関連
人外娘「ずっと一緒にいようね…」少女「離してよお!」【前半】
タッタッタ
少女「ど、どうしていつまで歩いても森を抜けられないの」
少女「おかしいなぁ、いつもの道だよね?」
少女「さっきも通った気がする」
少女「木に…印つけてみよう」 ガリガリ
少女「これでよし…かな」
狐娘「しめしめ、化かされてる化かされてる」
少女「はぁ、どこまで歩いても、木、木、…もういや」
少女「ん……これさっきつけた印だ」
少女「…はぁ疲れちゃった、ちょっと休もう」
狐娘「座り込んでしまった…風邪引くかな?大丈夫かな?」
少女「なんだか‥眠い」 スゥ
狐娘「寝ちゃった…どうしよう、どうしよう…」
元スレ
人外娘「ずっと一緒にいようね…」少女「離してよお!」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1306585665/
狐娘「小さい子だけど、結構重いなぁ…」
少女「むにゃ…」
狐母「おかえり」
狐娘「ただいま、お母さん」
少女「ぐぅ…」
狐母「おや、その人間はなんだい?鍋にでもするのかい?」
狐娘「食べないよ、私が拾ったんだよ」
狐母「はぁ、人間なんて飼えないからおよしよ」
狐娘「そんなことない」
少女「ん…ここは…」
少女「確か私、森の中で眠っちゃって…」
カラカラッ
狐娘「起きたか」
少女「あなたが助けてくれたの?」
狐娘「…ここまで連れてきたのは私だよ」
少女「そっか、ありがとう」 にっこり
狐娘「っ…これご飯だから」
少女「…いいの?」
狐娘「お揚げと米しかないけど、お腹すいてないかい?」
少女「…」 ぐぅ
少女「空いてる」
少女「はふはふっ」
狐娘「…」
少女「もぐ…」
狐娘「ん、食べないのか?」
少女「じぃっと見られていると、食べにくいわ」
狐娘「失礼した、後ろを向いているから」 クルッ
少女「ごめんね」
狐娘「…」 ぐぅ
少女「…お腹空いてるの?」
狐娘「大丈夫だ」
少女「一緒に食べよう?」
狐娘「…うん」
少女「お揚げが好きなのね」
狐娘「好物なんだ」
少女「はむはむ」
狐娘「甘くてジューシーで」
少女「うんうん、分かるよ」
少女「ごちそうさま、美味しかったよ」
狐娘「うん、美味しかった」
少女「…お母さん、心配してるだろうな」
狐娘「夜は、危ないから今日は泊まっていったほうがいいよ」
少女「…うん」
狐娘「布団は…1つしかないけど」
少女「うん、平気」
狐娘「お前は暖かいな」 ぎゅっ
少女「あなたもとっても暖かいよ」
狐娘「明日になったら、森の出口まで案内するよ」
少女「ごめんね、ありがとう」
狐娘「…」
少女「送ってくれて、ありがとう」
狐娘「…うん」
少女「…また遊びにくるからね?」
狐娘「あっ、ああ!待ってる!」
少女「ふふっ、またね」
狐娘「お母さん、あの子またくるって」
狐母「そうかい、でも、あんまり肩入れするのはおよしよ」
狐娘「どうして?」
狐母「私達物の怪と人間じゃ生きる時が違いすぎるからね」
狐娘「よく分からないよ」
少女「てんてんてんまり てん手まり てんてん手まりの~♪」
狐娘「…」 ジィ
少女「~とんでった♪っと、はい次狐娘ちゃんの番だよ」
狐娘「うん…てん、てん…てんまり」
少女「そうそう、上手上手!」
狐娘「そ、そうか!」
ポンポン
狐娘「少女は色々遊びを知ってるんだな」
少女「そうかな、村じゃみんなやってるよ?」
狐娘「私は、ずっと森にいるから」
少女「そっか…ごめんね」
狐娘「…てんてんてんまり」
――3年後
少女「遊びにきたよ、狐娘ちゃん」
狐娘「よくきてくれたね」
少女「…狐娘ちゃんは変わらないね?」
狐娘「…いつか言おうと思ってたんだ、実は」
少女「言わなくてもいいよ」
狐娘「えっ?」
少女「狐の妖怪…だよね?」
狐娘「知っていたのか」
少女「村じゃ皆言ってるよ、東の森には化け狐がいる、って」
狐娘「…」
少女「人間を化かして、食べてしまうんだって」
狐娘「…そうか」
少女「狐娘ちゃんは、悪い妖怪?」
狐娘「私は!その…悪い…妖怪かもしれない」
少女「ほんとに?」
狐娘「始めて会ったとき、お前が森で迷ったのは私が化かしたからなんだ」
少女「…」
狐娘「毎日森を行くお前を見てるうちに、どうしても化かしたくなって」
少女「他には?」
狐娘「私が化かしたのは、お前が最初で、最後だ」
少女「ふふっ、そっかぁ」
狐娘「…怒ってないのか?」
少女「それじゃ、狐娘ちゃんは悪い妖怪じゃないね?」
狐娘「でも、お前をずっと騙して」
少女「あのね、ずーっと言いたかった事あってね」
狐娘「うん?」
少女「しっぽ、隠れてないよ?」
狐娘「えっ…あ、ほんとだ」
少女「そうだなー、黙ってた罰として、そのしっぽをもふもふさせてもらうよ」
狐娘「そんなことでいいのか?」
少女「この3年間ずーっとしたかったことだからね…もふもふ」
狐娘「んっ…くすぐったい」
少女「モコモコで、さらさらで…いいしっぽ」 もふもふ
狐娘「少女はすぐ大きくなるな」
少女「人間だからね、もう狐娘ちゃんと同じくらいかな?」 もふもふ
狐娘「始めて会ったときは、腕の中にすっぽり収まっていた」
少女「なつかしいね。」 もふもふ
狐娘「…お前も妖怪になれば、歳を取ることもなくなる」
少女「そんな事ができるの?」 ぎゅっ
狐娘「んっ…ちょっと痛い…山の天狗なら、何か知ってると思う」
少女「そっか、それも楽しそうだね」
狐娘「うん、皆でずっと一緒に…」
少女「でもごめんね。里にはお母さんがもいるし」
狐娘「…」
少女「私は今の体が気に入ってるんだ」
狐娘「それなら、しょうがない…な」
少女「大丈夫、いつまでだって遊びにくるから。ね?」
狐娘「…うん」
少女「暗い顔しないで?」 もふもふ
狐娘「んっ…分かった」
狐娘「少女は妖怪になりたくないんだって」
狐母「そうだろうね」
狐娘「お母さんは分かってたの?」
狐母「どうしてもね、結局は違う生き物だから」
狐娘「そっか…しょうがないのかな」
狐母「…あんたは妖狐と人のハーフだから情が深いのかもしれないね」
狐娘「えっ?」
狐母「人の心はね、本当に見えないものだよ」
―――数ヵ月後
少女「…お、お母さんが急に体調おかしくなって…グスッ」
狐娘「お医者さんには見せたのか?」
少女「うん…でも、よく分からないって…」
狐娘「…」
少女「お薬も利いた風じゃないし…お母さん死んじゃったらどうしよう…うぅ…」
狐娘「そしたら…私と…」
少女「うん?」
狐娘「いや、私がなんとかするよ。少女は家に帰ってお母さんに付いててあげて」
少女「うん、分かった…ありがとう!」
狐娘「お母さん、天狗の住処はどこにあるのかな」
狐母「はぁ…天狗に頼みごとなんてしたら何とられるか分かったもんじゃないよ」
狐娘「いい、あの子は私のたった一人の友達だから」
狐娘「ここが天狗の山か…」
狐娘「…」
???「山に何の用だ」
狐娘「ん、あなたが天狗殿か?」
天狗「ああ」
狐娘「人の体を癒す霊薬が欲しい、お持ちか?」
天狗「ある」
狐娘「それを譲ってはいただけないか」
天狗「あれは貴重なものだからな、そうだな……お前は、とても美しいな」
狐娘「何?」
トントン
少女「はい」
狐娘「…」
少女「狐娘ちゃん」
狐娘「これを、お母さんに飲ませればたちどころに病が失せるはずだ」
少女「ほ、ほんとに?」
狐娘「ああ、万病を癒す霊薬だ」
少女「ありがとう…私、どうやってお礼したらいいか…」
狐娘「少女…お前とはもう会えない」
少女「えっ?」
狐娘「今日まで…仲良くしてくれてありがとう、さようなら」
少女「待って!狐娘ちゃん!」
狐母「あの子は来るなって言ってなかったかい?」
少女「…」
狐母「私は、あんまりあんたの顔見たくないんだけどね」
少女「…お母さんの病気。治りました」
狐母「そうかい」
少女「ありがとうございます」
狐母「…」
少女「狐娘ちゃんはどこですか?」
狐母「…」
少女「どうして、急にもう会えないだなんて」
狐母「…」
少女「お願いします!狐娘ちゃんに…会わせて!」
ザアァァァァァ
狐母「降ってきたね、濡れてしまうよ、軒にお入り」
少女「…はい」
狐母「今日はとても晴れてるのにね」
少女「…」
狐母「こんな天気をなんていうか、知ってるかい?」
少女「まさか…!」
狐母「馬鹿な子だよ、本当に」
少女「狐娘ちゃんはどこにいるの!?」
狐母「…山の天狗のところに行ったよ」
少女「道、教えてください!」
ザァァァァァァ
少女「はぁっ…はぁっ…ここが天狗の山」
シャン シャン シャン
狐面の男達「…」
少女「これがきっと…嫁入り行列だ…」
少女「この列の中に…狐娘ちゃんが」
狐娘「…」
天狗「花嫁なら少しは楽しそうにしたらどうだ?」
狐娘「…そうだな」
天狗「こうも泣いてばかりではまるで興が乗らんな…ん」
狐娘「…」
天狗「おい、面白いものが見えるぞ」
「止まって!」
狐娘「…この声!」
少女「ごめんなさい!お願い!狐娘ちゃんに会わせて!」
天狗「だとよ、どうした?声かけてやらんのか?」
狐娘「…」 ギリッ
天狗「ひどい奴だな、お友達が雨の中参列してくれたというのに」
狐娘「…行けない」
天狗「やっと表情を見れたかと思ったら怒りとはな」
天狗「おい、小娘」
少女「は、はい!」
天狗「お前の想い人はここにいるぞ」 チョイチョイ
少女「い、今行きます!」
天狗「ああ、足元がゆるいから転ばんようにな」
狐娘「…どういうつもりだ」
天狗「あの人間が絡むとお前はすぐ顔に出るな」
狐娘「…」
天狗「表情のない人形を嫁にしてもつまらん、あの人間はずいぶんと使えそうだ」
狐娘「もしあの子に手をだしてみろ、貴様のその首食いちぎってやるぞ!」
少女「はぁっ…はぁっ…狐娘ちゃん!」
狐娘「…」
天狗「よう人の足でここまでこれたな」
少女「え、ええ。それより、狐娘ちゃん…結婚するの?」
狐娘「…そうだ」
少女「でも、望んでない結婚だよね?」
狐娘「…」
天狗「酷い言われ様だな、狐娘は俺の妻になりたいそうだが」
少女「嘘ですよ」
天狗「どうしてだ?こいつがそう言ったのか?」
狐娘「…」
少女「分かりますよ、とっても悲しそうな顔してますから」
天狗「そうか?俺には無表情にしか見えんがな」
少女「この3年間ずっと一緒だったから、分かります」
天狗「そんなもんかな、おい顔を上げてみろ」 グイッ
狐娘「…」
少女「嫌がってます」
少女「この結婚、あの霊薬の代償なの?」
狐娘「…」
天狗「おぉー、聡いな」
狐娘「…っ!」
天狗「そう睨むな、俺が答えずとも確信した顔をしているし結果は分からんだろう」
少女「天狗さん」
天狗「なんだ」
少女「この結婚、取りやめてください」
天狗「契約もしたんだがな、なぁ狐娘」
狐娘「…ああ」
少女「なんでも、私にできることならなんでもしますから!」
天狗「なんでもと言われてもな、お前に何ができる?」
少女「…私が代わりに貴方のお嫁さんになります」
狐娘「やめろ少女!もう帰るんだ!」
天狗「お前も中々の器量だがな、この妖狐の美しさには到底及ばん」
少女「…」
狐娘「少女、もう帰るんだ。帰ってお母さんと暮らせ。」
少女「嫌だよそんなの!狐娘ちゃんも一緒に!」
狐娘「頼む、私の思いを無下にしてくれるな」
少女「そんな…何か、何か代わりになるものは!」
天狗「ない」
少女「だったら…天狗さんを…」
天狗「面白い、人の身で私をどうこうする気か」
狐娘「よせ!性格はこんなんだが、天狗は本来山神。お前と私では例え束になっても敵わない」
少女「…だったら、どうすれば」
天狗「諦めろ、良い余興だったぞ」
狐娘「すまんな、嬉しかったよ」
少女「…」
シャン シャン シャン
天狗「お前があんなに優しい顔をするとは知らなかった」
狐娘「…」
天狗「…まるで死人の顔だな」
狐娘「…」
天狗「あの娘に会わせたのは失敗だったか」
狐娘「…」
天狗「はぁ…もういい」
シャン …
少女「行列が…止まった」
天狗「おい小娘」
少女「…なんですか」
天狗「連れていけ」
少女「えっ!?」
狐娘「少女!」
がばっ
少女「狐娘ちゃん!ど、どうして?」
狐娘「暫しの猶予をもらった」
少女「…どのくらい?」
狐娘「お前の命が尽き、私が…」
少女「うん」
狐娘「あの天狗ににっこり笑えるようになるまで。だそうだ」
少女「…それって」
狐娘「事実上の婚約破棄、といったところか」
少女「そっかぁ!良かった…!でもどうして…」
狐面の男「良かったんですか?」
天狗「あんな顔を見たらな、どうしても自分にそれを向けて欲しくなってしまった」
狐面の男「ははぁ、惚れちまいましたか」
天狗「そうかもな…死人の顔をしているあいつにはまるで魅力を感じなくなった」
狐面の男「難しい男心ですねぇ」
天狗「はぁ…しかし勿体無いことをしたか…」
「おい」
天狗「なんだ、まだ行ってなかったのか」
狐娘「その面、外してもらおう」
天狗「…これでいいか」
狐娘「頬を出せ」
天狗「好きにしろ」
狐娘「そうさせてもらおう…ちゅっ」
天狗「…」
狐娘「約束、守れなくてすまない。
こんなものでは代わりにはならんだろうが…」
天狗「…猶予を与えただけだ」
狐娘「そうだったな、…そうだお前」
天狗「なんだ」
狐娘「面を外したほうが男前だぞ、ではな」
少女「ねぇ、天狗さんって悪い人じゃなかったね」
狐娘「ああ、言ったように奴はあれでも山神の一員だから、
…どちらかと言えば騙した私のほうが悪いな」
少女「そうかもしれないね」
狐娘「・・・ありがとう」
少女「こちらこそありがとう、狐娘ちゃん」
狐娘「またこうして、お前と二人で歩けるだなんて思ってもみなかったよ」
少女「うん…ね、狐娘ちゃん」
狐娘「なんだ?」
少女「ずっと先にね、私が死んじゃったら。天狗さんのところに行くの?」
狐娘「どうだろうな…悪くない気もするが、ずいぶんと先の話だから」
少女「私は。そうなると思うな」
狐娘「どうして?」
少女「だって、狐娘ちゃんが化かすのは、大事な人だけだもんね」
狐と少女 おわり
414 : 以下、名... - 2011/05/29(日) 16:57:36.37 4hzUanmJ0 31/134一方的に婚約破棄はどうかなぁと思ってこんな感じに
物語はこれで終わりです。天狗さんもハッピーハッピーでええと思います。
やってやろうじゃないか
男 「花~、花はいらないかい?きれいな花だよ~」
少女「お花?」
男 「嬢ちゃん、いらっしゃい。どんな花が好きだい?」
少女「花って?鉢植えしか並んでないよ?」
男 「種は植えてあるよ。嬢ちゃんが水をやって、咲かせておくれ」
少女「私、すーっごくきれいな花がいいな!おっきくて、可愛い花が咲くの」
男 「ふぅん……ちょっと、そういうのはないなぁ。ただ、東の森に、大きな花があるという話は聞いたことがある」
男 「その花の種からなら、嬢ちゃんのいう花が咲くと思うよ」
少女「東のもりかぁ。じゃあ、鉢植えだけちょうだい」
男 「まいどありぃ」
東の森
少女「大きな花……大きな花……ないなぁ」
少女「枯れちゃったのかな?」
少女「花……花……」
少女「あった!」
少女「すごい……おっきい。でも」
少女「枯れちゃってるや」
少女「種はあるかも!」
少女「………」
少女「これかな?緑色の、豆みたいなの」
少女「大切に育てますから、もらっていきます」
少女「絶対に、きれいなお花に育てます!」
少女「それじゃ……」タタタ
枯れた大きな花「…………」ボロボロボロ
枯れた大きな花「………」ボロボロ
折れた大きな花「……」ボロ
枯れた大きな花「」
少女「ただいま!」
父 「おかえり、どうしたんだ?その鉢植え」
少女「花の種を植えたの!花が咲くまで育てるんだ」
父 「へえ、可愛いじゃないか」
少女「まだ咲いてないよ?」
父 「はは、花を育てる優しい少女が可愛いってことさ」
母 「あなた、何娘を口説いてるのよ」
母 「花を育てるのはいいことよ。やさしい言葉をたくさんかけてあげなさい。きれいに咲くから」
少女「うん、早く芽が出ないかな」
母 「さ、ごはんよ。手を洗ってきなさい」
少女「はーい」
少女「早く芽が出るといいな」
少女「今日は月がきれいだよ」
鉢植「…」
少女「星もキラキラしてる」
少女「きれいな花を咲かせてね」
少女「おやすみ」
鉢植「……」
少女「ん、おはよう」
少女「今日もいい天気だよ」
少女「あったかくて、気持ちのいい朝だよ」
少女「犬が走ってるね」
少女「ちゃんと鉢植持ってるから大丈夫だよ」
少女「落としたりしないよ」
少女「お水の時間だよ」
少女「いっぱい飲んで大きくなってね」
少女「がんばって、芽を出そうね」
父 「少女、鉢植にかかりっきりだな」
母 「ええ。朝から夢中よ。どこへ行くにも鉢植えを抱えてる」
父 「はは、女の子らしくていいじゃないか」
母 「きれいな花が咲くといいわね」
優しい声が聞こえていた
ボロボロの私に、優しくしてくれてうれしかった
この子は私のことが好きなんだ
優しく土に埋めて、きれいな水を飲ませてくれた
暖かい日の下で、楽しく話してくれた
いつも一緒
ずっと一緒
わたしは、この子のために、早く大きくなって
きれいな花を咲かせたい
それで、静かな森の中で、2人きりで過ごしたい
少女「あさ……」
少女「!」
少女「芽が出てる!可愛い!」
少女「うわあ、やったぁ!」
少女「おかーさーん!芽が出たよ!」
少女「この調子で、早く大きくなってね!」
鉢植「……」
父 「そういえば、少女」
少女「なに、お父さん」
父 「何の花を植えたんだい?」
少女「わからない。でも、大きな花から、種をもらったの。それ」
母 「大きな花?」
少女「うん、東の森の、大きな花」
父 「東の森の花か。少女、東の森は化け物がたまにうろついてるから、あんまり行っちゃだめだぞ」
父 「ちょっと前、大きなものが動く影を見たという人もいた」
母 「そうね。行くなとは言わないけど、一人で行かずにみんなと行って、夕方には帰ってくるのよ」
少女「はーい」
少女「東の森は危ないんだって」
少女「あのままあそこにいたら、大変だったかもしれないよ」
少女「でも、私がちゃんと守ってあげる」
少女「だから、安心して大きくなってね」
少女「おやすみ」
「あさだよ」
少女「ん……おかーさん?」
「いい天気だよ」
少女「ふぁ……」
「おはよう」
少女「あれ?お母さん?」
「おはよう」
少女「え、鉢植?」
アルラウネ「あさだよ」
少女「わあ!お、女の子!?」
アルラウネ「いい天気だよ」
アルラウネ「犬がきもちいいあったか」
少女「???」
アルラウネ「東の森は守ってあげる危険な森」
父 「あれ、今日は鉢植持っていかないのかい?」
少女「!」ビク
少女「あ、あんまり振り回すと、壊れちゃうから……」
父 「そうだな、焼き物だからパ林、といっちゃうしな」
少女「う、うん……それじゃ、」
バタン
少女「村長さんが、生き物の図鑑を持ってたよね」
少女「村長さーん」
村長「少女ちゃんか。何かようかい?」
少女「図鑑を見せてほしいの」
村長「私が持っているのはモンスター図鑑で、植物図鑑じゃないのだが」
少女「うん、その図鑑を見せて」
村長「うん……ま、持ってきてあげよう。待ってなさい」
アルラウネ 植物属
いくつかの種類があり、種類によって咲かせる花や形態が異なる
人を能動的に襲うことは少ない
人語を習得することができる
外見は女だが、性別は不明
少女「アルラウネ……っていうんだ」
少女「そういえば、朝話してた言葉って、私が話しかけたことばかりだった」
少女「人を襲わないみたいだし、優しい子なのかな?」
少女「可愛いなぁ」
少女「わ、村長さん!?」
村長「驚かせてしまったかい。ごめんね」
少女「いいえ、あ。図鑑、ありがとうございました」
村長「いいえ、どういたしまして」
少女「それじゃあ、さよなら!」
村長「東の森の、大きな影のうわさでも聞いたのかな」
村長「あれは、アルルーナらしいんだが……」ペラペラ
アルルーナ モリビト属固有種
モリビトの突然変異体で、世界に一体のみの種族である
アルラウネにも似ているが、別の種族
大きく傷ついたり、寿命によって枯れると、その時点で自らのタネを残す
アルルーナを殺すには、そのタネを砕かないと意味がないと言えるだろう
人語を習得でき、心のようなものもあると思われるが、人間に対し好戦的
殺したという報告はいまだなく、世界のどこかに今も存在する
懸賞金がかけられている
村長「はやく、なんとかしなくてはな」
村長「火でもはなつか?」
少女「ただいまー」
アルラウネ「ただいまー」
少女「だめだめ。おかえりーっていうの」
アルラ「おかへり」
少女「おかえり」
アルラ「おかえり」
少女「そう、よく言えたね。えらい、えらい」
アルラ「よく言えるとえらい」
少女「可愛いなぁ。アルラウネっていうんだって、あなた」
アルラ「あるるーな!」
少女「え?」
アルラ「アルルーナ!」
少女「アルルーナっていうの?」
アルルーナ「あるるーな……」
少女「わかったよ、アルルーナ」
アルナ「可愛い……あなた、かわいい」
少女「え?や、やだ、何言ってるの?」
アルナ「あったかい、可愛い。あたな、かわいい」
少女「……適当に言ってるだけ?」
アルナ「甘い!お水!」
少女「のどかわいたの?」
アルナ「かわいた」
少女「砂糖水持ってくるね」
アルナ「さとーみず」
アルナ「あまい。かわいい」
少女「可愛いじゃなくて、おいしい」
アルナ「おいしい。少女、おいしい!」
少女「……食べられないよね?」
父 「今日は部屋で何してたんだい?」
少女「お話……かなぁ?」
母 「芽が出たのよね?」
少女「芽っていうか……うん」
父 「どうかしたのかい?」
少女「ううん、何も」
父 「そうか。そういえば、東の森の大きな影の正体は、やっぱり化け物だそうだ」
母 「まあ、怖い」
父 「そのうち村長から説明があるだろうが、それまで東の森に近づくなよ」
少女「はーい」
何日か後
アルナ「あさだよ、少女。起きて!」
少女「う~ん……おはよう、アルルーナ」
アルナ「おはよう!」
少女「わ、おっきくなってる」
アルナ「うん、私はおっきく育つ種族だから。ちょっと、この植木鉢じゃ狭いかも」
少女「わ、言葉もペラペラだ」
アルナ「前の花の時の知識があるからね。えへへ、少女がここまで育ててくれたおかげだよ」
アルナ「ありがとう、少女!」
少女「ううん、お礼なんていらないよ~」
アルナ「おなかすいた……」
少女「お水?」
アルナ「ううん、食べ物が食べたい」
少女「えっと……パンでいいかな?」
アルナ「うん、ありがとう」モグモグ
少女「よく噛んでね?」
アルナ「うん」モグモグ
アルナ「ごちそうさま。そうだ、お礼にいいものあげる!」
少女「いいもの?」
アルナ「うん、こっち来て。植木鉢もって、私の顔の前に、顔を近づけて?」
少女「こう?」
アルナ「ちゅっ」
少女「わ、んっ」
アルナ「ん、……蜜、あげる」
少女「え?んんんっ」
少女(なんか、口移しで……蜜?甘い、おいしい……)
アルナ「あはっ、おいしかった?」
少女「うん……もっと、もっと欲しいな……」
アルナ「へへへ、少女は私のこと、好き?」
少女「うん……スキ」
アルナ「じゃあ、あげるね……」チュ
少女「ん・・・・・ちょうだい……ちゅぷ、んん……」コクン、コクン
アルナ「ぷは、もう、私の口の中まで舌入れて……」
アルナ「少女のえっちー」
少女「はぁ、ふぅ、はぁ、はぁ……」トローン
少女(なんか、体が熱いよぅ……)
少女「おかあさーん!」
母 「なあに?」
少女「おっきい植木鉢ない?」
母 「ん……外の倉庫にあるけど……」
少女「ありがとう!」
倉庫
少女「ん、あった!」
男の子「おーい、少女!」
少女「あ、なあに?」
男の子「ん、何もってんだ?」
少女「大きな鉢植。植え替えをしないといけないの」
男の子「ああ、前もってたあれか」
男の子「手伝ってやるよ!」
少女「ありがとう」
男の子「運び終わったらさ、俺と遊ぼうぜ」
少女「うーん……」
男の子「いいだろ?遊ぼうぜ」
少女「ん……いいよ」
男の子「やった」
少女「あ、ここまででいいよ」
男の子「部屋まで運ぶんだろ?」
少女「いいの。あとは私が運ぶ」
男の子「………」
男の子「まあ、いいけど……」
少女「外で待ってて」
アルナ「………」
少女「おっきい植木鉢、あったよ」
アルナ「………」
少女「アルルーナ?」
アルナ「……」プイ
少女「どうして怒ってるの?何かあった?」
アルナ「……知らない!」
少女「ア、アルルーナ?え、私、何かしたかな?」
アルナ「知らないよ!少女のバカ!」
少女「え?え?ご、ごめんね?」
少女「ごめんね?何か悪いことしちゃったみたい……ごめんなさい!」
バタン
アルナ「なんで、私を置いてあんな男に……」ギリ
アルナ「許さない……あの男!」
少女(アルルーナ……どうしちゃったんだろう)
男の子「最近鉢植ばっかりかまって遊んでなかったからなー」
男の子「植物なんて、いつもいつも見ている必要ないだろー」
少女「う、うん……」
少女(アルルーナは……ただ植物じゃないけど)
男の子「とにかく、今日はいっぱい遊ぼうぜ!」
少女「うん!」
少女「ただいま、アルルーナ」
アルナ「おかえり、少女」ニコ
少女(あれ?)
少女「怒ってない?」
アルナ「ごめんなさい……少女にひどい態度とっちゃった」
アルナ「少女のこと大好きなのに。ごめんね」
少女「ううん、いいよ。私も、ごめんね?」
アルナ「少女が謝る必要なんてないよ」
アルナ「お詫びに……あげる」
少女「うん、蜜……」
アルナ「ちゅ、んん」
少女「はぁ、ん……」
アルナ「少女の唇、気持ちいいよぉ……」
少女「アルナぁ、蜜……ん、んんっ」
アルナ「あげる……私の、蜜」
少女「ちゅ、ん、ふぅっ……おいしいよぉ……」コクンコクン
母 「少女、お使いに行ってくれるかしら?」
少女「はーい。どこまで?」
母 「東の森にいるお父さんに、この籠を渡してほしいの」
母 「入口にいるはずだからね」
少女「わかった!行ってきます!」
バタン
男の子「こんにちはー、少女ー!」
母 「あら。少女は今お使いにいっちゃってるのよ」
男の子「そっか、いないのか」
母 「あの子の部屋で待ってるといいわ」
男の子「それじゃ、お邪魔しまーす」
男の子「少女の部屋……」
アルナ「………」ギロリ
男の子「うわあ!」
男の子「な、なんだこれ!?」
アルナ「うるさい……汚い声を、出すな!」シュルル
男の子「ツタ、んんん、むぐぐぐぐぅっ!」
アルナ「私の少女に、手を出したな……」
アルナ「人間めぇ……私と少女の世界に……」
アルナ「入って、来るんじゃ、ない!」
ゴギリ
アルナ「野蛮な人間が……」
アルナ「………」
アルナ「肉……」
ガツガツガツ………
少女「お父さん、これ、お母さんから!」
父 「ああ、少女。ありがとう」
村長「おや、少女ちゃん。こんにちは」
少女「村長さん、こんにちは!何やってるんですか?」
父 「東の森の、大きな動く影の正体を探しに来たのさ」
村長「大きな影の正体はアルルーナといってね。人を襲うモンスターだ」
父 「大丈夫さ。枯れたアルルーナの残骸を見つけたんだ。もういないよ」
村長「だが、アルルーナは死にぎわに種を残すという。その種は見当たらない」
父 「大方、鳥にでも食われたんでしょう。少女、アルルーナの残骸でも見ていくといい」
少女「うん……」(アルルーナって……まさか……
大きな枯れた花「…」
少女「!?」
少女(やっぱり、私が種をもらった大きな花だ……)
少女(アルルーナが、人を襲う、恐ろしいモンスター?)
少女(……違う。ちゃんと優しい子に育ててるもの。人を襲ったり、しないもん)
アルナ「……ガツガツ」
母 「男の子?ジュースでも……え?」
アルナ「……」ギロリ
母 「ひ、ひぃっ!」
母 「きゃあっ!むぐっ!むぐううううっ!?」シュルルル
アルナ「少女に似てる……」
母 「んー!んんんー!」ジタバタ
アルナ「でも、少女じゃない」
ゴギリ
ドシャ
アルナ「汚らわしい人間が」
アルナ「……肉が増えた」
アルナ「…………ガツガツガツガツ」
アルナ「どうして人間は、こうして肉だけは旨いのか」
アルナ「少女と一緒に食べたら、もっとおいしくなるかな」
アルナ「そういえば……少女もお肉が好きとか言っていた。はんばーぐとか」
アルナ「はんばーぐが何かは知らないけど。肉の種類?部位?」
アルナ「少女も食べたいだろうし、一番おいしい頭だけ残しておこう。一緒に食べるんだ」
アルナ「残りは………ジュル」
ガツガツガツガツガツガツ………
村長「もともと、傷ついていたようだな」
父 「そうみたいですね。焼けたような跡がある」
村長「このやけどがもとで枯れたみたいだな……」
少女「ひどい……」
大きな枯れた花「…」
父 「だがな、少女。アルルーナは人を襲うんだよ」
少女「……」ムッ
村長「それに……アルルーナは、襲った人を喰らうのだ」
村長「恐ろしいモンスターなんだよ」
父 「花粉は毒。いばらのツタにも別の毒がある。一定の大きさになれば移動もする」
村長「蜜にも特別な成分があると聞く。見た目はきれいな花だが、危険だ」
少女「ちがうもん……」
村長「そうだ、今図鑑を持ってきている。見せてあげよう」
少女(やっぱり、アルルーナだ。でも、アルルーナは優しいもん。村長さんも、お父さんも分かってない)
少女(優しくするれば、アルルーナだって優しくなるもん)
アルナ「……骨は堅いな」ガリガリガリガリ
女の子「しょーうじょちゃーん!あそびましょー!」
女の子「男の子も来てるよね……あっそびーましょー!」
アルナ「今日は、運がいいなぁ」ジュルリ
村長「さて、帰るとしようか」
父 「そうですね。少女、一緒に帰ろう」
少女「うん」
村長「懸賞金の申請をしておこう」
父 「懸賞金で粉ひき所を新しくしましょう。母が使いにくいと文句を言っていました」
村長「私の妻もだよ。そうしようか」
少女(アルルーナ……今何してる?)
アルナ「生きたまま、もたまにはいい」パクリ
アルナ「モグモグ……声が聴きたいけど、さすがに危ない」ガブリ
アルナ「モグモグ……かみつくたび、ツタがすごい力でかまれる」ガリ
アルナ「こういう反応も、たまには面白い」
女の子「あ……もうやだ……」
アルナ「ふふ、私は人間に焼かれたりしたんだよ?」
父 「村長さんところによってから帰るから」
少女「わかった」
少女「ただいまー!」
シーン
少女「お母さん?」
少女「出かけたのかな?」
少女「アルルーナ、ただいま!」
アルナ「ん?モグモグ……ゴクン。おかえり、少女!」ニコ
少女「………え?」
少女「何……食べてるの?」
アルナ「お肉だよ」
アルナ「人間の」
少女「ひ、うそ」
アルナ「おいしいよ?」
アルルーナの体は、血で汚れていた。
ところどころ固まった血がひび割れを作っていた。
アルナ「少女もお肉好きだって言ってたから」
アルナ「ほら!一番おいしい頭を残しておいたよ!一緒に食べようよ!」
少女「お母さん!男の子に、女の子も!」
少女「ひどい……ひどいよ……こんなの……なんでぇ……?」
アルナ「あ、あれ?」オロオロ
アルナ「あ、頭は嫌いだった?心臓とかのほうが好き?」
アルナ「肝臓ならまだあるけど……」
アルナ「うわ、ごめんね?ごめんね?」
アルナ「そうだ、だったら、また狩ってくるよ。そうすれば、少女が好きなところ食べれるし」
少女「うっ、ううっ……お母さん……」
アルナ「………もしかして」
アルナ「もしかして………」
アルナ「好きなお肉がないから泣いているんじゃなくて」
アルナ「そいつらが死んだから泣いてるの?」
少女「ぐすっ、そうだよ……何でこんなことしたの?」
アルナ「人間なんていらないでしょ!?」
アルナ「私と少女の世界を邪魔する奴らなんていらないでしょ!」
少女「いや!いや!いや!」
少女「私はいるもん!お母さんも女の子も男の子もいるの!」
アルナ「なっ、嘘をついたの!?私のこと可愛いって!好きだって言ったのに!」
少女「みんなを殺しちゃったアルルーナなんて嫌い!嫌い!大っ嫌い!」
少女「育てなきゃよかった!」
アルナ「!」ギリリリリ
アルナ「何か吹き込まれたんだよね。じゃなきゃ、そんなこと言うはずないもん」
少女「アルルーナは、優しい子だと思ってたのに……」
コンコン
父 「少女?お母さんどこにいるか知らないかい?」
少女「お父さん!?」
ガチャ
父 「さっきから探して……!?」
父 「アルルーナ!?」
アルナ「吹き込んだのはおまえだろ!!!!殺してやる!」シュルルルル
少女「だめぇ!」バッ
少女「きゃあっ」シュルル
父 「少女!くそっ、後で必ず助ける!」ダッ
アルナ「ふふ……少女、つーかまえた」ニコ
少女「離してよ!」ジタバタ
アルナ「あっちは逃げちゃったか」
492 : 忍法帖【Lv=1,xxxP】 : - 2011/05/29(日) 23:23:14.69 De6ccsG80 70/134アルルーナって初めて聞いたけど実在と言うか現存と言うか既存のモンスターなの?
498 : 以下、名... - 2011/05/29(日) 23:36:42.48 0R+1Uzm70 71/134アウラウネとアルルーナは呼び方違うだけで一緒のものなんじゃね
>>492
1 アルラウネの別名らしい。
2 ゲーム、世界樹の迷宮に出てくるボス。可愛い
少女「離してよ!」
アルナ「なんで?これからはずっと一緒に暮らすのに」
少女「やだぁ!やだよ!」
アルナ「少女が育ててくれたおかげで、ほとんど成体にもなれた」
アルナ「私、歩けるんだよ?すごいでしょ」
アルナ「外に行こうよ、ね?」
少女「助けて!誰か助けて!」
村長「出てきたぞ!」
父 「ああ、少女!化け物め、少女を離せ!」
アルナ「うるさいなぁ……」
少女「ダメ!殺さないで!」
アルナ「どうして?ツタでキュッってするだけで終わっちゃうよ?」
少女「だめ!ダメなの!」
アルナ「うーん。少女がそう言うなら……」ファァァァ……
村長「しまった、風下、だ……」
父 「う、あ……少女……」
アルナ「眠りの花粉だよ。毒の花粉もあるんだけどね」
少女「お父さん……村長さん……ごめんなさい……ごめんなさい……」
深い森の奥
アルナ「ようやく、二人っきりになれたね」
少女「帰して……お家に帰して……」
アルナ「ふふ、今日からここがお家だよ……ね、服なんて、脱いじゃおうよ」ビリビリ
少女「やだ……もうやめて……」
アルナ「ふふ、可愛いよ」チュ
少女「や、だ、ん、むむっ」コクンコクン
アルナ「ふふ、私の蜜、おいしいでしょ?」
少女「あ、あうう……」
少女「なんだか、体が熱い……」
アルナ「あは、少女のここ、とろとろだ……やっぱり、期待してたんでしょ」
少女「やだ……もうやだ……帰りたいよぉ……」
アルナ「乳首もたってる……下は、ツタで可愛がってあげる」ペロペロ
少女「んっ、やだ、やめて、ひゃんっ」
アルナ「気持ちよくなろうよ……私と一緒。ずっと一緒に……」
少女「ひゃ、やめて、クニクニしないでっ!」
アルナ「可愛いおっぱい……もんであげる」モニモニ
アルナ「唇も、食べちゃいたいくらい……」チュッ
少女「んんんっ、ひゃ、ちゅ、んんっ、ふむむむぅっ!」
アルナ「きもちいい?気持ちいよね……もっと、気持ちよくなっていいんだよ」
アルナ「ねえ……もう、入れていいよね?」
アルナ「少女のはじめて、もらっちゃうね」
少女「あ、やだ!やだ!ツタ、入れないで!やだあああああ!」
アルナ「大好き……少女」
少女「ひゃああっ!入ってくるよぅ……ツタが……」
アルナ「少女の中、とろとろ……ぎゅうぎゅう締め付けてくるよ」
アルナ「とっても気持ちいい……ふふ、動かすね?おっぱいも、お口も、せめてあげる」
少女「やだ、む、ぐ、口にも、ツタ、むぐぐぅっ!?」
アルナ「気持ちいいよぉ!少女の体、気持ちいいよ!」グチュグチュグチュ
少女「はぁっ、んんっ、んっ!んんんんんっ!」
少女(なんか……もうどうでもよくなってきちゃったなぁ……気持ちいい……)
アルナ「少女、少女、大好き、大好きだよ!」グチュグチュグチュ
少女(おっぱいも、あそこも気持ちいい……アルルーナにいじめられて、幸せ……)
少女「私も!私も、アルルーナのこと、好きぃ、大好き!」
アルナ「私もっ、私も好きだよ少女!大好き!愛してる!」グチュグチュグチュグチュ
アルナ「イッちゃいそう!少女の体、とっても気持ちいいよ!」グチュグチュグチュ
少女「私もっ!何か来ちゃいそう!アルルーナ、アルルーナぁ!」
アルナ「ひんっ、い、くぅぅっ!!」ビクビク
少女「ひゃ、ああああああんんっ!!」ビクビク
アルナ「はぁ、はぁ、はぁ………」
少女「えへへ……ふふ……えへへへ……」
アルナ「すごく気持ちよかったね……」
少女「すきぃ……アルルーナのこと、すきぃ……」
アルナ「なんだか、ずいぶん甘えんぼになっちゃったね」
少女「えへへ……アルルーナぁ……アルルーナぁ……」
アルナ「ふふ、大好き……愛してるよ、少女」
アルナ「もう絶対に、離さない」
おわり
520 : 以下、名... - 2011/05/30(月) 00:21:50.41 M2w2DmB80 79/134お付き合いいただきありがとうございました
昨日は妖精、今日は植物っ子をかきました
アルルーナ可愛いよアルルーナ。フィギュアでないかなぁ
ちなみに、途中に出てきた図鑑は適当なので信用しないように
少女「どうしよう……山菜取りに来ただけなのに」
少女「迷っちゃった……」
少女「帰り道、どっち……?」
ぽつ、ぽつぽつぽつ
少女「わ、雨……?」
ザァァァァァ……
少女「やだ、わ、わ、わ……」タタタッ
ザァァァァァァァァ……
少女「やだ、もう……」
ピカッ、ゴロゴロゴロゴロ……
少女「雷!?」
少女「う、うう……」
少女「うわぁぁぁぁぁぁぁん!!」タタタタタッ
少女「あ、館がある……」グシグシ
少女「雨宿りさせてもらおう……」
ギイイイイイイィィィ……
少女「誰かいませんかぁ……」
ピカッ
少女「きゃあああっ!!」
バタン!
少女「え、扉が勝手に!?」
ボッ、ボッ、ボッ、ボッ、ボボボボボ……
少女「蝋燭に火が……」ブルブル
少女「お、お化け……?」
「誰……?また、命を狙いに来た賞金稼ぎ?」
少女「ひっ……助けて……」ガタガタ
「おや……これは、可愛い賞金稼ぎ」
少女「殺さないで……」ガタガタ
「ふむ……迷子?一応結界が張ってあったんだけど」
「本当にただの子供みたいね」
「殺さないよ。そう怖がらないで」
少女「う、うん……」
「あなた、名前は?」
少女「少女です……お姉さんは?」
「私?あはは、名乗るのも久しぶりだなぁ」
人形「私は、人形。よろしくね、少女」
少女「人形さん?でも……」
人形「ああ、見た目が人間って?そりゃあ、ニンギョウだもの」
人形「ヒトガタと書いて、人形。人の形をしてないとね」
少女「……ごめんなさい」
人形「謝ることはないわ……それにしてもあなた、びしょ濡れね」
人形「雨宿りしに来たんでしょう?雨がやむまで……多分今日中にはやまないわね」
人形「泊まっていくといいわ。さ、こっちにおいで。お風呂に入りましょう」
少女「ありがとう、人形さん」
人形「いいえ。それに、しょせん気まぐれよ」
少女「あの……他に人はいないんですか?」
人形「あなたは、人外の生き物と一緒に暮らしたいと思う?」
少女「ぅ……」
人形「そんな、ちょっとした冗談よ。ここには私一人。たまに賞金稼ぎが来るわね」
少女「賞金稼ぎ?」
人形「私はいわゆるモンスターだから。それに、なかなかの力もある。賞金も結構な額なのよ」
少女「そうは、見えないです……」
人形「あらら、そんなに弱そうに見える?結構人気の賞金首なんだけれど」
少女「ちがっ……!だって、人形さん、全然、怖くないし……」
少女「優しい、お姉ちゃんみたい。ドレスも似合ってるし……」
人形「……そんなこと言われたの、はじめてよ」
人形「私がお姉ちゃんなら、あなたは可愛い妹ね」
少女「えへへ……」
人形「でもね、一応言っておくと……」
男「オラァッ!」
人形「おっと、危ない」
少女「きゃあっ!」
人形「少女、下がって!全く、いつの間に……」シュランや
男 「スカートから剣、か。丸腰でいてくれりゃ楽なのによ!」
人形「私としても、ぜひ丸腰でいたいのだけれど」
人形「あなたのような人がいるから、この細腕で剣なんて持たなきゃいけなくなる」
男 「へへっ、噂より弱そうだな……賞金は、もらった!」
人形「そうもいかないのよ。特に今の私は」
人形「負けられないからね」
男だった肉片「」
人形「これで……ええっと。あ、二百と、五十六人」
少女「大丈夫!?人形さん!」
人形「あらら。心配してくれるの?」
少女「もちろんだよ!けが、してない?」
人形「そうね。どこも壊れてないわ」
人形「でもね、私は魔物なのよ?あなたは私が死ぬことを喜んでも、生きることを喜ぶのはおかしいんじゃない?」
少女「でも……」
人形「うーん……ちょうどいいかな」
少女「?」
人形「私も、動くためにエネルギーがいる。そのエネルギーは」
人形「これ」
少女「ひっ」
人形「人間の心臓。私は、これを食べて生きている」
人形「ガツガツガツガツ・・・・・・・・」
少女「あ、わ、わ……」
人形「ごくん。ね?怖いでしょう?」
少女「………」
人形「う……」
人形「お風呂、入りましょ……」
少女「……」
お風呂
少女「……」シュルシュル
人形「……」ヌギヌギ
人形「え……ええと。入浴剤、なにがいい?」
人形「バラとか……色々、あるけど……」
少女「……」
人形「バラ、とか……」
少女「……」
人形「え、とぉ……フルーツ、なんかも……」
少女「……」
人形「ごめん……」
人形「……」チャプチャプ
少女「人形さんって……」
人形「ああ、この体?うん、肩とか、足の付け根とかは球体関節ね」
人形「肘や、膝もそうだけど見えないように加工してあるの」
少女「体、さわっても、いい?」
人形「いいよ」
少女「固い……」
人形「あはは……ニンギョウだからね。体温とかもないし。私の胸に、耳を当ててみて?」
少女「静かだ……」
人形「心臓なんてないからね」
人形「私は、魔物なのよ」
少女「心臓、食べないと生きていけないの?」
人形「そうね……食べないと、動けないわ」
少女「なんで……悲しいよ……」
人形「そういう風に、作られちゃったから」
少女「誰に作られたの?」
人形「魔法使いね。遠い、海の向こうの国で……」
少女「その魔法使いさんに頼んで、食べなくても大丈夫になれない?」
人形「私が食べた、はじめての心臓はその魔法使いのものなの」
人形「それに、私が生まれたのはずっと昔。そのころの人間はもう生きていないわ」
少女「どのくらいの心臓を食べたの?」
人形「五十個ぐらいかな。あんまり動ないようにしていてね……年に一個か二個くらい」
少女「人形さん、可哀そう」
人形「あなた、優しいのね」
少女「お風呂、ありがとう」ホカホカ
人形「どういたしまして」ホカホカ
少女「人形さんは、この館に住んでいるの?」
人形「そうよ。基本的に、ここからでることはないわ」
少女「退屈じゃない?」
人形「うーん……やることはたくさんあるわ」
人形「壊されないために魔法を勉強したり、剣の練習をしたり」
人形「でも、ちょっとさびしいわね」
少女「そっか……」
人形「ごはんでも作りましょう。少女が持ってきた山菜、使っていいかしら?」
少女「うん、いいよ」
少女「おいしかったー!」
人形「そう、よかったわ」
少女「でも、私だけ食べてよかったの?」
人形「私は……」
少女「あ、ごめんなさい」
人形「いいのよ。ありがとう」
人形「もう、寝ましょう」
少女「おやすみなさい」
人形「おやすみ。よい夢を」
人形「ほんとに寝てる……」
少女「くぅ……くぅ……」
人形「ふふっ」ナデナデ
私が怖くないのかしら
この子は私を受け入れてくれるの?
ただなんとなく稼働しているだけの毎日に
あなたは意味を与えてくれるの?
あなたは私が
あなたの心臓を次の瞬間にでもたべようとしていると
本当に考えてないと信じてるの?
あんまり私に優しくすると
好きになっちゃうよ?
少女「お邪魔しました」
人形「これを持っていきなさい」
少女「コンパス?」
人形「あなたが行きたいところの方向を指しているわ」
人形「お家に帰りたいと思いつづければ、針は家の方角を示す」
少女「ありがとう!これで安心して帰れるよ!」
人形「モンスターには気を付けて……モンスターの私が言うのも変だけれど」
少女「……」
少女「ありがとう、人形さん!」
人形「気を付けてね」
人形「帰っちゃったか」
何日か後
少女「人形さーん!!」
人形「え?少女?どうして、ここに?」
少女「じゃーん、コンパスを使ったの!」
人形「ああ……コンパス……そっか」
人形「何の用かしら?」
少女「人形さんが、さびしいって言ってたから」
少女「私、人形さんのお友達になりたいの」
人形「私……の」
人形「友達?」
少女「うん、ダメかな?」
人形「ダメだ、なんて……」
人形「ありがとう、嬉しいわ」
少女「よかった、断られなくて」
人形「……わたし、もう心臓を食べるのはやめにするわ」
人形「あんまり動かずにいて……あなたと、お話する時だけ動く」
人形「そうすれば、十分平気」
少女「どうして、そんなこと思ったの?」
人形「あなたは人間でしょう?あなたと同じ種族の人を、殺すわけにはいかないわ」
人形「お友達、だからね」
少女「ありがとう、人形さん……」
何年か
女「人形さん!」
人形「……ん」
女「起きた?」
人形「……ええ。こんにちは、女」
女「うん、人形さん」
女「なんだか、ニコニコしてた。どんな夢を見ていたの?」
人形「あなたとお友達になった時のことよ」
人形「あんなにちっちゃかったのに、今じゃ私と同じくらい」
女「見た目は、ね。実際の年齢は、私はまだまだ若いもん」
人形「あら、私だって、まだまだ若いわ」
女「へへ、そうだったね」
人形「あれから心臓を食べてないけど」
人形「案外動けるものね」ピョンピョン
女「約束、まもってくれてるんだよね」
女「賞金稼ぎも、殺さないでいてくれるし」
人形「女のためだからね」
女「……なんだか、照れちゃうよ」
女「人形さんは、私の最高のお姉さんみたいな存在だよ!」
女「大好き」
人形「ふふ。料理も、勉強も。お化粧も裁縫も、全部私が教えてあげたからね」
人形「女は、私の最高の妹みたいな存在」
人形「愛してるわ。本当に、世界で一番」
村
女「~♪」
男「あ、女!どこ行ってたんだよ」
女「あ、男。えへへ、ちょっとね」
男「なんだよ、恋人の所か?」
女「恋人か~ううん、恋人はいないから」
男「ふーん。そういや女って、そんなにきれいで頭もいいし、家庭的なのに恋人いないんだよな」
男「誰か好きな奴でもいるのか?」
女「うん?うん、いるよ。ずっと、ちっちゃいころからの片思いの人が」
女(……人形さん)
男「そ、それって、どんな奴だよ?」
女「えーっと。カッコよくて、強くて、優しい……心の強い人」
男「へーっ」
男(俺は多分かっこいい。剣の腕は村一番。やさしい?意志は強いと思う)
男(もしかして、俺?いやまさか)
女「人形さん!」
人形「……ん」
人形「ああ、女。いらっしゃい。あ、」フラ
女「おっと、大丈夫?」
人形「………」
女「ね、ねえ。平気?」
人形「ええ。稼働に問題はないみたい。ただの寝すぎね」
女「びっくりしたー。驚かせないでよね!」
人形「ごめんなさい。それで、どんな用事かしら?」
女「今度ね、村でお祭りがあるんだ!」
女「人形さんと、一緒に見て回りたいの」
人形「お祭り、ね」
人形「うん……たまには、いいかしら」
女「本当!?大丈夫なの!?」
人形「ええ。私は、顔自体はバレてないと思うから……」
人形(多分)
人形「それよりも服よ。私、ドレスしか持ってないわ」
女「大丈夫だよ。私の服貸してあげる!」
人形「あなたの服って……大半私が作ってあげたやつじゃない」
女「えへへ、こんなこともあろうかと、ちょっと前から作ってたんだ」
女「今度持ってくるよ。きっと、似合うと思うな!」
人形「ふふ、それは楽しみだわ」
女「~♪♪」
男「よう、機嫌よさそうだな」
女「あは、わかっちゃう?」
女「今すっごく幸せなの!」
男「そりゃよかったな。なにがあったんだ?」
女「えへへ、秘密」
女「~~♪」
男「なんだ、あいつ……」
男「あ、祭りに誘うの忘れた」
お祭りの日
人形「なかなか……うまくできてるわ」
女「頑張ったかいがあったよ」
女「さ、行こう!」
人形「外に出るのも久しぶりね……」
人形「ここが……女の住む村なのね」キョロキョロ
女「別に珍しいものはないと思うけど……」
男「よう、女!」
女「あ、男」
人形「友達?」
女「うん」
男「その人は?」
女「えへへ、私の大事な人」
人形「……もう」
男(女…だよな?え、レズ?)
男「そういや、やけに機嫌がいい日があったけど……」
女「うん、お祭りに誘ったら、いいよって言ってくれて!こうして二人で歩いているわけです」
男「はは……よかったな」
男(さようなら、俺の初恋……)
女「じゃあ、わたしたち行くね」ポロ
チャリーン
人形「財布は落とさないよう、しっかり持ってないと」
男「あ、ひろうの手伝います」
女「わ、ごめんね?」
人形「そこもね」スッ
男「そこも……」スッ
人形「!」バッ!
男「!」
人形「……ごめんなさい」
男「い、いや、こちらこそ」
男(冷たい、固い……気のせい?)
人形「これで、全部かしら?数えてみて」
男「ほら、もう落とすなよ」
女「ごめんね……うん、ちゃんとある」
人形「それじゃ、行きましょう」
女「じゃね、男」
男「ああ……」
人形「……」チラ
男「…………」
人形「………」ギリ
男「絶対固かったよな……冷たかったもんなぁ……」
戦士「なにが固くて冷たいんだ?」
男「あ、戦士先輩!いや、さっきですね…………」
女「すごいよ、人形さん!扇射的上手!」
人形「ふふ、私にかかれば、この程度っ!」
店主「………上手すぎワロタ」
人形「金魚……」
女「すくってみる?」
人形「…………飼えないから」
女「普段は寝てるもんね……」
人形「金魚……可愛い……」
女「可愛いね」
人形「金魚……」
女「人形焼き!これ大好き!おじさん、これちょーだい!」
女「へへ、私人形焼き大好きなんだ」パクパク
人形「………」
人形「………」ブルブル
女「人形さんも食べる?」
人形「私は……いいわ」
女「おいしいよー」パクパク
人形「………」
女「あ、ひもくじだ」
人形「ひもくじ?」
女「一本お願い!こうやってね、ひもを一本選んで引いて、結んであるものがもらえるの」
女「えいっ!」グィッ
店主「あ、もっとゆっくり引いてくれ!」
ガシャーン
女「あ」
人形「あ」
店主「だから言ったのに……」
女「ガラスのコップだったよぉ~!」
人形「よしよし」ナデナデ
女「気を取り直して……型抜き行ってみよう」
女「型ふたつー!」
店主「はいよ」
人形「なるほど、大体理解したわ。絵柄をこの針で抜くのね」
女「うん。うまくできると景品がもらえるんだよ」
店主「もうやめにしないかい?」
人形「結構楽しいわ、コレ」カカカカ
女「器用だね、人形さん」
子供「あのねーちゃんすげー。全部制覇しちゃうぜ!」
人形「今日は楽しかったわ」
女「よかった!」
人形「さて、そろそろお別れね」
女「また明日、遊びに行くね」
人形「ええ、待ってるわ」
女「バイバイ!」
人形「………」トコトコ
戦士「おっと、そこ行く賞金首。ちょおっと待ちな」
人形「………」ピタ
武闘家「森の怪しげな館の主だろう?」
人形「……」
弓使い「へへへ……まさかこんなところをうろついてるとはな」
人形「……」
槍使い「祭りは楽しかったか?人生最後の娯楽はよぉ」
男「………」
人形(あの時、バレたか)
人形(今は、丸腰……格闘術は使えるけど、多勢に無勢)
人形(逃げようにも、囲まれてる)
戦士「ビビッちまって、声も出ないかい?」
人形「ふふ、逆よ。余裕過ぎて、笑い声をこらえるのに精いっぱいだったの」
人形(私は、負けられない)
人形(女のためにも、負けられない。負けたくない)
槍使い「はっ、減らず口を……」
人形「さあ!」
人形「誰から死にたい!?」ゴゴゴゴゴゴ
男「………」
戦士「男、ビビるな!奴は丸腰だ!」
槍使い「俺たちが負ける通りはねえ!」
格闘家「ひるんだら終わりだ!」
弓使い「よっしゃあ!行くぜ!」
人形(魔法で、一気に……)
人形「炎よ!雷よ!」
女「あ、人形さんカタヌキの景品忘れていった」
女「届けてあげようかな?今ならそう遠くにもいってないだろうし」
女「これ、気に入ってたみたいだったし」
女「どうしようかな………」
女「やめとこう。明日会えるんだし」
人形「あっ!がはぁっ!」
人形「う、うあ……う、ぐぅ……」
戦士「ったく、魔法使うふりしてビビらせやがってよ」ガッ
人形「うわっ!うううう……」
格闘家「はっ、ざまあねえな!」オラオラオラオラ
人形「ごっ!うっ!え、ごぼっ!」
槍使い「おいおいどうしたー、ちょっとは反撃してくれよ!」ザクザク
人形「あああああああああっ!」ボギリ
人形「あっ……私の、右足が……」
弓使い「へっ、可愛そうに!もう片方の足も……」メリメリ
人形「やめっ……いたっ……とれ、ちゃ、うっ!」バギリ
人形「ぎゃああああああああっ!いたいいいいいいいっ!」
人形(もう十年くらい心臓を食べてなかったせいか……)
人形(戦闘に耐えうるエネルギーが出せない……)
人形(女にもらった服、ボロボロにしちゃった……)
人形(許してくれるかなぁ……)
人形(また、会えるかなぁ……)
男「動かなくなりましたね」
戦士「ま、こんだけボコボコにして、足までひきちぎっちゃあな」
人形「」
槍使い「ついでに腕もとっとこうぜ」
格闘家「いいなそれ」
バキ、ボキ
人形「あ……う……」
戦士「首を落として、とどめと行くか」
ヒュンッ!
バキ
次の日
女「人形さんのうちはっと」
女「結界のせいで普通の人は入れないけど、私にはコンパスがあるもんね」
女「人形さん……っと」
女「あれ、何か落ちてる」
右足
左足
女「足?」
左手
右手
女「まさか」
胴体
女「この服っ!」
人形「」
女「人形さん!!!!」
人形「……女、か」
女「人形さん!?」
人形「あはは……頭を砕かれなくて……よかったよ……」
女「なんで!?どうして!?」
人形「私が……しょせん、モンスタ……だった……ってこと……」
人形「力……でなくて……やられちゃった……」
女「それって、私の約束のせい?」ポロポロ
人形「ちがうわ……女は……悪くないわ……私が……決めたこと……だもの」
人形「あなたの……自慢できる……存在になりたかった……」
人形「モンスター……の、自分が……嫌だった……あなたは……私の、希望だった……」
女「そんな、あんまりだよ、こんなのって、嘘だよ」ポロポロ
女「死んじゃやだよ!もっと、いっぱい、話したいことあるのに!」ポロポロ
人形「私のことは……忘れなさい……」
女「そんなの無理だよ!忘れたくないよぉ!」ポロポロ
人形「我がままを……言わないで……私を想うなら……私を忘れて……」
人形「幸せに、なって……私は、それだけが望み……」
女「人形さんがいないと、幸せになんてなれないよ!」ポロポロ
人形「さよなら……私の、愛した人……」
人形「」
女「人形さん?」
女「う、ううう……うわあああああああああああああああっ!!!!!」
村
女「……」フラフラ
ワイワイ
ガヤガヤ
女「なんの、騒ぎだろ……人だかりができてる」フラフラ
格闘家「そこで俺がガキッっと腕をへし折ってやったのさ!」
槍使い「俺だって、奴の足を切り落としてやったぜ!」
弓使い「もうサンドバックとかわらなかったぜ!」
戦士「ま、首を切り落としたのは俺だがな!」
オオー ホレルゥー
カッケー ヒューヒュー
女「………そっか」
女「……」フラフラ
何年か後
男「女、酒持ってきてくれ!」
女「はいはい。ほどほどにね」
戦士「それにしても男よぉ、村一番の美人を捕まえたじゃねえか」
槍使い「結婚してまだ一年だろ?よっ、新婚さん!」
弓使い「けっ!リア充爆発しろ!」
格闘家「そうだそうだ!大爆発しろ!」
男「ちょ、やめ、止めてくださいよっ!」
女「はい、お酒ですよ」トクトク
男「女、ありがとう」
女「いいえ。おいしいお酒を準備したの」
女「ちゃんと、のんでね?」ニコ
男「わざわざ用意したのか?さすが、気が利く」
戦士「そんじゃ、かんぱーい」
「「「「「かんぱーい」」」」」
戦士「ん……なんだ……zzzzzzzz」
槍「ううん……zzzzzzzz」
格闘「zzzzzzzzzzzzzz」
弓「zzzzzzzzzzzzzzz」
男「う、あ……zzzzz」
女「やっと、この日が来た」シュラン
女「人形さんを殺したお前たちを、今日までずっと恨んでいた」
女「ようやく……殺せる」
女「この……人形さんの剣で……」
女「見ててね、人形さん……」
人形「」
女「うわあああああああああっ!!!!くたばれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
男たちの残骸「」
女「はは……やった……」
人形の館
女「やったよ……復讐、果たしたよ……」
人形「」
女「人形さんのこと、忘れられるわけないじゃない……」
人形「」
女「私は……助けてもらったあの日から……ずっと、ずぅっと人形さんのことが好きなんだから」
人形「」
女「生まれ変わりって、あるのかなぁ……」
人形「」
女「そしたら今度は……二人で幸せになろうね……」
人形「」
女「ふふl
女「ふふ」
人形「」
女「大好きだよ……モンスターとか、人間とか、そんなの関係ない」
人形「」
女「愛してる」チュ
人形「」
女「やあっ!」
ザシュ!
女「」
人形「」
おわり
646 : 以下、名... - 2011/05/30(月) 22:45:17.86 yd4gxOgJ0 124/134お付き合いいただきありがとうございましたー
途中ダレたのは私の技量不足です。ゴミと言われても仕方がない
お祭り的描写いるかなーって思ってしまったので。
純愛って、勝手なイメージだけど両方死んだ方が美しいと思う
だって、心の底から愛してるんでしょ?もうほかの人愛せないよ!
647 : 以下、名... - 2011/05/30(月) 22:47:23.24 lT+0CD5o0 125/134>>646
乙
>病んでいくのは昨日一昨日書いた妖精さんかアルルーナで
さあ、両方書くんだ。更にドロドロ泥沼化した人外娘の一方的な愛憎物語に期待
時間はリセットのおかげで、まだまだあるはず
649 : 以下、名... - 2011/05/30(月) 22:49:14.16 yd4gxOgJ0 126/134>>647
もう三つ書いたんだからネタがないよ
せいぜい人形のアナザーぐらいだよ
>>650それでは
つかID変わってたね
女「届けに行こう。ちょっとでもあいたいし」
人形「くっ」
戦士「ちっ、しぶてえ!」
人形(心臓さえ……ダメだ。女と約束したッ)
人形(でも……くそう)
弓「はっ!」
人形「ぐっ!まだまだっ!」
槍「おおおっ」
人形(もう、ダメかな……?)
人形「く、そ……」ボロボロ
戦士「てこずらせてくれたじゃねえか」
格闘「ま、それでも俺たちの勝ちだがな」
人形「せめて……一つでも、心臓が、あれば……」
戦士「おらぁ!ぶっつぶれよっ!」
女「やめて!」
人形「!」
男たち「!」
女「人形さんに、乱暴しないで!」
男「女!」
人形「おんなぁ……」
女「人形さん!ひどい、ボロボロ……」
人形「大丈夫……館に帰れば治せるよ」
女「こんな……ひどいけが……」
人形「エネルギーが足りなくて……戦闘稼働率は20%以下なに」
人形「情けないとこ、見せちゃったわね」
女(心臓……食べてなかったもんね……)
女「とにかく、もう人形さんを傷つけるのはやめて!」
男「そんなやつかばうな、そいつはモンスターなんだぞ」
女「違う!人形さんはモンスターなんかじゃない!」
男「女はそいつに騙されてるんだ!幻術でもかけられてるんだよ!」
男「だから、そいつに恋心を抱くんだよ!」
女「違う!違う!!違う!!!」
女「私は、私の心で人形さんを愛してる!操られてなんかいない!」
男「モンスターを好きになる時点で狂ってんだよ!お前の心は操られてんだ!」
女「そんなわけないでしょ!人形さんはそんなことしない!」
戦士「男、諦めな。完全に心を奪われてるんだ」
戦士「もう、あいつの手先なんだろうぜ」
男「まだだ!あいつさえ殺せば、心が戻るかもしれない!」
格闘「どっちにしろ、あいつを殺すんだろ?」
弓「やっちまおうぜ!」
槍「はぁっ!」ビシュ
女「ダメ!」
ザシュ!
人形「女!」
槍「ちっ、本物のキチガイかよ」
人形「女、女!」
女「あは……私が、かっこよく助けたかったんだけど……」
女「人形さん……私の心臓、食べて……」
人形「そんなのできないわ!あなたを……食べるなんて!」
女「人形さん……人形さんが死ぬのは私、嫌なの……」
女「それに……食べたら、ずっと、一緒だよ……」
人形「それでもっ……」
女「絶対、食べて、生きて……ね」ガクリ
人形「あ、あ、あ、おんな……」
人形「」
人形「ごめんさない」
人形「……おいしいよ……」ガツガツ
人形「女の心臓……おいしい」ガツガツ
人形「優しい味がする……」ガツガツ
格闘「泣きながら食ってるぜ……」
戦士「はっ、とどめと行くか」
人形「……力が湧いてくる」ポロポロ
人形「う、わ、あ、あ、あ、ああああっ!!!!」
痛恨のミス!脳内補完してください……マジですまん……
人形の館
賞金稼ぎ「ぎゃああああああっ!」
人形「ふん……」
人形「……ガツガツガツガツ」
人形「今日も、賞金首を殺したよ……」
女人形「」
人形「女の心臓、食べちゃってなかったら、私と同じ存在にしてあげれたんだけど……」
女人形「」
人形「でも、私の中で生きてるよね」
人形「女の体、人形にしちゃったから、ずっときれい」チュ
女人形「」
人形「世界の終りまで、ずっと、一緒にいましょう?」チュ
女人形「」
人形「ずっと、愛してる」チュ
人形ルート終わり
661 : 以下、名... - 2011/05/30(月) 23:28:02.53 yd4gxOgJ0 134/134短いですがお付き合いありがとうございました
もともと終盤だからこんなもんだよ
誤字には平謝り
妖精さんははじめての愛にヤンデレった。
アルルーナはモンスターの本能と、少女の愛のミックスでああなった。
人形さんは元々人のために生み出された人形だった。女を想うのが存在意義だった。
そんなことを考えながら書いてました