゆはもう仙台へ帰ります。辞表も社長に出します。一人でひっそりと暮らします。だから、決して探さないでください。まゆのことを本当に愛しているのならば、これ以上追いかけないでください。まゆは夢を追いかけるPさんが好きです。アイドルのことを考えすぎて空回りしてしまうPさんが好きです。失敗をしても諦めずに立ち向かっていくPさんが好きです。Pさんが、Pさんの全てが大好きです。Pさんの幸せがまゆの幸せです。Pさんにまゆはいりません。まゆは遠くからあなたのことを思うだけで十分です。まゆは帰ります。一人の女の子に戻ります。探さないでください。追いかけないでください。見つけないでください。
まゆより』

薄く手紙の宛名のところに「あなたの」という文字が見える。おそらく、消しゴムで消したのであろう。

「まゆ…」

Pは事務所へと向かっていた。もしかしたら、まだ間に合うかもしれないからだ。

「まだ終わっていない。始まってすらいない。間に合ってくれ…、頼む…」

819 : VIPに... - 2013/08/10 03:34:16.51 eZao0o+s0 399/407

「社長!!」

社長「まあ、用件は分かってるけど…。一応、言って。」

「まゆが」

社長「うん、来たよ。今しがた。」

「遅かったか…」

社長「そういえば、この辞表さ。保護者の印鑑もサインも無いんだ。あるアイドルの辞表なんだけど、これじゃ正式に受け取れないからさ。届けてくれないかな?」

「それって…」

社長「多分、今は空港あたりじゃないかな。」

「分かりました。行ってきます。」

社長「交通費は自腹切ってね。」

「自分の大切なアイドルですから、当たり前です!!」

社長「それじゃ、気を付けて。」

「はい!!」

社長「うん、いい返事だ。君の唯一の取り柄の、ね。」

「こんな時にまで…」

社長「早く行かないと間に合わないかもよ。」

「行ってきます。ありがとうございました。」












茄子「Pさん、行っちゃいましたね。」

社長「茄子さん、来てたんだ。」

茄子「私もPさんの幸運を祈ります。」

社長「ありがとうね。あんなクズのために。」

茄子「ふふ…」
















_________________________本日○○時発の仙台行の便は、エンジントラブルのため出発を大幅に遅らせています。

820 : VIPに... - 2013/08/10 04:13:27.51 eZao0o+s0 400/407

まゆ「今日に限ってなんでこんな…」イライラ

「まゆー!!、まゆー!!」

まゆ「!、Pさん!?」

「まゆ…」

まゆ「ど…、どうして…、追いかけて来ないで、って…」

「納得できるか!!まゆ、今からでも遅くない、事務所に戻ろう。」

まゆ「嫌です…」

「そんな…」

まゆ「まゆは意地でも戻りません!!」

「じゃあ、こちらも意地でも連れて行く!!」

まゆ「え!?」

言い終わるか終らないかで、Pはいきなりまゆをお姫様抱っこして連れて行った。周りがざわついているが二人には関係なかった。

「うおおおおおおおおっ!!」

まゆ「P、Pさん////」

「まゆを、絶対にシンデレラガールにしてやるからな!!」

まゆ「楽しみにしてますよぉ…」
















まゆは頬を赤らめながら泣いていた。ここまで強引に、ここまで自分のことを思っていてくれるのなら、これから先、二人でどんなことも越えていけるような気がした。

821 : VIPに... - 2013/08/10 04:20:35.59 eZao0o+s0 401/407

まゆ編終了です。なんだ、この一昔前の恋愛ドラマみたいなオチは…(錯乱)





エピローグを書いてこのSSは終了となります。長い間、見て下さった方や応援してくださった方、リクエストをくれた方ありがとうございました。

822 : エピローグ始まります。 - 2013/08/10 04:37:50.94 eZao0o+s0 402/407

「みなさん、本当にごめんなさい!!決してみなさんの好意を踏みにじるためにその薬を使ったわけじゃないんです。」

アイドル一同「…」

「申し訳ない気持ちでいっぱいです!!」

留美「ふぅ…、Pくん。薬のことはアイドルのことを想っての行動だとは思うけど…。正直、君に土下座されても困るだけだわ。」

「すいませんでした…」

美嘉「まあまあ、Pくんが元からバカだって分かってたことだしさ…」

「」

「まあ、多少クズでも杏は気にしないしー」

「」

あい「そう言ってやるな。確かに君のしたことは許されざることだ。それでも、君が君なりの信念を持ってやったことなら私はこれ以上責めないがね。」

「すいません…」

「まあ、プロデューサーも反省していることだし。私は埋め合わせでもしてもらえれば、それでいいかな。」

「ごめん…」

蘭子「我の目は現世に向いておらず。遥かなる行く末にあり。」(もう気にしてませんよ。)

「うぅっ…、みんなありがとう…」

留美「それに…、まだチャンスはありそうだしね…」ボソッ

「え?」

留美「何でもないわ。」

823 : VIPに... - 2013/08/10 04:47:58.46 eZao0o+s0 403/407

社長「で、許してもらえたの?」

「はい。みんな、快くってわけじゃありませんけど…」

社長「当たり前だよ。で、他にも謝罪すべき人がいるでしょ。」

「ちひろさん、すいません。」

ちひろ「もう気にしてませんよ。」

「ありがとうございます。」

社長「他には?」

「ところで、先日のライブの件ですが…」

社長「君は徹底的に喧嘩を売るタイプなんだね。」

「冗談ですよ。ありがとうございました。そして、すいませんでした。」

社長「いちいち気にしてられないレベルだもんね。」

「さて、と…。切り替えて仕事の話に戻りましょう。」

社長「そうだね。じゃあ、定例ライブの予算は…」


824 : VIPに... - 2013/08/10 04:56:40.60 eZao0o+s0 404/407

「さて、と…」

社長「あ、そういえばまゆは?」

「明日は監禁の日って言ってたんで準備してるんじゃないですか。」

社長「あ、そうなんだ。何気に君さらっとヤバい習慣を言うんだね。」

「まあ、私が悪いわけですし…」

社長「その割には嫌がってないみたいなんだけど!?」

「それでは失礼します!!」

社長「それじゃあ、明後日ね。」

ちひろ「なんだかんだ言ってラブラブなんですね。」

社長「そうだね。」

ちひろ「じゃあ、私も仕事上がらせてもらいますね。」

社長「お疲れ様でした。」























社長「あいつには言っておかないといけないのかな…。『人の振り見て我が振り直せ』って。」



                                                   終わり


825 : VIPに... - 2013/08/10 05:07:55.87 eZao0o+s0 405/407

くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、15人以上やるつもりはありませんでした。
本当に話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないのでリクエストの全てに挑んでみた所存です
以下、アイドル達のみんなへのメッセジをどぞ

ちひろ「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

幸子「ありがとうございます!
ボクのかわいさは二十分に伝わりましたよね?え、それ以上?困りましたね…、カワイイボクはさらにかわいくなってしまうなんて!!」

留美「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」

拓海「見てくれありがとな!
正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」

輝子「・・・ありがと…、フヒッ」

では、

アイドル一同、P、ちひろ、社長「皆さんありがとうございました!」


P、ちひろ「って、なんで社長が!?」

社長「君たち、上下関係って言葉知らないでしょ。」

アイドル一同「改めてありがとうございました。」

本当の本当に終わり

832 : VIPに... - 2013/08/12 03:51:55.21 BeCg+1Ka0 406/407

おつ
ちひろ編だけ何が起きたかイマイチ分からないから解説欲しい

833 : >>832さんへ - 2013/08/13 04:17:31.24 nsKSxytC0 407/407

ちひろ編は、ちひろが勝手にヤンデレールを飲むところから始まります。
その後、ちひろは自らの財力を武器にPに迫ります(物理)
そこまでは良かったのですが、ちひろは男性経験の不足から極度の緊張に襲われます。
その結果、呼吸困難に陥るのですがそれでも構わずにPへの愛を語り続け、最後には気絶してしまいます。
その後、まゆに発見され病院に搬送される

といった感じです。一人称で書いたためかなり分かりづらい文章だなと自分でも思います…


ここだけの話、捌き切れなかった分のアイドルのヤンデレも一応あります…
小早川さんとか西村さんとか…

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