女「そもそも、女性騎士は気高いとか身長高いとか金髪ロングとか巨乳とか、夢を見るな夢を」
男「それを俺に言われても」
女「なんだ、この露出度が高い装備は。私は踊り子ではないぞ」
男「クリエイターに言ってくれ」
女「こんな鎧ゴブリンに着せてやる」
ゴブ「(///)」
男「まんざらでもない顔をするな」
元スレ
女騎士「貴様ら、絶対に私に対する偏見があるだろう」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1244604085/
女「防具というものは、身を守るという大前提があってだな」
男「はぁ」
女「兜はまだよしとしよう。だが、この鎧を見てみろ。ヘソ出しとはどういうことだ」
男「涼しくていいんじゃないか」
女「腹やられたら一発でアウトだろうに。なんでこんな装備が貴重品なんだ」
男「実用性がないし、儀式的な意味合いが強いんじゃないのか」
女「だったらなおさら実戦で着るべきではない。みてみろ、このゴブリンを」
ゴブ「(゚皿゚)・・・」
女「この寒空ですっかり腹を冷やしてしまったではないか」
男「まだ着てるのか」
女「いいか。これが鎧というものだ」
ガション、ガション、
男「マクシミリアン式なんてどこから引っ張り出してきた」
女「そこいらの鍛冶屋で売ってるだろう、普通なら」
男「普通なら?」
女「なんだ、最近の商品陳列は。どこに行ってもヘソ出し肩出しのセクハラアーマーばかりじゃないか」
男「流行なんだろ」
女「着用者を守る気があるのか、この世界は!!」
男「まぁ、デザインも大事じゃないか・・・やっつけな造形だと、それこそ騎士の名が泣くぞ」
女「しかし・・・」
男「なんだ」
女「暑いし蒸れる」
男「まぁ、30kgあるしな」
女「ようやく落ち着いた」
男「ああ、やっぱりスカートアーマーか。どこのセイバーだ」
女「なにを、ちゃんと兜もある、肩当てもつけた、小手だってみろ、ガントレットの内側に鎖と革をだな」
男「・・・蒸れるだろ」
女「ええ、とっても」
男「ところで、最初に偏見があるといっていたが」
女「うむ」
男「別に顔さえよけりゃ容姿はあんまり問わないみたいな世間だぞ」
女「なんだと」
男「ロリ騎士でも黒髪ロングでもいいそうだ」
女「節操がないな。貴様ら騎士という名がつけばなんでもいいんだろうに!!」
男「俺に言うな」
女「ブランドじゃあないのだぞ、騎士は!!」
男「巫女とかニンジャーと同じだな」
女「解せぬ」
女「私が仮に長身で黒髪の騎士だとしよう」
男「はい」
女「身長が高いというのは、いい。戦闘において身長が高いというのは、それだけでリーチに差が出る」
男「はい」
女「しかし黒髪ロングとはなんだ。いや、黒髪は別にかまわんが、兜に入りきらないような長さの髪だと」
男「見栄えはいいぞ」
女「邪魔に決まっているだろうに!!戦闘において敵兵に掴まれたり、藪に引っかかったり、剣振ってるときに絡んだり大変なんだぞ、もう!!」
男「まるで経験したかのような言い草だな」
女「女の子なら、一回ぐらいは髪長くするだろうが」
男「いや知らんよ」
女「さて、ロリ騎士についてだが」
男「幼女か、幼女なんだな」
女「・・・・・・身長が低い。これに関してはもう、言うことはないな。戦闘向きじゃない」
男「連中にとっては、戦闘うんぬんよりも鑑賞用の意味合いが強そうだが」
女「ちっこい子に鎧を着せて愛でる趣味自体は否定しない。背伸びした子供のかわいらしさはわかるからな」
男「ショタ疑惑」
女「だが、そんな幼子を過酷な戦闘に、ましてや自分の身の丈よりも大きな得物を持たせていかせるとは何事だ」
男「あーあるな。ちっこい奴に限ってデカい武器持ってるの」
女「どう考えても筋力的な問題で扱える代物ではないだろうに。技術うんぬんという世界の話ではないぞ」
男「重いしなあ、ハルバードにしろ、クレイモアにしろ」
女「武器とは、人間が振り回すものであって、振り回されるものではあってはいけないのだ。非力だからこそ、技術で補える武器を持つべきなのだ」
男「ああ、だからおまえは刺突剣ばっか使うのか」
女「何か言ったか」
男「いえ、何も」
女「鎧の下に何を着るか、だと?」
男「私服じゃね?」
女「・・・・・・さて、武器についてだが」
男「おい」
女「なんだ」
男「鎧の下に何を着てるんだ」
女「おまえはなにを着てるんだ」
男「べっつに・・・・・・安物のプレートアーマーだから鎖帷子と牛革の服だが」
女「はじめに誤解がないように言っておく」
男「はぁ」
女「私の鎧は革のインナーもセットになっているんだ」
男「へぇ」
女「あとはわかるな」
男「その下にシャツとか着てるのか、汗疹ができそうだな」
女「・・・・・・」
男「・・・・・・」
女「・・・・・・」
男「・・・・・・あぁ、はい。そうですか」
女「さて、武器についてだが」
男「槍でいいよもう」
女「騎士たるもの、ある程度どんな武器でも扱えなければいかんな」
男「時代考証だの、教会騎士だの、そこらへん絡むとだるいけど」
女「まず、槍。これは基本だ。いや、基本どころか必死ともいえる」
男「まぁ、騎乗しない騎士なんていないしな」
女「騎乗戦において、槍による刺突はリーチと馬の速度も相まって凄まじいものになる」
男「しかし3mの槍ってのも、なかなか冗談じみてるけどな」
女「馬に乗っていなくても、そのリーチと扱いやすさは農兵をいっぱしの兵隊に化けさせれる優秀な武器だ」
男「密集すれば壁にもなるからな」
女「剣は言うまでもないな。戦闘では、騎乗戦で折れた槍のかわりに、あるいは乱戦での使用に。
剣技による社交ダンスのようなものも、ある」
男「何度も剣を交わすのは礼儀という時代もありましたな」
女「私はめんどいのでさっさとブッ刺すがな」
男「誇りはどうした」
女「騎士道とは、甘さではないのだよ。非情なものだ」
男「無情とも違うぞ」
女「弓、というのも大切だ」
男「ぶっちゃけ主兵装だしなぁ・・・・・・戦場でこれほど怖いもんはねえぞ」
女「遠距離から放たれた矢は、いとも簡単に鎧を貫通する。分厚い装甲でもあれば、話は別だが、機動性、筋力も考えて現実味がない」
男「お偉いさんの社交で狩りとかもあるからな。必要なもんではある。俺はセンスなかったが」
女「脳筋め。メイス振り回してだけでは品がないぞ」
男「いや、だって振り回すモノだろう、メイスは」
女「少し私が社交ダンスというのを教えてやろう、そら、抜くがいい」
男「あ、はい」
女「まて、なんだそれは」
男「スコットランドの名産品です」
女「き、きさま!!仮にも女性に対しそんなデカブツの切っ先を向けるのか!!恥を知れ!!」
男「この手の大剣はよく決闘でつかわれるんだぞ」
女「知ったことか!!ええい、そこに直れ、リンゴを頭に載せろ、トランプを掲げてみろ!!」
男「やめて、クロスボウはやめて、至近距離でそれはやめて」
女「さて、しょうもない話を語ってしまったが、武器にあるロマンや物語もそうだが、やはり一番はその出自だろう」
男「名家の女性騎士とか、平民から叩き上げの騎士団長とかですな」
女「そう、それだよ。これも重要なステータスだ」
男「いいよなあ、名のある家に生まれて安全に暮らせるのに、あえて矢面に立って戦う花なんて格好いいじゃないか」
女「・・・・・・それだよ」
男「え?」
女「誰が好き好んで戦場なんて行くか阿呆が!!享楽者の家族のせいで私がいくら武勲を稼いでも奴らが経済的にも世間的にもそれを水の泡にしていく!!」
男「はぁ」
女「貴様、私だって三時のお茶会に行きたいぞ、淹れたての紅茶を片手に洒落た会話がしたいぞ、玉の輿に乗りたいぞ!!」
男「いや、はぁ」
女「くそ、だいたいな、国のためとか民のためとか、そんな綺麗な意思をもって騎士やれてる奴なんか新人だけだ!!」
男「うわ、言っちゃったよこの人」
女「戦場で一旦武勲を挙げてしまえば、もうそこにしか居場所はなくなるのだ!!新たな戦果期待され、敵からもこの首を狙われ・・・!!」
男「まぁ、そういう設定もアリなんじゃないか?戦いに疲れた女騎士、ヒロイン臭がするぞ」
女「私・・・・・・騎士やめたら・・・・・パン屋でも開くの・・・・・・」
男「料理できんのかよ」
女「小麦こねて焼けばなんでもパンだ!!」
男「騎士の私生活といえば・・・でも、お茶会とか洒落た会話なんじゃねえの?」
女「なんだと」
男「なんか、こう、戦闘してないときの騎士の生活って、宮廷とか城とかで暮らしててさ」
女「ふむ」
男「偉いさんの隣で護衛してたり、仲間とレイピアで上品な訓練してたり、噴水のある庭でひと時のお茶会してたりっていうイメージがあるんだが」
女「ない、それがどうかしたか」
男「うわぁ・・・」
女「普段?そうだな・・・・・・武具の手入れ、基礎トレーニング、偉いさんの自慢話に付き合わされる、寝る、以上」
男「ひどい」
女「ふ・・・・・・ステレオタイプの女騎士に、私もなれればよかった・・・・・・だが、そうはならなかった、そうはならなかったんだ・・・」
男「でもさ」
女「なんだ」
男「今、二人で私服で紅茶飲みながら話してるコレ、お茶会だよな」
女「!!!!!!」
女「喋り方が立派な女騎士ですって?まぁ、ご冗談を・・・・・・」
男「いきなり口調をかえるな、気持ち悪い」
女「失礼ですわね・・・・・・これでも名のある家の者。むしろ、こちらの方がいつもの話し方でしてよ?」
男「そうか・・・・・・いやでも、うーん」
女「どうなされたんですか?」
男「普段とのギャップはまだいいさ、うん。女性なんだから」
女「なにか含みのある物言いですわね」
男「いや、ね?そういう言葉は金髪ロングでふりふりの服着てるお嬢様ってイメージがあるじゃないか」
女「あら・・・」
男「私服が悪魔城ドラキュラの月下夜想曲にでてくるリヒターみたいな格好してるヤツに言われるとちょっと・・・しかも、髪短いしおまえ・・・」
女「ハイドロポーンップ!!!」
男「ぎゃああああああ!!やめてえええ!!全画面攻撃はやめてえええ!!」
男「というか、口調かえたところで今度は『姫騎士』っぽくなってしまうぞ」
女「なんだ、そのどうぞ陵辱してくださいと言ってるようなネーミングは」
男「どうせその口調でお上品お上品なんていきなりは無理だろう。いや、気品がないとかそういうのじゃないぞ?」
女「いや、まぁ、そうだな。そうかもしれない」
男「この際、カッコよさに走ればいいじゃないか騎士じゃなくて・・・そうだな・・・『斬鉄姫』とか」
女「なんだ、その右腕が疼きそうなネーミングは。戦乙女に連れて行かれるぞ」
男「あとは、髪の毛銀、鎧も銀とかで白銀のなんちゃらって名乗ってみたり」
女「昼間外に出たら灰になりそうだな」
男「人がせっかく考えてやってんのに、文句しか言わないな。おまえ」
女「そうだな。格好よさか・・・うーん」
男「どうだ、なんか良いのはあるか?」
女「あ、こんなのはどうだ?音速の異名を持t
男「おまえ消されるぞ」
女「趣味?剣術を少々」
男「また色気のない・・・・・・頑固な騎士様の見本だな」
女「なんだと」
男「だいたい、そういうのも女騎士っぽいアレだよな」
女「アレではわからん・・・・・・と、言いたいがうん、アレだな・・・」
男「ステレオタイプの女騎士は偏見と言いながら、しっかり女騎士じゃないか」
女「うるさい、これ以外に妥当な答えが出てこないのだ」
男「ほかになんかないのか、趣味とか、特技とか」
女「うーん・・・・・・弓はまぁまぁ、だと思うし・・・・・・馬だって人よりはうまく乗れるぞ」
男「違う違う、そうじゃない」
女「なんだなんだ」
男「もっと、こう、庶民らしいというか、女の子っぽいアレだよ」
女「甘い物が好きとか、可愛いものがいいとか?嫌いなやつはいないだろう」
男「・・・・・・そこらへんサッパリしてんのも、立派に女騎士だよなあ」
女「おお、あるぞ!!庶民的な、女の子っぽい趣味!!」
男「あはい」
女「風呂だ!!私は風呂が好きだ!!水浴びもいいな!!水泳でもいいぞ!!」
男「はいアウトー!!」
女「なんだと」
男「女騎士でお色気イベントと言えば、風呂場でバッタリとか水浴びシーンを目撃っていうのが王道だろうに」
女「はぁ・・・?風呂場でバッタリとか水浴びしてるの見られるのがお色気になるのか・・・?」
男「え・・・・・・?」
女「・・・・・・い、いや、そういう意味じゃない!!そりゃ裸見られれば恥ずかしいさ、ええ!!でも、その・・・」
男「なんだよ」
女「私の身体に色気なんてあるのか。鍛えてるし、傷跡とか結構あるし・・・」
男「・・・・・・次におまえは胸もないし、と言うだろう」
女「いや、胸はある!!胸はあるぞ!!胸ある!!な?胸はあるって言ってくれえええ!!!」
男「だめだコイツ」
女「よし、ではまず今までの騎士になかった趣味にチャレンジしていくとしよう」
男「だが、和風な盆栽が騎士と合うのか?」
女「和風だからこそいいんじゃないか!!イメージと違うからこそ新しい世界が見えるというものだ」
男「で、どうだ」
女「・・・・・・・・・・」
男「・・・・・・・・・・」
女「・・・・だめだ、地味すぎる・・・」
男「地味だからいい、そんな気もするけどな」
女「いっそ浴衣でも着てみるか」
男「残念、それは騎士王が着ている」
女「ええい、忌々しい!!!そもそもヤツが日本にいる時点で和風もほぼアウトではないかあああ!!」
男「ああ、コラ盆栽蹴んな!!」
女「Bで100%おっぱいか、Fで全部筋肉かだと・・・!?」
男「Bで100%って言ったって、ないもどうぜn
ゴキャ
女「そもそも、胸なんて脂肪の塊だろうに。あんなもの、重いだけだぞ」
男「ぐあああああ!!脳が、脳が揺れ・・・うおおおお・・・・」
女「走ると揺れて疲れるし、あれ自体結構重いから肩もこる!!」
男「じゃあ、ないほうがいいんだな」
女「・・・なくてもいいけど、ないよりあったほうが・・・」
男「なにそのBな意見」
女「そ、そりゃ筋肉はあったほうがいい!!だが、一女性としての見栄えはどうだ、という話だ!」
男「たしかにたわわでぷるんぷるんだと、目は釘付けだな」
女「オヤジかおまえは」
男「まぁ、そういった意味では確かに観賞用と割り切るのもアリなのかもな」
女「だろう?騎士たるもの、まずは戦闘ありきだ!」
男「で、おまえの胸は?」
女「む、胸はあると言っているだろう!!」
男「そういえば、騎士の会議とかって何やってんだ?」
女「ふむ?別に面白いことはないぞ?今回の予算はこれだけだから武具の支給は見送りとか、どこどこの集落に山賊が出るから誰か討伐にいってこいとか」
男「ドラゴンとか倒しにいかないのか」
女「嫌だよ、私は死にたくない。死んでから称えられる英雄になんの意味がある」
男「うわぁ・・・」
女「貴族が集まる会合はもっとひどいぞ。あれはただの罵倒合戦だ」
男「そんなにひどいのか」
女「最近どこも不作でな・・・・・・領主も稼ぎがなくて機嫌が悪いのさ。まぁ、相手を貶さないと気も紛れんのだろうね」
男「きっと、その背後には魔王の影が・・・」
女「そんなもの勇者にやらせておけ。私はこうやって紅茶を飲んでいるほうが幸せでいいよ」
男「女騎士たるもの、平和は守るものだろう」
女「国民は守るが、貴族様のお守りはちょっと・・・」
男「おまえは誰に忠誠を誓っているんだ・・・」
女「おい」
男「今度はなんだ」
女「私のことはだいたい話しただろう」
男「いやぜんぜん。スリーサイズとか、鎧の下は裸なのかスパッツとかなのかとか、聞いてません」
女「気付いたら貴様は私の部下として隣にいたが、いったいおまえはどこの馬の骨だ」
男「おいおい・・・俺が貴族様や王族の人間に見えるか?」
女「まぁ、ないな。平民の生まれか」
男「そりゃ平民ですとも。おまえの邸宅守ってる騎士団の鎧がカッコいいから志願したんだよ」
女「そんな理由か、おいそんな下らん理由か!」
男「おい、下らないとはなんだ!!男・・・いや、漢にとって格好よさってのは生き甲斐、いや浪漫なんだぞ!!」
女「というか貴様、私の部下なら敬語を使わんか!!」
男「かしこまりました。これでよろしいでしょうか?」
女「・・・・・・だめだ、気持ち悪い。やっぱり普通でいい」
男「ああ、最初あった時も同じこと言われたよ」
女「ふむ」
男「なんだ、憂鬱そうに・・・ますますヒロインじみてきたぞ」
女「平和なのは良いことだが、最近こうやっておまえと紅茶ばかりを飲んでいるのは不健康だな、と」
男「陽の当たるテラスでお茶なんて上品で健康的じゃあないか」
女「乱世とはよくいってな。昨日まで仲がよかった領主同士が下らんことで決闘するのも珍しくないご時世だ。その逆も然り」
男「あはい」
女「そんなこんなで敵対していた勢力がコロっと友好的になってな。王が言うにはこの辺はしばらく安泰らしい」
男「そんなにくすぶっているなら、モンスターでも狩ればいいだろう」
女「モンスターとはいえ、友好的であるなら剣は鞘に収めるべきだろう」
男「へんなとこで騎士だな」
女「騎士道とは慈愛と自己犠牲だよ」
男「じゃあ、メイドさんと一緒に掃除でもどうだ」
女「・・・・・・わ、私にはあの服は似合わないだろう・・・」
男「いや、誰も着ろとは言ってない」
女「街にでてみたぞ!」
男「お忍びで散歩っていうのも騎士様の娯楽だな」
女「しかし、やはり人の視線は気になるな」
男「そりゃそうだ。よりにもよってなんでメイド服なんて着て出てきたんだ」
女「しょ、庶民的な服がこれしかなかったんだ!!」
男「庶民的なメイドは腰にレイピアはぶら下げないです」
女「ぶ、武器もなしに外を出歩けるか!!」
男「怖くないよ、世界は怖くないよ!!」
女「おまえだって背中に剣背負ったままだろうに」
男「俺はいつも背負ってるし・・・平民の出だから、ここらは顔なじみだし・・・」
女「・・・おい、ということはまさか」
友「おお、男じゃねえか久しぶりだな!!うお、なんだそのメイドさん!!まさか・・・」
男「ああ、うわさの騎士s
女「彼女です」
男「え?」
女「彼女です」
友「彼女だとおおお!!!」
「なんだとお!?野郎、よりにもよってメイドさん口説きやがっただと!?」
「出世したなぁ、おい・・・」
「おいどけ、見えねえ!!」
「うーん、なんか引き締まった身体のメイドさんじゃのう・・・騎士様の護衛でもしとるんか?」
「なんだいなんだいこの人だかりは!!どいてちょうだい!!」
男「いやぁ、地元はいいものですなぁ」
女「よ、よくはない!!なんだこの惨状は!!貧民街で小銭せびられるよりも質が悪いぞ!!」
男「いや、いっぱしの平民が騎士様の下で働けるなんて大出世じゃないですか。しかもそのあと彼女できちゃいましたーとか・・そりゃ話題にされますよ」
女「ええい、咄嗟の選択ぬかったか!!下がれ平民ども、クソ、ぬああああ!!動けぬ!」
男(本当は正体知ってるけど黙ってる人々のなんて善良なことか)
女「って、キャアアア!!!どさくさに紛れてスカートに入り込むな小僧!!そこに直れ、切り捨ててやる!!」
男(まぁ、バレバレなんですけど)
女「ひどい目にあった」
男「左様で」
女「しかしあの婦人、リンゴをくれるはありがたいのだがバスケットに一杯だなんて、どう処分すればよいのだ」
男「紅茶のお供にパイでも作ればいいじゃないか」
女「自慢じゃないが私は料理は苦手だ。できないことはないが大雑把でな。肉を焼くのだけは得意なのだが」
男「ああ、騎士様のパイが食べとうございます!!」
女「まぁ、善処しておこう」
男「しかし何故咄嗟に彼女だなんて言ったんだ」
女「男女が二人で街歩いているんだ、それが妥当な返答ではないか?」
男「メイド服着てるんだから、別に買出しでいいじゃないか」
女「む、なるほど。しかし、食ってかかるやるだな。私が彼女では不服か、ええ?」
男「大変光栄ですが、私めのような平民には身に余るお言葉でございます」
女「気にするな。今はお互い平民だ」
男「そうか、ならお付き合いしても問題ないな」
男女「「・・・あ、あれ・・・」」
女「さて、健康に悪そうな露天の食い物を腹にたらふく詰めこみ、場末の酒場で安酒をたんまりといただいたわけだが」
男「たいちょう、ぼく、もうだめです。ははに、ゆりを・・ははに、ははがすきだったゆりのはなを・・」
女「なんだ、もう限界か。夜はまだ長いというのにだらしない。それでも私の邸宅の騎士団か」
男「いや・・・俺は騎士団からおまえの部下に左遷されたわけだが」
女「ほう・・・左遷とは気の毒だなぁ?ええ?いい度胸をしているな、貴様。さて、次の店に往くぞ」
男「大出世でございます!!騎士様万歳!!」
女「冗談だ。屋敷を長く空けるのはよろしくないな。そろそろ帰ろうか」
男「うえっぷ・・・なんで・・・あんなにのめるんだ・・・」
女「私だ。帰ったぞ。門を開けてくれ」
警護兵「失礼ですが、どちら様でしょうか・・・?来客の予定は聞いていなかったのですが・・・」
____
/_ノ ヽ、_\. ━━┓┃┃
,. -- 、, o゚((●)) ((●))゚o ┃ ━━━━━━━━
,―<,__ ヽ::::⌒(__人__)⌒::::: \ ┃ ┃┃┃
/ ヽ ゝ'゚ ≦ 三 ゚。 ゚ ┛
__| }。≧ 三 ==-
/ ヽ, / { -ァ, ≧=- 。 ←男
{ Y----‐┬´ 、レ,、 >三 。゚ ・ ゚
/'、 ヽ |ー´ ヽ`Vヾ ヾ ≧
.{ ヽ ヽ lヽ_!´ ヽ。・イハ 、、 `ミ 。 ゚ 。 ・
', ヽ ヽ ,/ }
ヽ ヽ 、,__./ __/
\ ヽ__/,' _ /
\__.'! 〈 _, '
 ̄
女「うむ、月を見ながらの紅茶というのも、いいものだ」
男「あの、テラスからフルボッコにされた青年が吊るされてるんですが、あれは新しいインテリアか何かですか?」
女「野蛮なオブジェクトもたまには悪くはないだろう。なぁに、翌朝には仕事に戻れるさ」
男「で、いつまでメイド服着てるんだ」
女「そういえばそうだった。女中に返さないとな。ほれ、着替えるから出て行け」
男「はいはい」
女「・・・いや、待て」
男「なんでしょうか騎士様。背中のボタンが外せないから脱がすのを手伝えというのなら、メイドにどうぞ」
女「いや・・・その・・・無断で借りてきたんだ・・・この服・・・」
男「騎士様なんだから我が物顔でいいじゃないか」
女「き、騎士がメイド服着て遊んでたなどと、恥ずかしくて言えるか!!」
男「いまさら何を言っているのだね、君は」
女「いや、ボタン三つだけだ!!三つ外すだけの簡単な仕事じゃないか!!た、助けてくれ!!」
女「ね、簡単でしょ?」
男「まぁ、こんなんでイベントが発生したらそれこそヒロイン街道だからな」
女「よくあるイベントが着替える→傷だらけだね・・・→朝の日差しだが、ふ・・・そんな程度で雰囲気が変わったら苦労はしない」
男「着替えてる最中にすっころぶ→押し倒す→朝帰りもあるがな。もう離れたんでその心配もない」
女「うむ、よく訓練されているな。とりあえずそこの椅子にかけてあるシャツを取ってくれ」
男「へいへい」
女「すまんな、この紐がちょっと・・・ん・・?」
男「ん?」
女「って、いつまで部屋にいるんだこの破廉恥野郎め!!騎士の着替えを覗くとは斬刑に処してほしいようだな、おい!!」
男「着替え終わってから何を言ってやがるんだおまえは!!いや、待て、とりあえず剣はしまえ。な?」
女「貴様に選択肢をやろう・・・戦って死ぬか、素直に殺されるか、自害するかだ」
男「あれー!!!?生存権は!!?」
女「なんだかんだいいつつ、剣を抜いたな?いいぞ、それでこそ私の従者だ」
男「いや、これは身体が勝手に、ひいいいい!!!?」
ドスン、バタン、ドン、ドン!!
父「ほぉーう。娘も男を部屋に連れ込んでベッドで跳ねる歳になったか・・・相手は誰だ、あの従者か」
母「まぁ、あなた・・・そういうことは無言で気付かないふりをするのが親の優しさですよ。昔はあなたもすごかったじゃないですか・・・」
父「昔は若かった・・・」
男「はぁはぁ・・・」
女「ぜーぜー・・・・・・」
男「お、落ち着いたか?」
女「・・・・・・・・・えっち」
男「何を言う、何を言う」
女「剣を返した時に、私の服を裂いただろう・・・そうか、そういう趣味か・・・(///)」
男「じ、事故です!!騎士様!!」
女「見てみろこの格好、スカートは裂けて下着が見えてしまっているし、胸のボタンを飛ばされたおかげで押さえないと胸が見えてしまう
・・・変態さんめ。乱暴なのが好みか」
男「いや、それを解説するおまえも相当な変態かと。というかあの、俺もボロボロでして」
メイド「あの、失礼しますね。私のメイド服が見当たらないのですが、もしかして『また』持ち出しちゃったりしてますか?」
女「・・・・・・・・・」
男「・・・・・・・・・」
メイド「・・・・・・キャ、失礼しました(///)」
男「お、おわった・・・orz」(絶対にこれは勘違いされた、これは俺の首が物理的に飛ぶ・・・!!)
女「お、おわった・・・orz」(メイド服持ち出したのがバレた・・・いや、バレてた・・・!!しかも、何度か持ち出されたのもバレてる・・・!!)
女「うわああああああ!!!おまえのせいだあああ!!!くそおお!!死んでしまえええ!!」
男「いやだあああああ!!殺されるぐらいなら、せめておまえに復讐してやるううう!!!」
ドスン、バタン、ドン、ドン!!
父「二戦目か・・・」
母「まぁ・・・(///)」
チュンチュン・・・
女「ふ・・・着替えでイベントが起きて朝帰りか・・・」
男「あぁ・・・朝日が眩しいぜ・・・」
女「おまえ本気で殴っただろう」
男「ああ、本気で殴られたからな」
女「まだ痛いぞ」
男「俺も痛い」
女「平民上がりがやるじゃないか・・・」
男「さすが騎士様だ、鍛えてるな。あの左は一瞬意識が飛んだよ」
女「しかし、なんだ。どうしようか」
男「俺に言わないでくれ」
女「台風が来たような室内で下着姿の男女が傷だらけになって朝日を眺めてるっていうのは、どう言い訳すればいいと思う?」
男「とりあえずテラスで紅茶を飲めばいいんじゃないか?」
女「何も言われなかったのが、逆に怖いのだが」
男「察したのか、触れるべからずかは知らないが、いいじゃないか」
女「そうだな。こうしてお茶が飲める」
男「騎士様なんだからもっとこう、堂々としろよ」
女「騎士だからこそ体面は気にするものだ」
男「そんなもんですか」
女「して、変なことを聞くが」
男「なんでしょうか」
女「私の裸を見ても欲情しなかったのか」
男「欲情する前に死を覚悟しました」
女「なるほど、やはり戦闘には色気は不要だな」
男「いや、色気はあるよ?」
女「ほう」
男「そういうとこ、可愛いじゃないか」
女「・・・・・・そういう台詞はボタン外した時に言ええええ!!!」
女「さて、この大量のリンゴを処分しようと厨房に立っているわけだが」
メイド「あら騎士様、お料理でしたら私が・・・」
女「いや、私がする」
メイド「はぁ・・でも騎士様はお料理は・・・」
女「いや、絶対私が作る(キリ
メイド「そうですか」
女「さて、リンゴを切るわけだが」
メイド「騎士様、斧を使ったらリンゴが砕けてしまいます」
女「そ、そうか・・・・・・では・・」
メイド「鋸なんてどこから持ってきたんですか。包丁です。包丁を使ってください」
女「く、家庭の厨房だと勝手がわからん・・・!!包丁か、包丁だな!! き、切りにくいぞ・・・」
メイド「包丁は逆手で使うものじゃありません」
女「こうか、こう・・おお!!うおおお!!切れる!!すっごい切れるぞこれ!!いいな、一本護身用にh
メイド「素直にダガーでも持っててください」
メイド「ああ、リンゴの皮をむいてないじゃないですか・・・」
女「皮?切ったあとでいいじゃないか」
メイド「こういう風に剥くんです」
女「な・・・なんだ・・・その技は・・・皮が全部繋がってる・・・だと・・・」
メイド「・・・失礼ですが騎士様、戦場でどんな料理をしてたんですか?」
女「え?そこらで獲ってきた動物をブツ切りにして香辛料ぶっかけて焼く。あ、ちゃんと血は抜くぞ」
メイド「それは料理とは呼べません・・・」
女「なん・・・だと・・・う、うまいんだぞ!?仲間もみんなかぶりつくウマさだぞ!!ウルトラ上手に焼けるのだぞ!!」
メイド「・・・・・・もう、そこで見ていてください」
女「次はなんだ、パイ生地か。バターとええと・・」
メイド「聞けよ」
女「クソ・・・ええと、砂糖とシナモンとバターを加えて・・・弱火でリンゴを煮る・・・弱火、だな」
メイド「最大火力です」
女「こんな火力じゃぜんぜん熱が」
メイド「・・・・・・」
女「・・・・・・はい」
男「腹減ったななぁ・・・メイドさん、ちょっと厨房借りますね」
女「フ・・・今アップルパイ作ってるからな、期待しておくといい」
男「パイだと!?しかもアップリとな!? うっひょーwww間食は控えめにしておくか・・・ふんふーん♪」
女「チャーハンだと・・・・しかも・・・なんか・・・鍋の上で・・・米が踊っている・・・!!」
男「え?」
女「負けん!!負けんぞ!!貴様ごときに私が負けていいはずがない!!うおおおおお!!!」
メイド「だから最大火力にしても料理は完成しません」
女「くそ・・・舞踏会での社交なら刃物を自在に操れるというのに、ダンスだって、それなりにうまいのだぞ、私は・・・」
メイド「人には向き不向きがあるものです」
女「や、やっぱり、向いてない・・・のかなぁ・・・」
メイド「長所を鍛錬で伸ばすか、短所を気合補うか。騎士様は前者だったのです悪いことではありません。あ、パイ生地は丁寧にしないと敗れますよ」
女「そ、そうか・・・そうだな。私だってこの剣で享楽者の両親の代わりに武勲を挙げてきたんだ、料理が少し苦手でも・・・」
メイド「まぁ、短所を放置していたツケが今きただけです」
女「ぐうう!!くそ、さっきから好きなように言ってくれる・・・貴様、そもそも女中の分際で」
キラッ
メイド「なにか?」
女「ハハ・・・女中の握った包丁が死神の鎌に見えるなんて・・・私、疲れてるんだな」
メイド「では少々お休みになられたほうが」
女「やだ。料理作る」
メイド「そうですか」
女「ふ・・・よう、お茶はあるか、あるな」
男「ど、どうした・・・顔色が悪いぞ・・・」
女「まぁ、食え」
男「お、アップルパイできたのか。ありがたくいただきます」
女「・・・・・・・・・」
男「むぐ・・・ん?どうした?」
女「・・・味は?」
男「うん?いいじゃないか、美味いぞ?シナモン多めか。結構好みだ」
女「そうか・・・うまいと言ってくれるなら作った甲斐があるものだよ」
男「味見したのか?おまえも食ってみろよ・・・って」
女「くー・・・すぴー・・・・・・」
男「・・・・・・」
メイド「不器用ですね」
男「みてくれはな。でも美味いぞ?」
メイド「あなたはもっと聡明になったほうがよろしいかと」
女「しかし、このパイ」
男「お、目が覚めたか・・・残しておいたんだが、すっかり冷えちまったよ」
女「どうも、みてくれが悪いな」
男「いいだろ、饗宴に出すわけでもなし・・・おいしいんだからそれで十分だ」
女「そう言ってくれるとありがたい・・・うん、我ながらなかなかの味だ」
男「確かに大雑把だけど料理できるんだな」
女「さすがにこれくらいできなければな。騎士である前に一人の女性としての嗜みだ」
メイド「嗜みというのならば、厨房の片付けをしてほしいものです」
女「なんだ、空気を読め空気を。ゆったりとした午後のひと時に水を差すんじゃない」
キラッ、
女「そうだな。片付けるまでが料理だ。騎士たるもの、人に模範を示さねば」
男「今、鎌が見えたようn
メイド「お疲れのようですね、ハーブティーでもいかがでしょうか」
女「そうか、私は騎士だからこそ武勲や剣術が大切だと思っていたが、それは違うのだな」
男「何を突然」
女「騎士、というのは心の在り方なんだ。力や武勲・・・光を浴びるとは限らないものなんだ」
男「お、なんか良いことを言うじゃないか」
女「慈愛の心を持ち、人に手を差し伸べる。それは無償であって、人の笑顔のためだ」
男「騎士道だな」
女「ああ、だからこんな厨房の掃除も・・・そう、騎士としての慈愛と奉仕の心があるなら、できて当然だと思わないか?」
男「だが、プライドを捨てることとはまた違うぞ。騎士とは誇り高くあれ、だ」
女「いや、やはりまずは初心に帰って誰でもできることからだな」
メイド「口より手を動かしてください。せっかくだからあとでお風呂のカビ取りもしましょうか」
女「風呂!!?風呂は管轄外だろう!!」
男「いや、ていうか俺は無関係でして」
キラッ
女「そうだな。私はよく風呂にはいる。自分のものは自分で綺麗にするのが常識だ」
男「この人絶対メイドじゃない。この人絶対普通のメイドじゃない。だって足音しないもん、気配もないし・・・ブツブツ」
女「む、武器の手入れか」
男「長いこと使ってるからな。ちゃんと手入れしてやらんと」
女「そんな重剣、よく携帯する気になるものだな」
男「いや、俺がここに働くことが決まったときに鍛冶屋のじいちゃんが祝いじゃああ!!って勢いで大剣作ってな」
女「いまどき珍しいな、粋じゃないか」
男「せっかく作ってくれたんだから、大事にしないとな」
女「ふむ・・・ちょうどいい、私の剣の手入れも頼まれてはくれないか」
男「お安い御用で。しっかし高そうなレイピアだよなぁ・・・重量バランスは完璧だし、装飾も立派だし。ヒルトだって綺麗な真鍮で・・・」
女「おまえもしかして・・・武器オタクというやつか?」
男「そ、そんなことはないと・・・思いたい」
女「それは私が初めて敵大将を討ち取った時に作られたものだ」
男「由緒ある品なんだな」
女「ああ、その後どんなに武勲を挙げても、そのときほどは誰も喜んではくれなかったがな」
男「悲しいこと、いうなよ」
女「悲しいじゃないか、やっぱり」
男「なぁ・・・やっぱさ、女性だからって差別とかされるのか?」
女「それはそうだろう。どこに行ったって、異端なら叩かれるだろう?もうすっかり慣れたがな」
男「俺もこっち来たばっかの時は平民平民って色んな貴族様にいじられたもんだわ」
女「戦線の兵士達はもっとひどいぞ。武勲も男を寝取って譲ってもらったのだろうとか、今ある地位も貴族に身体を売ったのだろうともな」
男「これはひどい・・・乱暴とかされなかったのか?」
女「身を守るのも、女の嗜みとしてだな。そこらへんの雑兵になぶられるほど弱くはないよ」
男「何か素手で身を守るような技術も持ってるのか?」
女「東洋の神秘、ジュードーとアイキドーを少々」
男「その発音に何故か一抹の不安を感じるのだが」
女「なんだ、疑ってるならかかってくるがいい。ヒデンアーツのチキュースロウをお見舞いしてやろう」
メイド「護身なんて、針一本で十分です」
女「・・・・・・」
男「・・・・・・」
女「ふう・・・」
男「王様の謁見も、こうは言っちゃあなんだが、肩が凝るねえ」
女「まぁな。私は堅苦しい儀礼服でいいが、おまえは板金鎧を身にまといさぞかし暑いだろうな」
男「いっそ、俺も儀礼用の衣装調達してもらうかな」
女「まぁ、私の従者であるのだから構わないと思うがな。だが、儀礼服にその粗末な剣が似合うかと言われると答えは否だな」
男「うーん、なんか窮屈そうだしなあ、そういう服」
女「実際、きついぞ・・・サイズはギリギリで作ってある上に見てみろ、このきついコルセット。拘束具でもあるまいし・・・」
男「もっとゆったりとしたのに変えてもらえよ。最近はそういうのもアリなんだろう?というか自室とはいえ、服めくってコルセット見せるな、女の子でしょ!」
女「やかましい!!こればっかりは人の手を借りんと外せないのだ、さっさとなんとかしてくれ!!窒息しそうなんだ・・・」
男「うお!!なんぞこれ、馬鹿じゃねーの!?なんでこんなに締め付けてんだ・・・いや、ウエスト細いのが綺麗なのはわかるけどさ、これはひどい」
女「あー・・・生き返った・・・窮屈だよ、本当に。私も次からは鎧で行こうか・・・」
男「うええ・・・かったいなーこれ・・・貴族様の女ってみんなこういうもんつけてんのか・・・?」
メイド「意外と使えるんですよ、コルセットって」
女「聞くなよ、何に使えるかとか、絶対に聞くんじゃないぞ」
男「ああ、聞くもんか。寿命を縮ませたくはない」
メイド「失礼ですね。私は普通のメイドですよ」
女「普通のメイドは無拍子なんてしない!!」
メイド「何か勘違いをなされているようですから、ご説明しますが・・・暗殺というものは忍び込んで一閃なんてものではありませんよ?」
女「いや絶対嘘だ。一瞬で背後に移動したり、影から影にワープしたりするだろ絶対」
男「絶対ピアノ線で吊り上げてピーンとか、100m先から投げナイフでシュパ!!とかしてる」
メイド「・・・・・・だいたい、毒物ですね。食事や水にまぜたり・・・暗殺と悟らせないことがそもそも暗殺なのです。
服装も皆様の考えている黒装束ではなく、一般の行商人や町人の格好ですよ」
女「え?身を翻して一瞬で着替えるとかは?」
男「口元もスカーフで隠して月をバックに闇を駆けるんじゃねーの?」
メイド「そうしなければならないのであれば、夜間に黒衣で活動しますが、人通りが少ない分、逆に目立つというものです」
女「いや、まぁ・・・確かに不審ではあるか」
メイド「相手の屋敷や城に忍び込むというのは、さらに危険です。多くの人間がいるからばれないと思いきや、案外知らない顔はわかってしまうものです。
要人の身辺ならそれは尚更。知らないものを付き人にするはずもなく、私室に入る者も限られているでしょう。夜間なら特に、です。
真面目な話、要人が暗殺されたとなれば、それは八割方身内の仕業でしょうね。あるいは、それに近いものの仕業かと」
女「ほえー」
男「へぇー」
メイド「まぁ、最初に言いましたが暗殺と悟らせないことが暗殺なのです。如何に外傷なく、違和感なく事故死や自殺に見せるか。
それが一番難しいと言っても過言ではありません。威圧目的で明らかな他殺として活動することもありますが、
それはあまりに特殊な条件での話です・・・で、何故おふたりは正座してらっしゃるのでしょう」
女「いや、その・・・なんとなく」
男「そんなことより、なんでそんなに詳しいんだ、アンタ・・・」
女「やめろ!!消されるぞ!!」
メイド「ですから、私は普通のメイドです」
女「普通のメイドは飛んでいる蜂を針で打ち落とすような真似はできん!!」
女「ふう、私もまだまだだな」
男「なんかやけにボロボロじゃないか、どうしたんだ」
女「このところ鈍っていたんで騎士団長に稽古をつけてもらったのさ。私も青いな。片手でボロボロにされてしまったよ」
男「騎士団長って、あの初老の変態紳士・・・じゃなかった、気品のある物越しのおっさんか」
女「箒をもって笑ってな。『さぁ、かかってこい若いの、爺さんはどこにも逃げんぞ』だそうだ」
男「端から見ればボケてんな」
女「ああ、だがベラボウに強いぞ。まず棒立ちなようで隙がない。一歩前へ、出れないんだ」
男「構えからして完璧か。それはきついな」
女「しかもジリジリと不動で動くんだ。わかるか?足先のわずか動きでじりじりと動くものだから、攻めようにもタイミングを計れん」
男「結果、こちらは無謀な攻撃に出なければならん、か」
女「そういうことだ。まったく、メイドといい団長といい、おまえといい・・・厄介な連中ばかりいるな、この屋敷は」
男「俺はひよっこだと思うがねえ」
女「そんな大剣振り回されれば踏み込んだところで、こちらも無事ではすまんだろう」
男「そんなもんか」
女「せめて、誰かを守る前に自分の尻ぐらい自分で守りたいが・・・ふ・・・精進が足りんな」
男「尻、ねえ・・・」
女「なんだ、欲求不満か?」
男(おまえの背中は俺が護るって言えるぐらい強くなりたいもんだ)
メイド「今日の夜食はシチューが良いと、伯爵様がおっしゃられましたので厨房に来てみれば、なんですかこれは。なんですか」
女「くそう・・・無理なのか・・・!!私に料理は無理なのか・・・!!?」
メイド「まず散らかさないように食材を切ることからはじめたらよろしいかと」
女「ッツ!!くそう・・・また指を切ってしまった・・・みてくれ、この血まみれのにんじん」
メイド「黒魔術の儀式にでも使うのですか?野菜を切るときに添える手は、指を曲げておくべきです」
女「あう・・・滑るんだよなあ・・・」
メイド「・・・・・・そこの棚からジャガイモとブロッコリーを」
女「?」
メイド「騎士様には失礼な申し出と存じておりますが、夜食の準備を手伝っていただけますか?」
女「!!!! い、いいですとも!!」
父「・・・・・・イイハナシダナー・・・・・」
男「そういえば・・・おまえはなんか必殺技とかないのか?」
女「うん?だからヒデンアーツのチキュースルーがだな」
男「いや、そうじゃなくってさ、こう剣からビームだしたり、宇宙空間から隕石を呼び寄せたり、大気中の水分を凍りつかせたり」
女「おまえも私も残念ながら魔法の素養はゼロだし、そんなものない・・・いや、あるにはあるが・・・」
男「なんだと」
女「ちょっと庭を見ていろ」
男「伯爵夫妻がいい歳こいて噴水でキャッキャウフフしてます」
女「ガイガーカウンターが反応している。見るんじゃない・・・見るのはこっちだ・・・ふー・・・」
女「ゼェリャァァァァァァァ!!!」
ズオオオ!!ギャーーーン!!
男「なんだ今のおい!!なんだ、え?かまいたち!?えええ!!?」
女「ぜー・・・・ぜー・・・しゃ、射程はおおよそ15m・・・かまいたちとまではいかんが・・・射程内であれば剣圧で・・・重騎兵でも吹き飛ばすことができる・・・」
男「ほー・・・」
女「だ・・・だが・・所詮この程度・・・飛んで槍を投げたり、光の雨とかは・・・ぜーぜー・・・・む、無理だ・・・」
男「いや、すげえ!!これはカッコいいぞ!!さすが騎士様じゃないか!!」
メイド「・・・伯爵様は13歳で会得したと言われていますが」
女「ぐふぅ!!」
男「おまえは鬼かッ!!」
女「おまえは何かないのか、必殺技。男ならば一度はあこがれるものではないのか?」
男「・・・ないな。ただこう、闇雲に剣を振るうだけだったしなぁ・・・あったとしても、一発に頼るってのもねぇ・・・」
女「男で大剣というナイスな土台があるんだ、活かすべきではないか?」
男「ああ、いいねぇ。ファイナリティブラストォ!!とかやっていたいけどねぇ」
女「よし、何かいい案はないか聞いてみようじゃないか」
男「誰にだよ・・・」
女「たとえばほら・・・」
メイド「・・・・」
ハエ「ブーンwwwwwブーンwwwwww」
シュッ!!(手を払っただけで数m先のハエが散る)
男「やめとこう、基礎習得だけで10年は帰ってくれない予感がする」
女「どうみても元暗殺者じゃないか、彼女・・・」
女「さて、こんなお茶会も日常化してしまったわけだが」
男「いいんじゃないか?実戦がないのなら、騎士とはいえ儀礼じみた出番しかないんだ」
メイド「無償の食事はおいしいものですからね」
女「おい、一応私はこの屋敷の娘なんだが」
メイド「・・・」じぃ~・・・
男「すみません、何もやってなくてすみません」
女「しかし、メイドなのに無愛想なのはいかんな。少し笑ってみたらどうだ?」
男「そうだよ、元はいいんだから笑顔とかいい感じになるだろう」
メイド「笑顔・・・そうですね、こうですか?」(ニコっ
女「・・・・・・なんでそんな不敵な笑みなんだ・・もっとこう、単純に笑ってみせろ」
男「どっかで見たぞ、こんな笑み・・・トランク持ってオレンジな服の・・・例のホラ、ぱ
スカン!!
男「気のせいだ、うん気のせいだな」
女「・・・絶対暗器が山ほど仕込まれてる・・・絶対にあの服、総重量20kgとかあるだろう・・・!!」
女「ぬ、ゴキブリか・・・どれ、おいそこの新聞紙をよこせ」
男「あいよ・・・いや待て、この新聞はまだ伯爵が読んでないな、昨日の夕刊を・・・」
ドカカカカカカカッカカカカカカカ!!!!!
メイド「・・・・・・チッ」
男「なぁ、この壁をみてくれ。こいつをどう思う?」
女「すごく・・・・・・フォークです・・・」
男「あはは、おかしいなぁ。なんか瞬きする間に壁一面がフォークだらけだよ」
女「何を言ってるんだ・・・・・・まぁ、疲れているならしょうがない。ハーブティーでもどうだ?」
男「ああ・・・落ち着くなぁ・・・」
女「倒れては困る。私にはおまえが必要だ・・・」
男「倒れないよ・・・俺は、おまえの
ドカカカカカカカカカカカカ!!!!
メイド「・・・・・・・・・ちょこまかと・・・・・・」
女「すごいな、スプーンやオタマって壁に刺さるものなのか」
男「すげえ、あのメイド落ちながら戦ってるぜ・・・」
女「城下では最近人攫いが出没するらしいな」
男「ああ、女の子ばっか狙うっていうアレか」
女「ウチで働くメイド達が心配だよ」
男「なんなら帰る時に俺がついていこうか?」
女「それもいいな。せっかくだ私も行くとしよう」
メイド「いえ、私がついておりますので」
男「安心だな」
女「ああ、安心だ」
メイド「一応、私も若い女性なのですが」
女「ああ、人攫いには気をつけろ。手加減しなくていいからな」
メイド「何故そこで大船に乗ったような顔をされるのかは、疑問です」
男「なんだ、やっぱり夜道は不安なのか?やっぱり俺が」
メイド「いえ・・・どちらかというと、夜の方が落ち着きます。あなたは騎士様の従者なのですから騎士様のおそばに」
男「あはい」
メイド「それでは皆を送ってきますね」
女「なぁ、いまスカートの端から剣の鞘のようなものが見えなかったか?」
男「・・・・きっとガーターだよ」
女「・・・・袖とか、服がゴツゴツしてたと思わないか?」
男「・・・・きっと中に何か着込んでるんだよ。最近冷えるから」
女「・・・・・・今宵は新月か」
男「・・・・・・戸締りに注意しましょう」
女「しかし不安だから私自らが城下をパトロールだ」
男「そういう行動自体がなにかしらの不吉なフラグな気がしないでもない」
女「しかし深夜とはいえ活気があるじゃないか。そこらの酒場も営業中だし、露天も多いぞ」
男「期待されてるらしいので彼も連れてきたぞ」
ゴブ「(゚∀゚)」
女「なんだ、その鎧気に入ったのか」
男「まだそのネタを引っ張るか」
女「いいか、鎧というのはだな」
男「そのネタはもういい」
女「して・・・」
男「なんだ」
女「ここは、どこだ?」
男「(゚д゚)」
ゴブ「(゚д゚)」
男「貧民街のド真ん中ですが何か」
女「ほほう犯罪者のすくつか」
男「巣窟ぐらい言えるようになってください」
女「危険なにおいがプンプンするではないか・・・こういうところに悪党はいるものだ」
「・・・・・・ひもじいのです・・・お恵みを・・・」
女「なんだ、物乞いか?」
「お恵みを・・・・ひもじいのです・・・・・・・」
男「おっさん大丈夫か?フラフラじゃないか・・・」
女「なんだ、善良な市民に失礼だぞ。悪いな、今はこれしかないんだ。だがしのぐことはできるだろう」
「ありがたや・・・ありがたや・・・・・・これでおまんまにありつけます」
男「おいおい・・・だいじょうぶか・・・?王立の診療所は無料だから寄るだけでも・・・」
「ありがたや・・・ありがたや・・・・・・これでおまんまにありつけます」
男「・・・・・・・だめ、か。行こうか騎士様」
ザァ・・・・・・
男「・・・・おーい騎士様ー」
男「おい、おっさん。ウチの騎士様をだな・・・って」
男「・・・・・・・・・・・・・・これはまずい」
男「いつの間にやらゴブもいねえ、騎士様はどこに行ったんだか・・・」
男「おーい!!騎士様どこいったおーい!!」
「うるっせーな!!何時だと思ってやがるバーロー!!」
男「オイコラ、あっぶね!!ビンなんか投げんじゃねー!!こちとら非常事態なんだよ!!」
「また人攫いかー?いいねぇ、貴族様なんてみーんなさらわれちまえよwwwwwwww」
男「ピッチャー振りかぶって投げましたぁぁぁぁ!!!」
「ぐばあああああ!!!」
メイド「デッドボール。バッター一塁へ」
男「ぎゃあああああああああああ!!!」
メイド「耳元で叫ばないでください」
男「じゃあいきなり背後に現れるな!!!」
メイド「私が暗殺者でしたら今ので5回は死んでますよ」
男「やめて冗談になってない」
メイド「いえ、私はメイドですから暗殺はしません」
男「暗殺は?暗殺『は』なの?」
メイド「で、騎士様とオマケはどこに?」
男「・・・・・・・( ゚д゚)」
メイド「それでも従者ですか」
男「それが・・・一瞬で消えてしまってなぁ・・・どこに行っちまったのやら・・・」
メイド「さらわれましたか」
男「そうとは決まってないと信じたいたいが、フラグ的にどう考えてもさらわれましたね、はい」
メイド「あなたには、危機感が足りません。おまけに鈍いというのも末期ですね」
男「いや、気付いてるよ・・・俺だって、騎士様は好きだ。でもな、身分というものがですね」
メイド「・・・・・・」
男「・・・・・・」
メイド「とりあえず騎士様を探しましょうか。その剣、飾りではないでしょうね」
男「・・・・・・さぁねえ。しばらくヒトは斬ってないからわからんな」
女「うーん・・・・・・」
ゴブ「(゚皿゚)」
女「なんだ・・・ああ、男か・・・うーん・・・夜這いか・・・いいぞ一向に構わん・・うーん・・・・・」
ゴブ「(゚O゚)」
女「やめろ・・・・ばか・・・・この変態さんめ・・・(///)」
「おおお・・・魔王様・・・今宵も生贄を捧げまする・・・我らに力を・・・・」
「うおおおお!!魔王様バンザーイ!!うおおおお!!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
にゅるんにゅるん
(迫りくる触手の群れ)
メイド「遅すぎます」
男「おまえが速すぎるッ!!!!本当にメイドかアンタ!!!」
メイド「メイドです。それ以上でも以下でもありません。名も無きメイド一号です」
男「ぜー・・・ぜー・・・で、なんか目星はついてんのか?」
メイド「だいたい三箇所は」
男「ついてんのかい!!!」
メイド「その内二箇所は外れでしたが、親切な人が残りの一箇所を教えてくれまして」
男「・・・絶対無理やり吐かせた絶対怖いことした」
メイド「怪我はさせてませんよ」
男「怪我してないほうが逆にむしろ怖いわ!!!」
メイド「魔界からよくないものを引っ張ってこようとする邪教が城下の地下にあってですね」
男「都合いい。都合いいなおい」
メイド「なんでも生贄とか乱交で魔力集めとかしてたそうです」
男「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
メイド「速く走れるなら、最初からその速度で走ってください」
女「で、なんで目が覚めたら私は半裸なんだ、おい」
「貴様は今宵、魔王様の生贄となるのだ・・・!!!」
女「魔王、ねぇ・・・・」
うーにょうにょうにょ
女「ゴクリ」
「フハハハッハ!!怖いか!!?恐ろしいだろう、泣け、絶望するがいい!!」
「貴様は今宵、13人目の生贄として魔王様に捧げられる!!貴様の血肉は魔王様の肉となり、骨とな
女「・・・焼いたらうまそうだな」(ボソ
「え!?」
メイド「ここですね。ここから地下水道に入れます」
男「鍵がかかってるぞ」
メイド「ええ、今開錠するので一分ください」
男「どけ」
メイド「は?」
男「んっドッセェェェェイ!!!!」
ズダンッ!!ガッシャーン!!
メイド「・・・・・・公共物損壊罪。罰金万単位」
男「騎士様どこだーーーー!!!うおおおおおおおお!!!!」
「ぬ、何ヤツ!!!」
「さては貴様国の者だな!?ものどもであえー!!」
「神聖な儀式を邪魔するとは万死に値すr
男「邪魔だどけえええええええ!!!!」
「あわびゅ!!!!」
メイド「忍び込むという考えはないのですか」
男「だいたいこういうのはな、守りが堅いルートが当たりなんだよ」
メイド「はぁ」
男「大事なモノなら必死で守ろうするだろう?お互い様だ」
メイド「一理ありますが」
「「「「うおおおおおおおおお!!!魔王様ばんざああああい!!」」」」
メイド「ここのお掃除は手間がかかりそうですね」
男「ウチの厨房よりはマシだろ」
女「うわああああああああああ!!!やめろ気色悪い!!!この手枷を放せええええ!!!」
「ふはははは!!!無駄無駄無駄!!!ものども、祭壇に生贄を運べ!!宴の時間じゃ!!!」
「はは、ただちに・・・ぶはぁ!!」
女「足は自由ってのも、抜けてるな。ああ、開脚に不便だからか」
「このアマ・・・」
「調子に乗りおって・・・」
「生贄にする前にたっぷり可愛がってやる・・・」
ゴゴゴゴゴゴ
女「ええい、全頭マスクだけの残して全裸になるな気味が悪い!!」
「ふふっふっふ・・・かわいがってやるぜ・・・」
女「寄るなポークビッツ!!」
「ガーン!!」
女「包茎!!」
「ガーン!!!!」
女「くそ、臭うぞインキン!!」
「ガーン!!!!!!」
「ええい、もう祭壇に投げ込んでしまええええ!!」
女「ぐあ、くそ・・・どうせ生贄というならもって丁寧にだな・・・・・まぁ、助かっ・・・」
ぬろんぬろんぬろんぬろん
女「前言撤回」
女「う、うわああああ!!放せ、やめろ、くうっ!!絡みつくな足に触・・・・・・ひぅ!!?ど、どこを触ってるんだ、あ、あうう・・・」
「ワッフルワッフル!!」
「おっぱい!おっぱい!!」
「司教様!!大変です、侵入者が!!」
「ksk!!ksk!!え?なに?」
「侵入者が来たっつってんだよ」
「はは、問題はない!!この部屋は四方を厚さ20cmの鉛で囲ってあるのだ!!出入り口は正面の入り口のみ!!」
「いえ、ですがもうすぐそこまで来ているのです!!」
「急いで門を閉めなくてはなりません」
「なるほど、よし、門を閉めよ!!夜明けまでに儀式を終えれば魔王さまが復活する!!」
「うおおお!!!魔王さまばんざーい!!」
女「やめろ・・・こんなのは・・・嫌だ・・・助け・・・うぐぅ!?むごっ・・・」
(く、口の中に息が・・・できな・・・)
(・・・・・こんなのは・・・嫌だ・・・助けてくれ・・・なぁ・・・)
(くそ・・・頭が・・・もう・・・ぼんやりと・・・してきた・・・こいつの体液に・・・・何か・・・)
(・・・・・・・・・)
「うおおおおお!!!魔王さまー!!!」
「胸だ、胸をせめろ!!」
「D・V・D!!D・V・D!!」
ぬろんぬろん
女(ああ・・・どうせ嬲り殺されるなら・・・たっぷりと可愛がってほしいものだ・・・が・・・うく・・・)
女(くそ・・・何も見えないって・・・怖いな・・・うっく、くは・・・!)
女(やめろ・・・胸ばっかり責めて・・・気持ち・・・悪い・・・)
女(催淫剤の・・・効果・・・でもあるのか・・・・?)
女(くそ・・・いやだ・・・感じたくない・・・やだ・・・くぅぅ、そこは、ちが、ちが・・・・ひぐ!!!)
女(こんな・・・・邪教の見世物にされて・・・・・・)
「ええい本番はまだか!!」
「下半身が寒いぞ!!」
「よし発射体制にはいる」
男「・・・・・・ふぅ」
「もうかい。案外早いんだな」
「うおおお!!ケツ!!ケツ始まったぞうおおお!!」
メイド「・・・いつまで混ざってるんですか」
ドゴス!!!!
男「ぎゃあああああああ!!脳天にねりちゃぎがはああああ!!!」
「だ、大丈夫か同志よおおお!!」
男「うわあああ!!く、くせものだああ!!!」
「おい待て10秒だ。あと10秒くれ!!」
「おいい!!門番開けてくれえええ!!!中に侵入者が紛れ込んでいたぞおお!!」
メイド「外に誰もいませんよ?」
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
シーン・・・
メイド「で、いつまで寝てるんですか。ここ一番の見せ場だっていうのに・・・
接吻する相手を間違ってますよ。地面ではなくて捕らわれの女騎士様にするべきです」
男「イヤ、ワタシハ邪教徒デス」
ジャキン!!!
男「さぁてと、騎士様をお助けしますか」
メイド「どうしてこう、台無しにするんですかアナタは・・・・・・」
男「格好のつけ方なんて、わからんよ」
メイド「障害を乗り越えてヒロインを引っ張ってくるだけです。特別な言葉はいりませんよ」
男「・・・・・・簡単だな」
メイド「ええ、簡単です。さて皆様。夜も更けて参りました・・・・・・どうか、心行くまで最後のショーをお楽しみください」
女「う・・・あ・・・・?」
男「よう、相棒。まだ生きてるか?」
女「ああ・・・・・・最後にこんな顔見れるなんて・・・悪くないな・・・幻でも・・・」
男「駄目だコイツ・・・早くなんとかしないと。メイドさーん」
ズバッ、グサッドス!!
ドカカカカカカカカカカカ!!!!
「ぎゃああああああああ!!!」
「ひいい、た、助け・・・・」
「嫌だあああああああ!!し、死にたくねえよおお!!」
メイド「なにか?」
男「続きをどうぞ」
メイド「そうですか」
女「うう・・・よう・・・幻でも、いいんだ・・・告白させてくれ・・・」
男「なんだ」
女「―愛してる・・・・・・・隣にいてくれて・・・嬉しかったよ・・・・・・」
男「・・・・・・・・・・・」
メイド「固まってないで反応してあげるべきです」
男「返す言葉もございません」
男「なぁ、これどう返せばいいんだ?」
メイド「私に聞かないでください。でも、あえて言うなら言葉より行動です」
男「・・・・・・えー・・・魔物体液でぐちょぐちょになってるのにキッスですか?」
メイド「史上最低の発言、ありがとうございます」
女「う・・・く・・・」
男「忘れてくれることを、祈る」
女「・・・・・・ん・・」
メイド「やればできるじゃないですか」
男「お、そうそうその顔」
メイド「?」
男「そういう純粋な笑顔が、コイツは見たかったんだぜ、きっと」
メイド「・・・善処、します」
「ええい、おのれ・・・我が教団の悲願を・・・こんなふざけた連中に・・・!!」
メイド「ふざけてるのは一人だけかと。というか、仕留めそこないましたか」
男「ねぇ、本当にアンタただのメイド?」
「こうなったら・・・魔王様ー!!!私の魂を!!血肉を捧げますぞおおおお!!!」
にゅるんにゅるん!!
メイド「どこからどう見ても普通のメイドじゃないですか」
男「普通のメイドは両手にダガー構えて返り血で真っ赤になったりはしない!!」
「うおおおおおおおおお!!」
男「うわぁ・・・・」
メイド「すみません、直視できません」
男「しなくていい。おっさんが触手に陵辱されてる光景なんて、見ないほうがいい」
メイド「これは・・・・・・ちょっと・・・夢に出そう・・・・・・です」
「んはぁぁん!!ま、魔王さまあああん!!もっとおおおん、あふ、くっふぅん!!」
メイド「聞こえません。私には何も、聞こえません」
男「・・・もうやだこの邪教。さっさと帰ろうぜ」
「んおうっぬはぁ!!いぐぅ!!いぐ、あああああ!!イかせてください魔王しゃまあああ!!」
メイド「全力で同意します。道は覚えていますか?耳をふさいで、振り返らずに帰りましょう」
男「これ以上の惨劇が起こるまえに退散しましょう、そうしましょう」
女「ん・・・男・・・」
男「なんだ?」
女「・・・・・・離さないで・・・」
男「離すもんか、絶対に」
メイド「ああ、いいシーンだというのに・・・何もかも、台無しです」
男「いいさ、騎士様がいてくれるなら、それで、いいさ」
女「うう・・・・ハッ!!」
ガバ!!
メイド「おはようございます。悪い夢でも見たのですか?随分とうなされてましたよ?」
女「うーん・・・ええと、人攫いを成敗しようと、昨日街に出たんだが・・・記憶が・・・」
メイド「騎士様は川に落ちたゴブリンを助けようと、自らも飛び込んだのですが、おぼれてしまったのです」
女「へぇ!?」
メイド「そこを私が助けました。私が」
女「え・・・いや・・・おぼれ?」
メイド「私が助けました」
女「・・・はい」
メイド「そうですね、有給をいただけたらこの件は内密にします」
女「ああ、いや・・・」
メイド「それでは、まだ仕事が残っておりますゆえ、失礼を」(ニコッ
女「あ・・・」
メイド「なんでしょう」
女「いい笑顔だ」
メイド「ありがとうございます」
男「おお、目が覚めたか騎士様っと」
女「うーん・・・頭がクラクラする・・・」
男「大丈夫か?昨日は・・・」
女「ああ、情報探しにいった酒場で飲んだくれてしまったんだろう?すまないな、私らしくない」
男「おまえが酔い潰れるなんて、らしくないな。やっぱ安酒はよくな
女「嘘だッ!!!」
男「嘘さッ!!!」
女「え・・・あ・・・はい」
男「世の中、知らない方がいいこともある。忘れたほうがいいことだってあるんだよ!!!」
女「おい、ちょっと待て、なにそれ怖い」
男「時がすべてを解決してくれるさ!!さらばだああ!!!」
女「おいちょっと待てええええ!!!怖いだろ、え、昨日何があったんだおいいいいい!!!」
バタン!!
女「はぁ・・・・・・」
女「・・・・・・覚えてるよ、バーカ」
女「さて、なんか久しぶりのお茶会だ」
男「今日はココアを用意してみたんだが」
女「悪くないな・・・うん、悪くない」
男「・・・しっかし、昼間なのになんでカーテンを閉めてんだ」
女「それはね、お日様の光が目に刺さるからだよ」
男「・・・・・・ねぇ、騎士様。なんでドアに鍵をかけるの?」
女「それはね、おまえとゆっくり話をするためだよ」
男「・・・・・・・」
女「・・・・・・・」
男「ああ、やっぱり覚えてたの」
女「教祖が『んおぅっ』って喘いでるところまで覚えてる」
男「すばらしい記憶力だ。さすが騎士様だな」
女「で、だ」
男「はい」
女「・・・・・・」
男「何をしている?」
女「ベッドの下クリア、クローゼットクリア、うーん・・・テーブルの下クリア」
男「何をさがしてるんだ・・・・・・」
女「うん、誰もいないな。よし、ちょっとこっちへ来い」
男「痛いのは簡便してくれ」
女「そうじゃない、ホラ」
男「なんだよ」
女「んーー(はぁと)」
男「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なにやってんの?」
女「・・・ッ、み、皆まで言わせるなキッスだ、キッス!!その・・・ちゃんと・・・告白させてくれ・・・!」
男「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
女「だから固まるな」
女「あんな最低な状況でその・・・・・言っても無効だろう?」
男「ナニカイイマシタッケ」
女「私にもねりちゃぎを食らわされたいようだな・・・」
男「すみません」
女「だからな・・・一度しか言わん、聞け」
女「私は・・・・・・その・・・おまえがいてくれて・・・・・・あのな?」
男「うん」
女「その、いつも側にいてくれて・・・・・・」
男「偉い人は言いました」
女「え?」
男「言葉よりも、行動だと」
女「なんの話だ・・・だからな・・・んぅっ!!?・・・・・・・・ん・・・ちゅ・・・」
メイド(グゥレイトォ!!!)
男「・・・・・・」
女「ぷぁ・・・はぁ・・・ふう・・・な、なんだ」
男「・・・・・・まぁいいか」
女「な、なにがだ!!というか、いきなりすぎ、うむぅっ・・・んふ・・・はぁ・・・ん・・・強引なのが好きか、変態さんめ」
男「じゃあやめます」
女「・・・・・・離すもんか・・・ちゅ・・・ふぁ、や・・・馬鹿・・・」
メイド(しかし、部屋を出るタイミングを完全に逃してしまったわけですが)
女「そんな胸ばっかり見るな」
男「なんとも、まぁ・・・・・・平凡な胸だな」
女「・・・・・・・・・」
男「いまさら隠してなんになる」
女「乱暴なのが好きなんだろう?変態さんめ」
男「そうくるか」
女「・・・・・・ふぁ、う・・・ぅ・・・ん・・・はぁ・・・すっても・・・なんにもでないぞ・・・」
メイド(そして男は少女の乳首を舌で転がしたかと思うと吸い上げる)
メイド(少女の脳裏に、一瞬あの触手の感覚が蘇ったが振り払い、男の頭を抱きしめた)
女「はぁ・・・はぁ・・・んぁ!!?、ば・・・ちょっと、そこは待・・・あ・・・あぅ・・・あぁ・・・」
メイド(男は、そんな少女の心を察したのか、おもむろに少女の秘所へと指を這わす・・・・・・)
メイド(少女が怯えないよう、優しく触れて。離さないよう、強く抱きしめて)
メイド(少女は小さく震えながらもゆっくりと男の指を受け入れていく)
メイド(男の指には汗とは違う液体が絡みつき、指が動くたび、少女は小さくのけぞり、切なげな吐息は吐きだす)
メイド(・・・・・・なんだか、色んな意味で切なくなってきたのですが)
女「はぁ・・・はぁ・・・・はぁ・・・くぅっ、だ・・・め・・・・・・・・やぁ・・・あ・・・・あっ」
メイド(男の指が一番敏感な場所に触れる。一際強い刺激に、男の頭を抱く少女の腕に力がこもる)
メイド(でも、少女は逃げない。男も、離さない)
女「んぅ・・・・はっぁ・・・う・・・・ふぁぁっ、っつ、もっと・・・しても・・・」
メイド(身体が、刺激を快楽として受け入れ始める。顔は熱を帯びて惚け、目を閉じて与えられる感覚を愉しむ)
メイド(意識してか、知らずの内に、か。少女も男の身体を愛撫し始める・・・・・・その細い指は、男の頭から首へ・・・背中へ・・・)
男「・・・・・・お、おい」
女「・・・・・・んふ・・・はぁ・・・やられっぱなしってのも・・・・・癪じゃないか・・・・・・」
メイド(少女の指が男のモノをさする。その愛撫にためらいはなく、やさしく、ゆっくりと・・・)
メイド(二人が体勢を変える、少女はゆっくりと男の下腹に頭を沈めていく・・・・・・)
メイド(・・・・・・・・ふぅ)
女「・・・・ん・・・・ちゅ・・・ちゅぱ・・・・れろ・・・」
男「・・・・・・・う・・・」
メイド(最初は確かめるように舌で、弱く・・・けれど、その動きもやがて強く、大きくなっていく・・・)
女「ん・・・んぅ・・・じゅぷ・・・ぷぁ、はぁ・・・・んぅ・・・ふう・・・」
メイド(気がつけば、少女は男を口に含み吸い上げ、舐め上げ・・・貪りついていた・・・)
男「・・・なぁ・・・」
女「・・・はぁ・・・う・・・ん・・・」
メイド(男は、ゆっくりと優しく少女抱きあげ・・・自分の腰の上に座らせる・・・)
メイド(少女は濡れた瞳で男の顔をみつめ・・・訴えた)
メイド(偉い人は言いました。言葉より行動だと)
メイド(男は少女に軽く口付けをし、ゆっくりと自分を少女の秘所に当て、押し込んでいく・・・)
女「あ・・・あっ・・・っくぅ、ッツゥ!!!」
メイド(省略されました。続きを読むにはここをクリックしてください)
女「んぅ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
メイド(ベッドの上で少女はゆっくりと揺れている。嬉しそうに泣きながら男の身体を抱きしめて・・・)
女「離さないぞ」
男「え?」
女「・・・・・・離すものか」
メイド(痛みなんて、どうでもよかった。少女はただ、幸せだった)
メイド(側にいてくれる人、自分を抱きとめてくれる人と、居ることができる)
メイド(こんなにも、側で触れ合うことができる)
女「・・・激しくしていいぞ」
男「痛いんじゃないのか・・・?」
女「乱暴なのが好きなんだろう?変態さんめ」
男「優しくしてるつもり、なんだけどな」
女「・・・うん、知ってる」
メイド(・・・・・・いいなぁ・・・)
メイド(だが、ちょっと待ってほしい)
女「はぁっんッ!!や、くぁ!!・・・あぅぁ、いい、止めないで・・・そのまま・・・もっと・・・!!」
メイド(そもそも騎士様の居場所を突き止めたのは私であって)
女「あう、ん・・・あ・・・はぁ!!・・・あ・・・あぁ!!」
メイド(まぁ、前から目星つけていた不穏分子ではありますが、最大の功労者である私が何故、こうもこそこそと・・・)
女「いいから・・・!! 奥まで、しって・・・・・・あう、うぁっ、もっと、もっと・・・!!」
メイド(・・・・・・邪魔してやりましょうか、こいつら・・・)
女「なんだ・・・もう・・・いく・・・いくのっか・・・? いいぞ・・・きて・・・いいから・・・!!」
メイド(この恨み、どうはらしてくれようか)
女「あ・・あう、くぅぅぅぅッ・・・・・あ・・・・・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・」
メイド(・・・・・・・・・・・)
女「・・・ん・・・・・・・暖かい・・・・」
男「・・・けしからん騎士様だな・・・」
メイド(全くです)
女「・・・すー・・すー・・・」
男「事後にすぐ寝ますか。しかもそのまま・・・・・・」
男「・・・・・・いつからいたの・・・」
メイド「ええ、久しぶりのお茶会うんぬんくだりから」
男「最初からいたなら会話に参加しようよ、ねえ!!!」
メイド「変なモノぶらぶらさせながら叫ばないでください。騎士様が起きますよ」
男「あはい」
メイド「さすがに甘い情事に水を差すほど無教養ではありません」
男「左様で」
メイド「こんなもの見せ付けられた身にもなってください」
男「ごめんなさい」
メイド「謝って済むなら実況はいりません」
男「そんなこというなら、さっさと登場するか、部屋から出るか・・・」
キラッ
男「ごめんなさい」
女「ヒャッハー!!お茶だー!!」
男「なんですか朝から」
女「うむ、たまには暴力的なキャラというのを演じてみた」
男「そうか」
女「なんだ、浮かない顔だな。どうした」
男「昨日はこってりメイドさんに絞られまして」
女「一体何をしたんだ、おまえは」
男「・・・・・・まぁ、いろいろと」
女「何故そこで遠い目をして庭を見る」
メイド「昨夜はお楽しみでしたね」
女「うぎゃああああああああああああ!!!」
メイド「朝から耳元で叫ばないでください」
女「だったら気配もなしに人の耳元で変なことを囁くな」
メイド「え?変なことをした覚えがあるのですか、騎士様は?」
女「ない。それがどうかしたか」
メイド「昨夜はお楽しみでしたね」
女「ああ、チェスは楽しかったなぁ!!」
男「・・・・・・・・・・・」
メイド「・・・・・・・・・・・」
女「おい、貴様私の従者ならここでなにかしらのフォローをするべきだろう。というか女中、貴様もなんだその目は」
メイド「汚れたシーツ、誰が洗うと思っているんですか」
女「ごめんなさい」
女「何か変わるかと思ったが、別にたいした変化はないな」
男「まぁ、そんなコロコロと変わったら世の中大変だからな」
女「こういうのも開き直りと気持ちの切り替えが大事なのだ。あるがままでいいんだ」
男「はぁ」
女「そうだろう?本当は午後からは騎士団長と剣の稽古をする予定ではあったが、こうして洗濯をするもの・・・まぁ、ありなんじゃないか?」
男「そうだな、家事をしている騎士様も家庭的でいいかもしれないな」
女「私が言うのもなんだが、こういうのも花嫁修業になるというわけだ。嫁になるのは未定だが」
男「痛い。視線が痛い」
メイド「口よりも先に手を動かしてくださいね」
女「しかし、なんだこの洗濯物の量は。ふざけているのか?山という表現がぴったりだぞ」
男「自分のモノは自分で洗うだけじゃなかったのか」
メイド「血のついたシーツなんてもう使えないので捨てました」
女「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
男「おい、黙るな。なんか喋ってくれ。居づらい」
女「・・・・うるさい。さっさと終わらして剣の稽古をしにいくぞ」
男「そうですか」
女「あう、痛・・・っ」
男「お裁縫とは、またなんの冗談な」
女「失敬な。戦闘で破れた衣服を繕うことだってある。苦手ではあるが裁縫自体は結構するのだ」
男「で、何をやっているんだ」
女「新しく納品された儀礼服に騎士団の紋章を縫い付けているのだ」
男「なんだ、最初からついてたりはしないのか」
女「服自体は量産されてストックされているだけだからな。国内には山ほどの騎士団があるんだ。いちいちオーダーメイドというのも面倒なんだろう」
男「生産ラインは整っているのか。なかなか技術力が高い国だな」
女「ああ、問題なのは・・・なぜ屋敷の騎士全員分の縫い付けを私一人がやっているのか、ということだ」
メイド「・・・・・・・・・・・・・」
女「いやいや、文句などないさ・・・騎士たるもの、見えないところで、こう、仲間に尽くすというのも大切なことだからな・・・いてて」
男「まぁ、縫い付けだけならいいじゃないか」
女「そうだな。だが、量が量だ。自分の服は自分でなんとかしろとまでは言わないが・・・暇人はそこらにいるのだから、もっと数人とかでだな」
メイド「・・・・・・・・・・・」
シュッ!!
女「ふ・・・どうだ?なかなか綺麗に縫えただろう?」
男「どうやったら待ち針を10mも先に命中させれるんだろう」
女「新しい武器が納品されたぞ」
男「マスケット銃か。最新型だな」
女「儀礼隊は今度からコレも持って行進するという」
男「へぇ、早くみてみたいもんだな」
女「しかし、こんな武器が出回ってしまったのでは、鎧も意味がなくなってしまうな」
男「時代は進み続けるからな。いつかは鎧並みに頑丈な服とか出てくるかもしれんぞ」
女「しかし見てみろ、この弾丸。引き金を引くだけでこんな豆粒が装甲を易々と貫くんだ。もう馬鹿みたいに突っ込めんな」
男「そこは騎士様の華麗なステップでだな」
女「まぁ、所詮はこの程度。一発よけてしまえば再装填まで30秒はかかる。30秒あれば懐に潜り込むなどたやすいことさ」
メイド「口径は?」
「5.7mm*28」
メイド「装弾数は?」
「20発です。重量約640g、内部ハンマー式で携帯性抜群でございます」
メイド「グゥレイトです」
「感謝のきわみ」
女「何も見えない」
男「おっかない人にこれ以上おっかないもんもたせてどうする」
女「最近の剣と魔法の世界では、銃も存在しているな」
男「バランスを保つために銃の威力は相当低いものになってるけどな」
女「だが、どう考えても不利じゃあないか。こちとら鎧着込んで突貫するというのに遠距離からバカスカ撃たれてはたまらんぞ」
男「だいたい銃は高級品とか、弾丸が高価っていう理由で普及はしてないからな。使うのは一部の金持ちかキーキャラだろう」
女「意外と知られていないが、剣というのは高級品なのだぞ?実は槍の方が安価で実用性があるからな」
男「だからこその騎士様だろう?位が高いからこそ、剣だなんて高価な剣を持てるんだ」
女「しかし、やはり装飾品的な意味あいが強くなってきてはいるがな。見栄えも大切だが、実用性第一だ」
メイド「実用性を考えれば、わざわざ武器を持ち出さなくてもその辺に凶器はいっぱいありますからね」
女「なぜバールを持って笑顔なんだ」
男「やだ、なにこれこわい」
女「完結・・・か・・・」
男「どうした」
女「時代が進めば、騎士道も廃れてしまうのかな、と」
男「それは・・・ないんじゃないのか?」
女「そうだろうか」
男「例え剣と魔法がなくなっても。戦争やモンスターがなくなっても・・・騎士がいなくなっても・・・・その精神は消えないんじゃないか?」
女「精神?」
男「おまえは言っただろう?騎士道っていうのは心の在り方だって」
女「ああ、慈愛の心を持ち、人に手を差し伸べ、弱きを守る剣と盾。それが騎士だ」
男「それは多分、とても誇り高い生き方なんだ。誰もが一度はあこがれる、ヒーローみたいな生き方だよ」
女「名前は変わっても、騎士は忘れられても、どこかでそんな心が確かに生きている、か」
男「それに、忘れられないように、語り継がれるように善行を積むというのも、騎士たるものうんぬん、なんじゃないか?」
女「全く・・・おまえに説教されるとはな・・・まぁ、騎士たるもの・・・・・・己の未熟さを受け入れなくてはな」
男「そんなことより騎士様よ」
女「・・・・・・なんだ従者君」
男「なんで俺たちは屋根の上に上がって日曜大工をしてるんだ。これも騎士道なのか?」
女「いや、これは家を愛する家庭への愛だ。そうだ、きっとそうだ。騎士道とはこんな惨めな気持ちになるはずがない」
メイド「あと、雨漏りがそっちにですね」
女「ええい、おまえがやれ、おまえが!!なんで命綱無しで屋根の上に立っていられるのだ!!おっかないんだぞ!!風、強いんだ・・・うわい!?」
男「ああ、騎士さまあああああああああ!!」
女「ふむ・・・スカートはやはり慣れんな。胸が楽な服というのも、何か違和感が」
男「どうした。そんな女の子女の子な格好は初めてなんじゃあないか」
女「実は、先日王から通達があってな」
男「はい」
女「軍備、戦術の近代化にともない、騎士団は解散・・・なんだそうだ」
男「なんだと・・・・まさか・・・俺は・・く、クビにされるのか!!?」
女「いや、装備や編成がガラリと変わるだけでクビにはならんだろうに」
男「ふへえ・・・・お、脅かすなよ・・・」
女「これからは剣の代わりに小銃を握り、剣戟ではなく、引き金を引く稽古が始まるということだ」
男「ああ、だからいつも暇そうな騎士達が鎧を片付けていたのか」
女「まぁ、形式上着込むことはあるだろうさ。そこまで気を落とすことはない」
男「・・・そうか」
女「なんだ、変な顔だな」
男「騎士様が剣を捨てる日か、ってな」
女「捨てはしないさ。少なくとも、私の腕が動く限りはな」
男「騎士たるもの、剣は手放すことなかれ、か?」
女「そんなところだ」
女「騎士団はなくなったが、騎士道は消えないぞ」
男「なるほど、子供相手の剣術教室か。これは考えたな」
女「忘れ去られるなんてのは悲しいじゃないか。なら、こうやってカタチは変わっても心を継がせていけばいい」
男「子供なら、ヒーローにあこがれるからな。大人になっても・・・・・・いつかこんな気持ちを思い出してくれるかもしれない」
女「慈愛の心と敬意、優しさ。だがそれは甘さではないのだ。そこおおお!!!剣で遊ぶなあああ!!そこに直れ、貴様らには説教が必要だ!!」
男「・・・・・・なんだ、天職じゃないか・・・・・・」
メイド「ですが、屋敷の訓練場をそのまま教室に改装するのはどうかと」
男「いいだろ、どうせもう使わない予定だったんだし」
メイド「いえ、住み込みの使用人達の宿舎に改装する予定でした。主に私の私室も兼ねて」
男「アンタの部屋・・・俺より広い気がするんだが」
メイド「いずれこの屋敷を継ぐのに何を言ってるんですか」
男「俺にゃあ、騎士道は貫けないよ。騎士様みたいに馬鹿正直にはねえ」
メイド「言葉より、行動なのでは?」
女「おい、おまえらもちょっと子供の相手をするのを手伝え」
男「はぁ・・・俺も?」
メイド「・・・・・・おまえら?」
女「なんだ、冷たいじゃないか。ずっと側にいてくれるんだろう?たまには付き合え」
男「まったく・・・いつまで従者やらせるつもりなんだか」
女「私はおまえの騎士様だ。主には忠誠を誓いなさい」
男「・・・・・・あぁ、誓うとも」
メイド「永遠の愛ですね、わかります」
女「・・・・さーて稽古だ稽古」
男「おい、逃げるな。俺だって苦手なんだよこの空気!!」
女「うるさい!!逃げてなどいない!!騎士は逃げない、うろたえない!!」
男「おーおー赤くなっちゃって・・・・・・それ見たことか、子供にからかわれてるぞ」
女「いい度胸だな、貴様ら。全員庭を走ってこい。10週だ」
男「野郎ども、全員戦闘態勢。騎士様に戦争は数だと教えてやれ」
メイド「・・・・・・かくして国は今日も平和。騎士とその従者はいつまでも、幸せにk
ドゴ!!!
メイド「グフ!!!!」
男女「あ、ごめん・・・」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・ジャキィィン!!
女「ぎゃああああああああ!!!逃げろ、逃げろおおおおおお!!!」
男「騎士は逃げないんじゃなかったのか!?おい、待ておいていくな、ひいい!!やめろガキども、俺を盾にす・・・ああああああ!!!!?」
メイド「それからの邸宅は、いつも子供たちの笑い声で溢れ、明るく賑やかな空気に包まれていました」
メイド「騎士の心は受け継がれ。小さな子供たちの心に生きていく」
メイド「そして・・・・・・女騎士とその従者の間にも、いつかは小さな騎士が生まれ」
メイド「この幸せはずっと続いていくのでしょう。さらに明るく、賑やかになりながら」
メイド「騎士が剣であるならば、従者はその鞘としてずっと側に・・・・・・強い絆で・・・・・いつまでも・・・」
メイド「そして私はそんな屋敷の裏側で享楽者のお世話や事務雑務をこなしながら」
メイド「事実上、屋敷での最高権力を手にしたのでした」
メイド「・・・・・・・・・彼らが肥えるも飢えるも、私の気分次第」
メイド「全ては私の計画通り・・・・・・って」
メイド「服がない、やめろってか」
~fin・・・?~
男「ふと思ったんだが……剣術教室やるなら騎士先生よりメイド先生のほうが」
メイド「何度言わせるのですか、私はただのメイドだと」
女「……『何か言ったか』くらい言わせてくれ」
父「めでたしめでたしといったところだね」
母「これからは彼らの時代なのですね、あなた」
父「これで思い残すこともないだろう……」
メイド「何をおっしゃるのですか旦那様。ようやくお子様達が巣立って、おふたりとも人生のお楽しみはこれからですよ」
父「持ち上げてくれるのは嬉しいが、私達はもうこれ以上出番は要らぬよ」
母「そうですね、何といっても影のボスが支えてくれていますしね」
メイド「……おっしゃる意味がよく分かりませんが」
父「ふふ……あの子達が大きくなったように、君も強く……大きくなったものだ」
メイド「……おふたりは今もなお……私の壁であることに変わりありません」
母「あらあら、壁だなんて大げさではなくて?」
父「現役と老夫婦を一緒にしてはいかんよ、もう昔の話だろう?」
メイド「確かに昔の話ではありますが……それでも、おふたりのお蔭で今の私がいるのは事実ですから」
男「うう……体の節々が痛い」
女「情けないな、軽くいなすということを覚えるがいい」
男「重装兵タイプに無茶言うな……やれやれ、子供は手加減なしに打ち込んでくる」
女「騎士道を学びに来る子供だからまだマシだぞ、町の悪ガキこそ始末に終えん」
男「町の悪ガキこそ楽だと思うがな。半殺しにして捨てておけばいい」
女「汚い大人だな……平民時代ならまだしも、私の従者であるなら身勝手な真似は許さぬぞ」
男「まるで俺出世したかのように聞こえるんだが」
女「違うとでも言うのか!私が全身全霊をかけたのは何だったんだ!」
男「……おかしいな、痛いには痛いんだが」
女「?どうした」
男「生命の危険を感じるには至らない」
女「……死ぬような一撃をもらいたいのか?」
男「何となく原因は分かっている……自然に鍛えられたからだろう」
女「……?」
メイド「お稽古お疲れ様でした。水浴の支度が出来ております」
男「うぐッ……」
メイドの声「効いているようですね」
男「こ、この水……薬草でも溶かし込んでいるのか?」
メイドの声「ご名答です」
男「そういうことか……ならば多少は我慢するか……」
メイドの声「我慢する必要もなくはありませんが、3分も浸かっていれば十分ですよ」
男「と言っているうちに……だいぶ痛みが和らいできただと?ふしぎ!」
メイド「不要に苦痛を味わうのは悪人で十分ということです」
男「……何だかなぁ」
メイド「……何か?」
男「何でもない……そろそろいいだろうか」ざばっ
メイド「あと1分残っていますよ」
男「……ときに素朴な疑問なんだが」
メイド「はい」
男「脱衣場にいたはずの君が何故俺の目の前にいる」
メイド「お背中、流しましょうか」
メイド「それにしても男様」
男「ん」
メイド「断らないのですか」
男「?何を?」
メイド「伴侶以外の女性にこういったことをされることです」
男「ああそういうことか」
メイド「軽いですね」
男「この程度のことで心が揺らいでいては彼女の従者は勤まらないさ」
メイド「お熱いですね」
男「メイドさんのほうこそ、彼氏はいないのかい」
メイド「……そういう性分ではありません」
男「性分は関係あるのかねぇ」
メイド「屋敷に住み込んで働いているわけですし」
男「屋敷から出ないわけでもないだろう、町に買い物とか」
メイド「言うなれば、お仕事が恋人です」
男「……疑問なんだが」
メイド「何でしょう」
男「こういうことも仕事の範囲なのかい?」
メイド「どういうことが、でしょう」
男「今でこそ伴侶とされているが、俺は本来従者だ。厳密にはこの屋敷の者ではない」
メイド「愚問ですね、ここまで関わっておきながら」
男「そんな男の背中に、何故君は半裸で胸を押し付けている?」
メイド「服を着たまま背中を流すわけにはいかないでしょう」
男「それはそうだが……」
メイド「何度も私は普通のメイドだと主張しているのに、こうも警戒されては服を着たままというわけにはいきませんし」
男「……服の下に何か隠していることを認めるのかい」
メイド「何のことやら。そもそも単に背中を流して終わり、では神様がお許しになられても読者様がお許しになりません」
男「読者って誰だ」
メイド「ご心配には及びません、男様と騎士様の絆は確かなもの。私ごときが仲を断つなど到底無理な話です」
男「大した信頼だな……だが、それこそ読者様とやらが許さないんじゃないのか」
メイド「ここまでやっておいてそれ以上なし、ということが……ですか」
男「メイドさんエロゲやりすぎ」
メイド「エロゲではありません、官能小説です」
男「より濃密になった気がして困る」
メイド「ひとつ、お約束ください」
男「……何だろうか」
メイド「繰り返しになりますが、男様と騎士様の絆は確かなもの」
男「……ふむ」
メイド「一度や二度の、互いの気の迷い程度で、おふたりの絆が仲を断たれるなどありえない、と」
男「ふむ」
メイド「……私も人の子、気の迷いがないわけではありません」
男「……分かった」
メイド「騎士様、水浴の支度ができました」つやつや
女「あ、はい入ります……ん?」
男「いや、いい湯ならぬいい水だった」つやつや
女「……水を浴びてきた割にはやけにつやつや肌だな?」
男「ん、そんなにつやつやしてるか?」つやつや
メイド「薬草を漬け込んでおります。傷が痛むでしょうけれど、ご辛抱くださいませ」つやつや
女「ああ薬草か……分かった」
男「……気づかれたか?」
メイド「男様のみならず私がつやつやしているのは不自然ではあります」
男「ま……突っ込まれたらそのとき考えよう」
メイド「私にも責はあります、ピンチのときは支援させていただきます」すちゃ
男「出来れば武力に頼らない支援で頼む」
女「はーたまらん」
メイド「ご満足いただけて何よりです」ぐり
女「あ、そ、そこ……そこイイ……」
メイド「ここですか、ここがイイのですか」ぐりり
女「あ、もっと、もっとぉ……あぁ」
メイド「そんなにここがイイのですか」ぐりっ
女「あふあぁいぎっ」
メイド「む……外れてしまいましたか、戻しておきますね」こきっ
女「か、関節外れるマッサージは出来れば事前にご勘弁を」
メイド「はい、それでは次は正面です」
女「うん……」
メイド(ぐりぐり)
女「……」
メイド(ふにふに)
女「そ、その……目線を合わせられると、その、何だ、困る」
メイド(ぷにぷに)
女「え、ちょ、そ、そこ違」
メイド「マッサージ中です、動かないようお願いいたします」
女「や、あの、ちょ、あ」
メイド「ご辛抱ください」ちゅ
女「いやそれ絶対違ふぁっ」
メイド「この程度で根を上げていては騎士の名が泣きますよ」ちゅぷ
メイド「旦那様、そろそろ灯りを消すお時間でございます」
父「うむ」
メイド「……旦那様、そのアルバムは……」
父「ああこれか……君が初めて私を襲撃してきたときの記念写真だな」
メイド「……意地悪なさらないでください、旦那様」
父「ふふ、意地悪だと思うなら、私から奪取すれば良いだろう」
メイド「それが出来るなら……今ここに私はいません」
父「まあ良い……騎士団解散が良い機会か」
シュボッ
メイド「……」
父「これで……君の過去を清算できたかな?」
メイド「……十分です」
父「ふふ……足止めしてすまなかった、君も休みたまえ」
メイド「はい……お休みなさいませ、旦那様」
(゚皿゚)<メイドさんルート終わり。キャラが違う等
各種批判は全て受け入れます

