春香「千早ちゃん! 誕生日おめでとう!」
千早「ありがとう、春香」
春香「いやぁ、おめでたいなぁ! 友達が誕生日だと、こっちまで嬉しくなるよ!」
千早「ふふっ」
鞄「……」
千早「あら? 何かしら、その大きな鞄は」
春香「あっ、これ? 今日のために事務所の皆で用意した誕生日プレゼントだよ!」
千早「ッ! こ、これ重くない?」
春香「それだけ密度の濃いものが入ってるんだよ! 開けてみて開けてみて! きっと驚くから!」
千早「一体なにが入って……」
元スレ
千早「事務所のみんなからのプレゼントがエスパー伊東だった」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361718561/
タッタラター タータタタター タータタタター ターター タッタタター
千早「エレクトリカルパレード?」
エスパー伊東「ハィ~ッ」
千早「きゃああああ!? な、何か出てきた!? 顔!?」
春香「千早ちゃん、誕生日おめでとう! 私からの誕生日プレゼントは、エスパー伊東さんだよ!」
千早「ええ!? え、エスパー伊東さん!?」
春香「あっ、本名は伊東万寿男さんね。あずささんが昔見てた番組にはその名前で出てたとか」
エスパー伊東「ハイ~ッ」
千早「こ、これどういう事!? えっ!? 何で!?」
春香「いやぁ、いろいろ悩んだんだよ?千早ちゃんへのプレゼント」
千早「悩んだ結果が、エスパーなの?」
春香「うん。ほかの候補はね、オプーナを買う権利と、月の権利書かな。オプーナはネタになる割には普通に良作でネタとしてイマイチかと思って」
春香「月の権利書はどうも既にほかの人が持ってたみたいで諦めたんだけど。幸村精市さんだっけ? なんだか下手に触れると五感を奪われそうだったからやめました!」
千早「ごめんなさい、それでもどうしてエスパー伊東に行きつくか分からないわ」
春香「物より想い出の方が良いかなって思って」
千早「想い出になるの、この人?」
エスパー伊東「ハイ~ッ」
春香「なるんだって!」
千早「いや、さっきから同じセリフしか言ってないわよ、エスパーさん。春香、野生に還してきなさい」
春香「エスパーさんをペットみたいに言わないで上げて! これでも年収2000万円なんだよ!」
千早「そうなの? 24時間テレビの裏番組でしか見たことないんだけど」
春香「結婚式の余興とかで呼ばれることが多いんだって! ですよね、エスパーさん」
エスパー伊東「ハイ~ッ」
千早「そのセリフしか言えないよう手術でもしたの?」
エスパー伊東「ハイ~ッ」
千早「……話にならないわ。気持ちは嬉しいけど、今すぐ先方の事務所に謝って来なさい」
春香「まあまあ! 折角やよいがチョイスしたんだから! 『マリックさんよりエスパーさんの方が楽しいかなーって』感じで!」
千早「なら仕方ないわね。最高の誕生日プレゼントをありがとう」
春香「チョロッ」
千早「でも、プレゼントにエスパー伊東さんだなんて、どうすればいいの?」
春香「それは育てて、友達のエスパー伊東さんと勝負したらいいんだよ! デジモンみたいに!」
千早「いや、エスパー伊東さんを持っている友達何て世界中探しても見つからないと思うわ」
春香「じゃあ新曲のPVに出ていただくとか?」
千早「使いどころが分からないんだけど……」
エスパー伊東「高能力」
千早「へ?」
エスパー伊東「高能力、見せます」
春香「喋ったあああああ!」
千早「春香が驚くの!?」
春香「いやぁ……、お願いするときもハイ~ッしか言わなかったもんで。樺地くんが喋った時以上の衝撃だよ」
千早「それは契約としてどうなのよ。ところで樺地君って誰?」
春香「あっ、中学2年生ね」
千早「あら、高槻さんと同じ年なのね。きっと可愛いんでしょうね」
春香「ウス」
千早「それはさておき、エスパーさんが千早ちゃんのために高能力を見せてくれるって! やったね!」
千早「高能力?」
エスパー伊東「高能力はでしゅね超能力のその上を行く未知の力で……」
春香「エスパーさん! 早口になってますよ! 落ち着いて」
千早「何を言っているか聞き取れなかったわ……」
春香「まぁとにかく凄いって事だけはお分かり頂けたかな?」
千早「ただ者じゃない風格は漂ているけど……」
春香「並みの手練れじゃないよね」
千早(それはどっちよ……)
春香「それでエスパーさん! 今日はどんな高能力を見せてくれるんですか!?」
エスパー伊東「えーと……」
千早「考えてなかったの!?」
春香「まあまあ、このグダグダっぷりもエスパーさんの魅力だよね!」
千早「まあなんでもいいけど」
春香「決まりました?」
エスパー伊東「高卒真っ青!」
春香「へっ? 高卒真っ青? 昨今の就活難?」
エスパー伊東「あっ、高速です」
千早「滑舌悪いのね」
春香「で、どのような高能力なんですか?」
エスパー伊東「このホワイトボードをね、5秒で蒼く塗りつぶします」
春香「ほう! 千早ちゃんと言えば、青ですからね! しかしエスパーさん絵が上手いですね」
千早「ねぇ、春香。なんでこの絵の中のホワイトボードの上に、私の顔が描かれているのかしら?」
春香「な、何でかな……?」
千早「しかもうまいのが何とも言えない気持ちになるわね……」
エスパー伊東「あれ? 違った? 良く似てると思う……」
春香「こらっ!」
千早「春香、業界の大先輩よ。粗相をした犬みたいに怒っちゃダメよ」
春香「それじゃあ気を取り直して。エスパーさん、お願いします!」
千早「あっ、エレクトリカルパレード流れてきた」
エスパー伊東「――!」
春香「凄い! ホワイトボードがみるみるうちの真っ青に!」
千早「言うほどじゃないでしょ。3、2、1、0」
エスパー伊東「ぜぇ、ぜぇ……」
千早「……出来てないわよね」
春香「余白の方が多いもんね」
エスパー伊東「ハイ~ッ」
千早「茶を濁された!?」
春香「ハイ~ッ」
千早「春香も混じった!」
春香「いやぁ、残念! 高能力失敗ですね! でも、まだまだ高能力はありますよ!」
千早「期待しない方が良いわよね……」
春香「エスパーさん! お次の高能力は何ですか?」
エスパー伊東「本気(マジ)キックネバーギブアップ」
千早「?」
エスパー伊東「キックを受けても痛がらず、逆にキックをしている方が疲れてしまう高能力でしゅ」
春香(あっ、噛んだ)
千早「この絵、真ね」
春香「というわけで! キック担当は真だよ!」
真「あんまり荒っぽいことは好きじゃないんだけどなぁ……」
春香「まあ今回は仕事ってことで!」
真「えーと、本当に良いんですか? エスパーさん。自分で言うのもなんですけど、結構キツイと思いますけど」
エスパー伊東「大丈夫、君の方がつかれりゅから」
真(滑舌悪いなこの人……)
春香「タッタラタータータタタタータッタタター」
千早「音程が微妙に違うわね」
真「えっと、痛かったらちゃんと言ってくださいね。それじゃあ行きますよ! そいっ!」
エスパー伊東「あぎゃあああ!!」
春香「エスパーさん!?」
千早「い、今凄い音したけど……」
真「あのー、大丈夫ですか?」
エスパー伊東「平気平気……ッ!」
千早「凄くやせ我慢しているのが見て取れるんだけど」
春香「芸人根性だね」
真「はぁ。それじゃあ遠慮なく!」
エスパー伊東「ぐげえええ!」
真「えいっ!」
エスパー伊東「ぐひぇえ!」
真「そいやっ!」
エスパー伊東「あげっ!」
真「マッコマッコ」
エスパー伊東「リィィィィィン!」
千早「もうやめて! エスパー伊東さんのライフは0よ!」
春香「エスパーさーん!! 真ストップ!」
真「や、やり過ぎたのかな?」
春香「真、疲れてる?」
真「いや、全然」
春香「じゃあこの高能力も失敗ですね」
千早「何故かしら? この人、我那覇さんと通じるものが有るような……」
エスパー伊東「ハ、ハイ~ッ……」
千早「いや、これは高能力とは言わないんじゃ。ただの体育会系のノリじゃ……」
春香「エスパーさん、次の高能力は?」
エスパー伊東「す、少し休憩していいですか……」
春香「あっ、すみません」
千早「ここまで無意味な誕生日プレゼントは、生まれてはじめてよ」
春香「ま、まぁまぁ! チャージマン研!のDVDボックスとエスパーさん、どっちが良いか聞かれたら?」
千早「それはエスパーさんだけど……」
春香「今は英気を養って、次は大技が出てくるかもしれないしね!」
千早「彼のピークは鞄の中から顔を出したことだと思うのよ」
春香「そういうこと言ってあげないで!」
千早(その後もエスパーさんは高能力と言ってわけのわからないネタを披露し続けましたが)
エスパー伊東「激辛もやしラーメンニコニコ食い。笑顔で激辛もやしラーメンを食べきるよ」
貴音「らぁめんと聞いて飛んできました」
やよい「もやしは体にいいんですよー!」
春香「それじゃあ……、スタート!」
千早(どこからラーメンを持って来たのよ……)
エスパー伊東「キャハハ! キャハハ! ぐふっ!」
やよい「もやしを粗末に扱わないでくださいー!」
貴音「これはなかなか……。真美味ですね」
エスパー伊東「死ーん」
春香「チャレンジ失敗だね」
貴音「食べ残すとは言語道断! 恥を知りなさい!」
やよい「もやしを笑う人はもやしに泣くんですよー! 偉い人が言ってました!」
千早(どういう状況?)
エスパー伊東「ハイ~ッ」
春香「じゃあ次、逝ってみよう!」
エスパー伊東「高速地面堀り進み。スコップを持って掘り進んでブラジルまで行きます」
春香「日本の真下にブラジルは無いよね」
千早「それ以前に無理よね、そういうの」
雪歩「穴掘りと聞いて飛んできました」
エスパー伊東「ぜぇ、ぜぇ……」
雪歩「私の方が早く掘り進めました。一昨日来やがれです!」
春香「ま、まぁブラジルは無理だよね!」
千早「流石に穴掘りは萩原さんに分が有ったわね」
エスパー伊東「ハイ~ッ」
エスパー伊東「360°敵だらけ。枕マトリックス避け」
春香「全方向から飛んでくる枕を全部避けるんだとか」
千早「修学旅行で重宝しそうな技ね」
亜美「いくぞー!」
真美「ボディががら空きだよ!」
エスパー伊東「あだっ! 痛い痛い!」
響「うぎゃー! 流れ弾が当たったさー!」
美希「この枕寝心地いいね」
エスパー伊東・エスパー亜美・エスパー魔美『ハイ~ッ』
千早(ちゃっかり馴染んでる……)
春香「お次の高能力はこちら!」
エスパー伊東「高速デコ磨き。額を磨いて……」
伊織「こっち見んな!!」
エスパー伊東「くぎゅううう!」
伊織「気持ち悪っ!」
春香「遅かった……感染済みだなんて」
エスパー伊東・エスパー伊織『ハイ~ッ』
伊織「って誰がエスパー伊織よ! 最初5文字同じなのがなんかムカつく!」
千早(と、成功するどころか全敗。面白いと言えば面白いんだけど)
エスパー伊東「ハ、ハイ~ッ」
千早「何一つ成功しなかったわね」
春香「そういう芸風なんだよ!」
エスパー伊東「高能力試してみる?」
千早「へ?」
エスパー伊東「鼻息だけで、ゴム手袋割る、爆裂手袋鼻息割り」
千早「わ、私が!?」
春香「でも千早ちゃん、肺活量あるから案外できるかも」
千早「春香!?」
やよい「出来るんですかー!? 千早さん流石です!」
千早「高槻さんまで……」
春香「ほら、ゴム手袋。あっ、もちろん良い子の皆はマネしないでね!」
千早「私、誕生日なのよね」
春香「うん。だからこそ、一皮むけなくちゃ」
千早「嫌って言ったら?」
春香「そこはエスパーさんの高能力、高速バスト上げの犠牲に……」
千早「やるしかない、のね……」
一同「頑張れー!」
春香「エレクトリカルパレードカモン!」
エスパー伊東「――!」
千早「――!」
響「――!」←ちゃっかりやらされてる
美希「千早さんのスピードが凄いの!」
律子「とてもじゃないけど、テレビで流せない顔になってるけどね」
千早「――」
千早「きゃぁ!」
あずさ「千早ちゃんのゴム手袋が破裂しました!」
千早「え? ええ? これで?」
春香「千早ちゃん! あれだよ、あれ! お約束のあれ!」
千早「へ? とったゲロー?」
春香「今日はエスパーさんだよ?」
千早「あっ」
エスパー千早「ハイ~ッ」
春香「千早ちゃん! 誕生日おめでとう!!」
一同「おめでとう!!」
千早「ふふっ、ありがとう。みんな」
春香「そうそう! 皆でケーキ作ったんだ! 食べようよ!」
千早(ケーキだけで十分だったって突込みは、野暮なのかしら?)
エスパー伊東「さ、酸素を……」
響「な、なんで自分まで……」
千早(こうして、私の誕生日パーティーは大いに盛り上がった)
P「写真撮るぞー! さん、」
一同『ハイ~ッ!』
千早(その後もエスパーさんは色々高能力を見せてくれたけど、1つも成功しなかった)
エスパー伊東「あっ、次の仕事の時間だ」
春香「エスパーさん、ありがとうございました! また来年も来てくださいね!」
千早「いや、別に良いかしら」
春香「じゃあマギー審司さん呼ぶ?」
千早「とある765の販促映像(プロモーションビデオ)?」
あずさ「伊東万寿男さん、サイン貰っていいですか?」
小鳥「特ホウ王国毎週見てました!!」
エスパー伊東「ハイ~ッ」
P「20歳より上は、特ホウ王国を見てた世代ですしね。俺ももらっとこ」
春香「それじゃあ伊東万寿男さん、さようなら!」
エスパー伊東「うわああああ!」
千早「ペットボトルロケットで飛んで行った……」
春香「ちなみに次の響チャレンジは、あれだからね?」
響「やだよ! 怪しい都市伝説で見たけど、あれやらせだったよね!?」
春香「その時ぃ、水瀬特派員が見たものはぁ!?」
伊織「私!? って若本の真似うまっ!」
千早「ふふっ」
すーじつごー!
P「うー寒っ! 流石ロシアだな……」
千早「新曲のPV撮影にロシアまで行けるなんて光栄ですね」
P「だな。お土産何を買おうかな」
千早「あれ?」
P「ん? なんだあの大きなかばん」
千早「まさか……」
エスパー伊東「ハイ~~ッ」
お終い
49 : ◆CiplHxdHi6 - 2013/02/25 01:29:34.01 YM2VWW+t0 24/24これで終わりです。支援してくださった方、本当にありがとうございました。おかげさまでスムーズに投下出来ました。
それと千早誕生日おめでとう!