あやめ速報-SSまとめ-

美也「今から、黒石紬ちゃんと、白石紬ちゃんで対局しますよ～。どちらが勝つでしょうか～？」

紬「あの、宮尾さん、説明を」

美也「囲碁のルールはわかりますか～？」

紬「え、ええ。ある程度は」

美也「では、問題ありませんね～」

紬「違います。問題はそこではありません」

紬「黒石紬というのは、いったい、どういうことですか？」

美也「おや～？　髪が黒くなった紬ちゃんは、黒石紬ちゃん、ですよね～？」

紬「いえ、名字は変わりませんよ」

美也「なるほど～。では、今からそう呼びますね～」

紬「は、はぁ……」

美也「それでは、黒石紬ちゃんの黒番で、お願いします～」

紬「お願いします……では」

美也「ちょっと、待ってください～。今は、白石紬ちゃんですよね～？」

紬「……もしかして、髪色を変える必要があるのですか？」

美也「そうですよ～。もし、白石紬ちゃんが黒石を置いたら、反則負けになっちゃいますよ～」

紬「……わかりました。変えてきます」

紬「ただいま戻りました」

美也「それでは、初手をお願いします～」

紬「黒を……ここで」

美也「続いて、白番です～」

紬「白を……あ、失礼します。別室で、髪色変えてきます」

美也「どうぞ～」

美也「……」

紬「失礼しました」

美也「は～い」

紬「……」ﾊﾟﾁｯ

美也「……」

紬「失礼します」

美也「は～い」

美也「……」

紬「失礼しました」

美也「……」

紬「……」ﾊﾟﾁｯ

美也「……」

紬「失礼します」

美也「……」

美也「……」

紬「失礼しました」

美也「……」

紬「あの、宮尾さん」

美也「どうかしましたか～？」

紬「これ、長すぎませんか？　いつ終わるのですか？」

美也「たしかに。囲碁は、時間がかかりますからね～」

紬「違います。そうではありません」

紬「私が髪色を変えるために、何度も何度も離席してるんですから」

美也「大丈夫ですよ～。その部分は、カットされますから～」

紬「そういうことでは」

美也「あと、合成を使って、常に対面してるように見えるみたいですよ～」

紬「……そうですか」

紬「このままではいつ終わるか……どうすれば……あ」

美也「どうしました～？」

紬「いえ、名案が……それでは、対局を続けますね」

美也「どうぞ～」

紬「参りました」

美也「おお～、投了ですか～？」

紬「はい。これで地獄のような時間から解放されます」

美也「むーん、まだ始まったばかりですから、もったいないですよ」

紬「いえ、スタッフの皆様も早く終わって喜んでいるかと」

美也「そうでしょうか～？」

スタッフ(たしかに嬉しい……でも、そもそも)

スタッフ(どうしてあんな一瞬で髪色変わるの？)

おわり