1 : VIPに... - 2013/06/09 22:27:08.61 xKWCiTk9o 1/210


P「んっふっふー、この漫画面白いな」

佐城雪美「……P……」

P「どうしたんだ、雪美?」

雪美「……私…最近……色んな人に……会った……」

P「そう言えば何かしら出かけてる事が多かったな」

雪美「……うん……楽しかった……」

P「へぇー、良い事じゃないか」

雪美「……いっぱい…遊んで……貰った……」

P「良かったら聞かせてよ」

雪美「……わかった……」


3 : VIPに... - 2013/06/09 22:34:18.67 xKWCiTk9o 2/210


―――――――――――――――――――

三村かな子「みんな、準備はできましたか?」

大原みちる「あははー! いつでもおっけー!」

椎名法子「お手伝いお願いね、雪美ちゃん! チームワークでっ!」

雪美「……うん……」

かな子「じゃあ、美味しそうなケーキのレシピを見つけたのでケーキを作りましょう」

みちる「実家のお手伝いをしてるので、あたしもパン作れるんですよ!」

法子「ドーナツ作りなら任せてよっ!」

雪美「…………?」

法子「雪美ちゃん、どうしたのかな?」

雪美「……何…作るの……?」

みちる「もちろんパン! 美味しいパンはそのままでウマイ!」

かな子「えっ!? さっき、今日はケーキ作るって……」

法子「あたしはドーナツ作る気満々だったんだけど!?」

雪美「……どれか……1つ……」

みちるかな子法子「…………」

みちる「パン!」

法子「ドーナツ!」

かな子「ケーキ!」

雪美「……はい……」

かな子「どうしたの? 雪美ちゃん?」

雪美「……ドーナツの形の…パンケーキ……作れば……良いと…思う…」

みちる「…………」

かな子法子みちる「それだ!!」

-----------

P「それで納得してくれたんだ……」

雪美「……満足…してくれた……」

P「で、雪美もそれを食べたのか?」

雪美「……クッキー…美味しかった……」

P「いいね、俺は雪美のそういう所が好きだよ」

5 : VIPに... - 2013/06/09 22:38:03.28 xKWCiTk9o 3/210


―――――――――――――――――――

鷹富士茄子「みなさんとこうして参拝できるなんて、今日は良い日ですね」

雪美「……でも…人……多い……」

道明寺歌鈴「混んでますから仕方ないですよ。雪美ちゃん、はぐれないように気をつけて下さいねっ!」

雪美「……うん……」

歌鈴「ふぇっ!?」

ドテッ

茄子「だ、大丈夫ですか?」

歌鈴「いたた……ちょっとつまづいて……あれ、こんな所にお金が……」

雪美「……500円……」

茄子「幸運に恵まれたみたいですね♪」

歌鈴「えへへっ、ラッキーですけど後で交番に届けておきますね」

雪美「……前が…見えなくなってきた……」

茄子「私でも見えないですね、いつの間にこんなに人が……」

歌鈴「あわわ……茄子さん! 雪美ちゃん! 助けてー!?」

雪美「……歌鈴が…どんどん……前に……」

茄子「い、いけない! 人ごみに飲まれてるみたいですね!」

「おめでとうございます! 滑り込みであなたが1万人目の来場者です!!」

歌鈴「ふぇっ!?」

茄子「な、なんなんでしょう?」

雪美「……歌鈴…なんか……当たった…みたい……」

歌鈴「なんか、いっぱい景品もらっちゃったんですけど……」

茄子「ふふっ、おめでとうございます。良かったですね」

-----------

P「なるほど、ドジも全部ラッキーに変わるってわけか」

雪美「……あの日の…歌鈴……凄かった……」

P「幸運の女神は伊達じゃ無いな」

7 : VIPに... - 2013/06/09 22:41:35.88 xKWCiTk9o 4/210


―――――――――――――――――――

高峯のあ「なかなか良い場所ね」

神崎蘭子「魔力が足りぬ!(お腹すいた……) 」

雪美「……何……食べる……?」

のあ「私はこれにする」

雪美「……親子丼……」

のあ「卵……鶏肉……二つが合わさる事で成り立つ新たな可能性」

のあ「ご飯という存在を軸に取り巻く……1つのエレメント……」

雪美「……好きなの……?」

のあ「さぁ……私が丼物を頼むことに意味があるか」

のあ「それとも気まぐれなのか……其処に意味を見出すのは雪美、貴方次第よ」

雪美「…………?」

蘭子「魂の波動が!(ピンときました!)」

雪美「……蘭子…は…なに…?」

蘭子「無限に絡み合う運命の糸に紅蓮の魔力を!(スパゲッティーミートソースにします)」

雪美「…………」

のあ「雪美……あなたはどうするの?」

雪美「……どう……しよう……?」

蘭子「我が友雪美。黒き稲妻の大雪山などどうか?(雪美ちゃん、チョコレートサンデーとかどうかな?)」

のあ「肉と玉ねぎの……化学変化が生み出す価値が……鉄板を熱狂させる。……わかる?」

雪美「…………」

のあ「焼き肉定食よ。何故、目をそらすの?」

-----------

P「ファミレスでも色々思いつくもんなんだな」

雪美「……私…よく……わからない……」

P「心配するな、俺も今の話は雪美には少し難しいと思ったよ」

雪美「……良かった……」

9 : VIPに... - 2013/06/09 22:46:07.47 xKWCiTk9o 5/210


―――――――――――――――――――

松原早耶「…………」 カタカタ

雪美「……早耶…の……ブログ……凄い……」

早耶「あっ、雪美ちゃん。こんにちわぁ」

雪美「……毎日……書いてるの……?」

早耶「はい、もーっと多くの人に早耶を知ってもらいたいなぁって」

早耶「てへっ、ファンのみんながコメントくれたりしてぇ。とっても楽しいですよぉ☆」

雪美「……頑張って……」

大石泉「もっと多くの人に見てもらいたいならSEO対策が有効ですよ」

早耶「へっ? え、SEO……?」

雪美「……泉…それ……なに……?」

「簡単に言えば早耶さんのブログがみんなの目につくようにすることかな」

早耶「へぇー、泉ちゃんとっても物知りだねぇ」

「早耶さん、良かったら私も協力します」

雪美「……泉…こういうの……得意…だから……」

早耶「えっ、じ、じゃあお願いしちゃおうかなぁ」

「わかりました。まずはサイト構成を見直しましょう、ピンクが凄く多いので白を少し混ぜる感じで……」

「後は早耶さんのチャームポイントを前面に押し出して行きましょう」

早耶「雪美ちゃん、早耶のチャームポイントってどこかなぁ?」

雪美「……唇…とか……?」

早耶「それなら、ちょうどここに可愛くとれた写真がありますよぉ」

「じゃあ早耶さんの唇の写真をトップに貼ってと……」

早耶「うふふっ、なんだかドキドキしてきました☆」

-----------

P「あぁ、それでしばらくどこ見ても彼女のブログが目に入ったのか……」

P「でも、なんでSEO対策をやめたんだ?」

雪美「……コメント……多すぎて……処理…しきれないって……」

P「なるほど、ファンを大切にしてるだけに難しい問題ではあるな……」


11 : VIPに... - 2013/06/09 22:50:00.98 xKWCiTk9o 6/210


―――――――――――――――――――

棟方愛海「あぁー……ふれあいたいなぁー……」

雪美「……ふれあい……?」

愛海「そう……女の子のやわらかーい部分には夢が詰まってるよぉ……ふれあいたい……」

高橋礼子「何をしてるの二人とも?」

愛海「あ、礼子さんだ! うひひ、頬が緩んじゃうねぇ」

雪美「…………」

モミモミ

礼子「あら? どうしたの雪美ちゃん?」

愛海「!?」

雪美「……愛海が……夢が…詰まってる……って……」

礼子「どう? オトナの魅力、感じる?」

雪美「……よく…わからない……」 モミモミ

愛海「あっ……あっ……あぁ、やわらかそう……」

礼子「ふふっ、雪美ちゃんにはまだ早いんじゃないかしら?」

雪美「……うん…そう……思う……」 モミモミ

愛海「あ、あのあたしにもゴホウビ! ゴホウビは!?」

礼子「あなたは駄目よ、悪意があるもの」

愛海「なんなんだこの差は!」

雪美「…………?」 モミモミ

-----------

P「…………」

雪美「……P…も……したい……?」

P「あぁ、世の中に法律が無かったらやってるかもな」

雪美「……私……ので……良かったら……」

P「そうだな、また今度な」

13 : VIPに... - 2013/06/09 22:55:04.80 xKWCiTk9o 7/210


―――――――――――――――――――

雪美「……ふぁー……」

持田亜里沙「あらぁ……雪美ちゃんお疲れかしら……」

亜里沙「そうだ、少しお休みする?」

雪美「……お休み……?」

ポンポン

ウサコ「先生のお膝でお昼寝するウサー」

亜里沙「あは……どうかな?」

雪美「……うん……」

ポンポン

亜里沙雪美「?」

三船美優「…………」 ポンポン

亜里沙「あの、美優さん。どうしたんですか?」

美優「こ、こっちの…膝枕も良い感じですよ……」

雪美「……どういう…こと……?」

美優「…………」

ウサコ「美優お姉さんは雪美ちゃんに膝枕したいんだウサー」

雪美「……そう…なの……?」

美優「雪美ちゃんさえ…良ければですけど」

亜里沙「うふ、じゃあ先生はまた今度にしようかな」

雪美「……じゃあ…美優の…膝……で……寝る……」

美優「ふふっ、ゆっくりどうぞ……」

-----------

P「膝枕したいって人もいるんだな」

雪美「……P…は……私が……して…あげる……」

P「あぁ、俺が眠たくなったら頼むよ」

雪美「……任せて……」

15 : VIPに... - 2013/06/09 23:00:50.46 xKWCiTk9o 8/210


―――――――――――――――――――

『キャッツ。ここで代打を送るようです』

『マスコットキャラのねこっぴーもこの逆転のチャンスに必死に応援しています』

姫川友紀「かっ飛ばして行こーっ!」

雪美「……わくわく……」

ガチャッ ピッ!

『と思ったら華麗な3ポイントが決めた―っ!!』

愛野渚「よしっ! 間にあったね!!」

雪美「!?」

友紀「なぬっ!? 今良い所なんだから変えないでよっ!」 ピッ!

『マスコットのねこっぴー、相手選手にも敬意を忘れずお辞儀をしていますね』

「ごめん、友紀さん! 今日だけはどうしても見たい試合なんだっ!」ピッ!

『だが、いきなり牙をむいた! あの態度はフェイクだったのか!』

『凄い、相手選手を寄せ付けない素晴らしいドリブルだ!!』

友紀「だめだめ、あたしだって大事な試合なんだよっ!」 ピッ!

『さぁ、マスコットのねこっぴーも帰っていき、試合再開となります』

「そこをなんとかっ!」ピッ!

『しかし、あざ笑うかのように振り返ってダンクシュートを決めた! 巨体に見合わず凄いバネだ!!』

雪美「…………」

友紀「ぐぬぬ……」

ピッ! ピッ! ピッ! ピッ! ピッ!

『ねこっぴー』『何を思ったのか』『相手選手を』『ボコボコに』『笑顔で』『殴り倒しています』

-----------

P「テレビ一つしかないともめることって多いよな」

雪美「……ねこっぴー…凄い……」

P「雪美はどうしたんだ?」

雪美「……携帯で……見てた……」

P「……流石、雪美はたくましいな」


17 : VIPに... - 2013/06/09 23:05:18.97 xKWCiTk9o 9/210


―――――――――――――――――――

大和亜季「よし! ワレ仕事ニ成功セリ!」

雪美「……これ……何……?」

亜季「戦車のプラモ! 我ながら中々良い出来だね!」

雪美「……わからない……」

亜季「うーん、雪美殿に戦車はまだ少し早いかなぁ」

亜季「でも、これの本当に凄い所は……」

キュラ キュラ キュラ キュラ

雪美「……動いた……」

亜季「んっふっふー、こんな事もできるんだよ!」

亜季「構えーっ!」 ポンッ!

雪美「……弾が…出た……」

亜季「これを作るのにどれだけ苦労を重ねた事か……」 ポンッ! ポンッ!

雪美「……亜季…人は……乗って無いの……?」

亜季「む、私は人を作るのは苦手だからなぁ……」 キュラ キュラ キュラ

雪美「……じゃあ……これは……」

亜季「おぉ、素晴らしきかな! 軍服があるから早速着せてみよう!」

18 : VIPに... - 2013/06/09 23:06:37.18 xKWCiTk9o 10/210


数日後……

岡崎泰葉「あれ? 私のドールが一体足りない……」

雪美「…………」

泰葉「雪美ちゃん、私のドール知らないかな?」

雪美「……ここ……」

キュラ キュラ キュラ キュラ

泰葉「…………」

雪美「……こんなのも……できる……」

ポンッ! ポンッ! ポンッ!

泰葉「な、なんで軍服着てるのかな……?」

雪美「……亜季…の……趣味……」

泰葉(私のドールが……)

雪美「……泰葉も……したい……?」

泰葉「わ、私は遠慮しとくね……」

-----------

P「……その後どうなったんだ?」

雪美「……亜季と……2人で……泰葉に…怒られた……」

P「ま、そりゃそうだろうな。人の大事なものを勝手に使っちゃ駄目だぞ?」

雪美「……うん…反省……」

P「でも、戦車作るなんて器用なんだなぁ」

雪美「……泰葉の…ドールハウスの隣に……戦闘機とか……いっぱい…ある……」

P「それはかまわないのか……」

20 : VIPに... - 2013/06/09 23:13:22.37 xKWCiTk9o 11/210


―――――――――――――――――――

奥山沙織「いづまでも、いづまでも幸せにくらしましたとさ」

雪美「……良かった……」 パチパチ

沙織「ふぅ、これで全部読み終わったですけんども」

雪美「……もっと……無い……?」

沙織「んー、わだすの持ってる絵本はこれくらいしかねーですね」

雪美「……これ…事務所に……置いてあった……」

沙織「スポーツ起源異聞……聞いた事ない本ですね」

雪美「……読んで……読んで……」

沙織「わっかりました、なんか、こっぱずかしいですね」

てんがいそしんだん

 棍法術最強の流派として名高いチャク家流に伝わる最大奥義。
 この技の創始者宋家二代呉竜府(ごりゅうふ)は正確無比の打球で敵をことごとく倒したという。
 この現代でいうゴルフスイングにも酷似した打撃法は、運動力学的観点からいっても
 弾の飛距離・威力・正確さを得るために最も効果的であることが証明されている。
 ちなみにゴルフは英国発祥というのが定説であったが、
 最近では前出の創始者呉竜府(ごりゅうふ)の名前でもわかるとおり、
 中国がその起源であるという説が支配的である。

沙織雪美「…………」

ガチャッ

脇山珠美「いやー、珠美としたことが忘れ物をしてしまいました」

雪美「……あっ……」

珠美「おや、それは珠美の秘蔵の時代小説ではありませんか?」

沙織「た、珠美さんのだったんですか?」

珠美「えぇ、その本には武術の参考となる事が山ほど書いています」

珠美「他にも色々ありますよ?」

雪美「……これ……ほんと…?」

珠美「えっ、本当に決まっているではありませんか?」

沙織「け、けんども、これに書いてあることって嘘っぺーというかなんというか……」

珠美「う、嘘ちゃうし……!」

-----------

P「えっ!? いや、あれは本当だろ!?」

雪美「……みんな……うさんくさいって……」

P「嘘じゃないよ、俺も結構参考にしてるんだから」

雪美「……P…が…そういうなら……私……信じる……」

22 : VIPに... - 2013/06/09 23:17:41.97 xKWCiTk9o 12/210


―――――――――――――――――――

服部瞳子「…………」

岸部彩華「…………」

雪美「……汗…凄い……」

彩華「あ~ん、嫌だなぁ……でも、これでカワイくなれるんだから雪美ちゃんもガンバろぉ~」

雪美「……でも…なんで……岩盤浴……?」

彩華「今日はオフってコトで、あやかの大好きな岩盤浴~!」

雪美「……瞳子…は……?」

瞳子「あれだけ温泉が好きだってアピールしてるのに……」

瞳子「温泉の仕事が来ないなんて納得いかないわ!」

彩華「あやかはぁ~、どっちかって言うと岩盤浴のが好きなんだけどなぁ~」

彩華「でも、あやかも出たいし諦めないからぁ~」

瞳子「こうなったらもっともっとアピールを続けるのよ!」

雪美「……そんなに…出たい……?」

瞳子「私……こう見ても負けず嫌いなところがあるのよ……次は必ず出て見せるわ」

雪美「……少し……疲れてきた……」

彩華「あやかもちょっと涼みたいかなぁ~」

瞳子「もう結構いるし一旦上がりましょうか」


23 : VIPに... - 2013/06/09 23:18:42.29 xKWCiTk9o 13/210


屋外……

雪美「……コーヒー…牛乳……美味しい……」 ゴクゴク

彩華「お風呂上りの牛乳ってなんか意味があるんですかぁ~?」 ゴクゴク

瞳子「ま、そこは個人の好みよね。嫌いならスポーツドリンクが無難よ」 ゴクゴク

彩華「みてみてぇ~、雪美ちゃん。お肌プルプルでセクシーじゃなぁ~い?」

雪美「……私も……プルプル……」

瞳子「ふふっ、若いって良いわね……」

彩華「えーっ、瞳子さんだってぇ~。みんなにカワイイって言われるのが夢じゃないんですかぁ~?」

瞳子「……夢、か。昔デビューした頃、思い出すな……」

雪美「……夢……なにか…あったの……?」

瞳子「ふふっ、それはまた今度教えてあげるわ。湿っぽいのはサウナだけで良いわよ」

彩華「ちょっと気になるけどぉ~、もっと皆に愛されるように、一緒にがんばろぉ~ね、瞳子さん、雪美ちゃん!」

雪美「……次は…どうする…の……?」

瞳子「次はそうね、○○温泉に行きましょうか」

雪美「……うん…楽しみ……」

彩華「アゲアゲでいこぉ~!」

瞳子「さぁ、行くわよ……。これで次はゆけむり温泉の仕事をゲットよ……!!」

-----------

P「お、女の人って大変なんだな……」

雪美「……綺麗になる……努力…惜しまない……」

P「雪美もそうなの?」

雪美「……見て……わからない……?」

P「いや、ゆきみんはホントに美人だなぁ」

25 : VIPに... - 2013/06/09 23:23:47.19 xKWCiTk9o 14/210


―――――――――――――――――――

新田美波「次はどうしようかな……」

相川千夏「無難な線を攻めるなら技術試験の無いものが一番ね」

雪美「……何の……話……?」

美波「あぁ、雪美ちゃん。資格の話ですよ」

雪美「……資格……?」

千夏「雪美ちゃんにはまだ少し難しいかもね」

美波「簡単に言うとお勉強をしてテストを受けるんですよ」

雪美「……テスト……」

千夏「雪美ちゃんはお勉強はできるの?」

雪美「……ぼちぼち……」

美波「ふふっ、困った事があったら私に相談してね」

雪美「……美波…は……どんな…資格……あるの……?」

美波「んー、私はこれくらいかな……」

雪美「……わっ……凄い……」

千夏「ふふっ、美波は資格取るのが好きだからね」

雪美「……千夏…は……?」

千夏「私はほとんど……読書は好きだけどそれは勉強には繋がらないわ」

雪美「……私…も……何か欲しい……」

美波「えっ、雪美ちゃんが取れる資格かぁ……」

千夏「イイじゃない、付き合ってあげましょうよ」

美波「雪美ちゃんはどんな資格が欲しいの?」

雪美「……これ……」

きのこマイスター

千夏美波「…………」

千夏「それなら私達よりも……」

美波「とっても頼りになる先輩がいるよ……」

-----------

星輝子「フヒ……私に…何か用?」

雪美「……とりあえず…ここに行けって……言われた……」

-----------

雪美「……Pは……何か…持ってるの……?」

P「車以外は無いかなぁ」

雪美「……私……これ…買ってきた……」

P「カ、カッパ捕獲許可証!? 何に使うんだ?」

雪美「……カッパ…取る……」

P「ま、まぁそりゃそうなんだろうけどさ……」

28 : VIPに... - 2013/06/09 23:27:59.18 xKWCiTk9o 15/210


―――――――――――――――――――

ギィィィィ

星輝子「フヒヒ……ここ…私の秘密の場所……」

雪美「……ジメジメ……」

輝子「雪美は親友だから……入ってもいいよ……フヒ……」

雪美「……何が…あるの……?」

輝子「ここ……全部キノコ…だよ…わ、私が育てた…フヒヒ……」

雪美「……いっぱい……ある……」

輝子「雪美……親愛のしるしに……キノコの原木をプレゼントする……」

雪美「……ありがと……」

輝子「シイタケ……エリンギ……ブナシメジ……キノコ…いっぱいあるから……」

雪美「……ここで……何…するの……?」

輝子「……ライブの…練習……フヒ……雪美は…観客……」

雪美「……わかった……」

輝子「……じゃあ……いくよ……」

輝子「フハハハハ!! ブラァァックミサァァァッ! よくきたな……!!」

輝子「これから行われる儀式、その生贄にお前らを選んだのだ、感謝しろ!」

輝子「さぁ、ブラッディパーティーの始まりだ!!」

雪美「……おー……!」

29 : VIPに... - 2013/06/09 23:29:35.29 xKWCiTk9o 16/210


ガタッ

輝子「地獄の業火だ!……ん?今誰か……」

雪美「……誰か……いる……?」

輝子「ヒャッハー! 逃げても無駄だぜぇ!!」

森久保乃々「ひっ!?」

雪美「……乃々……」

乃々「あうぅ……あの…えっと…その…あ……」

輝子「フヒヒヒヒ……何の用だ……?」

乃々「何もしませんから、いないものと考えてくれたら……」

輝子「ノコノコやってきてビクつくのか! 乃々もこの饗宴を楽しむといい!」

輝子「……キノコパーティーだけど」

雪美「……なんで…ここに……?」

乃々「プロデューサーから……に、逃げてきて……」

乃々「ここなら見つからないし……少しの間で良いので……」

乃々「あ、あのもりくぼは半畳あれば生きていけるのでもうお構いなく……」

雪美「……でも…隠れてても……」

輝子「乃々もトモダチトモダチー……フフ……」

乃々「や、やっぱり……も、もう帰りますから……」

ガシッ

乃々「!?」

輝子「キノコ食べれば元気になる……はず」

乃々「ほんとにむーりぃー……」

雪美「……がんばって……」

-----------

P「その後は無事に帰れたのか?」

雪美「……2人で…ゴートゥーヘルって……やってた……」

P「あっ、それちょっと見たいな」

雪美「……乃々…目がおかしかった……けど……」

P「ま、まぁ……勇気を出すハードルが少し高かったな」

31 : VIPに... - 2013/06/09 23:33:51.02 xKWCiTk9o 17/210


―――――――――――――――――――

ヘレン「ごきげんよう、よくきたわね」

雪美「……凄い……大きい……」

速水奏「ふぅん……想像した以上にヘレンさんの家って凄いんだね」

ヘレン「ふふっ、これくらいで驚いていたら世界レベルにはまだまだよ」

雪美「……でも……私達…だけ……良いの……?」

「ま、今はプライベートだからいいってことで。体面と本音を使い分けられるのが大人のいい所よ♪」

ヘレン「ゆっくりしていくと良いわ、今日は新作映画の上映会だから」

雪美「……設備……凄い……」

「へぇー、専用のプロジェクターもあるんだね」

「普段は映画館ばっかりだけど……こういうのなら家で見るのも良いわね」

雪美「……奏は……どんなの…みるの……?」

「恋愛映画以外は色々かな……」

ヘレン「あら? 恋愛映画は嫌いなの?」

「こう見えて恋愛映画は苦手なの。見てて恥ずかしくなるし……」

ヘレン「大丈夫よ、今日の映画はドキュメンタリーだから」

32 : VIPに... - 2013/06/09 23:35:09.82 xKWCiTk9o 18/210

『私があなた達に世界のレベルを見せてあげる。イタリアは相応しい舞台だわ。さぁ、マイクを取りなさい』

雪美「…………」

「あの、ヘレンさん。この映画……何?」

ヘレン「感動ドキュメンタリー『世界を照らすのは……私』よ」

『ワイン、料理、フットボール。この国には世界レベルのものがたくさんある。私もそう。あなたたちはどう?』

雪美「……これ……聞いたこと…ある……」

ヘレン「この前のイタリアライブツアーをまとめたのよ」

「でも、ヘレンさんしか出てきて無いけど……」

『優秀なストライカーは、時にワガママなものよ。でもその自由奔放さがステージ上での輝きになるの!』

ヘレン「それが何か問題でも?」

「いや、こういうのは相手が出て無いのはなんか変だなって……」

ヘレン「あぁ、言われてみればそうね。忘れてたわ」

雪美「……私……全然…でてこない……」

『アドリア海から昇る朝日は美しいわ…。でも今日、それ以上にまぶしく輝くのは、この私よ!』

「……なんていうか、個性的ね」

雪美「……これ……どれくらい…あるの……?」

ヘレン「4時間よ」

『そろそろシエスタの時間よ。あなた達には泣きながら眠る姿が似合うのでは?』

「よ、4時間!?」

雪美「……長い……」

ヘレン「そう? これでも大分と短縮したんだけど……」

『イタリアの観衆は正直よ。冷めた歌には見向きもしない。ひとりのアイドルとして……勝負よ!』

ヘレン「いくら私が美しくても、斜塔を倒してしまうわけにはいかないでしょ? だから、そういうこと」

雪美「……奏…どういうこと……?」

「……知らない」

『どこからか漂ってくるオリーブの香り……。刺激的ね……。私の中に眠るリズムを目覚めさせてくれる……!』

雪美「……少し……ねむい……」

ヘレン「ふふっ、雪美にはここらへんは退屈かしら? 心配しなくても寝たら叩き起こしてあげるわ」

「…………」

『どんな祭りにも終わりはある。私とあなたのカルナバルにもね。さぁ、最後のLIVEをはじめましょう!』

ヘレン「感動的なラスト……ふっ…爽やかね……」

雪美「……よくわからないけど…凄かった……」 パチパチ

「……アイドルって本当に大変な仕事だわ。ホントに」

-----------

P「それ映画化するの?」

雪美「……無理…だった…みたい……」

P「今時、4時間はきついからなぁ……」

雪美「……でも……面白かった……」

P「雪美にも作ってあげようか?」

雪美「…………」 フルフル

34 : VIPに... - 2013/06/09 23:45:08.63 xKWCiTk9o 19/210


―――――――――――――――――――

矢口美羽「悩むぅぅー!」

雪美「……どう……したの……?」

美羽「あっ、雪美ちゃん」

雪美「……悩み…ごと……?」

美羽「うん、アイドルとしての方向性で悩みが絶えません……。可愛くか面白くか……どっちが人気に……」

雪美「…………」

美羽「雪美ちゃんはどっちが好きかな?」

雪美「……せっかくだから……面白い方……」

美羽「面白いか……わたしも1発ギャグとか考えてみようかなぁ……?」

雪美「……大丈夫……私…知ってる……」

美羽「えっ? 何かあるのかな?」

雪美「……着いてきて……」

36 : VIPに... - 2013/06/09 23:46:08.05 xKWCiTk9o 20/210


難波笑美「雪美が相談事って珍しいな、ウチにまかしときー!」

上田鈴帆「笑いなら任せんしゃい!」

美羽「…………」

笑美「で、美羽は一発ギャグが欲しいんかいな?」

雪美「……そう…みたい……」

鈴帆「しっしっし、美羽しゃんもやっとこっちに来る気になったとね」

美羽(鈴帆ちゃんと笑美さんは凄いけど……まだ心準備が……)

笑美「今はなんかギャグをもっとるん?」

美羽「うーん、まだまだトークを含めて勉強中ですね」

雪美「……そっか……」

鈴帆「とりあえず何か見せて欲しいっと!」

美羽「よしっ……じゃんっ! いっきまーす!」

美羽「あの……ガム、かむ?」

笑美雪美鈴帆「…………」

美羽「あ、あれ……スベっちゃった……あはは……次、行ってみよう!」

笑美「あかんな、仲間内ならともかくステージでやるギャグちゃうで?」

美羽「思ってたより……お笑い路線って……難しい……?」

雪美「……だと……思う……」

鈴帆「まずはウチを笑い負かせんしゃい! お客さんはもっと手ごわいっちゃよ~?」

美羽「うううどうしたら……」

笑美「まぁ、いきなりステージで笑い取れってゆうても難しいやろな」

鈴帆「こうなったらみんなで美羽しゃんが笑いを取れるように手伝うばい!」

雪美「……わかった……」

笑美「まずは誰かの背中を追いかけるのを止めることやな、参考は良いけどマネはあかん」

美羽「そっか、一番大事なのはわたしらしさ、ということですね!?」

鈴帆「次は一発ギャグやけん、美羽しゃんと言えばコレっていうのを見つけるばい」

美羽「どんなギャグがいいかな?」 カチカチ

雪美「……美羽……がんばれ……」

-----------

P「なかなか頑張ってるな、この調子ならステージでファンを笑顔にできる日も近いな」

雪美「……結局……こんな…感じ…になった…」

P「……ん? 携帯に写真とってあるのか」

雪美「……見て……」

P「……俺は何も見なかった事にするよ」

38 : VIPに... - 2013/06/09 23:53:10.71 xKWCiTk9o 21/210


―――――――――――――――――――

及川雫「はーい、みんなー。じゃあ今日は乳搾りのお手伝いお願いしますねー」

メアリー・コクラン「アタシにまかせておけばバッチリなんだから!」

雪美「……がんばる……」

「こんな可愛いお手伝いさんが来てくれて牛さんもとっても喜んでますよー」

雪美「……メアリー…こういうの……好きなの……?」

メアリー「ウフフ、雪美はわかってないわね」

雪美「…………?」

メアリー「アタシは立派なレディになるんだもん♪ こういうのもレディの嗜みの一つよ!」

「えっとー、よくわかりませんけど確かに乳搾りできる人は少ないですねー」

メアリー「シズク、今日はしっかり教えてよね。アタシと雪美は立派なレディになるんだから!」

雪美「……うん……」

「ふふっ、わかりましたー。みんなで頑張りましょうねー」

メアリー(あのダイナマイトボディの秘密は絶対ここにあるはずだワ……)

39 : VIPに... - 2013/06/09 23:53:52.35 xKWCiTk9o 22/210


「じゃあ、まず人差し指と親指で根元を挟んでー」

「こういう風に絞り出すようにしてくださいねー」

モォー

メアリー「フフン、コレくらいなら簡単だワ」

雪美「……面白い……」

「2人とも上手ですねー、筋が良いですよー」

メアリー「搾った牛乳はどうすればいいノ?」

「飲むのも良いですけど、今日はアイスクリームにしてみましょうかー」

雪美「……アイス…楽しみ……」

「じゃあ、早速運んでしまいましょうー」

40 : VIPに... - 2013/06/09 23:55:06.06 xKWCiTk9o 23/210


雪美「……冷たくて……美味しい……」

メアリー「ウフフ、自分で1からだと全然違うものね」

「そうですよ、やっぱり自分で作ったアイスは格別ですからー」

メアリー「シズク、今日は楽しかったわ、ありがとう♪」

雪美「……また……きても…良い……?」

「いつでも大歓迎ですよー」

メアリー「後はあれが無ければ完璧だったのに……」

雪美「……いつも…来てるの……?」

「んー、そうですねー。暇さえあれば大体……」

メアリー「アタシも方向性を間違えたらああなるのね……」 チラッ

愛海「うひひひ……来るべき日に向けて指の運動を……」 モミモミ

-----------

P「たくましいもんだな……」

雪美「……でも……乳搾り…楽しかった……」

P「そういうのってなかなかないもんな、良い経験になったと思うよ」

雪美「……P…も…搾りたい……?」

P「ちょっと語弊があるよな、その聞き方」

42 : VIPに... - 2013/06/10 00:00:13.77 jkNpt7Spo 24/210


―――――――――――――――――――

丹羽仁美「良いよねぇ……萌える……」

雪美「……仁美…何それ……?」

仁美「おほっ! 雪美ちゃん! 帰りに戦国ショップで慶次様のフィギュアをゲットしちゃったわけよ!」

雪美「……慶次……?」

仁美「あ、慶次ってのはマイフェイバリット武将の前田慶次様ね!」

雪美「……そうなの……」

仁美「雪美ちゃん、虎はなぜ強いと思う?」

雪美「……わからない……」

仁美「もともと強いから!……コレ慶次の名言ね! メモって!」

雪美「……うん……」 メモメモ

43 : VIPに... - 2013/06/10 00:01:56.36 jkNpt7Spo 25/210


ガチャッ

大西由里子「なかなか良い趣味してんねー」

雪美「……由里子……」

仁美「え? 由里子さんも武将萌え?」

由里子「ちょっち毛色が違うけど……仁美っちにこの本をあげる! あ、電車では読んじゃダメよ」

仁美「こ、これは……」 パラパラ

雪美「……なんの……本…?」

由里子「ゆきみんにはちーっと早いかなぁ」

仁美「慶次様の朱槍が奥村様の×××を貫いて……」 ゴクリ

雪美「……仁美…ちょっと……読んで……」

仁美「お前の城門から、大事な天守閣が丸見えだぞ?」

仁美「だがそれがいい」

雪美「……天守閣……?」

由里子「おおっ、テンション上がってきたじぇー!」

仁美「ウホッ! ゆ、由里子さん、これの続きは!?」

由里子「新刊はまだないかなぁ、でも武将系はいっぱいあるよー!」

仁美「武将の本屋巡り! いきたーい!」

由里子「おっ、わかってんねー、早速行こう!」

仁美「あやめっちもつれて行こう! あやめっちだったらこの魅力を分かってくれるはず!」

雪美「…………」

-----------

P「……あやめは何て言ってた?」

雪美「……わたくしは……ノーマルですって……」

P「ちょっと安心したよ」

雪美「……P…どういう……意味……?」

P「愛にも色々あるってことさ」

45 : VIPに... - 2013/06/10 00:06:15.53 jkNpt7Spo 26/210


―――――――――――――――――――

前川みく「にゃんにゃにゃにゃにゃにゃ♪」

雪美「…………」 ニャー ニャー

相原雪乃「猫カフェというものは始めてきましたが、こういう所でティータイムも良いものですね」

みく「雪美チャンも雪乃チャンもみくに言えばいつでも連れて行ってあげるにゃ!」

雪美「……みく…は……よく来るの……?」 ニャー ニャー

みく「ここら辺の猫カフェは全部みくの庭みたいなものにゃ」

雪乃「ふふっ、お詳しいんですね」

みく「まっかせっにゃさぁ~い!!」

雪乃「では、みなさん、お茶にあうお菓子も持ってきましたので、温かい紅茶と一緒にぜひ♪」

雪美「……この子…たちも……食べたいって……」 ニャー ニャー

みく「にゃー? 雪美チャン! 猫には猫用のクッキーがあるにゃ!」

雪乃「そのようですね、こちらは私達用ですわ」

雪美「……わかった……」 ニャー ニャー

雪乃「ふふっ、いっぱい食べて下さいね」

雪美「……美味しい……」 モグモグ

みく「…………」 モグモグ

雪乃「あら? みくさん、急に静かになってどうかされたのですか?」

みく「な、なんでもないにゃ!?」

みく(な、なに……このクッキー凄くマズイ……)

雪美「…………?」 モグモグ

みく「ゆ、雪美チャン! みくのクッキーも食べるかにゃ?」

雪美「……いらない……」 モグモグ

みく「じゃあ、雪乃チャンは?」

雪乃「私も自分の分だけで大丈夫ですわ」 モグモグ

みく「な、なんで二人とも食べ続けてるのに……みくのはいらないのかにゃ?」

雪美「……だって…それ……」 モグモグ

雪乃「猫用のクッキーですもの……」 モグモグ

みく「は、はかったな!?」

-----------

P「普段からやってると勘違いしてしまうよな……」

雪美「……みく……怒ってた……」

P「彼女は自分を曲げないからこれくらいへこたれないよ」

雪美「……そう……」

47 : VIPに... - 2013/06/10 00:10:52.25 jkNpt7Spo 27/210


―――――――――――――――――――

雪美「……みんな…気合い……入ってる……」

トレーナー「契約とは違いますけど私も頑張りますよ~!」

日野茜「今日も全力でいくぞーっ!!!」

北川真尋「すたんばーい! おっけーい!」

雪美「……みんなは…何に…でるの……?」

トレーナー「今日はトレーニングも兼ねたマラソンですね」

真尋「陸上で鍛えた成果、見せたげる!」

「なんでもどーんと来いっ!!!!」

雪美「……マラソン……?」

トレーナー「はい、種目はこんな感じです」

爽やかな汗を流そう町内マラソン大会!!

雪美「……町内……」

トレーナー「えーっと、ここから町内の色んなところを回りながら走るんですよ」

真尋「えーっ! マラソンかぁ、私短距離派だからスタミナはないんだよぉーっ!」

「ふっふっふ…!! ボンバーっ! 燃えてきましたよーっ!!」

トレーナー「雪美ちゃんも出てみますか?」

雪美「……遠慮…しとく……」 フルフル

真尋「じゃあ私が優勝もらっちゃおうかな!」

「待ちきれなくなってきました! さっそく会場に向かいましょう!!」

「元気ですかー! 元気があれば何でも出来る!! いくぞー!!!!」

真尋「全力でいっくよーっ!」

トレーナー「私も手は抜きませんよ!」

雪美「……がんばって……」

-----------

P「へぇー、マラソン大会ね。誰が優勝したんだ?」

雪美「……茜…は…まっすぐ進んで……コースアウト…で…失格……」

雪美「……真尋……は……全力疾走…して……1キロ……で…バテてた…」

雪美「……優勝は……トレーナーさん……」

P「走り方でも色々個性がでるんだな……」

雪美「……良いのかな……って…言ってた……」

P「まぁ、良いと思うけど……」

49 : VIPに... - 2013/06/10 00:15:33.41 jkNpt7Spo 28/210


―――――――――――――――――――

佐久間まゆ「そうそう、そうやって編んでいくんですよ」 チクチク

雪美「……これ……難しい……」 チクチク

まゆ「ふふっ、最初はそうですよ。編んで行くうちになれていきますから」 チクチク

まゆ「丁度、まゆも作ろうと思ってましたから一緒に頑張りましょうね」 チクチク

雪美「……がんばる……」 チクチク

まゆ「でも雪美ちゃんがマフラーを編みたいなんて意外ですね」 チクチク

雪美「……そう……?」 チクチク

まゆ「こんな思ってくれるなんて、雪美ちゃんのプロデューサーさんは幸せですね」 チクチク

雪美「……そう…だと……嬉しい……」 チクチク

ガチャッ

喜多日菜子「むふふ……お2人ともなにしてるんですかぁ?」

雪美「……日菜子……編み物…してる……」 チクチク

まゆ「雪美ちゃんがやってみたいって言うんで、2人でマフラー作ってるんですよ」 チクチク

日菜子「そうなんですか、本命の人から貰われるマフラーなんて妄想がはかどりますねぇ」

まゆ「本命……? それ以上ですよぉ♪」 チクチク

雪美「……喜んで……もらえるよう…がんばる……」 チクチク

日菜子「それにしてもまゆさんはお料理もできるし家庭的ですよねぇ」

日菜子「いつでもお嫁さんにいけるんじゃないんですかぁ?」

まゆ「うふふ……そんな、お嫁さんだなんて、まゆ恥ずかしいです」 チクチク チクチク

雪美「……まゆ…凄いから……」 チクチク

日菜子「きっと『まゆ、俺の人生もお前に編んで欲しい』なんて言われたりするんですよぉ」

まゆ「Pさんから迫られるなんて……」チクチク チクチク チクチク

雪美「…………?」 チクチク

日菜子「そのうち『まゆ、俺はお前がいないと駄目だ』なーんて」

まゆ「Pさんが……まゆを……」 チクチク チクチク チクチク チクチク チクチク チクチク

日菜子「むふふ、雪美ちゃん。どうしたんですかぁ?」

雪美「……う…ううん……」

まゆ「うふふ……ずっと……ずーっと……」 チクチク チクチク チクチク チクチク チクチク チクチク

日菜子「むふふが止まらないですね♪」

雪美「…………」

-----------

雪美「……まゆから…これ……貰った……」

P「な、ながっ!? なんでそんな長いマフラーになったんだ!?」

雪美「……まくと……こうなる……」

P「ミイラみたいだな……あったかそうだけど……」

51 : VIPに... - 2013/06/10 00:19:48.34 jkNpt7Spo 29/210


―――――――――――――――――――

輿水幸子「ボク、カワイイですよねぇ……」

雪美「…………」

幸子「ん? どうしたんですか雪美さん? ボクのカワイさに見惚れてました?」

雪美「……幸子…の……言う……カワイイ…って…なに……?」

幸子「変な事聞きますね、誰もがボクを愛してやまない。それがカワイイってことですよ」

雪美「……幸子…から……みて……カワイイって…他に…ある……?」

幸子「ボク以外でってことですか……」

雪美「……うん…知りたい……」

幸子「みなさんはなかなかだとは思いますけど……例えばホラ」

中野有香「♪~」

雪美「……有香……」

有香「雪美ちゃん? 私をジロジロ見てどうしたんですか?」

雪美「……有香…が……カワイイって……」

有香「えっ!? か、かわいいですか? 私が……」

幸子「武術ばかりに目がいってしまっていますがカワイイと思いますよ」

幸子「ま、ボクが一番ですけど」

有香「ちょっと恥ずかしいですけど、そう言われるのも悪くないかも……」

雪美「……もっと…自信を……持って…良い……」

有香「でもあたし筋肉質だし……ほらココ、こんな固いんですよ?」

幸子「フフン♪ それは可能性が詰まってるんですよ!」

有香「か、可能性……?」

雪美「……うん……有香…は……アイドルに…なって…変わった……から……」

幸子「ボク程じゃありませんが、その内に溢れる魅力がどんな人もトリコにしますよ!」

有香「は、はずかしっ!!」 バンッ!

バキャッ!!

雪美幸子「!?」

幸子(つ、机が半分に……)

雪美(……われた……)

幸子「……雪美さん。ボクは初めてカワイイという言葉に恐怖を覚えました」

雪美「……やりすぎは……よくない……」

有香「可愛いって……良いかも……えへっ」 テレテレ

-----------

P「あの自信が褒める方向に向かうとこうなるのか」

雪美「……嬉しいけど……恥ずかしい……」

P「ま、素直に受け止められる人はそうそういないわな」

雪美「……幸子……そう言う…意味では……凄い……」

53 : VIPに... - 2013/06/10 00:31:29.19 jkNpt7Spo 30/210


―――――――――――――――――――

雪美「…………」

南条光「なぁ、雪美。何か困った事は無いか?」

雪美「……別に……ない……」

「む、そうか……」

雪美「……なにか…あるの……?」

「うーん、アタシは皆に夢と希望を届けるアイドルとして頑張ってるのは良いんだが」

「なんかこう、もっとみじかの困ってる人達を助けたいと思ってたんだよ」

雪美「……意外に…みんな…ない……」

「そうなんだよ、どうしたらいいもんか」

小関麗奈「アーッハッハッハッ! 簡単な話よ、困ってないなら困らせてやればいいんだわ」

横山千佳「えーっ、駄目だよれいなちゃん。困ってる人には愛する心をあげないと!」

「そうだぞ! 困ってる人を助けるのがヒーローなのに困らせてどうするんだっ!」

麗奈「困ってる人を地道に待つなんて地味すぎんのよッ!」

麗奈「やるならもっとドーンとでかい事をやりなさいよっ!」

雪美「……ドーンと……?」

麗奈「そうね、例えば何かあったらアタシの事を思い出す程、印象付けてやるとか……」

「む、確かにヒーローは知名度も重要だな」

千佳「助けに行って、誰って聞かれたらチカちょっと泣いちゃうかも」

雪美「……それは……掛け声…みたいなの……で……登場…すればいい……」

「なるほど、雪美は頭良いな!」

千佳「でも、最初の1人はどうするの?」

麗奈「そうね、最初は誰も知らないから呼びようがないわ」

雪美「……よし……わかった……」

千佳「何か良い事思いついたの? ゆきみちゃん?」

雪美「……こうすれば…いい……」

54 : VIPに... - 2013/06/10 00:32:32.47 jkNpt7Spo 31/210


神谷奈緒「まいったなぁ……」

雪美「……奈緒…どう……したの……?」

奈緒「雪美、まぁ別に大したことじゃないんだけどちょっと困った事があったんだよ」

雪美「……困ってる……?」

奈緒「ん? ま、まぁ困ってるけど……」

雪美「……じゃあ…助けてって……言って……」

奈緒「何でそんな事言わなきゃなんないんだよ」

雪美「……いいから……」

奈緒「わ、わかったよ……えーっと、困ったなぁー助けてー」

バンッ!

奈緒「!?」

「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ! 悪を倒せとアタシを呼ぶ!」

「聞け! 悪人ども! アタシは正義の戦士、マスクドナンジョー!!」

麗奈「クイーンデビルレイナ様の登場よ! アンタをもっと困らせてるやるわ! ひれ伏しなさい!」

千佳「じゃじゃーん! お助けエンジェル、スーパーラブリーチカ! ただいま参上!」

奈緒(なんかいっぱいきたー!?)

雪美「……完璧……」 パチパチ

-----------

P「で、問題は解決したのか?」

雪美「…………」 フルフル

P「う、うん…みんな方向性が違うしな……」

雪美「……うん…みんな……意見が…バラバラ……」

61 : VIPに... - 2013/06/11 01:39:35.50 T1zYNRJao 32/210


―――――――――――――――――――

そら『はろ~☆ わたし野々村そら! 世界中にはっぴーを振りまく女の子!!』

そら『今日はお仕事でいたりあに来てるの!ってことは今日はろーまの平日☆』

そら『観光スポットもいっぱいあるし、お菓子も料理も美味しいし、はっぴー!』

男の人『はぁ~、今日もついてないなぁ~』

そら『むむむ、あそこにいる人がぶるーちーずな気分☆』

そら『ふぉるつぁ☆』 ビビビビビ

男の人『ぎゃぁぁぁ!! はっぴー!!』

そら『びばっ、いた~りあ~☆』

女の人『お化粧のノリが悪いわ……』

そら『れっつ・こんちぇると!』 ビビビビビ

女の人『いやぁぁぁ! はっぴー!!』

そら『あたしの大活躍で、イタリア中がはっぴー☆』

民衆『た、大変だ! 斜塔が倒れてくる!!』

そら『おっとぉ! 倒れそうなピサの斜塔を支えちゃうよ、がっしーん☆』

民衆『ヒィィィィ! はっぴー!!』

62 : VIPに... - 2013/06/11 01:40:59.74 T1zYNRJao 33/210


荒木比奈「あの……ホントにこんなんでいいんッスか?」

雪美「……ばっちし……」

野々村そら「いえ~っす☆ さっすが比奈!!」

比奈「はぁ……じゃあ私は〆切が近いんで自分の作業に戻るッス」

そら「ゆきみん、第2話はどうする!?」

比奈「えっ? まだ描かないといけないんスか!?」

雪美「……イタリア…らしい……もの…が良い……」

そら「いたりあといえば! まふぃあ!」

雪美「……ぴざ……」

そら「れっつばっかーの☆」

比奈「そ、そんなにこっちも余裕が無いッスよ!」

雪美「……でも…比奈……描いて…くれるから……」

比奈「こ、断れない性格なんでスよ……」

そら「じゃあじゃあ、次はぴざのいたりあんまふぃあをー」

そら「そらちんのはっぴービームではっぴーにしちゃうのだ☆」

雪美「……わくわく……」

比奈「あーっ! もうどうにでもなれッス!!」

-----------

P「もしかして、事務所に大量に置いてたやつってそれ?」

雪美「……うん……全48話……」

P「嘘っ!? 長期連載!?」

雪美「……さすがに…そらも……疲れたって…」

P「頑張った作画さんは?」

雪美「……描きながら……寝てた……」

64 : VIPに... - 2013/06/11 01:48:36.06 T1zYNRJao 34/210


―――――――――――――――――――

杉坂海「ん? 雪美、ボタン取れてるよ?」

雪美「……ほんと……」

「貸しな! せっかくの服が台無しじゃないか」

雪美「……何…するの……?」

「へへっ、まぁ見てなって……ちゃちゃっと手際よくね!」

雪美「……裁縫…できるの……?」

「こうしてよく弟たちの服も縫うんだ。あいつらやんちゃでさ……」

雪美「…………」

「なかなかの腕前でしょ?」

雪美「……うん…海……凄い……」

「ガサツなウチが裁縫なんて似合わないかな。弟たちの世話をしてたら自然と身についてさ」

雪美「……そんなこと……ない……」

「へへっ、雪美は褒めるのが上手いね……これでよしっと!」

雪美「……ありがと……」

65 : VIPに... - 2013/06/11 01:49:44.56 T1zYNRJao 35/210


川島瑞樹「ふふっ、そうよ。見た目と中身のギャップって大事よ?」

「ん? 瑞樹さん、どういうこと?」

雪美「……ギャップ……?」

瑞樹「見た目はアクティブでも実は家庭的な所もあるなんて魅力的じゃない」

「へへっ、ウチも一応、女だからさ!」

雪美「……瑞樹…は……あるの……ギャップ……?」

瑞樹「もちろんあるわよ」

「へぇー、見せてよ」

瑞樹「……アイドルミズキ、登場~♪ ぴーす☆」

雪美「…………」

瑞樹「うん、このセリフなら若い子の心もグッと掴めると思うんだけど、どうかしら?」

雪美「……予想…通り……」

瑞樹「なっ!? 見抜かれてたの!?」

「CD出した時もそれやってたしね……」

瑞樹「もうこの路線は定着しすぎてるか……難しいわね……」

「でも、無理にそういうのは探さなくてもいいと思うんだけどなぁ……」

雪美「……うん…ギャップ……ありすぎも…よくない……」

瑞樹「なるほど、原点回帰ってわけね。わかったわ」

-----------

P「まぁ、基本のスタイルを忘れない事は大事だな。雪美もそこら辺は一貫してるし」

雪美「……うん……私…そういうの……できないから……」

P「で、原点回帰って何をやる事になったんだ?」

瑞樹『フン。小娘なんかには負けないんだからっ!』

雪美「……こんな……感じ……」

P「あぁ、こうやって昔の発言聞くと大分と変わったんだな」

69 : VIPに... - 2013/06/12 00:29:46.88 9cf3WNTso 36/210


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「すみません、ただいま満室なんです……」

城ヶ崎美嘉「えー、ここも駄目かぁー……」

雪美「……お休み…だから……混んでる……」

美嘉「困ったね、せっかく二人でカラオケ行ける日なのに……」

雪美「……うん……」

美嘉「雪美ちゃん、何か良い方法ある?」

雪美「…………」 ピコン

美嘉「おっ、なになに? 何かひらめいたの?」

雪美「……良いこと……思いついた……」

美嘉「さっすが雪美ちゃんだね。へへ★」

雪美「……ついてきて……」

70 : VIPに... - 2013/06/12 00:30:42.55 9cf3WNTso 37/210


村上巴「んー? うちの家に行きたい?」

雪美「……うん……巴の…家……」

美嘉「雪美ちゃん、巴ちゃんの家とカラオケって何か関係あるの?」

「あぁ、雪美の言いたい事はよぉーわかった」

美嘉「どういうこと?」

「……親父がアイドルになった記念とか言いだしての、カラオケセットを買ってきよったんじゃ」

雪美「……凄い…ホーム……カラオケ……」

「ったく、親父の親バカにはウンザリじゃけえ」

美嘉「もしかして、そのホームカラオケで歌わせてもらって良いの?」

「まぁ、歌いたいなら好きにつこうたらええ」

美嘉「へへっ、やったね雪美ちゃん★」

雪美「……うん……」

美嘉「アタシの歌、聞かせてあげるよ★」

雪美「……楽しみ……」

「ちぃーと若いのがうるさいがかまわんかの?」

美嘉「大丈夫、ファンだと思えば! アタシは本番に強いんだから、任せてよ!」

雪美「……じゃあ…行こう……」

「仕方なぁ、行こうかの」

71 : VIPに... - 2013/06/12 00:31:55.32 9cf3WNTso 38/210


「おらぁ!! お前ら! お嬢のご友人が歌うんじゃ! 気合い入れて応援せいやぁ!!」

ウォォォォーーーーーーー!!!

美嘉「ひっ!?」

L・O・V・E ミーカ!! TO・KI・ME・KIエスカレート!!

「……家で歌うといっつもこうなんじゃ」

雪美「……凄い……応援……」

「どうじゃ、雪美も一曲歌わんか?」

雪美「……私…やっぱり……遠慮…しとく……」 フルフル

「そうか、残念じゃの」

美嘉「と、TOKIMEKIどこまでも エスカレート……」

ウォォォォーーーーーーー!!!

美嘉(ふ、ファン層がいつもと違いすぎる……)

-----------

P「ドッキリの企画みたいだな……」

雪美「……美嘉…汗……凄かった……」

P「その状況で歌えるだけでも凄いよ」

雪美「……結局……アンコールで……2時間くらい……歌ってた……」

P「アイドルって大変だよな……」

73 : VIPに... - 2013/06/12 00:39:18.64 9cf3WNTso 39/210


―――――――――――――――――――

諸星きらり「いらしゃーい☆」

雪美「……お邪魔…します……」

橘ありす「失礼します」

きらり「おっつおっつ☆ 今日はゆっくりしていってー!!」

ありす「ここが、あのきらりんルームなんですね……」

雪美「……涼しくて……気持ちいい……」

きらり「うきゃー、今日は雪美ちゃんとありすちゃんがくるからぁ」

きらり「暑くないようにきらりが涼しくしておいたにぃ☆」

ありす「あ、ありがとうございます……」

きらり「ささっ、きらりんルームにいらしゃーい☆」

きらり「二人はなにか飲みゅ?」

雪美「……うん……」

きらり「オレンジジュースにミルクにサイダー、なんでもあるにぃ☆」

ありす「大型冷蔵庫があるんですね……じゃあ、すみませんがオレンジジュース下さい」

雪美「……私…ミルク……」

きらり「うぇへへー☆ おっつおっつぱーぺき☆ きらりにおまかせねー!」

雪美「……でも…何して……遊ぶの……?」

きらり「ぬっふー☆ 雪美ちゃんにはこれー!」

雪美「……かわいい……お人形……」

ありす「お人形遊びですか、私は別にそういうのは……」

きらり「にょわー! ありすちゃんにはゲームを買ってあるにぃ! いっしょに選ぶー?」

ありす「……え? これって最近発売したやつじゃないですか?」

雪美「……他にも……いっぱい…ある……」

きらり「うぇへへ……ありすちゃんが喜ぶと思って、きらりいーっぱいお仕事してきたにぃ!」

きらり「そんでそんで、お小遣い貯めてー、買っちゃった! うきゃー☆」

ありす「そんな……良いんですか?」

きらり「うきゃー☆ ありすちゃんが喜んでくれるならオッケーい!」

ありす「は、はい……ありがとう。きらりさん」

雪美「……きらり……ありがと……」

きらり「むふむふ☆ みんなで一緒に遊ぶにぃ☆」

-----------

P「……グスッ……」

雪美「……P……泣いてるの……?」

P「ええ子や……」

雪美「……今…きらりんルーム……凄い…混んでる……」

P「彼女の願いが叶ってなによりだよ……」

82 : VIPに... - 2013/06/13 01:12:08.16 UkbNPyaAo 40/210


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東郷あい「ふぅ……こんなもんだな」

雪美「……上手……」 パチパチパチ

今井加奈「あい姉さんすごーい!」

あい「ふふっ、趣味でやってるだけだからそこまで褒められるほどではないよ」

雪美「……そんなこと…ない……」

加奈「……あのう、あい姉さん、わたしも吹けるようにいろいろ知りたいです!」

あい「習いたいか? 楽器はそう簡単なものではないが……」

雪美「……加奈…も……するの……?」

加奈「えへへっ! わたし、もっともーっと色んな事をやってみたいんです!」

あい「ふむ、ではまずは楽器に慣れる事だ」

あい「1つ1つの音がしっかり出せるようになる、当たり前だけど重要だよ」

加奈「なるほど、基本は大事ですもんね!」

雪美「……難し…そう……」

あい「他には吹き方、こういう吹奏楽器は吹き方一つで全然変わってくる」

加奈「あっ、メモ取っておこうかな……」 メモメモ

雪美「…………」 チラッ

今日は雪美ちゃんと一緒にあい姉さんにサックスを聞かせてもらった
教えてもらえるようにはなったけど、うまくなるためにはひたすら練習練習
音を出せるのが大事らしくダカダカダカダカとおさえる技術が必要

後、えーっと……そう吹き方……プップーと力強く吹くように
プップープップープップー……

あ、これちょっと楽しいかも!
そう言えば今日はクマのプップーさん録画してきたかな?
後で確認しておこう

雪美「…………」

加奈「どうしたの? 雪美ちゃん?」

雪美「……ううん……」

あい「フッ……しっかりメモしておくんだぞ」

-----------

P「メモってのは後で自分で分かれば良いしそんなもんさ」

雪美「…………」

P「ん、どうしたんだ?」

雪美「……加奈…メモ見ながら……コーヒーと……そばつゆ…間違えてた……」

P「ま、まぁ……そう言う事もあるよな……」

84 : VIPに... - 2013/06/13 01:17:05.15 UkbNPyaAo 41/210


―――――――――――――――――――

櫻井桃華「いい雰囲気ですのね。品があって、わたくしにピッタリですわ」

雪美「……外で…飲む……紅茶…美味しい……」

堀裕子「おっ、丁度良いスプーンがここに」

雪美「……スプーンが……どうか…したの……?」

桃華「それは事務所に置いてあったものですわ、別に変わったものではないと思いますけど」

裕子「まぁまぁ、見てなさいって!」

桃華「何をする気ですの……」

雪美「……わから…ない……」

裕子「ムムッ、ムーンッ!!」 グニャッ

桃華「あら? 曲がりましたわ!」

裕子「ふっふっふっ、まいった? 毎日訓練してるからっ!」

雪美「……もっと……やってみて……」

裕子「簡単簡単! こうして念じると…………ムンッ! ほら曲がった! ね? ね?」

85 : VIPに... - 2013/06/13 01:17:56.27 UkbNPyaAo 42/210


15分後……

雪美「……面白かった……」

桃華「ふふっ、では頂きましょう。くつろぎの一杯ですわ♪」

裕子「あっ、高そうなケーキだ。さっすがー!」

桃華「有名店から取り寄せたケーキですの」

雪美「……でも……どうやって……食べるの……?」

裕子「えっ? どういう……」

グニャァァ

桃華「スプーンが全部曲がってますわ……」

裕子「…………」

雪美「……裕子……戻せる……?」

裕子「ふぅ、ふぅ、待って……パワー放出しすぎちゃった。チャージしなきゃ……」

桃華「さっきまで元気そうでしたのに……」

裕子(し、しまった……そこまで考えて無かった……)

-----------

P「戻すのは専門外ってわけか……」

雪美「……でも……ちゃんと…食べれた……」

P「スプーン曲がってたのにそのまま食べたのか?」

雪美「……ううん……裕子…が……戻した……手で……」

P「力技で戻したのか……」

91 : VIPに... - 2013/06/14 01:33:59.02 +W752S1Jo 43/210


―――――――――――――――――――

楊菲菲「ユキミ、ふぇいふぇいの料理、おいしいネー?」

雪美「……うん……美味しい……」 モグモグ

菲菲「よかたヨー! まだまだ沢山あるからいっぱい食べるヨ!」

雪美「……わかった……」 モグモグ

菲菲2「ユキミ、こっちも食べるヨー!」

雪美「……ふぇいふぇいが……2人……」 モグモグ

菲菲3「こっちもいっぱい作ったヨー!」

雪美「……3人……」 モグモグ

菲菲「ユキミ! 手が止まってるヨ! ふぇいふぇいが食べさせてあげるヨ!」

雪美「……もご……もご……」

菲菲2「ささっ、遠慮せずにいっぱい食べるヨ!」

菲菲3「ユキミ育ちざかりだからいっぱい食べて大きくなるヨ!」

雪美「……もう……食べれ……」

ガバッ!

雪美「……ゆ…夢……」

バン!

菲菲「ユキミ! ふぇいふぇいが遊びにきたヨー!」

雪美「!?」 ビクッ

92 : VIPに... - 2013/06/14 01:34:58.61 +W752S1Jo 44/210


菲菲「んー、怖い夢を見たのカ……」

雪美「…………」 コクッ

菲菲「ヨシヨシ、ふぇいふぇいが来たからにはもう大丈夫ダヨ!」

雪美「……う…うん……」

菲菲「ふぇいふぇいはユキミのお姉さんネ! 困った時は何でも相談するヨ!」

雪美「……わかった……」

菲菲「ふぇいふぇいだって頼れるところ、見せちゃうヨ!」

ガチャッ

池袋晶葉「なんだ、菲菲。ここにいたのか?」

菲菲「アキハ!」

晶葉「雪美も一緒か、何をしていたんだ?」

雪美「……お話…してた……」

93 : VIPに... - 2013/06/14 01:36:31.84 +W752S1Jo 45/210


菲菲「アキハ、ふぇいふぇいに何か用カ?」

晶葉「あぁ、頼まれてた物が完成したぞ」

ドンッ!

雪美「……人形……?」

晶葉「8分の1サイズの菲菲フィギュアだ」

菲菲「凄い! ふぇいふぇいそっくりダヨ!」

雪美「……おもちゃ……ついてる……」

晶葉「そうだ、アタッチメントに中華料理と中華鍋、おたまもついてる」

菲菲「アキハありがとネ! 沢山の人に喜んでもらえるようにふぇいふぇいの人形、見てもらうヨ!」

雪美「……これ……頭に…ボタン…ついてる……」

晶葉「それを押すと喋るんだ」

菲菲「ふぇいふぇいがリクエストしたんだヨー!」

雪美「……そう……」

晶葉「ふぅ……お礼はジュースだ! 頼むぞ!」

菲菲「わかったヨー! 嬉しいデスネー!」 タッタッタッ

雪美「…………」

カチッ フェイフェイガタベサセテアゲルヨ!

カチッ エンリョセズニイッパイタベルヨ!

カチッ ソダチザカリダカライッパイタベテオオキクナルヨ!

雪美「…………」

晶葉「ん? 何をしてるんだ、雪美?」

雪美「……な…なんでも……ない……」

菲菲「アキハ! ユキミ! ジュース持ってきたヨー!」

-----------

P「なるほどね、人気が出るとそういうグッズも作っていかないとな」

雪美「…………」

P「どうした? 何か気になる事があるのか?」

雪美「……どうしても…夢が……忘れられない……」

P「雪美は菲菲を何だと思ってるんだ」

95 : VIPに... - 2013/06/14 01:38:44.00 +W752S1Jo 46/210


―――――――――――――――――――

ザァァァァァ

向井拓海「チッ! 降ってきやがったな……」

雪美「……困った……」

白菊ほたる「あの……す、すみません……!」

雪美「…………?」

拓海「なんで謝んだよ?」

ほたる「その……私のせいで……」

拓海「んなわけねーだろ、ほたる一人で雨が降るかっつーの」

雪美「……うん……もともと…雨……だし……」

ほたる「そ、そうですね……」

96 : VIPに... - 2013/06/14 01:40:16.27 +W752S1Jo 47/210


ザァァァァァ

雪美「……凄い…雨……」

拓海「あー、これは濡れずに帰んのは無理だな」

ほたる「拓海さん…そっちには……空き缶が!」

拓海「いてっ!?」 ドテッ

雪美「……拓海…泥……だらけ……」

拓海「……んだよ、こんな所に空き缶捨ててあるなんてあぶねーだろーがよ!!」

ほたる「だ、大丈夫ですか……?」

拓海「これくらいどうってことねーよ」

雪美「……拓海……不注意……」

拓海「あぁ、バイクじゃなくて助かったぜ」

ほたる「あ……雪美ちゃん…足元に水たまりが……あっ!」

雪美「…………」ドテッ

拓海「おいおい、大丈夫かよ? 泥だらけじゃねぇか」

雪美「……雨で…すべった……痛い……」

ほたる「け、ケガはない……?」

雪美「……うん……」

拓海「雪美も気をつけねーとな」


97 : VIPに... - 2013/06/14 01:40:51.59 +W752S1Jo 48/210


ほたる「すみません……すみません……!」

雪美「……どうしたの……?」

拓海「なんでさっきから謝ってばっかなんだよ」

ほたる「私がいると……みんな不幸に……」

拓海「…………」

雪美「…………」

ほたる「疫病神って思われてるんじゃ……」

拓海「……だぁッ!こまけぇこたぁイイんだよ! いつまでもウジウジしてんじゃねぇ!」

雪美「……私…ほたるといると……楽しい……」

ほたる「えっ……」

拓海「アタシはそんなこと思っちゃいねーよ、くだらねぇこと言ってんじゃねぇ」

雪美「……私も……」

ほたる「あっ……うん…うん……」

98 : VIPに... - 2013/06/14 01:49:01.77 +W752S1Jo 49/210


雪美「……ほたる…笑って……? ……元気…でるから……」

ほたる「え、笑顔……むずかしいですね……」

雪美「……笑顔は……拓海が…上手……」

拓海「笑顔? こ、こんな…感じか……? ニヤァ……」

雪美「…………」

ほたる「ふふっ……」

拓海「おい……わ、笑うなよ……」

ほたる「……行きましょう! 私、今元気が出てとっても幸せです!」 タッタッタッ

雪美「……そっち…危ない……」

拓海「お、おい! ぬかるみがあるからあぶねーぞ!」

ほたる「ふべっ!」ドテッ

ほたる「えへへっ、これくらいじゃへこたれません!」

雪美「……ほたる……元気になった……」

拓海「元気になったのは良いけどよ……一番泥だらけになっちまったな……」

-----------

雪美「……ほたる……七転び…八起き……だって…言ってた……」

P「良い人達に囲まれて彼女は幸せなんだろうな」

雪美「……P…は……不幸……?」

P「ん? 不幸じゃないけど運が悪い事が続くと気持ちはヘコむな」

雪美「……P…が……不幸…なら……私…が……幸せに…する……」

P「やだ……ゆきみんったら男前……」

101 : VIPに... - 2013/06/15 23:25:54.78 DoR4lJR2o 50/210


―――――――――――――――――――

雪美「……ラーメン……久しぶり……」

雪美「……いただき…ます……」

prrrrr……

雪美「…………」 ピッ

島村卯月『あっ、雪美ちゃん! こんにちは!』

卯月『今電話大丈夫かな?』

雪美「……うん……」

卯月『てへっ、良かったぁー』

雪美「……今日は……どう…したの……?」

卯月『えへへ! 今日は未央ちゃんとお買い物に行って来たんですよ!』

雪美「……うん……」

卯月『それで、とっても可愛いコート見つけてですね』

雪美「……買ったの……?」

卯月『買っちゃいました! 今度着て行こうかなって!』

雪美「……楽しみに……してる……」

卯月『そう言えば、お買い物してたら凛ちゃんに偶然出会ったんですよ!』

雪美「……凛…に……?」

卯月『ホント偶然ですよね! 凛ちゃんも丁度買い物に来てたみたいです!』

雪美「……そう……」

卯月『やっぱりみんなと一緒って良いですね! とっても楽しいです!』

雪美「……卯月…が……楽しそうで…良かった……」

卯月『それでそれで、買い物の途中にとっても美味しそうなケーキ屋さん見つけたんですよ!』

雪美「……ケーキ屋さん……」

卯月『はいっ! 雪美ちゃんも今度一緒に行きましょうね!』

雪美「……わかった…行く……」


102 : VIPに... - 2013/06/15 23:27:06.79 DoR4lJR2o 51/210


2時間後……

卯月『あっ、また長電話しちゃいましたね! 私、そろそろ出かけなきゃ!』

雪美「……うん…また……」

卯月『はい! また遊びに行きましょうね!』

雪美「……わかった……」 ピッ

prrrrr……

雪美「……また……電話……」 ピッ

赤城みりあ『あっ、雪美ちゃん! みりあだよーっ!』

雪美「……知ってる……」

みりあ『雪美ちゃん! 雪美ちゃん! 今度近くの神社でお祭りがあるんだよ!』

雪美「……そう…なの……?」

みりあ『うんっ! 屋台もいっぱいあるみたい!』

雪美「……楽し…そう……」

みりあ『私ね、チョコバナナ食べたいなー! 甘いの大好き♪』

雪美「……行く…つもりなの……?」

みりあ『うん、一緒に行こう?』

雪美「……でも……二人だと…危ない……」

みりあ『あうぅ……そっかー、人が多いもんね……』

雪美「……みりあ…ファン……多い……」

みりあ『お出かけしちゃいけませんってママに言われちゃうかも……』

雪美「……やっぱり……危ない…から……」

みりあ『雪美ちゃん、何か良い方法はないかなぁー?』

雪美「…………」

みりあ『どうしたの?』

雪美「……卯月…連れて……行けば良い……」

みりあ『卯月さん? なんで卯月さんなの?』

雪美「……さっき……話したから……多分…大丈夫だと……思う……」

みりあ『えへへっ、さっすが雪美ちゃん! なんだかワクワクするねー!』

雪美「……でも…みりあ……すぐ…寝る……」

みりあ『だ、大丈夫……寝ないよ! うん、大丈夫だもん……』

雪美「……そう……」

103 : VIPに... - 2013/06/15 23:27:45.07 DoR4lJR2o 52/210


2時間後……

みりあ『あ、もうこんな時間だ……えへへっ、またお喋りしちゃったね!』

雪美「……うん……」

みりあ『また、おしゃべりしようね! あっ、お祭りも楽しみにしてるね!』

雪美「……わかった……」ピッ

雪美「……ラーメン……」

デローン

雪美「……しまった……油断…した……」

-----------

P「雪美はメールはしないのか?」

雪美「……してる……」

P「そうなのか、雪美のメールは淡白だから電話派と思ってたよ」

雪美「……P…への……メールは……長い……」

P「…………」 カチャッ

佐城雪美『P、あそぼ?』

佐城雪美『今日ネコと遊んだ』

佐城雪美『P、明日のお仕事一緒に』

P(えっ!? このメール長い方だったの!?)

雪美「……どう…したの……?」

105 : VIPに... - 2013/06/15 23:29:38.87 DoR4lJR2o 53/210


―――――――――――――――――――

雪美「…………」 チャリン

土屋亜子「おっ、雪美は貯金してんの?」

雪美「……うん……お小遣い…貯めてる……」

亜子「えぇ心がけや、嫁入り前にガッツリ稼がんといかんで~」

雪美「……うん……」

亜子「ふひひ、ブタさんの貯金箱やなんてかわいいもんやな。どんくらい貯まってるの?」

雪美「……わからない……これくらい……」

亜子「!?」 ズシッ

亜子(お、おもっ!? なにこれ……)

亜子「なんでこんなに重たいん!?」

雪美「……多分……500円しか……入れない…から……」

亜子(500円でこの大きさやと200枚は入るやろうな……)

亜子(ってことは500×200で10万円か……)

雪美「……もうすぐ……20匹目……」

亜子「えっ!? に、20匹……!?」

亜子(500×200×20で200万……)

亜子「たいしたもんだね……雪美……」

雪美「……ありがと……」

106 : VIPに... - 2013/06/15 23:32:14.31 DoR4lJR2o 54/210


ガチャッ

ベテラントレーナー「雪美、朗報だぞ」

雪美「…………?」

亜子「あれ? ベテトレさん?」

ベテトレ「土屋といたのか珍しいな」

亜子「まぁ、ちょっと雑談をね。それよりどうしたん?」

ベテトレ「あぁ、今回の仕事で雪美の目標金額達成だぞ」

雪美「……そう……」

亜子「目標金額? そんなん決めてたん?」

ベテトレ「ははっ、雪美がお金の事は良く分からないと言うんでね」

ベテトレ「目標まであとどれくらいか私が計算しているんだ」

雪美「……うん……私…よくわからない……から……」

亜子「なるほどね、まぁお金の話はゆきみんにはまだ早いしな」

ベテトレ「しかし、雪美の努力には目をみはるものがある。見てるだけでも楽しいな!」

亜子「雪美はなんで貯金しようと思ったん?」

雪美「……ひみつ……」

ベテトレ「……うむ、今回もなかなかいい結果じゃないか」

雪美「……いま……どれくらい……?」

ベテトレ「現在は…………円だ! また次の目標を決めないとな!」

亜子「はぁ!?」

雪美「……やった……」

ベテトレ「ははっ、雪美は無欲だからどんどん貯まるな!」

亜子(ゆきみん……恐ろしい子……)

-----------

P「あの貯金箱もそんなに貯まったのか」

雪美「……うん……ブタさん…19号……」

P「また、新しいの買ってきてあげるよ」

雪美「……ありがと……」

P「そう言えばなんでそんなに貯金してるんだ?」

雪美「……Pが……お金に……困った時…に……」

P「……気持ちは嬉しいんだけど、雪美にそこまで心配はかけれないよ」

108 : VIPに... - 2013/06/16 01:55:32.10 QESoX0SGo 55/210


―――――――――――――――――――

ミーン ミーン ミーン ミーン

雪美「…………」

伊集院惠「雪美、何をしているの?」

雪美「……あの子……ずっと…あそこに……いる……」

「セミ……羽が欠けてるわね」

雪美「……うん……飛べないの……?」

「どうかしら? 虫の気持ちはわからないわ」

雪美「……そう……」

「ここでずっと見ているつもり?」

雪美「……うん……飛べるように…なるまで……」

「気の長い話ね……」

ミーン ミーン ミーン ミーン

雪美「……惠は……セミ…いっぱい……みたの……?」

「そうね、旅先では嫌と言うほど見るわ」

雪美「……旅……?」

「私、旅が好きなの。新しい土地に行って、見たことない物見て」

「新鮮な景色を見ると、なんだか自分が自分じゃないみたいな」

雪美「……よく…わからない……」

「雪美にはまだ少し早いかしら」

109 : VIPに... - 2013/06/16 01:56:06.24 QESoX0SGo 56/210


2日後……

ミーン ミーン ミーン ミーン

「……まだ、ここにいたのね」

雪美「……うん……羽が…欠けてるから……わかる……」

「あの様子だと飛んでなさそうね」

雪美「……うん……」

「はい、ツインソーダアイス買ってきたわ。食べる?」

雪美「……食べる……」

「美味しいわね……」 モグモグ

雪美「……ソーダアイス…好きなの……?」 モグモグ

「えぇ、暑い日にはよく食べるわ」

雪美「…………」

110 : VIPに... - 2013/06/16 01:56:40.03 QESoX0SGo 57/210


1時間後……

ミーン ミーン ミーン ミーン

「全然変化がないわね」

雪美「……私…お仕事……だから…戻る……」

「そう、じゃあ続きは私が見ておいてあげるわ」

雪美「……お願い……」

「気をつけてね」

雪美「……うん……」

111 : VIPに... - 2013/06/16 01:58:01.30 QESoX0SGo 58/210


雪美「…………」

(よく見るけど不思議な子ね……)

ブゥゥゥゥン!

(車!?)

「雪美! 車が来ていて危ないわよ!」

雪美「…………」

(気づいてない!?)

ブブブブブブ! ピタッ!

雪美「……痛い……」

「えっ……」

(よ、良かった……セミに気を取られて止まってくれた……)

タッタッタッタッ

雪美「……惠…この子……飛んだ……」

「わざわざ戻って来なくても私も見てたわよ……」

「それにしてもセミに助けられるなんてあなた本当に珍しい子ね……」

雪美「……でも…ちょっと……痛い……」

「いつまでも頭にひっつけてないで木に戻してあげましょうか」

ブブブブブブ!

雪美「…………」

「……その心配もなかったようね、もう自由に飛んでいるわ」

雪美「……うん……」

112 : VIPに... - 2013/06/16 01:59:31.81 QESoX0SGo 59/210


一週間後……

セミ「…………」

雪美「…………」

「…………」

雪美「……惠……この子…動かない……」

「セミの一生は一週間と言われてるわ、本当はもっと生きるみたいだけど」

雪美「……一生……?」

「……その子はもう前みたいに鳴けなくなったのよ。死んじゃったから」

雪美「……死……?」

「えぇ、もう会えないわ」

雪美「…………」

「泣いても良いのよ?」

雪美「……私…泣かない……この子…頑張ったから……褒める……」

「……お墓……作ってあげましょうか」

雪美「……うん……」

「本当はね、こういうのは自然のままにしておいてあげるのが一番だと思う」

「でもね、今回だけは私も見知った相手だから特別にね」

雪美「……今日の…惠……よく…喋る……」

「そうね、自分でもそう思うわ」

雪美「……私…お墓……作る……」

「雪美がそうしてくれるなら、きっと喜ぶと思うわ」

雪美「……惠…この子……どこに行くの……?」

「旅に出たのよ、遠い旅にね……」

雪美「……惠の…話……難しい……」

「今回はわざとよ……」

-----------

P「…………」

雪美「……P…どうしたの……?」

P「なんでもないよ、今日は少し暑いな」

雪美「……うん…あの日と……よく似てる……」

P「そっか……」

ミーン ミーン ミーン ミーン

114 : VIPに... - 2013/06/16 02:33:15.94 QESoX0SGo 60/210


―――――――――――――――――――

市原仁奈「こっちの方が近道でごぜーますよ!」

雪美「……川の……上……?」

仁奈「ここは仁奈達でも充分渡れるですよ!」

雪美「……わかった……」

-----------

仁奈「ここをジャンプして超えればあそこのイヌには気づかれねーです!」

雪美「……飛ぶの……?」

ピョン

仁奈「雪美も早く飛びやがってください! 早くするですよ!」

雪美「……うん……」

-----------

仁奈「ちょっと人が多いけど頑張って抜けるでごぜーますよ!」

雪美「……迷い…そう……」

仁奈「事務所まであと少しでごぜーます! 雪美、頑張るですよ!」

雪美「……がんばる……」

-----------

「おっ、ニナちゃん! 今日も買い物かい?」

仁奈「ここのおじさんはいつもコロッケをおまけしてくれるですよ!」 モグモグ

雪美「……コロッケ…美味しい……」 モグモグ

115 : VIPに... - 2013/06/16 02:34:01.09 QESoX0SGo 61/210


雪美「……荒れ狂う…大海原を……渡って……」

氏家むつみ「おぉ、ドキドキですね!」

雪美「……凄い…高さの崖を……飛び越えた……」

むつみ「…………」 ゴクリ

雪美「……その後…大勢の……海賊の中を…走りぬけて……」

むつみ「海賊って……アドベンチャーですね」

雪美「……金色に輝く……お宝を…手に……入れた……」

むつみ「お宝! ゆ、雪美ちゃん! その冒険はどこで!?」

雪美「……仁奈…に……ついて行った……」

むつみ「仁奈ちゃん!? 早速私も連れて行ってもらいます!」

タッタッタッタッ バタン!

雪美「…………」

-----------

P「見る角度を変えれば確かにそうなるよな……」

雪美「……むつみ……はしゃいで…た……」

P「へぇー、大冒険の感想は?」

雪美「……とっても…素敵……だったって……」

P「あぁ、彼女も想像力豊かだからな」

118 : VIPに... - 2013/06/16 03:22:28.51 QESoX0SGo 62/210


―――――――――――――――――――

スカッ

雪美「…………」

早坂美玲「ちがうだろ! もっと右だ!」

柳瀬美由紀「えーっ! 違うよ、美玲ちゃん。雪美ちゃんはみゆきのくまさんを狙ったんだよ」

美玲「ウチはクマじゃなくてネコが欲しいんだ!」

雪美「……なんで…私……?」

美由紀「みゆき、北海道に居た頃からこういうところ行った事ないから」

美玲「ウチもクレーンゲームは得意じゃないからな」

雪美「……そう……」

美由紀「えへへっ、それにしても美玲ちゃんもカワイイ人形が欲しいんだね!」

雪美「……美玲…ぬいぐるみ……好きだから……」

美玲「な、なんだよ……ウチを珍しい物でも見るような目でみやがって……」

雪美「……そんなこと……ない……」

美由紀「そうだよねー、雪美ちゃん?」

美玲「……うぅ、もう怒ったぞーッ!」

ガチャガチャ!

雪美「……あっ……」

美由紀「だ、駄目だよ美玲ちゃん! そんなことしたらなにも取れないよ!」

ガシッ!

美由紀「わっ! 凄い!」

雪美「……二つ……取れた……」

美由紀「えへへっ、やったね! くまさんもねこさんも取れたよっ!」

美玲「べ、別に本気じゃないしッ! もー、それくらい分かれよッ!」

雪美「……美玲…上手……」 パチパチ

美玲「な、なんだよッ! ほ、褒めたってなんもでないぞッ!」

雪美「……美玲……代わって……?」

美由紀「みゆき、次はあのくまさんが欲しいなー!」

美玲「ま、まぁどうしてもって言うならとってやるけどッ!」

-----------

雪美「……その後は……取れなかった……」

P「最近のクレーンゲームは難しいからな」

雪美「……でも…美玲……調子悪い…だけだって……」

P「結構頑張ったの?」

雪美「……うん……最後は…店員さんが……くれた……」

P「なんで?」

雪美「……美玲…が……涙目…だったから……」

P「そ、そうか……」

121 : VIPに... - 2013/06/16 04:18:44.17 QESoX0SGo 63/210


―――――――――――――――――――

雪美「…………」

ツンツン

雪美「…………?」

白坂小梅「ゆ、雪美ちゃん……い、今暇……?」

雪美「……それなりに……」

小梅「や、やった……これ一緒にみ、見ませんか?」

本当にあった怖い怖いお話

雪美「……私…怖いの……だめ……」

小梅「だ、大丈夫……これは血とかな、内臓とか……でないから」

雪美「……そういう…問題じゃ……ない……」

小梅「うぅ……じゃ、じゃあどうしたら……?」

雪美「…………」

小梅「今日は……い、一緒に見てくれる人が…い、いなくて……」

雪美「……わかった……なんとか…する……」

小梅「えっ……ほ、本当ですか……?」

122 : VIPに... - 2013/06/16 04:19:50.51 QESoX0SGo 64/210


木場真奈美「全く……雪美に呼び出されたと思えばホラー映画の上映会とはね」

雪美「……真奈美が…いれば……安心……」

真奈美「人使いが荒いことだな、全く」

小梅「木場さん……あの、わ、私のワガママなんです……」

真奈美「あぁ、冗談だから気にする事は無い。たまにはこういうのも良いだろう」

小梅「えへへっ……よ、良かったです……」

雪美「……早速……見る……」

真奈美「雪美は大丈夫なのか?」

雪美「……こわい……でも…Pの写真……あるから…大丈夫……」

真奈美「そ、そうなのか……」

小梅「じ、じゃあ……再生します……」

123 : VIPに... - 2013/06/16 04:21:04.21 QESoX0SGo 65/210


ヒヒヒヒヒ! オバケダゾー!

「きゃっ……やだ……」

雪美「…………?」

小梅「ゆ、雪美ちゃん……どうしたの……?」

雪美「……ううん……」 フルフル

真奈美「…………」

バンッ! ギャーーーーー!

「こ、こわい……もうやだ……」

雪美「…………」 チラッ

真奈美「どうしたんだ? 雪美、さっきからチラチラ私を見て?」

雪美「……真奈美……こわい……?」

真奈美「ふふっ、バカを言うんじゃない」

小梅「ここから……もっとこ、怖くなる……」

雪美真奈美「…………」

ブワッ! オバケダーーーー!!

「……グスッ……怖い……」

雪美「……さっきから……何か…聞こえる……」

真奈美「き、気のせいじゃないか?」

小梅「ゆ、幽霊……?」

-----------

P「結局泣いてたのって誰だったんだ……?」

雪美「……暗かったから…わからない……」

P「真相は全て闇の中か……」

雪美「……でも……私……」

P「どうかした?」

雪美「……ううん……」 フルフル

129 : VIPに... - 2013/06/16 16:38:57.24 QESoX0SGo 66/210


―――――――――――――――――――

日下部若葉「これで完成です~」

龍崎薫「わぁー、わかばちゃんすごーい!!」

若葉「ふふふ、オトナですから~」

若葉「それに、ジグゾーパズルは得意なんですよ~」

「えへへっ、次はなにをやってもらおうかなぁー!」

雪美「……若葉……」

若葉「雪美ちゃん? どうしたんですか~?」

雪美「……私…これ……完成…させたい……」

「あれれ? これ、絵がかいてないよー?」

雪美「……うん……真っ白……」

若葉「ピースの数も凄く多いですね~」

「これむずかしい?」

雪美「……凄く……だから…若葉に……」

若葉「ふふっ、ど~んと任せてください~!」

130 : VIPに... - 2013/06/16 16:39:34.46 QESoX0SGo 67/210


2時間後……

「zzzz……」

雪美「……若葉……大丈夫……?」

若葉「うぅ……大丈夫です~……お、お姉さんですから……」

雪美「……汗……凄い……」

若葉「こ、ここは少し暑いですね~」

雪美「……そう……?」

「ふぁー……あっ、わかばちゃん、ゆきみちゃん。完成した?」

雪美「……ううん……」

若葉「さっき、やっと合わさるピースが見つかりましたよ~」

131 : VIPに... - 2013/06/16 16:40:34.43 QESoX0SGo 68/210


4時間後……

雪美「…………」

若葉「ふ、ふぅ……ゆきみちゃん、あとどれくらいですか~?」

雪美「……これ…くらい……」 ジャラジャラ

「あうぅ……全然へってないよー!」

若葉「…………」

「わかばちゃん、だいじょうぶ?」

若葉「ど、どうしましょう~……私、これ以上は……」 オロオロ

雪美「…………」

「ゆきみちゃん、どうしようー?」

雪美「……応援……頼もう……」

-----------

P「ミルクパズルか……完成したのか」

雪美「……うん……20人…くらいで……やった……」

P「ピース数が多いからそれでも苦戦しそうだな」

雪美「……8時間…で……完成……」

P「み、みんな根性あるな……」

雪美「……若葉……喜んで……泣いてた……」

P「もう……カワイイんだから!」

133 : VIPに... - 2013/06/16 16:42:21.84 QESoX0SGo 69/210


―――――――――――――――――――

本田未央「本田未央ゲーム! いえ~い!」

雪美「……いえーい……」

未央「本田!!」

黒川千秋「未央……」

未央千秋「ミオミオ!」

雪美「……本田……」

千秋「飽きたわ……」

未央「はやっ!?」

雪美「……千秋……楽しく…ない……?」

千秋「そうじゃなくて、このゲームの意味が分からないのよ」

未央「あららー? ゲームに意味とか求めちゃいけないよーっ!」

千秋「それ以前にこれってまんまパクりじゃないかしら……?」

雪美「……パクリ……?」

未央「うー、それを言われると辛いなぁー!」

千秋「そうね、もうちょっとオリジナリティが溢れる方が良いと思う」

未央「オリジナルかー、ゆきみん。何か良いアイデアはあるかな?」

雪美「…………」 ピコン

千秋「なにか思いついたの?」

雪美「……こう…すれば……いい……」

134 : VIPに... - 2013/06/16 16:44:16.02 QESoX0SGo 70/210


未央「よーし、クジができたよーっ! じゃあいっせ―のーでで引いてね!」

「いっせーのーで!!」

雪美「……千秋……」

未央「私はゆきみん!」

千秋「未央になったわ……」

未央「……えっと……こんな…感じ……?」

雪美「……多分……合ってると……思うわ……」

千秋「くっ……えー、ゆきみんも千秋さんもー、もうちょっと頑張ってよー!」

未央「……私……がんばってるよ……」

千秋「そ、そんなことないよーっ! ミオミオがいっちばん、がんばってるんだからーっ!」

雪美「……未央は……そんなこと…言わないわ……」

千秋「ちょっと待ちなさいよ! なんで私だけ元気キャラなのよ!?」

未央「……そうは……言われても……メンバーが……」

雪美「……雪美は……元気よ……」

千秋「困ったわね……普段はこんな事やらないから」

未央「……それっぽく……すれば…良いよ……」

雪美「……もう……やめるのかしら……?」

千秋「私だってアイドルよ、やるからには妥協はしないわ」

雪美「……未央……あなたの実力……見せてもらうわ……」

未央「……がんばれー……」

千秋「……よしっ!」

千秋「今日は、思いっきり楽しんじゃおうっ♪ あ、でもでも、やりすぎだったら教えてね? さー、楽しむぞー♪」

未央「おっ、これは凄いねーっ! そっくりだよ!」

雪美「……千秋……似てる……」

ガチャッ

卯月「……えっと、未央ちゃん?」

千秋「……卯月、今のは忘れなさい」

-----------

P「キャラを交換したのか」

雪美「……うん……楽しかった……」

P「でも、さっきのを聞く限り雪美ってそんなに変わってないよな」

雪美「……そう……?」

P(口調は変えれても、この独特の間は変えれないからか……)

雪美「……Pは……元気な…方が……好き……?」

P「俺は今の雪美ままで充分だよ」

140 : VIPに... - 2013/06/19 22:36:07.32 G+H+eSMvo 71/210


雪美「……ここは……?」

柊志乃「そこも有名よね、楽しみだわ」

雪美「……うん…北海道……初めて……」

志乃「北海道には色々良い物があるわよ」

雪美「……志乃…は……どこか…行きたいの……?」

志乃「私はそうね、ワインツーリズムが目的かしら」

雪美「……ツーリズム……?」

志乃「ふふっ、簡単に言えばワインをつくっている所に遊びに行くの」

雪美「……楽しそう……行きたい……」

志乃「雪美ちゃんにはまだ早いわ、後10年たったらね」

雪美「……長い……」

志乃「でも、今度の旅行は私と同じ組よね。雪美ちゃん達はお土産でも見に行く?」

雪美「……私…も……遊びに…行きたい……」

志乃「困ったわね……」

141 : VIPに... - 2013/06/19 22:37:12.35 G+H+eSMvo 72/210


雪美「…………」 テクテク

榊原里美「あっ、雪美ちゃん! 一緒に一休みしませんかぁ~?」

雪美「……里美……何…してるの……?」

里美「あま~い紅茶とお菓子でひと休みですぅ」

雪美「……私も……ゆっくり…する……」

里美「ふんふ~ふふんふんふ~♪ 楽しいですねぇ~」

雪美「…………」 モグモグ

里美「美味しいですかぁ?」

雪美「……うん……このチョコ……どうしたの……?」

里美「ほぇ? それはお取り寄せしてきたんですよぉ」

雪美「……お取り寄せ……?」

里美「簡単に言えば、遠くで作っている物を送って貰うんですよぉ~」

雪美「…………」

里美「すごいですよねぇ、頼んだら三日くらいで届いちゃうんですから」

雪美「……これ……どこで……作ってるの……?」

里美「ん~、確か北海道だったはずですけどぉ」

雪美「……これだ……!」

142 : VIPに... - 2013/06/19 22:38:46.05 G+H+eSMvo 73/210


「みなさん、ちゃんと揃っていますでしょうか?」

志乃「いち……」

雪美「……に……」

里美「さぁ~ん!」

「今日は工場見学に来て頂きありがとうございます」

「では、今からチョコレートを作る過程を見て頂きます」

雪美「……わくわく……」

里美「ほぇぇ……甘い匂いがいっぱいしますぅ~」

志乃「ふぅ……私は飲みながらゆっくり行くとするわ」

「あっ、すみません。工場内では飲食禁止です」

志乃「…………」

志乃(そりゃそうよね……)

「終わった後に美味しいチョコレートをお配りしますので」

志乃「あの……チョコレートボンボンみたいなのはあるかしら?」

「え? いや、うちはミルクチョコレート専門工場ですからちょっと……」

雪美「……志乃……これなら…みんな…でいける………」

志乃「まぁ、確かにそうね……」

里美「見て下さい~、あそこにチョコレートに滝がありますよぉ!」

志乃「そう言えばここって競争率が凄く高いはずだけど、よく予約が取れたわね?」

雪美「……私……これ…持ってるから……」

里美「わぁぁ、キンピカのチケットですぅ!」

志乃「ゴ、ゴールデンチケット!? どうして、それを……」

雪美「……チョコ……いっぱい…食べた……」

-----------

P「工場見学か、小学生に一回行ったくらいだな」

雪美「……志乃…おつまみ……できたって…喜んでた……」

雪美「……里美も……お腹いっぱい……食べてた……」

P「雪美はどうしたんだ?」

雪美「…………」

P「ん?」

雪美「……チケット…欲しくて……チョコ…いっぱい……食べたから……」 シュン

P(飽きちゃったのか……)

144 : VIPに... - 2013/06/19 22:41:07.83 G+H+eSMvo 74/210


―――――――――――――――――――

ナターリア「ユキミ! ナターリア、スシが食べたい!」

雪美「……お寿司……?」

首藤葵「へっへー、ナターリアも好きっちゃね!」

ナターリア「アオイも好きなノ?」

「好きっっていうか、作れるっちゃ!」

雪美「……葵…できるの……?」

「まぁ素人技だけど一応出来るっちゃよ。雪美にも作っちゃろうか?」

雪美「……うん……食べたい……」

ナターリア「ウフッ♪ 凄く楽しみ!」

145 : VIPに... - 2013/06/19 22:41:43.89 G+H+eSMvo 75/210


「おとうちゃんがお店使って良いって言ってくれたっちゃ!」

雪美「……凄い……」

「へへっ、さぁ何でも注文するっちゃ! がんばって握るよ!」

ナターリア「えっと、じゃあナターリア、ミートボールがタベタイ!」

「ミ、ミートボール!? そんなんあるとね?」

雪美「……うん…この……チラシに…のってる……」

「オスシパラダイス……最近できた回転寿司っちゃね」

「ほぇー、鴨ロースに燻製玉子……こんなんも寿司にするとね……」

雪美「……私……アボガド……」

「うーん、雪美も変化球でくるっちゃね……」

ナターリア「早く! 早く!」

「まぁ、やってみるけど材料があったかなぁ……」

146 : VIPに... - 2013/06/19 22:42:49.13 G+H+eSMvo 76/210


30分後……

ナターリア「ナターリアは次ハンバーグ食べル!」

雪美「……私……タマゴサラダ……」

「人の食べるものは自由だと思うけど……」

雪美「…………?」

ナターリア「ンー? アオイ、ドウシタ?」

「あんたらいい加減に魚も食えっちゃ!」

-----------

P「まぁ、今時のお寿司は色々あるからな」

雪美「……うん…その後……みんな……呼んで……お魚…食べた……」

P「みんなって、握るの一人なのに大丈夫なのか?」

雪美「……手が……痛くなったって……」

P「まぁ、そりゃそうだろう……」

雪美「……葵の……料理…美味しい……から……」

P「ふるまう料理を寿司にしてしまったのが失敗だったな……」

150 : VIPに... - 2013/06/21 01:05:17.92 IJGlRsd/o 77/210


―――――――――――――――――――

関裕美「よっと……」

雪美「……裕美…上手……」 パチパチ

裕美「みんなにアピール……イェイッ!これはちょっと違うかな……うーん……」

雪美「……アピール……?」

裕美「うん、明日の雪美ちゃんと一緒にLIVEバトル、私もしっかり頑張らないとって!」

雪美「……大丈夫……裕美……変わったから……」

裕美「私……変われた……のかな?」

雪美「……うん……よく…笑うように……なった……」

裕美「……ありがとう、雪美ちゃん」

雪美「…………」

裕美「そうだ! これ良かったらつけてて」

雪美「……これは……?」

裕美「ふふっ、私が作ったんだよ? 明日のLIVEが上手くいきますようにって」

裕美「ほらっ、私とおそろいなんだ!」

雪美「……ありがと……私……がんばる……」

裕美「うん、一緒に頑張ろうね!」

雪美「……大丈夫……きっと…上手くいく……」

雪美「……頼もしい……味方…いるから……」

151 : VIPに... - 2013/06/21 01:06:18.89 IJGlRsd/o 78/210


上条春菜「さぁ! 行きましょう」 スチャッ

雪美「……がんばる……」 スチャッ

裕美「声援に笑顔で応えるの……!」 スチャッ

春菜「ハッ……ライバルは眼鏡をかけていないなんて、この勝負はもらいましたね」

雪美「……これなら……勝てる……」

裕美「でも……眼鏡をかけただけで勝てるんですか?」

春菜「おやおや、変な事を聞きますね?」

雪美「……前が……くらくら……」

春菜「じゃあ、眼鏡を超えるアピールポイントを考えてください!」

裕美「え、えっと……」

春菜「……ないですね!」

雪美「……難しい……」

春菜「裕美ちゃんの笑顔に眼鏡! 雪美ちゃんの可愛さに眼鏡! そして私にはツインドライブ!」

裕美「ツ、ツインって二つ眼鏡をかけるんですか?」

春菜「……ふふふ、力がみなぎってきますよ!」

雪美「……私…は……一つで…いい……」

裕美「なんだか…少し心配になってきました……」

雪美「……裕美……?」

裕美「雪美ちゃんはとっても可愛くて、春菜さんは凄く元気で……」

裕美「私だけ……邪魔になってないかなって……」

152 : VIPに... - 2013/06/21 01:07:45.11 IJGlRsd/o 79/210


春菜「ふぅ……まったく弱気ですね~」

雪美「……裕美……大丈夫……だから……」

裕美「雪美ちゃん……でも…やっぱり相手の人も凄いし…私……」

春菜「……ほら、この眼鏡を見て下さい」

雪美「……普通の……眼鏡……?」

裕美「眼鏡を縦にしただけで何かあるんですか?」

春菜「ふふふ……この眼鏡、縦に見てると数字の8……」

春菜「では、横にすると何に見えます?」

雪美「……あっ……」

裕美「む……無限大(∞)……」

春菜「今日のLIVEが大成功する夢見たんです。正夢にしますよ!」

雪美「……裕美……私の……眼鏡も……無限大……」 スチャッ

裕美「ふふっ……」

裕美「ありがとう、雪美ちゃん! 春菜さん!」

裕美「悩んでた自分がバカみたいっ! 明るく歌っていいんだよねっ? 楽しく! 笑って!」

春菜「もちろん! 行きますよ!」

春菜「眼鏡よし、メイクよし、髪型よし、衣装よし、マイクよし……眼鏡よし!」

雪美「……行こう……」

-----------

P「LIVEバトルには勝てたのか?」

雪美「……うん…なんとか……」

P「なんとかって、なにかあったのか?」

雪美「……みんな……歌ってる時に……眼鏡…はずれた……」

P「そりゃ、歌って踊るならしっかり固定しとかないと……」

雪美「……春菜……次は……大丈夫って……」

P「……なにがだ」

159 : VIPに... - 2013/06/22 18:31:44.45 b8lo0vkzo 80/210


―――――――――――――――――――

海老原菜帆「あ~~!!」

雪美「……菜帆……どう…したの……?」

菜帆「わ、私の楽しみにしていたおやつがぁ~」

雪美「……それって……」

菜帆「かな子ちゃんに美味しいって勧められて楽しみにしてたのに~」

雪美「……菜帆……また…買いに……行こう……」

菜帆「グスッ……そうですけど、残念です~」

バンッ

安斎都「話は全て聞かせていただきましたよ!」

雪美「……都……」

「この事件、単純なように見えて実はとても恐ろしいものなのです!」

菜帆「じ、事件?」

「えぇ、ではまず菜帆さん。事件発生時の話を聞かせてもらえますか?」

菜帆「え、えっとぉ~」

菜帆「雪美ちゃんとさっきそこでバッタリあって~」

菜帆「一緒にこの部屋に帰ってきたら、私のお菓子がなくなってました~」

雪美「……私……おつかいの……帰り……」

「ふむ……そういうことですか」

菜帆「なにかわかったんですか~?」

「真実は、都のもの!」

雪美「…………」

(決まった……!)

160 : VIPに... - 2013/06/22 18:32:48.24 b8lo0vkzo 81/210


「では事件を一つ一つ紐解いていきましょう」

「菜帆さんのおやつはいつからこの部屋にありましたか?」

菜帆「そうですね~、朝から置いておいたんですけど~」

「この事件の重要な所は何故菜帆さんのおやつが狙われたか? というところです」

雪美「…………」

菜帆「それがどうかしたんですか~?」

「何か、おかしいと思いませんか?」

雪美「……わからない……」

「菜帆さんのおやつを食べるだけなら菜帆さんに聞けば良いだけの話……」

「わざわざ秘密裏で食べる事なんてないでしょう?」

菜帆「ど、どういうことでしょうか……雪美ちゃん……?」

雪美「…………」 フルフル

「簡単な話ですよ、犯人には本当の目的があったんです」

雪美「……もくてき……」

「この部屋でもう一つなくなっているもの……」

「それは、衣装のデザインが入った資料です!」

菜帆「あら、言われてみればありませんねぇ~」

「……つまり犯人はこの部屋に自由に出入りできる人物であり」

「なおかつ仕事の衣装に不満を持っている者……」

雪美「…………」

「ここまで言えばもう分かりますよね?」

161 : VIPに... - 2013/06/22 18:33:50.71 b8lo0vkzo 82/210


「スポットライトは真実を照らす! ズバァーン!!」

「犯人は……」

雪美「……はい……」

「どうしたんですか? もうクライマックスですよ?」

雪美「……さっき……都が…食べてた……」

「えっ!?」

菜帆「そうなんですかぁ~?」

雪美「……うん……私…見てた……」

「も、もしかして……食べられたおやつって……」

菜帆「あんぱんですけど~」

(頑張った私への差し入れじゃなかったんだ……)

「じゃ、じゃあ奪われた書類は!?」

雪美「……私…が……おねがい…されて……持って行った……」

「…………」

菜帆「あ、あの~……都ちゃん?」

「す、す、すいませんでしたぁ!!」

-----------

P「……悲しい事件だったな」

雪美「……そう……?」

P「概して、事件の外見が奇怪に見えれば見えるほど、その本質は単純なものだ」

P「平凡な顔ほど見わけがつきにくいように、ありふれた特徴のない事件ほど、本当は厄介なんだよ」

雪美「……P……どういうこと……?」

P「えっと、探偵ごっこ……」

163 : VIPに... - 2013/06/22 20:12:00.76 b8lo0vkzo 83/210


―――――――――――――――――――

高森藍子「こんな休日も素敵ですよね」

雪美「……涼しい……」

藍子「とっても落ち着くお店でしょ? 最近見つけた私のお気に入りのカフェなんです」

雪美「……うん……いい……お店……」

江上椿「ふぅ……これで全部終わりましたね」

雪美「……椿……何…してたの……?」

椿「これですか? 撮った写真をアルバムに入れてたんです」

藍子「ふふっ、椿さんも私と一緒で写真を撮るのが好きですからね」

雪美「……二人とも……よく…写真……とってる……」

椿「藍子ちゃんとはよくカメラのお話をしたりしてるんですよ」

雪美「……藍子…は……どんなの……とってるの……?」

藍子「私は……そうですね、風景とかみんなの写真とか……」

藍子「撮りたいなって思ったらシャッターを切るようにしてるかな」

雪美「……椿…は……?」

椿「私も似たようなものですね、カメラはできるだけ持ち歩いてますから」

164 : VIPに... - 2013/06/22 20:13:18.15 b8lo0vkzo 84/210


椿「あっ、そうだ。雪美ちゃんの写真もいっぱいありますよ」

雪美「……私…の……」

椿「えっと、例えばこの写真は前のライブの時とか事務所でゆっくりしてるときとか」

雪美「……ほんと……」

藍子「ふふっ、こうして見ると雪美ちゃんって写真撮られても驚かないんだね」

雪美「……そうでも……ない……」

椿「えっ? だいたい全部の写真がいつもと同じ表情ですけど……」

雪美「……これは……喜んでる……」

藍子「そ、そうなのかな?」

雪美「……うん……」

椿「よく見たら、いつもと微妙に違いますね」

藍子「じゃあこの写真は?」

雪美「……急に……撮られて……びっくり…してる……」

雪美「……口が……少し…あいてる……から……」

椿「い、言われてみれば」

藍子(でも、瞬時に見分けられるのは雪美ちゃんのプロデューサーさんだけかな……)

雪美「……ふたりに……撮られると……嬉しい…から……」

椿「ふふっ、じゃあ今日もみんなで写真撮りましょうか」

藍子「そうですね、この後みんなでお散歩に行きましょうか」

-----------

P「雪美の写真か、そういえばまとめてたやつがあったな」

雪美「……P…は……わかる……?」

P「ははっ、雪美の気持ちならわかるよ。ずっと見て来てるしな」

雪美「……じゃあ……今……私……どんな…きもち……?」

P「……楽しいだな、眉と口元の角度的に」

雪美「……ふふっ……あたり……」

166 : VIPに... - 2013/06/23 00:15:04.37 vIOIFjZuo 85/210


―――――――――――――――――――

雪美「……夕美……」

相葉夕美「あれっ? 雪美ちゃん、そのサボテン……」

雪美「……うん……元気…無くなった……」

夕美「本当、少し棘の根元の色が変わってるね……」

雪美「……どうすれば……いい……?」

夕美「うん、サボテン自体は病気にかかっていないから」

夕美「日差しや水やりのタイミングをこまめにチェックするくらいかな……」

雪美「……うん……がんばる……」

夕美「大丈夫だよ、きっと元気になるから! ねっ!」

雪美「……お薬……いる……?」

夕美「うーん、弱っている状態であげると逆効果かな」

雪美「……そう……」

夕美「えへへっ、私達と一緒で植物も自分のペースがあるからね」

雪美「……私と……いっしょ……」

夕美「どうしたの?」

167 : VIPに... - 2013/06/23 00:15:40.58 vIOIFjZuo 86/210


ガチャッ

雪美「……マストレ……」

夕美「こんにちわー!」

マスタートレーナー「うん……? 雪美に相葉か、何か用かな?」

雪美「……この子にも……レッスン……」

マストレ「サボテン? これを私に?」

夕美「ゆ、雪美ちゃん、一緒ってそういうことだったの!?」

雪美「……うん……」

マストレ「……雪美は物好きだな。まぁ、余興とでも思って……やるか」

夕美「でも良いんですか?」

マストレ「やるからには全力だ。任せろ、私がこいつを必ず一流のサボテンにしてみせる」

雪美「……マストレに……きたえて…もらう……」

夕美「あ、あはは……大丈夫なのかな」

マストレ「ふむ、よかろう…ッ!」

雪美「……夕美……どう…したの……?」

夕美「確かに一緒とは言ったけど、そういう意味じゃないんだけどな……」

マストレ「なんだ? 相葉は私を信用していないのか?」

夕美「い、いえっ……そういうわけじゃ」

マストレ「なぁに大丈夫、私に任せておけば問題ない!」

夕美「でもいったいどうするんですか? 植物はレッスンできませんよ?」

マストレ「アイドルにはアイドル、植物には植物の育て方がある」

マストレ「雪美、サボテン用特性ドリンクをやろう。さぁ、飲ませるがいい……」

雪美「……うん……」

夕美「サボテン用特性ドリンク、こんなのもあったんだね」

マストレ「後は育成スケジュールを組むぞ、体調、成長具合を考えながらな」

雪美「……わかった……」

夕美(な、なんか本格的だな……)

168 : VIPに... - 2013/06/23 00:16:42.63 vIOIFjZuo 87/210


一週間後……

マストレ「うむっ、なかなかいい仕上がりのようだな」

雪美「……これで……安心……」

夕美「…………」

ビキビキ

雪美「……元気…に……なった……」

夕美「で、でも少したくましくなったというかなんというか」

夕美「なんか前より2倍くらい大きくなってるよね?」

マストレ「よく成長してきたとみえる。だがあと一歩足りないといったところか」

雪美「……まだ……大きくなるの……?」

夕美「こ、これ以上大きくさせるの!?」

マストレ「なんだ、相葉。なにかあるのか?」

夕美「え、えーっと。このままでも充分カワイイんじゃないかなって……」

雪美「……うん……かわいいけど……元気に……なって…ほしい……」

マストレ「こいつは私と雪美の自慢だ。この調子でどんどん成長して欲しいものだ」

雪美「……夕美…も……一緒に…育てよ……?」

夕美「よ、よぉーし! こうなったら私も手伝おっかな!」

-----------

P「…………」 チラッ

雪美「……がんばった……」

P「あのやたらでかいサボテンの経緯はそれか……」

雪美「……うん……」

P「まだ成長するの?」

雪美「……夕美と……マストレが……手伝ってくれてる…から……」

P(そろそろ、天井に届くな……)

170 : VIPに... - 2013/06/23 03:04:46.08 vIOIFjZuo 88/210


―――――――――――――――――――

藤居朋「雪美ちゃんの今日の運勢はまぁまぁね」

雪美「……まぁまぁ……?」

「そ、でも年単位で見れば良い方だから落ち込む事はないわ」

兵藤レナ「あら? なにやってるの?」

「レナさん、雪美ちゃんが占って欲しいってるから見てあげてるの」

雪美「……レナ…も……見て…もらう……?」

レナ「トランプ……普通のトランプで占いってできるの?」

「カードは占いの基本にして多くの人に使われてるからね」

「普通のトランプでやる占いも結構あるのよ」

雪美「……朋の……よく…あたる……」

レナ「ふーん、でも私はいいわ。ツキは自分で引き寄せるタイプだから」

雪美「……それとは……また…べつ……」

「これも結構バカにできないよ?」

レナ「……じゃあ一回やってもらおうかしら」

「うん! まかせてよっ!」

171 : VIPに... - 2013/06/23 03:06:10.72 vIOIFjZuo 89/210


「よしっと、じゃあこの中から3枚引いてね」

レナ「ちなみに聞くけど何が出ると一番運が良いの?」

「この占いだとエースよ、なかなかでないんだけどね」

雪美「……私……735だった……」

レナ「……引いたわ」

「じゃあ、引いた3枚を見せてよ」

雪美「…………」

レナ「これよ」

A A A

「う、うそっ!? 全部エース!?」

レナ「どうかしら? 私の運勢は?」

「これなら最高の運勢だよ! 運気も急上昇しているはず……」

レナ「ふふっ、今日はツイてるみたいね♪」

172 : VIPに... - 2013/06/23 03:06:55.58 vIOIFjZuo 90/210


雪美「……レナ…まほう……つかった……?」

「魔法?」

レナ「なんのことかしら?」

雪美「……私……わかる……レナ…まほうつかう時……目が…違う……」

「どういうことなの?」

レナ「やれやれ、雪美ちゃんに見破られるなんてね。私も勘が鈍ったかしら」

パラパラ

「ト、トランプ……隠し持ってたの?」

レナ「言ったでしょ? 運気は自分で引き寄せるタイプだって」

レナ「まぁ、小さな女神には見破られちゃったみたいだけど」

雪美「…………」

「はぁ……色んな人占ってきたけどレナさんみたいな人は初めてだわ」

レナ「ふふっ、でもこういうのって自分の思い通りにならないから面白いのよね」

「で、魔法を使わなかったカードはなんなの?」

レナ「これね……」

7 7 7

雪美「……全部……7……」

「はぁ!? な、なんでこんな……」

レナ「うふふっ、何ででしょうね?」

-----------

雪美「……レナ…まほうつかい……」

P「そうだな、まぁ魔法が無くても凄いもんだよ」

雪美「……P……は…できる……?」

P「……雪美、じゃあこのカードを引いてみろ。雪美はエースを引くから」

スッ

雪美「……ジョーカー……でた……」

P「……失敗したわ」

雪美「……P……やっぱり…エース…だった……」

P「な、慰めてくれてるのか……」

175 : VIPに... - 2013/06/23 03:55:30.81 vIOIFjZuo 91/210


―――――――――――――――――――

「以上が今話題のメイク特集でした~」

井村雪菜「はぁ~、やっぱり良いなぁ」

雪美「……すごく……変わってた……」

雪菜「新しいチークとマスカラ、買いにいかないと……」

雪美「……雪菜……また…買うの……?」

雪菜「メイクはアイドルの基本だよ♪」

雪美「……私…いつも…してもらってる……から……」

雪菜「雪美ちゃんが自分でするにはまだ少し早いかなぁ」

雪美「……なにすれば……いいか……わからない……」

雪菜「私はもっともっと綺麗になりたいから、メイクは大好きなの」

雪美「……道具……いっぱい…ある……」

雪菜「家にはもーっとコスメあるよ」

雪美「…………」

雪菜「いつもメイクやコスメをちょっと変えてるんだよ。毎日新鮮でしょ?」

雪美「……雪菜…お願い……ある……」

176 : VIPに... - 2013/06/23 03:56:07.66 vIOIFjZuo 92/210


佐々木千枝「ほ、本当にこれで大人になれるんですか!?」

雪美「……うん……なれる……」

雪菜「女の子はメイクと気持ちで……何にだってなれるのよ♪」

千枝「お、お願いします。千枝を大人にしてください」

雪菜「うん、千枝ちゃんはお肌が綺麗だからメイクしやすくて良いね!」

雪美「……メイク……で…変わる……から……」

千枝「なんだか緊張します。ドキドキしてきちゃいました」

177 : VIPに... - 2013/06/23 03:56:43.88 vIOIFjZuo 93/210


雪菜「……こんなところかな」

千枝「わぁー、凄いです! 全然変わりました!!」

雪美「……千枝……綺麗……」

雪菜「大胆に変身しちゃって驚いてる?」

千枝「はいっ、とっても! 雪美ちゃん、雪菜さん、ありがとうございます!」

雪美「……よかった……」

雪菜「うふふ……衣装だけじゃなくてメイクでも女の子はどんな姿にだって変われるんだから!」

千枝「雪美ちゃん、千枝、大人っぽいですか?」

雪美「……だと…思う……」

千枝「えへへっ! 良かったぁ~」

雪菜「女の子はたまには大胆に……ね!」

千枝「あ、あの……雪菜さん。千枝にこのメイク教えてもらって良いですか?」

雪菜「うん、別にかまわないよ」

千枝「これで明日からみんなをびっくりさせちゃいます!」

雪美「……楽しみに……してる……」

178 : VIPに... - 2013/06/23 03:57:56.45 vIOIFjZuo 94/210


「今日紹介する新作コスメはこちら!」

雪美「……また……新しいの…出てる……」

雪菜「うーん、これも欲しいなぁ」

雪美「……雪菜…きれい……なのに……?」

雪菜「私はもっともっと輝きたいから!」

雪美「……きれいって……むずかしい……」

ガチャッ

千枝「おはようございます!」

雪美雪菜「!?」

千枝「雪菜さんに教えてもらった事、実践してみました!」

雪美「……誰……?」

雪菜「ち、ちょっと塗りすぎなんじゃないかな……色々」

千枝「どうですか? 千枝、大人っぽいですよね?」

雪菜「う、うん……えーっと……」

雪美「……雪菜……」

千枝「あれ? なんでふたりとも千枝の事をみてくれないんですか?」

-----------

P「男の俺にはメイクの事は全然分からないからな」

雪美「……私も……分からない……」

P「まぁ、メイクさんが大抵やってくれるから大丈夫だよ」

雪美「…………」

P「どうしたんだ?」

雪美「……P……女の子は……一生の…お願い……いっぱい…できる……」

P「それじゃあ一生のお願いじゃないじゃないか」

雪美「……女の子は……何回も……生まれ…かわるから……」

P「哲学的な事言うね。どこで覚えたんだ?」

雪美「……雪菜に……きいた……」

184 : VIPに... - 2013/06/24 02:23:40.18 psIelUpKo 95/210


―――――――――――――――――――

雪美「……釣れない……」

藤原肇「ふふっ、釣りは忍耐ですよ。釣れない時もまた面白いんです」

雪美「……うん……肇は…好きなの……?」

「岡山に居た頃はこうしておじいちゃんと二人でよく釣りに行ってたんです」

「釣りをしてると気持ちが落ち着いて、何て言うか……リフレッシュできますから」

雪美「……そう……」

「雪美ちゃんは楽しいですか?」

雪美「……楽しい……肇と……お話できる……」

「ふふっ、そうですね。こうして二人で遊びに行ける日も少ないですから」

ピク ピク

雪美「……肇…揺れてる……」

「あっ、よいしょっと……!」

ピチピチ

雪美「……釣れた……」

「ふふっ、そうですね」

雪美「……肇…だけ……いっぱい……」

「うん、ここの釣り堀はかかりやすいですね」

185 : VIPに... - 2013/06/24 02:25:23.71 psIelUpKo 96/210


雪美「……上手なのは……がんばってる…から……?」

「……何でも頑張るの、好きなんです」

「おじいちゃんに『やるからには完璧を目指せ』って……私もそう思うから頑張ろうかなって」

雪美「……肇……おじいちゃん……好き……?」

「ふふっ、そうですね。おじいちゃんっ子ですから」

「でも……孫に無茶を言うおじいちゃんなんですよ……困りものです」

雪美「……でも……肇……おじいちゃんの…話……楽しそう……」

「ふふっ、そうですね。何だかわかりませんけどよく話してしまいます」

雪美「……私も……肇の…おじいちゃん…みたいに……釣り…上手になりたい……」

「えっ? どうしてですか?」

雪美「……肇と……釣りに…いけるから……」

「ふふっ、ありがとう……雪美ちゃん」

雪美「……どうすれば…上手に……なれる……?」

「……じゃあ、まずはイメージが重要です」

雪美「……イメージ……?」

「そう、魚がどういう風に動いているか、どうやったら餌に食いつくかを考えてみて」

「後は少し集中して釣り針を眺めておけば大丈夫ですよ」

雪美「……わかった……それなら…できる……」

ピク ピク

雪美「…………」 シュッ

ピチピチ

雪美「……釣れた……」

「えっ!? す、凄いですね……もうコツを掴んだんですか?」

雪美「……うん…いつも……やってるから……」

186 : VIPに... - 2013/06/24 02:27:34.86 psIelUpKo 97/210


双葉杏「ぐー……ぷぴ~……すやすや」

コツン

「んー、なんだこれ……飴が浮いてる?」

「ふふふ……寝てても飴が杏の所に来るなんて、良い時代になったもんだね」

「いっただきまーす」

ヒョイッ

「あ、あれっ!? 何でよけんの?」

(あの位置だと起き上がらないと食べれないなぁ……)

「はぁ……めんどくさ…よっこらセット……」

雪美「…………」

「…………」

「…………」

雪美「……肇……釣れた……」

「いつもやってるって、こういう事だったんですね……」

雪美「……うん……立ち…あがらせるように……頼まれてる……」

「ま、また雪美かっ!? 杏をなんだと思ってるんだよっ!?」

-----------

P「釣りかぁ、そういや俺はほとんどやったことないな」

雪美「……Pも…しよ……楽しいから……」

P「それにしても雪美が釣りとはね。何か釣りたいのはあるのか?」

雪美「……カジキ……」

P「な、なんでカジキなんだよ!?」

188 : VIPに... - 2013/06/24 03:15:02.86 psIelUpKo 98/210


―――――――――――――――――――

雪美「……清良……助けて……」 ニャー

柳清良「あら? 雪美ちゃん、傷だらけでどうしたの?」

雪美「……この子……診て…あげて……」 ニャー

清良「まぁまぁ、足を怪我をしてるのね……でもこんなに暴れてちゃ治療もできないですね」

雪美「……おとなしく……して……怖く…ないから……」

ニャー バリバリ

雪美「……痛い……」

清良「悪いネコちゃんですねー、おイタはダメですよ~」

ニャー ビクッ

雪美「……大人しく……なった……」

清良「はーい、じゃあすぐに治療しちゃいましょうね」

清良「雪美ちゃんも大分ひっかかれてるから、消毒しておきましょうね」

雪美「……消毒……痛い……?」

清良「痛くないですよ~」

雪美「……我慢…する……」 ニャー

189 : VIPに... - 2013/06/24 03:15:53.05 psIelUpKo 99/210


ニャー

清良「大分とよくなってきたみたいですね」

雪美「……うん……」

ニャー バリバリ

雪美「……痛い……」

清良「でも、一向に雪美ちゃんには懐かないんですね」

雪美「……むりやり……連れてきた…から……怒ってる……」

清良「じゃあ、消毒して包帯変えましょうねー」

ニャー ニャー ニャー

清良「大丈夫、少々痛くても死にはしませんから。はーい、観念してくださいね♪」

雪美「……清良が…いると……大人しく…なる……」

清良「こういう患者さんはいっぱいいましたからね」

雪美「……ねぇ……この子…大丈夫……?」

清良「怪我の具合も良くなってきていますから後少しでしょうね」

雪美「……うん……後…少し……がんばって……」

ニャー バリバリ

雪美「……だから…痛い……」

190 : VIPに... - 2013/06/24 03:17:17.21 psIelUpKo 100/210


ニャー

雪美「……ペロリーヌ……もう…痛くない……?」

清良「ペロリーヌ? そんな名前なんですか?」

雪美「……うん……つけてあげた……」

ニャー バリバリ

雪美「……痛い……」

清良「もしかして気に入って無いんじゃないかしら?」

雪美「……もっと……かっこいいのが…良いって……」

清良「おませなネコちゃんですね」

雪美「…………」

清良「最近はひっかく回数は減ってきてますけど」

清良「まだまだ雪美ちゃんをひっかくなんて悪いネコちゃんですね」

ニャー ビクッ

雪美「……大人しく…なった……」

清良「雪美ちゃん、後でちゃんと消毒しておきましょうね」

雪美「……うん……その前に…ペロリーヌに……これ……」

清良「あら、可愛い首輪。鈴がついてるんですね」

雪美「……元気になった……お祝い……」

フー フー フー

清良「なんだか怒ってるみたいですけど……」

雪美「……いらないって……」

フー フー フー

雪美「……ここ……置いて…おくから……」

191 : VIPに... - 2013/06/24 03:24:47.15 psIelUpKo 101/210


雪美「…………」

清良「あれ? ネコちゃんはどうしたのかしら?」

雪美「……出て…いった……」

清良「まぁまぁ、何も言わずに出て行くなんて寂しいですね」

雪美「……これ……置いて…あった……」

清良「猫用のにぼし……たしかおやつにあげてたやつの?」

雪美「……うん……お礼…みたい……」

清良「照れ屋さんなのね、でも雪美ちゃんには感謝してると思いますよ」

雪美「……清良にも……ありがとう…って……」

清良「元気になった姿が見れなかったのは残念だけど、良かったですね」

雪美「……うん……」

ニャー チリン

雪美「……あっ……」

清良「どうしたんですか? 窓から何か見えました?」

雪美「……うん……見えた……」 ニコッ

-----------

P「雪美でもネコと仲良くなれない事もあるんだな」

雪美「……うん……よく…ある……」

P「でも、ちゃんと雪美の気持ちは伝わったと思うよ」

雪美「……そう……?」

P「きっとさ、俺が保証するよ」

雪美「……Pが……そういうなら……私…嬉しい……」



続き
モバP「雪美の日々」【後編】


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