夏樹「なんだよアタシがカラオケボックスに来ちゃ悪いのかよ」
P「全然」
夏樹「ま、だりーにギターの練習見てくれってたのまれてさ」
P「へえ」
夏樹「スタジオ借りるのもなんだし、カラオケボックスでやってるだけなんだけどな」
夏樹「もちろん店の許可は取ってるぜ」
P(李衣菜も頑張ってるんだなぁ)
P「ちょっと覗いても構わないか?」
夏樹「……まあ、いいんじゃね?」
P(なんか歓迎されてない雰囲気だな)
元スレ
モバP「珍しい所で会ったな、夏樹」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370767093/
※
李衣菜「もーなつきち遅いよっ」
夏樹「いや、そこで面白いヤツに会ってさ」
P「自主トレとは感心、感心」
李衣菜「ぶぷぷ、プロデューサー、どどどどうしてここにっ」
P「さっき夏樹に会って、李衣菜が頑張ってるって聞いてさ」
李衣菜「なつきち……」
夏樹「別にいいだろ……」
P(あーコッソリ練習して、いきなりうまくなってバーンと皆に披露したかったんだな)
P(夏樹の歯切れが悪かったのはこのせいか)
夏樹「ほら、せっかくなんだしプロデューサーにお前の練習の成果見てもらえよ」
李衣菜「う……わかった。じゃ、いきまーす」
~♪ ペーン、ペロ、ペーン ~♪
P(しかし、まだまだぎこちない運指だなあ)
P「ん……これ、クラプトンか?」
李衣菜「へへっ、当たりです。『Layla』ですよっ!」
夏樹「どうしてもあのギターソロがやりたいらしくってさ」
P「まあ好きなのフレーズからいくのもギターの練習としてはアリなんじゃないか」
李衣菜「やっぱ、ギタリストといえばクラプトンですよねっ」
P「んー俺は松本孝弘だな、直撃世代だしB’z」
P「やっぱお前らって邦楽より洋楽派?」
李衣菜「もちです、やっぱりロックと言えば洋楽ですよっ!」
李衣菜「オアシスとかツェッペリンとかニルヴァーナとか、あとあと……」
夏樹「最近は日本のロックも悪くないだろ」
P「だよな! 最近は忙しくてチェックできてないけど、俺、昔はゆら帝とかミシェルとかにハマってたんだよー」
夏樹「あー確かに『空洞です』はよかった。あれでやることやっちゃいました、って解散したのは残念だけど」
P「めまいとしびれは百回聴いたよ俺」
李衣菜「……」
夏樹「ミシェルのチバユウスケ、新しいバンドでちょっと前に全国ツアーやってたらしいぜ」
P「マジか! チェックしときゃ良かった!」
夏樹「夏のフジロックにも出るらしいし」
P「そりゃぜひとも観に行きたいな、フジロックはしばらく行けてなかったし……休み取れるかなー」
李衣菜「……」
夏樹「あとさあとさ……」
※
李衣菜「……」
P(い、いかん……李衣菜を置き去りにしまった。なんか膨れっ面になってるし)
P「あとはアジカンなんかもいいよな」
李衣菜「! そうですねっ! 去年出たベストアルバムとかすっごいよかったですっ!」
P(よし食いついてきた、これなら)
夏樹「アタシは、正直アジカンは初期のカンジが好きだな」
李衣菜「えっ?」
P(いきなり潰された―!)
李衣菜「……」
P(もうこれ以上場の空気が重くなる前に退散しよう……)
P「じゃ、俺もう行くわ」
夏樹「んだよ、せっかく盛り上がってきたのに、もうちょっと付き合えよー」
P「いやいやいや、せっかくのギター練習、あんまお邪魔しちゃダメだろ」
P「じゃあな夏樹、李衣菜! 練習頑張れよ」
※
夏樹「さてと……じゃあ練習続けるか」
李衣菜「……」
夏樹「何拗ねてるんだよ……」
李衣菜「別に拗ねてないしー、なつきちはプロデューサーと仲良く話してればいいんだしー」
夏樹「ったく、ちょっとギター貸してみな」
~♪ ~♪
夏樹「ま、こんなもんかな」
李衣菜「スゴイスゴイ、ねーなつきち、今のって何て曲?」
夏樹「別に、アドリブだよ、こんなもん」
李衣菜「アドリブ?」
夏樹「そ、アドリブ」
李衣菜「……それって私もできるようになるかな?」
夏樹「まっ、それはだりーの努力次第だな」
李衣菜「よしっ! じゃあかっこいいギターソロが弾けるように私がんばるから、なつきちもよろしくねっ!」
夏樹「最初の威勢だけはいいよな、お前」
※
こうして――
ロックを目指す少女の努力は今日も続く
それになんだかんだで付き合う気のいいロック少女
そもそもロック云々の前にこの二人は――
李衣菜「うっひょー!」
アイドルなのだが
それはまた、別の話
8 : VIPに... - 2013/06/09 17:58:15.62 2jDCoqBeo 8/8以上おしまいっ!
他のSSを読んでいたら急に天啓が来たので
ロックとか門外過ぎてどうしようもない
だりなつは至高