1 : ◆ivbWs9E0to - 2019/02/10 11:39:34 MoL 1/19アイドルマスターミリオンライブ!のSSです。
オチもヤマも無いSSですがよろしくお願いします。
元スレ
お肉が食べたい田中琴葉【ミリマスSS】
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1549766374/
琴葉「えーっと、こほん」
琴葉「それでは、灼熱少女シアター公演の終演と盛況と祝しまして・・・」
環「みや、「せいきょう」ってなに?」
美也「色んな食べ物を売っているお店ですよ~」
環「それならたまき知ってるぞ!」
琴葉「えっとね、盛況っていうのは」
恵美「琴葉!いいからいいから!」
海美「かんぱーーーーーい!!!!!!」
琴葉「あっ」
環「かんぱーい!」
美也「乾杯~!」
琴葉「もう・・・海美ったら・・・」
海美「え!ダメだった!?」
恵美「にゃはは、ウチららしいね」
P「相変わらずまとまりがあるんだか無いんだかわからないな」
恵美「プロデューサー、それ褒めてるの?」
P「褒めてる褒めてる。琴葉もリーダーお疲れさま。」
琴葉「ありがとうございます。私はなにも・・・みんなのお陰です。」
P「ほら、今日は特別にアイスも沢山買っておいたんだ」
琴葉「あっ、本当だ。これちょっと良いやつですよね。」
環「わぁ!色んな味があるぞ!ことは、一緒に分けっこしよう!」
琴葉「うん、環はどの味が食べたい?」
環「うーんとね、これとこれとこれと、あとこれも・・・」
琴葉「そんなに食べるの?」
美也「私もサンドイッチを作ってきましたぞ~」
P「今日はいつもの打ち上げと違う食べ物があって面白いな」
美也「むふふ~、琴葉ちゃんもどうぞ~」
琴葉「ありがとう。これって苺?」
海美「ねぇねぇ!美奈子先生が作ってくれたチャーハン、すっごく美味しいよ!」モグモグ
恵美「海美ぃ~、そんなに取ったら他食べれなくなるよ」
海美「大丈夫大丈夫!こんなに美味しいんだもん!」
恵美「あちゃぁ、私知らないからね」
帰り道
琴葉「ふぅ、ちょっと食べ過ぎちゃったかな」
恵美「琴葉ったら珍しくはしゃいじゃってたね」
琴葉「そうだね、お腹が苦しい・・・」
恵美「あ、そいえばさっきエレナから最近レッスンが一緒じゃなくて寂しいヨ~って連絡が」
琴葉「それもそうね・・・今度また遊びにいこっか」
恵美「カラオケいこーよ!カラオケ!」
琴葉「うん、いいね・・・、あっ」
恵美「ん?どしたの琴葉」
この時琴葉は気付いてしまった
琴葉(・・・お肉が食べたい)
劇場公演を終えて適度に披露した身体
これまでのレッスンの集大成を終えた安堵感
そして打ち上げのケータリングで食べた甘いものと炭水化物
様々なこじつけは可能だが、理由なんてあるのかもしれないし無いかもしれない。
ただ衝動的に、肉を食べたくなってしまったのである。
肉が食べたくなるときなんてそんなものである。
琴葉は己の中の肉を食べたい欲に気付いてしまった。
思わず赤身の肉にかぶりつく自分を想像してしまう。
流石に今はお腹一杯なのでこれから肉を食べに行くことは不可能だが、
空腹ではない今でさえ「肉を食べたい」という気持ちは高まっていくばかりだった。
恵美「・・・ほんとにどしたの?」
琴葉「あ、ううん何でも。いついく?」
恵美「来週また劇場集まるでしょ?その後とかどう?」
琴葉「そうだね。そうしよっか」
恵美「・・・?」
その後分かれて各々の帰路についたが、
琴葉の中の肉を食べたい欲求が収まることはなかった。
翌週の土曜日、琴葉は恵美とエレナと共に朝から劇場でレッスンをしていた。
今週は平日に仕事が入っておらず、夜ご飯はすべて自宅で頂いた。
学校の友達を誘って夜ご飯を食べに行っても良かったが、委員会の仕事も溜まっていたし、
何より急に「肉食べに行かない?」と誘うのが何だか気恥ずかしかった。
琴葉「ふっ、ふぅっ」
エレナ「メグミー、今日のコトハはすごい集中力だネー」
恵美「琴葉ー。公演終わったばっかりなのにそんな気張ってたらバテちゃうよ?」
琴葉「・・・ふぅ。もう少し・・・」
恵美「だめだこりゃ」
もしかしたら夕食でたまたまお肉が、とも思ったが
こういうときに限って魚料理多めで、
他の日も肉野菜炒め、シチューなど確かに肉は入っているものの琴葉の欲求を満たすに足る肉料理は現れなかった。
つまりこの一週間で琴葉の肉への欲求は収まるどころか高まっているのである。
恵美「琴葉、あたしたち先に行く場所決めてるからほどほどにね」
エレナ「ワタシ、ショッピング行きたいナ!」
琴葉「あれ、二人とももう着替えたの?」
エレナ「モー、さっきからそう言ってるヨー」
琴葉「ごめんごめん。すぐ行くから」
身体を動かせば動かすほど空腹も進行していく。
空腹が進行するほどに食欲も指数関数的に増幅されていく。
つまるところ、琴葉は今とても肉が食べたいのである。
慌ててシャワーと着替えを済ませて友人たちの下へ向かう。
琴葉「ごめん。お待たせ。」
恵美「遅いよ琴葉ー。お腹空いちゃった。」
琴葉「あはは、わたしも・・・」
恵美「とりま、いつものファミレスでパパッと食べちゃおっかって話してたんだけど」
エレナ「お腹と背中がくっ付いちゃったヨ!早く行コ!」
この時琴葉は少し考えた。
この場で「肉が食べたい」と言うことは可能だろう。
だがこれからお店を探すというのは流石に時間がかかるだろうし、
後に予定が控えたまま食べるというのは落ち着いて肉を堪能できないだろう。
琴葉「そうだね、早くいこっか」
恵美「琴葉、先週から元気なくない?」
琴葉「えっ、そんなこと・・・」
ここで琴葉は思い出した。
ファミレスでは普段スパゲティや定食を食べることが多いが、肉料理もあるはずだ。
普段と違うものを注文しても今日はお腹が空いているという大義名分もある。
口の中に広がる肉汁の甘みを想像し、口角がニヤリと上がってしまった。
琴葉「早くご飯食べに行こう!ね!」
エレナ「今日の琴葉はなんか変だネ」
柄にも無く二人の手を引いて劇場を飛び出してしまった。
琴葉(そんな・・・、ステーキが無くなってる・・・)
メニューを見て愕然とした。
最近忙しくて来ていなかったからメニューが変わってしまったのか、
そもそも肉モノメニューなんて普段あまり見ないから前から変わっていたのか。
どちらかは分からないがとにかくステーキがなくなっていた。
琴葉(・・・ハンバーグ定食にしよう)
エレナ「琴葉、すっごく真剣な顔でメニューみてるネー」
恵美「そんなにお腹空いてたのかな?にゃはは」
琴葉「もう、からかわないで。もう決まった?私は決まったけど」
恵美「はいはーい。私いつもの」
エレナ「店員サーン!」
結局ハンバーグ定食を注文した。
その後、これから行くショッピングの計画をしたり、今回の公演について話したりしているとすぐに料理が届いた。
「シーフードドリアのお客様ー」
恵美「はーい」
恵美が注文したものが届く。
今の琴葉にはシーフードでさえいささかヘルシーのように感じられた。
「ミートボールスパゲティのお客様ー」
エレナ「ハーイ!」
目の前に肉の塊が入ったスパゲティが置かれる。
自分の飲んだ唾が喉を鳴らした。
落ち着け、自分はこれからハンバーグを食べるのだ。
エレナ「いっただっきまー・・・?」
琴葉「・・・」
エレナ「琴葉、そんなにお腹すいてるノ?眼が怖いヨー」
琴葉「え?あ、ごめんごめん。食べてていいよ」
「ハンバーグ定食のお客様ー」
琴葉「は、はいっ!」
きた。鉄板の上で肉が焼ける音、肉汁が飛び跳ねる匂い。
「それではこちらソースをかけさせていただきますね。ナプキンをお持ち下さい」
琴葉「え?」
ジュワアアアァァァァァ
ハンバーグの上にソースがかけられ、鉄板にこぼれた分が勢い良く加熱されていく。
恵美がナプキンに油が飛ぶのをカラカラ笑いながら見ている。
エレナは一旦スパゲティを食べる手を止めてハンバーグと店員さんを交互に見ている。
私はそんな様子を少し眺めながら、少し冷静になってしまった。
「お熱いうちにお召し上がりください」
琴葉「はい、ありがとうございます。」
恵美「琴葉、すごいねー。ほんとにお腹すいてたんだねー」
琴葉「あはは、私も食べようっと」
左手のフォークで押さえ、右手のナイフでハンバーグに切れ込みを入れる。
妙に背筋を伸ばしながら正しい所作で一口サイズには少し大きいくらいにカットする。
大丈夫、もう少しで私はハンバーグを頬張ることが出来る。
口の中にはタンパク質と脂質、染み出した肉汁で一杯になり。そんなお肉を液体のように飲み込むのだ。
その時だった。
琴葉(・・・チーズ!)
ハンバーグの中から流動的な乳白色の物体が顔をのぞかせた。
落ち着け、今は目の前の肉塊に集中するのだ。
何も恐れることはない。チーズとてタンパク質の塊。肉との相性は折り紙つきである。
フォークでカットしたハンバーグを突き刺し、やや乱暴に口の中に放り込む。
琴葉「・・・」
口いっぱいのお肉。
と共にやや醤油味の効いたソースと、まろやかなチーズの味。
溢れる油の甘みと絡み合って非常に御飯が進む味だ。
思わずライスに手を伸ばし口に入れる。
美味しい。
とても美味しい。
だが、琴葉は若干の物足りなさを感じていた。
自分が食べたかったお肉はこういうものなのか?
ソースとチーズによって味付けされ、「定食」として完成したハンバーグ。
今私が食べているものはそういうものだ。
確かにとても美味しい。
しかし琴葉の頭の中にはモヤモヤとした雲が広がり、
雑念に身をゆだねながらハンバーグを食べていた。
エレナ「今日のコトハは何だか無口だネ?」
恵美「ね、琴葉って時々こういうことあるよね」
琴葉「・・・あ、ごめんね。別に何でもないの。」
恵美「まー悩んでるって感じでもないし?公演終わって気が抜けたのかな?」
琴葉「・・・そうかも。あっ」
その時、エレナがミートボールを口に含み、おいしそうに頬張っていた。
エレナ「ン?どうしたノ?」
琴葉「・・・シュラスコ。」
恵美「え、なに琴葉。シュラスコ食べたいの?今ハンバーグ食べてるのに?」
琴葉「えっと・・・うん。」
恵美「にゃははは!どんだけお肉食べたいの!」
エレナ「うーん、出来るけど準備があるからすぐにはできないヨ?」
琴葉「そ、そうだよね!ごめんなんでもないの!」
恵美「琴葉、もしかしてずっとお肉食べたくて口数少なかったの?」
琴葉「そうかも・・・」
恵美「あはははは!ウケる!ちょっとご飯食べてるときにあんまり笑わせないでよー!」
琴葉「うぅ、恥ずかしい・・・」
エレナ「また今度ママンと一緒に準備するから、それまで我慢できる?」
琴葉「できます・・・」
エレナ「今日のコトハは何だか可愛いネ!」
琴葉「エレナまで!もうっ!」
結局その日は恵美とエレナに散々からかわれ続けた。
次の日はプロデューサーと一緒に撮影の仕事だった。
昼からなのでもしかしたらプロデューサーと一緒にご飯を食べれるかも。と思ったが、
出発が押してしまい昼ごはんはスタジオ近くのカフェでサッと済ましてしまった。
撮影のほうは滞りなく終わり、プロデューサーも今日の出来にご満悦のようだった。
P「3時か・・・。ちょうとおやつ時だし、どっかで甘いものでも食べていくか」
琴葉「えっ、いいんですか?」
P「大丈夫大丈夫。何食べたい?」
琴葉「うーん、そうですね。この辺りって何がありましたっけ」
P「そうだな、知ってるところだとパンケーキとかパフェとか、紅茶が美味しいお店もあるぞ。」
P「あ、アイスのお店もある。そこにしようか?」
琴葉「うーん・・・アイスはこの前食べましたし、あっ」
琴葉「・・・お肉」
P「え?なんて?」
琴葉「・・・」
P「琴葉、今なにか言って」
琴葉「・・・いえ、何でもないです」
P「今日の撮影は上手くいったから、琴葉が好きなもの食べていいよ」
琴葉「笑いませんか?」
P「え?うん多分・・・」
琴葉「お肉が食べたいです。」
P「お肉?お肉って英語でいうとミート?」
琴葉「しいて言うならビーフが良いです」
P「ビーフ!?ふ、ふふっ」
琴葉「あ!笑いましたね!笑わないって言ったじゃないですか!」
P「だって、3時のおやつに・・・ビーフって・・・ふふ、あっはっは!」
P「よーし、じゃあステーキ屋さん探そうか!思いっきり食べよう!」
琴葉「うぅ、顔から火が出るほど恥ずかしい・・・」
「おまたせしました。サーロイン200gです。」
琴葉「わっ、来た・・・」
P「もし残ったら俺が食べるから、食べたいだけ食べな」
琴葉「ありがとうございます。えへへ、こんな時間に二人でステーキ屋さんなんて、他の人には言わないでくださいね?」
P(かわいい)
琴葉「この時間帯ならお客さんも少ないし、こっそり来てるみたいで楽しいですね」
P「いいからいいから、温かいうちに食べなよ」
琴葉「あっ、はい。それじゃあ頂きます」
フォークで肉を押さえてナイフで切りにかかる。
赤身肉の確かな手応えに思わず人差し指に力が入る。
肉の繊維を引き裂いていく感触を感じながら、少し大きいかなと思うくらいの大きさに切断する。
脇にステーキソースもあるが、敢えて最初の一口は何もつけずに。
普段ならはしたなくてここまで大きな口は開けないだろうなと思いつつ、体面も機にせず肉塊を口に放り込んだ。
琴葉「ん、んふふ・・・」
口の中に広がる赤身肉特有の若干の血の臭い。
その合間に刺している脂身のジューシーな甘み。
加工していない肉の弾力と歯ごたえ。
口の中から油が滴らないように顔を少しだけ上げ、顎の筋肉を総動員して噛み締める。
琴葉「ん、んむ、美味しい・・・」
P「琴葉がこんなにお肉を美味しそうに食べるなんて知らなかったよ」
琴葉「恥ずかしいのでそんなに見ないでください・・・」
P「いやいや、今の琴葉なら食レポで引く手あまただよ」
琴葉「先週からずっとお肉が食べたかったので」
P「先週って、灼熱少女の公演が終わってから?」
琴葉「そうですね。何故かそのあたりからお肉が食べたくって、今度はちょっとだけソースをつけて・・・」
琴葉「あむ、・・・うん、美味しい。ふふっ」
P「こういったら失礼かもだけど、琴葉ってあんまり肉とか食べるイメージ無いから」
琴葉「なんですか。私だってお肉を食べたくなることくらいあります」
P「そうだよな、ごめんごめん。続けて続けて」
琴葉「・・・もう。もぐ、んむむ・・・」
P「すごい勢いで食べるな。200gくらい簡単に食べられそうだ」
琴葉「ふ、普段はこんなに食べませんからね!今回だけです!」
P「あはは、すまんすまん。」
琴葉「今日のこと、みんなには秘密にしてもらえます?」
P「ステーキ奢ったって言ったら色んな人にせがまれそうだしね。言わないよ。」
琴葉「お願いします。あむっ、うふふ・・・」
結局琴葉はその細身の身体のどこに収まるのか分からないほどの勢いで3時のおやつに200gのステーキを平らげ、
満足そうな顔で劇場に戻ったことから恵美とエレナに何があったのか追求され、
あっさりステーキを食べたことを白状して再び2人に散々弄られていた。
さらにエレナがシュラスコをお願いされていたことをプロデューサーにバラし、
琴葉は顔と耳を真っ赤にしながら恵美とエレナを追い掛け回していた。
おわり
19 : ◆ivbWs9E0to - 2019/02/10 11:50:45 MoL 19/19HTML依頼出してきます。
ただ琴葉にお肉を食べさせたかっただけ。