1 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 16:10:07.37 zHIcbs8o0 1/81

――風が吹く

心をざわつかせる、風が


「……」


――声が、聞こえる

人々が呼んでいる、アタシの名を


「いかなきゃ……皆のところへ……」

「アタシの、舞台へ!」


ゴツン

「いでっ!?」



元スレ
南条光「さぁ、夢を与えるスーパーお仕事タイムだ!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1347520207/

4 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 16:14:13.53 zHIcbs8o0 2/81

教師「……どこかに行く前に、まずはここで落ちついて授業を受けてみてはどうかな?」

「あ……」

教師「居眠りしてちゃだめでしょ?」

「はい……」

教師「まったくもう……それじゃあ、この問題解けるかしら?」

「……」

教師「どう?」

「先生、アタシはウソが苦手だ」

教師「うん?」

「正直にいう。わかりません!」

教師「……もう少し悩むそぶりぐらいは見せたらどうかなぁ……?」

「無理です!」グッ

教師「……なにそれ」

「古代ローマで、満足できる行いをした者にだけ与えられた……」

教師「できないで満足してどうしますか」


6 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 16:19:55.32 zHIcbs8o0 3/81

 授業後

「はぁ……くっそう……」

「よ、ひっかるー。大丈夫?」

「平気だよ、正義の味方はくじけない……!」

「おぉ、偉い偉い」

「頭を撫でるなぁ!」

「ちょうどいいところに頭があるから……ちっちゃいし」

「ちっちゃくない! この前の身体測定で140cmあった!」

「あー、スゴイネー」

「ひどい棒読みだ!?」


7 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 16:25:16.49 zHIcbs8o0 4/81

「はぁ……まったく、皆アタシのことを子供扱いして……」

ビュゥウウ…

「うわっ!? す、すごい風……ん?」

「なんだこれ、チラシ……?」

[キミもアイドルになれる! シンデレラ・プロジェクト]

「……アイドル、アイドルかぁ……」

「これがヒーロー募集のチラシだったら……」

「……」

「この前、地元商店街のヒーロー募集に応募したら落とされたんだった……くぅ……」

「はぁ、ちっちゃくないのに。まだまだ伸びしろもあるんだし」


10 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 16:31:20.54 zHIcbs8o0 5/81

「ん、待てよ……?」

「アイドルデビューして……」

「主題歌を歌って……」

「PV、PVだ! PVでならヒーローと共演できる!」

「場合によってはGACKTパターンで変身も……」

「っくぅ~~! 完璧だ! 完璧な作戦だぁ!」

「そうと決まればこのチラシの場所に……」

[日付:8月31日〆切]

「……過ぎてる……」

「はぁ……くっそう、なんてことだぁ……」


13 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 16:38:04.41 zHIcbs8o0 6/81

「やっぱり身体を鍛えるだけじゃなくて……」

「心も鍛えないとダメなんだろうけど……うーん」

「でもなぁ……そうだ」

「どうせ期限は切れてても……この場所に行けばアイドルに会えるわけだし」

「そう、アイドルに会えればそこから芸能界の知り合いが増える可能性もあるわけだし!」

「思い立ったが吉日! さっそく……」

「……荷物だけ置いていって、帰るの遅くなるかもって言ってからでかけたほうがいいか」

「だってアタシはヒーローだし。正々堂々と!」

「……宿題は、帰ってから本気出せばどうにかなる!」


14 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 16:46:40.37 zHIcbs8o0 7/81

「さてと、着いたぜ最寄駅!」

「……意外と近かったなぁ」

「あと少し歩けば、事務所か……」

(挨拶はインパクトが大事だ。どうしたものか……)

(流石に豆腐を持って作務衣にゲタっていうのもどうかと思うし……)

(だからっていきなり『アンタのプロデュース、たいしたもんだな……だが日本じゃ2番目だ』とかいうのも)

「うーん……」テクテク

ドンッ

「いたっ!?」

P「あ、ごめん……大丈夫?」

「う、うん……アタシもよそ見してたから……」


15 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 16:51:39.13 zHIcbs8o0 8/81

P「……君、1人かい? こんなところで……」

「今、小学生がこんなとこで、って思っただろ!」

P「え?」

「いっておくけど、アタシは13歳! 中学生だからな!」

P「へ、へぇ……うん……」

「あ……えっと、ぶつかってごめんなさい。ちょっと用事もあるしここらで……っつぅ」ズキッ

P「ちょ、ちょっと……足ひねったんじゃ……」

「だ、大丈夫だ……ヒーローは、くじけない……!」

P「ヒーローって君ね……」

「アタシは、ヒーローになりたいんだ……誰もが振り向き憧れる……」

P「……」

「足をくじいたのはアタシが不注意だっただけさ。お兄さんが気にすることじゃない……大丈夫」

P「根性、前向きな精神……なるほど……」

「まだなにか、用?」

P「君、アイドルに興味ある?」


16 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 16:57:55.84 zHIcbs8o0 9/81

「……は?」

P「あ、ごめん。俺アイドルのプロデューサーやってるんだけど……」

「アイドルの、プロデューサー?」

P「うん。一応きちんとした会社だよ? 聞いたことないかな、シンデレラプロジェクトの……」

「あぁー!?」

P「えっ」

「本当かっ!? アタシがアイドル!?」

P「う、うん。いや、親御さんとかの了解もいるだろうけど……」

「アイドルになれば歌って踊って、テレビデビューできるんだよね!?」

P「そりゃ、まぁ……そうだろうけど……」

「やったぁ! 思わぬところでチャンスをゲットだ! うおぉぉ燃えてきたぁ!」スクッ

P「と、とんでもない子に声かけたかな……っていうかそんな勢いよく立ったら」

「いたたっ……っつぅ……」

P「ほら、言わんこっちゃない……とりあえずアイドル云々は置いといて。事務所までおいでよ、足の手当ぐらいならできるし」

「す、すまない……恩に着るよ……」


19 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 17:13:25.36 zHIcbs8o0 10/81

ガチャッ…

P「ただいま戻りましたー」

ちひろ「はい、おかえりなさ……い……?」

「……」

ちひろ「どちらさまですか、その子?」

P「あー、えっと……」

「アタシの名前は南条光! ヒーローに憧れるしがない中学生!」ザッ

「だか、らっ……いたたた……」

P「あー、えっと。そこでぶつかってケガさせちゃって。手当ぐらいはできるかなって」

ちひろ「なるほど。てっきりプロデューサーさんがロリコンに目覚めたのかと」

P「失礼な……そんなに信用ありませんか」


21 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 17:21:58.60 zHIcbs8o0 11/81

ちひろ「いえいえ、そんな……救急箱出しますね」

P「お願いします」

「……」キョロキョロ

P「どうしたの?」

「ここが、アイドル事務所……ちょっと、緊張してるんだ」

P「あはは、そんなかたくならなくても……」

「だって! ここが今日からアタシのホームになるんだから!」

P(……勧誘、はやまったかもしれない)

「どうしたんだ?」

P「いや、ちょっと……なんでもない」


23 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 17:31:35.63 zHIcbs8o0 12/81

P「……あー、えっとな。うちの所属アイドルなんだけど」

「同僚……そうか、いるんだよな! 同僚・先輩・相棒!」

P「う、うん。その……同年代の子がいるんだ」

「同年代!? 本当か!?」

P「うん。あ、足こんな感じで大丈夫かな」

「……うん、いい感じ。ありがとう!」

P「いえいえ、俺が前方不注意だったしね……」

「ううん、それはお互い様さ! それで、同僚って?」

P(完全に所属する気まんまんか……しまった、これだけさわやかな性格だと……)


ガチャッ

「!」


26 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 17:34:32.89 zHIcbs8o0 13/81

麗奈「……挨拶が聞こえないわね」

P「麗奈……おかえり」

麗奈「遅い! このレイナサマが帰ってきたっていうのに、お出迎え無しっていうのはどういうワケなのよ?」

P「それはだな……」

「キミがこの事務所の先輩アイドルか!」

麗奈「は? なによ、こいつ?」

P「えーっと、その」

「アタシの名前は南条光! 今日からこの事務所で一緒に働く仲間だ!」

麗奈「……はぁ?」

P「あぁー……」


28 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 17:39:39.07 zHIcbs8o0 14/81

麗奈「ちょっと、どういうつもりよ」

P「どうって、その。前の勧誘ではロクな人がこなかったから……」

麗奈「はぁああ? 正気? 頭おかしいんじゃないの?」

P「いや、でも。麗奈のソロの仕事ばかりじゃ……」

麗奈「アタシは1人でも十分よ。こんなわけわかんないチビ拾ってこられても困るわ」

「な、チビだと!?」

麗奈「チビじゃない。小学生?」

「ちっちゃくない! アタシは中学生だ!」

麗奈「あーそう。ごめんねぇ、あんまりにも小さいから間違えちゃったぁ」

「さっきからちっちゃいちっちゃいって……もう怒ったぞ!」

麗奈「怒ったから、なによ? 手でも出す気? ちびっこは怖いわぁ」

「違う……アタシは、あんたとダチになる!」ビシッ

麗奈「……は?」


29 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 17:44:15.11 zHIcbs8o0 15/81

麗奈「……あんた、本格的におかしいんじゃない?」

「なにが?」

麗奈「アタシのことが気にいらなくて、怒ってるんだっけ?」

「そうだ、小さい小さいって、いくらアタシでも堪忍袋の緒が切れた!」

麗奈「で、なんだって?」

「だからダチになる!」

麗奈「……ダチって?」

「友達だ!」

麗奈「……あー。やっぱりこいつ苦手だわ。どうにかしなさいよ下僕」

P「いや、麗奈……」

「こらっ! 目上の人に下僕とはなんだ!」

麗奈「こんないい子ちゃん抱えてやってける気がしないわ……」


30 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 17:53:31.77 zHIcbs8o0 16/81

P「と、とりあえず。今日は帰りなさい、ね?」

「でも、そいつが……」

麗奈「そいつ、じゃなくてレイナサマ」

「わかった、レイナ!」

麗奈「様をつけなさいよ!」

「サマーレイナ!」

麗奈「おちょくってんの!?」

「いや、アタシは真剣だ! ダチになるからな!」

麗奈「あぁもううっさい、さっさと帰れ!」

「今日のところはいったんひく……でも、諦めないぞ、レイナ!」

P「はいはい……駅まで送ってくから……」


32 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 17:58:41.39 zHIcbs8o0 17/81

「まったく、失礼なやつだなぁ……」

P「あはは、でも実力はあるんだよ。素直じゃないけど……」

「そうなのか? ……あ。ごめん、謝る!」

P「うん?」

「プロデューサーの前で、その担当アイドルをバカにするなんて、良くない!」

P「……まじめな子なんだね、君は」

「まじめ……うーん、アタシはヒーローに憧れてるから。そのヒーローにそむくようなことはできないだけさ」

P「そういうところがまじめっていうの……うん、やっぱり君のこと、プロデュースしたいなぁ」

「本当か!?」

P「もちろん、親御さんの理解とかも得なきゃダメだけど……」

「それなら大丈夫! 母さんも父さんも、アタシの憧れはずっと応援してくれてるから!」

P(……明るい環境で育ったんだろうなぁ……まっすぐだ)


36 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 18:12:53.26 zHIcbs8o0 18/81

☆ 夜 光の部屋


「……」

「母さんからのオッケーももらった……これで、明日から……」

「……明日から? あれ?」

「次は何時いけばいいのか聞いてなかった!」ガバッ

「しまった、どうしよう?」

「困ったなぁ……また休日に……」

「休日に……あれ?」

「なにか忘れてる気がする……うーん?」

「まぁいいや、寝よう! 忘れるってことは、大した用事じゃないってことだし!」


41 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 18:17:13.26 zHIcbs8o0 19/81

☆ 翌日 教室

「あっ」

「あっれ、どうしたの?」

「しゅ、宿題忘れてた……」

「うわぁ……」

「くそう、なんてことだ……昨日は浮かれてたからなぁ……」

「浮かれてた?」

「あ、うん。アタシアイドル事務所に入ることになったんだ」

「ほんとに!?」

「う、うん。ホントだよ」

「すっごいじゃん! え、どこどこ!?」

「えーっと、シンデレラ……?」

「……どこそれ?」

「べ、別にいいじゃないか。どこでも! これからなんだから!」

「でもー。ほら、961のジュピターとか、876の涼さんとか、765の真クンとかさー。そういう有名なカッコイー人のサイン欲しかったなー」


43 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 18:19:55.41 zHIcbs8o0 20/81

「それはほら、アタシが有名になればもらえるようになるから!」

「あ、そっか! がんばれ光!」

「おう、アタシに任せろ!」

「それじゃ……」

「あ、待った!」

「ん、なにさ?」

「……宿題を……」

「あぁ、写す?」

「……くっ、でも……そんなの卑怯だ……」

「マジメだねぇ……別に気にしなくても」

ガララッ

教師「はーい、席についてー」

「あ、先生来ちゃった」

「う、うわぁ……」


44 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 18:26:53.21 zHIcbs8o0 21/81

――放課後


「……先生も人使いが荒いなぁ」

「まさか、宿題を忘れたものは補習だなんて」

「今日は事務所、いけそうにないなぁ……」

「昨日の今日でいってもダメだったかもしれないけど、でも……」

「くぅぅ、悔しい!」

「明日こそは、明日こそはちゃんといこう!」

「だからこの課題はきちんとやらなきゃ……くそっ、なんだ因数分解って……」

「バラバラにされたって、繋がりは切れない……そうじゃないか……」ブツブツ

「……おのれー、きさまらをいんすうぶんかいでばらけさせてくれるわー」

「甘いぞ、数式なんかで俺たちの繋がりは断ち切れない! いくぞX!」

「ドォーン、バリバリー……」

「正義は勝つ!」

「……はっ!? しまった、こんなことしてる場合じゃなかった!」


45 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 18:35:02.93 zHIcbs8o0 22/81

「やっと終わったぁ……帰ろう……」

「……アタシが、アイドル……」

「そうだ、レイナ!」

「同じ事務所なのに、まったく。先輩だけどうまくやっていけるのか不安だなぁ……」

「でも、きっと。あいつだっていいところはある! ……はず!」

「そうだよ、仲良くなれる!」

「ダチになってみせるっ!」

「……」

「……うーん、でもどうやったら仲良くなれるかな」

「やっぱり正面突破か……」


46 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 18:49:28.67 zHIcbs8o0 23/81

「あれ? 家の前に誰かいる……」

P「あ」

「あ!」

P「や、やぁ。光ちゃん」

「どうしたんだ?」

P「うん。いろいろ家の人と話がしたくて……ほら、アイドルにしたいっていうのをさ」

「なるほど……でも昨日、オッケーもらったよ?」

P「え」

「母さん、がんばれってさ!」


49 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 19:00:11.42 zHIcbs8o0 24/81

P「は、はは……どおりでとんとん拍子に話が進んだわけだ……」

「別に、今度事務所にいった時に大丈夫っていおうと思ってたのに……」

P「まぁ、でも直接話をしたかったんだよ……うん。オッケーもらったよ」

「だろっ?」

P「うん……あぁ、そうだ。今度のヒマな日はいつかな?」

「うん? じゃあ明日とかかな」

P「明日? 学校の用事とかは?」

「終わってからになるけど、夕方からでも参加したい。あとは土日も空けろっていうなら空ける! でも日曜日は9時半以降にしてくれ……ください!」

P「そうか、いいやる気だなぁ……わかった、学校終わって夕方から来てくれればレッスンするよ」

「本当かっ!?」

P「プロデューサー嘘つかない」

「さっすがだよ、プロデューサーさん!」

P「あ、あと……」

「うん?」


52 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 19:06:06.65 zHIcbs8o0 25/81

P「麗奈のことなんだけど……」

「あぁ、レイナ……どうしたんだ?」

P「あんな感じだけどさ、よかったら仲良くしてやってほしいんだ」

「仲良く……」

P「うん。あれでも結構いいところが……」

「ははっ、当然じゃないか! だって同じ事務所の仲間だろう!」

P「光ちゃん……」

「呼び捨てでいいよ、プロデューサー」

P「光……うん、そうだな」

「そう、それでいい! これからよろしく!」

P「うん。よろしくな!」


53 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 19:08:44.14 zHIcbs8o0 26/81

「それじゃあ、また明日!」

P「おう、また明日!」

ガチャッ

「ただいまー!」

「プロデューサーからも頼まれちゃったし」

「よし、アタシは何が何でもレイナと仲良くなるぞ!」

「まずは相手を知るところからだな、うん」

「えーっと、だから……」

「あら光、おかえり。手洗ってきなさい、晩ご飯できてるわよ?」

「うん、わかった! そうだ、腹が減っては戦はできぬ! だよねっ!」

「そういうことよ、たぶん! ……なんのことかはわからないけれど」


54 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 19:11:34.08 zHIcbs8o0 27/81

――翌日 放課後

「終わったぁっ!」

「うわっ、びっくりした」

「ごめん、今日からレッスン受けられるんだ!」

「あぁ、なるほど……うん。燃えてるねー」

「だって、ついに! ヒーローへの第一歩が歩めるかもしれないんだぞ!?」

「おぉ、熱い……そして暑い」

「そういうわけで、じゃあね! アタシ、先に帰る!」

「はいはい……あ、光ぅー」

「なんだ!?」

「今日は宿題忘れないようにねー?」

「わかってる、大丈夫だ!」グッ


56 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 19:17:59.02 zHIcbs8o0 28/81


「事務所……キター!」

「……って事務所前で叫んでたら怪しい人みたいじゃないか。ふぅ……よし」

トントン

「失礼します!」ガチャッ

ちひろ「あら、光ちゃん。いらっしゃい」

「あ……えーっと」

ちひろ「あぁ、私の名前は千川ちひろ。好きに呼んでくれてかまわないからね?」

「わかった、ちひろさん! よろしく!」

ちひろ「こちらこそ。 今日はレッスンしてみたいんだっけ?」

「うん!」

ちひろ「それじゃあ、上の階。レッスンルームがあるから着いてきて?」

「お、おぉ……レッスンルーム。特訓場……!」

ちひろ「あ、あはは……ご期待にそえるかはわからないけど」


58 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 19:25:11.01 zHIcbs8o0 29/81

ちひろ「この中がレッスンルームよ」

「ここが……! あれ? 中から声が……」

ちひろ「……あぁ、麗奈ちゃんね」

「レイナ?」

ちひろ「うん。トレーナーさんの指示で出された自主練も1人でこなしてるみたい」

「そう、なんだ……」

ちひろ「私達が見に来ると、そんなことしてないって意地をはるんだけどね?」

「……なんで?」

ちひろ「たぶん、自分は才能の塊ってアピールがしたくて、がんばってるところなんて見られたくないんじゃないかな?」

「……」

ちひろ「あぁ見えて結構ストイックなのよ。他の人の妨害とか考えてることもあるけど……」


60 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 19:31:25.84 zHIcbs8o0 30/81

麗奈「ふぅ……そろそろ休憩……」

ガチャッ

麗奈「なっ!?」

「レイナ、アタシはお前のことを誤解してた!」

麗奈「は? な、なによアンタ……」

「改めて言う。やっぱりダチになりたい!」

麗奈「知らないっての! 離れろ!」

「大丈夫だ、汗は友情のスパイスだ!」

麗奈「そうじゃなくって、あぁうっとおしい! ちひろ、なんとかしなさいよ!」

ちひろ「仲がいいのはいいことじゃないですか」ニコニコ

麗奈「きーっ! レイナサマをなんだと思ってるのよ!」

「アタシのダチ!」

麗奈「勝手に決めるな! っていうかコイツ、なんであがりこんでるのよ!?」

「だってアタシもアイドルだから!」

麗奈「……はぁ?」


61 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 19:37:26.98 zHIcbs8o0 31/81

麗奈「どういうことか、説明しなさいよ」

ちひろ「光ちゃんは、正式にうちの事務所の所属アイドルになりましたよ?」

麗奈「……正気?」

ちひろ「えぇ、本気です。プロデューサーさんも本気でしたし、ご両親の許可もいただきました」

麗奈「……」

「な、よろしく! レイナ!」

麗奈「アタシは慣れあう気はないっての……勝手にしなよ」

「そういわずに……」

麗奈「うるさいなぁ、ついてこないで!」

「……」

麗奈「ったくもう、なんだかダルいわ。やる気無くなりそう」

「……どうしたら」

麗奈「なに?」

「どうしたら、認めてくれる?」

麗奈「認める? アタシが? アンタを?」


63 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 19:47:58.88 zHIcbs8o0 32/81

「あぁ、ダチになりたい。だけど今のレイナは、アタシのことを見てくれてないみたいだから」

麗奈「あー……そうね。じゃあダンスの1曲でも踊れるようになったら考えてやらなくはないかしら」

「ダンス……ダンスか」

麗奈「ま、アンタじゃ無理でしょうけど?」

「プリキュア……もしくはゴーバスターズならなんとか」

麗奈「は?」

「ここはゴーバスターズの方で!」

麗奈「ちょ、ちょっと待ちなさいよ」

「音源は実は持ってる! さぁ、見ろレイナ!」

ユケゴーバスターズ♪ トベゴーバスターズ♪ 

麗奈「なによこれ!?」

参考:ttp://www.youtube.com/watch?v=EYvyTILVUu4


64 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 19:55:48.56 zHIcbs8o0 33/81

カタイキズナ ゴーバスターズ♪ ゴーレッツゴー♪

「……どうだっ!」

麗奈「どうだ、ってねぇ……ふざけてるの?」

「ふざけてない! アタシは真剣だ!」

麗奈「これが、アイドルのダンスだとでもいうわけ?」

「……違うのか?」

麗奈「ふっざけんじゃないわよ。こんなの子供だましね」

「子供……騙し……!?」

麗奈「そうよ。子供がはしゃいで喜ぶようなもんだわ、こんなの」

「じゃあ、お前はどうなんだ。レイナ!」

麗奈「……上等じゃない、見せてやるわよ。アイドルのダンス」


68 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 20:01:33.91 zHIcbs8o0 34/81

~♪ ~~♪

麗奈「……ふっ、キメ」タンッ

麗奈「どう?」

「……そんな……」

麗奈「アンタのやってるのはお遊戯会よ。ザコはザコらしくはいつくばりなさい」

「すごい……レイナ、お前やっぱりすごいよ!」

麗奈「は?」

「わかった。アタシに足りないもの……そうだ、アタシのダンスじゃ確かにお遊戯会だ」

麗奈「いや、アンタのダンスっていうか曲が」

「もっとキレを出せるようになるから、ダンスを教えてくれ! 頼む!」

麗奈「ちょ、ちょっと……アンタねぇ、プライドとかないワケ?」

「目の前の負けより! アタシは、未来の光を掴む!」

麗奈「……バッカじゃないの」

「バカでいいよ。それでもいい」


70 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 20:06:05.49 zHIcbs8o0 35/81

麗奈「じゃあまず、アンタは手の動きが肘から先で……」

「ふむふむ……」

麗奈「……」

「ひじから先で?」

麗奈「なんでアタシがアンタのコーチなんかしなきゃなんないのよ」

「え、待ってくれよレイナ!」

麗奈「うっさいついてくんな! ちひろ、アタシ今日は帰るから」

ちひろ「あら……いいんですか?」

麗奈「いいのよ。知らない」

「そんな、待ってよ!」

麗奈「だからついてくるなって言ってるでしょ!」


73 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 20:15:32.82 zHIcbs8o0 36/81

「帰っちゃった……」

ちひろ「うーん……」

「なぁ、ちひろさん……アタシのダンス、そんなにダメだったかな?」

ちひろ「曲はともかく……楽しそうで、イキイキしてて。私は好きでしたよ?」

「それはまぁ、大好きな曲だし! ……ん? 曲が、好き……」

ちひろ「でもまぁ、確かに肘の……」

「ごめん、ちひろさん。アドバイスはレイナから聞きたいんだ。黙っててくれ」

ちひろ「……ぁらぁ……」

「あ、いや。アドバイスしてくれようと思うのは嬉しいけど、それだけじゃちょっと……ね」

ちひろ「はい、わかりました……くすん」

(……そういえば、麗奈のダンス……綺麗だったけど。楽しそうじゃなかった……?)


74 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 20:24:05.10 zHIcbs8o0 37/81

ガチャッ

「レイナ!?」

P「え?」

「……ごめん、なんでもないんだ。気にしないでくれ、プロデューサー」

P「そ、そうか? 下にいなかったからこっちだと思ったんだけど……どうした?」

「ちょっと、ね。レイナにお前のダンスはお遊戯会って言われた」

P「な、あいつ……!」

「でも、その通りだと思ったんだ。あいつのダンス、すごかった」

P「……」

「アタシ、レイナとダチになりたい。だけど、今のままじゃ足りないと思ったんだ」

P「そうか……どうしたいんだ?」

「ダンス、どこが悪いのか。そこはレイナの口から言われたい。だからそこ以外を教えてほしい!」

P「……わかった」


76 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 20:32:00.06 zHIcbs8o0 38/81

P(で、ボーカルを見てみようと思ったら……)

「たったひとつ与えられたぁー♪ いーのちはチャンスだーからー♪」

P(ヒーローソングか……確かに燃え上がる曲に向いてる声質かもな……)

「ガオ! もっとぉ! ガオ! 強くぅ!」

P「喉痛めそうなんでその歌い方はダメ」

「えぇー!?」

P「でも、ボーカルセンスはいいと思う……うん」

「なんていったって、ヒーローには通る声! そこには自信あるよ!」

P「そうだな、アイドルにも必要なセンスだ……しかし……」

「どうしたんだ?」

P「いや、麗奈の苦手なレッスンってのがあってな……」

「レイナの、弱点……?」

P「うん」


77 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 20:37:20.37 zHIcbs8o0 39/81

P「……麗奈はな」

「ま、待ってくれ! それを聞くのはフェアじゃない気がする!」

P「……んー、だが。ユニットを組むわけだし」

「え?」

P「あぁ、麗奈と光にはユニットを組んでもらおうと思ってるんだけど……」

「レイナが、相棒?」

P「うん。急な話だと思うかもしれないけど、光にも経験を積ませたいし……」

「アタシが……レイナの、相棒か……」

P「嫌か?」

「まさか。そっか……レイナは知ってるのか?」

P「まだ。だから聞かせようと思ったんだけど……」


78 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 20:43:25.30 zHIcbs8o0 40/81

「……相棒の、弱点か……でも勝手に知るのは……」

P「……相棒なら、知っておかないとダメなんじゃないか? フォローするためにさ」

「そうかなぁ……」

P「俺はそう思う、ってだけだけどな。聞きたくないなら言わない」

「……」

P「どうする?」

「わかった……聞かせてくれ」

P「そんな神妙な顔しなくても……まぁ、麗奈の弱点、というか苦手なことはな」

「うん……」

P「ボーカル。というか肺活量に難がある」

「肺活量?」

P「うん、肺活量」


80 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 20:50:30.46 zHIcbs8o0 41/81

「肺活量って?」

P「ああ!」

「いや、ああ、じゃなくて……」

P「うん、ごめん。まぁ……すぐむせるんだよ」

「そうなのか……」

P「だから声自体はいいんだけど、伸びが足りないんだよなぁ……」

「わかった」

P「うん?」

「アタシ、それなら自信ある! レイナと特訓すればいいんだ!」

P「あ、あぁ……特訓かぁ……」

「どうしたんだ?」

P「いや、麗奈そういうの嫌いだろうからさ。ちょっと苦労するかなって」

「大丈夫、友情っていう字は友の心が青臭いって書くんだ……青臭いなりに、全力でぶつけてやる!」

P「は、はは……うん。今の麗奈を変えられるのはそういう熱さなのかもな。応援するよ」

「任せてくれ!」


82 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 20:56:08.86 zHIcbs8o0 42/81

麗奈「ったく、もう……このレイナサマとしたことが忘れ物だなんて」

ちひろ「あ、おかえりなさい」

麗奈「うわっ!?」

ちひろ「どうしました?」

麗奈「お、驚かさないでよ……まったく……」

ちひろ「あらぁ、すみません……麗奈ちゃん?」

麗奈「なによ?」

ちひろ「麗奈ちゃんと、光ちゃんがユニットを組むっていうのは聞きました?」

麗奈「……はぁ?」

ちひろ「あれ、おかしいですね……」

麗奈「アタシが、あんないい子ちゃんのトーシロと!?」

ちひろ「プロデューサーさん曰く、『れいなさまだったらできるだろう?』みたいな、ことを言っていましたが……」

麗奈「……っち。ざけんじゃないわよ……」


83 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 20:58:57.22 zHIcbs8o0 43/81

ちひろ「どうしましょう?」

麗奈「そんなの……」

ちひろ「……?」

麗奈「……いや、いい。いいじゃん。アタシと組みたいっていうんなら、組んであげる」

ちひろ「いいんですか?」

麗奈「いいのよ。いい子ちゃんはちょっと痛い目見なきゃひっこまないでしょうしね」

ちひろ「……麗奈ちゃん?」

麗奈「あぁ、気にしないでいいわよ。じゃ、帰るわ」

ちひろ「……」

麗奈「じゃあね?」

ちひろ「あ、お疲れさまでした……うーん? なんだか嫌な予感?」


84 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 21:05:43.91 zHIcbs8o0 44/81

「……ふぅ、こんな感じかな」

P「ビジュアルレッスン……してて思ったんだけど」

「どうしたっていうんだ?」

P「いや、ポーズがいちいち、なんというか……」

「かっこいい?」

P「正直ダサい?」

「なっ……」ガクッ

P「いやぁ、センスはあると思うし止めもいいんだけど……ポーズ自体がちょっと、ね」

「かっこいいと思ったのに……くそう、やっぱり平成のアイテム変身はダメなのか!?」

P「変身っていう前提がダメだな」

「バン……ザド……」


86 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 21:10:38.93 zHIcbs8o0 45/81

P「なんて?」

「いや、なんでもないんだ……そっか、変身がダメか……」

P「いや、動き自体は悪くないんだけどさ……キメ、にしてももっとこうさ……」

「うーん、難しいなぁ……」

P「あ、じゃあ殺陣とかは?」

「たて? あぁ、アクションシーン?」

P「そうそう。それでこう、決まる瞬間みたいなポーズをとれないかな」

「うーん……例えば、こう……」バッ ババッ

「はっ!」ビシッ

「……みたいな?」

P「うん、アイドルのポーズかっていうのはおいといて。こっちのほうがいいかな」

「アイドルって難しいんだなぁ……うーん」


89 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 21:17:43.85 zHIcbs8o0 46/81

P「今日のところはここらへんにしといたほうがいいんじゃないか?」

「え?」

P「ほら、あんまり遅くなるとお母さんも心配するだろ?」

「そっか、もうそんな時間なんだ……ありがとうございました、プロデューサー!」

P「いや、俺じゃ本格的なアドバイスができないからなぁ。今度トレーナーさんに頼もう」

「トレーナーさん……特訓……そうか、ダン隊長!」

P「いや、女性だけど……」

「えぇー……」

P「車で追い回されたりとか、そういうのはありません」

「そっか、残念だなぁ……はぁ」

P「いや、死んじゃうような内容は流石にね……送ろう」

「うん、ありがとう!」


95 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 21:25:39.71 zHIcbs8o0 47/81

―――

――



「……ぐぅ……」

P「はは……車乗ってすぐダウンか……」

「まだまだぁ……あきらめ、ない……」

P「夢の中でも戦ってるのか……ふぅ……」

P「麗奈と、うまくやれるかな……正直、アクが強い組み合わせだし……」

P「でもなぁ、きっとなにかが起こせる気がするんだよなぁ……」

P「新しい、流れを……すごい、アイドルになって。生み出してくれるような」


96 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 21:30:26.02 zHIcbs8o0 48/81

「はっ、不覚!?」

P「うん、おはよう。大丈夫か?」

「ん……うん。はぁ、寝ちゃったんだ……」

P「結構ハードな内容だし、いきなりやるのは辛かったと思うんだけど……大丈夫か?」

「これぐらい平気平気! 鍛えてますから!」シュッ

P「はは、頼もしいなぁ」

「これからはもっと鍛えなきゃ、だけどね。がんばるよ!」

P「うん、応援してる……麗奈には伝えておくから」

「そっか、アタシ……きっとレイナといいコンビになってみせるから!」

P「すごいやる気だなぁ……」

「レイナのダンス、本当にすごかった! ポーズも、きっとアタシの考えるカッコイイとは違う、アイドルのかっこよさだった」

「だからこそ、認めてほしいんだ。友達になるっていったんだからな!」

P「……うん。応援してるよ、じゃあまた」

「うん、次は土曜日に!」

バタンッ


98 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 21:34:25.88 zHIcbs8o0 49/81

――

「ってわけで土曜日だー!」

「よし、今日こそレイナにアタシを認めさせるぞ!」

ガチャッ

「おはようございます!」

麗奈「あ、南条。おはよ」

「レイナ!」

麗奈「サマ、だってば……はぁ、やれやれ」

「なぁレイナ、アタシとユニットを組むって話、聞いたか!?」

麗奈「あぁ、うん。聞いたけど?」

「レイナはまだアタシのこと、認めてないかもしれない! でもきっと……」

麗奈「……あっつくるしいなぁ。あ、ガム食べる?」

「え? あ、じゃあ貰おうかな……」


99 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 21:37:38.52 zHIcbs8o0 50/81

麗奈「……」ニヤッ

「……?」スッ

バチンッ!

「っ痛!?」

麗奈「アハハハ! 警戒心が足りないんじゃないのヒーローさん?」

「れ、レイナ……」

麗奈「こんな子供だましなおもちゃにひっかかるなんてやっぱりガキだね?」

「……そうだな。ヒーローなんだからもっと注意しないといけなかった。ありがとうレイナ」

麗奈「……はぁ?」

「おかげで、もっと取り返しがつかないミスをする前に気を引き締めれた! だからありがとう」

麗奈「……っち。調子狂うわね……そりゃよかったこと」

「うん!」


101 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 21:42:14.02 zHIcbs8o0 51/81

麗奈「まぁいいわ。レッスンしましょ、レッスン」

「あぁ、望むところだ!」

麗奈「ちひろー。上借りるわよ」

ちひろ「は、はーい……」

ちひろ「……光ちゃん?」ボソッ

「ん、どうしたんだ?」

ちひろ「麗奈ちゃん、その……さっきの……」

「ガムパッチンか? はは、おちゃめだなー」

ちひろ「いやいや、でも……」

「いいんだ。まだ認めてもらってないってことだから……アタシは、負けない。折れない」

ちひろ「……いいんですか?」

「アタシは、レイナのパートナーになる。そう決めたんだ」

ちひろ「……じゃあ、もういいません。でも限界を超えたら……」

「うん、無理だったらいうさ! でもアタシは、自分にできるだけの無理はしてみたい」

ちひろ「……がんばって、くださいね」


102 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 21:47:41.55 zHIcbs8o0 52/81

ガチャッ

「ごめん、待ったかな?」

麗奈「遅いわよ。このレイナサマを待たせるなんてどういうつもり?」

「う、ごめん……」

麗奈「ま、いいわ。レッスンだけど……」

「うん!」

麗奈「……アンタのダンスのダメなとこ、教えてあげましょうか?」

「いいのか!?」

麗奈「えぇ、いいわよ……もちろん」ニヤァ…

「やった! レイナ、やっぱりいい奴なんだなぁ!」ギュッ

麗奈「ふん、まぁこのレイナサマの心の広さに感謝しなさい」

「あぁ、ありがとう!」


104 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 21:54:30.78 zHIcbs8o0 53/81



「こ、こうか?」

麗奈「そうそう、そんな感じ……ック、ふふ……」

「ど、どうした?」

麗奈「いや? じゃあそのまま手を両側に広げて?」

「こうか?」

麗奈「……」パシャッ

「な……な、なんで写真を?」

麗奈「っく、アハハハ! ハーッハッハ、ハ、げほっ、ごほっ……はんっ、見なさいよこれ」

「こ、これは……」

麗奈「まぬけなポーズとっちゃって! 笑わせてくれるわね!」

「……なるほど、確かにキメが甘いのかな。もっとこう、腕がピンと伸びなきゃかっこよくないもんな」

麗奈「は?」

「確かにこの角度からは、鏡じゃチェックできないもんな! ありがとうレイナ!」

麗奈「……ま、アンタがそれで納得してるんならいいわ」


107 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 22:05:29.24 zHIcbs8o0 54/81

「そうだ、レイナ!」

麗奈「サマつけなさいっての……なによ」

「ダンス、つまり腕の伸びが甘いんだろ?」

麗奈「いや、そこじゃなくて肘から先で踊ってる部分が多いっていうか……」

「ひじから先で?」

麗奈「だから、アンタのはこう……こうなってんのよ」グニッ

「ふむふむ」

麗奈「ダンスだったら、ここではこう」グッ

「……ほうほう」

麗奈「あと、メリハリつけてるつもりかもしれないけどデキの悪いロボットダンスみたいで気持ち悪いわ」

「で、できの悪いロボットダンス……」

麗奈「カクカクしてんのよ。もっとなめらかになんないわけ?」

「難しいなぁ……がんばるよ。ありがとう、レイナ!」

麗奈「まぁ別に……ってあれ? 普通にアドバイスしちゃった……」

「ん?」


108 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 22:10:35.74 zHIcbs8o0 55/81

麗奈「いや、まぁいいわ。この優しいレイナサマの慈悲よ」

「なんだかよくわからないが、わかった! ダンスの弱点かぁ、楽じゃないんだなぁ」

麗奈「あったりまえでしょ」

「レイナのダンス、すごいもんな! アタシ尊敬するよ!」

麗奈「サマをつけろっての……ま、当然ね。アタシは勝つためならなんだってするわよ?」

「努力は惜しまないってことか!」

麗奈「……なんでそうアンタは都合のいい方に考えられるの?」

「え、違うのか?」

麗奈「ライバルの排除とか、邪魔なものを避けるとかあるでしょ?」

「うーん、やっぱりほら。ライバルとは正面でぶつかってこそだろ?」

麗奈「……やっぱりアンタとは性格合わないと思うわ」

「えー?」


112 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 22:16:41.16 zHIcbs8o0 56/81

麗奈「ま、いいわ……ボーカルレッスンでもしましょうか」

「あ! それならちょっと自信ある!」

麗奈「……はぁ?」

「いいかレイナ、アタシの歌を聞けぇー!」

麗奈「ちょっ、うるさ……」

「心に剣♪ 輝く勇気♪」

麗奈「……ったく、元からうっさいっていうのに歌声はそれ以上? 喉の管理とか考えてないワケ?」

「え?」

麗奈「アンタ、確かに声量はたいしたもんだけど。もっとコントロールする方に考えなさいよ」

「き、気持ちよく歌うだけじゃダメなのか!?」

麗奈「そんなのカラオケですましなさい! プロでしょうが、ったく。信じれらないっていうか……」

「いやぁ、レイナはやっぱりすごいなぁ」

麗奈「……」


113 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 22:23:42.37 zHIcbs8o0 57/81

麗奈「ったく、気にいらないわ」

「うん?」

麗奈「ボーカルってのはもっとこう……よく聞いてなさい」

「う、うん?」

麗奈「泣くことならたやすいけれど……♪」

(蒼い鳥? ……うまい……)

麗奈「~♪ ~~♪」

(そろそろ、サビ……か……)

麗奈「あおぃいいいいとりぃぃぃ……」

「……ん? 今……」

~~♪ ~~~~♪

麗奈「……でもきのうにはかえれないぃ……♪」

「……」

麗奈「ふぅ……こんなもんね。 こう、抑揚が大切なのよ。わかる?」


114 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 22:31:28.87 zHIcbs8o0 58/81

「あぁ、よくわかった」

麗奈「じゃあ、アンタも調子乗ってないでさっさと諦めて……」

「レイナ! お前の苦手なポイントわかったぞ!」

麗奈「はぁ?」

「せっかく綺麗に声が出てるのに、サビの一番盛り上がるところでドーンと来なかった!」

麗奈「それはしっとりと歌いあげたからで……」

「違う、レイナは実はボーカルの力が若干弱い!」

麗奈「……サマつけろっていってるでしょ。だったらなんだっていうワケ?」

「決まってるだろ、一緒に特訓だ!」

麗奈「……はぁ?」

「レイナは声に力を持たせるべきだ。うまいからそこさえ来れば完璧だ!」

「代わりに、アタシにダンスを教えてくれ! ロボットダンスなんて自分じゃ全然わかんないし!」

麗奈「……」

「ダメ、か?」

麗奈「……ま、暇つぶし程度ならつきあってあげなくもないわ」


116 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 22:37:30.81 zHIcbs8o0 59/81

「やったぁ! ありがとうレイナ!」

麗奈「だからサマつけろっていってるでしょうが!」

「いいじゃないか、アタシ達は相棒、バディだぜ?」

麗奈「……ったく、うっとおしい……」

「声に力を込めるレッスン……さぁ、アタシも考えないとな!」

麗奈「アンタねぇ……」

「とりあえず今回はアタシのダンスみてくれよ! 次回はレイナのボーカルレッスンしよう!」

麗奈「……わかったわよ、勝手に踊れば?」

「おう! こうやって……」

麗奈「……本当に、調子狂うわね」ボソッ

「レイナー、見てるかー?」

麗奈「うっさいわね、このレイナサマの考え事を邪魔しないで!」

「おっと、ごめん! じゃあ自主練する!」


118 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 22:41:05.93 zHIcbs8o0 60/81

麗奈「……だいたいイタズラしてやる気をそいで、アタシにユニットなんていらないって言わせたかったのに」

麗奈「アイツはなんであぁもベタベタベタベタ……」

「ふっ、はっ……てい!」トン、トトン、ビシッ

「今のはどうだった!?」

麗奈「あ? ……まぁ、ちょっとはマシになったんじゃない?」

「本当か!?」

麗奈「ただ、ステップが揺れてる。アンタやる気あるの?」

「うっ……」

麗奈「カクカクすんなとはいったけど。ちゃんと溜めはとりなさいよ。ばっかじゃない?」

「うぅ、難しいんだなぁ……次こそはうまくいかせてみせるからな!」

麗奈「はいはい、せいぜいがんばりなさい」

「おう、がんばる!」


119 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 22:47:00.68 zHIcbs8o0 61/81

「……ふぅ、はぁ……つ、疲れた……」

麗奈「ま、そこそこってところね」

「レイナは厳しいなぁ……くぅ……」

麗奈「……ねぇ、アンタ。これさ」ヒョイッ

「ん……ジュース? くれるのか?」

麗奈「このジュースに、アタシが毒を入れてるって言ったらどうする?」

「毒……?」

麗奈「そう、毒。アンタがベタベタくっついてうっとおしいからやる気なくすようにアホみたいにまずいのと入れ替えてあるの」

「……レイナが、毒を入れたっていうんならそうなんだろうな」

麗奈「じゃあ、今言ったのは全部冗談だから飲めって言ったら?」

「全部もらうよ。喉がカラカラなんだ」

麗奈「そう……」カパッ


124 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 23:06:11.65 zHIcbs8o0 62/81

麗奈「……」ゴクッ

「な、レイナ……」

麗奈「うげぇ、まずい……おぇっ」

「……!?」

麗奈「……バカじゃないの?」

「レ、レイナ大丈夫か!?」

麗奈「アンタね、ちょっとは疑いなさいよ」

「ダチのことは、信じる。そういうもんだから……」

麗奈「じゃあ、このまっずいジュース飲める?」

「あぁ、飲む!」

麗奈「……」スッ

「いただきます!」ゴクッ

「……」

「ま、まずい……」ガクッ

麗奈「マジでどうしようもないバカね……アンタ……」


125 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 23:14:34.57 zHIcbs8o0 63/81

「レイナ、こんなジュースどうやったら作れるんだ……?」

麗奈「今、自分で自分の才能が恐ろしいわ……」

「だが、飲む!」ゴクゴク

麗奈「ちょ、バカ!」

「……まずいぃぃ……」

麗奈「わかってるでしょうが! なんでわざわざ2口目を飲んだのよ!?」

「決まってるだろ……ダチが、くれたものを……残すわけには……」

麗奈「……救いようがない、バカね。貸しなさいよ」バッ

「あ……」

麗奈「残せないなら、半分ずつ飲んだほうがいいでしょ」

「でもまずいんじゃ……」

麗奈「そんなのわかってるわよ! でも全部飲んだら死人がでかねない味でしょうが!」

「そうか、これは友情を深める儀式……!」

麗奈「あぁ、もうそれでいいから……飲むわよ……う、まずっ……」


126 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 23:18:18.12 zHIcbs8o0 64/81

「完食……きたー……」

麗奈「げふっ、まずぅ……」

「レイナ、アタシ達……これで友情深まったかな……」

麗奈「……しらないわよ、バーカ……」

「でも、これは、もう、二度と……うぷっ……」

麗奈「ちょ、吐くならトイレいきなさいよ……うっ……」

「……」

麗奈「……」

「ト、トイレ……」

麗奈「アタシが先よ……」

「こ、ここは譲ってくれ!」

麗奈「ダンスみてやったんだからあんたこそ譲りなさいよ!」


129 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 23:24:30.59 zHIcbs8o0 65/81

(それからの日々は、割とあっという間に過ぎた)

(レイナの弱点は、一緒に熱い特撮を見て、叫んでるうちに少しずつ良くなっていった)

(最初はバカにしてたけど、今はシャンゼリオンにはまってるんだ!)

(学校も、勉強は難しかったけどレイナに教えてもらったりしてなんとか!)

(……時々疲れて宿題やるの忘れたりしたけど)

(ま、まぁそれはおいといて。アタシ達の、オーディションが近づいてたんだ!)

(これから、アタシ達のコンビの伝説が、始まる!)



「そう、空っぽの星、時代をゼロから始めるんだ!」

麗奈「なによ急に……」

「……あ、ごめんごめん。ちょっと寝ぼけてたみたい」

麗奈「ったく、しっかりしなさいよ。しょうも無いわね……ん?」


130 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 23:31:50.31 zHIcbs8o0 66/81

??「ふっふーん。こんな小さなオーディション、本当はボクが参加するのなんてふさわしくないんですけれど」

??「まぁいいでしょう。今日この場にいられた人達はとってもツイてますね!」

??「なんていったって……この、最高にカワイイボクを見られるんですから!」

??「ふっふっふ、あーっはっはっは!」

「アイツは……?」

麗奈「……輿水幸子よ」

「輿水……?」

麗奈「うん。自分で言ってたけどこんな低ランクオーディションになんで参加するのかわからないわ……」

「そうか、すごいやつなんだな……」

麗奈「ビビった?」

「……まさかだろ?」

麗奈「いうと思った」


133 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 23:35:48.79 zHIcbs8o0 67/81

「輿水幸子? 本物?」

「こんなオーディションにでてくるとか……うわぁ、マジありえない……」

「っていうかナマイキだよね、アイツ……マジでヒくわぁ……」


「……なんか、嫌な空気だ」

麗奈「……」

「レイナ?」

麗奈「言っておくけど、今のアタシ達じゃ正攻法でやっても勝てないよ」

「そうなのか?」

麗奈「……悔しいけどね、たぶん」

「そうか……なら……」

「ねぇ、あんたたち」

「ん?」

麗奈「なによ?」


137 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 23:39:34.85 zHIcbs8o0 68/81

「輿水幸子、来てるのわかってるよね?」

「ん、あぁ……有名人なんだな」

麗奈「……まぁね」

「正直さ、キャラもうざいし。なんかタカビーだし……」

「つぶさない?」

「……つぶす?」

「そう、潰すの。アイツの邪魔を徹底的にしてやってさ」

「……」

「あと、これからちょっと脅しでもかけてやろうかなって……」

ダンッ!

「ひっ……」

「……ふざけるな」

「……な、なによ。いい子ちゃんぶる気?」


140 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 23:43:56.87 zHIcbs8o0 69/81

「お前……」グッ

麗奈「……」スッ

「……レイナ……?」

「さてはアンタおこちゃまだからわかってないんでしょう? ねぇ、そっちの子はどう?」

麗奈「アタシに聞いてるの?」

「そうそう! ね、わかるよね? あぁいうのムカツクでしょ?」

麗奈「そうだねぇ……むかつく奴っていうのは真っ先に消えてほしいね」

「でしょう? それに、アイツをつぶせばいい試合もできる! フェアにね!」

「……お前ッ」ギリッ

麗奈「光はイイ子ちゃんだねぇ……まぁーた正義の味方か」

「せ、正義の味方って……ぷはっ、そりゃダメだわ! じゃあアンタは?」

麗奈「……あのさ、レイナサマは常に強いものの味方なわけよ」

「じゃあ、決まりね!」

麗奈「そう、決まりだね」


141 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 23:48:36.49 zHIcbs8o0 70/81







麗奈「この場で一番強いのはアタシ達だ。ひっこめザコ」











142 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 23:50:57.21 zHIcbs8o0 71/81

「……は?」

麗奈「あれ? ザコは耳も遠いの? もしも~し?」

「アンタ、正気? 勝てるわけないじゃん!」

麗奈「そうだね、アタシ達にボロッボロに負ける手間がおしいなら帰れば?」

「……っち、後悔しても知らないからな!」

麗奈「勝手にすればぁ? ま、負け犬の遠吠えとして受け取ってあげる!」

タッタッタッタ…

麗奈「いったわね。まったくアンタはさぁ……」

「……レイナ……」

麗奈「なによ」

「いや、なんでもない。ありがとう」

麗奈「お礼言うには早いでしょ。あのドヤ顔女もぶっ飛ばすから」

「さっき普通にやったら勝てないって言ってただろ? 作戦は?」

麗奈「決まってんでしょ」

麗奈「「戦いはノリがいいほうが勝つ」」


147 : 以下、名... - 2012/09/13(木) 23:58:08.84 zHIcbs8o0 72/81

「……いいね、レイナ! 流石だよ!」

麗奈「アンタのおかげでちょっとおかしくなったみたいだわ、ったくもう……」

「いいじゃん! アタシ、すっげー嬉しい!」

麗奈「そりゃよかった。覚悟はいい?」

「もちろん、とっくに!」

麗奈「いくわよ」

「おう!」

麗奈「……」

「なんだ、レイナ?」

麗奈「あと、この時期にマフラーは暑いからやめろっていったでしょ?」

「そんなぁ!?」


149 : 以下、名... - 2012/09/14(金) 00:12:07.67 R39poOly0 73/81

――

麗奈「……終わったわね」

「アタシ達にできることは、全部出し切った……」

麗奈「そういえばアイツら、ちょっかい出してこなかったわね。所詮ザコはザコってことかしら」

「はは、レイナの迫力に負けたんだよ」

麗奈「そう? 光のダンスがバカバカしすぎて力抜けたんじゃない?

「なぁっ……!?」

麗奈「はいはい怒らない。あとは、結果発表……か」

「お待たせしました。合格者の発表です」

「……」

麗奈「……」

「本日のオーディション合格者は……」

幸子「……」

「……」


153 : 以下、名... - 2012/09/14(金) 00:16:47.78 R39poOly0 74/81

「2番の方です。おめでとうございます」

「2番? えっと……」

麗奈「……」

「れ、レイナ! 確か……」

麗奈「アタシ……!」

「……! やった、やったぜレイナ! よくやった!」

麗奈「う、うるさいっ! 上から目線はやめなさいってのっ!」

「でも、よかった! おめでとう!」

麗奈「ま……ありがと」

「アタシも絶対追いつくからな!」

麗奈「はっ、追いつけるもんなら追いついてみなさいっての」


「呼ばれなかった方はお帰り頂いて結構です。おつかれさ……うわっ!?」

幸子「おかしいでしょう! ボクの出番がこれだけですって!? 何故ですか!? カワイイボクに嫉妬してるんですか!?」

「な、なんだねキミは! 確かにアピールはすごかったけれど、正直求めているのとはキャラが違うんだよ、帰ってください!」

幸子「そ、そんな……」


154 : 以下、名... - 2012/09/14(金) 00:21:35.38 R39poOly0 75/81

「なぁ、レイナ」

麗奈「なによ」

「本当に良かったな! めでたいよ!」

麗奈「ま、当然よ。アタシにかかればこのぐらい……」

「そうだなぁ、やっぱりレイナはすごいと思うし」

麗奈「……ま、ただ」

「うん?」

麗奈「このアタシの横に立ってていいのは、アンタぐらいのもんよ。せいぜいがんばって追いつきなさい」

「レイナ……!」

麗奈「……ユニットなんだから、ね。アタシの格まで落ちちゃ困るのよ! アハハハハ! ハーッハッハ、げほっ、ごほっ」

「あぁ、高笑いのしすぎはやめろっていったのに!」


158 : 以下、名... - 2012/09/14(金) 00:25:42.23 R39poOly0 76/81

――事務所

麗奈「合格祝いだなんて大げさね。当然でしょう?」

P「いや、それがさ……今度、2人の曲を書きたいって人が出て」

麗奈「は?」

P「それで、その曲がニチアサの番組の主題歌で」

「なんだって!?」

P「そういうわけで。CD発売決定記念兼、麗奈の合格祝いだ!」

麗奈「ちょ、ちょっと! このレイナサマの輝かしい勝利をおまけみたいに……!」

「レイナ、やったぞ! アタシ達がデビューだ! ヒーローだ! アイドルだぁー!」

麗奈「……ま、いいわ。このアホづらみてたら怒る気も失せた」

「あほっ!?」


160 : 以下、名... - 2012/09/14(金) 00:29:15.05 R39poOly0 77/81

「そ、それでプロデューサー、どんな曲なんだ!?」

P「そりゃあ、いい曲なんじゃないのか?」

麗奈「アンタ本当にバカね……昨日の今日でできるわけないじゃない」

「そ、そっか……でもさ! アタシ、夢がかなって本当に嬉しくて……」

麗奈「あー、夢だっていうならその知識ぐらいはもっときなさいよ、アンタは……」

「作詞はやっぱり藤林さんかな!?」

麗奈「だれそれ?」

「知らないのか!? 預言者だぞ!?」



ちひろ「……」スッ

P「あ、ちひろさん……それって」

ちひろ「うふふ、少し遅くなっちゃいましたけど。光ちゃんの誕生日も、祝うんでしょう?」

P「……まぁね?」

ちひろ「あの2人、いいコンビになりましたねぇ」

P「そうですね、本当に……」


161 : 以下、名... - 2012/09/14(金) 00:32:20.69 R39poOly0 78/81

麗奈「だいたいアンタは毎回毎回考えがたらなくて!」

「なんだとぉ、レイナだって変なタイミングでちゃちゃをいれるから!」


P「……いいコンビ、ですね?」

ちひろ「そうですねぇ、あはは……」


麗奈「ねぇ、プロデューサー!」

「プロデューサー!」

麗奈「アタシのいうとおり、光はちょっとアホすぎるわよね!?」

「レイナは毎回毎回、素直じゃなさすぎると思うよな!?」

P「は、ははは……そう、かもなぁ……」

麗奈「ほらみなさい!」

「違う、今のはアタシのいったほうに同意したんだ!」


162 : 以下、名... - 2012/09/14(金) 00:36:53.74 R39poOly0 79/81

―――

――




「だいたいアンタはいっつもいっつも……」

「ふっ、あははは!」

「な、何がおかしいのよ!?」

「いや、前の誕生日の日。アタシ達のデビューが決まった時もこんないい争いしたなぁって思いだしたんだ」

「あぁ、あれね……このレイナサマの華々しい勝利をおまけみたいな扱いにした……」

「いやいや、そのいいかたはないんじゃないか……」

「事実でしょうが! ったく、もう……」

「まぁまぁ2人とも。その日があったから今があるんだろ?」

「プロデューサー……そうだな、その通りだ!」

「……まぁ、レイナサマだったら1人でだってやれたでしょうけど?」


163 : 以下、名... - 2012/09/14(金) 00:38:09.60 R39poOly0 80/81

――風が吹く

心を落ちつかせる、風が


「さぁ、いってこい」


――声が、聞こえる

人々が呼んでいる、アタシ達の名を


「そうだね……いこうぜ、レイナ!」

「わかってるわよ……」


「「アタシ達の、舞台へ!」」



おわり


165 : 以下、名... - 2012/09/14(金) 00:39:22.33 R39poOly0 81/81

日付変わる前に終わらせようとしたらさるったでござる

完全に俺得な、南条光の誕生日SS
書いててすっごく楽しかったです。やっと光表記に慣れました

保守支援ありがとうございました!


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