1 : ◆8pC216S..2 - 2013/06/05 23:34:47.25 1ASKu12jo 1/76※前作である 小梅「……ひゃ、100円しか…ない……」の続編になります
宜しければそちらをお読みの上でお楽しみください
また、0時を跨ぐので一応酉付けさせてもらってます
小梅「……ひゃ、100円しか…ない……」
https://ayamevip.com/archives/57568984.html
元スレ
輝子「……みんながつめたい……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370442886/
―6月2日―…
輝子「お、おはよう……」ガチャッ
小梅「……お、おはよう………」
幸子「おはようございます、今日は随分早いですね」
輝子「うん…。今日はシイタケの収穫日だから……フフ…」
小梅「…………収穫……?」
輝子「お部屋、一つ借りて……やってる」
幸子「なんか本格的な臭いがぷんぷんしますね!」
輝子「き、今日の夜……良かったら、ご馳走する…」
小梅「…今日……」
幸子「ああごめんなさい輝子さん! 今日はちょっと用事があるので!」アセアセ
輝子「そ、そっか……仕方ないね……」シュン
幸子(割とメンタルに来ますね、これは)
小梅(…ごめんね、輝子さん……)
輝子「じゃ、じゃあ……収穫してくる…」
幸子「いってらっしゃい」
小梅「……がんばって…」
P「みんなおはよう! 今日も元気に…アイドル、アイドルゥ!」ガチャッ
ちひろ「おはようございます。プロデューサーさん、それはネタが古過ぎますよ?」
小梅「……お、おはよう…ございます……」
幸子「おはようございます! そのおかしなテンションは朝からボクのカワイイ顔が見れたからですね!」
P「おうっ! 幸子はかわいいなぁ」ナデナデ
幸子「ななな、なにをするんですか! 人前でなでなでとかやめてください!」
P「ああ、すまんな」パッ
幸子「あっ……」
P「ん?」
幸子「な、なんでもないです!」
小梅「……ふ、二人とも、一緒に…………きたの……?」
ちひろ「プロデューサーさんがどうしてもって言うのでぇ~」クネクネ
P「ちょ……誤解されるような発言はやめてくださいよ……」
ちひろ「なんでそんな本気で嫌がってるんですか………?」
P「そそそんなことないですってば」
ちひろ「ふふ、まぁいいです。プロデューサーさんがね、雫さんのプレゼントを買いたいって」
P「それで色々相談乗ってもらってたんだ」
P「朝くらいしかちひろさんと俺の手の空いてる時間ってないからなぁ」
小梅「…ぷ、プロデューサーさんは……頑張りすぎ……」
幸子「そうですよ! 毎日残業ばっかりして過労で倒れたらボクのステージを見に来られないじゃないですか!」
P「はは……。悪い、悪い」
P「でも次のイベントに向けてやらないといけないことはやっておきたいからな」
ちひろ(年中それ言ってますけどね……)
小梅「……あっ……誕生日……」
幸子「そうですね、言っておいたほうがいいですね!」
P「ん? どうしたんだ?」
幸子「4日後、輝子さんの誕生日じゃないですか」
P「そうだな」
小梅「…じ、事務所で……パーティ、やらせて欲しい……」
P「仕事が終わったらってことか?」
幸子「参加者全員のスケジュールは把握してます!」
幸子「一番遅いのが輝子さんで、18時45分頃に事務所に戻ります」
P「随分と細かい調査だな……」
幸子「ふふん、ボクのあまりの完璧さに驚きましたか?」
小梅「……す、すごい……」
ちひろ「急なお仕事も……うん、入らなそうね」
幸子「それは良かったです! じゃあその1時間前から部屋を貸しきらせて欲しいです!」
P「みんなでお祝いじゃだめなのか?」
小梅「…それでも、いいけど………」
幸子「輝子さんはボク達以外にあんまり心開いてないですから」
P「……逆に気使っちゃうことになるかな」
P「よしわかった! 俺は参加は……」
幸子「仕方ないですね! 特別に許可してあげます!」
P「ありがとう」
P「じゃあその日はきっちり仕事終わらせて、みんなにも早々に上がってもらうように手配するよ」
小梅「………ありがと……」
ちひろ「あっ………。そういうことなんで、今日のご飯はみんなで一緒に食べませんか?」
小梅「………えっ……?」
P「いきなり何を………」
輝子「ただいま……フヒ」ガチャッ
幸子「え、ええ。お昼ご飯一緒に食べましょう」
小梅「………う、うん……たべる……」
P(なんでこの人輝子が戻ってくるの分かったんだろう……)
輝子「……ぷ、プロデューサーだ……おはようございます…」
P「お、おはよう」
幸子「い、いいシイタケですね」
輝子「わ、わかる…? 今回は、すごくよくできた……」
P「色艶がいいな。大事に育てたってよくわかるよ」
小梅「………輝子さん、すごい……」
ちひろ「高く売れそうですねー」
輝子「シイタケは…そんなに高くない」
小梅「……松茸………あっ……」ハッ
幸子「!!」ハッ
小梅「…さ、幸子さん……いこ………」
幸子「ああごめんなさい、ボク達ちょっとお仕事まで失礼しますね」
P「おう。二人ともお昼過ぎだからなー」
幸子「はーい」
輝子「わ、わたしも……」
幸子「すぐもどるんでー!!」ダダダッガチャッ
輝子「一緒…………に………」
P(あちゃー……)
ちひろ(輝子ちゃんの対処、お願いしますね。プロデューサーさん)スッ
P(こいつ直接脳内に……!)
輝子「」クスン
P「………ほ、ほら! キノコ達の様子を見に行こう!」
P「もしかしたらシイタケ以外のキノコで調子が悪い子がいるかもしれないからな」
輝子「う……うん…。みに、いく……」トボトボ
ちひろ(そろそろキノコ部屋撤去したいんですけど……)
ちひろ「もう少し、掛かりそうですね」
~本屋~
幸子「あの目は、そういうことですよね?」
小梅「……う、うん……。松茸料理……調べたい……」
幸子「そのままプレゼントっていうわけにも、いかないでしょうからねぇ……」
幸子「材料は有限、失敗は許されないですから。事前調査はしっかりしましょう!」フンス
小梅「…し、しましょう……!」フンス
幸子「とりあえずはこの本から……」
小梅「そ、それは……上級者用……」
幸子「何言ってるんですか! 輝子さんならキノコ料理極めてそうですから」
幸子「このくらいの物じゃないと感動してもらえませんよ!」
小梅「………そ、そっか……。……妥協は、だめ……」
幸子「その意気です!」
幸子「とりあえず数冊見繕って、練習しましょう」
小梅「………う、うん………!」
―6月3日―…
P「ふー……。今日の外回り終わりーっと…」ガチャッ
幸子「うーん、そこは……。あ、おかえりなさいプロデューサーさん」
小梅「……お、お帰りなさい……」
ちひろ「お帰りなさい、プロデューサーさん」
P「あれ? 二人ともこの後仕事あったか?」
幸子「ないですね」ウーン
小梅「……ない………」コレデドウカナ
P「……なんか、忙しそうだな?」
幸子「ええ」イイデスネ
P(幸子のドヤオーラが消えている……)
P「事務所で話すのもいいが、そろそろ……」
輝子「…お、おつかれさまです…」ガチャッ
P「ああ、輝子お疲れ」
幸子「お、お疲れ様ですっ!」ササッ
小梅「……おつかれさま……です……」サッ
輝子「……? 二人とも、お仕事…?」
幸子「え、ええまぁ……そんな感じですね」
小梅「……お仕事……忙しいね……」
輝子「う、うん……」
幸子「それじゃあボク達はこれで!」ソソクサ
小梅「……お、お疲れ様でした……」ササッ
輝子「……さ、さよなら……」
P「気をつけて帰れよーっ!」
ちひろ「お疲れ様です」
P(ああ……あからさま過ぎるだろ幸子ォ……!)
P(もっと演技力を身につけさせよう。ドラマも立派なアイドルの舞台だからな…)
輝子「……ぼっち……………」シュン
P(ちょっとこれどうするんだよ……)
ちひろ(アイドルのメンタルケアもプロデューサーのお仕事ですよ!)
P(そんなぁ……)
P「ほ、ほら輝子! 今日は雫さんの誕生日だったな!」
P「何かプレゼントしたか!?」
輝子「………し、した……。キノコ牛のストラップ……」
P(さりげなく誕生日の話題を振ったが……気付いたか?)
P「そっかー。そろそろ誕生日の人誰かいたっけなー」
輝子「……二人とも…………」クスン
P(だめかー)
ちひろ(二人のこと言えないくらい演技下手ですね)
P「ひどい!」
輝子「えっ……」ビクゥ
P「すまん、なんでもないんだ」
P(ナチュラルに思考に入ってくるから口に出したか出してないか分からなくなるんだよなぁ)
輝子「………寂しい……」
P「おいおい、俺が隣にいるのに寂しいって……悲しくなっちゃうな」
輝子「そ、そういうことじゃ……ないけど……」
輝子「でも…………」クスン
P(かわいいなこれ)ゾクッ
ちひろ「あっ、早苗さんですか? 今どちらでしょうか?」
P「ちょま! ま、まってください!」ワタワタ
輝子(いいなぁ……)ハァ
~某カフェ~
幸子「ふぅ……。ここなら安心してお話できますね」カタン
小梅「……うん……。な、ナイスアイディア……」ストン
幸子「先ほどのデザインシートは……」
小梅「…これ……」スッ
幸子「急いでしまったせいで少し崩れちゃいましたね」
小梅「………うん……びっくりした……」
幸子「かなり書き込みも多くなりましたし、新しく作り直しましょうか」
小梅「……そ、それがいいかも……」
小梅「…………こ、これ……」スッ
幸子「ありがとうございます。じゃあとりあえず……」サラサラ
小梅「………う、うまい………!」
幸子「ふふん、こういうのは慣れているんです!」
幸子「清書は趣味ですからね!」サラサラッ
小梅「………どんどんできてく……」
幸子「完成です! どうでしょう?」
小梅「……いい……と、思う………」
小梅「………さ、さっき話してたのが……入ってて……いい……」
幸子「それと……こんな装飾はどうでしょうか?」スッ
小梅「…それを入れるならこっちに……」
幸子「なるほど、いいですね!」サラサラ
―6月4日―…
杏「うあー!! プロデューサーのバカー!」ガチャッ
P「はい、はーい。仕事しないアイドルはしまっちゃおうねぇ」
杏「しまうなー…」
杏「あー、杏てーこーするのつかれてきたー」
P「お? なすがままか?」
輝子「こ、こんにちは……」
P「よーっす、輝子」
杏「あーめー…。杏は飴が無いともうだめだー……」
P「仕事が終わったらなー。今日はもうすぐ始まる取材1本、その後に輝子とラジオ1本だ」ペラッ
杏「え゛ーっ!」
輝子「い、一緒……フフ」
P「えー、じゃない! 1に仕事2に仕事、3に仕事で4にご褒美だ!」
杏「その心は……」
P「杏お気に入りの飴、1袋だ……!」ゴゴゴゴゴ
杏「杏、がんばりまーす!」キラン
P「おう! その調子でなー!」ガチャッ
輝子「……あ……いっちゃった……」
杏「杏の印税生活も、もう目の前なのかな…?」ワクワク
輝子「し、CDとグッズがあるから……もう…すぐじゃない……かな…」
杏「まずは今日のラジオだよねー」グデン
輝子「……がんばる……」
小梅「………こ、こんにちは……」ガチャッ
輝子「こ、こんにちは…」
杏「あーい」
小梅「…あれ………っ……」キョロキョロ
輝子「………?」
輝子「き、昨日は……」
幸子「こっ……こんにちはー!」ゼェゼェ
小梅「…さ、幸子さん……?」
幸子「ぼ、ボクとしたことが遅刻ですか…」チラッ
小梅「だ、大丈夫……今来たところだから……」
輝子「ふ、二人とも……」
幸子「ご、ごめんなさい輝子さん! ボク達急ぎの用があるので!」ダッ
小梅「…ご、ごめんなさい……」タタッ
輝子「……あっ…………」シュン
杏「…………」
輝子「うぅ……」
杏「ねぇ」
輝子「……えっ…」
杏「杏さー、いっつもきらりみたいな明るい人と一緒にいるからかもしれないけど」
杏「たまには輝子みたいなぐてーって気の抜けた人とお仕事っていうのもいいかもしんないね」
輝子「………杏………さん……」
P「よーし、準備できたぞー杏!」ガチャッ
杏「はいはい…。ちゃんと飴ね?」
P「おっすおっすばっちし☆」
杏「きもーい」
P「うっ……」
輝子「………そっか……」
P「輝子悪いな、杏の取材終わったらまた戻るから!」ガチャッ
輝子「………………いって、らっしゃい……」
輝子「………また、ぼっち……フヒヒ……」
輝子「キノコーキノコーボッチノコーホシショウコー♪」
輝子「ボッチノー……コー……」
輝子「………うっ……」クスン
~幸子邸~
幸子「ついに……届いてしまいましたね……」ゴクリ
小梅「………う、うん……」ゴクリ
幸子「高級松茸セット!」ジャーン
小梅「……これで……! 作る……!!」
幸子「焦っちゃいけません、まだまだ私達は未熟者」
幸子「しかし本番は、必ずキメなければならないんですよ……!」
小梅「……れ、練習あるのみ……」フンス
幸子「その通りです! じゃあまずはこちらのレシピから…」
小梅「…………こ、これは……」
―6月5日―…
P「ええ、そうです……。明日はちょっと……」
P「はい、ではよろしくお願い致します。失礼します」ピッ
P「ふぅー……。オッケーだ!」グッ
幸子「ほんとですか!?」パァッ
小梅「…や、やった……!」パァア
P「突然明日仕事入れて欲しいって話が入ってきた時には本当に焦ったよ」
P「しかも幸子をご指名ときた」
幸子「どうやって回避したんですか?」
P「あー……あの………」
幸子「はい?」
P「いやー………えっとぉ………」
ちひろ「幸子ちゃんのスカイダイビングの練習が入ってるって」クスクス
P「あっ……ちひろさぁん…」
幸子「えぇー……それじゃあ本番上手く出来ないと疑われるじゃないですか…」
P「とりあえずなんとかしないとって思って……」
幸子「もう……ほんとダメなプロデューサーさんですね」クスッ
幸子「まぁ、ボクはカワイイので完璧にキメて見せますけどね!」ドヤッ
小梅「……す、すごい……」
P「そうだなー。しかもそれなら撮影日変えるからどうしても、とまで言わせるくらいだ」
P「いいアイドルだよ、幸子は」ナデナデ
幸子「も、もう……いきなりそんなことしてもダメダメです…!」ニマァ
P(すっごいほっぺたゆるんでる、かわいい)
ちひろ「あっ、警察ですか?」
P「直接攻撃はやめてええぇええええ!!」
小梅「………ふふっ……」
幸子「とにかく、これで何の問題もなく動けますね!」
小梅「………うん、後は今日のお仕事の後……」
輝子「…お、おはよう……ございます……」ガャッ
小梅「………お、おはよう………」
幸子「おはようございます!」
P「おはよう」
ちひろ「おはようございます、輝子ちゃん」
輝子(あ、あれ………っ? いつも通り…?)
輝子「……フ………フヒッ……」ニタァ
小梅「」ビクッ
幸子「ど、どうしたんですか、輝子さん……」
輝子「……な、なんでもない………フフ」
輝子「ふ、二人とも………今日お仕事終わったら……暇?」
幸子「し、仕事終わりですか……」タラリ
P「ど、どうなんだ準備の方は?」ヒソヒソ
小梅「……ま、まだもうちょっと自信を付けたい……」ヒソヒソ
P(それで言いよどんでるのか……)
幸子「ご、ごめんなさい。今日はちょっと用事が……」
輝子「………そっ………か……。うん……わかった……」
小梅「……」ズキン
幸子(今日まで、今日までですよ輝子さん…)
P「はいはい、おしゃべりはそこまでだー」パンパン
P「今日は午前中は全員レッスン、いいか?」
小梅「……はい…」
幸子「はい!」
輝子「………はい……」
P「よし、それじゃあ準備な」
P(こうでもしてリセットしなきゃ、やばかったな……)
ちひろ(汚い大人ですね!)
P(お黙りなさい)
輝子「…………」シュン
~幸子邸~
幸子「ふぅー……。お仕事疲れましたね」
小梅「……今日は、も、盛りだくさん……だった…」
幸子「さてどうしましょうか」
小梅「…最後の練習だから……どっちもやりたい!」グッ
幸子「言いますね! ボクもそのつもりでした!」バッ
幸子「それじゃあ、早速始めましょう」
小梅「……ざ、材料はとりあえず……」
幸子「あっ、それはそっちじゃなくて――……
―6月6日―…
輝子「ぼっち…………フフ」
P「なんかちょっとやばくないですかアレ」ヒソヒソ
ちひろ「色々とファンの方々には見せられない状態ですね」ヒソヒソ
P「あっ……今日は口に出すんですね?」ヒソヒソ
ちひろ「人を超能力者みたいに言わないでください」プクー
P(実際そうじゃん)
ちひろ(だからやめてくださいってば)
輝子「きのこっのっこーのこぼっちのこー……」
P「輝子……その何だ…。もうすぐ、すっごい良いことがあるかもしれないだろ?」
P「だからそういうラッキーが逃げちゃうような歌は、ダメだ!」
輝子「…………で、でも……」
P「もうすぐ……具体的には今日良いことがあるかもしれないぞ」ニカッ
輝子「……?」
P「それじゃあ今日の予定な」
P「午前はレッスン、午後はちょっと長くなるが夕方まで撮影だ」
輝子「わ、わかった……。頑張る……フフ」
P「そんな生気のない目でレッスンに臨むとトレーナーさんに絞られるぞ」
P「今日はベテトレさんだからな!」
輝子「………が、頑張る……」ブルブル
輝子「いって……きます………」ガチャッ
P「おう、頑張れよー」
ちひろ「いってらっしゃい」
P「ふぅー……」
ちひろ「今日は二人の予定は……?」
P「お昼過ぎに事務所に集合して準備に取り掛かるようです」
P「皆のスケジュールが上手いこと被らなかったので問題ないですね」
ちひろ「それは良かったです」
P「かなり準備頑張っているようですから、俺も楽しみなくらいです」
ちひろ「私はある程度教えてもらいましたけど、プロデューサーさんは全くですからねぇ」
P「あ、そうだったんですか?」
ちひろ「ええ。といってもアドバイスは出来なかったんで聞いただけですけど」
P「なるほど……」
ちひろ「それじゃあ私は業者の方に連絡しないといけないことがあるので」ガチャッ
P「あ、はい」
P(…………ここで出来ないような話なのかな……一応事務所なんだけどな……)
~レッスン場~
輝子「……おはようございます…」ガチャッ
ベテトレ「うむ、おはよう」
輝子「き、今日のレッスン……は……?」
ベテトレ「歌20%、ダンス70%、その他10%の予定だが……」ペラッ
ベテトレ(…ふむ………)
輝子「あ、あの……?」
ベテトレ「予定変更だ。今日はダンスを集中的にレッスンする」
輝子「……はい…」
ベテトレ「ん? 聞こえんな……」
輝子「…はい!」
ベテトレ「宜しい」パタン
ベテトレ「今日はこれを付けるんだ」ポイッ
輝子「……イヤホン…?」
ベテトレ「概ねその通り、イヤーモニターだ」
ベテトレ「今後やるライブはより大規模になるからな。このような装置も必要だ」スポッ
輝子「……」スポッ
ベテトレ「聞こえるか?」
輝子「……は、はい……」
ベテトレ「では、レッスンを開始する」
ベテトレ「徹頭徹尾、ダンスに集中すること、いいか?」
輝子「…はい!」
~幸子邸~
幸子「これは……!」
小梅「………いい……!」
幸子「完璧ですね!」
小梅「…や、やった……!」パァア
幸子「わわわ、もうこんな時間です!」
小梅「……事務所、いかなきゃ……」
幸子「急いで準備してください!」
小梅「………は、はい…」
~事務所~
P「―――っと……こんなもんかな?」ドサッ
P「お買い物メモを渡されるのは良いが……」
P「ところどころにやたらリアルなゾンビとか幸子の顔が描かれてるのがなぁ」
ちひろ「あ、プロデューサーさん戻ってたんですね」ガチャッ
P「随分時間掛かってましたね」
ちひろ「ええ。今回はちょっと……特別なので♪」
P(もはや何も聞くまい……)
ちひろ「これって……」
P「ええ。二人に頼まれてた物です」
P「ちょっと冷蔵庫大分スペース使っちゃいますけど大丈夫ですか?」
ちひろ「私は問題ないですよ。輝子ちゃんに見られないように注意しないといけませんね」
P「抜かりありません! 飲み物はわざわざ別箇にクーラーボックスに用意したんで!」
ちひろ「……幸子ちゃんの真似ですか?」
P「バレましたか」
ちひろ「あまり似てないですね」
P「そ、そうですか……」シュン
ちひろ「私は事務処理に戻りますけど、今日は仕事詰まってないので何かあったら言って下さいね」
P「助かります、すごく」
P「さてと、食材は全部仕舞って……と」
幸子「今来ましたぁあ!」ガチャッ
小梅「………き、きましたぁ……」ハァハァ
幸子「か、か………カワイイボクが……来ましたよ…」ゼェゼェ
P「はいはい、わかったから息整えような?」
幸子「は、はぃ……」ゼェゼェ
P「そんなに急ぐほどの時間か?」
小梅「……つ、作るもの……すごい……から…」
P「材料から大体わかってたけど、やっぱりこれってすごいものなのか」
幸子「……このボクが作るんですから、それはもうすごいものですよ!」
P「よし、落ち着いてきたみたいだな」
P「こっちの材料は全部冷蔵庫に仕舞っちゃうから、そっちの袋持って奥のキッチンに急げー」バタム
P「すぐ輝子が戻ってくるからな」
幸子「はい! 行きましょう、小梅さん」スッ
小梅「……はい…!」
P「すごいタイトに動いてるなぁ今日は」
幸子「それじゃあ、プロデューサーさん後はお願いします!」バタム
P「はいはい」
ちひろ「あと10秒で輝子ちゃんが戻りますよ」
P「えっ? あと10秒って…」
輝子「た、ただいま……」ガチャリ
P(マジで戻ってきたぁ…)
P「おう、お疲れ様! クーラーボックスに飲み物入ってるから自由に飲んでくれな」
輝子「…あ、ありがとう……」
P「午後の撮影は場所的に車で行くから、準備が出来たら言ってくれ」
P「申し訳ないけどお昼は車内で弁当な」
輝子「りょ、了解……。……いつでも、いい…」
P「そうか、じゃあもう行こうか」
輝子「うん……。私のモチベは……今高い……フフ」
P「いいことだ!」ガチャッ
~キッチン~
幸子「ひぁー……。間一髪でしたね…」
小梅「……あ、危ない………」
小梅「…………し、輝子さんが戻るまでに……用意しないと…」
幸子「そうですね! では料理を始めましょうか!」
小梅「……うん…!」
~撮影現場~
P「よーし、到着したぞ」ガチャッ
輝子「……と、遠かった…」
P「コンセプトがコンセプトだからな」
輝子「森のキノコとほししょーこ」
P「そうだ。あまり興奮しすぎないでくれれば自由にやっていいって先方にも言われてるし」
P「輝子にはぴったりな仕事だろ?」
輝子「いい仕事………フヒ」
P「それじゃあ、俺は車降りて待っておくから着替えて出てきてくれ」バタン
輝子「了解……」
P「どうも、本日はお世話になります」
アシ「どうもどうも、アシスタントのアシと申します!」
カメ「カメラマンのカメです。本日は宜しく」
アシ「輝子さんとお仕事が出来るって聞いて、昨日から眠れなかったんスよ!」
P「はは。輝子のファンですか?」
アシ「はい! デビュー以来ずっと追っかけです」
カメ「仕事は仕事だ。作業入ってから私情を挟むのは許さないからな」
アシ「勿論わかってます、良い写真を撮らないといけないっスから」キリッ
P「きっと輝子も喜びますよ。もうすぐ出てくると思います」
輝子「お、終わった……」バタン
アシ「……! ………!!」
カメ「声が出てないぞ」ガチャガチャ
P「よーし、今回の衣装も似合ってるな」
輝子「……よかった…」テレテレ
アシ「………」
P「今日お世話になる方々だ。ご挨拶しろ」
輝子「よ、よろしくおねがいします……」
カメ「よろしく」
アシ「よろしくっス!!」
アシ「自分輝子さんのファンなんです! サインお願いします!」スッ
輝子「…えっ……あの………プロデューサー……」オロオロ
P「サインくらいはいいんじゃないか?」
輝子「……わかった…」サラサラ
輝子「ど、どうぞ……」
アシ「ありがとうございまっス! 家宝にします!」
アシ「それから……これ! 受け取って下さい」スッ
輝子「………?」
P「はいはい時間なんでねー! もう撮影お願いしますねー!」
アシ「えっ、ちょま…」ズリズリ
カメ「早くスタンバイ済ませろ」
輝子(なんだったんだろう……)
~再びキッチン~
幸子「いいですね、仕込みはこのくらいで十分です」
小梅「………お、おっけー……」
小梅「……じゃあ次は………」
幸子「ええ、そうですね。もう一つの方に着手しましょう」
幸子「輝子さんの撮影が終わって戻るまで後3時間弱……」
小梅「……い、急がないと………」
ちひろ(あらあら…3時間だと厳しいですね……)
~撮影現場~
輝子「き、キノコ………フヒ」
P「良い表情してるなぁ、本当に…」
アシ「ですねぇ」
カメ「余りにシャッターチャンスが多くて、選別が大変そうだ…」パシャッ
P「シャッターチャンスが決定的に少ないよりは、良いでしょう……?」
カメ「おたくの杏ちゃんには苦心したもんだなぁ」
P「今後ともよろしくお願いします」ニコ
カメ「性質の悪いお方だ」パシャッ
輝子「キノコは………友達………」
カメ「独特なキャラだな」パシャッ
輝子「………と、友達………は……キノコ……」シュン
カメ「? いきなり表情が…」
P「あちゃー……仕方ない」
P「おーい、輝子! 早く終わらせて事務所に帰ろう!」
P「友達(幸子と小梅)が待ってるぞ!!」
P(このくらいの言い方ならアリだろ)
輝子「と……友達………?」
輝子「そう………友達(栽培室のキノコ)が待ってる…フヒ」
カメ「お、今の表情はいい」パシャシャシャ
アシ「……………」
カメ「おいちゃんと構えろ! ズレてるぞ!」
アシ「う、うっす!」ハッ
P(大丈夫か、この人……?)
~事務所~
幸子「飾りつけはこのくらいですか?」
小梅「……も、もうちょっと……」
幸子「随分派手にするんですね」
小梅「…………うん…。と、特別な……日だから……」
幸子「いいですね! じゃあもっとやりましょう」
ちひろ「はい、折り紙のリングはこのくらいでいい?」
幸子「ありがとうございます。やっぱりこれがないとパーティ感が出ないですよね!」
小梅「……ぱ、ぱーてぃ……えへへ……」パタパタ
幸子「楽しくなりそうですね」
小梅「……うん……。この子達も、楽しみ…って……」
幸子(あっ、これは深入りしちゃいけないやつですね!)
~撮影現場~
アシ「お疲れ様っスー!」
P「本日お世話になりました!」
輝子「お、お世話に……なりました…」
カメ「良い写真を撮らせてもらったよ、お疲れ様」
P「サンプルの方の到着を心待ちにしていますね」
P「それでは失礼します」
アシ「……行っちゃいましたね…」
カメ「ああ。お前それ、渡さなくて良かったのか?」
アシ「これは……そうですね、タイミングを逃してしまったのもあるんスけど…」
アシ「なんとなく、渡さないほうがいいかなって思ったんス」
カメ「相変わらずお前の言うことはわからないな」
カメ「撤収するぞ、急げ」
アシ「うっス!!」
~事務所から少し離れた場所~
P「おっし……と」キィ
輝子「……ど、どうしたの……? ここ、事務所じゃない……」
P「すまんな、今日はちょっとこれから用事があって」
P「悪いけどここから事務所までは歩いて行ってくれるか?」
輝子「わ、わかった……」
P「道、わかるか? 地図は用意してあるけど」
輝子「……大丈夫……。い、いつも車から見てる……ところだから…」
P「そっか。じゃあ気をつけてな」
輝子(行っちゃった……)
輝子(でも向かったのは事務所の方向……?)
輝子「プロデューサーからも……嫌われ……た…?」
輝子「…………」
輝子「事務所………かえろ……」
~事務所~
P「ただいま!!」ガチャ
幸子「遅いですよ、プロデューサーさん!」
幸子「もう準備は殆ど終わっちゃいましたよ、ボクはカワイイですから!」ドヤッ
P「おう、えらいな」ナデナデ
幸子「もー……」
小梅「……は、はやく……これ…」スッ
P「三角帽子とクラッカーか。すごいベタだな」
ちひろ「ベタなほうがいいんですよ、こういうの慣れてない子なんですから」
P「それもそうですね……っと」カポッ
幸子「それじゃあ、位置についてください」カポッ
小梅「……ど……どきどきする……」
P「俺は心臓がバクバクするよ」
幸子「おじさんみたいなこと言わないでください…」
P「そろそろだぞ………!」
輝子「た、ただいまー……」ガチャッ
全員「お誕生日、おめでとー!!」パァンパァンパァンパァン
輝子「ひ、ひぃっ!!」
輝子「ふぁ…………え……?」
幸子「はいっ、これはボクと小梅さんからのプレゼントです!」
輝子「……えっ……あ、ありがと………う…」
小梅「……私は……お金なくって……ほとんど何も…できなかったけど……」
輝子「あ……誕生日……私……フフ」
P「ようやく思い出したか。お誕生日おめでとう、だ。輝子」スッ
輝子「あ、ありがとう……」
ちひろ「これは私からです」スッ
輝子「………みんな………」ジワァ
輝子「わたし………みんなに……嫌われたと……思ってぇ…」
幸子「そんなことあるわけないじゃないですか!」
小梅「………ない……」
輝子「グスッ……これ……あけてい……?」
幸子「どうぞ!」
輝子「……………これは……」シュルッ
幸子「とある森で発見した超良質な原木です」
小梅「……色々………調べて……とった…」
幸子「お金は掛かってないですけど、心はバッチリこもってますよ」グッ
輝子「あ、ありがとう……」
P「さてと、そろそろパーティを始めよう」
幸子「そうですね!」トプトプ
P「お、おい……。これ本当にワインじゃないんだろうな……?」
幸子「大丈夫です! ウェ○チ知らないんですか? プロデューサーはダメダメですね!」
ちひろ「うん……これは問題ないですよ」ペロッ
小梅「………そ、それじゃあ、お誕生日の人はこっち……」
輝子「…う、うん………」ストン
幸子「それでは皆さん、グラスを手にとって」スッ
幸子「かんぱーい!」
全員「かんぱーい」カチンッ
輝子「……これ……おいしい………」パク
幸子「それは小梅さんがメインで作った、松茸の土びん蒸しです」
輝子「し、しあわせ……フヒ」
小梅「………よ、よかったぁ……」ホッ
P「本当にうまい、やばい」モグモグモグモグ
輝子「こ、こっちは………」
幸子「それはボクがメインで作ったキノコケーキアートです」
幸子「見た目は完全にキノコですけど、ケーキなんですよ!」
輝子「……す、すごい………っ!」
輝子「味も……すごい美味しい……」パクパク
ちひろ(幸せそうですね)
小梅「………お、美味しい……」パクパク
幸子「かなり練習しましたからね!」
P「練習って言っても普通一週間もせずにこんなレベルにならないぞ」モグモグ
P「さすが幸子だな!」
幸子「やっとボクのすごさがわかりましたか!」
輝子「……ほ、本当にすごい………。後は繊維の感じを出せれば完璧……」
幸子「そこまでいくと職人ですよ……」
小梅「………美味しかったから……もう全部食べちゃった…」
P「俺もだ。意外とボリュームがあったのな。おなか一杯だ」
ちひろ「美味しかったです。ご馳走様でした!」
輝子「………もう終わっちゃった………」シュン
P「そう落ち込むなって」
幸子「そうですよ! また、来年やりましょ?」
小梅「……また……忘れてたら……サプライズ………」
P「いいなそれ」
幸子「こ、こほん。締めに…というわけではないですけど」
幸子「サプライズパーティにしようと思ってコソコソ準備してたら」
小梅「……ご、誤解……させちゃった……みたいでごめんなさい……」
輝子「う、ううん……。うれしい………」
P「二人とも輝子のこと大好きだからなぁ」
輝子「………アイドル……なってよかった……」
P「おう! 俺も大好きだぞ!」
ちひろ「もしもし早苗さん?」
P「アイドル的な意味で!!!!」
輝子「あは………。み、みんな……ありがと………」
輝子「……今日は最高の誕生日……だよ……フヒ」
おわり
おまけ
幸子「プロデューサーさんは何をプレゼントしたんですか?」
ちひろ「気になりますねぇ」
小梅「………輝子さん……あけよ……」
輝子「う、うん……」シュルルル
輝子「………これは……」
幸子「キノコ柄の帽子………ですか」
小梅「………かわいい……」
輝子「……うん……かわいい…。大事にする…」
ちひろ「こんなの、どこに売ってたんですか?」
P「えっ、自作ですけど」シレッ
全員(えぇー………)
おわり
80 : ◆8pC216S..2 - 2013/06/06 00:19:34.39 1oUlLyf2o 76/76これにて完結です!
前作読んで下さった方、そして今作だけでも読んで下さった方いらっしゃいましたら有難うございました
輝子お誕生日おめでとう!すき!