――――――――――――事務所
P「涼、拓海、夏樹もだいぶ知名度は上がってきたとはいえ、少し頭打ちな気がする」
P「ここはプロモーションをかける必要がある」
P「だが普通のプロモーションでは意味が無い」
P「……ふむ、どうするべきか」
こんこん
亜里沙「Pさん、ちょっとお話が……」
P「ん?」
元スレ
モバP「いつものあいつらを保育園に送ってみる」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417970016/
――――――――――――翌日、事務所
P「よく来たお前たち」
夏樹「またこの三人で呼び出しか」
涼「朝くらいゆっくりさせてほしいよ」
拓海「つまんねー呼び出しだったらマジで殴るからな」
P「つまんないかどうかは聞いて判断しろ」
夏樹「今までのを加味してもな……期待が薄いんだよ」
拓海「犬の散歩とかな」
P「今度はお前らのプロモーションだ」
涼「プロモ? ライブ? PV撮影?」
P「保育園でキャンペーンだ」
拓海「よし、殴る」
涼「許可する」
P「待て待て!! 話を聞け!!」
夏樹「今回はあたしもちょっとな……」
涼「だいたい、なんで保育園なんだ?」
P「今、俺が用意できる場所でもっとも人が多いのがそこだった」
拓海「なんだそりゃ?! 人っつてもガキ相手じゃねえか!!」
P「お前、幼児は人に入れないつもりか?」
拓海「へ? い、いや! そうじゃねえけどよ…」
P「幼児や小中学生から人気に火がついたアイドルや芸人はたくさんいるだろ?」
拓海「そりゃあ……な……」
P「子供の心もつかめず、大人の心もつかめると思ってるのか?」
涼「わ、悪かったよ……そんなつもりじゃないよ……」
夏樹「確かに、Pの言うことも一理あるよな」
P「お前らの不満はよく分かる。だけど今は俺を信じてくれ」
拓海「……わかったよ、ったく」
涼「結局こうなるんだよな……」
夏樹「でも保育園の先生って資格いるんじゃねえの? 第一、あたしら未成年だし」
P「そこは心配いらない。助っ人を呼んでいる」
がちゃ
亜里沙「どうも~」
涼「なるほど。ありさせんせいが助けてくれるなら心強いや」
亜里沙「保育士としてお仕事はダメだけど、今回はキャンペーンだからね。あくまでそこの保育士さんのお手伝いってことで」
拓海「気が重いぜ……」
――――――――――――数日後、保育園
亜里沙「みんな~!! こんにちわ~!!」
< こんにちわーー!
亜里沙「ん~! みんなげんきですね~~!!」
亜里沙「きょうはみんなの、あたらしいおともだちをしょうかいしまーす!!」
< わー!
亜里沙「こちらはりょうせんせい」
涼「こ、こんにちは……」
< こんにちわー!
亜里沙「こちらがたくみせんせいでーす」
拓海「う、うっす……」
< ういっすー!
亜里沙「あともうひとり、なつきせんせいというかたがいますが」
亜里沙「いまはみんなのぷりんをとってきてもらってまーす」
< わーー!
拓海(あンの野郎……)
涼(逃げやがったな……)
亜里沙「それじゃあ、拓海ちゃんは男の子たちと、涼ちゃんは女の子たちと遊んであげてね」
涼「まあ、妥当なとこかな」
拓海「遊ぶっつってもチビ共とだろ? 楽勝だな」
涼「まあ、女の子たちなら何とかなるっしょ」
亜里沙「ふふふ、頼んだわよ」
――――――――――――グラウンド
拓海「よっしゃ! ほら来い、チビ助ども」
わー
男の子A「……」ジー
男の子B「……」ジー
拓海「ん? なんだ? どうした? ほら、こいよ」
男の子A「とりゃ!」
ふにょん
拓海「なっ!!」
男の子A「すげー! おっぱいでけえ!」
拓海「ななな、何しやがんだっ!」
ぺちん
拓海「ぎゃああああ!」
男の子B「ケツでっけえええ!」
拓海「こ、こ、こんの……ガキ……」
拓海(落ち着け……いちいちガキに目くじら立てるな)
拓海「だ、だめだよー……そういうことやっちゃ……」ヒクヒク
男の子A「みんなー! おっぱい怪人だー! やっつけろー!!」
わー
拓海「ちょ、ちょ待て! お前ら!!」
わー
ぺちぺち
拓海「……」イライラ
もみもみ
拓海「…………」イライラ
ぷつん
拓海「あったまきた!! このエロガキども!! 全員とっ捕まえてケツ、ブッ叩いてやる!!!」
男の子B「わー! にげろー!」
拓海「このやろ!」ガシッ
男の子B「うわー! つかまったー!!」
男の子C「みんなー! 助けるぞー!!」
わー
拓海「な? てめえら! そんないっぺんに!!」
わー
拓海「ぎゃーーーー!」
――――――――――――教室
< ワーワー
涼「何やってんだか……あいつ」
涼「まあ、こっちは女の子だから楽でいいや」
女の子A「せんせー」
涼「はい、なにかなー?」
女の子A「ごほんよんでー」
涼「おう、まかせろ……じゃないや。いいよ、おいで」
わーい
涼「じゃあ、みんなでごほん読もうねー」
女の子A「せんせーのおひざ、いい?」
涼「いいよ」
涼(やっぱ、女の子は大人しくていいな)
女の子B「りょうせんせー」
涼「ん?」
女の子B「せんせいのかみきれーい」
涼「ははっ、あんがと」
女の子B「わたし、みつあみしてあげる」
涼「へ? い、いいよ……」
女の子C「ずるーい! わたしもしたーい!!」
女の子D「わたしも!!」
涼「いや、ちょ、ちょっとまって」
女の子B「もうちょっとつめてよー」
女の子C「それわたしのかみー」
涼「いや、だから……いててててて!! ひ、ひっぱらないで!!」
女の子A「せんせー」
涼「いたたたた……な、なに?」
女の子A「おしっこ」
涼「へ? あ、ちょっと待って……いだだだだ!!!」
――――――――――――グラウンド
わー わー
拓海「くっ!……はあはあ……このガキども……ちょろちょろと……」
拓海「これじゃ、マストレさんのレッスンと変わらねえじゃねえか」
どるんどるん
ぴっぴー
拓海「んあ? バイク?」
夏樹「よっ! やってるな?」
拓海「あっ! てんめえ! 夏樹!!」
夏樹「怒るなって……ほら、プリンも持ってきたんだしよ」
拓海「お前も手伝え!」
夏樹「わーったわーった、とりあえずプリンを……」
男の子A「……フォーゼだ」
男の子B「……フォーゼ」
夏樹「は? ふぉーぜ?」
拓海「ちょうどいい。プリン持ってってやるからお前、そこで相手してろ」
夏樹「相手ってなんだよ?!」
拓海「とりあえず『宇宙キター』って言えばいいんだよ」
夏樹「は? なんだそりゃ?」
拓海「いいからやってろ。じゃあな、後頼んだぜ」
夏樹「お、おい! 拓海!!」
男の子A「……」ジー
男の子B「……」ジー
夏樹「うっ……え、えっと……うちゅうきたあー……これd」
男の子A「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」
男の子B「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」
夏樹「おわっ! な、なんだ?!」
――――――――――――教室
拓海「ふうぅ……ようやく開放されたぜ」
涼「……おつかれ」
拓海「おつかれ……って、なんだ? その髪は? 三つ編みだらけじゃねえか」
涼「聞くなよ……甘く見てたアタシがバカだった……」
拓海「とりあえず一息入れるか」
涼「夏樹は?」
拓海「ライダーごっこ」
涼「??」
――――――――――――教室、昼食
亜里沙「それではおひるのじかんでーす」
亜里沙「みんな、ごはんはあるかなー?」
< はーい
亜里沙「ぷりんもありますかー?」
< はーーい!
亜里沙「それではてをあわせて」
< いただきまーす!
涼「さすがにメシくらいはゆっくりできるだろ?」
亜里沙「だといいけどねえ」
夏樹「まだ何かあんのか……」
拓海「とりあえずあたしらも食うか」
男の子A「へへへっー、ぷりんもーらい!」
女の子A「あたしのぷりん! うわーん!」
涼「ど、どうした!?」
女の子A「Aくんが…あたしのぷりん、とったの!……うわーん!!」
涼「おお、よしよし」
女の子A「うわーん!!」
夏樹「こら、勝手に取っちゃダメだろ?」
男の子A「だってあいつ、たべるのおそいんだもん」
夏樹「それでも女の子を泣かせるのはダメだ」
男の子A「どうして?」
夏樹「カッコ悪いだろ?」
男の子A「そうなの?」
夏樹「そうだ。むしろ泣いてる女の子を助けてあげる男の子の方がロックだ」
男の子A「ろっく?」
夏樹「カッコいいってことさ」
男の子A「わかんないけど……なつきせんせいがそういうなら」
涼「ほらほら、泣くなって。ご飯美味しくなくなるぞ」
女の子A「でも……ぐすっ……」
涼「泣くと幸せ逃げちゃうぜ」
女の子A「ほんと?……ぐすっ……ぐすっ」
涼「ほんとさ。泣き止むといいことあるかもな」
女の子A「じゃあ…ぐすっ…泣くの…やめる…ぐすっ」
涼「お、泣き止んだな。偉いぞ……じゃあ、あたしのプリンあげるよ」
女の子A「ほんとに? ありがとう!!」
涼「どういたしまして」
夏樹「ほら、ちゃんと言うんだぞ」
男の子A「うん……Aちゃん」
女の子A「ん?」
男の子A「勝手にとってごめんね。返すね」
女の子A「うん。ありがとー」
夏樹「よし、ちゃんと謝れたな。ほら、あたしのプリンやるからな」
男の子A「わあ、ありがとう!」
女の子A「いっしょにたべよ?」
男の子A「うん!」
夏樹「やれやれ」
拓海「ったく、プリン一つで。やっぱガキだな」
男の子B「へへっ、ぷりんもらーい」
拓海「あ! それあたしのだろっ!! 返せっ!!」
わーわー
涼「プリン一つで……ガキだな」
――――――――――――グラウンド
亜里沙「はーい、このあとはじゆうじかんでーす。みんなで遊びましょー」
わー
男の子D「……」
拓海「ん? お前何やってんだ? そんな隅っこで? みんな滑り台に行ったぞ?」
男の子D「……たかいとこ……きらい」
拓海「高いったって、高層ビルでもねえんだし」
男の子D「……」
拓海「はぁ……しゃーねえな。よっと」
男の子D「わわっ!」
拓海「ほら、肩車でちょうど同じくらいの高さだ。怖えーか?」
男の子D「こわくない」
拓海「じゃあ、滑り台乗ってみろ。おーい、ちょっとそこ開けてくれ」
男の子B「いいよー」
拓海「よいしょ……どうだ? 滑れそうか?」
男の子D「うぅ……やっぱこわいよ……」
拓海「ったく、世話のやける……よっ」バッ
拓海「ほら、あたしと一緒ならどうだ?」
男の子D「わかんない」
拓海「じゃあ、しっかり捕まっとけよ」
男の子D「うん」
しゃー
拓海「ほら? どうだった?」
男の子D「あんまり……こわくない」
拓海「よし、今度は一人でやってみな?」
男の子D「うん」
しゃー
拓海「どうだ?」
男の子D「こわくない……てか、たのしい!」
拓海「だろ? バイクはその何十倍もスピードあんだからよ」
男の子D「すごーい」
拓海「大人になったら一緒にツーリング行くか?」
男の子D「うん!」
拓海「いい子だ」
――――――――――――教室
亜里沙「はーい! それではおひるねしましょうねー」
< はーい
亜里沙「みんなは、寝かしつけてくれる?」
拓海「あれだけ走り回ったんだ。ほっといても寝るだろ?」
亜里沙「たまにグズっちゃう子もいるのよ。そういう子は隣で寝てあげて」
涼「わかったよ」
――――――――――――15分後
夏樹「亜里沙さん、こっちはあらかた寝付いたよ」
亜里沙「ありがとうね、夏樹ちゃん」
夏樹「あれ? 涼と拓海は?」
亜里沙「あそこ」
涼「Zzz……」
拓海「ぐぉーっ……ぐぉーっ……むにゃむにゃ」
夏樹「あいつらも一緒になって寝てどうすんだよ?」
亜里沙「疲れたのね。休ませてあげましょう?」
夏樹「やれやれ」
――――――――――――夕方、職員室
拓海「ふわぁ……疲れたぜ」
涼「ホント……体ガタガタだよ」
夏樹「お前らぐっすり寝てただろ」
???「どうもおつかれさまです」
拓海「ん? 誰だ、ばあちゃん?」
亜里沙「この方はこちらの園長先生ですよ~」
拓海「げっ! 園長!?」
夏樹「バカッ! 拓海謝れ!!」
拓海「いててて……押さえつけんな! す、すまねえ」
園長「いいんですよ。今回みなさんが来て頂いて助かりました」
涼「それにしても、すげえ大変なんですね。子供だと思って甘く見てましたよ」
亜里沙「園長先生はこの道50年の大ベテランなの。私も尊敬しているの」
夏樹「50年ってすごいな」
涼「アタシら一日でこんな有り様だってのに」
園長「いいえ。今日一日、皆さんの様子を見させて頂きました。とても素晴らしいと思います」
拓海「へへっ、それほどでもねえけどよ」
涼「調子にのんな」
園長「子供の目線に立って接してくれるのは大変素晴らしいことです」
夏樹「あ、ありがとうございます」
園長「今すぐにでもウチで働いてほしいと思いましたが……やめておきます」
涼「迷惑かけてすいません」
園長「いいえ、そうではなくて……みなさんなら素晴らしいアイドルになれると思うからです」
拓海「そ、そうかな?」
園長「アイドルのことは私はよくわかりませんが、皆を笑顔にする仕事だということは存じています」
園長「そして、みなさんは子どもたちを今日一日笑顔でいっぱいにしてくれました」
園長「これからもこの子たちが憧れるようなアイドルでいてくださいね」
涼「ありがとうございます」
拓海「なんか……そういわれると照れるな」
夏樹(子供の憧れか……Pさん、これを伝えたかったのか……?)
夏樹(……まさかね)
亜里沙「さあ、帰りの時間なので、子どもたちを送り出してあげましょう」
夏樹「何すればいいんだ?」
亜里沙「ご父兄の方が迎えに来るから、送り出してあげてね」
涼「亜里沙さんは何するの?」
亜里沙「私はちょっとこれから事務所に用事があるの」
拓海「先に帰るのかよ」
亜里沙「ごめんね~」
涼「いいよ、最後はアタシらがやっとくよ」
亜里沙「よろしくね~」
――――――――――――その日のTwitter
パパA『おい! ちょっと聞いてくれ! 今日嫁に頼まれて娘を保育園に迎えに行ったんだが、そこに松永涼と向井拓海と木村夏樹がいたんだ!』
パパB『でかい(確信)』
パパC『木村夏樹の美乳もなかなか』
パパD『ちょっと息子迎えに行ってくる』
パパC『はえーよホセ』
パパA『お前の息子、向井拓海の乳揉んだらしいな』
パパB『マジか……俺、30年生きてきて付き合ったのAカップばかりで嫁が唯一のBカップなのに……息子は4歳でHカップを揉むとか……』
パパD『お前は今、泣いていい』
パパA『実際にみるとやっぱすごいぞ』
パパC『ちょっと俺、次のライブ見に行ってみるわ』
――――――――――――事務所
亜里沙「うまくいきましたね~」
P「ああ……しかし、ここまで話題になるとは……」
ウサコ「『おっぱい保育士』がトレンド入りしてるウサ」
P「予想はしていたが、パパさんパワー恐るべし」
亜里沙「保育園もちょっと有名になったし、Win-Winですね」
ウサコ「ありさせんせいも策士ウサ」
亜里沙「ふふふ」
おわり
30 : ◆yfWmR9mD4k - 2014/12/08 02:07:29.81 M4Ip35uAo 29/29※これで終わりです。
幼稚園か保育園か迷いましたが、亜里沙せんせいが保育士だと思うので保育園にしました
保育園の描写はあくまでイメージなので、詳しい方がおられましたら指摘していただけると助かります
あと、ボイス選挙にこの三人のうち誰かに投票していただけるとうれしいです
ぼくは松永Pなので涼さんに投票していただけると泣いて喜びます
ここまで読んでいただいてありがとうございました