あやめ速報-SSまとめ-

松田亜利沙「」ﾍﾟｺｯ

亜利沙「皆様、いかがお過ごしでしょうか」

亜利沙「ニュース765TVの時間です」

亜利沙「この番組は、劇場の細やかな日常をお伝えする番組となっております」

亜利沙「申し遅れました。わたくし、キャスターの松田亜利沙です」

亜利沙「よろしくお願いいたします」

伊吹翼「アシスタントの伊吹翼です」

北沢志保「同じくアシスタントの北沢志保です」

亜利沙「本日は、この3人でお送りしたいと思います」

亜利沙「それでは、最初のニュースです」

亜利沙「松田亜利沙、全力推し宣言」

亜利沙「アイドル松田亜利沙が全力推し宣言をしたことが明らかになりました」

亜利沙「これはアイドル最上静香の誕生日ホワイトボードに書いた言葉で」

亜利沙「何を書くか悩みに悩んだ末、ストレートな思いを込めたとのことです」

亜利沙「なお実際は饂飩の生地を押し続けた模様です」

翼「楽しかったですよね。うどんコネコネ会」

志保「もはや誕生日らしさは皆無でしたけど」

亜利沙「隙あらば他の人の誕生日にも饂飩をねじ込もうとしますからね……以前はそこまでではなかったはずですが」

志保「いえ、以前から変です」

翼「静香ちゃんに厳しいですね」

亜利沙「続いてのニュースです。伊吹さん」

翼「はい」

翼「伊吹翼、夢見最悪」

翼「アイドル伊吹翼がうなされていたことが明らかになりました」

翼「控え室で仮眠を取っていたところ」

翼「夢の中で『早く起きろ』と厳しく怒られた模様です」

翼「しかしなかなか起きられず、苦しんだとのことです」

亜利沙「金縛りというか、そういうことありますよね」

翼「そうなんですよ。プロデューサーさんって、怒らないのに、すっごく冷たくて怖かったです。夢で本当に良かったです」

志保「うなされてたので、起こすか迷ったんですけど」

翼「ええっ、見てたなら起こしてよ～」

志保「疲れてると悪いので。まだ時間に余裕はありましたし」

翼「うなされてたら、起こされるより疲れちゃうじゃん。精神的にガリガリ削られちゃったら、後の仕事にも影響でちゃうし」

亜利沙「たしかに、メンタル大事ですからね」

志保「……なるほど。弟がうなされてても起こすようにします」

翼「私も起こしてくださいね」

亜利沙「続いてのニュースです。北沢さん」

志保「はい」

志保「北沢志保、甘やかされる」

志保「アイドル北沢志保がとある撮影の裏で甘やかされていたことが明らかになりました」

志保「煌輝座でも共演したアイドル桜守歌織、徳川まつり、田中琴葉から」

志保「休憩時間にタオル、飲み物、おやつを次々と渡されていたとのことです」

志保「この至れり尽くせりの扱いに、北沢志保は戸惑っている模様です」

翼「飲み物とおやつって、しじみ汁とマシュマロ？」

志保「いえ、お茶とドーナツでした」

翼「ええっ！　偽物！」

志保「そんなのいないですよ。誰が得するんですか」

亜利沙「先ほど話題になった饂飩の方と違って、柔軟性があるということで……しかし、甘やかされる北沢さんはもっと見てみたいです」

志保「やめてください。対応に困ります」

翼「お礼を言えば良いんですよ。ありがとうございまーすっ♪って」

志保「……翼と同じようにはなかなか出来ないですね。慣れてませんし」

亜利沙「だからこそですよ。せっかくのご厚意ですから、気持ちよく受け取るのが良いです」

志保「わかってはいますが……あと、同じような場面で、亜利沙さんのようなリアクションはやりすぎかと」

亜利沙「……自然に出てきますからね。続いてのニュースです」

亜利沙「ジュリアと北上麗花、無事帰還」

亜利沙「アイドルジュリアが誕生日に、アイドル北上麗花と共に」

亜利沙「ドライブで出発し、ヒッチハイクで帰ってきたことが明らかになりました」

亜利沙「これは北上麗花の提案で、流石に冗談かと思われましたが」

亜利沙「甘かった、とジュリアは語ったとのことです」

志保「本当にやったんですか」

翼「ジュリアーノ、かわいそうですね」

亜利沙「付き合いの良さは一級品ですよね」

志保「それにしても、乗っていった車はどうなったんですか？」

亜利沙「それが本当にわからなくて……北上麗花さんの説明ではよく理解できませんでした」

翼「迷宮入りですね」

亜利沙「はい。続いてのニュースです」

亜利沙「宮尾美也、スズメバチに遭遇」

亜利沙「アイドル宮尾美也が腕がムズムズするな、と思いパーンと叩いたところ」

亜利沙「スズメバチだったことが明らかになりました」

亜利沙「幸いにも刺されなかったものの、流石に恐怖を感じながら」

亜利沙「無事逃がした、とのことです」

翼「美也さん、何があっても慌てなさそうですけど、流石に焦りますよね」

亜利沙「命の危機ですからね……蜂や蛇は本当、冗談になりません」

志保「しかし、思いっきり叩いて、美也さんもですけど、スズメバチもよく無事でしたね」

亜利沙「そうですよね。あと、うっかりやっつけてしまうと、そのにおいをかぎつけて更に仲間がよってくるとか」

翼「ひっ……怖いですね」

志保「気をつけましょう、と言うしかないですね」

亜利沙「続いてのニュースです」

亜利沙「矢吹可奈、映画の思い出を語る」

亜利沙「矢吹可奈が映画の思い出を語りました」

亜利沙「これは『M@STERPIECE』公演当時の過去の自分を見たからで」

亜利沙「悩みながらも明るく前向きな姿を懐かしく思っていたとのことです」

亜利沙「なお今の姿勢も全く変わってない模様です」

翼「最近、懐かしい映像をよく見ますよね。美也さんが『伴田さん』って呼んでたり」

志保「会った当初の呼び方から変わることは、よくありますよね」

亜利沙「その点、わたくしはほぼ変わりませんね。しかし、ファンのみだった頃の癖で、年上の先輩にちゃん付けしたり……直すタイミングを逃しました」

翼「それはそれで良いと思いますよ」

志保「先輩方、皆さん優しいですし」

亜利沙「優しいのは本当にその通りです」

亜利沙「以上でニュースを終わります。ここまでのお相手は、キャスターの松田亜利沙と」

翼「アシスタントの伊吹翼と」

志保「同じくアシスタントの北沢志保でした」

亜利沙「それでは皆様、また会う日まで。ご機嫌よう」ﾍﾟｺｯ

…………
ﾊｲ、ｵﾂｶﾚｻﾏﾃﾞｼﾀ

亜利沙翼志保「お疲れ様でした」

亜利沙「お二人ともありがとうございますぅ！　流石同い年、息ぴったりでしたよ！」

翼「本当ですか？」

志保「そうでしたか？」

亜利沙「はい。いつもは、多少ありさが話題をリードするというか、流れを作る意識があるんですけど……今回はお二人が積極的に話してくれて、かなり助かりました」

翼「えへへ、それは良かったです。きっと、可奈ちゃんが繋いでくれた絆ですよ、ね？」

志保「……どうして可奈が出てくるの？」

翼「えええ、だって、志保ちゃん最初トゲトゲしてたし」

志保「過去の映像を見る機会が多いからって、そんな前のことを言われても困るんだけど」


矢吹可奈「お疲れ様かな～♪」

亜利沙「可奈ちゃん！　ありがとうございますぅ！」

翼「ね、みんな仲良し可奈ちゃん！」

可奈「へ？　いきなりどうしたの？」

翼「志保ちゃんがみんなと仲良くなったのって、可奈ちゃんのおかげだよね？って話してたんだよ」

志保「それに関しては否定しないけど……あまり蒸し返さないでくれる？」

可奈「はれ？　そんなことないよ～。みんな志保ちゃんのこと、大好きだって」

志保「それこそ、そんなことないから」

亜利沙「ありさも大好きですよ」

志保「あ、ありがとうございます……」

翼「でも、こうやって、わたしたちみんなが仲良くなったのって、未来や可奈ちゃんが真ん中にいたからだよ」

可奈「ええっ、そんな、私が真ん中って」

亜利沙「映画で先陣を切った可奈ちゃんと、ライブで先頭を走ってる未来ちゃんがフレンドリーなおかげで、みんな安心して楽しんでいるところはありますね」

志保「そうですね。自分で言うのも何ですけど、私や静香では未来や可奈の代わりは出来ません」

可奈「な、なんだか、すごく褒められてる？　あまりないから、不思議な気分」

亜利沙「そうですか？　正統派から悪役までこなす抜群の演技力に、圧倒的なリズム感での演奏、いつも元気でフィジカルエリートでもありますし」

翼「そうそう。スタエレとか、ミスティックとか、わたしが可奈ちゃんの役は無理！って思うし、練習もすっごく頑張ってるもんね」

可奈「役はたまたまだし、練習はへたっぴだからやらなきゃ、ってなってるだけだから」

志保「歌も普段では考えられないレベルで上達してからステージに立ってるし」

可奈「それは最初から上手い人がうらやましい」

亜利沙「考えれば考えるほど完璧超人ですね。弱点が見当たらないです」

可奈「え、えへへ～、そんなことないですよ」

志保「ところで、今朝からやってた学校の宿題は？」

可奈「あっ……うん。終わったよ」

翼「すっごーい、それも出来ちゃったんだ」

可奈「ううん。出来てない。いろんな意味で終わった……」

翼「へ？」

志保「やっぱり……」

亜利沙「弱点ありましたか、そこもまたかわいい……」

おわり