1 : VIPに... - 2013/06/03 19:52:09.06 G5nCpgHGo 1/30
みんなでワンナイト人狼をプレイするSSとなります
ルールの説明、状況説明等、文字だけでは足りないところもあると思いますが、
どうぞご容赦を
書き溜めあり、それではまったり投下します
元スレ
春香「ワンナイト」千早「人狼」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370256728/
765プロ、事務所
春香「おはようございまーす!」ガチャ
千早「おはよう、春香。今日は機嫌がいいのね?」
春香「あ、千早ちゃん、おはよー! えへへ、今度響ちゃんとバラエティ番組のゲームをするコーナーに出るんだけど、その打ち合わせがこれからあるんだ! 」
千早「へぇ、どんなコーナーなの?」
春香「詳しいことはまだ聞いてないんだけど、芸能人が集まってテーブルゲームをするっていうコーナーらしいよ。」
響「はいさーい!」ガチャ
貴音「おはようございます。」
春香「あっ、響ちゃん、貴音さん、おはよう! 」
響「おー、春香! 千早もはいさい! 」
千早「おはよう、我那覇さん、四条さん。春香から番組の件、聞いたわ。おめでとう。」
響「自分、ゲームは結構得意だからな! 完璧なところ、バッチリ見せてやるさー!」
貴音「ふふふ、先程に言っていた番組の話ですね。ところで、プロデューサーや小鳥嬢の姿が見えませぬが……?」
千早「プロデューサーはまだ外回りのようです。小鳥さんはさっき買い出しに。」
響「お! プロデューサーの机に番組の企画書と台本があるぞ!」
春香「本当!? 」
千早「二人とも、あまり勝手に触らない方が……」
貴音「まあまあ、二人とも久しぶりのてれび出演なのです。気持ちが逸ってしまうのも無理はないでしょう。」
千早「そうですね……」
響「えーっと、あった! 自分たちの出るコーナー! ゲームは……『ワンナイト人狼』? なんだそれ?」
春香「どんなゲームなんだろう? あっ、一緒に置いてあるこの箱、怪しくない?」
響「本当だ! 開けてみよう!」
春香「カードが何枚かと、マット……あ、これが説明書だね!」
響「ふむふむ、最低四人でやるゲームなのか……ねえねえ、みんなでやってみない? 練習にもなるし!」
春香「うん! あ、二人とも時間は大丈夫?」
千早「私はこれから予定は何もないけど、あまりゲームとかは得意じゃ……」
貴音「れっすんまで時間はありますが……私も、あまりそういうものには明るくありませんね。」
響「まあまあ、ルールもそんなに長くないし、やってみるさー!」
【ワンナイト人狼 簡易ルール説明】
プレイヤーは四人の場合、カードは『村人』が二枚、『占い師』と『怪盗』が一枚ずつ、そして『人狼』が二枚の、四種類六枚がある。
開始時にプレイヤーにはカードが裏向きで一ずつ枚配られ、他のプレイヤーに見えないように確認し、裏向きでテーブルに置く。
配られなかった二枚もテーブルに裏向きに置き、場のカードとする。
全員が顔を伏せ、次の順番で自分のカードの役割を行う。
占い師が顔を上げ、誰か一人のカード、または場に伏せてある二枚のカードの表を見て、裏向きに戻して顔を伏せる。
人狼が顔を上げ、仲間がいることか自分一人であることを確認し、顔を伏せる。
怪盗が顔を上げ、誰かのカードと自分のカードを交換する。
交換した後の自分のカードの表を確認し、裏向きにして顔を伏せる。
以後、自分と交換相手の役職は、それぞれが持っている交換した後のカードの役職となる。
全ての役職のターンが終わると、決められた時間内で他のプレイヤーと相談して処刑するプレイヤーを決定する。
自分の役職やそれによって得られた情報をCO(カミングアウト)することで全員で推理を進めるが、プレイヤーはいくらでも嘘をつくことができる。
相談が終わると一斉に処刑するプレイヤーを指名し、二人以上から指名されたプレイヤーが処刑される。
処刑されるのは最大で二人、最低は処刑なしとなる。
村人、占い師、怪盗の人間サイドは、人狼を一人でも処刑することができれば勝利。
人狼サイドは全ての人狼が処刑されずに生き残れば勝利となる。
また、人狼のプレイヤーがいない状態で誰かを処刑すると、全員の負けとなってしまう。
春香「なんだか、怖そうなゲームだね……狼とか、処刑とか……」
響「んー? これってゲームになるのか? 相談して人狼を見つけるだけなんじゃないの?」
千早「いえ、簡単に決まるとは限らないわ。人狼側が村人だと騙ったり、嘘の占い師として嘘の占いをすることもできる、ということね。」
貴音「欺き合い、騙し合いながら生き残りをかけて争う……なんとも面妖な遊戯ですね……」
春香「ま、まあまあ、ゲームだし、そんなに気負わないでやってみようよ! 」
小鳥「ただいま戻りましたー。あら、みんなどうしたの?」ガチャ
千早「ああ、小鳥さんお帰りなさい。今からこの『ワンナイト人狼』というものを遊んでみようかと話していて……」
小鳥「……え、えっと……あのワンナイト人狼よね? 大丈夫かしら?」
貴音「大丈夫……とは? どういった意味でしょう?」
小鳥「嘘をついたり騙したりするゲームだから、友情を崩壊させるとか、人を信じられなくなるとか……」ゴニョゴニョ
響「ははっ、ゲームくらいで大袈裟さー! そうだ、ぴよ子このゲーム知ってるんでしょ? 暇だったらこのゲームマスターっていうのやってくれない?」
小鳥「えっと……わかったわ。それじゃ、始めましょうか。四人なら相談時間は二分でいいかしら。」
春香視点
春香(えっと……カードは……『村人』)
小鳥「それでは、夜が訪れました。全員顔を伏せてください。」
春香(顔を伏せて……やることは何もないけど、情報をもらって人狼を推理をする役割だね。)
小鳥「占い師のプレイヤーは、占いをしてください。」
小鳥「人狼のプレイヤーは、味方の確認をしてください。」
小鳥「怪盗のプレイヤーは、他の人のカードと交換をしてください。」
小鳥「朝が訪れました。全員顔を上げて、二分間で話し合いを行ってください。スタート。」
[02:00]<ピヨッ
千早「えっと、占い師CO。四条さんを占って村人でした。」
貴音「なるほど。確かに私は村人です。」
響「自分、怪盗だったけど、春香と交換して村人になったぞ!」
春香「じゃあ、私は今怪盗になってるんだね。」
響「ってことは、みんな村人サイドだから……一票ずつ入れ合えばいいんだね! 平和でいいことだぞ!」
貴音「ええ。では、それぞれ左隣を指名し、処刑が行われないようにしましょう。」
春香(矛盾はない……でも……)チラッ
千早「………」
春香「……千早ちゃん?」
千早「なにかしら?」
春香「本当に、占い師なの?」
千早「ええ、本当よ。四条さんのカードを当てているでしょう? 何か矛盾があるかしら?」
春香「……本当に、当たっているならね。」
響「ど、どういうことさー? 千早が嘘をついてるって言うのか?」
春香「確証はないけど……でも……」
貴音「ふふ、疑いたくなる気持ちもわかりますよ、春香。千早が人狼、あるいは私と千早が人狼である可能性もありますからね。」
千早「……なるほど。それでも矛盾は起きないのね。」
春香「私は村人だから、人狼を処刑できなければ負けちゃう。響ちゃん、私と千早ちゃんに入れてくれる?」
響「えっ!?」
貴音「惑わされてはいけませんよ、響。この村は平和です。それぞれの左隣を……響は春香を、指名するのです。」
響「えっ、うっ……うん?」
[00:00]<ピヨーーーー
小鳥「話し合いはそこまでです。それでは、一斉に処刑したいプレイヤーを指さしてください。3、2、1……はい!」
春香→千早
千早→春香
響→春香
貴音→春香
春香「ああ、やっぱり……」
響「あれ? なんで春香が……?」
小鳥「投票の結果、春香ちゃんが処刑されました。カードをオープンします。」
春香:怪盗
千早:人狼
響:村人
貴音:人狼
場:村人 占い師
小鳥「処刑の結果、怪盗が処刑されました。人狼が生き残ったので、人狼サイドの勝利です。」
響「えっ? えぇっ!?」
小鳥「千早ちゃん、いきなりやるわね……」
貴音「まさか初戦からあのような冒険策を講じるとは……お見事でした。」
千早「本物の占い師がいた場合は舌戦になるところでしたが……運も良かったようですね。あの……ごめんね、春香。」
春香「ゲームなんだから、恨みっこなしだよ! よーし、次は負けないぞー!」
貴音「ふふっ……おや、響? 大丈夫ですか?」
響「う? うん、なんくるないさー?」ナイサー???
小鳥「それじゃ、次のゲームに移りましょう。」
千早視点
千早(カードは『占い師』……村人を導いて人狼を処刑する役割。)
小鳥「それでは、夜が訪れました。全員顔を伏せてください。」
小鳥「占い師のプレイヤーは、占いをしてください。」
千早(我那覇さんのカードを確認……『村人』ね。)
小鳥「人狼のプレイヤーは、味方の確認をしてください。」
小鳥「怪盗のプレイヤーは、他の人のカードと交換をしてください。」
小鳥「朝が訪れました。全員顔を上げて、二分間で話し合いを行ってください。スタート。」
[02:00]<ピヨッ
千早(得られた情報はあまり有用ではない。ここはCOを遅らせて様子見ね。)
春香「えーっと、誰もいかないなら私から。占い師COです。」
千早(かかった。春香が人狼かしら?)
春香「場を占った結果、村人と人狼が残っていました。対抗COや怪盗のCOはありますか?」
千早「対抗CO。私が真の占い師よ。我那覇さんを占った結果、村人でした。」
貴音「おかしいですね、対抗COです。春香を占った結果……人狼でした。」
千早(……四条さんまで嘘のCO? どうして?)
響「じ、自分は……千早の言う通り、村人だぞ。ってことは……えーっと……?」
千早(また二人が人狼……? いいえ、だとしたら四条さんの占いは味方の春香を追い込むことになる。)
春香「響ちゃん、一番に言った私が一番信用できるよね?」
貴音「響、よく考えるのです。春香が人狼だとすれば、私の占いは正しい。さらに、千早の占いも嘘の占いとなるので、二人が人狼です。」
響「ぐぬぬぬぬ……えっと、春香が正しくて人狼で、千早と貴音が……」
千早(……なるほど。)
千早「春香。」
春香「うん?」
千早「人狼は、あなただったのね。」
春香「えっ? ち、違うよぉ! 私は占い師で……」
千早「大丈夫、今の春香は人狼ではないわ。」
貴音「……!」
春香「ど、どういうこと?」
千早「まずは仮定として、配られた時点では私が占い師。春香が人狼、我那覇さんは村人。そして、四条さんが怪盗。」
響「えっと、人狼の春香が慌てて嘘の占いを言って……千早が正しい占いを言って……」
春香「貴音さんが嘘の占いを……! そっか、じゃあ!」
千早「四条さんが交換を仕掛けたのは、春香。そして、今は春香が怪盗よ。元人狼COをすれば、少なくとも私は信用するわ。」
春香「うっ……うん。千早ちゃんの言う通り、私は人狼でした。」
響「つまり、今の人狼は……」
貴音「………」
[00:00]<ピヨーーーー
小鳥「話し合いはそこまでです。それでは、一斉に処刑したいプレイヤーを指さしてください。3、2、1……はい!」
春香→貴音
千早→貴音
響→春香
貴音→春香
小鳥「投票の結果、春香ちゃん、貴音ちゃんが処刑されました。カードをオープンします。」
春香:怪盗
千早:占い師
響:村人
貴音:人狼
場:人狼 村人
小鳥「処刑の結果、怪盗と人狼が処刑されました。人狼が処刑されたので、人間サイドの勝利です。千早ちゃん、いい読みだったわね。」
千早「もしも四条さんが黙っていたときは、春香を指名していたかもしれません。」
貴音「安全を確保しようとして墓穴を掘ったようですね。真、素晴らしい推理でした。感服です。」
千早「春香が信用してくれたのも勝因ですね。我那覇さんの説得には失敗したみたいだけど。」
響「う、ご、ごめん……」
千早「ふふっ、怒っているわけではないわ。次は私が嘘をつくかもしれないんだし。」
春香「なんというか、千早ちゃんと貴音さんがすごい勢いで成長してるよ……」
小鳥「理詰めと演説の上手さの勝負だものね。律子さんとかも強そう……それじゃ、次、配るわね。」
響視点
響(おっ! ずっと村人だったけど、今度は『人狼』だ! よーし……)ガルルル
小鳥「それでは、夜が訪れました。全員顔を伏せてください。」
小鳥「占い師のプレイヤーは、占いをしてください。」
小鳥「人狼のプレイヤーは、味方の確認をしてください。」
響(味方……おっ、千早が味方か! 心強いぞ!)フリフリ
千早「………」フリフリ
小鳥「怪盗のプレイヤーは、他の人のカードと交換をしてください。」
小鳥「朝が訪れました。全員顔を上げて、二分間で話し合いを行ってください。スタート。」
[02:00]<ピヨッ
響(……っと、どうするか考えていなかった……千早は……)
千早「では、まず私が。占い――」
貴音「占い師CO。千早が人狼でした。」
千早「……た、対抗CO。我那覇さんを占って、村人だったわ。」
響「うおぅっ!? そ、そうだぞ! 自分はまた村人だったさー!」
春香「ひ、響ちゃん……驚きすぎだよ……」
響「そそそんなことないぞ!」
春香「怪しい……」ジー
響「ううぅ……」タラリ
千早「他に、対抗COはない? ないのなら、矛盾している私と四条さんのどちらかが人狼ということになるけど。」
貴音「春香、どうやら人間サイドは私たち二人のようです。ここは千早に投票をして、勝利しましょう。」
春香「私は村人だから……はい、わかりました。」
響「まっ、待って欲しいぞ! 千早は……!」
[00:00]<ピヨーーーー
小鳥「話し合いはそこまでです。それでは、一斉に処刑したいプレイヤーを指さしてください。3、2、1……はい!」
春香→千早
千早→貴音
響→春香
貴音→千早
響「うぅ……また負けちゃったぞ……」
小鳥「投票の結果、千早ちゃんが処刑されました。カードをオープンします。」
春香:村人
千早:怪盗
響:人狼
貴音:人狼
場:占い師 村人
小鳥「処刑の結果、怪盗が処刑されました。人狼が生き残ったので、人狼サイドの勝利です。」
響「あれっ? 勝った! なんで!?」
千早「なるほど……四条さんが怪盗で、私と交換した、と。」
貴音「はい。先ほどは誘導に失敗してしまいましたが、今回は成功しましたね。春香への説得が誰とも被らなかったのも運があったかと。」
春香「うう……全然疑えなかったよ……怪盗が混ざると難しくなるんだね……」
貴音「時には村人を導き、時には嘘で欺き、そして時には黙して語らず……この怪盗という役割、とても深いものがあるのですね。」
小鳥「うんうん、そうなのよね。それじゃあ、次を配るわよ。」
貴音視点
貴音(カードは『怪盗』……本日はこのカードに縁があるようですね。)
小鳥「それでは、夜が訪れました。全員顔を伏せてください。」
小鳥「占い師のプレイヤーは、占いをしてください。」
小鳥「人狼のプレイヤーは、味方の確認をしてください。」
小鳥「怪盗のプレイヤーは、他の人のカードと交換をしてください。」
貴音(春香と交換……なるほど、占い師でしたか。情報によっては強い協力体制になりますね。)
小鳥「朝が訪れました。全員顔を上げて、二分間で話し合いを行ってください。スタート。」
[02:00]<ピヨッ
春香「占い師COです。私は誰が怪盗か知っているので、名乗り出て情報をください。」
貴音(……ふむ。 )
貴音「……私が怪盗です。しかし、交換相手は春香で、証言通り、占い師でした。」
春香「確かに、私が占ったのは貴音さんで、怪盗でした。」
千早「では、二人はお互いの潔白を証明しあえるのね。」
響「……貴音が、嘘をついていなければな。」ジー
千早「まあ、春香もグルって可能性も大いにあるわね。」ジー
春香「私は、貴音さんは本物の怪盗だって知ってるからなぁ……誰と交換したかは、わからないけど。」ジー
貴音(春香が先に占い師だとCOしてしまったため、私への信頼はあまり得られていないようですね。)
春香「対抗COがないのなら、平和な村って線もありえるよね?」
千早「確かに。もしも四条さんのCOが嘘だったら、四条さんが本当は人狼と取り替えたか、人狼と取り替えてしまった本物の怪盗がいるかもしれ
ない、ということね。そうなると春香の占いも嘘になる。さて、元人狼COをするなら、今だと思うけど?」
響「……で、でも、自分、村人だし……」
貴音(先ほどはこれで春香が元人狼COをしたために、私が元怪盗の人狼であることが知られてしまったのでしたね。)
千早「……誰も何も言わないってことは、平和な村かしら? そろそろ時間だし、自分の左隣に――」
春香「千早ちゃん。」
千早「何かしら?」
春香「……よく、喋るね。」
千早「………!」
貴音(……なるほど。)
[00:00]<ピヨーーーー
小鳥「話し合いはそこまでです。それでは、一斉に処刑したいプレイヤーを指さしてください。3、2、1……はい!」
春香→千早
千早→貴音
響→貴音
貴音→千早
千早「……くっ!」
小鳥「投票の結果、千早ちゃんと貴音ちゃんが処刑されました。カードをオープンします。」
春香:怪盗
千早:人狼
響:村人
貴音:占い師
場:人狼 村人
小鳥「処刑の結果、人狼と占い師が処刑されました。人狼が処刑されたので、人間サイドの勝利です。」
春香「ああ、よかった。千早ちゃんがただ張り切ってる人間サイドだったらどうしようかと……」
千早「黙っていれば私に目は向かなかった……少し喋りすぎたわね。」
響「なるほどなー。よく喋る人は怪しいのか!」
貴音「まあ、真実の証言を信じさせたくて熱弁してしまうこともあるでしょうね。」
響「う、そっか……うがー! 難しいぞー!」
千早「みんな、なかなか慣れてきたわね。」
春香「ゲームだから、遠慮なく嘘がつけて面白いね!」
響「春香、ちょっと黒いぞ……」
貴音「潜在的に、人を惑わすことに愉しみを感じているのでしょうか。」クスクス
春香「えー、そんなことないよー」のヮの;
小鳥「うふふ、次のカードを配るわね。」
次からは全員のカードを伏せますので、誰が人狼なのかを予想しながらお楽しみください。
小鳥「朝が訪れました。全員顔を上げて、二分間で話し合いを行ってください。スタート。」
[02:00]<ピヨッ
春香「さて、誰か占い師COする? 聞きたいなー。」
千早「ふふ、春香が占い師でしょう? 怪盗で交換させてもらったわ。」
春香「あらあら、バレてたか……では、天海春香、占い師COです! 場を占ったら、村人が二枚だったよ。」
千早「じゃあ、四人のうち、二人が人狼ってことね。怪盗もいる。」
貴音「対抗COを。響を占ったところ、村人でした。」
響「占い師が二人か……どっちかが偽物で人狼ってことになるね。ああ、自分は貴音を信じるよ。」
千早「私は春香を信じるわ。しっかりと確認もしているし。」
貴音「そちらの二人が繋がっている可能性もありますよ? まあいずれにせよ、私と春香を処刑できれば人間サイドの勝利です。」
春香「そっか。じゃあ、貴音さんと千早ちゃんは私を、私と響ちゃんが貴音さんを指名でいいよね?」
響「ん! それだと、春香と千早が繋がっていたときに、裏切りで貴音だけが処刑されちゃうぞ!」
貴音「響。いいところに気がつきましたね。私と響が春香に、千早と春香が私に指名をすればよろしいのでは?」
千早「……それでいきましょう。春香、大丈夫よね?」
春香「う、うん、だ、大丈夫かな?」
[00:00]<ピヨーーーー
小鳥「話し合いはそこまでです。それでは、一斉に処刑したいプレイヤーを指さしてください。3、2、1……はい!」
春香→貴音
千早→春香
響→春香
貴音→春香
春香「あ、あれ?」
千早「よし!」
響「やった!」
千早「えっ?」
小鳥「投票の結果、春香ちゃんが処刑されました。カードをオープンします。」
春香:占い師
千早:怪盗
響:人狼
貴音:人狼
場:村人 村人
小鳥「処刑の結果、占い師が処刑されました。人狼が生き残ったので、人狼サイドの勝利です。響ちゃん、いい立ち回りだったわね。」
貴音「なるほど、響、やりますね。」
千早「や、やられた……我那覇さん、私と交換を? 人狼だったはずなんだけど。」
響「へへっ、その通りさー! なんとか助かったぞ。貴音も人狼だったんだね!」
貴音「ええ。ですから、千早と結託して私は処刑されず、春香だけを処刑できるように仕向けたのですが……結果的に、私は人狼サイドなので勝利ですね。」
春香「最初の千早ちゃんの怪盗COはハッタリ!? うう、バッチリ当てられたから疑えなかったよ……」
千早「二分間だと、完璧な結論は出すには短いわね。多い時は半分が嘘を言ってくるわけだし。」
小鳥「明らかに破綻したCOや予想を言うと危ないけどね。怪盗が引っかき回すと余計に分からなくなるし。さあ、次にいきましょう。」
小鳥「朝が訪れました。全員顔を上げて、二分間で話し合いを行ってください。スタート。」
[02:00]<ピヨッ
春香「………」
響「………」
貴音「………」
千早「……えっ、誰も何も言わないの?」
響「占い師とか、怪盗でも……何か情報がないと困るぞ!」
貴音「……仕方ありません、占い師COです。場には怪盗と人狼が。」
春香「じゃあ、貴音さん以外は村人が二人で……」
千早「人狼が一人。」
響「自分が村人なのはわかっているから、どっちが村人かの予想だね。」
千早「あるいは、四条さんが人狼で、残る三人が村人。」
春香「そうなったらどうしようもないね。」
貴音「私としては、そちらの三人のうち誰かが人狼なので、二人を処刑したいところです。全員が自分の潔白を主張するでしょうが……全員、『私は村人です』と言っていただけますか?」
春香「私は村人です!」
響「自分は村人だぞ!」
千早「私も、村人です。どうですか?」
貴音「……私の勘では、千早は村人かと。最も怪しいのは春香、次点で響でしょうか。」
春香「え、えぇっ!?」
千早「では、我那覇さんと私が春香に、春香と四条さんは我那覇さんに、でいいかしら?」
響「……貴音と千早が人狼で繋がっていたら、春香だけが処刑されちゃうけど。」
春香「響ちゃん、疑われているもの同士、協力しようよ。」
響「そうだな。じゃあ、自分たちは貴音に入れよう。」
千早「待って! それだと本物の占い師、怪盗が名乗り出ていないから、私からすると春香か我那覇さんも人狼の可能性が!」
[00:00]<ピヨーーーー
小鳥「話し合いはそこまでです。それでは、一斉に処刑したいプレイヤーを指さしてください。3、2、1……はい!」
春香→貴音
千早→春香
響→貴音
貴音→春香
小鳥「投票の結果、春香ちゃんと貴音ちゃんが処刑されました。カードをオープンします。」
春香:人狼
千早:村人
響:村人
貴音:占い師
場:怪盗 人狼
小鳥「処刑の結果、人狼が処刑されたので、人間サイドの勝利です。」
千早「危なかった……春香、一人で人狼だったのね。」
春香「うん。最後の誘導で上手く逃げ切ったと思ったんだけど……貴音さん、どうして私に?」
貴音「春香と響の結託で、私だけが処刑されるのを回避するためです。千早が信じてくれていなければ、危ないところでした。」
響「それにしても、貴音の予想がズバリ的中か……すごいぞ!」
貴音「私は、占い師ですからね。」ドヤァ
春香「め、面妖なぁ……」
小鳥「貴音ちゃんの占い師ってなかなかハマるわね……怪盗の千早ちゃんや人狼の響ちゃんもすごく……うふふ……」ピヨピヨ
響「うーん、なかなか予想が当たらない……でも、そろそろわかってきたぞ!」
貴音「人狼を言い当てるとき、また、人狼として欺き通したときの快感は、癖になりそうですね。」
小鳥「久しぶりに、私もやりたくなってきたわ……」ウズウズ
P「戻りましたー。お? みんなで集まって何してたんだ?」ガチャ
春香「あ、プロデューサーさんお帰りなさい! これ、今度私と響ちゃんがやるゲームなんですよね? 『ワンナイト人狼』!」
響「練習がてらやってみたんだけど、面白いぞ!」
P「ほー……俺も一応ルールは読んだんだけどイマイチ掴めなくてな。ちょっと見させてもらっていいか?」
小鳥「では、プロデューサーさんにゲームマスターを任せて、私も参加させてもらってもいいかしら?」
千早「五人のときは……村人が一枚足された、七枚のカードでやるんですね。」
貴音「情報の価値が上がり、また嘘の情報の影響も大きくなるのですね。」
小鳥「そういうこと。相談も難しくなる分、面白くなるわ。相談は三分でやりましょうか。」
P「……俺はこれを読んで見ていればいいんだな? よし、じゃあ配るぞ。」
春香視点
春香(カードは……『村人』。騙されないようにしないと。)
P「それでは、夜が訪れました。全員顔を伏せてください。」
P「占い師のプレイヤーは、占いをしてください。」
P「人狼のプレイヤーは、味方の確認をしてください。」
P「怪盗のプレイヤーは、他の人のカードと交換をしてください。」
P「朝が訪れました。全員顔を上げて、三分間で話し合いを行ってください。スタート。」
[03:00]<ピヨッ
響「はい! 占い師COだぞ! 千早が人狼だー!」
千早「……と、言われても……私は村人なのだけど。」
響「口では何とでも言えるさー! 白状しろ!」
小鳥「ごめんね、響ちゃん。対抗COで、響ちゃんを占ったら人狼だったわ。」
響「えっ!?」
貴音「なるほど、それならば響が人狼で、嘘占いをしていると考えれば辻褄が合います。村人の千早を、人狼に仕立て上げようとしたと。」
春香(確かに、それで矛盾はないよね。)
響「そ、そんなぁ……あっ、怪盗! 怪盗はいないのか!?」
千早「………いないみたいね。」
小鳥「じゃあ、まずは響ちゃんの処刑は確定ってことで。」
響「ま、待ってよ! 千早が! 本当に千早がぁ……!」ジワァ
春香「……もし、仮に、響ちゃんが正しかったら?」
貴音「千早と小鳥が、共謀して嘘を?」
春香「有り得なくはないよね?」
響「はるかぁ……助けてぇ……」
千早「………そう、そういうことね。」
春香「千早ちゃん、何かあるの?」
千早「元人狼CO。確かに、私は一人で人狼だった。我那覇さんの占いも本物。でも、一人だから、音無さんに庇ってもらう必要はなかった。」
響「ということは……ぴよ子が元怪盗の、人狼?」
小鳥「待って。響ちゃんと千早ちゃんが組んでいて、私を陥れようとして……!」
春香(確かに、それも有り得ない推理ではないけど……)
貴音「その場合、千早が人狼だという占いを響がするのは、危険が大きすぎます。ここは、千早の推理の方が妥当かと。」
響「よーし! 全員でピヨ子を吊るせー!」
小鳥「そ、そんな!」
[00:00]<ピヨーーーー
P「話し合いはそこまでです。それでは、一斉に処刑したいプレイヤーを指さしてください。3、2、1……はい!」
春香→小鳥
千早→小鳥
響→小鳥
貴音→小鳥
小鳥→千早
小鳥「ああ……そんなぁ……」
P「投票の結果、音無さんが処刑されました。カードをオープンします。」
春香:村人
千早:怪盗
響:占い師
貴音:村人
小鳥:人狼
場:村人 人狼
P「処刑の結果、人狼が処刑されましたので、人間サイドの勝利です。」
小鳥「うぐぅ……なんとか響ちゃんが人狼だっていう流れにしたかったんだけど……」
貴音「黙っていたら、千早か響が、あるいは両方が処刑されていたかもしれませんね。また、千早の元人狼COがなくてはこうならなかったでしょう。」
千早「疑うことも大事だけど、信じることも大切なゲームなのね。みんなを信じてよかったわ。」
響「次がどうなるかはわからないけどな!」
春香「そうだね。さあ、プロデューサーさん! 次のカードを配りましょう!」
P「お、おう、なんというか……怖いな、お前たち……」
再び全員のカードを伏せます、誰が人狼なのかを予想しながらお楽しみください。
P「朝が訪れました。全員顔を上げて、三分間で話し合いを行ってください。スタート。」
[03:00]<ピヨッ
貴音「占い師CO、千早は村人でした。」
春香「私は怪盗CO、千早ちゃんと交換して村人になりました。」
響「千早、モテモテだな……自分から言うことは特にないぞ。」
千早「私も今は何もないわ。誰か対抗CO、あるかしら?」
小鳥「くっ、時期を逃した感はあるけど、対抗占い師COよ。場には村人が二枚あったから、人狼が二人紛れている。私からすると、最初にCOしてきた二人が怪しいと思うわ。」
響「ぴよ子は時期を逃してばっかりだなー!」
小鳥「うぐぅう!? ひ、響ちゃん……?」グッサァァ
響「うん? あ、ち、違うぞ! そういう意味じゃ……! ぴよ子は美人だし、だ、大丈夫だぞ!」オロオロ
春香「響ちゃん……恐ろしい子!」
千早「……私は今のところどちらも信用できないかしら。」
貴音「はて……千早は自分のカードを二人から当てられている分、こちらを信用してくれるかと思いましたが。」
千早「もし春香と四条さんが人狼なら、私が村人である確率は60%、仮に外れたとしても、占い師なら二人に対抗するわけだから数的不利に、怪盗で誰かと変えていても大きな情報にはならないだろうし、人狼と変えていたら黙っているしかない。」
春香「なるほど……でも、どちらかといえばこちら側、ってことでいいよね?」
千早「まあ、そうなるわね。」
小鳥「そんなに時間も残っていない……響ちゃんはどう思う?」
響「……自分は、ぴよ子を信じたい。」
貴音「何故でしょう?」
響「貴音と春香の目が『騙してやる』って楽しそうな目をしてるから。」
小鳥「さすがね、響ちゃん。なら、私と一緒に貴音ちゃんを指名しましょう。」
春香「なら、私と貴音さんは小鳥さんですね。」
貴音「ええ。あとは、千早がどちらかに入れて処刑を、またはどちらにも入れず両方を処刑ですね。」
千早「そうですね。人間サイドのために、両方が処刑されるように動こうと思います。」
響「まあ、人間サイドはそれで勝てる……のか?」
[00:00]<ピヨーーー
P「話し合いはそこまでです。それでは、一斉に処刑したいプレイヤーを指さしてください。3、2、1……はい!」
春香→小鳥
千早→小鳥
響→貴音
貴音→小鳥
小鳥→貴音
小鳥「えっ!?」
春香「ということは……」
千早「ふふ、計画通り。」
P「投票の結果、音無さんが処刑されました。カードをオープンします。」
春香:怪盗
千早:人狼
響:村人
貴音:人狼
小鳥:占い師
場:村人 村人
P「処刑の結果、占い師が処刑されました。人狼が生き残ったので、人狼サイドの勝利です。なるほど、千早の策略通りか。」
響「どういうこと? 千早が……はっ!」
小鳥「千早ちゃんは怪盗で、春香ちゃんの人狼と交換していたのね。」
貴音「それで、私と春香の嘘の証言には対抗せず……」
春香「最後に小鳥さんだけを処刑することで人狼サイドとして勝った。」
千早「最初に交換で人狼になったときは焦ったけど、四条さんと春香が私を利用してくれたのは運が良かった。それをさらに利用させてもらったわ。少し喋りすぎかとも思ったけど。」
響「千早すごいな……何が起きたのか一瞬わからなかったぞ!」
小鳥 「春香ちゃんは場に同調するアドリブ、千早ちゃんは論理的な推理力、響ちゃんは嘘を見抜く直感力、貴音ちゃんは説得力のある話術、といったところね。」
P「それぞれのプレイングに個性が出てるんだな……っと、そろそろ打ち合わせか。貴音もレッスンの時間だな。送っていくよ。」
春香「あ、すっかり忘れてました……いい練習になったよね!」
響「うん! それに、すごく面白かった! またみんなでやりたいな!」
小鳥「今のは簡略化された『ワンナイト人狼』だけど、これを拡張した『ツーナイト人狼』とか、人数を増やして『霊能者』、『狩人』、『妖狐』なんてロールも増やされる、本物の『汝は人狼なりや?』も面白いわよ。また時間があったらやってみましょう。」
貴音「なんとも面妖な響きの役職ですね……楽しみです。」
P「じゃあ、三人とも行くぞー。」
春香「はい! それじゃ、行ってきます!」
響「行ってきまーす!」
貴音「では、失礼します。」
千早「みんな、行ってらっしゃい。」
小鳥「行ってらっしゃい。さて、片付けましょうか……」
律子「戻りました。」ガチャ
伊織「今日も疲れたわー! ジュースジュースっと……」
亜美「あ、いおりんずるい! 亜美もー!」
あずさ「春香ちゃんたちは行ったみたいですね。今そこですれ違いましたよ。」
小鳥「みんな、お帰りなさい。竜宮小町は今日もう上がりですか?」
律子「ええ、まあ。私はもう少し事務処理を……あら、これは?」
千早「春香と我那覇さんが今度番組でやるカードゲームよ。とても面白いの。」
亜美「お、ゲーム? あー! 亜美知ってるよ! ワンナイト人狼!」
小鳥「さすが亜美ちゃんね。律子さんが得意そうなゲームですよ。やってみませんか?」
亜美「確かに、りっちゃんが無双しそうなゲームですなぁ……」
あずさ「あらあら、なんだかタロットみたいで可愛い絵柄ねぇ。」
伊織「カードゲームに真剣になるなんて、お子様じゃああるまいし……まあ、少しだけならやってあげてもいいけど?」
千早「ふふ、じゃあ、ルールを説明するわ。まず、プレイヤーが五人だから、カードは……」
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765プロ、事務所
ワンナイト人狼が初めて行われたあの日から数日経ち、
春香「千早ちゃんと私は到着してからずっと一緒だった。」
千早「同伴CO。私も春香の潔白を証明するわ。」
美希「居眠りCO。ミキはずっと寝てたからわからないの……あふぅ。」
真「冷蔵庫の中身を知ってるのは雪歩だよね。」
雪歩「う、うん……管理者COで、確かに朝の段階で三つ残ってたよ。」
律子「なら、ずっと打ち合わせをしていた竜宮小町は潔白ね。」
伊織「四人ともお互いを監視してたし、全員がグルでも数が足りないからよね。」
あずさ「あの、実は……監視COで、亜美ちゃんが真美ちゃんとメールしてたの、見ちゃって……」
亜美「う、うぇっ!? 確かに、メールはしたけど、今日帰ったら何して遊ぼうか相談しただけで……ね、真美!?」
真美「うん。それに、もし真美たちが犯人でももう一人グルがいることになるよ!」
やよい「それなら、寝ていた美希さんと……って推理が妥当です!」
響「やよいは賢いなぁ! あ、自分とやよいはダンスレッスンしてたから潔白だぞ! 貴音も一緒だった!」
貴音「それでは……一体誰が………」
『ゴージャスセレブプリンを食べた犯人は、誰だっ!』
765プロの全員が人狼にのめり込み、
真実と嘘が入り交じり、お互いに疑い騙しあう、疑心暗鬼に包まれたという………
めでたし!
これにて閉幕!!
31 : VIPに... - 2013/06/03 21:30:29.28 G5nCpgHGo 29/30
以上です。ありがとうございました。
SSはまだ初心者で、文章に読みづらい点や誤字脱字があったかもしれません。
ワンナイト人狼はこのように、人数さえそろえばどこでも出来る、簡単かつ奥が深いゲームですので、
少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
32 : VIPに... - 2013/06/03 21:43:14.91 G5nCpgHGo 30/30以前に書かせていただいたSSになります
春香「眠れないなぁ」
https://ayamevip.com/archives/57602893.html
響「眠れないぞ」
https://ayamevip.com/archives/57602896.html
千早「眠れないわ」
https://ayamevip.com/archives/57602897.html
よかったら読んであげてください
ではでは