【関連】
モバP「雪美の日々」【前編】

196 : VIPに... - 2013/06/24 23:41:21.71 X90KdNFjo 102/210


―――――――――――――――――――

宮本フレデリカ「フンフンフフーン♪ フレデリカー♪」

雪美「…………」

フレデリカ「やっほー! ゆきみんどうしたの?」

雪美「……フレデリカ……」

フレデリカ「なになに、何読んでるの?」

雪美「……これ…読める……?」

盥回し

フレデリカ「なにこれ?」

雪美「……わからない……」

フレデリカ「あははっ、暗号みたいだね~」

雪美「……意味……知りたい……」

フレデリカ「アタシはちょっとわっかんないかな~」

雪美「……分かる人……いる……?」

フレデリカ「そうだねー、ケイトとかこんなの好きなんじゃないかな?」

雪美「……ケイト……?」

フレデリカ「よく日本の雑誌呼んでるから、漢字とか詳しいはずだよ」

雪美「……わかった……聞いてみる……」

フレデリカ「がんばってねー♪」

197 : VIPに... - 2013/06/24 23:42:25.77 X90KdNFjo 103/210


ケイト「♪~」

雪美「……ケイト……」

ケイト「Wow! ユキミ! どうしましたデスカ?」

雪美「……これ……読める……?」

盥回し

ケイト「Oh……こんな難しい字を知りたがるなんて雪美は勉強家デスネ!」

雪美「……気になったから……」

ケイト「Yeah!! これはタライマワシと読むんデス!」

雪美「……たらい……まわし……?」

ケイト「自信は無いけど、当たってるハズ! 日本語勉強しててヨカッタ……」

雪美「……どういう……意味……?」

ケイト「アー……えーっとデスネ……Yes! タライを回すデスヨ!」

雪美「……たらいを……回す……」

ケイト「ソウソウ! クルクルーっと回しちゃうデース♪」

雪美「……くるくる……」

ケイト「きっと回すと何か意味があるヨ!」

雪美「……わかった……回してくる……」

ケイト「ユキミはChallengerネ! 頑張ってクダサーイ!」

雪美「……たらい……どこにあるの……?」

ケイト「えーっと……確かクラリスがもってたデスヨ!」

雪美「……借りて…くる……」

ケイト「イッテラッシャーイ! ユキミにユニオンジャックの祝福を!」

198 : VIPに... - 2013/06/24 23:44:09.18 X90KdNFjo 104/210


クラリス「えっ? たらい……ですか?」

雪美「……クラリス…もってる……?」

クラリス「えぇ、ここにありますわ」

ドンッ!

雪美「……大きい……」

クラリス「でも、雪美さん。このようなものをどうするのですか?」

雪美「……まわす……」

クラリス「まわす……? まわして何か意味があるのでしょうか?」

雪美「……わからない……でも…これに……書いてある……」

盥回し

クラリス「あら、難しい字ですね。私には読めませんわ」

雪美「……ケイトが……たらい……回して…こいって……」

クラリス「ケイトさんがですか、それなら何か意味があるのですわね」

雪美「……でも……何も…おきない……」

クラリス「何か……足りないのでしょうか?」

雪美「……クラリス……どうしよう……?」

クラリス「困りましたわね……」

雪美「…………」

クラリス「そうですわ、こんな時はイヴさんにお聞きするなどはいかがでしょう?」

雪美「……イヴ…に……?」

クラリス「えぇ、イヴさんは世界を回ってきておりますし。きっと何か知っているはずですわ」

雪美「……わかった……たらい…借りてく……」

クラリス「お気をつけて下さいね。雪美さんに神の導きを……」

-----------

P「イヴに聞いて意味はわかったのか?」

雪美「…………」 フルフル

P「良い事教えてやろうか雪美」

雪美「……なに……?」

P「その雪美のやってたことが盥回しっていうんだよ」

雪美「…………」

P「今、明らかに落胆した顔になったな」

200 : VIPに... - 2013/06/25 01:39:31.86 c8V/ajNro 105/210


―――――――――――――――――――

塩見周子「……ふぅ」

雪美「……周子…おつかれ……」

周子「あい、ありがと」

周子「最近は忙しくてこれなかったけど、やっぱりたまにはきとかないとねー」

雪美「……献血…好きなの……?」

周子「ふふっ、あたしは親不孝もんだからね」

周子「せめて誰かの役に立つ事はしときたいかなって」

雪美「……注射…怖い……」

周子「ゆきみんは年齢的にも献血はできないし、こーゆートコ、あんまり来ないのかな?」

雪美「……うん……」

周子「そりゃそうか。ほいっ、貰ったオレンジジュースあげる」

雪美「……ありがと……」

周子「さって、この後どうしよっか? 遊んで帰る?」

雪美「……悩んでる……」

201 : VIPに... - 2013/06/25 01:40:32.78 c8V/ajNro 106/210


片桐早苗「あー、終わった終わった。やっぱり病院は苦手だわ」

周子「おろ?」

雪美「……早苗……」

早苗「あらー、周子ちゃんに雪美ちゃん。あなた達もケガしたの?」

周子「違うよ、今日は献血。ゆきみんは付き添い」

雪美「…………」 コクッ

早苗「……ねぇ、この後暇かしら? 良かったらスーパー銭湯に行かない?」

周子「スーパー銭湯? 献血後のお風呂はあんまよくないんだけどなー」

早苗「あー、違うわよ」

早苗「新しくできた所があってね、かなりおっきいみたいだから遊びに行こうかと思ってたのよ」

早苗「お風呂意外にも遊ぶとこがいっぱいあるみたいよ?」

雪美「……おっきい……?」

周子「なるほどねー、それならお風呂に入らなくても楽しめるっちゃ楽しめるか」

早苗「そうよぉー、行ってみると結構楽しいんだから♪」

周子「ゆきみんはどうする?」

雪美「……私…行った事……ない……」

周子「ふふっ、じゃああたし達も行ってみよっか」

早苗「よぉーし、そうと決まれば今日はマッサージしてもらうわよー!」

雪美「……周子……私…も……」

周子「おっ、マッサージかぁ。あたしもやってみたかったんだよねぇ」

202 : VIPに... - 2013/06/25 01:42:05.07 c8V/ajNro 107/210


早苗「いやー、コリがとれたわね!」

雪美「……ふにゃふにゃ……」

周子「ふふっ、ゆきみんにはまだ早かったね」

早苗「さぁ、ちょっとゆっくりして行きましょうか」

周子「そこでたい焼き売ってたから買ってきたよ、みんなで食べよっか」

早苗「まぁ、お酒が無いのは残念だけど、今日はみんなのお姉さんしないといけないから我慢するわ」

雪美「……食べる……」

周子「ねぇねぇ、ゆきみんはたい焼きはあんこ派? それともクリームとかの変わり種が好き?」

雪美「……クリーム……好き……」

周子「クリーム……? 邪道め……異端主義者はゆるさーん!」 ガバッ

雪美「……周子……苦しい……」 ジタバタ

早苗「ウッフッフ……お子様ねぇ」 モグモグ

周子「早苗さんだってそんな変わんないと思うけどなぁ」

雪美「……なにか……いつもと…ちがう……?」

早苗「チッチッチ……わかってないわねぇー」

早苗「マッサージでほぐされた身体に少しはだけた服……」

早苗「絶対真似できない大人の魅力全開でしょ! みんな視線は釘付けね♪」 モグモグ

雪美「……周子……そうなの……?」

周子「えっ? そ、そうなんじゃないかな……」

203 : VIPに... - 2013/06/25 01:45:08.19 c8V/ajNro 108/210


早苗「どうよこのあふれそうなワガママボディー! いやー、思春期の青年の視線が困るわ」 モグモグ

周子「あー、早苗さん。あんまり目立つのはちょっと……」

雪美「……早苗……すごい……」

早苗「なになに、もっと見たいのー♪ うっふーん、セクシーポーズ♪」

ピンッ ペシッ

雪美「……痛い……」

周子「今、何か飛ばなかった?」

雪美「……ボタン……」

早苗「…………」

雪美「……これ……早苗の…服の……」

周子「ま、まぁ……さっきからずっと食べてたしね……」

早苗「……二人とも、機密事項よ。バラしたらタイホしちゃうぞ☆」

雪美「……周子……私……たいほ……されるの……?」

周子「私もこんなことで逮捕されそうになるとは思わなかったなぁ……」

-----------

P「それ、言ったらまずいんじゃないのか?」

雪美「……あっ……」

P「おいおい、雪美。どうするんだ?」

雪美「……Pも……一緒……」

P「き、共犯にするつもりか!?」

雪美「……大丈夫……Pとなら……寂しくない……」

P「なんで捕まる前提になってるんだよ!?」

211 : VIPに... - 2013/06/26 03:01:44.97 HZCyE+3Ao 109/210


―――――――――――――――――――

雪美「…………」 ポロン ポロン

木村夏樹「おっ、そんな感じそんな感じ。ヘヘッ、雪美も大分と上達したな」

雪美「……うまく…なった……?」

夏樹「その年にしちゃ弾ける方だと思うぜ」

雪美「……でも…李衣菜や…夏樹……もっと……すごい……」

夏樹「アタシは前からやってるし、だりーはまぁ……インパクトはあるよな」

夏樹「でも、雪美がアコギやりたいなんて意外だな」

雪美「……そう……?」

夏樹「なんかそういうの興味無さそうなイメージだしさ」

雪美「……上手になって……P…に……聞かせてあげたい……」

夏樹「へぇー、雪美のプロデューサーにね。良いじゃない、ロックな感じがするよ」

雪美「……夏樹の……ロック…って……なに……?」

夏樹「ロックってのは情熱! それだけだ!」

雪美「……情熱……?」

夏樹「あぁ、心の炎をガンガン燃やしてファンにぶつけるんだ!」

雪美「……炎……」

夏樹「雪美の誰かに聞かせてあげたいって気持ちをもっと強く出して行けってことだよ」

雪美「……どう…すれば……いいの……?」

夏樹「ははっ、今は練習あるのみだな。いっその事、全国にストリートライブでも行ってくるくらいにさ!」

雪美「…………」

212 : VIPに... - 2013/06/26 03:02:53.36 HZCyE+3Ao 110/210


並木芽衣子「るるっるる~ん♪」

雪美「……芽衣子……」

芽衣子「雪美ちゃん、どうしたの?」

雪美「……旅行……いくの……?」

芽衣子「んー、今度のオフに旅行するならどこがいいかなって」

雪美「……パンフレット…いっぱい……」

芽衣子「旅行のパンフって、想像が膨らんでお仕事もやる気になるよね!」

雪美「……いきたいとこ……ある……?」

芽衣子「どこもかしくもいいとこばっかりで悩んでるかな~」

雪美「……芽衣子……私…いきたいとこ……ある……」

芽衣子「えっ? なになに、雪美ちゃんも一緒に旅行行く?」

雪美「……うん……芽衣子…連れてって……」

芽衣子「もっちろん! どこに行きたいの?」

雪美「……それは……」

213 : VIPに... - 2013/06/26 03:04:20.64 HZCyE+3Ao 111/210


--- 北海道

芽衣子「さぁっ! パパッとやっちゃおう!」

雪美「……わかった……」

雪美「……はんぺん……はんぺん……♪」 ポロン ポロン

「なんだあの女の子……?」

「弾き語りしてるのかな?」

-----------

--- 仙台

芽衣子「まだまだ!もっと行くよーっ!」

雪美「……おでんに……すると……美味しい……♪」 ポロン ポロン

「あら、かわいい」

「それにしても変わった歌だね」

-----------

--- 名古屋

雪美「……ちくわ……ちくわ……♪」 ポロン ポロン

芽衣子「雪美ちゃん、絶好調すぎるかもっ! 誰にも止められないかもよー?」

「なんだかおでんが食べたくなってきたな」

「妙に中毒性がある歌だな」

-----------

--- 大阪

雪美「……指に……はめる……♪」 ポロン ポロン

「はぁ……今日も疲れたな……」

芽衣子「そこの君っ、顔をあげてっ! この歌を聞いて元気になって!」

「えっ!? は、はい……」

-----------

--- 広島

雪美「……でも……私……♪」 ポロン ポロン

芽衣子「ほらほら、今ならゆきみんライブの特等席が空いてるよっ♪」

「な、何だか面白そうだな!」

「がんばれゆきみん!」

-----------

--- 福岡

雪美「……ケーキが……好き……♪」 ポロン ポロン

「て、天使や……天使がおる」

「アンコール! アンコール!」

芽衣子「うん、ラストライブも文句なし! 私的にっ!」

214 : VIPに... - 2013/06/26 03:07:18.95 HZCyE+3Ao 112/210


「本日のロック特集は各地で目撃された謎の弾き語り少女です」

「アコースティックギター一本で観客を魅了し、一躍有名となったのですが」

「名前も語らず、ふらっと次の街に行っては路上ライブを繰り返してるようです」

夏樹「へぇー、ストリートライブか……今時骨のあるやつもいるもんだな」

ガチャッ

雪美「……ただいま……」

芽衣子「いやー、楽しかったね。雪美ちゃん!」

夏樹「あれっ? 雪美に芽衣子さんじゃん。どっか行ってたのか?」

雪美「……ちょっと……旅行……」

夏樹「ふーん……まぁ、それより見なよ! ストリートライブ少女だってさ!」

芽衣子「へぇー、珍しい話だね。そんな凄い子がいるんだ?」

雪美「……私…も……負けて…られない……」

夏樹「でも、歌ってる歌がおでんの歌らしいんだってよ、変な話だよな」

芽衣子「おでんねぇー、雪美ちゃんはおでんは好き?」

雪美「……ケーキの…ほうが……好き……」

-----------

P「…………」

雪美「……ケーキ……美味しい……」

P「雪美ってたまに行動力あるよな」

雪美「…………?」

P「い、いや……気づいてないなら良いけどさ」

220 : VIPに... - 2013/06/27 00:05:10.25 uPUjBoM5o 113/210


―――――――――――――――――――

五十嵐響子「留美さん、どんな感じですか?」

和久井留美「ん……美味しくできたと思うわ。響子ちゃん、味見してみる?」

雪美「……美味しそう……」

響子「あれ? 雪美ちゃん、どうしたんですか?」

雪美「……お料理……してるの……?」

留美「そうよ、響子ちゃんに見てもらってるの」

響子「でも、留美さんはとっても覚えるのが早いから私が教える事なんてほとんどないですけど……」

留美「なにを言ってるのよ、響子ちゃんはやっぱり教えるのが上手いわ」

雪美「……留美……お料理……するの……?」

留美「ふふっ、私も少し勉強してみようかなって思ったのよ」

雪美「……テレビ……出る……?」

響子「あっ、それ面白そうですね! 料理番組って一回やってみたかったんです!」

留美「まだ人に見せられるほどの実力は無いわ、それにそういうので勉強してるわけじゃないし」

雪美「……でも……一回……見てみたい……」

留美「もう……物好きね。それなら遊びで一回やってみる?」

響子「それなら私もご一緒させてもらって良いですか?」

雪美「……うん……楽しみ……」

留美「じゃあ、雪美ちゃんは何か食べたいのあるのかしら?」

雪美「……笑美…から……これ…もらった……」

響子「あれ? これはなんなんですか?」

雪美「……面白い……缶詰…だって……」

留美「魚の缶詰? これ、なんか見た事あるわね……なんだったかしら」

雪美「……これで……お料理…番組……」

響子「よぉーし、張り切っちゃいますよ!」


221 : VIPに... - 2013/06/27 00:06:15.59 uPUjBoM5o 114/210


留美「和久井留美と……」

響子「五十嵐響子の……」

留美響子「わくわく! 今日は何作ろう!!」

雪美「…………」 パチパチ

響子「さーて、留美さん。今日は何作るんですか?」

留美「今日は一風変わった料理に挑戦しましょうか」

響子「一風変わった料理?」

留美「アシスタントの雪美ちゃん、アレを持ってきて頂戴」

雪美「……はい……」

トン

響子「今日は缶詰を使うんですね。これはなんなんですか?」

留美「シュールストレミング……お魚の缶詰よ」

響子「へぇー、外国の缶詰なんですね?」

雪美「……手に入れるの……大変…だった……みたい……」

留美「今日はこれを使ってサンドイッチを作りましょうか」

響子「わかりました! 助手の私も精一杯お手伝いしますね!」

留美「じゃあ、響子ちゃん。この缶詰を開けてもらえるかしら?」

雪美「……はい……缶切り……」

響子「任せて下さい! 缶詰は家でもよくつかってますから」

留美「じゃあ、私は野菜を切るわね」

雪美「……がんばって……」

留美「レタスとトマトはこうやって切るのよ」 タン タン タン タン

雪美「……留美……切るの…はやい……」

222 : VIPに... - 2013/06/27 00:07:17.72 uPUjBoM5o 115/210


響子「さて、こっちも缶詰開けますね!」

キリキリキリ パカッ

響子留美雪美「!?」

留美「うっ……」

雪美「…………」

響子「ゴホッ! ゴホッ! な、なんですかこれ!?」

雪美「……目に……染みる……」

留美「お、思い出したわ、これ凄く臭い発酵缶詰よ!」

響子「えっ!? ど、どうしたら良いんですか!?」

雪美「……えい……」

ドンッ

留美「はぁ……、蓋をしてくれたのね、助かったわ……」

響子「うっ……まだ匂いが……こ、こんなものあったんですね」

雪美「……こまった……これ…食べるの……?」

留美「くっ、蓋をしてても凄い匂いね……流石に食欲がわかないわ……」

響子「うーん、私もこれを料理するのはちょっと……」

雪美「……どうしよ……」

留美「雪美ちゃん、笑美ちゃんから貰ったのよね?」

雪美「……う…うん……」

響子「ふふっ、そうでしたね……」

雪美「……響子……どう…したの……?」 ビクビク

響子「私、やる時はやる子ですから!えっへへー♪」

223 : VIPに... - 2013/06/27 00:08:24.71 uPUjBoM5o 116/210


笑美「♪~」

ジャジャジャーン!

笑美「な、なんやこの音楽は!?」

留美「和久井留美と……」

響子「五十嵐響子の……」

留美響子「わくわく! 今日は何作ろう!!」

笑美「和久井さん!? 響子っち!? な、なんで鼻を洗濯バサミでつまんでんの!?」

雪美「…………」 ガタガタ

笑美「ん? 雪美もなんでふるえてんの?」

響子「和久井さん、今日は何作るんですか?」

留美「今日はサンドイッチよ」

笑美「えっ、な、なに言うてんの……?」

響子「はい、ちょうどここに完成品があります」 パカッ

留美「ふふっ、相変わらずの手際ね」

笑美「くさっ!? そ、それってもしかして……」

留美「あなたが買ってきた缶詰で作ったサンドイッチよ、素材の味を生かしてみたの」

笑美「しょ、正気かいな!? ハムとちゃうんやで!?」

留美「さぁ、笑美ちゃん。たんと食べなさい」

響子「笑美さんが苦労して買ってきたのを美味しく料理したんですよ?」

笑美(し、しもた……まさかこんな事になるとは……)

雪美「……あわわ……」 ガタガタ

-----------

P「まわりまわって自分の所に帰ってきたか……」

雪美「…………」 ブルブル

P「どうしたんだよ、雪美?」

雪美「……P……私…いたずら……しない……」

P「お、おう……そうか」

230 : VIPに... - 2013/06/27 01:25:22.82 uPUjBoM5o 117/210


―――――――――――――――――――

成宮由愛「わっ……凄く良い景色です……」

西園寺琴歌「ふふっ、新しくできた場所ですけど、本当に高い所なのですね」

雪美「……うん……高い……」

由愛「あの……琴歌さん、雪美ちゃん……絵を描いてもいいですか?」

琴歌「かまいませんよ、ご自由になさってくださいな」

雪美「……後で……見せて……」

由愛「えへへ……頑張って描きますね」

琴歌「こういう所なら良い絵が描けそうですわね」

雪美「……琴歌は……よく…来るの……?」

琴歌「こんな高いところは、あまり……」

由愛「わっ……」

琴歌「どうなされたのですか?」

由愛「ここの…足元……すごいです……」

雪美「……ほんと……透けてる……」

琴歌「ひっ!?」 ペタン

231 : VIPに... - 2013/06/27 01:26:21.43 uPUjBoM5o 118/210


由愛「こ、琴歌さん……大丈夫ですか……?」

琴歌「こ……このような姿をお見せしてしまって、お恥ずかしい……」

雪美「…………」

琴歌「はわ……へうぅ……ゆ、雪美さん」

ガシッ

雪美「……どう…したの……?」

琴歌「ど…どうかお助けくださいませんか……」

雪美「……助ける……?」

琴歌「あっ、あの、下を見たら、もう私…腰が引けてしまって……た、立てないのです……」

雪美「……わかった……手…にぎって……」

琴歌「は、はい……きゃっ!?」

ドシーン

由愛「琴歌さん…雪美ちゃん……け、ケガ無いですか……?」

雪美「……巻き…込まれた……」

琴歌「……も、申し訳ありません!」

由愛「あの……立てますか……?」

雪美「……琴歌が……離して…くれない……」

琴歌「ふぇぇぇん……お助けを……」

232 : VIPに... - 2013/06/27 01:27:30.19 uPUjBoM5o 119/210


1時間後……

琴歌「あうぅ……」

雪美「……動けない……」

由愛「ど、どうしたら……良いのかな……?」

雪美「……由愛…マイク……持ってきて……」

由愛「マイク? ……何に…使うんですか?」

雪美「……いいから……」

琴歌「グスッ……雪美さん」

タッタッタッ

由愛「ちょうど……イベントやってたので……貸してくれました……」

雪美「……ありがと……琴歌…持って……」

琴歌「……グスッ……これは?」

雪美「……元気…出るから……」

パシッ

琴歌「……ふふっ、怖気づいている時ではありませんでしたね」

由愛「えっ……琴歌さん…どうしたんですか?」

琴歌「忘れていました、私はアイドル……たとえ断崖絶壁に立っていようとも気にしていられませんわ!」

雪美「……琴歌…マイク持つと……元気に…なる……」

由愛「そ、そうだったん……ですか……」

雪美「……うん…これで……大丈夫……」

琴歌「……雪美さん?」

雪美「…………?」

琴歌「腰が抜けて立てません……」

由愛「性格は変わっても……身体の状態は……変わって無いです……」

雪美「……しまった……」

-----------

雪美「……琴歌…高いとこ……だめ…みたい……」

P「まぁ、下が見えると大分と怖いからな。雪美は平気なのか?」

雪美「……ううん……怖い……」

P「それでよく行ってきたな」

雪美「……私も……動けなかった…から……」

P「二人揃って固まってたのか……」

236 : VIPに... - 2013/06/28 01:09:04.51 0FBmRkNao 120/210


ガチャッ

イヴ・サンタクロース「雪美さん、こんにちわ~♪」

ブリッツェン「フゴッ!」

イヴ「聞いて下さい! 私達、海に行ってきて雪美さんにプレゼントがあるんですよぉ~」

雪美「…………」

イヴ「えへへ、何だと思います?」

雪美「…………」

イヴ「見てください~っ! 海ってすごいですねぇ~、プレゼントがいっぱい穫れましたぁ~☆」

雪美「…………」

イヴ「雪美さん、欲しいプレゼントはどれですかぁ? カニもウニも美味しいですよぉ~?」

雪美「…………」

イヴ「あっ、コンブもいいダシが出るとおもいます~♪」

雪美「zzz……」 コクリ コクリ

イヴ「あ、あれっ? お休み中だったんですねぇ~」

イヴ「えっと、じゃあここに置いておきますね。氷があるからしばらく持ちますよぉ~」

ブリッツェン「フゴッ! フゴッ!」

イヴ「そうだね、ブリッツェン。そーっと帰ろうかぁ~」

雪美「zzz……」

ブリッツェン「フゴッ……」

イヴ「また、いっしょに煙突探しに行きましょうね……ではでは~♪」

237 : VIPに... - 2013/06/28 01:09:46.45 0FBmRkNao 121/210


ガチャッ

梅木音葉「こんにちわ……」

雪美「…………」

音葉「雪美ちゃん……少し、良い?」

雪美「…………」

音葉「この前、時間ができたから……久しぶりに森に行ってきたの」

雪美「…………」

音葉「その時に……偶然、知り合いに出会って……山菜やキノコなんかを頂いたの」

音葉「沢山もらってきたから……良かったら雪美ちゃんもどうぞ」

雪美「zzz……」 コクリ コクリ

音葉「あら? お昼寝中……だったのね」

雪美「zzz……」

音葉「ふふっ……綺麗な寝息の音」

音葉「邪魔をしては悪いから……私は行くわ」

雪美「zzz……」

音葉「また今度、ピアノ……聞いてね」

雪美「zzz……」

音葉「風邪をひかないように……お休みなさい」

238 : VIPに... - 2013/06/28 01:13:17.98 0FBmRkNao 122/210


ガチャッ

五十嵐響子「雪美ちゃん、こんにちわっ!」

雪美「……んっ……」 ムクッ

響子「あっ、ごめんなさい、起こしちゃいましたね」

雪美「……大丈夫……」

響子「あれっ? この袋はなんだろう?」

雪美「……しらない……」 フルフル

響子「何かのお土産なのかな……」

ガサゴソ

雪美「……こんなの……入ってた……」

響子「えっ!? す、すごい……ウニにカニにキノコに山菜……」

雪美「…………」

響子「これって、雪美ちゃんのなのかな?」

雪美「……多分……」

響子「多分?」

雪美「……うん…お土産……だと…思う……誰がくれたか…わかる……」

響子「そ、そうなの?」

雪美「……お礼……しとく……」

響子「うん、そうだね。また、後でお礼に言っておいた方が良いよ」

雪美「……うん……響子…私……これ…食べたい……」

響子「でも、こんなに沢山一人じゃ食べきれないよ?」

雪美「……響子…や……みんなと…一緒に……」

響子「ふふっ、わっかりました! 愛情込めて何か作りますよ♪」

-----------

P「そんな普段からお土産って貰えるもんなの?」

雪美「……うん……みんな…いっぱい……くれる……」

P「へぇー、羨ましいものだな」

雪美「……この前も……これ…貰った……」

P「こ、これって有名店のクッキーだよな……並ばないと買えないやつ」

雪美「……うん……桃華の…お土産……」 モグモグ

P「な、なんだ……よくわからないけどなんか凄いぞ……」

242 : VIPに... - 2013/06/28 02:26:18.23 0FBmRkNao 123/210


―――――――――――――――――――

浅野風香「…………」 カリカリ

雪美「……風香……なに…かいてるの……?」

風香「あ、雪美ちゃん。ちょっと小説を……」

雪美「……今日は…どんなの……書いてるの……?」

風香「今日はえっと……お姫様と王子様の物語を……」

雪美「……面白そう……」

風香「あの……良かったら完成したら一緒に読んでくれるかな?」

雪美「……うん……聞かせて……」

風香「じゃあ、もう少しで完成するからもうちょっと待っててね」

雪美「……今回も……お姫様……?」

風香「私、こういうお姫様に憧れてるの……」

雪美「…………」

風香「いつかきっとこんなお姫様みたいにキラキラできるかなって」

雪美「……今も……キラキラ…してる……」

風香「えっ!? そ、そんな事ないと思うけど……」

243 : VIPに... - 2013/06/28 02:27:27.19 0FBmRkNao 124/210


ガチャッ

赤西瑛梨華「じゃじゃーん、瑛梨華ちん登場!」

雪美「……瑛梨華……」

瑛梨華「風香ちゃんにゆきみん! おいーっす!」

雪美「……おいーっす……」

風香「こ、こんにちわ……」

瑛梨華「ねね、風香ちゃん、ゆきみんちょっと借りて良いかな?」

風香「はい、私は小説を書いてるんで……」

雪美「……なにか…あるの……?」

瑛梨華「はいはいー! ゆきみんとお笑い談義をしにきたよー☆」

雪美「……わかった……しよう……」

瑛梨華「ほらほら、今度バリ島ツアーあるでしょ?」

雪美「……ある……」

瑛梨華「バッキュン☆ 瑛梨華ちゃんと、バリの人にBARI☆BARIアピールしておこうよ。はいっ、歌ってみよう!!」

雪美「……BARI…BARI……あぴーる……♪」

瑛梨華「って、本当に歌うんかいっ! ゆきみんったらDA・I・TA・N☆」

風香「…………」 カリカリ

雪美「……瑛梨華…は……なにか…準備…してるの……?」

瑛梨華「もっちろーん☆ パリだろうがエッフェル塔だろうが瑛梨華にO・MA・KA・SE!!」

雪美「……瑛梨華……次は…バリ…だから……」

瑛梨華「あちゃー☆ ゆきみんったらてきびしー!」

雪美「……そこは……間違えると……大変……」

瑛梨華「さぁ、じゃあ瑛梨華ちんの決めのポーズいっくよー☆」

雪美「……ポーズ……?」

瑛梨華「指を前に出してー…イェイ!」

雪美「……いぇい……」

瑛梨華「どうかな、流行間違いなし☆イェイ!

雪美「……良いと……思う……」

風香「…………」 カリカリ

244 : VIPに... - 2013/06/28 02:29:34.27 0FBmRkNao 125/210


風香「ふぅ……やっと形になってきたかな」

雪美「……風香…書けたの……?」

瑛梨華「おっ、なになにー? 何か書いてたの?」

風香「ちょっと恥ずかしい……」

雪美「……見せて……」

風香「え、え、えっと……どうぞ」

王子様はお姫様に口づけをしてそっとこう言いました

「A・I・SHI・TE・RU☆」

「ぎゃふ~ん! ハートをバッキュン! カ・イ・カ・ン☆ナイスエンターテイナー!」

「私のサイコーの相方になってくれ、これからもYO・RO・SHI・KU☆」

もう、二人の間に障害は無いのだ
これからどんな困難が待ち受けていようとも力を合わせて乗り越えて行くことだろう

雪美「…………」

風香「ご、ごめんなさい! ごめんなさい!」

雪美「……きに…なってたの……?」

風香「か、かなり……」

瑛梨華「おやおやー、二人ともどうしたのー?」

-----------

P「集中してるつもりでも周りって気になるよな」

雪美「……風香……しばらく……瑛梨華…の喋り方で…書いてた………」

P「えっ? なんでまた?」

雪美「……これはこれでって……言ってた……」

P「確かにお姫様としては新しい形だとは思うな……」

247 : VIPに... - 2013/06/29 21:17:14.71 +sVaazeLo 126/210


―――――――――――――――――――

雪美「……これ……下さい……」

鷺沢文香「はい……あら?」

雪美「……文香……」

文香「雪美ちゃん……今日はお使いですか?」

雪美「……絵本…買いに来た……」

文香「そうですか……雪美ちゃん……本は……お好きですか?」

雪美「……うん……」

文香「では……今度一緒に本屋巡りに……行きませんか?」

文香「……絵本なら……いっぱい置いてあるお店……知ってますから」

雪美「……わかった……」

文香「……約束……ですよ」

雪美「……文香は……何してるの……?」

文香「……店番です……叔父の手伝いで」

雪美「……忙しそう……」

文香「……そうでもないです……こうして本に囲まれているのは好きですから」

雪美「…………」

文香「……あの……雪美ちゃんは……何でアイドルになったんでしょう?」

雪美「……Pが……喜んで…くれるから……」

文香「……プロデューサーさんが……ですか」

雪美「……文香は……なんで……?」

文香「……新しい自分に……興味が……アイドルになったらもしかしたらって……」

雪美「……そう……」

文香「……でも…人前……抵抗があります」

文香「……せめて、顔くらい俯かずにいようかと思っているんですが……」

雪美「……私……手伝う……」

文香「……雪美ちゃん……何かあるんですか?」

雪美「……考えてみる……」

248 : VIPに... - 2013/06/29 21:18:20.94 +sVaazeLo 127/210


翌日……

『カン! カン! カン! ウォォォォーーーー!!! 』

桐野アヤ「うっしゃ! 良い勝負だったぜ!!」

雪美「…………」 パチパチ

アヤ「どうだよ、雪美? たまにはプロレスも良いだろ?」

雪美「……うん……」

アヤ「へへっ、次はテレビじゃ無くて生で見に行こうぜ! ハマるからよ」

雪美「……アヤ…あの人……マスク…してる……」

アヤ「ん? あぁ、あの選手はマスクマンだからな」

雪美「……マスク…マン……?」

アヤ「あぁ、ああやって人前では常にマスクしてるんだよ」

雪美「……なんで…してるの……?」

アヤ「んー、そう言われてもなぁ……まぁ理由は色々あるけどよ」

アヤ「単純に謎の存在でありたいとか」

アヤ「上がり症だからマスクを着けてると緊張しなくなるって選手もいたな」

雪美「……緊張……」

アヤ「自分の顔が見えないってだけで、結構変わるもんらしいぜ」

雪美「…………」

『では、次の試合に行きたいと思います』

アヤ「おっ、始まる始まる!」

雪美「……これだ……」

249 : VIPに... - 2013/06/29 21:20:09.44 +sVaazeLo 128/210


翌日……

アヤ「へぇー、シラットって格闘技があるんだな……」

ガチャ

雪美「……アヤ……」

文香「あ、あの……雪美ちゃん…やっぱり私……」

アヤ「…………」

雪美「……どう……?」

アヤ「ど、どうって……なんで二人揃ってマスクしてんだよ!?」

雪美「……これで……緊張…しない……」

文香「……すみません……まだマスクに慣れていないので……お恥ずかしい」

アヤ「いや、気になってるのはそこじゃねーよ!」

アヤ「っていうか、なんで文香もやってんだよ?」

文香「……まだまだ新米のアイドルですけれども……」

文香「私、せめて顔を上げて……こうして……目を見てお話できるように頑張りたくて」

雪美「……一緒に…がんばる……」

アヤ「目を見てって……マスクしてるんじゃなぁ……」

雪美「……でも……大分…ちがうって……」

文香「……はい…人前でも……少し…笑えるようになりました」 ニコッ

アヤ「笑っててもわかりづれぇんだけど……」

文香「……ゆ、雪美ちゃん……」

雪美「……うかつ……だった……」

-----------

雪美「……緊張って……難しい………」

P「そりゃ、いくつになっても人前で緊張はするもんだよ」

雪美「……P…も……するの……?」

P「そりゃもちろん。俺も結構上がり症だからな」

雪美「……大丈夫……私が…ついてる……」

P「それって、言う立場が逆だと思うんだ」

251 : VIPに... - 2013/06/29 22:05:04.14 +sVaazeLo 129/210


―――――――――――――――――――

槙原志保「このシュークリームは美味しいですね!」

雪美「……クリーム……いっぱい……」

十時愛梨「えへへっ、いつの間にかこんなにスイーツが出てたんですねっ!」

雪美「……うん…みんなから……聞いてきた……」

志保「さぁ、みなさんのオススメのスイーツの中からシンデレラスイーツを選びますよ!」

雪美「……がんばる……」

愛梨「がんばりましょうね! でも、こんなにいっぱい食べきれるかなぁ?」

志保「まぁ、被りがほとんど無かったんで種類は沢山ありますね」

雪美「……ケーキ…シュークリーム……クッキー…パフェ……」

愛梨「でも、私もよく作りますからこれだけあると参考になりますっ!」

志保「あはは、冷たぁい♪ これ、アイスシュークリームですよ!」

雪美「……バナナ……パフェ……美味しい……」

愛梨「うーん、後でちょっと体重計に乗るのが怖いですね……」

志保「こ、これも一応お仕事なんですから!」

雪美「……無理……だったら……みんなで…食べる……」

愛梨「えへへっ、それなら安心ですねっ!」

252 : VIPに... - 2013/06/29 22:06:13.19 +sVaazeLo 130/210


1時間後……

雪美「……けぽっ……」

愛梨「うー……わ、私はもう駄目ですぅ……」

志保「クリーム系以外のスイーツもたくさんあるんですね♪ 私もう迷っちゃいます~」 モグモグ

雪美「……今……どれくらい……?」

愛梨「多分半分もいってないですよぉ……」

雪美「……私…しばらく……ケーキ…いらない……」

志保「雪美ちゃん、はい、あーん……なんて、パクッ!」 モグモグ

雪美「……う…うん……」

愛梨「し、志保さんはよく食べれるんですね……」

志保「甘いものを食べ過ぎて大丈夫って? また、後でレッスンするから大丈夫!」 モグモグ

志保「あっ、このアップルパイは誰のオススメなんですか?」

雪美「……それは……愛梨の……」

愛梨「それは私の手作りなんですよぉ~」

志保「ん~、美味しい♪ ねぇねぇ、愛梨ちゃん。また作ってくれませんか?」

愛梨「…………」

志保「どうしたんですか?」

愛梨「嬉しいですけど……し、しばらくは作らないと思いますっ!」

志保「あら? 残念ですね、雪美ちゃん?」

雪美「……し…仕方ないと……思う……」

-----------

P「あの企画か……食べなくても良いっていったのに」

雪美「……美味しそう……だったから………」

P「数が多かったらな。結局みんなで食べたんだろ?」

雪美「……うん……志保も……げんかい…だって……」

P「まぁ、あれだけ量なら無理もないよ」

雪美「……だから…明日……食べるって……」

P「えっ?」

254 : VIPに... - 2013/06/29 23:39:18.80 +sVaazeLo 131/210


―――――――――――――――――――

雪美「……翠……」

水野翠「雪美ちゃん、どうしたんですか?」

雪美「……これ……当てて……?」

「おもちゃの弓……ですか?」

雪美「……うん……」

「わかりました、あの的に当てればいいんですね?」

雪美「……おねがい……」

「…………」

シュッ ピトッ

「ふぅ……」

雪美「……すごい……まんなか……」 パチパチ

「ふふ、今日は調子が良いみたいです」

雪美「……そうなの……?」

「えぇ、涼しくて静かで……雑念もなく集中しやすい一日ですね」

雪美「……しゅうちゅう……」

「弓を射る時は真っ直ぐに目標を見据える事が大事ですから」

雪美「……翠の…目……じっとしてた……」

「集中している時はいつもそうなんですよ」

雪美「……いつも……凄い……」

「ふふ、そう言ってもらえると私も嬉しいです」

雪美「……翠……私も…しゅうちゅう……したい……」

「集中? 何かするんですか?」

雪美「……うん……ちょっと……」

「……そうですね、練習方法は色々あると思います」

雪美「……教えて……私…がんばるから……」

255 : VIPに... - 2013/06/29 23:47:51.95 +sVaazeLo 132/210


雪美「…………」 シュッ ピトッ

小室千奈美「あら、ブルに当たる確率が上がってるわね……やるじゃない!」

雪美「……今日は……負けない……」

千奈美「ふふ、面白いわ。雪美がどのくらい成長したか見てあげるわ!」

千奈美「…………」 シュッ ピトッ

雪美「……また……真ん中……」

「凄い……真ん中に2つも……」

千奈美「余裕よ、余裕」

「雪美ちゃん、落ち着いて下さい。まだ勝負はついていません」

雪美「……うん……」

千奈美「あら? いつもみたいに動揺しないのね。先生がついているからかしら?」

雪美「……翠に……しゅうちゅうりょく……教えて…もらった……」

「千奈美さん。よく、雪美ちゃんとダーツしてるんですか?」

千奈美「えぇ、やりたいって言うから子供用のやつで教えてあげてるの」

千奈美「熱心だから教えてて面白いわよ。私も少し本気になるくらいだわ」

雪美「…………」 シュッ ポトッ

雪美「……あっ……」

千奈美「……勝負、あったわね」

「雪美ちゃん……」

千奈美「でも大分と上達したじゃない……思わず熱くなっちゃったわ」

雪美「……また…勝てなかった……」 シュン

「負ける事もまた勉強ですよ。また一緒に頑張りましょう」

雪美「……うん……」

千奈美「じゃあ、みんなで何か食べに行きましょうか。楽しませてもらったお礼に何か奢るわ」

「えっ、良いんですか?」

千奈美「別に遠慮する事ないわよ」

雪美「……千奈美…ありがと……」

千奈美「ふふっ、あなたもなかなか負けず嫌いよね雪美」

-----------

雪美「……いつか……勝つ……」

P「雪美ってそんなこともやってたんだな」

雪美「……うん……」

P「カウントアップの勝負だよな、最高得点はどれくらいなんだ?」

雪美「……これくらい……」

P「スコアシートなんて使ってるのか、本格的だな」

雪美「……まだまだ…千奈美には……遠い……」

P(お、俺より数段上の得点じゃないか……)

257 : VIPに... - 2013/06/30 01:49:06.71 Jwdcd/11o 133/210


―――――――――――――――――――

雪美「……人…いっぱい……」

松永涼「ふーん、あんまり有名じゃない遊園地だけどわりと混んでるもんなんだな」

吉岡沙紀「今日は仕事の下見だからね。一日遊んで帰るっす」

雪美「……わかった……どこから…いくの……?」

沙紀「遊園地って言ったらやっぱりジェットコースターっすね。早く並ぶっす!」

雪美「……私……乗れない……」

沙紀「うわ、言われてみれば雪美は身長が足りないっすね」

雪美「……でも…みてるから……大丈夫……」

沙紀「せっかく来たんだからそういうわけにもいかないっすよ」

「へへっ、そこはアタシに任せときなよ」

雪美「……なにか……あるの……?」

「遊園地といえばお化け屋敷だろ」

沙紀「お化け屋敷、アタシはあんまり得意じゃないんっすけどね……」

雪美「……涼は……大丈夫…なの……?」

「どうせ作りもんだろ? こんなの余裕余裕!」

沙紀「ま、みんなで行けるとこって言ったら限られてくるしアタシも付き合うっすよ」

雪美「……うん……私も…がんばる……」

「大丈夫だって、アタシがついてるし怖くなんかないよ!」

258 : VIPに... - 2013/06/30 01:52:53.40 Jwdcd/11o 134/210


--- お化け屋敷

雪美「……暗い……」

「へへっ、明るいお化け屋敷なんか怖くねーだろ」

沙紀「へぇー、こんな雰囲気も良いっすね。暗い絵ってあんまり描かないから参考になるっす」

雪美「……前……よくみえない……」

沙紀「雪美、危ないから手を貸すっすよ」

雪美「……ありがと……」 ギュッ

沙紀「でも、涼はオバケとか駄目なんじゃなかんったんすか?」

「本物は嫌だけどこういう作り物なら好きなんだよ」

(小梅とお墓行くのに比べたらどうってことないしね……)

雪美「……涼…楽しそう……」

沙紀「雪美は大丈夫っすか?」

雪美「……怖い…けど……がんばる……」

「ま、アタシが先頭歩くから大船に乗ったつもりでいなよ」

沙紀「じゃあ、アタシは後ろを歩くから頼んだっすよ」

「へへっ、なんでも来いってんだ!」

バァッ!

「…………」

雪美「…………」

沙紀「なかなかリアルなゾンビっすね」

沙紀「ふむふむ、特殊メイクの色使いなかなか良いっすね。今度真似してみようかな」

「ギャーーーーーーー!!!」

雪美沙紀「!?」

「ゆ、雪美! 怖いだろ? 先を急ごうぜ!」 ギュッ

雪美「……わっ……」

沙紀「へっ!?」

ダッダッダッダッ ジャジャーン!

「ギャーーーーーーー!!!」

雪美「……なにか…あったの……?」

沙紀「り、涼! そ、そんなに早歩きで行くと何にも見れないっすよ!」

ダッダッダッダッ

259 : VIPに... - 2013/06/30 01:55:09.94 Jwdcd/11o 135/210


「はぁ……はぁ……」

沙紀「雪美、目がうずまきになってるけど大丈夫っすか……?」

雪美「……くるくる……する……」

「こ、腰がぬけちまった……すまないね、雪美」

雪美「……早く歩いた…だけだから……大丈夫……」

沙紀「あんなに驚くなら入らなかったら良かったんすよ……」

「だって、あんなにリアルなゾンビが出てくるとは思わなかったんだよ!」

雪美「……涼……これ……」

「ん? なんだよこれ……」

旋律のゾンビ迷宮 (大人気ゾンビ映画とコラボキャンペーン中)

「…………」

雪美「……こういう……とこだから……」

沙紀「へぇー、そんなに有名な特殊メイクだったんすね……もう一回見てこようかな……」

雪美「……私も……よく…見れなかった……」

沙紀「じゃあ、雪美ももう一回行くっすか?」

雪美「……うん…がんばる……」

「お、オイ! 待ってよ!」

雪美「……涼……」

「アタシも行くよ、よく見れなかったしな!!」

沙紀「でも、あの驚き方じゃあ身体が持たないっすよ。涼はここで休んでた方が良いっす」

「へへっ、最初は驚いちまったけどもう大丈夫だよ、アタシはそこまでやわじゃないって」

雪美「……わかった……3人で…いく……」

沙紀「はぁ……本当に大丈夫なんっすかね」

「こんなのに何回もビビってたら映画もみれないしね、同じヘマは二度としないよ!」

-----------

15分後……

「はぁ……はぁ……」

沙紀「雪美、目がうずまきになってるけど大丈夫っすか……?」

雪美「……くるくる……する……」

-----------

雪美「……その後……観覧車…行った……」

P「確か結構有名なお化け屋敷だったよな、怖かったのか?」

雪美「……多分……」

P「多分って、もしかして……」

雪美「……最初の方しか……みてないから……」

P「なるほどね……」

265 : VIPに... - 2013/06/30 14:49:02.17 xiK0ikoSo 136/210


―――――――――――――――――――

若林智香「んん~、応援したーい!!」

雪美「……智香……急に…どうしたの……」

智香「雪美ちゃん! 私、最近はライブもないしお仕事でも応援されてばっかりなんですよ!」

智香「でも、私はみんなを応援したいんですっ☆」

雪美「……そう……」

智香「はぁ~、チアしたいなぁ……」

ガチャッ

仙崎恵磨「うっす! 雪美に智香、何してんの?」

智香「あっ、恵磨さん。聞いて下さい、最近応援ができないんです!」

恵磨「はぁ? 応援?」

雪美「……智香……おうえん…したいって……」

恵磨「おっ、面白そうな事やってんなー!」

智香「恵磨さんもいっしょに応援します? へへ」

恵磨「ならイギリスツアーで使ったフラッグ持ってこようか! やるぞー! やっほーっ!!」

雪美「……でも……誰を…応援するの……?」

智香「えっと……雪美ちゃんを?」

雪美「……私…は……大丈夫……」

恵磨「えー!? じゃあ誰を応援すりゃいいんだーっ!」

智香「あうぅ……後少しなのに……」

雪美「……わかった……なんとか…する……」

智香「ホントに!?」

恵磨「すげぇ! 雪美、頼りになる!!」

266 : VIPに... - 2013/06/30 14:49:46.50 xiK0ikoSo 137/210


神谷奈緒「はぁ……」

雪美「……奈緒…どう……したの……?」

奈緒「雪美、しょうもないことだけどちょっと凹んじゃってさ」

雪美「……元気…ない……?」

奈緒「ん? ま、まぁちょっとな……」

雪美「……じゃあ…おうえんだんって……言って……」

奈緒「何でそんな事言わなきゃなんないんだよ」

雪美「……いいから……」

奈緒「わ、わかったよ……えーっと、おうえんだーん」

バンッ!

恵磨「オッシャー!! いくぞー!!!!」

智香「はいはぁいっアタシに任せて♪」

奈緒「!?」

恵磨「フレー! フレー! か・み・や!!!」 ブンブン

智香「イケイケゴーゴー☆ ファイトー! オー!」

恵磨「ウオォー! 智香スゲー! でもアタシのテンションもさらに上がっちゃったよっ!」

智香「よしよし乗ってきたよーっ!」

奈緒(ま、またこのパターンかよ!?)

雪美「……完璧……」 パチパチ

-----------

P「ちなみに聞くけど結果はどうだったんだ」

雪美「…………」 フルフル

P「何に凹んでたんだ?」

雪美「……宿題……終わって…なかったって……」

P「そ、そりゃタイミングが悪かったな……」

268 : VIPに... - 2013/06/30 16:00:19.82 xiK0ikoSo 138/210


―――――――――――――――――――

雪美「…………」

篠原礼「あら? 緊張してるの?」

雪美「……ううん……」

「大手プロダクションの記念パーティーだからかなり盛大ね」

雪美「……お料理……美味しい……」 モグモグ

「今日は髪形を変えてきたのね、珍しいじゃない」

雪美「……うん……おさげ…してもらった……」

「ふふっ、可愛いものね」

「あの、良かったら一緒に回りませんか?」

「……目にかけてくれて嬉しいわ、でも残念。先約があるのよ」

「そ、そうですか……すみません」

雪美「……礼……さっきから…声……かけられてる……」

「ま、パーティーと言えば声かけられるのはよくある話よ」

雪美「……緊張…しないの……?」

「あらあら……お姉さんにはこの程度余裕よ」

269 : VIPに... - 2013/06/30 16:01:56.64 xiK0ikoSo 139/210


雪美「……礼……私……かわいく…ない……?」

「どうしたの? そんな事ないと思うわよ」

雪美「……そう……それなら…いい……」

「お姉さんに隠し事はダメよ、まぁ言いたい事は大体わかるけど」

雪美「……P……来て…くれない……」

「約束の時間より1時間遅れてるわね、仕事が忙しいのかしら?」

雪美「……うん……そう…みたい……」

「うふふ、お姫様を待たせるなんてダメなプロデューサーね」

雪美「……大丈夫……Pが…待っててって……言ったから……私…待つ……」

「ちゃんと言われて待つなんて、雪美はしっかりしてるわね」

雪美「……でも……今日…いっぱい……おしゃれしたから……早く…見て…欲しい……」

「……じゃあ一つ、私からなぞなぞを出してあげる」

雪美「……なぞなぞ……?」

「そばにはいないけど、ちゃんと雪美の事を見てくれているもの……なんだと思う?」

雪美「……わから…ない……」

prrrr……

「答えはその携帯よ」

雪美「…………?」 カチャッ

P『雪美、遅れてすまない。もう少しで到着する』

雪美「…………」

「王子様は来てくれるのかしら?」

雪美「……うん……」 コクッ

-----------

P「あの時は遅れてすまなかったな」

雪美「……ううん……」 フルフル

P「いや、予定通り行けなかったのは俺がちゃんとしてなかったからだよ」

雪美「……Pが……来てくれたから……それだけで…いい……」

P(礼さんからメールの一つくらい入れろってお怒りがきて助けられたな……)

272 : VIPに... - 2013/06/30 19:30:48.10 xiK0ikoSo 140/210


結城晴「オーバーヘッドシュートッ!」

バシュッ!

雪美「……ごーる……」

「ヘヘッ、これくらい軽いっての!」

「おい、雪美もオレとサッカーしようぜ!」

雪美「……私……できない……」

「ん、そうか残念だな」

雪美「……茜とか……拓海とか…呼ばないの……?」

「そこら辺は強すぎるしなぁ……」

雪美「……そう……」

「もっと近い年齢でサッカーできそうなやついるか?」

雪美「……晴…と……同い年……?」

「そうそう、5人いればフットサルの試合もできるぜ!」

雪美「……わかった……呼んでくる……」

「おっ、流石雪美だな。悪いけど頼んだぜ!」

273 : VIPに... - 2013/06/30 19:31:41.42 xiK0ikoSo 141/210


古賀小春「えへへ~、小春がんばります~」

城ヶ崎莉嘉「フットサルの試合するんだよね!? アタシたちが絶対勝~つ☆」

ヒョウくん「…………」

雪美「……この5人で……がんばる……」

「おい! なんか違うやつが混ざってんぞ!」

雪美「……だれ……?」

莉嘉「雪美ちゃん、見て見て! へへへ~、カブトムシ見つけたよ☆」

パクッ

莉嘉「あっ……」

ヒョウくん「…………」

小春「ああっ、ヒョウくん! そのカブトムシさんは……た、食べちゃダメです~!」

「あいつだよ! 今カブトムシたべようとした奴!」

雪美「……少し…小さいけど……大丈夫……」

小春「そうですよ~。小春はいつだってヒョウくんペロペロです~。大事なパートナーですよ~」

莉嘉「アタシ的にはヒョウくんってイケメンだなーって思うんだケド☆」

「顔の問題じゃねーよ!」

小春「も~、はるちゃんもそう言わずにヒョウくんに触ってあげて下さい~!」

ペロン

ヒョウくん「…………」

「ヒッ!?」

莉嘉「おっ、晴ちゃんには全然警戒しないんだねっ!」

雪美「……ぺろぺろ……されてる……」

小春「えへへ~、ヒョウくんも気に入ってくれたみたいです~」

「ぐっ……あー! もう何でも良いや! サッカーやるぞサッカー!!」

274 : VIPに... - 2013/06/30 19:33:45.46 xiK0ikoSo 142/210


小春「は~い!」

雪美「……小春……どう…したの……?」

小春「小春、サッカーってあんまり知らないです~」

「んー、そりゃ困ったな」

莉嘉「アタシもルールくらいは知ってるけど、ほとんどやった事ないよー?」

ヒョウくん「…………」

小春「ヒョウくんも知らないって言ってます~」

「そいつは知ってたらこえーよ」

雪美「……晴……どう…しよう……?」

「まぁ、ボールに慣れてもらう所から始めるか」

莉嘉「ねぇねぇ晴ちゃん。必殺シュートとはできるの?」

「必殺? まぁオーバーヘッドくらいならできるぜ」

小春「すご~い、カッコいいですぅ~」

雪美「……必殺…シュート……私も…ほしい……」

「でも、必殺っていうくらいなんだからそんな簡単にできたら苦労はしねーだろ」

莉嘉「えー、お姉ちゃんに借りた漫画だとみんなポンポン打ってたんだけどなぁ」

「うし、じゃあまずは必殺シュートに向けて練習するか」

小春「小春は閃光(ライトニング)って呼ばれてみたいです~」

ヒョウくん「…………」

雪美「……私……マーキュリー…ドライブ……フォング……」

莉嘉「じゃ、じゃあ! アタシは雷獣シュートやりたい!」

「よぉーし、とりあえず練習するぞ! 練習!」

-----------

P「みんなサッカーに関しての知識がバラけてるな」

雪美「……そう……?」

P「結局どんな練習したんだ?」

雪美「……パス…回しと……ドリブル……」

P「あ、案外普通なんだな……」

雪美「……今度……みんなで……練習…試合…する……」

P「ちょっと待てよ、一匹おかしいのが混じってるぞ?」

雪美「……ヒョウくん…は……監督…だから……」

P「監督だったのか!?」

277 : VIPに... - 2013/06/30 22:31:18.51 xiK0ikoSo 143/210


渋谷凛「ハナコ、頑張っていこうね!」 ワンッ

太田優「アッキーっといっしょー♪」 ワンッ

水木聖來「わんこは可愛いよね!」

雪美「……聖來…の……イヌ…は…来てないの……?」

聖來「うちのわんこはこういう場所が苦手だからねー、雪美ちゃんは出場しないの?」

雪美「……ペロ…が……いや……だって……」 ニャー

聖來「ペットとアイドルの運動会か、中々面白い企画なんだけど参加できないのは残念だなぁ」

「ふふっ、ハナコとの絆を試すなら私は負けないよ!」 ワンッ

「アッキー、カメラ目線だよぉ♪」 ワンッ

聖來「あははっ、みんな頑張ってきてね」

雪美「……何……するの……?」

「種目はこれだけみたいだね」

1.かけっこ
2.飼い主あて
3.ラブラブアピール

「ねぇねぇ、ラブラブアピールって何するのー?」 ワンッ

聖來「ペットと遊んで仲の良さを競うみたいだね」

雪美「……面白そう……」 ニャー

「それでは、選手のみなさんはゲートに集まって下さい」

「よしっ、じゃあ行ってくるね!」 ワンッ

雪美「……がんばって……」 ニャー

聖來「じゃあ、私達は観客席に居るからね」

「いこっアッキー☆ あはっ♪」 ワンッ

278 : VIPに... - 2013/06/30 22:32:28.66 xiK0ikoSo 144/210

-----------

1.かけっこ

ポンッ

「ハナコ! あそこがゴールだからね!」 ワンッ

「アッキー♪ がんばれー!」 ワンッ

ダッダッダッダッ

雪美「……ハナコ…と……アッキー……早い……」

聖來「へぇー凄いじゃん、あの2匹がぶっちぎりだね!」

「ゴール!!」

「よしっ! よくやったね、ハナコ!」 ワンッ ワンッ

「いやーん、アッキーざんねーん☆」 ワンッ

-----------

2.飼い主あて

「では、飼い主の元に走って下さい!」

(ハナコ……こっちだからね……)

(アッキー! まってるよー!)

「それまで! トップは太田優ちゃんのワンちゃん、アッキー!」

「やぁん♪ あはっ♪ アッキー、えらい!」 ワンッ ワンッ

「んー、残念……最後は頑張ろうね、ハナコ!」 ワンッ ワンッ

聖來「また、あの2匹がぶっちぎりだね……」

雪美「……なんか……すごい……」

279 : VIPに... - 2013/06/30 22:33:09.27 xiK0ikoSo 145/210


-----------

休憩中……

聖來「最後の種目まではまだ時間があるね」 ワンッ ワンッ

雪美「……凛と……優は……?」

聖來「ちょっと、ジュース買ってくるって。私達はハナコ達とお留守番だよ」 ワンッ ワンッ

雪美「……そう……」

聖來「にしても、2匹とも凄いね。なんでこんなにおりこうさんなんだろ?」 ワンッ ワンッ

ワンッ ワンッ ワンッ ワンッ

雪美「…………?」 ニャー

聖來「どうしたの、雪美ちゃん?」 ワンッ ワンッ

雪美「……ペロが……二人は……えいえんの…ライバル……だって……」 ニャー

聖來「えっ!? ら、ライバル……?」

雪美「……そう……みたい……」 ニャー

聖來(それであんなに競ってたって言うの……)

雪美「……シンデレラペット……の座は……わたさないって……」 ニャー

「雪美ちゃん、セイラさん。お待たせ」

「あはっ、最後はアッキーをもふもふしてくるからねー♪」

聖來「う、うん……」

雪美「……がんばって……」

-----------

P「ペットの世界も大変なんだな……」

雪美「……王座は……がんばって…勝ちとるって……」

P「そういやペロは参加しなかったのはなんでなんだ?」

雪美「……興味……ないって……」

P「ペロって達観してるよな……」

289 : VIPに... - 2013/07/03 01:07:30.02 HSL8WOICo 146/210


―――――――――――――――――――

松尾千鶴「そこ、計算間違ってるよ」

雪美「……ほんと……」

千鶴「そこは多分テストに出ると思うからしっかりと覚えておいた方が良いと思う」

雪美「……わかった……」

ガチャッ

藤本里奈「ちょりーっす☆」

雪美「……里奈……ちょりーす……」

千鶴「…………」

里奈「ゆきみんー、千鶴ちゃん、ねーねーヒマなら、かまちょー」

雪美「……だめ……千鶴と……お勉強…してる……」

里奈「そっかー……2人とも忙しいかぁー……どうしよっかなー……んー」

雪美「……もうちょっと……後…でなら……」

里奈「イェーイ! 終わったらとりま連絡よろー☆」

タッタッタッタッ

千鶴「……雪美ちゃん」

雪美「…………?」

千鶴「藤本さんと仲良いの?」

雪美「……うん…友達……」

千鶴「ふぅん……そ、そうなの」

雪美「……里奈…が……どうか…したの……?」

千鶴「私はあんまり話した事ないから」

雪美「……そう……でも…一緒に居ると……楽しい……」

千鶴「楽しい……そうなのかな」

雪美「……千鶴も……里奈と…遊びにいきたい……?」

千鶴「べ、別に、興味ないし。……遊びに行きたいわけじゃないのはホントだし……ホントだし……」

雪美「……じゃあ……これ…終わったら……一緒に…行こう……」

千鶴「……えっ…あっ……そ、そんな勝手に……」

290 : VIPに... - 2013/07/03 01:09:00.19 HSL8WOICo 147/210


雪美「……里奈……お待たせ……」

里奈「おつにゃん! おっ、千鶴ちゃんも来てくれたんだねー☆」

雪美「……今日は……3人で…遊ぶ……」

千鶴(……何話そう……何話そう……)

里奈「ほいっ、頑張った2人に差し入れのジュースあげちゃうねー☆」

雪美「……里奈……ありがと……」

千鶴「…………」

里奈「んー? どうかしたの?」

雪美「……千鶴……」

千鶴「えっ……」

雪美「……里奈に……ありがとう…は……?」

千鶴「あの……ありがとう」

里奈「ま、ジュース一本でそんなに気にしなくって良いって!」

雪美「……でも……珍しい…から……」

里奈「えー? アタシこれでも結構尽くすタイプなんだけど!」

雪美「……そう……」

里奈「いやマジだし!」

千鶴「ふふっ……」

里奈「おっ?」

雪美「……どう…したの……?」

千鶴「2人ともなんでそんなに笑顔なんですか?」

雪美「……千鶴…も……だけど……」

千鶴「……わ、私も笑って……る?」

里奈「アタシ、バカだし、難しいことはよくわかんないけど、笑ってる千鶴ちゃんはカワイイと思うけどなー」

千鶴「……今褒められた? 今確かに褒められた……?」 グイグイ

雪美「……千鶴……苦しい……」

里奈「あははっ、2人とも仲良いねー! アタシもまぜてもらおっかなー」

雪美「……うん……そろそろ…遊びに…行く……」

千鶴「ところで、どこに行くんですか?」

里奈「ここはいつものコースっきゃないでしょ☆」

雪美「……わかった……」

-----------

P「ちゃんと、勉強してるんだな。えらいぞ」

雪美「……千鶴…に……教えてもらってる……」

P「ま、年上がいっぱいいるから先生には困らないよな」

雪美「……私…里奈……からも…色々……教えてもらえる……」

P「そうなんだ、何か教えてもらったのか?」

雪美「……おこぷん……!」

P「そ、その言葉を雪美から聞くとは思わなかったよ……」

295 : VIPに... - 2013/07/05 00:50:13.47 A2pcjddho 148/210


―――――――――――――――――――

安部菜々「えっと……これと、これと……」

雪美「……これも……捨て…がたい……」

菜々「むふふ……これは大ヒット間違いなしですね♪」

福山舞「あの雪美ちゃん、菜々さん……ちょっと良いですか?」

菜々「はぁーい、なんでしょ♪」

「これはなんなんですか?」

雪美「……菜々…の……グッズ……」

菜々「えへへ、ウサミン星グッズですよっ!」

「わぁ、色々ありますね!」

菜々「でも、まだまだ企画段階なんです……」

雪美「……この中…から……選ぶ……」

「私にも見せてもらっても良いですか?」

菜々「どうぞ、どうぞ♪ 舞ちゃんも手伝って下さいねっ!」

「これはなんなんですか?」

雪美「……ニンジン…の……ペン……」

「へぇー、凄いですねっ! じゃあこれは?」

菜々「えっとこれはLIVEで付けるウサミミですよっ! これであなたもウサミン星人♪」

「他は……ニンジンパンに赤いサングラス……」

雪美「……いっぱい…ある……」

菜々「舞ちゃんはどれが良いですか? 雪美ちゃんはこのウサギの鈴が良いって言ってましたよっ!」

「あの……これって……」

雪美「…………?」

菜々「ど、どうかしたんですか?」

「え、えっと、なんだかウサちゃんのグッズみたいですね♪」

雪美「……確かに……」

菜々「うぅ……い、言われてみれば……」

297 : VIPに... - 2013/07/05 00:53:41.68 A2pcjddho 149/210


数日後……

「雪美ちゃん、一緒に来て欲しいって何かあるんですか?」

雪美「……うん……少し……」

「私、ここって初めて来ました」

雪美「……菜々…が……来てって……」

ピンポーン ガチャッ

菜々「はーい、今出ますよ~♪」

雪美「……菜々……来た……」

菜々「あっ、雪美ちゃんに舞ちゃん。ウサミンハウスへ、ようこそー☆」」

「ウ、ウサミンハウスってなんですか?」

菜々「まぁまぁ、細かい事は気にしないでください♪ 今日は二人に重大任務があるんですよっ!」

雪美「……任務……?」

菜々「ナナ、あれから考えたんですよ。ナナのグッズとは何かって……」

菜々「今日は二人に完成品を見てもらいたくて♪」

雪美「……何か……作ったの……?」

ガチャン ガチャン ガチャン

菜々「これです! 小型ウサミンロボ! これは大ヒット間違いなしですよ♪」

「わぁー、凄く可愛いですっ!」

ウサミンロボ「ナンデモ、メイレイシテクダサイ」

菜々「とってもおりこうさんなんですよー! キャハっ☆」

雪美「……ジュース…欲しい……」

ウサミンロボ「ワッカリマシター! ナナハラブリー17サイ! キャハッ☆」

「……あ、あれ? 今関係ない事言ってませんでしたか?」

菜々「……あ、あははー☆」

ウサミンロボ「ウサウサウサ ウサミン! ウサミン ウサミン グルコサミン!!」

「なんか、ずっと歌ってますね……」

雪美「……歌……好きなの……?」

ウサミンロボ「ウサウサウサ ウサミン! ウサミン ウサミン プロビタミン!!」

「ち、ちょっと音がおっきいです……」

雪美「……かわいい…けど……歌…止まらない……」

菜々「ぐっ……よ、余計な機能を付けすぎたかも……」

-----------

P「たかがグッズ、されどグッズ。個性を出すのって難しいな」

雪美「……私…も……グッズ……作って…もらう……」

P「え? 何か作って欲しいのあるのか?」

雪美「……お人形……」

P「雪美の人形ね、デフォルメしたやつとかなら人気でそうだな」

雪美「……P…に……持ってて…もらう……」

P「それって、グッズじゃなくて俺専用じゃないか」

300 : VIPに... - 2013/07/05 02:01:34.95 A2pcjddho 150/210


―――――――――――――――――――

雪美「…………」

瀬名詩織「雪美ちゃん、何してるの?」

雪美「……今度…の……お仕事…みてる……」

詩織「そう、次は確か海の近くだったわね……」

雪美「……うん……詩織は……楽しみ……?」

詩織「うん、楽しみ……久しぶりだから」

詩織「……ねぇ、雪美ちゃん。海は好き……?」

雪美「……好き……詩織は……?」

詩織「そうね……私も海が好きだわ」

詩織「海風がそよぐのが好き……。夕日を反射しながらさざ波がうちつけるのも好き……。波音だけの世界が好き……」

雪美「……そう……」

詩織「いつか雪美ちゃんに故郷の海を見て欲しいわ……。本当に素敵なところよ……」

詩織「きっと気に入ってくれると思うの……ふふっ」

雪美「……詩織……楽しそう……」

詩織「こうやって海の話をすることってあまりないから……」

雪美「……海…行きたい……?」

詩織「行っても、私は泳げないからみてるだけよ……」

雪美「……そうなの……」

詩織「うん、それでもあの潮風の匂いやさざ波の音が恋しくなる時はあるわ……」

雪美「…………」

301 : VIPに... - 2013/07/05 02:02:32.02 A2pcjddho 151/210


雪美「…………」 テクテク

小松伊吹「おいっす、ゆきみん!」

雪美「……伊吹……」

伊吹「ゆきみんもグアバジュースで一息入れなよー」

雪美「……グアバ……?」

伊吹「あっ、知らないかな? これだよっ!」

雪美「……甘い……」

伊吹「ふひー、極楽極楽♪ だらだらーん♪」

雪美「……伊吹……なに…してるの……?」

伊吹「あー、ほらっ! 今度バリツアー行くじゃん?」

雪美「……うん……」

伊吹「海があって、森も綺麗で、おまけに休みも多めでさ!」

伊吹「リゾートでのんびり……はー、極楽気分をシミュレーション中~。なーんて、あはは♪」

雪美「……シミュレーション……」

伊吹「そうそう、ゆきみんもゆるーい感じでいこーよー」

雪美「……伊吹……」

伊吹「ん? どしたの?」

雪美「……バリって……海…あるの……?」

伊吹「あるもなにもありすぎて困るくらいだってば」

雪美「……そう……」

伊吹「おやおや、また何か考えてんの?」

雪美「……うん……伊吹も…手伝って……」

302 : VIPに... - 2013/07/05 02:04:15.64 A2pcjddho 152/210


ザァー ボァン ボァン

雪美「…………」

伊吹「いやー、極楽だね~♪」

詩織「……そうね」

雪美「……グアバ…ジュース……美味しい……」

伊吹「潮の匂いに波音に合わせたゆったりした音楽……少し蒸し暑い室内……南国って感じだね!」

詩織「レッスン場でここまで用意するとは思わなかったわ……」

雪美「……詩織……海……感じる……?」

詩織「そうね、写真が貼ってあるだけでも潮の匂いと波音があるだけでこんなにも近く感じられるなんて……」

伊吹「これ用意するの結構苦労したんだよ!」

詩織「でも、なにも水着まで着なくても良いと思うけど……」

伊吹「あはは、やっぱり海と言えば水着だよね~」

雪美「……気持ちが……大事……」

伊吹「……ぶっちゃけ、バリにはまだ行ってないんだけどね」

詩織「バリ……きっと、綺麗な海なんでしょうね……」

雪美「……うん…泳ごう……」

詩織「えっ? 泳ぐってどこで……?」

雪美「……ここ……」 ジタバタ

伊吹「おっ、ゆきみん楽しそう! アタシも泳ごっかな」 ジタバタ

詩織「それって、泳いでるふり……?」

雪美「……うん……これなら…詩織も……」 ジタバタ

詩織「…………」

伊吹「ほらほら、詩織ちゃんもやりなよ♪」 ジタバタ

詩織「う、うん……やってみるわ……」 ジタバタ

-----------

P「……そういうことだったのか」

雪美「……なにか……あったの……?」

P「あぁ、雪美達がレッスン場で水着着てジタバタしてるって言われたから何かなと思っててさ」

雪美「……泳いでた……」

P「なるほどね、まぁ良いんだけどさ……」

雪美「…………?」

P「トレーナーさんに『何の練習させてるんですか!?』って言われたよ……」

雪美「……あう……」

308 : VIPに... - 2013/07/08 02:11:22.46 R5EIJ5U4o 153/210


―――――――――――――――――――

雪美「……よいしょ……」 フラッ

ルーキートレーナー「雪美ちゃんはそこが苦手なんだね」

雪美「……難しい……」

ルキトレ「確かに難易度が高い組み合わせだから、しっかりと練習していくしかないかな……」

雪美「……こまった……」

ルキトレ「うーん、それなら発想を変えてみるのはどうかな?」

雪美「……発想……?」

ルキトレ「うん、雪美ちゃんのダンスは少し動きが固いからもう少し柔らかく踊るようにしてみると良いと思うよ」

雪美「……やわらかく……」

ルキトレ「といってもそれもなかなか難しいけどね……」

ルキトレ「できたらわたしも教えて欲しいくらいかな!」

雪美「…………」

309 : VIPに... - 2013/07/08 02:12:20.13 R5EIJ5U4o 154/210


雪美「……穂乃香……」

綾瀬穂乃香「雪美さん? どうかしたんですか?」

雪美「……穂乃香…の……ダンス……やわらかい……」

穂乃香「やわらかい……多分バレエをやってたからだと思いますけど」

雪美「……バレエ……?」

穂乃香「そうですね、ずっとやってきてますから」

雪美「……好き…なの……?」

穂乃香「はい、趣味も特技もバレエですよ」

雪美「……穂乃香……教えて…私……やわらかく…なりたい……」

穂乃香「わ、私がですか?」

雪美「……うん……」

穂乃香「ふふっ、わかりました、なら楽しみましょうね」

雪美「……楽しむ……?」

穂乃香「えぇ、表現を楽しむ事、それが上達する秘訣だと思います」

雪美「……うん……がんばって…みる……」

穂乃香「じゃあ、早速基礎から初めてみましょうか」

雪美「……あっ……もう一人……習いたい…人……いる……」

310 : VIPに... - 2013/07/08 02:13:32.56 R5EIJ5U4o 155/210


穂乃香「そこはワルツのリズムで!」

雪美「…………」 クルクル

ルキトレ「まだまだ!」 クルクル

穂乃香「良い感じです、そのまま流れを意識して……!」

雪美「…………」 ピョン ピョン

ルキトレ「うっ……む、難しい……」 ピョン ピョン

穂乃香「ラストは背筋を伸ばして!」

雪美「……決め……!」 ピシッ

ルキトレ「やったー!」 ピシッ

穂乃香「ふぅ、とっても良い感じでしたね!」

雪美「……うまく……できた……」

ルキトレ「これならみんなの代わりに、わたしがデビューしちゃおっかな♪」

穂乃香「ふふっ、お二人とも熱心だから私も良い刺激を受けます」

雪美「……穂乃香…も……ルキトレも…すごい……」

ルキトレ「雪美ちゃん、実力をつけてるみたいだね! これからもがんばろうね!」

穂乃香「じゃあ私も自分の練習しますね。ルキトレさん、ご指導お願いできますか?」

ルキトレ「…………」

雪美「……どう……したの……?」

ルキトレ「え、えっと……何を教えたら良いんだろう、あははっ……」

-----------

P「トレーナーさんも大変なんだな」

雪美「……穂乃香……ダンス……上手だから……」

P「雪美も教えてもらったんだろ?」

雪美「……うん……こんな…感じ……」 ピョン ピョン

P(あっ、これはカワイイかも……)

313 : VIPに... - 2013/07/10 01:30:13.37 9FLKLd6vo 156/210


―――――――――――――――――――

根性 気合 努力

雪美「……なに……これ……?」

キャシー・グラハム「チッチッチッ。これはTシャツにプリントする文字だよ♪」

大槻唯「んー、どれにするか悩んでるんだけどぉ……ゆきみんもちょっと見てもらってもいい?」

雪美「……うん……」

キャシー「やっぱりこういうのはインパクトが大事だよねっ♪」

「でも、ゆい的にはもっとカワイイ感じが良いんだけどなぁー!」

雪美「……これって……誰が……書いたの……?」

キャシー「アタシだよっ! へへっ、なかなかのもんでしょ♪」

「あははー! キャシーってば達筆だもんね!」

雪美「……うん……」

キャシー「ニューヨーク生まれ浅草育ちをナメちゃいけないって事よ!」

雪美「……でも……なんで…この……文字……」

「直感だよ! ゆいたちが思いつくままに書いたらこうなっちゃった♪」

雪美「…………」

キャシー「どう? 雪美も何か書いてみる?」

雪美「……もうちょっと…かわいく……」

「んー、あんまりグッとこなーい?」

雪美「……うん……自分らしさ……必要…だと……思う……」

キャシー「自分らしさ……雪美もなかなか鋭い意見を言うねっ♪」

「あっ、それならゆいも書きなおそうっかなー!」

キャシー「でもそうなると何を書けばいいのかなぁ?」

雪美「……馴染み……深いもの…が……良いと…思う……」

「馴染み深いかぁー、何かあったかなぁ?」

キャシー「雪美はあたしたちに馴染み深いものって何だと思う?」

雪美「…………」

314 : VIPに... - 2013/07/10 01:30:46.35 9FLKLd6vo 157/210


ネコ 浅草 飴

雪美「……これだと……思う……」

「きゃはっ、ゆきみんってゆいの事よく見てるんだねぇー」

キャシー「浅草……これはサムライのソウル見せる時!」

雪美「……これなら……大丈夫……」

キャシー「決まったね! 早速このTシャツ着ようよっ!」

「いやーん、漢字じゃなくてカタカナにすればよかったかなぁー?」

キャシー「パッと明るく、そしてジューシー! 次のLIVEはこのシャツ着て行こうかなっ♪」

「色もいろいろあるんだねー! ゆいはイエローにしよっと!」

雪美「……私……青……」

キャシー「良い感じ! じゃあまずはどうする?」

「まずはみんなに自慢しに行こー!」

雪美「……わかった……」

-----------

P「修学旅行のお土産みたいなもん作ったんだな……」

雪美「……うん……作って…もらった……」

P「みんなの評価はどうだったんだ?」

雪美「…………」

P「……駄目だったんだな」

316 : VIPに... - 2013/07/10 02:42:06.56 9FLKLd6vo 158/210


―――――――――――――――――――

------ 昔々

北条加蓮「ふぅ……」

雪美「……お疲れ……さま……」

加蓮「お疲れ様、あなたは確か……」

雪美「……佐城……雪美……」

加蓮「そう……アタシは北条加蓮、よろしくね」

雪美「…………」 コクッ

加蓮「雪美ちゃんもアイドル目指してるの?」

雪美「……うん……」

加蓮「へぇー、そうなんだ」

雪美「……加蓮…は……なりたくないの……?」

加蓮「アタシか……アタシは別になれなくても仕方ないかなって」

雪美「…………」

加蓮「ほらっ、アタシ特訓とか練習とか下積みとか……」

加蓮「努力とか気合いとか根性とか、なんかそーゆーキャラじゃないんだよね。体力ないし」

雪美「……じゃあ……なんで…ここに……いるの……?」

加蓮「それは……プロデューサーがやれって言うし……ちゃんと居るだけいいっしょ?」

雪美「…………」

加蓮「どうしたの?」

雪美「……うそつき……」

加蓮「えっ……」

雪美「……そう……思うなら……そんな…顔……しない……」

加蓮「ゆ、雪美ちゃんに何が分かるっていうの?」

雪美「……わからない……でも…加蓮……悲しそう……だから……」

加蓮「…………」

雪美「……いっしょに……がんばろ……?」

317 : VIPに... - 2013/07/10 02:43:08.82 9FLKLd6vo 159/210


------ 昔

雪美「……加蓮…大丈夫……?」

加蓮「ふふっ、ちょっと風邪引いただけだから大丈夫だよ」

雪美「……良かった……」

加蓮「あはは、心配かけちゃったかな……ん、でも私は大丈夫だよ」

雪美「……大切な…人……来て…くれたの……?」

加蓮「うん、プロデューサー、ホントに来てくれたんだ……」

加蓮「忙しいんだから、無理しなくてよかったのに……」

雪美「…………」

加蓮「それにね、凛と奈緒もお見舞いに来てくれて!」

雪美「……そう……」

加蓮「みんな、ゼリーとかプリンとか……もう、こんなに買ってきちゃって……食べきれないよ……」

雪美「……美味しそう……」

加蓮「……雪美ちゃんもプリン食べる?」

雪美「……うん……」

加蓮「じゃあ、一緒に食べようか」

雪美「…………」 コクッ

加蓮「ねぇ、雪美ちゃん……」

雪美「…………?」 モグモグ

加蓮「あの時はありがとう……」

雪美「……あの時…って……なに……?」 モグモグ

加蓮「ふふっ……なんでもない。ふふっ」

雪美「……加蓮……楽しそう……」

加蓮「楽しいよ、とっても!」

加蓮「アイドルになれるなんて全然思ってなかったからホントに嬉しいんだ。あきらめなければ夢って叶うんだね」

雪美「……そう……」

加蓮「雪美ちゃん、これからも一緒に頑張ろうね!」

雪美「……うん……」

318 : VIPに... - 2013/07/10 02:44:17.66 9FLKLd6vo 160/210


------ ちょっと前

加蓮「雪美ちゃん、こんな所に居たんだ?」

雪美「……加蓮……」

加蓮「ふふっ、アニバーサリーパーティーはまだやってるのに外に出てどうしたの? Pさんがいないとやっぱり退屈?」

雪美「……そう…じゃない……ちょっと…疲れたから……」

加蓮「そっか……ねぇ、隣良いかな……少しお話しよ? ふふっ、たくさん話したいことがあるんだ」

雪美「……うん……」

加蓮「雪美ちゃんに出会ってもう1年か……なんか……あっという間だったね」

雪美「…………」

加蓮「思えば本当に色々あったね……。なんだかあっという間に時間が過ぎた感じがするよ」

雪美「……ほんと……」

加蓮「私、みんなに出会えて本当に良かった……今こうしていられるのもみんなのおかげかな……」

雪美「……私…も……加蓮に…会えて……良かった………」

加蓮「ふふっ、そう思ってくれてると嬉しいな」

「おーい、加蓮! そろそろ、LIVEの準備を始めないといけないぞ!」

加蓮「あっ、プロデューサーさんが呼んでる……」

雪美「……加蓮…LIVE……がんばって……」

加蓮「……雪美ちゃんも見に来てくれるよね?」

雪美「……うん…P…と……行く………」

加蓮「きっとだよ! 絶対見に来てね、最高の私を見せるから……!」

雪美「……約束……」

-----------

P「あのLIVEは本当に凄かったな……」

雪美「……うん……」

P「……そう言えば彼女から雪美に手紙が来てるぞ」

雪美「……手紙……?」

P「イベントでウェディングドレスを着た写真付きだ」

雪美「……加蓮……きれい……」

P「幸せそうな顔してるな、雪美は嬉しいか?」

雪美「……とっても……」 ニコッ

322 : VIPに... - 2013/07/10 20:51:03.12 UXlX2B56o 161/210


―――――――――――――――――――

雪美「…………」 モグモグ

工藤忍「あっ、雪美ちゃん」

雪美「…………?」

「そのチョコのおまけ、集めてたりするのかな?」

雪美「……ううん……」 フルフル

「あの、もし良かったらアタシにくれない? それ集めてるんだ……」

雪美「……じゃあ…あげる……」

「ふふっ、ありがとう! これで全部揃ったよ!」

雪美「……集め…てるの……?」

「うん、このシリーズは集めてたんだけど、アタシあんまりチョコって食べないからさ」

雪美「……そう……」

「他にもいっぱいあるんだよ、ジュースのおまけとかお菓子のおまけとかさ」

雪美「……おまけ…好きなの……?」

「おまけってオトクな感じ、しない?」

雪美「……すると……思う……」

「ふふっ、こうやっておまけが揃って行くのを見るのがアタシ大好きなんだ!」

雪美「…………」

323 : VIPに... - 2013/07/10 20:52:02.92 UXlX2B56o 162/210


月宮雅「雪美ちゃん、ショッピングって楽しいねぇ」

雪美「……うん……」

「みやびぃママ以外とショッピングってあんまりしないから何か新鮮だなぁ」

雪美「……そう……なの……?」

「うん、それにしても雪美ちゃん、お買い物のセンスあるよぉ。後でみやびぃのも選んでぇ」

雪美「……わかった……」

「さぁ、次は何を見に行こうか目移りしちゃうなぁ」

雪美「…………」

「あれ? 何見てるのぉ?」

雪美「……あれ……」

本日限定! くじびき所

「ふーん、新作のポップコーンを買うと1回くじ引きができるんだねぇ」

雪美「……うん……」

「でも、みやびぃあんまりポップコーンは食べないんだよねぇ」

雪美「…………」 クイクイ

「ど、どうしたのぉ?」

雪美「……あれ……あれ……欲しい……」 キラキラ

1等 ポップコーンの被り物

「ゆ、雪美ちゃんあんなのが欲しいのぉ?」

雪美「…………」 コクコク

「そっかぁー、じゃあ1つ買ってみよっかー」

雪美「……だめ……」

「えっ? どういうことぉ?」

雪美「……ポップコーンの…おまけ……だから……集める……」

(まずい、雪美ちゃんのスイッチが入っちゃったぁ……)

-----------

P「あぁ、今被ってるのその景品だったのか」

雪美「……うん……」

P「何個ポップコーン買ったんだ?」

雪美「……10…くらい……」

P「それだと、ポップコーンがおまけになってるよな」

雪美「……新作の味は……コンプリート……した……」

P「でも二人でよく食べれたな」

雪美「……みんな……呼んだから……」

P「そ、そんなに欲しかったのか……」

325 : VIPに... - 2013/07/10 21:22:44.54 UXlX2B56o 163/210


―――――――――――――――――――

和久井留美「まったく、書類整理がなって無いわね」

雪美「……留美……なに…してるの……?」

留美「あぁ、雪美ちゃん。ちょっと事務所が片付いて無いから整理してるのよ」

雪美「……気になる……?」

留美「前の職業柄かしらね、こういうのは我慢できないのよ」

雪美「……しょくぎょう……」

留美「雪美ちゃんには言ってなかったかしら、秘書をやっていたのよ」

雪美「……ひしょ…って……なに……?」

留美「社長みたいな偉い人達のサポートをするお仕事よ」

雪美「……サポート……」

留美「そう、まぁ細かい雑用やお客様への応対まで色んな事をやってたわ」

雪美「……留美……私…やってみたい……」

留美「秘書を? 雪美ちゃんは誰の秘書をするの?」

雪美「……ちがう……社長……」

留美「しゃ、社長役なの……?」

雪美「……うん……留美が……ひしょ……」

留美「うーん……やってみたいのかしら?」

雪美「……やって…みたい……」

326 : VIPに... - 2013/07/10 21:25:09.73 UXlX2B56o 164/210


コンコン

留美「佐城社長、アイドルを連れてきました」

雪美「……入って……」

留美「失礼します」

アナスタシア「プリヴェート♪ 雪美」

雪美「……アーニャ……御苦労…さま……」

留美「じゃあここに座って、アナスタシア」

アナスタシア「ダー、今日は何かあるんですか?」

雪美「……アーニャ……シンデレラ…ガール……上位…だった…から……」

留美「佐城社長がアナスタシアに労いの言葉をかけたいそうよ」

アナスタシア「佐城……シャチョー? よくわからないけどそう言ってもらえるなら嬉しいです雪美」

アナスタシア「バリショーエ スパシーバ!」

雪美「…………」

留美「どうもありがとうって言ってるのよ……」 ヒソヒソ

雪美「……うん………ところ…で……」

アナスタシア「……シトー?」

雪美「…………」

留美「あの、アナスタシア……社長面談とは言ったけどできたら日本語で話してあげてもらって良いかしら……」

アナスタシア「ダー……すみません」

留美「い、いいのよ……」

雪美「……留美……」

留美「どうしたの、雪美ちゃん?」

雪美「……社長は……まだ…はやかった……」

留美「そ、そう……」

アナスタシア「どうしたんですか、雪美?」

雪美「……にぇーと……」

-----------

P「色んな人に対応しないといけないのが社長の難しい所だな」

雪美「……私……あーにゃに……言葉……教えて…もらう……」

P「いいね、そういうのは若いうちからやっておいた方が良いよ」

雪美「……がんばる……」

P「あれ? そういや他にも習って無かったっけ?」

雪美「……うん……今…4つ…くらい……教えて…もらってる……」

P「凄まじいな……」

334 : VIPに... - 2013/07/12 00:50:35.36 WK8mXRi+o 165/210


―――――――――――――――――――

カコーン!

浜川愛結奈「ストラーイク!」

雪美「…………」 パチパチ

愛結奈「雪美、ハイタッチしよ!ほら、手を出してっ」

雪美「……はい……」

パンッ

愛結奈「たまにはボウリングも良いわよね」

長富蓮実「喜んでもらえてよかったです、ここは私のお気に入りの場所なんですよ」

愛結奈「蓮実もこんなイイとこ知ってるなんて、やるわね。見直しちゃった」

蓮実「ふふっ、次は私の番ですね」

雪美「……蓮実……がんばって……」

蓮実「……えいっ!」

ギュルルルル カコーン!

雪美「……上手……」 パチパチ

蓮実「うまく……出来たと思います」

愛結奈(う、うまいなんてレベルじゃないわ……なんなのよあれ……)

雪美「……次……私……」

愛結奈「……がんばりなさいよ雪美」

蓮実「とりあえずは真っ直ぐ投げる事を意識してくださいね」

雪美「……えいっ……」

コロコロコロ ガコン

雪美「…………」

愛結奈「ま、最初はガーターなのは仕方ないわ」

蓮実「でも良い感じですよ、少し続ければすぐにストライクが取れるようになります!」

雪美「……うん……」

335 : VIPに... - 2013/07/12 00:52:48.03 WK8mXRi+o 166/210


9ゲーム目……

 あゆな:139
はすみん:163
ゆきみん:0

蓮実「今日は何だか調子が良いです♪」

愛結奈(得意とは聞いてたけどまさかここまでなんて……)

雪美「……こまった……蓮実…良い……方法…ない…?」

蓮実「えっ? うーん、そうですね……今からガーター無しに変えますか?」

愛結奈「そうね、雪美はボウリングの玉に振り回されてるしその方が良いわ」

雪美「……わかった……そう…する……」

蓮実「じゃあ、変えますね」 ポチッ

ウィーン

雪美「……これなら……大丈夫……」

愛結奈「さ、そろそろストライク決めちゃいなさいよ、雪美」

雪美「……まかせて……」

蓮実「真っ直ぐ前を見て投げて下さいね」

雪美「…………!」

ギュルルルル ガンッ! ガコッ!

雪美「…………」

蓮実「飛び越えない高さなのに飛び越えちゃいましたね……」

愛結奈「ガーターの神様に好かれてるのかしら……」

雪美「…………?」

蓮実「どうしたんですか、雪美ちゃん?」

雪美「……うでが……なまった……」

愛結奈「雪美はボウリングやるのは今日が初めてでしょ……」

-----------

P「まったく負けず嫌いだな雪美も」

雪美「……ストライク……とりたかった……」

P「ボウリングに行くなら一回くらいはとっておきたいよな」

雪美「……うん……私……うまく…なりたい……」

P「練習あるのみだな、まぁでも聞いた感じだとなかなか道のりは険しいだろうけど……」

雪美「……雪美…は…まだ……10だから……♪」

P「ど、どこで覚えたんだそれ……?」

雪美「……蓮実…が……歌ってた……」

337 : VIPに... - 2013/07/12 01:16:39.84 WK8mXRi+o 167/210


―――――――――――――――――――

浜口あやめ「んっふっふー、誠に美味ですね!」 モグモグ

雪美「……うん……」 モグモグ

あやめ「このような団子屋があるとはわたくし知りませんでした!」

雪美「……本に……のってた……」

あやめ「もう一本頂きますね」

雪美「……私…も……」

あやめ「ふむ、それにしても雪美殿はそのような調べ物もやっていたのですね」 モグモグ

雪美「……雑誌…いっぱい……あるから……」 モグモグ

あやめ「あぁ、確かにみなさんが読んでそのままにしていますからね」

雪美「……もう…少し……食べる……」

あやめ「ではわたくしももう二本」

あやめ「ふぅ、昼下がりの茶屋でお茶とお団子……まさに時代劇と言う感じがします!」 モグモグ

雪美「……時代劇……?」 モグモグ

あやめ「雪美殿は興味ありませんか? 時代劇と言えばよくこのような事をしていますよ」 モグモグ

雪美「……そう……」

339 : VIPに... - 2013/07/12 01:19:27.84 WK8mXRi+o 168/210


雪美「…………」 チラッ

あやめ「いやぁー、また是非とも一緒に行きましょうね!」

雪美「……あやめ……こういうの……好き……?」

あやめ「えぇ、もちろん大好きですよ! 特にモノクロの時代劇とかたまりません!」

雪美「……そう……刀……ふったりとか……できる……?」

あやめ「殺陣ですか? ふっふっふ、それなら得意中の得意ですよ!」

雪美「……見せて……」

あやめ「わかりました、では軽くお披露目いたしますね!」

雪美「…………」 パチパチ

あやめ「ヨッ! ハッ!」 シュッ シュッ

雪美「……上手……」 モグモグ

あやめ「ヨッ……あ、あれ?」

雪美「……どう……したの……?」 モグモグ

あやめ「ゆ、雪美殿……そのお団子……」

雪美「……美味しい……」

あやめ「それは最後の一本では無いですか!」

-----------

P「二人とも普段からそんな感じなのか……」

雪美「……お団子……美味しかった……から……」

P「……なぁ、一つ面白い事があるぞ」

雪美「…………?」

P「二人で割り切れる数を頼んだはずなのに、なんで最後の一本とかになると思う?」

雪美「……あっ……」

P「つまり、あやめも1本こっそり食べてたってわけだ」

雪美「……やられた……」

348 : VIPに... - 2013/07/14 01:16:24.58 Gnwoh1+wo 169/210


―――――――――――――――――――

斉藤洋子「やっぱりランニングって気持ちいいですね!」

斉藤洋子「今日は天気もいいし、絶好のランニング日和です!」

相馬夏美「身体動かすのってキモチイイわよね!」

雪美「……疲れた……」

洋子「ふぅ……雪美ちゃんも途中までついてこれるなんて凄いわ」

雪美「……でも……最後まで……走れなかった……」

夏美「洋子ちゃんがに先頭なんてツイてないわね。でも、それはお互い様かな」

洋子「あははっ、走ると気持ちよくなってついペースが上がっちゃうんですよね……」

雪美「……ランニング……いつも…してるの……?」

洋子「うん、夏美さんとたまにね。適度な運動と睡眠が健康の秘訣! 美肌にも効果あり!」

夏美「私も毎日、ランニングは欠かさないの!」

雪美「……なんで…なの……?」

夏美「あんまり言いたくないんだけど……これでも昔は結構、残念な体型だったの」

洋子「えぇっ!? そんな感じ全然しないのに!」

夏美「だからこのままじゃ駄目かなって。私、がんばったのよ?」

雪美「……夏美……がんばった……」

夏美「そう、鏡に向かって笑顔の練習をしたり、こうやって毎日ランニングしたり……」

夏美「最初は自分が嫌で始めた事だけど、今じゃアイドルとして自分を磨くのが凄く楽しいわ!」

洋子「ほへー、何だか凄いですね……」

雪美「……洋子も……そうなの……?」

洋子「あははっ、私は単純に汗を流すのが好きなだけかな!」

雪美「……そう……」

洋子「ランニングもそうだけど、半身浴とか汗をかくって気持ち良い!」

夏美「あら、半身浴も良いわね。私も今度やってみようかしら」

349 : VIPに... - 2013/07/14 01:21:51.33 Gnwoh1+wo 170/210


雪美「…………」

洋子「雪美ちゃん、何か考え事?」

雪美「……洋子……夏美……私…も……きれいに……なりたい……」

夏美「ふふっ、おませさんね。雪美ちゃんはまだ気にしなくても良いんじゃないかしら?」

雪美「……そんなこと……ない……」

洋子「でもいきなりどうしたの? 今日もランニング一緒にしたいって言ってたし」

夏美「見て欲しい人がいるから、今まで以上に自分を磨くのよね♪」

雪美「……うん……」

洋子「わっかりました、私もランニング仲間が増えるのは嬉しいので私にできる事なら協力しますよ!」

夏美「雪美ちゃんを見てると自分の昔を思い出すわ……」

雪美「……昔……?」

夏美「えぇ、誰かのために変わりたくて、なんとか輝ける方法を探して……」

雪美「…………」

夏美「ふふっ、雪美ちゃんって大人しそうなのに情熱を感じるわね!」

雪美「……私……そうなの……?」

洋子「うーん、私もそう思うかな。雪美ちゃんって凄く好奇心あるものね」

雪美「……よく……わからない……」

夏美「まぁ、雪美ちゃんはそれが自然体だからそう思うのも仕方ないかしら」

夏美「……じゃあ、次は皆で汗を流しにお風呂に行きましょう!」

洋子「あっ、それなら私は近くのスーパー銭湯が行きたいです!」

雪美「……うん……汗…流す……」

洋子「いやー、楽しみですね。ゆっくり疲れを落とせそうです!」

夏美「せっかくだから早苗さんや、瞳子さんも呼びましょうか」

雪美「……みんなで……いこう……」

-----------

P「美にかける努力ね、やっぱり普段からの姿勢が大事なんだな」

雪美「……私…も……がんばる……」

P「ははっ、雪美はまだ気にしなくても良いだろ」

雪美「……そんな…こと……ない……ランニングと……お風呂で……お肌…ぷるぷる……」

P「そ、そうなのか?」

雪美「……うん…触って……Pなら……良い……」

プニプニ

P「こ、これは……」

雪美「……どう……?」

プニプニ プニプニ プニプニ プニプニ

雪美「…………」

P「く、くそっ……このほっぺたの感触は癖になる……!」

353 : VIPに... - 2013/07/15 03:50:35.66 mi7xdOnmo 171/210


―――――――――――――――――――

水本ゆかり「できれば、周りの雑音が聞こえなくなるのはありませんか?」

多田李衣菜「んー、それならこれかな? へへへ、これは中々オススメだよ!」

雪美「……なに……してるの……?」

李衣菜「あっ、雪美ちゃん」

ゆかり「今、事務所でクラシックを聞こうと思って李衣菜さんのヘッドホンを貸してもらおうと思ってたんです」

李衣菜「雪美ちゃんも必要なら貸してあげるよっ!」

雪美「……いっぱい……ある……」

ゆかり「そうなんです、どれにしようか迷ってしまって……」

李衣菜「ふっふっふ、良いロックを聞くには良いヘッドホンからってことで!」

雪美「……私も……みて……いい……?」

李衣菜「うん! どうぞどうぞ、好きなだけ見てね!」

雪美「……これ……ぶかぶか……」

ゆかり「ふふっ、それは雪美ちゃんにはサイズ的に大きいですね」

雪美「……李衣菜……これ……どんなの…なの……?」

李衣菜「えっ? あー、それは首にかけるよう!」

ゆかり「く、首にかけるよう?」

雪美「……そう……こうすれば…良いの……」

李衣菜「おっ、良い感じだね! 雪美ちゃんもロックな感じがするよ!」

ゆかり「は、はぁ……」

雪美「……李衣菜……他にも……ある……?」

李衣菜「へへっ、そう聞かれると思ってた! 家にはまだまだいっぱいあるよ!」

雪美「……じゃあ……今度…ゆかりと……遊びに…いく……」

ゆかり(これ以上いっぱいヘッドホンのある家ってどういう感じなんだろう……)

354 : VIPに... - 2013/07/15 03:51:50.54 mi7xdOnmo 172/210


------ 李衣菜の家

李衣菜「いらっしゃーい!」

ゆかり「凄い、色んなアーティストのポスターにCD……」

李衣菜「へへっ、カッコいいでしょ?」

雪美「……あれが……ヘッドホン……?」

李衣菜「そうそう、私の大事なコレクション!」

ゆかり「あっ、あれって新しく出てたやつですよね、確か……」

李衣菜「うん、とっても音が良く聞こえるやつだよ!」

ゆかり「…………」

雪美「……あっち…は……?」

李衣菜「あっちは……音の聞こえ具合はイマイチだけど形がロックかな」

ゆかり「ろ、ロック……?」

李衣菜「ゆかりちゃん、もしかしてロックってあんまりよくわかってない?」

ゆかり「は、はい……お恥ずかしい話ですけど」

雪美「……私…も……」

李衣菜「へへっ、二人ともまだまだだね! このリーナがロックとは何かを教えてあげましょう!」

雪美「……ロック…って……なに……?」

李衣菜「えーと……カッコよさ? とかだよねゆかりちゃん?」

ゆかり「わ、私に聞かれても……」

李衣菜「ま、まぁまぁ……好きなヘッドホンを選ぶと良いよ!」

雪美「……おすすめ…は……あるの……?」

李衣菜「んー、それならこれとかかなぁ?」

ゆかり「あっ、これって音質が凄くクリアに聞こえるやつですよね!」

李衣菜(えっ? そ、そうなの……?)

ゆかり「何て言いましたっけ、この機能……」

李衣菜「あ、あははっ……機能はあんまり気にせず自分の好きなので良いよ!」

雪美「……あそこに……あるのは……どんな…感じ……?」

李衣菜「……えーっと、これが良く聞こえるやつ、これがまぁまぁ聞こえるやつ、あれがカッコいいやつ……」

ゆかり(そ、そういう覚え方してるんだ……)

-----------

P「へぇー、そんなにコレクションがあるんだな」

雪美「……うん……私も……貸して…もらった……」

P「良いヘッドホンはやっぱり違うみたいだな、でも外では危ないから付けないようにな」

雪美「……大丈夫……首に…かける……だけだから……」

P「……そっちの用途で使うつもりだったのか」

357 : VIPに... - 2013/07/15 12:39:11.39 mi7xdOnmo 173/210


―――――――――――――――――――

緒方智絵里「わ……わたしがお祭りの主役なんて……」

雪美「……智絵里……がんばって……」

松本沙理奈「せっかくの夏祭りなんだから思い切り楽しまないとねっ!」

智絵里「さ、沙理奈さんの衣装……凄いです!」

沙理奈「イェース! アタシのエロカワ衣装で、みんなを熱くしてア・ゲ・ル!」

雪美「……二人とも……浴衣…が……ミニ……」

智絵里「……すーすー…します……」

沙理奈「雪美ちゃんは浴衣着ないの?」

雪美「……私…は……別に…いい……」

智絵里「うぅ……なんだか恥ずかしいです……プロデューサーさんも見てるのかな?」

沙理奈「うふふっ、智絵里ちゃん。なに顔赤くしてるの~?」

智絵里「あっ、えっと……ちゃんと見てくれてるのかなって……」

雪美「……うん……Pが…連れてくるって……言ってたから…大丈夫……」

智絵里「雪美ちゃん……良かった……」

沙理奈「うーん、呼ばれないと来ないなんて鈍感なプロデューサーね……」

智絵里「そ、そんなことないですよ……」

沙理奈「ま、時間もある事だし、LIVEまで少し出店を回りましょうか」

雪美「……うん……行こう……」

智絵里「えへへっ、私も少し回ってみたかったんです♪」

沙理奈「じゃあ、ちゃっちゃっと行きましょうか!」

358 : VIPに... - 2013/07/15 12:40:12.35 mi7xdOnmo 174/210


沙理奈「あっ、あったあった! お祭りと言えばコレよねぇ」

智絵里「これって……」

沙理奈「チョコバナナ! アタシ好きなのよねぇ。バナナだけでもおいしいのに、チョコ付きなんて最高じゃない?」

雪美「……私…も……好き……」

沙理奈「はい、ちゃんと雪美ちゃんと智絵里ちゃんの分もあるよっ」

智絵里「わぁっ、ありがとうございます!」

雪美「……沙理奈……ありがと……」

沙理奈「あーん、パクッ。はむはむ……」

智絵里「あ、あの……雪美ちゃん?」 ヒソヒソ

雪美「…………?」

智絵里「な、なんだかわたしたちさっきから……凄く注目されてないですか……?」 ヒソヒソ

雪美「…………」 キョロキョロ

沙理奈「あー、汗ばむよね~、い・ろ・い・ろと♪」 パタパタ

智絵里「ほ、ほら……あの人達にみられて……」 ヒソヒソ

雪美「…………」

沙理奈「どうしたの? 雪美ちゃん」

雪美「……沙理奈……ゆうわく…だめ……」

沙理奈「やりすぎ?」

雪美「……うん……」

沙理奈「うふふっ、そろそろ止めとこうかな。ちょっとハメ外しすぎたね」

359 : VIPに... - 2013/07/15 12:41:07.27 mi7xdOnmo 175/210


雪美「……智絵里……これで……大丈夫……」

智絵里「あっ、何だか視線を感じなくなりました……」

沙理奈「せっかく浴衣着たんだから、見てもらいたかったのよねぇ」

雪美「……それは……また…今度……」

沙理奈「そうしよっかなぁ」

智絵里「えへへっ、これで安心して食べれます……」

沙理奈「智絵里ちゃんもゆっくり食べてて良いからねぇ」

智絵里「はい……え、えへへ」

沙理奈「そう言えば智絵里ちゃんは今日のLIVEで何か新しい事するんだっけ?」

雪美「……そう……なの……?」

智絵里「えと……そ、そうなんです……」

沙理奈「へぇー、それは面白そう~♪ アタシ、今ちょっと見てみたいなぁ~」

雪美「…………」 モグモグ

智絵里「そんな、見せるようなものじゃ……」

沙理奈「うふふっ、一回だけ、こっそりで良いからさぁ~」

雪美「……私…も……見て…みたい……」 モグモグ

智絵里「じゃ、じゃあ……ちょっとだけがんばるから……見守っててください」

雪美「……うん……」

智絵里「いぇいっ、ですっ……え、えへへ」

ウォォォォォォォ!! ちえりん! ちえりん!

雪美「…………」

智絵里「あわわ……さ、沙理奈さん!」

沙理奈「ど、どこにこんなに人が潜んでたの!?」

智絵里「あうぅ……ゆ、雪美ちゃん。ど、どうしよう……!?」 グイグイ

雪美「……智絵里……苦しい……」

-----------

P「アイドル3人で祭りにいれば目立つもんだよ」

雪美「……うん……その後…大変……だった……」

P「何かあったのか?」

雪美「……智絵里…が……慌てて……ずっと……グイグイ…されてた……」

P「まぁ、いきなりそんなんになるとパニくるよな……」

362 : VIPに... - 2013/07/15 13:24:24.48 mi7xdOnmo 176/210


―――――――――――――――――――

バリッ

雪美「……あっ……」

西島櫂「ああっ、そんなに荒っぽくやると駄目だよ」

雪美「……むずかしい……」

「金魚すくいはこうやって……逃がすか金魚っ! えいっ!」

雪美「……とれた……」

「はい、まず1匹ー!!」

雪美「……櫂……上手……」

「金魚すくい、じつは得意なんだよね。あたし水泳してるから、魚の泳ぎたい方向がわかるっていうかさ」

「浴衣で少しぐらい動きにくても、なんとかなるって! せーの、ヨッと!! おーし!」

雪美「……どうしたら……上手に…なれるの……?」

「そうだね、金魚すくいのコツは見る、すくう、落とさない!」

雪美「……そう……」

「ね? 簡単でしょ?」

雪美「……がんばってみる……」

363 : VIPに... - 2013/07/15 13:25:16.00 mi7xdOnmo 177/210


翌日……

桃井あずき「……次の作戦はどうしよっかなぁー」

雪美「……あずき……」

あずき「雪美ちゃん、あずきに何か用かな?」

雪美「……うん……あずき……金魚すくい……得意……?」

あずき「!?」 バンッ!

雪美「!?」 ビクッ!

あずき「……ふふっ、雪美ちゃんも人が悪いよ? 金魚すくいと言えばあずきだよっ!」

雪美「……そう……なの……」

あずき「そうそう、金魚すくいが趣味なのにまったくピックアップされなくてあずきも困ってたの!」

あずき「何か忘れさられてるんじゃないかなぁーって……」

雪美「……そんな…こと……ない……」

あずき「えへへっ、雪美ちゃんはちゃんと覚えててくれたんだね!」

あずき「……で、雪美ちゃんは金魚すくいの何を知りたいの? あっ、作戦立てた方が良い?」

雪美「……作戦…は……いい……」

あずき「そっかぁー、じゃあ何かやりたいことがあるのかな?」

雪美「……うん……櫂…みたいに……上手に…なりたい……」

あずき「櫂? 西島さんも金魚すくい得意なの?」

雪美「……上手……」

あずき「…………」

雪美「……どう…したの……?」

あずき「雪美ちゃん、こんな事してる場合じゃないよっ! これは頂上決戦大作戦だよっ!」

雪美「…………」

364 : VIPに... - 2013/07/15 13:26:47.32 mi7xdOnmo 178/210


そして……

雪美「……ルール…は……多く…すくった方の……勝ち……」

あずき「えへへっ、シンプルな勝負だね!」

「へぇー、あたし以外にも得意な子がいたんだね」

あずき「悪いけど、この勝負はあずきがいただくよっ!」

「水にまつわる勝負ならあたしも負けるわけにはいかないんだよね!」

雪美「……じゃあ……はじめ……」

「見えたっ、いただき!!」

あずき「はやいっ!? これはあずきも遊んでられないよっ!」

バリッ

雪美「……おじさん……もう一回……」

「はい、どうぞ」

あずき「……ここはあの手を使わせてもらうよっ!」

「2匹同時すくい!? なんて技術力!!」

バリッ

雪美「……もう一枚……ちょうだい……」

「はい、どうぞ」

あずき(正直甘く見てたよ……ここまで凄い人がいるなんて……)

(あずきちゃんの動きは普通の人とレベルが違うね……)

バリッ

雪美「…………」

-----------

P「金魚すくいって俺もあんまりうまくないんだよな」

雪美「……P…も……今度…いこ……?」

P「あずき達とはいかないのか?」

雪美「……2人とも……すくいすぎて……出禁…だって……」

P「ど、どんだけすくったんだ……」

366 : VIPに... - 2013/07/15 14:26:04.31 mi7xdOnmo 179/210


―――――――――――――――――――

衛藤美紗希「はぁ……いい恋したぁい……」

雪美「……いい……恋……?」

美紗希「雪美ちゃんもこのミュージカル見てよぉ」

美紗希「うぅ……2人の恋物語、ちょー泣けるぅ! あたし途中から泣きっぱだったぁ」

雪美「……そう……」

美紗希「ミュージカルって、演技の勉強って感じですごく良くないぃ?」

雪美「……うん……私…も……みてみる……」

美紗希「あたしもあのミュージカルの主役みたいにドラマチックな恋したり出来るかなぁ?」

雪美「……美紗希は……好きな…人……いるの……?」

美紗希「はぁ……それがまだいないんだよねぇ……」

雪美「…………」

美紗希「ねぇねぇ、雪美ちゃんもコイバナとか……ってPさんだよねぇ、雪美ちゃんは」

雪美「……うん……」

美紗希「あたしももっと女子力を磨いていかないとなぁ……」

雪美「……女子力……?」

美紗希「うん、やっぱり王子様に振り向いてもらうにはまずは注目されないとぉ」

雪美「……どう…するの……?」

美紗希「そうねぇ、やっぱりみんながあたしにクギヅケになるくらい魅力的になるのが一番かなぁ」

雪美「……魅力的……」

367 : VIPに... - 2013/07/15 14:27:11.67 mi7xdOnmo 180/210


松山久美子「えっ? 魅力的になりたい?」

雪美「……うん……久美子……何か……知ってる……?」

久美子「それはキレイになりたいって事なの?」

雪美「……そんな……感じ……」

久美子「ふふっ、雪美ちゃんは今でも十分可愛いのにキレイになりたいなんてね」

雪美「……私……女子力……アップ…する……」

久美子「女子力……そうだね、ピアノをやってみるとか。良かったら教えてあげるけど」

雪美「…………」 フルフル

久美子「そっか、雪美ちゃんならピアノ似合うと思ったんだけどね」

雪美「……他に……何か…ある……?」

久美子「……そうね、本当にキレイな人って言うのは目が違うみたいだよ」

雪美「……目……」

久美子「うん、雰囲気もそうだけど……美人に見られるとたじろいじゃう男の人って多いでしょ♪」

雪美「……たしかに……」

久美子「礼子さんとか、レナさんとかあんな雰囲気って魅力的に感じるかな」

雪美「…………」

久美子「雪美ちゃんもまずは目ヂカラから意識して見たらどう?」

雪美「……目ヂカラ……」

久美子「そうそう、見るだけで男の人をクギヅケにしちゃう目の力!」

雪美「……がんばる……」

久美子「ふふっ、私も頑張ろうかな。一緒にキレイになろうね!」

雪美「……うん……」

-----------

P「魅力的ねぇ、難しいもんだな」

雪美(Pを……釘づけ…にする……目ヂカラ……)

P「どうしたんだ、雪美?」

雪美「…………」 パチン☆

P「……急に片目を閉じて、目にゴミでも入ったのか?」

雪美「…………!」 ポカポカポカ

P「い、痛いよ! なんで急にポカポカ殴ってくるんだ!?」

370 : VIPに... - 2013/07/15 18:03:43.11 mi7xdOnmo 181/210


―――――――――――――――――――

望月聖「大きな……絵…ですね」

古澤頼子「聖ちゃんにはこういう印象派の絵画がおすすめ、かな……」

雪美「……頼子…これ……何の…絵……なの……?」

頼子「これは夜の港を描いた絵なの」

「月の色が……とっても…きれい……です」

雪美「…………」

頼子「こういう風に光の色なんかを表現しようとしているのが特徴だから……」

雪美「……そう…なの……」

「色々……あるん…ですね……」

頼子「ふふっ、こういうのは頭で考えるより素直に綺麗って思える気持ちが大事だと思うかな」

雪美「……頼子…は……描けるの……?」

頼子「……ううん、私は見る専門だから」

「でも、頼子さん……とても…詳しい…です……」

頼子「私は絵画や美術が好きなだけで……」

頼子「聖ちゃんも、雪美ちゃんも自分の感じるままに楽しんでくれたらいいかな……」

「私……あの絵……好き…です……」

雪美「……お嫁さん……」

頼子「あれは、草原での結婚式を描いた絵ですね」

「うん……とても…幸せそうで……」

「雪美さんは……どんなのが……良い…ですか……?」

雪美「……あれ……」

頼子「天使の絵……雪美ちゃんは天使が好きなの?」

雪美「……聖に……似てる……」

「わ、私……ですか……」

雪美「……うん……あっちは……頼子……」

頼子「怪盗の絵……」

雪美「…………」

「私……あんなに……壮大じゃ……ないです……」

頼子「私も怪盗ってイメージじゃ……」

雪美「……そう……」

371 : VIPに... - 2013/07/15 18:04:47.66 mi7xdOnmo 182/210


数日後…… LIVEバトル会場

雪美「……今日も……がんばろう……」

「はい……がんばり…ます……」

頼子「……フフ、お手柔らかに」

雪美「……聖…は……今日は…どう…するの……?」

「えっと……サビの所で上から……ライトアップで…舞い降りてきます……」

雪美「……頼子…は……?」

頼子「私は1曲目が終わった後に、暗転と同時に登場みたい……」

雪美「……わかった…行こう……」

「世界中の人達が……幸せになれるくらい……響かせて…歌うの……」

頼子「誰かに奪われるくらいなら私が奪ってみせる……たった一つ大切な……」

雪美「…………」

-----------

P「イメージって自分じゃ気づかないものだよな」

雪美「……二人とも……すごい…から……」

P「聖は大人しいからそれくらいやって丁度良いってのもあるけどな」

雪美「……P……私…にも……なにか……ある……?」

P「うーん、女王様キャラで登場してみるとか?」

雪美「……P…に……命令すれば……良いの……?」

P「……冗談だ、今のやっぱなしで」

375 : VIPに... - 2013/07/15 19:24:51.95 mi7xdOnmo 183/210


―――――――――――――――――――

村松さくら「新婚のお家は、キッチンもトイレもお風呂も全部ピンクがいいなぁ♪」

雪美「……私……ネコ柄…が……いい……」

ガチャッ

高垣楓「お疲れさまです……あら?」

さくら「あっ、楓さんお帰りなさぁい!」

雪美「……楓……お帰り……」

「はい、ただいま。二人だけなのかしら?」

雪美「……うん……」

「ふふっ、そう。今日は何をしていたの?」

さくら「えっへへー、これですよぉ!」

流行最先端! 新婚のお家!

「新婚……まだ二人には早いんじゃないかな?」

さくら「ぶー、そんな事ありませんよぉ! 今からいーっぱい勉強しておくんですぅ!」

雪美「……家……大事…だから……」

「ふふっ、じゃあ私も少し見せてもらって良いかしら?」

雪美「……うん……」

さくら「あのぉ、楓さん。花嫁修業って何したらいいんですかぁ? やっぱお料理?」

「そうね、家事を一通りできるようにしておけば良いと思うけど」

雪美「……むずかしそう……」

さくら「うぅ……わたし、お料理も家計も全然うまくできないしぃ……」

さくら「わたしでも、お嫁さんにもらってくれる素敵な人、いるかなぁ?」

「ふふっ、大丈夫よ。さくらちゃんは可愛いからきっと素敵なお婿さんが見つかるわ」

雪美「……うん……私…も……そう…思う……」

さくら「雪美ちゃん、楓さん……ありがとうございますぅ!」

雪美「……私…も……がんばる……」

「それならキッチンはキチンとね……ふふっ」 ボソッ

雪美「…………」 チラッ

376 : VIPに... - 2013/07/15 19:27:42.93 mi7xdOnmo 184/210


さくら「そう言えば、楓さんはお料理もお洗濯も完璧なんですよねぇ?」

「私は一人暮らしが長いからそこら辺は自然と身に着いたかな」

雪美「……楓……さっきから……手に持ってる……袋……なに……?」

「これですか? ふふっ、夜に晩酌でもしようと思っておつまみです」

さくら「あれぇ? お料理できるのに買ってくるんですかぁ?」

「家で作るには手間がかかるものは出来合いを買ってきた方が良いの」

雪美「……焼き鳥……美味しそう……」

さくら「わぁー、いっぱいあるんですねぇ」

「今日は焼き鳥屋さんにいった気分を味わおうと思って」

さくら「こういうのができるせんぎょー主婦? がいいなぁ♪」

雪美「……楓……なんでも…できる……」

「専業主婦はオススメしまセンギョー……ふふっ」 ボソッ

雪美「…………」 チラッ

「みんなご飯まだなら少しつまみますか?」

さくら「えっ? 良いんですかぁ?」

「えぇ、お酒じゃ無くてジュースで晩酌しないかしら?」

雪美「……うん……やってみたい……」

「ふふっ、じゃあ早速用意しましょうか」

さくら「えっへへー、楽しみですぅ!」

-----------

ガチャッ

和久井留美「お疲れ様、今戻ったわ」

「雪美ちゃん、そこのつくねをとってもらって良い?」

雪美「……うん……」

さくら「このチキン南蛮はオレンジジュースにとってもあいますぅ!」

留美(えっ? な、なに……この居酒屋みたいな雰囲気……)

-----------

雪美「……P…は……どんな…お嫁さんが……良い……?」

P「んー、可愛くて気立てが良くて、俺の一番の理解者でいてくれる人かなぁ」

雪美「……わかった……私……楓に……花嫁修業…してもらう……」

P「花嫁修業? 流石に10歳からは早くないか?」

雪美「……大丈夫……もう…覚えて……きたから……」

P「は、はぁ……何か覚えたのか?」

雪美「……キッチンは……キチンと……」

P「それを真っ先に覚えてどうするんだ……」

383 : VIPに... - 2013/07/16 00:54:38.02 zRrkLhdAo 185/210


―――――――――――――――――――

雪美「…………」 パチパチ

涼宮星花「素晴らしい歌声でしたわ」

西川保奈美「流石、有名なオペラ歌手って感じだったわね」

雪美「……凄く……高い…声……だった……」

保奈美「この公演は滅多に聞けないのよ、星花さんが誘ってくれてラッキーだったね」

星花「お父様から宜しければお友達どうかと、チケットを頂いたのです」

星花「保奈美ちゃんは前からお好きとお伺いしておりましたし、雪美ちゃんにはいつもお世話になっておりますから」

保奈美「凄く素敵だったよ、ありがとう星花さん!」

雪美「……星花……ありがと……」

星花「喜んでいただけて幸いですわ」

雪美「……星花…と……保奈美は……あんな声……出せる……?」

星花「わたくしはあれ程の声量と喉は持ち合わせておりませんわ……」

保奈美「私も歌は自慢だけど……あれは無理よ」

雪美「……そう……」

保奈美「なに、雪美ちゃんもやってみたいのかしら?」

雪美「……ううん……ちょっと……気に…なっただけ……」

星花「それにしてもあの歌声は素晴らしいものでしたね、雰囲気が良く出ていましたわ」

保奈美「そうね、あれを歌いながらあそこまで表現するのは大変だと思うわ」

雪美「…………」 ピコン

星花「雪美ちゃん、何かひらめいたのですか?」

雪美「……うん……歌いながら……踊る……」

保奈美「それっていつものステージと変わらないんじゃないかしら?」

雪美「……後……お話も……する……」

星花「お話……ミュージカルみたいなものでしょうか?」

雪美「……それ……」

保奈美「あら、面白そうね。私、そういうのも好きなのよ」

雪美「……うん……みんなで……練習…する……」

星花「楽しそうですわね、わたくしも是非ご一緒させて頂きたいですわ」

-----------

P「ミュージカルか、良い練習になると思うよ。どんなのをやったんだ?」

雪美「……王子様と……お姫様の……お話……」

P「なるほどね、雪美は何の役をやったんだ?」

雪美「……村人……A……」

P「何でそれをチョイスしたんだ……」

雪美「……王子様が……P…じゃ……ないから……」

P「ははっ、そっか。じゃあ今度2人で王子様とお姫様をやろうか」

雪美「……する……今すぐ……」 グイグイ

P「こらこら、気が早いって……」

385 : VIPに... - 2013/07/16 01:03:45.36 zRrkLhdAo 186/210


―――――――――――――――――――

喜多見柚「へへっ、いっぱいゲームがあるんだねっ!」

三好紗南「やっとあたしにもこういう仕事が来たね!」

雪美「……これ……どうするの……?」

紗南「新作ゲームをプレイして、感想を書くだけ。こんなん簡単だよ」

「んー、でもそういうのって意外と難しいと思うんだけどナ……」

紗南「大丈夫、3人いるしこんなのクリアしたも当然だよ!」

雪美「……とりあえず……やってみる……」

「りょーかい、まずはどれから始める?」

紗南「まずはコレ! 新作のアクションゲーム!」

雪美「……むずかしそう……」

「へぇー、アタシ、最近はゲームってしてないけどこんなんあるんだね」

紗南「有名なゲームの続編だよ、あたしはこれ前作もちゃんとプレイ済みなんだ!」

「一人用のもいっぱいあるけど、どうすんの?」

雪美「……紗南の……お仕事……だから……」

「そっか、アタシとゆきみんは多人数で出来る奴だけ参戦なんだね」

紗南「大丈夫、1人用でもすぐにコンプリートしちゃうよ!」

雪美「……私……感想…かくの……?」

紗南「うん、雪美ちゃんと柚さんも思った事どんどん書いていってね!」

「ま、今日は紗南チャンの家に泊まりだしボチボチ行こっかっ!」

386 : VIPに... - 2013/07/16 01:09:20.47 zRrkLhdAo 187/210


翌日……

1.スーパーアイドルファイターズ

  三好紗南:面白かった!

  喜多見柚:何か攻撃を喰らうと反射的に痛いって言っちゃうねっ!

  佐城雪美:……指が……痛い……

2.アイドルクエスト7

  三好紗南:やり込み要素バッチリ!

  喜多見柚:寝てたからあんまりよくわかんないかな

  佐城雪美:……紗南……ずっと…戦ってた……

3.アイドルレース3

  三好紗南:雪美ちゃんが異常なまでに早かった!

  喜多見柚:主人公の絵が雑すぎてレースどころじゃ無かった

  佐城雪美:……車よい……した……


雪美紗南「…………」

「これで本当に出さないといけないのかナ……」

雪美「……みんな……本当に…ひとこと……」

紗南「ゆ、柚さんはゲームの感想が少ない……」

「ア、アタシも感想書いたりするのは得意じゃないよっ!」

雪美「……どう…しよう……」

紗南「とりあえずこれで一旦提出するしかないかなぁ……」

「大丈夫なのかな?」

紗南「ま、まぁ……プロデューサーさんが一回見てくれるって言ってたから」

雪美「……それなら…安心……」

-----------

P「あぁ、それであいつ頭抱えてたのか……」

雪美「……P……知ってるの……?」

P「あぁ、その後に相談されてさ、俺と2人でゲームして俺も感想を書かされたんだよ」

雪美「……どんなの……?」

P「えっと確か……これだったっけな」 ガサゴソ

1.スーパーアイドルファイターズ

 :すっごくリアルに格闘してる感じが味わえる!
   必殺技もなんかこう『ドッカーン!』って感じ!

雪美「…………」

P「……ん? 何で黙ってるんだ、雪美?」

391 : VIPに... - 2013/07/17 00:21:27.74 0om3Ny6bo 188/210


―――――――――――――――――――

ザァァァァ

雪美「……あう……」

沢田麻理菜「んー! 海、サイコー!」

真鍋いつき「えへへ、はしゃいじゃいます!」

麻理菜「お仕事で来たのにサーフィンまで楽しめちゃうなんてね」

雪美「……サーフィン……むずかしい……」

麻理菜「あら、雪美ちゃんもまだまだこれからよ、波に乗れるようになるとすっごく楽しいんだから!」

いつき「雪美ちゃんもしばらくは私と一緒に浅い所で練習ですね!」

雪美「……うん……」

麻理菜「それにしても、やっとみんなにお姉さんのサーファー姿を見せられるわ」

麻理菜「華麗に波を乗りこなす姿を見せて夢中にさせちゃうぞ♪」

雪美「……麻理菜……すごい……」

いつき「麻理菜さんは普段からやってるって言ってましたからね」

麻理菜「さて、私はもう充分楽しんだし、雪美ちゃん達にコーチしてあげようかな」

いつき「ホントですか? よかったぁー、私も説明は聞いてたんですけどイマイチ上手く出来なくって……」

雪美「……私…も……」

麻理菜「ま、一回講習受けたくらいじゃ上手くいかない事もあるわよね。感覚で覚える所も多いし」

雪美「……さっきから……おし…もどされる……」

麻理菜「それでいいのよ、最初は流されてでもタイミングや感覚を掴むのが大事よ♪」

392 : VIPに... - 2013/07/17 00:22:48.70 0om3Ny6bo 189/210


雪美「……よいしょ……」 バシャバシャ

麻理菜「そうそう、まずは手を使って移動しながら……」

ザァァァー

雪美「……ただいま……」

いつき「あ、あははっ……雪美ちゃんは波が来ると戻ってきちゃいますね」

麻理菜「そうね、それならある程度の所まで私達で運んであげよっか」

雪美「……うん……おねがい……」

いつき「よぉーし、じゃあ超特急で移動しちゃいますね!」

麻理菜「雪美ちゃん、しっかりとバランスを取ってね」

雪美「……どんな……感じ……?」

いつき「落っこちても私達がいますから雪美ちゃんのやりやすいようにしていれば大丈夫ですよ!」

雪美「……じゃあ……これで……」

麻理菜「あら、正座で良いの?」

雪美「……うん……落ち着く……から……」

ザァァァァ

いつき「あっ、波が来ましたよ!」

雪美「……がんばる……」

麻理菜「よしっ、じゃあ波に合わせて立ち上がってみて!」

雪美「……足……しびれた……」

麻理菜「えっ!?」

ザァァァァ

雪美「…………」

いつき「……雪美ちゃん、正座したまま砂浜の方に行っちゃいましたね」

麻理菜「っていうか、足痺れるの早いわね……」

-----------

雪美「……サーフィン……むずかしい……」

P「サーフィンね、俺もやってみたいんだけどな」

雪美「……P…は……やったこと……ない……?」

P「ははっ、波に乗るのは芸能界の荒波だけで充分だよ」

雪美「……丘……サーファー……?」

P「よ、よく知ってるな……」

394 : VIPに... - 2013/07/17 00:24:20.47 0om3Ny6bo 190/210


―――――――――――――――――――

小日向美穂「わぁっ! 凄く綺麗な泉ですね!」

間中美里「ここ、すごく憧れてたんだぁ。お仕事でホントに来れちゃうなんてすごいねぇ」

雪美「……ここ……なんて…言うの……?」

美里「トレヴィの泉って言うんだよぉ、映画にも出てた有名な所なの」

美穂「あっ、それわたしも見ました! 後ろ向きにコインを投げると願いが叶うんですよね?」

美里「そうだねぇ、この泉にコインを2枚投げると、ずっと一緒にいられるんだって」

雪美「…………!」 ピクン

美穂「ど、どうしたの? 雪美ちゃん」

雪美「……コイン……投げる……」

美里「うふふ、雪美ちゃんも好きだねぇ。はい、コインをどうぞ」

雪美「……うん……」

美穂「が、頑張ってね!」

雪美「…………!」 ポイッ

ヒュルルルルル

美里「そ、そんなに力いっぱい投げなくても大丈夫だよぉ」

美穂「あれ? コインはどこにいったんだろう?」

コツン コツン

雪美「……痛い……」

美穂「ゆ、雪美ちゃん!? 大丈夫?」

美里「雪美ちゃんの頭の上に落ちてきちゃったねぇ……」

395 : VIPに... - 2013/07/17 00:26:32.23 0om3Ny6bo 191/210


雪美「……大きな……顔……」

美穂「これが有名な真実の口なんですね!」

美里「ここも来たかったんだぁ、色んなところに行けて楽しすぎちゃうよぉ♪」

雪美「……みんな……口に……手…入れてる……」

美里「そうそう、ここにも言い伝えがあるんだよぉ」

美穂「あっ、それってう、うそつきは手が抜けなくなるって……」

美里「そうだよぉ、かじられちゃうとも言われてるみたいだけどねぇ」

美穂「よしっ、次はわたしがが、頑張ってみます!」

雪美「……美穂……がんばって……」

美穂「えいっ!」 ズボッ

美里「どう、手は噛まれてないかなぁ?」

美穂「えへへ、大丈夫みたいでした!」 スポッ

雪美「……じゃあ……私…も……」

美里「雪美ちゃんもチャレンジャーだねぇ、じゃあ持ち上げてあげるよぉ」

雪美「……うん……」

ズボッ

雪美「…………!」

美穂「ど、どうしたの、雪美ちゃん?」

雪美「……抜けない……」

美里「えっ? ほ、ホントにぃ?」

雪美「……うん……」

美穂「あわわ……ど、どうしましょう?」

美里「……雪美ちゃん、手を横にしたら抜けるんじゃないかなぁ?」

雪美「……ぬけた……」 スポッ

美穂「よ、よかったぁ……」

美里「でも、なんで手を縦にしちゃったのぉ?」

雪美「……奥に…あった…コイン……取れると…思って……」

-----------

P「ローマの休日か、イタリアツアーは観光地が多くて楽しかったな」

雪美「……ローマの…休日……って…なに……?」

P「映画だよ、ベスパっていうバイクで2人乗りして走るシーンとか有名だな」

雪美「……それなら……私と…P…も……やった……」

P「えっ? そんなことやったっけ?」

雪美「……この前……お仕事……遅れそうに…なった……時……」

P「……あぁ、車が故障しててママチャリで雪美を運んだ時か」

雪美「……P……との…休日……」

P(ヘルメットはともかく、チャイルドシートに乗ってチャリンコで移動するローマの休日ってのもなぁ……)

397 : VIPに... - 2013/07/17 00:59:51.57 0om3Ny6bo 192/210


―――――――――――――――――――

小早川紗枝「はい、こうやるとカニになるんどすえ」

雪美「……紗枝……上手……」 パチパチ

紗枝「うちが知っとる折り紙の折り方はこれくらいどすなぁ」

雪美「……いっぱい……できた……」

紗枝「ふふっ、子供のころはようやってたんですけど覚えてて良かったわぁ」

雪美「……紗枝……他にも……なにか……あるの……?」

紗枝「えぇ、折り紙以外にもおはじきやら色々やっとったさかい」

雪美「……教えて……」

紗枝「かまいまへんえ、今日は時間もあるしゆっくり遊びましょか」

雪美「……うん……」

紗枝「えっと、確かうちの荷物に色々入れてあったと思うんやけど……」

ガサゴソ

雪美「……このボール……なに……?」

紗枝「これは手毬どすなぁ、こうやって手でついて遊ぶんどすえ」 ポンポン

雪美「……ビー玉…も……ある……」

紗枝「びー玉は指ではじいて、作った円の中からはじき出して遊ぶんどす」 ピンッ

雪美「……草……どうするの……?」

紗枝「この草は草笛のためのどすなぁ、ほらっこうやって……」 ピ-!

雪美「……長い……紐……」

紗枝「あら、雪美ちゃんやったら知ってると思うたんどすけど……」

紗枝「これはごむとびのための紐どすえ、こうやって紐を張ってその上を飛ぶんどす」 ピョンピョン

雪美「……こっちの……短い…紐…は……?」

紗枝「ふふっ、こっちの紐はあやとり言うてこうやると……ほら、ほうきに見えますやろ?」

雪美「……紗枝……聞いて……いい……?」

紗枝「どないしはりましたん?」

雪美「……どうして……こんなに……遊び…道具……あるの……?」

紗枝「…………」

雪美「……なんで……目…そらすの……?」

-----------

P「いつも持ち歩いてるのってそんなのが入ってたのか……」

雪美「……P……も…見た事……ない…?」

P「あぁ、流石に人の荷物の中身は聞けないからな。どこからともなく持ってくる遊び道具の謎が解けたよ」

雪美「……私…も……紗枝…みたいに……持ち歩く……」

P「何か持ち歩くようにしたのか?」

雪美「……これ……」 ドンッ

P「チェス盤って雪美はチェスなんて出来たのか?」

雪美「……わりと……できる……」

P「わりとってなんだ……」

399 : VIPに... - 2013/07/17 01:42:31.54 0om3Ny6bo 193/210


―――――――――――――――――――

雪美「……くしゅん……!」

栗原ネネ「あっ、雪美ちゃん。風邪ですか?」

雪美「……わからない……」

ネネ「……ちょっと待ってて下さいね」

雪美「…………」

ネネ「はい、ジンジャーティーです。身体があったまりますよ」

雪美「……ありがと……」

ネネ「季節の変わり目で体調を崩しやすいから気を付けて下さいね」

雪美「……ネネは……風邪…ひいたり……しないの……?」

ネネ「えっ? そうですね、ここ数年病気とは無縁ですね」

雪美「……すごい……」

ネネ「凄くなんかないですよ……」

雪美「……どう…したの……?」

ネネ「……何でもないです。ちょっと雪美ちゃんが妹に似てるなって」

雪美「……妹……」

ネネ「うん、雪美ちゃんと同い年くらいの妹がいるんですよ」

雪美「……そう……なの……」

ネネ「妹はちょっと身体が弱くて、よく風邪をひいたりするんです」

ネネ「そんな時はよくこうやってジンジャーティーを入れてあげてるんですよ」

雪美「…………」

ネネ「そんな事くらいしか、私にはできないから……」

雪美「……ネネ……」

ネネ「?」

雪美「……大丈夫……ちゃんと……伝わってる…から……」

ネネ「雪美ちゃん……どういうこと?」

400 : VIPに... - 2013/07/17 01:43:25.10 0om3Ny6bo 194/210


数日後…… LIVE会場

ネネ(今日のLIVE、あの子はちゃんと見ていてくれるかな……)

雪美「……ネネ……」

ネネ「雪美ちゃん? どうしてここに……」

雪美「……P…に……連れてきて…もらった……」

ネネ「そうなんですか、応援に来てくれたんですか?」

雪美「……うん……」

ネネ「ふふっ、ありがとう。今日のソロLIVEもしっかり頑張ってきますね!」

雪美「……ネネ……これ……」

ネネ「えっ? 手紙……ですか?」

雪美「……○○病院……から……預かって…きた……」

ネネ「!?」

雪美「……ちゃんと……見てる…って……」

ネネ「どうしてそれを……」

雪美「……私……ネネの…妹……友達に……なったから……」

ネネ「…………」

雪美「……がんばって……応援…してる……」

ネネ「……はいっ! 元気いっぱい頑張ってきますね!」

-----------

P「ははっ、雪美もニクい事するね」

雪美「……P…も……協力……して…くれた……」

P「ま、そういう理由なら協力しないわけにもいかないだろう」

雪美「……ありがと……ネネ…喜んでた……」

P「それにしても、雪美のおせっかいもなかなかのもんだな」

雪美「……したら…だめ……?」

P「……いや、やっぱり雪美のプロデューサーで良かったと思ってるよ」

409 : VIPに... - 2013/07/19 00:45:26.82 qseeq4aWo 195/210


―――――――――――――――――――

八神マキノ「ふむ……」

雪美「…………」

マキノ「雪美、そこにいるのはわかっているわ。私に何か用?」

雪美「……何……してるの……?」

マキノ「……ライバルプロダクションの事を少し調査しているの」

雪美「……そう……LIVEバトル……勝ち…たいの……?」

マキノ「そうよ、雪美は理解が早くて助かるわ」

雪美「……でも……マキノ…LIVE……初めて……」

マキノ「それは論理的に考えたこと……?」

雪美「……ろんり……てき……?」

マキノ「そう、私は勝つために今こうやって調べているの」

マキノ「当日は貴方も一緒にいてくれる。なら、負ける道理は無いでしょう?」

雪美「……むずかしい……」

マキノ「これでも、雪美の事は信頼してるっていうこと」

雪美「…………」

マキノ「貴方が私の事を信頼しているのは理解してるわ。ならば、私も応えてあげるのが義理でしょ」

雪美「……うん……がんばろ……」

マキノ「特に心配する事はないわ。何事もスマートでなければね」

雪美「……明日は……大丈夫……心強い…味方……いるから……」

マキノ「雪美がそう言うならきっと何かあるのね……」

410 : VIPに... - 2013/07/19 00:46:18.97 qseeq4aWo 196/210


そして…… LIVEバトル会場

上条春菜「猫型眼鏡を初お披露目ですね!」 スチャッ

雪美「……うん……」 スチャッ

マキノ「これが……LIVE……? 想像外ね」 スチャッ

春菜「どうですか、今日のために二人に用意してきた眼鏡は?」

雪美「……今度は……はずれない……」

マキノ「春菜、伊達眼鏡というのは非論理的な存在ではないの?」

春菜「んー? マキノちゃんは変な事を聞くんですね?」

マキノ「目の悪くない雪美まで眼鏡をかけるなんて必要性を感じないわ」

雪美「……でも……今度のは…クラクラ……しない……」

春菜「ふふふ、これは布教しがいがありますね……!」

マキノ「布教?」

春菜「あっ、こっちの話ですよ?」

雪美「……春菜……なんで…今回も……眼鏡…かけるの……?」

春菜「なぜ眼鏡がいいかって? 花が美しいのに理由はありませんよ!」

マキノ「ふむ……そうきたか……なるほど」

雪美「…………」

春菜「いくよっ!眼鏡ぱわーっ!」

タッタッタッタッタッ

マキノ「雪美」

雪美「…………?」

マキノ「アイドル……未知の存在だわ」

雪美「……そう……」

-----------

P「論理的にね、難しい事言うもんだな」

雪美「……P……ろんりてき…って……なに……?」

P「ん? そうだな、何かをする時に納得のいく理由があるって事だよ」

雪美「……りゆう……」

P「例えば……明日行く所は遠いから車で行こう、みたいな?」

雪美「……私なら……P…と……一緒に…いく……」

P「それは雪美的思考って感じだな」

412 : VIPに... - 2013/07/19 01:09:52.56 qseeq4aWo 197/210


―――――――――――――――――――

ガチャッ

雪美「…………」

冴島清美「そこのあなた! ここは部外者立入禁止ですよ!」

雪美「……私……ここに……用事…ある……」

清美「あ、そうなんですか。もしかしてアイドル?」

雪美「……うん……佐城…雪美……あなた…は……?」

清美「私は風紀委員の冴島清美です!」

雪美「……ふうき……いいん……?」

清美「ただの風紀委員じゃないです。超☆風紀委員です!偉いんです!」

雪美「……そう……」

清美「私が来たからにはこれからはビシビシっといきますよっ!」

雪美「……でも……うちは…そういうの……なかった……」

清美「そうですね……なぜうちのプロダクションには風紀守る部が設置されていないんでしょうね?」

雪美「……その……うでに……ついてるの…は……?」

清美「腕章、手作りですがそれが何か?」

雪美「……手作り……」

清美「誰かがやらなければいけないことです! 私は誇りに思います!」

雪美「…………」

清美「雪美ちゃん、このプロダクションで風紀の乱れている所はありますか?」

雪美「……別に……早苗…いるから……」

清美「早苗? その人は何かあるんですか?」

雪美「……うん……警察…だった……」

清美「な、なんですって!? 雪美ちゃん! 私達も風紀を守るために負けていられませんよ!」

雪美「……私……まだ…入ってない……」

413 : VIPに... - 2013/07/19 01:11:03.52 qseeq4aWo 198/210


ガサゴソ

清美「……とりあえず、雪美ちゃんもこれを付けていて下さい」

雪美「……これ……なんて…読むの……?」

清美「『超☆風紀委員』です。 あっ、『超☆アイドル』もありますよ?」

雪美「……じゃあ……ちょう☆アイドル…で……」

清美「はい、どうぞ! じゃあ次は眼鏡ですね」

雪美「……私……目…悪くない……」

清美「あ、メガネは伊達です。形からです」

雪美「……わかった……」 スチャッ

清美「これで雪美ちゃんも立派な風紀委員ですね! これからは共にがんばりましょう!」

雪美「……うん……」

清美「いやぁー、風紀が守られた社会はとても美しいですね!」

雪美「……清美……」

清美「どうしたんですか?」

雪美「……私……何…すれば……良い……?」

清美「ふむ、例えばプロダクションを綺麗にするとか?」

雪美「……みんな……やってる……」

清美「む、じゃあ寄り道はしないとか?」

雪美「……帰り……送って…もらってる……」

清美「ふむ……問題無さそうですね。アイドルは清く美しく、ですよっ!」

雪美「……じゃあ……私達……なに…するの……?」

清美「しばらくは様子見ですかね……」

雪美「……ふうき…って……たいへん……」

-----------

P「ははっ、こりゃまた厳しい子が入ったもんだな」

雪美「……これ……また…つけとく……」

P「腕章? あぁ、お手製のやつか」

雪美「……ふうき……いいん…の……証…だって……」

P「風紀委員ね、雪美に言われたら大抵の人は聞くだろうし案外あってるかもな」

雪美「……P……最近…お酒……飲み…すぎ……」

P「おいおい、嫁さんみたいな事言うんだな……」

417 : VIPに... - 2013/07/19 02:15:26.40 qseeq4aWo 199/210


―――――――――――――――――――

遊佐こずえ「……すぅー」

雪美「…………?」

こずえ「……ふわぁ……あなた、だぁれぇー?」

雪美「……佐城……雪美……あなたは……?」

こずえ「……こずえー……」

雪美「……アイドル……なの……?」

こずえ「こずえー……ぷろでゅーさーとー……あいどるやるぅー。 ……ふわぁ」

雪美「……そう……どこから…きたの……?」

こずえ「……こずえはねー……ここじゃないところからー……きたんだってぇ」

雪美「……ここじゃない……」

こずえ「……ぷろでゅーさーはねー……たぶんねー? こずえをつれてってくれるのー」

雪美「……そう……」

こずえ「……でも……こずえ……おにんぎょうなのー……」

雪美「…………」

こずえ「……こずえ……むずかしいことよくわからないからー……」

こずえ「ぷろでゅーさーに……めいわくかけちゃうかなー……」

雪美「……迷惑……かけたくない……?」

こずえ「うんー……こずえ、がんばりたいー……」

雪美「……じゃあ……協力する……」

こずえ「ゆきみちゃん……こずえをおてつだいしてくれるのー?」

雪美「……まかせて……」

418 : VIPに... - 2013/07/19 02:16:37.83 qseeq4aWo 200/210


雪美「……じゃあ……レッスン……がんばる……」

こずえ「こずえも……おうたのれんしゅうー……」

五十嵐響子「さぁ、はりきっていこうね!」

雪美「……じゃあ……この歌…歌おう……」

こずえ「………ふわぁ」 パラパラ

響子「うわー、いつもと違って激しい曲だから難しいね……」 パラパラ

こずえ「…………」

響子「あれ? こずえちゃん読まないの?」

こずえ「……もうおぼえちゃったよー……? つぎのはー?」

雪美「……こずえ…歌って……みて……」

こずえ「……♪~……」

響子「凄い、完璧だよ!」 パチパチ

こずえ「ゆきみちゃん、きょうこちゃん……あいどる……もっとおしえてー……? ねぇー?」

響子「こずえちゃんは凄く飲み込みが早いんだね」

雪美「……でも……こずえは……」

響子「どうしたの?」

こずえ「うー、なんだかぽかぽかして……ねむくなってきちゃったー……すぅ」

雪美「……おねむさん……」

響子「あはは……また何か凄い子が入ってきたね」

こずえ「……すぅ……すぅ」

雪美「…………」

こずえ『コズエ、オメメパッチリ!!』 パタパタ

雪美「……こうすれば……起きてる…みたい……」

響子「ふ、腹話術……雪美ちゃんも凄いね……」

-----------

P「のんびりとしてる子なんだな」

雪美「……こずえ……1人の時は……大体…寝てる……」

P「へぇー、それだけ寝れるってのもなんだか凄いもんだよ」

雪美「……あったかいと……ねむく…なる……みたい……」

P「気持ちはわかるよ、俺も暖かい日は眠気が凄いから」

雪美「……P…は……よふかし……?」

P「何で知ってるんだ……」

424 : VIPに... - 2013/07/20 04:16:34.95 bonswuebo 201/210


―――――――――――――――――――

千川ちひろ「よいしょっと……」 ドサッ

雪美「……ちひろ……これ…なに……?」

ちひろ「雪美ちゃん、これはプロデューサーさん達が注文したスタドリとかなの」

雪美「……スタドリ……」

ちひろ「えーっと、スタドリにエナドリ、後は高級かき氷かな」

雪美「……かき氷……あるの……?」

ちひろ「うん、今度のイベントで必要らしいの。変な話よね」

雪美「……美味しそう……」

ちひろ「あっ、これは……」

雪美「……どう…したの……?」

ちひろ「新製品のサンプルみたい、スタミナドリンクのイチゴ味だって」

雪美「…………!」 ピクン

ちひろ「味を変えてもそんなに意味は無いとは思うんだけど……」

雪美「……ちひろ……私…飲んで……みたい……」

ちひろ「えっ? そうね、サンプルはいっぱいあるから私達でちょっと試してみましょうか!」

雪美「……うん……」

425 : VIPに... - 2013/07/20 04:17:39.31 bonswuebo 202/210


雪美「……この…ジュースは……?」

ちひろ「これは微炭酸エナドリね。炭酸入れると数が飲めないような気がするけど……」

雪美「……P……エナドリ……美味しくないって……」

ちひろ「Pさんが? そう言えばPさんはあんまりこういうの飲まなかったわね」

雪美「……うん……」

ちひろ「今回はそんな人達にも飲んでもらえるようにって意味合いもあるみたい」

雪美「……そう…なの……」

ちひろ「そうだ、雪美ちゃん。かき氷は食べるかしら?」

雪美「……食べる……」

ちひろ「ふふっ、はいどうぞ。余ってるから私達でちょっと頂いちゃいましょう」

雪美「……美味しい……」 モグモグ

ちひろ「うーん、たまにはこういう冷たいのも良いわね」 モグモグ

雪美「……でも……これ…何に使うの……?」 モグモグ

ちひろ「今度のプロデュースに必要みたいよ」 モグモグ

雪美「……プロデュース……」

ちひろ「この前は和菓子、昔はおせちなんてのもあったわ」

雪美「……そう言えば…みりあ……いっぱい…おせち……食べたって……」

ちひろ「ホント、プロデューサーさん達のプロデュース術って謎よね……」

-----------

P「……まぁ、こればっかりは色々あるんだよ」

雪美「……なんで……かき氷…食べるの……?」

P「話しかけられたら食べるとコミュニケーションが上手くいくんだ」

雪美「……そう…なの……」

P「あぁ、俺も理由はよくわからないけど」

雪美「……お腹……いっぱいに…ならないの……?」

P「それもよくわからないけど大丈夫みたいだ」

雪美「……P…って……不思議……」

P「こればっかりは俺も自分でそう思うな……」

426 : VIPに... - 2013/07/20 04:20:56.12 bonswuebo 203/210


―――――――――――――――――――

雪美「……車…いっぱい……」

原田美世「ふふっ、Pさんも来ればよかったのにね」

雪美「……美世…は……よく来るの……?」

美世「うん、やっぱりモーターショーって興奮するよね!」

雪美「……早く……色々…見よう……」

美世「はしゃがなくても車は逃げないよ」

雪美「……でも…楽しそう……」

美世「ふふっ、雪美ちゃんはこういう所はあんまり来ないかな?」

雪美「……うん……」

美世「じゃあ、今日はいっぱい見て行くと良いよ、雪美ちゃんも車に興味を持ってくれると嬉しいな!」

雪美「……美世……車……好き……?」

美世「小さい頃に赤いスポーツカーを見て、一目で恋しちゃったんだ♪ それからはずっとこんな感じ」

雪美「……そう……」

美世「あっ、でもバイクも好きだよ。だからモーターショーは私にとっては最高の遊び場なんだ」

雪美「…………」

美世「どうしたの?」

雪美「……あれ……美世…の車に……似てる……」

美世「……あれは!」

雪美「……なにか……あるの……?」

美世「試乗、今空いているから早く行こう!!」

雪美「……美世……いそがなくても……車……にげない……」

427 : VIPに... - 2013/07/20 04:21:27.93 bonswuebo 204/210


4時間後……

美世「……も、もう一回良いかな?」

雪美「……駄目……」

美世「ゆ、雪美ちゃん! お願い、一生のお願いだから!!」

雪美「……それ…3回目……」

美世「うぅ……Pさんと同じ事言うんだね」

雪美「……行こう……」

ズルズル

美世「ひ、引っ張らないで! お願い! 後一回だけで良いから試乗させて!」

-----------

美世「うぅ……後一回だけ乗りたかったなぁ」

雪美「……美世……これ…あげる……」

美世「えっ? これって、車のサブレ?」

雪美「……うん……買った……」

美世「ふふっ、ありがとう雪美ちゃん!」

雪美「……美味しい……?」

美世「うん、でも車の形してると食べるの勿体無いね!」 モグモグ

-----------

P「美世はなかなか諦めないからなぁ」

雪美「……引きずるの……大変…だった……」

P「その後はどうしたんだ?」

雪美「……美世が……バイク…も……みたいって……」

P「へぇー、見に行ったんだ」

雪美「……遅くなるから……ちょっとだけ……」

P(ど、どっちが保護者かわからないな……)

429 : VIPに... - 2013/07/20 04:35:43.42 bonswuebo 205/210


―――――――――――――――――――

雪美「…………」

P「あれ? どうしたんだ?」

雪美「……おわり……」

P「残念、もう終わりなのか。終わってみるとあっという間だったな……」

雪美「……うん……」

P「…………」

雪美「……P……私の…顔……何か…ついてる……?」

P「……いや、別になんにも無いよ」

雪美「……P……嬉しそう……」

P「ははっ、雪美が楽しそうだからな」

雪美「……P…が……喜んでくれる…なら……私…嬉しい……」

P「……おっと、もうこんな時間なんだな」

雪美「……夕方……」

P「そろそろ雪美も帰るか? 送って行くけど?」

雪美「……うん……」

P「じゃあ、行くとするか」

雪美「…………」

P「どうしたんだ?」

雪美「……P……」

P「……あー、今日は車が無いから歩きで送ることになるけど大丈夫だよな」

雪美「……うん……!」 ニコッ

P「よしっ、行こうか」

雪美「……P……手…繋いで……」

P「ほらっ、危ないから離すなよ」 ギュッ

雪美「……大丈夫……はなさない…から……」

P「さっ、帰りに何か食べて帰りますか」

雪美「……うん……一緒に…いこ……」

432 : VIPに... - 2013/07/20 12:53:40.91 bonswuebo 206/210


―――――――――――――――――――

おまけ 数日後……

P「花火ともなると流石に混んでるか……」

雪美「浴衣……浴衣……浴衣で…お出かけ……ふふっ」

P「それにしても雪美が浴衣を着るなんて珍しい、でも似合ってるな」

雪美「これ……選んだ……。P…好きかなって……」

雪美「P……もっと……浴衣…見て……」

P「心配しなくてもちゃんと見てるよ」

雪美「……うん……ありがと……」

P「さっ、さっさと撮影終わらせて遊んで帰ろうか」

雪美「……わかった……」

P「……ふぅ、それにしても今日は少し暑いな」

雪美「…………」

P「雪美、大丈夫か?」

雪美「夏……暑い……すこし……にがて……。暑いと………ふらふら……」

P「じゃあ、ほらっ。これを食べて少し涼むと良い」

雪美「……これ……」

P「かき氷だよ、高級じゃないけど」

雪美「ふふっ……やっぱり…Pと…一緒なら……がんばれる……」

P「やっぱり夏と言えばかき氷だ」 モグモグ

雪美「……P…べろが……緑……」 モグモグ

P「メロン味だからな、雪美はイチゴ味だからあんまり変わらないか」 モグモグ

雪美「……痛い……」 キーン

P「ははっ、そんなに急いで食べたら頭が痛くなるからゆっくりな」

雪美「……そうする……」

433 : VIPに... - 2013/07/20 12:55:18.53 bonswuebo 207/210


P「そう言えば、今日はペロは連れてきてないのか?」

雪美「今日……ペロ…お留守番……本当は……一緒……よかった……」

P「なるほどね、まぁ人が多いし仕方ないか……」

雪美「……うん……ペロも…暑いの…ダメ………P…おうちに…見に……来て……」

P「そうだな、また遊びに行くよ」

雪美「……いつでも……きて……」

P「ははっ、雪美の家に行くのもこれで何回目になるだろうな」

雪美「…………」

P「ん? 急に立ち止まってどうしたんだ?」

雪美「……P……ペロ…見つけた……」

P「それは……風鈴か」

雪美「ほら…そっくり……。これ…よろこぶ……?」

P「友達が増えてペロも喜ぶんじゃないかな」

雪美「……そう……」

P「……すいませーん、この風鈴貰えますか?」

雪美「……P…買ってくれるの……?」

P「ま、記念にこれくらいは良いだろう」

ギュッ

雪美「……ありがと……ずっと…大切に……するから……」

P「ははっ、風鈴一つで大げさだよ」

雪美「……ペロ……あたらしい…友達…ふえた…ふふっ……」

434 : VIPに... - 2013/07/20 12:56:36.07 bonswuebo 208/210


ドーン ドーン ドーン

P「おっ、花火が始まったな」

雪美「…………」

P「これだけ大きいとこんなところからでもよく見えるな」

雪美「花火……どーん……大きい音…ちょっと……こわい……」

P「あぁ、あれだけでかい花火だと音も凄いな」

雪美「P…大丈夫……?」

P「俺は別に大丈夫だよ」

雪美「…………」

P「耳ふさぐほど怖い物なのか……?」

雪美「……しまった……耳…ふさぐと…Pの声……聞こえない……」

P「音も花火の良い所さ、聞いておかないともったいないぞ」

雪美「……じゃあ……Pと…一緒に……慣れる……がんばる……」

P「…………」

雪美「…………?」

P「……ほら、手を繋いでおけば怖くないだろ?」 ギュッ

雪美「……うん……」 ニコッ

P「そう言えば、雪美とこうやって花火を見るのは初めてだな」

雪美「……花火…空…きれい……大きいのも…小さいのも…みんな…キラキラ……」

P「まだ時間はあるからゆっくりして行こうか」

雪美「……私…このまま……ずっと…見てたい……」

435 : VIPに... - 2013/07/20 12:58:39.78 bonswuebo 209/210


撮影終了後……

P「お疲れさま、雪美」

雪美「……うん…大丈夫……」

P「今日はこれで終わりだから、後はゆっくり屋台でも見て帰ろうか」

雪美「……撮影……上手に…できた……」

雪美「……きれいに……花火……一緒……撮れたって……」

P「あぁ、良い感じに撮影できていたな」

雪美「……撮影……きれい……浴衣…ほめられた……」

P「新しい衣装だけど、凄く好評みたいで良かったよ」

雪美「…………」

P「ん?」

雪美「……Pも……褒める……?」

P「そうだな、今日の雪美はとっても綺麗だよ」

雪美「……P……ほめる……うん……よかった……」

P「これでまた雪美の人気もアップだな」

雪美「……P…もっと…プロデュース………いいよ……」

P「……言われなくてもそのつもりさ」

雪美「……ふふっ……これからも…ずっと…ずっと…Pと……一緒……イイ……?」

P「それなら俺も頑張って行かないとな」

雪美「……大丈夫……一緒なら……がんばれる……」

P「……がんばろうな、雪美」

雪美「……まかせて……」 ニコッ

おわり

437 : VIPに... - 2013/07/20 13:09:24.16 bonswuebo 210/210


ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございます

これでこの話は終わりです

ネタを考えるのにかなり悩んだので
短い話でオチを付けられる人って本当に凄いと思った

ちょっとハイパー10歳児になっちゃったけど
少しでも雪美を可愛いと思ってもらえる人が増えたら幸いです

このスレはHTML化依頼を出しておきます

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