ちひろ「はい?」
P「止めても無駄ですよ。俺やったるにぃ!」
ちひろ「やらんでください」
P「なにか問題でも?」
ちひろ「発言からしてすでにお縄を頂戴するレベルです」
元スレ
モバP「仁奈を泣かせたい」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1368429124/
ちひろ「一応聞きますけど…どうしてそんなことを?」
P「仁奈って可愛いですよね」
ちひろ「はい」
P「泣き出した仁奈を想像してみてください」
ちひろ「はい」
P「可愛いですね?」
ちひろ「天使ですね」
P「そういうことです」
ちひろ「なるほど」
ちひろ「ただ…仁奈ちゃんはしっかりした子ですからね。そう簡単に涙を見せてくれるとは思いません」
P「いやいや、仁奈がしっかりしているのはきぐるみというよりべがあるからです」
P「つまり、それを逆手にとれば…」
ちひろ「下衆ですねぇ」
P「ありがとうございます」
ちひろ「具体的にはどのような手を?」
P「まあ見ていてください」
P「そろそろ仁奈が戻って来る時間ですよね?」
ちひろ「ええ、そうですね」チラ
ガチャ
仁奈「お仕事終わりやがりましたよー」
まゆ「戻りましたぁ」
P「よし。では行って来ます」
ちひろ「まゆちゃんが一緒ですけど、大丈夫ですか?」
P「…ええ、正直計算外ですが…」
P「いつだって逆境をプラスに変えるのが、プロデューサーの仕事ですから」
ちひろ「…プロデューサーさん…」
ちひろ「…これは仕事じゃないですけどね」
P「行って来ます」タッ
ちひろ「ご武運をー」
P「お疲れさま、二人とも」
まゆ「Pさん! わざわざ迎えに来てくれたんですねぇ」
仁奈「プロデューサーこそ、お仕事お疲れさまでやがります」ペコ
P(逆にこっちを気遣って来るとは…仁奈はいい子やなぁ…)
P(だが、今日に限っては心を鬼にしなければ)ヨシ
ちひろ(プロデューサーさん、自信満々だったけれど一体どんな手を…)コソ
P「そっちこそ。ほら、買い置きだけど缶ジュースでもどうだ?」
まゆ「ジュースというか…コーヒーですねぇ」
ちひろ(……)
仁奈「…仁奈、こーひーは飲めねーですよ…」
ちひろ(…………地味だわぁ…というかただの嫌がらせじゃ…)
P「まあそう言わずに。もう開けちゃったし」
仁奈「うー…プロデューサーが、せっかく持って来やがったですから……分かりました。飲むですよ」ウー
ちひろ(あ、でも意外と効果あるのかも)
ちひろ(…地味だけど…良心につけ込むとか…下衆いなぁ、ホント…)
まゆ「まゆはPさんの差し入れならなんだって喜んで頂きますよぉ」ダキッ
P「ば、缶を持ってるのに抱き着いて来るんじゃ…」
バシャ
…カランカラン…
仁奈「……」ポタ
P「あ…」
ちひろ(…うわぁ…)
仁奈「……」
まゆ「ご、ごめんね、仁奈ちゃん、その、こんなことをするつもりじゃ…」
P「いや、今のは缶を落とした俺が悪い!」
ちひろ(どう見てもやりすぎです)
P(いや、だからこんなことするつもりじゃ…)
ちひろ(でもさっききぐるみをどうかするって言ってましたよね?)
P(……さ、最終手段のつもりで)
ちひろ(下衆になり切れないなら最初から泣き顔が見たいとか言わないでください)ハア
P(…ごめんなさい)
まゆ「いまタオルを取って来ますねぇ」タタッ
仁奈「……」ポタ…ポタ…
P「す、すまん、仁奈。大丈夫か?」
仁奈「…」
仁奈「はい。大丈夫ですよ。このくらい、何ともねーでごぜーます」
P「…そ、そうか」
P「…………」
ちひろ(…)
P「…な、泣かないんだな」
ちひろ(聞くんかい)
仁奈「はい」
仁奈「…だって…泣いたら、プロデューサーに迷惑がかかるですよ」
P「…え?」
仁奈「おねーさん方より、仁奈は小さいですから、いつも迷惑ばかりかけてごぜーます」
仁奈「だから、我慢できるときにするですよ。仁奈だってもう立派なアイドルでごぜーます。いつまでも、子どものままではだめですよ」ニコ
P「…っ」
ちひろ「(´;ω;`)」ブワッ
まゆ「きゃっ、ち、ちひろさん?」
まゆ「…タオル、入りますかぁ?」
ちひろ「…ありがとう…」グス…
P「…そんなことないぞ」
仁奈「…え?」
P「アイドルはみんなを幸せにする仕事だからな。そのためにはまず仁奈が幸せでなくちゃならない」
P「…我慢、してたんだな。ごめんな。だからほら、今日ぐらい、泣いてもいいんだぞ」
ちひろ(上手く誘導しましたね…)
仁奈「…」
仁奈「…ほんとに?」
P「ああ」
仁奈「……じゃあ…ちょっとだけ、…Pの胸をお借りするですよ…」ギュウ
P「よしよし」
仁奈「……うわぁあああぁん…」グス
・
・
・
仁奈「な、情けないところを見せちまったでごぜーます」コホン
P「そんなことないよ」
P「そうだ。今日はもう、仕事は終わりだよな?」
仁奈「はい」
P「じゃあ買い物に行こう。きぐるみ、だめにしちゃったしな。新しいの買ってやるよ」
仁奈「! ホントでごぜーますか!?」ワーイ
P「おう」
まゆ「だったらまゆも付き合いますねぇ。私も同罪ですから」ニコ
まゆ(ふふ、これでPさんと一緒にお買い物に行く口実ができましたねぇ…)フフ…
ちひろ(…さすがのまゆちゃんね…)
P「じゃあちひろさん、ちょっと出て来ますね」
仁奈「プロデューサー! 早く行きやがりますよー!」ピョンピョン
まゆ「そうですよぉ。…他のみんなの邪魔が入る前に、ね…?」ボソ
ちひろ「分かりました」
ちひろ「…あ、そうだ。プロデューサーさん」
P「? はい」
ちひろ「念願の仁奈ちゃんの泣き顔は、どうでしたか?」
P「……ああ、えっと、」
P「コーヒー臭かったですね」
ちひろ「……プロデューサーさん…」
P「じ、冗談です」
P「いつも通りでしたよ」
P「天使はどうなっても天使ですね」
ちひろ「なるほど」
13 : ◆or.ZWvM5pg - 2013/05/13 16:42:19.16 H/Z3lwqDO 13/13おわりん。
仁奈は天使それだけです。


