P「あっ、しまったなぁ……」
千川ちひろ「どうしたんですか、プロデューサーさん?」
P「あぁいえ、ちょっと明後日必要な書類作るの忘れてました……」
ちひろ「それって例の企画の?」
P「ええ。とは言え一応、案はまとまってるので、あとは書類に起こすだけなんですが……」
ちひろ「確か明日は、プロデューサーさん休み取ってましたよね?」
P「はい」
ちひろ「今日中に片付けるとなると……日が変わっちゃうかも知れませんね」
P「ですよねぇ」
元スレ
モバP「早く帰りたいのに……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365520985/
ちひろ「あの……今夜って何か予定があったんじゃ――」
P「ええ……」
P「とは言え、忘れてた自分が悪いんで、しょうがないです」
ちひろ「私がやっておきましょうか?」
P「流石にそれは悪いです。何より、俺の頭の中にしかない部分もあるので」
ちひろ「確かにそれで引き受けるのは厳しいですね……」
P「なので、あまり気にしなくて良いですよ」
ちひろ「――でも、昨晩も貫徹してるんですよね?」
P「そこはまぁ、明日休むために色々詰めてたんで……」
P「それで大事な書類作るの忘れてたんじゃ、本末転倒ですけどね」
ちひろ「とにかく、私も手伝いますから、早く作ってしまいましょう?」
P「え?」
ちひろ「幸い、私の方の仕事は明日に回してしまっても大きな問題もないですから」
ちひろ「企画の立案に関しても、私も関わってますから、お手伝いくらいは出来ますし」
P「んー、じゃあ、お願いします」
ちひろ「はい♪」
ガチャ
和久井留美「ただいま戻りました」
ちひろ「留美さんお帰りなさい~」カタカタカタ
P「あ、あぁ、お帰りなさい、留美さん……」カリカリ カリカリカリ
留美(2人から一瞥すらされずに挨拶されたわ……)
P「ちひろさん、これお願いします」ピラ
ちひろ「わ、もう次!? 流石、早いですね」パシ
留美「どうかしたの?」
P「あ、いえ、ちょっと急ぎで作らなくちゃ行けない書類がありまして」カリカリ
留美「そうなの……」
ちひろ「何とか今日中に作ってしまいたくて」カタカタ
留美「……今日中に? どれくらい掛かりそうなの?」
P「ちひろさんに手伝って貰って……23時くらいですかね、多分ですが」カリカリ
P「俺のポカミスなんですけど、ちひろさんが手伝ってくれてるので、だいぶ早く仕上がりそうですよ」カリカリ
留美「……」
P「留美さんは、今日はもう終わりですね」カリカリ
留美「ええ、そうね」
P「明日は……午後から雑誌のインタビューですから、午前中はゆっくりしてください」カリカリ
P「お疲れ様でした」カリカリ
留美「……」
P「……? 留美さん?」チラッ
留美「ああもう! 私に手伝えることはないの!?」
P「えっ」
留美「元々書類作りは専門分野なのよ。ちひろさん、こっちの端末借りるわね」
ちひろ「は、はいっ!」
P「なんか、すみません」
留美「別に構わないわ。むしろこんな状態だったら頼って欲しかったわね」
ガチャ
木場真奈美「ただいま戻ったよ」
ちひろ「お帰りなさい、真奈美さん」カタカタカタ
留美「お帰りなさい」カタカタカタ
P「う~ん……」カリカリカリ
真奈美「……?」
P「留美さん」スッ
留美「はい」パシッ
真奈美(ずいぶん余裕がなさそうだ……ふむ)
コトッ
真奈美「お疲れ、プロデューサー君」
P「あ、あれ? お帰りなさい。すいません、気付かなくて」
真奈美「いや、構わないよ。他の2人もコーヒーを淹れたから飲んで一息ついたらどうだい?」
留美「あら、良い香りがすると思ったら。ありがとう」
ちひろ「ありがとうございます」ズズッ
ちひろ「あつっ」
真奈美「はは――それで、どうしたんだい?」
P「いえ、実は――」
真奈美「ふむ、なるほどね」
真奈美「それで留美さんも手伝ってるのか」
留美「そう言うこと」
真奈美「それじゃ、私も出来ることをしようか」
P「えっ」
真奈美「えーと、余ってる端末はあるかな?」
ちひろ「ここにありますよ」
真奈美「じゃ、借りるよ」
P「ちょっと待ってください!」
真奈美「ん?」
P「流石に3人分も書類を回せませんよ」
真奈美「ああ、いや、私もこの手のことは得意じゃないからね」
真奈美「2人が入力した書類の校正でもしてるさ」
P「――すみません」
真奈美「なに、気にする事じゃない。日頃、君には世話になってるんだ」
カタカタカタカタ
カリカリカリカリ
P「お願いします」
留美「はい」
真奈美「ちひろ君、ここなんだが――」
ちひろ「はいはい」
カタカタカタカタ
カリカリカリカリ
P「……」ペラッペラッ
P「――出来たぁー」
真奈美「思いの外早かったね」
留美「真奈美の編集の賜物ね。何が得意じゃないって?」
真奈美「入力の方は苦手なんだよ。切った貼ったなら、それなりにはね」
ちひろ「」グッタリ
P「3人とも、ありがとうございました!」
留美「こういうの久しぶりだったから、私は楽しかったわ。だから気にしないで」
P「いえ、このお礼はいずれ、なにかの形で――」
真奈美「ふむ、そうだね、いずれ何かやってもらおうかな?」
留美「ちょっと、真奈美?」
真奈美「留美さんも、それで良いね?」ジッ
留美「……はぁ、じゃ、そう言うことにしておくわ」
留美「それよりほら、プロデューサー君は何か予定があるんじゃなかったの?」
真奈美「片づけはこっちでやっておくから」
P「っ! そうでした、すいませんがお願いします!」バタバタ
留美「で、何を企んだの?」
真奈美「人聞きが悪いね。貸しは作っておいて損はないってだけさ」
留美「あら、そう……でも、そうね。貸しであることには変わりないわね」
真奈美「そう言うこと」
留美「じゃあ、私の企みに乗ってもらおうかしら」
真奈美「ん?」
ちひろ「――ハッ」
ちひろ「あれ、プロデューサーさーん? 留美さーん? 真奈美さーん?」
シーン
ちひろ「……放置されたっ!?」
P「ああもう、ホントにしまったなぁ」
P(集中しすぎて時計見てなかった……こんな時間か)
P(もう、閉まってるよなぁ)
P「一応、電話してみるか」
prrrr prrrr
P「あ、すみません、私、今日予約していた……はい、そうです」
P「申し訳ありません、もう閉店してますよね?」
P「一応、頼んだ物の代金は明日にでもお支払いしますので……」
P「え、本当ですか!? ありがとうございます! すぐに伺いますので!!」
留美「――動いたわ、行きましょう」
真奈美「企みって言うのは、これかい?」
留美「そうよ?」
真奈美「……流石に悪趣味と言わざるを得ないな」
留美「彼の予定って言うの、気にならない?」
留美「ひょっとしたら誰かとデートでもするのかも知れないわ」
真奈美「む……」
真奈美「確認、だけだよ」
留美「そうだったとしても、邪魔はしない、と言うこと?」
真奈美「そうだね」
留美「……良いわ」
P「……」テクテク
真奈美「結局、あれから、閉店したケーキ店でケーキを購入して」
真奈美「露天商で怪しいアクセサリー見てただけ、と――」
留美「どこに向かってるのかしら」
真奈美「……彼の家の方角、かな」
留美「えっ」
真奈美「ん?」
留美「なんで知ってるのかしら、彼の家」
真奈美「あー、彼の住所が書かれた書類が視界に入ってね」
留美「そう。目に入っちゃったのなら、仕方ないわね」
真奈美「あのアパート、か。間違いなく彼の家だな」
P「……」カチャ
留美「あら?」
真奈美「ん?」
留美「彼が入っていった部屋、その前から明かりが点いてたわ」
真奈美「……」
留美「……」
留美「家族、かしら」
真奈美「どうだろうね」
真奈美「彼とて、良い大人だ。恋人の1人や2人、居ることもあるだろう」
留美「……2人は問題よね?」
真奈美「……そうだね」
真奈美「とは言え、だ」
留美「?」
真奈美「これ以上ここに居ても、仕方ない」
留美「……しょうがないわね」
真奈美「はぁ、どこかで、軽く飲んでから帰るかな」
留美「あら良いわね。付き合うわ」
留美「あ、そうだわ」
留美「今度、お料理教えて貰えないかしら?」
真奈美「うん? 別に構わないが、何の料理を教えたら良いのかな?」
留美「何をと言うか……基礎的なことをね。最近練習はしてるんだけど、どうにも不安なのよ」
真奈美「ふむ、なるほどね」
留美「……そうね、具体的な料理で言うなら、肉じゃがとかどうかしら」
真奈美「――悪くはないと思うが」
真奈美(肉じゃが、ね……胃袋を掴むなら、本当は肉じゃがよりみそ汁の方が良いんだが)
真奈美(……ま、黙っているか)
P「ただいまー」
「すぅ……すぅ……」
P「……ありゃ、予想通り家には来てたけど、寝ちまったか」
「……むにゃ……」
P「しょうがないな、結構良い時間だし」
P「こんなとこで寝てたら、風邪引くぞ、まったく」
P「ふゎあぁぁぁ、俺も疲れたな……」
「ん、むぅ……」
P「がぁ……ぐぅ……」
荒木比奈「んー……ぷぉりゅーさぁ?」
比奈「……ふあぁぁぁぁぁ」
P「んぐ……」
比奈「……んー……」ボー
比奈「ぷろりゅーさーがいるっすぅ……」ギュー
P「……んがっ……ん、比奈、目が覚めたのか」
P「つーか、俺もすっかり寝いっちまったな」
比奈「んぅ……」ジー
P「……ん?」
比奈「ひどいかお、ッスね……」
P「」
P「言うな……昨日徹夜だったんだよ……」
比奈「んー、ぷろでゅーさー、まだ若いんスから、2日くらい貫徹出来ないとダメッスよ?」
P「お前と一緒にするなよ」
P「つーか、そんな生活してると、すぐに肌に影響出るようになるぞ?」
比奈「あー、それはイヤッスね……」
P「だから、あまり無茶するなよ」
比奈「むぅー、じゃあその言葉、そっくりお返しするッスよ」
P「俺はほら、明日休むための頑張りだから」
比奈「ダメッスよー。プロデューサーは絶対早死にするタイプッス」
P「うーん、否定出来ないな」
比奈「アタシ残して死んじゃダメッスからね?」
P「はい、善処します」
比奈「よろし――」クゥー
比奈「」
P「あっははっ、俺も腹減ったし、こんな時間だけど飯にするか」
比奈「そ、そうッスね。すぐ準備するッス」
P「っと、その前に」
比奈「?」
ギュッ
比奈「ふあっ!?」
P「……誕生日おめでとう、比奈」
比奈「ぁ……? あ、ありがと、ござい、ま、ス……」
チュッ
P「ん」
比奈「んむぅ……」
P「れろ」
比奈「んっ!?」
P「ちゅる」
比奈「んーっ! んーっ!!」ペシペシッ
P「……ふぅ、堪能した」
比奈「はぁっ、はぁー……」
比奈「不意打ちの上に長いッスよ!?」
P「あっはっは」
P「ありゃ、寝てる間に日が変わっちゃってたな」
P「一日遅れだけど、これ、プレゼントだ」
比奈「えへへ……正直、自分の誕生日なんて忘れてたッス……ぐすっ」
P「本当は日が変わる前に、祝ってやりたかったんだけどな」
比奈「……大丈夫ッス――祝って貰えただけで、覚えてて貰っただけで、うれしいッスから」
P「……そっか」
比奈「これ、開けて良いッスか?」
P「ああ」
ガサッ
髑髏のネックレス「ょぅ」
比奈「」
比奈「ちょっ!? なんなんスかこれ!!」
P「ホントはもっとマシなの用意したかったんだけど、時間が無くてさー」
P「帰り道に露天商が出てたんで買ってきたんだ」
P「そのうち、ちゃんとしたの買うから、ひとまずってことで我慢してくれ」
比奈「アタシの感動返すッスー!!」
比奈「大体、なんで髑髏何スか! もうちょっとマシなの無かったんスか!?」
P「一応、意味は考えてきたぞ?」
比奈「へ?」
P「お互い骨になるまで、いや、骨になっても一緒にいてくれ」
比奈「は、はぃ……」
P「それっぽいだろ?」
比奈「――むー……騙されてあげまスよ」
P「ああ、サンキュー」
P「あ、そうそう、ケーキ買ってきたんだ。あとで一緒に食べよう」
比奈「あー、こんな時間に、ッスか?」
P「ん、それもそうだな。ま、少し食べて、残りは明日でも良いだろ」
比奈「そうッスね」
P「俺も手伝うから、とっとと準備しちまおう」
比奈「はいッス」
食後
P「じゃーん! どうだ、このケーキ!」
比奈「おー」パチパチパチ
比奈「――って言うと思ったッスか!? 大きいッス! 大きすぎッス!!」
P「あぁうん、奮発しすぎた」
比奈「2人しかいないのに8号って何考えてるんスか!!」
P「ケーキの号数って、よく分からなかったんだよ……」
比奈「どーするんスか、これ……」
P「明日の朝食?」
比奈「うわぁ……」
P「さて、ケーキも食ったし」
比奈「食後の運動でも――するッスか?」
P「まぁそれは置いておいて」
比奈「?」
P「明日さ、お互いオフだし、どこか行くか?」
比奈「んー、イヤッス」
P「ん? どこでも、行きたいところ行って良いんだぞ」
比奈「プロデューサーと一緒に居られれば良いんスよ。この家の中だけでも」
P「比奈……」
比奈「と言うか、プロデューサーはホントに休まないとダメッス」
比奈「ホントに――倒れちゃうッスよ……?」
P「比奈ぁああぁぁぁぁぁぁぁ!」フニフニフニフニ
比奈「ふにゃぁっ!?」
アッ チョッ マ マツッス ンアッ ンヤァァァァァ……!
どこかのバー
留美「はぁ~ぁ、もう、本当に襲っちゃおうかしら」カロン
真奈美「例のあの薄い本のようにかい?」コクコク
留美「……そうね」
真奈美「ま、もしもそんな時が来たら、全力で止めるけどね」
留美「へぇ……」
真奈美「何、かな?」
留美「あの中で、貴女のリクエストが一番力が入っていたって、もっぱらの評判よ?」
留美「リクエストの仕方が、ね」
真奈美「――確かにあれは、私なりにはしゃぎすぎたと思ってるよ」
留美「はしゃぎすぎた、ねぇ。そう言うことにしておくわ」
留美「そもそも私の発案なんだけど、あんなに流行っちゃうなんて」
留美「モバP逆レイプシリーズ」
おわり
31 : VIPに... - 2013/04/10 01:07:53.27 hmGobRj0o 31/31と言うことで、以前VIPで投下した、
モバP「朝目覚めたら隣に比奈が寝てた」
https://ayamevip.com/archives/56437053.html
の設定を引き継いだ比奈誕SSでした。
ホントに1日遅れちゃったけど、比奈おめでとう!
あ、あとメガキチさんも(ry