1 : VIPに... - 2012/02/16 22:11:08.95 2pQxHt1O0 1/125注意
○オリジナルです
○gdgd成分が多量に含まれています
○キャラ(おもに妖怪)のイメージが崩れる可能性があります
それでもよろしければ、お付き合いください
元スレ
花子「どうも」口裂け女「ヤッホー!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1329397868/
~とある喫茶店~
カランカラーン
ウェイター「いらっしゃいませ、一名様ですか?」
花子「いえ、ちょっと待ち合わせで…え~っと、どこにいるのかな」
口裂け女「花子ちゃん!こっちこっち」
花子「あっ、そっちですね」
口裂け女「そうそう…良かった、道に迷ってなくて」
花子「私だってそこまで方向音痴じゃないですよ!!」
口裂け女「まあ怒らないでさ…とりあえずここまでお疲れ様」
花子「いえ、これぐらい大丈夫ですよ、それよりもお久しぶりです」
口裂け女「そうだね~もう何年振りだろうね?」
花子「そうですね…五年ぶりですかね?」
口裂け女「もうそんなに経つのか、いや~時間の流れって早いね~」
花子「まあ私たちにはあんまり関係ないですけどね」
口裂け女「まあ妖怪だしね、それじゃ、何か頼もうか」
花子「そうですね…ところで」
口裂け女「?どうしたの」
花子「いや、こんなこと気にするのもおかしいんですけど…昼間っからここにいていいんですかね?」
口裂け女「いいんじゃないの?別に妖怪だからって時間に縛られてるのもアホらしいしさ」
花子「けど…お店の人も不審がるんじゃないんですか?」
口裂け女「大丈夫だよ、私ここの店の常連だからさ」
花子「常連て…じゃあ正体とかは!」
口裂け女「ああ大丈夫、全部ばれてるから」
花子「大丈夫なんですか!!!」
口裂け女「うん、なんかマスターが『妖怪だろうとなんだろうと客には違いない!』っていってくれてさ」
花子「…いいマスターですね」
口裂け女「そうなの、だからそれ以来ここの常連になってさ…まあ御客さんのいない時間帯を見計らって来るけど」
花子「下手したら妖怪の来る店ってことで迷惑になりかねませんからね」
口裂け女「そうそう、で、何を頼むか決まった?」
花子「ええ…じゃあこのクリームソーダと季節のフルーツパフェでお願いします」
口裂け女「流石花子ちゃん!頼むものも何とも少女らしいね~」
花子「いいじゃないですか!好きなんですから」
口裂け女「いやいや、別にバカにしたわけじゃないからさ。じゃあ私はコーヒーとフレンチトーストにしようっと」
花子「口裂け女さんだって人の事言えないじゃないですか」
口裂け女「いいじゃん、シンプルイズベストだよ、花子ちゃん」
花子「全く…自分ばっかり!!」
~ ~ ~
ウェイター「お待たせいたしました」
花子「あ、ありがとうございます」
口裂け女「こんなときでも律儀だね、花子ちゃんは」
ウェイター「ああそうだ、口裂け女さんにはこれが必要でしたね」
口裂け女「そうそう、覚えててくれたんですね」
ウェイター「いえいえ、常連さんの顔を忘れるほど耄碌していませんので…それでは、ごゆっくり」
花子「それって…ストローですか?」
口裂け女「うん、いやーこれがないと飲みにくくってさ」
花子「確かに口が裂けてると普通に飲むのは大変だからですか」
口裂け女「まあね、下手に無理して飲むと大惨事になるからさ…まあ一回大惨事になったんだけど」
花子「何をやってるんですか」
口裂け女「いや~あの時は何とかいけるかな~と思って挑戦したんだけどね」
花子「駄目だったわけですね」
口裂け女「で、その時に正体がばれまして今に至るってね」
花子「…よく定員さん気絶しませんでしたね」
口裂け女「ああ、なんかこういう類のは見慣れてたんだってさ」
花子「見慣れるもんじゃないと思うんですが…」
口裂け女「なんかイギリスでは日常茶飯事だったんだって」
花子「イギリスって…そんな怖い国でしたっけ?」
口裂け女「いや、あのウェイターさんの勤め先限定だったみたい」
花子「何処ですか!そんなとんでもない職場は」
口裂け女「確か…王立国教騎士団とかなんとか」
花子「なんでそんな人がここでウェイターなんてやってるんですか!?」
口裂け女「さあ?なんでもオーナーの道楽に付き合ってるんだってさ」
花子「カオスすぎるでしょ…このお店」
花子「そういえば、今日は二人だけですか?」
口裂け女「いや…後二人呼んでるけど、なんか遅れるみたいなこと言ってたからさ」
花子「そうですか、誰が来るんですか?」
口裂け女「まあ来てからのお楽しみってやつで。っていっても顔なじみのやつだけどね」
花子「じゃあ先に食べちゃっても問題ないですか?」
口裂け女「大丈夫だ、問題ない」
花子「何の真似ですか、それ…」
口裂け女「いや、なんかやってみたかっただけなんだけど」
花子「むぐむぐ…うん、ここのパフェとってもおいしいです!」
口裂け女「でしょ!!ここのお店スイーツとかも結構いけるんだよね!」
花子「そうなんですか、今度一人で来てみようかな」
口裂け女「私としては気にいってくれて何よりだわ」
花子「そういえば…最近調子の方はどうですか?」
口裂け女「うん、こっちはぼちぼちってところだね」
花子「やっぱり『私…きれい?』って今でもやってるんですか?」
口裂け女「まあ、それぐらいしかできないしね、私」
花子「で、成果の方はどうなんですか?」
口裂け女「うーん、驚き三割、気絶三割、無視四割ってところかな?」
花子「あれっ、無視とかされちゃうんですか?」
口裂け女「そう、なんかのTVの企画課と思われたみたいで…その点昔は良かったよね」
花子「そうですね、基本出れば驚いてくれましたし」
口裂け女「けどいまさらやり方を変えられないからさ、昔通りにやってるわけよ」
花子「けど、口裂け女さんの場合だと、不審者で通報とかされそうですけど…」
口裂け女「通報か、実際に何回かされたよ」
花子「電信柱の陰にコートを羽織って、マスクを着けて佇んでいたら…まあそうなりますよね」
口裂け女「もちろん捕まった事はないよ!いつも全力で逃げてるからね」
花子「脅かす側が全力で逃げるって、かなりシュールですよね」
口裂け女「まあそうなんだけど…で、そっちはどうなの?」
花子「こっちは最近はさっぱりですね」
口裂け女「これは意外だね、私と違って今でも噂になってるのにさ」
花子「まあ噂にはなってますけど…所詮噂ですからね、実行してくれる子が最近はいないんですよ」
口裂け女「確かちょっと前にはアニメ化までされたのにね」
花子「あのポン○ッキーのやつですよね、毎週見てましたよ」
口裂け女「っていうか見てたんだ」
花子「ええ、別物って感じでしたけど面白かったです」
口裂け女「けどアニメもない時でも、昔は試してくれる子とかいっぱいいたのにね」
花子「そうですね、多い時には一日に三回ぐらい呼ばれたんですけどね~」
口裂け女「やっぱり時代の流れってやつか…」
花子「そうなんですかね、なんで最近はヒマでヒマで」
口裂け女「それだけ最近の子は忙しいってことなのかね~」
花子「だから最近では夜中、コンピューター室に忍び込んでのネットが日課になっちゃってます」
口裂け女「あんた一体何をやってんの!」
花子「最近ではニコニコ動画にはまってます」
口裂け女「深夜に何をやってんのよ!」
花子「え、結構楽しいですよ?」
口裂け女「いや、警備の人とかにバレないのかってことよ」
花子「大丈夫ですよ、結構ロックとかザルですし、まあいない時間もちゃんと見計らってますから」
口裂け女「なんだかな~うん?」カランカラーン
ウェイター「いらっしゃいませ」
貞子「こんにちは~」
花子「貞子さんじゃないですか!!お久しぶりです」
貞子「おお、花子ちゃんも元気そうで何よりだよ」
口裂け女「ずいぶん遅かったね」
貞子「いや~この付近にビデオが置いてある家がなかなかなくってさ」
花子「ビデオって、一体どうやってきたんですか?」
貞子「まずビデオのある家を探し当てて、そこのビデオに憑依してそっから再生→実体化って形でここまで来たよ」
花子「ずいぶん手間がかかるんですね」
貞子「まあその分好きに移動できるっていう利点もあるんだけどね」
口裂け女「それにしても、ずいぶん無理させちゃったね」
貞子「いやいや、久しぶりに会うってことだからね。全然苦にもならなかったよ…出てきたビデオを除いてね」
口裂け女「?ビデオがどうかしたの」
貞子「いや、ビデオがさ…あったにはあったんだけどさ、全部AVだったんだよね…」
花子「AV…?何の事ですか」
口裂け女「…!アニマルビデオの事だよ!!ほら、パンダとか子猫とかが戯れてるやつだよ」
花子「ああ、それを潰しちゃったのなら貞子さんの気持ちも分かります、やっぱり悲しいですよね…出てくるためとはいえ」
貞子「…うん、まあそんな感じかな」
花子「あー、だったらちょっと見ておきたかったですね~」
口裂け女「ふう」
貞子「ねえ、花子ちゃんにもそろそろちゃんとした教育した方がいいんじゃないの?」ボソボソ
口裂け女「駄目!花子ちゃんを汚すようなことしたら学校の怪談的にも良くないわよ」
貞子「何の心配をしてるのよ、あなたは」
口裂け女「だって一応精神年齢は小学生なんだよ!それが性知識が豊富なんてことになったら小学校なんて破滅よ」
貞子「大丈夫よ、最近のコミックなんてもうそんな情報であふれかえってるしさ」
口裂け女「なんと!」
貞子「知らないの、じゃあ後で見てみるといいよ…想像以上にひどいから」
口裂け女「ってそんないかがわしい漫画がが今じゃ普通に売られてるっていうの?」
貞子「まあそうみたいだね」
口裂け女「嗚呼…日本の将来はどうなってしまうのか!!」
貞子「妖怪に心配されるようになったらある意味終わりだよね、まず人じゃないし」
花子「さっきから2人で何の話をしてるんですか?」
口裂け女「この国の将来の展望の暗さについてよ…」
貞子「まあ間違っちゃいないわね」
花子「…?なんだかよくわかんないですけど、貞子さんも何か注文したらどうですか」
貞子「あーそうだね、じゃあホットケーキと紅茶で!!」
口裂け女「ずいぶん子供っぽいものが好きなのね」
花子「なんていうか…意外です」
貞子「そう?私はこういうの結構好きだけどな~」
花子「いえ、なんかイメージ的にはどら焼きとか和菓子とか好きそうなイメージがあったんで」
貞子「まあ和菓子も好きだよ、けど、洋菓子はもっと好きかな!!」
口裂け女「言いきったわね」
貞子「だって…私の生きていた時代から比べたら、お菓子とか全然違うんだよ!!そりゃカルチャーショックも受けるって!!」
花子「あ、私もそれ経験しました。まあ私は給食って形で慣れていきましたけど…」
貞子「けどこっちは井戸から出てきただけだよ!!そんなん食べてるヒマもないって!」
口裂け女「で、どこで洋菓子と出会ったの?」
貞子「あー、それがですね、まあ例によってテレビから出てきた時なんですけど、ちょうどいいタイミングでケーキが置いてありましてね」
花子「で、食べちゃったんですか」
貞子「うん、なんか呪った人は気絶してるし、いいかなーと思ってさ、そしたらそれが美味しいのなんの!!」
口裂け女「その時その人が起きてたらずいぶんシュールな光景が見れたのに、惜しかったわね」
花子「テレビから人が出てきたと思ったら、いきなりケーキをむさぼり食ってた…まあ普通は見れないですね」
貞子「で、それから洋菓子にハマっていったんだよね。今じゃあ色んなところに買いに行ったりしてるし」
口裂け女「その格好で」
貞子「ああ、ちゃんと正体がばれない様にちゃんとおめかししていってるよ」
花子「けど、お金とかはどうしてるんですか?」
貞子「霊力使ってパチンコパチスロ、これでOK。最近だとなんだか私によく似た台も出てるし相性もいいみたいでさ」
口裂け女「…まああなたが楽しいのなら、それでいいんじゃない?」
花子「私もやってみようかな」
口裂け女「すぐにつまみ出されるのがオチよ、きっと」
貞子「そうね…?」ドンナトキモードンナトキモー
花子「ケータイですか」
貞子「あ、私じゃないや」ボクガボクラシクアルタメニー
花子「私は持ってないですし…」キーミーガ
口裂け女「あーあたしだ、ってあいつからか…」pi!
貞子「あいつ?」
口裂け女「あいつよあいつ、どうやら着いたみたいねっと…はい、もしもし?」
???「もしもし、私メリー、今私、駅の近くにいるの…」
口裂け女「はいはい、分かったからさっさと来なさい!」
貞子「…分かったわ、誰が来るのか」
口裂け女「なんていうか…手間のかかるやつよね」
花子「あ、またケータイ鳴ってますよ?」ドンナトキモードンナトキモー
口裂け女「全く…はい、もしもし?」
???「も、もしもし、私メリー、今交差点の角に、いるの…」ハァ、ハァ
口裂け女「ちょっと息切れてるわよ」pi!
貞子「結構な距離を走ったのね」
花子「そんな無理しなくていいと思うんですけど…あ、まただ」ドンナトキモードンナトキモー
???「も、もしもし、わたしメリー…い、今店の前にいるの…」ゼェゼェ、ゼェゼェ
口裂け女「分かったからさっさと入ってきなさい!!」
花子「ホントにマメですよね…疲れてるのにわざわざ電話するなんて」カランカラーン
貞子「あ、入ってきた」ポチポチポチポチ
花子「そしてここでも律儀にケータイを…」ドンナトキモードンナトキモー
口裂け女「………もしもし」
???「もしもし、私メリー、今あなたの後ろに」
口裂け女「当て身」
???「きゅう!!」バタッ
貞子「みぞおちに見事に入ったわね」
花子「あの…大丈夫でしょうか?」
???「バタンキュー…」グテッ
貞子「大丈夫でしょ、一応彼女も妖怪だし」
~ ~ ~
メリー「急いできた友人に向かっていきなり当て身をするなんてどんだけ畜生なのよ…」
貞子「素直に登場しないあなたが悪い」
花子「まあ…最後の方はちょっと…」
口裂け女「仏の顔も三度までってね」
メリー「ひどい!!私には味方はいないの!!」
口裂け女「いるわけがない」
メリー「あーうー」
花子「まあメリーさんも変わらず何よりですよ!」
メリー「ありがとう花子ちゃん。あとでジンギスカンキャラメル買ってあげるわ」
口裂け女「ただの嫌がらせじゃない」
花子「ジンギスカンキャラメル…美味しいんですか?」
貞子「止めときなさい、食べたショックで悪霊化しかねないわ、あれじゃ」
メリー「まあ冗談は置いといて、みんなはもうなんかしら頼んでるの?」
口裂け女「ええ、ちょっと先に頼ませてもらったわよ」
メリー「そう、じゃあ私も何か頼もうっと!」
花子「そうそうメリーさん、ここのお店はケーキとかがお勧めですよ!」
メリー「ケーキかぁ…うーん、今はケーキって気分じゃないんだよね」
花子「そうなんですか」
メリー「うーん…ここってトルコライスってありますか?」
貞子「なんでそんなマイナーなもん頼もうとするのよ」
メリー「いや、ちょっと走ってきてお腹がすいちゃってさ」
口裂け女「いくらなんでもそんなの」
ウェイター「できますけど?」
メリー「あ、じゃあそれとアイスティーをお願いします!」
ウェイター「かしこまりました」
口裂け女「できちゃうんだ」
貞子「すっごく万能なお店だね、ここ…」
花子「※トルコライスとはチキンライスの上にトンカツを乗せ、ナポリタンを添えた大人版お子様ランチみたいなものです」
メリー「物知りだね、花子ちゃんって!」
花子「いえいえ、確かクッキングパパに載ってたのを思い出したんですよ」
貞子「よくそんなの思い出したね」
花子「お子様ランチって響きが気に入りまして」
口裂け女「やっぱまだ気になるんだ、お子様ランチ」
花子「ほっといてください!!」
ウェイター「お待たせいたしました、それでは、ごゆっくり…」
メリー「わーい!!」
口裂け女「まるで子供ね…」
メリー「いいじゃん!!好きなものは好きなんだからしょうがない!!」
花子「ですよね!!」
貞子「意気投合しちゃったよ、この二人」
口裂け女「…まあいいや、それじゃあみんなそろったことだし、乾杯でもしますか!!」
メリー「そうだね!じゃあ」
貞子「久しぶりの再会を祝って」
四人「カンパーイ!!!」
花子「まあみんなお茶とかジュースとかなんですけどね」
口裂け女「駄目よ花子ちゃん!ほらよく言うでしょ、お酒は二十歳になってからって」
メリー「まあ花子ちゃんって明らかにそれ以上生きてるけどね」
口裂け女「黙らっしゃい!」
メリー「っていうか、こうして集まるのも久しぶりだよね~」
口裂け女「そうだね。ってかさっきも花子ちゃんと話したんだけどさ、最後に集まったのっていつだっけ?」
メリー「ありゃ、そういえばいつだっけかな…」
貞子「確か、私の歓迎会があった時が最後だったと思うんで…もう十年ぐらい経つんじゃないんでしょうか」
花子「あれ、そんなに経っていましたか」
口裂け女「ずいぶん勘違いしていたもんだね、私たち」
貞子「まあこうなっちゃうと時間なんて関係のないもんですからね~」
メリー「けどそんなに経つのか~、その時って何かあったっけ?」
貞子「えーと、確か…」
花子「ああ、思い出しました!!確かお岩さんが貞子さんともめてた時ですよね!」
口裂け女「あー、あったあった!そんな事も」
メリー「ああ、確か『私のネタがぱくられた―!!!』ってお岩さんが騒いだんだよね」
貞子「始めは何の事か分かんなかったんですが…お岩さんの経緯を聞いたら納得しました」
口裂け女「まあ井戸っていう共通点だけなんだけどね…お岩さんは結局井戸から出てないし」
メリー「貞子ちゃんはお皿なんて数えないしね」
花子「そういえば今日はお岩さんはどうしたんですか?」
口裂け女「あーっと、連絡は入れたんだけどね、ダメだった」
メリー「ありゃ、何か先に約束でもあったの」
口裂け女「いや、冬眠中だった」
貞子「 」
花子「冬眠って…あのクマとかがする?」
口裂け女「イエース」
メリー「いやいや、クマとかならともかくお岩さんって人でしょ?まあ妖怪だけど」
口裂け女「まあ理由を聞いたんだけどね…ほら、お岩さんって私たちの中じゃ結構な古株じゃん」
花子「まあ、江戸時代からですからね」
口裂け女「けどあの若さを保ってるわけじゃん?」
貞子「妖怪だからある程度は保つとは思うんだけど…」
メリー「いやいや妖怪だからって油断してると老化するもんなのよ」
貞子「そんなもんなの!?」
メリー「あー、貞子ちゃんはまだ日が浅いからまだ関係ないかもしれないけど、そういうもんなのよ」
貞子「知らなかった…」
花子「私なんかちっとも老化しないんですが…」
口裂け女「花子ちゃんは学校で若い子たちの生気を無意識に吸収してるからね」
メリー「生気を吸収…なんかエロいね」
口裂け女「やかましい!!!」
貞子「で、それと冬眠と何の関係が?」
口裂け女「いや、お岩さんもある程度は吸収してるみたいなんだけど、限界もあるんだってさ。で、悩んだ末に出した結論が冬眠だったんだそうな」
花子「なるほど…じゃあ冬の間だけ寝てると」
口裂け女「いや、秋冬春は冬眠中で、夏だけ活動するんだってさ」
メリー「また随分極端な…」
口裂け女「けどそのおかげで、今でもぴちぴちのお肌が保ててるんだってさ」
花子「あー、この前の時は夏だったから来れたんですね」
口裂け女「そうみたいよ、まあ念のため電話入れてみたんだけどさ…」
貞子「返事は?」
口裂け女「『夏になったら本気出す』…だってさ」
メリー「なんか、どっかのニートみたいな発言ね」
花子「ですね」
花子「けど、その集まりの時にはお岩さんの他にも何人かいましたよね?今日はその人たちはどうしたんですか?」
口裂け女「あーなんかみんな用事があったみたいでさ」
メリー「あの時いた、ここにいないメンバーといえば…」
花子「雪女さん」
口裂け女「冬場は稼ぎ時で、参加できないって」
貞子「猫又ちゃん」
口裂け女「冬場はこたつで丸くなってるってさ」
花子「じゃあ、鬼娘ちゃんは?」
口裂け女「人間の男と幸せな生活を送ってるって…写メ付きで送ってきやがったよ」
メリー「リア充爆発しろ」
貞子「同意」
口裂け女「完全に同意」
花子「みなさん…目が怖いです」
メリー「だって人間といえど男だよ!!何ちゃっかり恋人作ってんだって話だよ!!」
貞子「いいよね、出会いがある人は…こっちなんて大体出てきたら気絶してるし」
口裂け女「いいじゃん!!こっちなんて大声出されながら逃げられるんだよ!乙女の心ズタボロよ!!」
メリー「乙女の…心?」
口裂け女「何か言いたい事でも?」ギロッ
花子「ひぃっ!!!」
メリー「…イエ、ナンデモアリマセンヨ」
口裂け女「ならよし」
メリー「…ふう、助かった」
貞子「メリーさん、そんな事言っちゃだめですよ」
メリー「いや、私って思った事がすぐに口に出ちゃうんだよね」
花子「けど口裂け女さん…とっても怖かったです」
メリー「色々あったのよ、昔、色々ね」
貞子「怖い…そうだ、みんな最近調子の方はどうなの?」
花子「どうって…ああ、脅かせてるかどうかってことですか?」
貞子「まあそんな感じ、私の方は最近はサッパリでさー」
口裂け女「なんで!?だってビデオに乗り移ってく方法なら…」
貞子「甘い甘い、JH風に言うとシュガーシュガー!!」
花子「何なんですか、それ」
メリー「JH…ああ、メガテンね」
貞子「そう、正解!!」
口裂け女「なんてマニアックな…」
貞子「で、話しを戻すとさっきも言ったけど今じゃビデオのある家の方が珍しいのよ」
メリー「時代の流れってやつね」
貞子「そうなの!今じゃDVDとかBDとかに変わっちゃってさ…こっちの苦労も考えてほしいもんなんだけど」
口裂け女「苦労って、まだ対応できてないとか?」
貞子「そうなの!まあ努力はしてるんだけど、これがまたなかなかうまくいかなくて」
花子「本当に苦労してるんですね…」
貞子「まあ文明の進化もいいんだけどさ、なかなかついていくのが難しい時代になったよね」
口裂け女「まあそうだね、昔は噂話とか、よくてテレビとかだったのに」
花子「今じゃあなんでもネットで即効で知れ渡りますしね」
メリー「あー昔は良かった!!っていうと年をとったってことかねぇ」
貞子「年をとったっていうか…それだけ進歩してるってことだろうけどさ」
口裂け女「ていうか一番恩恵受けてるのはあんたじゃないの?」
メリー「私?」
花子「確かに…昔は黒電話でしたけど、今じゃケータイで一発じゃないですか」
貞子「さっきのを見ると、結構使いこなしてるみたいだし」
メリー「まあ使いこなしてるといっても電話ぐらいだよ、使ってるの」
花子「まあ、ケータイの目的って本来電話ですからね」
メリー「それなのに最近はワンセグだ―着うたフルだーだかなんだか知らないけど値段がべらぼうになりやがってさ」
口裂け女「あー、それすっごくわかるわ~」
貞子「確か一台三万ぐらいするんだっけ?」
花子「そんなにするんですか!!今小学生でも持ってる子いますよ!?」
口裂け女「防犯上の目的とかもあるんだろうけど…あまり感心しないよね」
貞子「それに最近だとケータイゲームが問題になってるみたいだし」
メリー「なになに、なんかあるの?」
貞子「いや、ケータイのゲームでやるとカードがもらえる奴があるらしいんだけどさ」
花子「分かりました!!カード目当てのために何か捨ててるんですね」
貞子「…まあ近いといえば近いのかな」
花子「昔もよくありましたよ、仮面ライダースナックとかビックリマンチョコとか」
口裂け女「そういえば昔、私も注意したっけ…すぐに逃げられたけど」
メリー「口裂け女に注意されたら、まあ二度とやらないでしょうね」
花子「けど捨ててたお菓子も結構おいしかったんですけど」
口裂け女「拾い食いは感心しないけど、まあいいか。もう昔の事だし」
貞子「けどそれよりもっとたちが悪いみたいで…そのゲームのレアカード一枚に十万とかの値段がつくんだってさ」
花子「十万!!普通に大金ですよ」
メリー「けど、そんなんに買い手なんて」
貞子「いるみたいよ。」
花子「なんという無駄づかい…」
貞子「で、その買い手の中には親に内緒の子供もいて、それが問題化してるんだってさ」
口裂け女「親からしてみればいきなり十万の請求が来たらビックリするね」
花子「しかもそれがデータですからね、まあ流れ自体は昔と変わらないみたいですけど」
貞子「金額が金額なだけに、笑い事じゃなくなってるみたいよ」
花子「便利になった面もあれば、こういう面もあるんですね」
口裂け女「そうね…っていうか、貞子はケータイ持ってないの?」
貞子「はい、まあ井戸の中は基本的に圏外なんで」
口裂け女「そりゃそうか…って、あんたは何してんの?」
メリー「いや、いい方法を聞いたな~と思ってさっそく実践を」
花子「やめてください」
メリー「せっかくいい方法だと思ったんだけどなー」
貞子「で、話しを戻すけどさ、実際のところどうなのよ?」
メリー「うーん、まあ確かに楽になったところはあるよ。だって前はいちいち家に電話してたしさ」
花子「それって、対象の人以外が出たらどうなるんですか?」
メリー「その時は最初っからやり直しよ」
口裂け女「ずいぶん手間がかかるのね」
メリー「そーなの!だから最後の最後で対象のお爺ちゃんが出た時があって、もうその時はズコーってなったよ」
花子「 ∧∧
ヽ(・ω・)/ ズコー
\(.\ ノ …こんな感じですか」
メリー「まあ、そんな感じ。けどそこまで再現しなくても」
貞子「まあ気持ちは分かるわ」
メリー「けど、今の時代だと、一人一台電話を持ってるわけだからその心配はなくなったんだけどね」
貞子「よほどの事がなければ他の人は出ないしね」
花子「よかったじゃないですか」
口裂け女「呪うのに良かったっていう表現もおかしいけど…」
メリー「で、やりやすくなったのはいいんだけど、今度は別の問題が出てきてさ」
花子「まだなんかあるんですか?」
貞子「ってかメリーが言うぐらいだから、それってかなりヤバいの?」
メリー「まあヤバいってか…正直怖かった」
口裂け女「あんたが怖がるなんてどんなのよ一体」
メリー「まあ、最近あった話なんだけどね…」
~ ~ ~
Prrrr prrrrr pi
男「…はい、もしもし」
メリー「もしもし私メリー、今あなたのマンションの前にいるの…」
男「おい、待てよ!お前tt」pi!
メリー「…これでよしっと、後はドアの前で電話を鳴らして、最後に後ろからでフィニッッシュだね!」テクテク
メリー「まあこの人に恨みはないけど、仕方ないよね」トコトコ
メリー「そうこう言ってる間に部屋の前にとうちゃーく!!っと」
メリー「では早速電話を…」
Prrrrr prrrrr pi
男「もしもし!!おい、頼むから事情を」
メリー「もしもし私メリー、今あなたの部屋の前に」ガチャ
メリー「へっ!?」
女「…かわいい女の子ですね、男さん」
男「いやだから、本当に知らないんだってさ!!」
メリー「あ、あのー、もしもーし…」
女「あなたは黙ってて!!」
メリー「あ、あぅぅ…」
女「男さん、私言いましたよね、これ以上フラグを立てないでくださいって」
男「いやだから、本当に知らないんだって」
女「知らない人からこんな頻繁に電話がかかってきますか、普通」
男「だから俺も驚いてんだよ!!いや、嘘じゃないって」
女「はっ、どうだか」
メリー『…あれ、もしかして私のせいで修羅場になっちゃった?』
メリー『こんなん完全に想定外だよ、しかも女の人からなんかすごいオーラが出てるし…』
メリー「あ、あの~ちょっといいですか?」
女「何か言いたい事でも」ギロッ!!
メリー「ひぅう!!!な、何でもないです!」
男「おい、なんか言いたかったんじゃないのか!!だったらちゃんと言って潔白を証明してくれ!!」
女「そうですね…この方の意見を聞くのもいいでしょうしね」
男「で、言いたかった事は何なんだ!!」
女「答えて…くれませんか?」ニヤッ
メリー「ひぃぃぃぃぃぃ!!」
メリー『ど、どうする私!!ここで下手な選択したら、破滅に繋がるのは確定的に明らか!!』
メリー『こ、ここは冷静に選択肢を選ばないと…』
1「実は男さんを呪いにきましたー!」
女「何ですって!!許すまじ…」→\(^o^)/
2「ひどい!!私の事は遊びだったんですね」
女「へぇ、で、ここまで出向くなんでいい度胸してますね…」→\(^o^)/
3「あ、電話番号間違えてましたー!!」
女「普通電話は間違えても、家までは来れないよね…」→\(^o^)/
メリー『……』
メリー『……あれ、詰んでない、私?』
女「…どうしたんですか、顔色が悪いですよ」
男「た、頼む…」
メリー「……」
女「あれ?」
メリー「に、逃げろ―――!!!」ドドドドド
女「この、逃がすか―――!!!」ドドドドド
男「……た、助かったのか?俺」
~ ~ ~
メリー「…で、その後三十分ぐらい逃げ回る羽目になりまして」
貞子「なるほど、そりゃ怖いだろうね」
花子「というより、その人すごく怖くないですか?メリーさん相手に三十分も追いかけるなんて…」
口裂け女「確かに、普通の人間なら無理だよね、そんな事」
メリー「愛の力ってやつだろうと思うんだけどね、それでも怖かったわ」
貞子「本当に人間だったの?その人?」
メリー「こっちが知りたいよ、んなこと」
メリー「…で、その経験を生かして思った事があってさ」
口裂け女「却下」
花子「いや、話しぐらい聞いてあげても」
口裂け女「いや、なんかいやな予感がしたからさ」
メリー「ひどい!!話も聞かずに否定するなんて!!」
花子「まあまあ、で、メリーさんは何を思いついたんですか?」
メリー「ありがとう花子ちゃん。あなただけが私の味方ね…後でうまい棒五十本持ってきてあげるから」
貞子「口の中がぱっさぱさになるわね」
花子「あ、じゃあチーズ味でお願いします」
貞子「しかも花子ちゃんのっちゃったよ!!」
メリー「じゃあ、後で用意するから。で、私が思った事は、これからの私たちには」
花子「……」ワクワク
メリー「萌えが大事なんじゃないかと思ったのよ!!!」
口裂け女「 」
貞子「 」
花子「 」ポカーン
口裂け女「…ね」
貞子「…だね、少しでも期待した私が馬鹿だったわ」
メリー「なんでよー!結構いい案じゃないか―」
花子「萌えって…あの」
口裂け女「一応聞いておくけど、あの最近やたらと聞くあの」
メリー「それ以外に何かあるの?」
貞子「すいまーせん定員さん、タライに氷水持ってきてくれませんか?」
メリー「ちょ、頭はちゃんと正常だから!」
貞子「いやいや、どうやら脳に酸素が行ってないみたいだからさ」
口裂け女「いい案ね、貞子」
メリー「いやいや、良くないから!それに寒いしさそんな無茶ぶり…」
ウェイター「お待たせいたしました」ゴトッ
メリー「真に受けなくていいからーーー!」
ウェイター「ジョークです」
花子「ウェイターさん、あんがいお茶目ですね」
ウェイター「いえいえ、それほどでもないですよ」
メリー「こっちは本当に肝が冷えたわ…」
口裂け女「…で、冗談でないとしたらなんでそんな結論に至ったのかを教えてもらいたいんだけど」
メリー「それがね、やっぱ脅かすにしても見た目って大事だって思ってさ」
貞子「ほぅ…」
メリー「例えばの話、ものすごくおどろおどろしい妖怪と、怖いけどなんかかわいい妖怪、見に行きたいのはどっちよ?」
花子「私たちがこんな事言うのも何なんですけど…あまり怖いのには会いたくはないですよね」
貞子「確かに、まあ可愛い方は妖怪かどうか疑うかもしれないけどね」
メリー「そう、たぶんみんな意見としてはそうだと思うのよ…これはつまり、驚かすことにおいてもかわいいほうが有利だと思ったのよ!」
口裂け女「なんという打算的な結論…」
メリー「で、そのかわいいとは何か、突き詰めた結論が“萌え”だったわけです!!」
花子「……そんなに大事ですか?」
メリー「大事よ~、これがあるとないとでは大違いなんだから!!」
貞子「具体的にはどの辺が?」
メリー「そうだね、例えば花子ちゃんの場合だったらさ」
~萌えなし~
少女「ここのトイレだよね、確か」
少女「三回ノックして話しかけると、花子さんが出るって…」
少女「…けど、噂だし!!そんな訳ないよね!」
少女「じゃあ、さっそく」コンコンコン
少女「は、はーなこさん、遊びましょ~」
シーン…
少女「…やっぱ噂か、そうだよn」ガタッ
???『はーい』
少女「…へ?」ギィィィィィィィッ
花子「ねえ…なーにして遊ぶ?」ニヤァァァッ
少女「…き」
少女「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」バタバタバタバタ!!
花子「クククククっ、あー面白い!!」
~萌えあり~
少女「ここのトイレだよね、確か」
少女「三回ノックして話しかけると、花子さんが出るって…」
少女「…けど、噂だし!!そんな訳ないよね!」
少女「じゃあ、さっそく」コンコンコン
少女「は、はーなこさん、遊びましょ~」
シーン…
少女「…やっぱ噂か、そうだよn」ガタッ
???「ちょ、ちょっと待って!!今支度してるk」ガタガタガタガタ
花子「ってきゃああああああ!!」バターン!!
少女「えっ?えっ!えっ?」
花子「イテテっ…なんで私ってこんなにそそっかしいんだろ?」
少女「えーっと、あなたは」
花子「あっゴメン、じゃあ、何して遊ぶ?」
少女「…花子さんなの?」
花子「うん!そうだよ!!」
少女「そ、そうなんだ…」
花子「ゴメンね!妖怪らしくなくて…がっかりした」グスッ
少女「ゼ、全然!!」
花子「で…驚いてくれた?」グズッ?
少女「う、うん!!そりゃもうビックリ仰天だよ!!」
花子「そう!!よかった、驚いてもらえて」ニパー!!
少女『なんか想像してたのと違うけど』
少女『…かわいい女の子だな!』
~ ~ ~
メリー「ってな感じな訳よ」
口裂け女「どんだけ露骨なのよ、これ」
メリー「ちなみに今回は萌の一部である“ドジっ子”と“天然”を追加してみました」
貞子「他にも色々とあるの?」
メリー「そりゃあもちろん!多種多様に取り揃えております!!」
口裂け女「どっかの商売じゃないんだからさ」
花子「けど、確かにそれなら人は多く集まりそうですよね」
メリー「でしょ!驚かせて、おまけに人も絶えない。まさに一石二鳥でしょ!」
貞子「…否定はしないわ」
口裂け女「けどそれって、妖怪的にはどうなのよ?」
メリー「時代は進んでいくんだからさ、私たちの方もそれに合わせていく必要があるんだよ!」
貞子「何かとんでもないを捨てている気がする…」
口裂け女「まあ、それは私たちには当てはまるでしょうけど」
メリー「ありゃ?」
口裂け女「…あんたには効果ないわよ?っていうか逆効果だと思うわ」
メリー「な、なんでよ!!結構同意してたじゃんか」
貞子「…なるほど」
花子「そういう事ですね」
メリー「な、なんでみんな納得してるの?!」
口裂け女「じゃあ、あくまで仮定だけど、その萌えをプラスしたメリーがさっき言ったみたいな状況に遭遇したら?」
花子「ちなみに属性は“ツンデレ”と“僕ッ子です”」
メリー「 」
~ さっきの途中から ~
女「…かわいい女の子ですね、男さん」
男「いやだから、本当に知らないんだってさ!!」
メリー「ちょっと、誰なのこの女の人は!僕聞いてないんだけど!!」
女「…かわいい顔して、なかなか言いますね」
メリー「そ、そんな怖い顔したって…全然怖くないんだからね!!」
女「ほほう…さて、どういうことですか、男さん」
男「いやだから、マジで電話に出ただけなんだってさ」
女「知らない人からこんな頻繁に電話がかかってきますか、普通」
男「だから俺も驚いてんだよ!!いや、嘘じゃないって」
女「はっ、どうだか」
メリー「ちょっと!僕の事もほっとかないでもらいたいんだけど!!」
女「うるさい!!」ギロッ!!
メリー「なにさ!男君から電話があったぐらいでそんな嫉妬しちゃってさ!」
男「おい、これ以上話しをややこしくするなって!!」
女「…そうですか、分かりました」ゴゴゴゴゴ…
メリー「ひぅ!!」
女「なるべく平和的に納めたかったんですが…あなたから直接聞く事にしましょうか」
女「さあ、あなたの罪を数えなさい」
メリー「えっと…その」
メリー「\(^o^)/」
口裂け女「…まあこんな感じになるんだと思うんだけど」
貞子「その萌えがかえって逆効果になってしまうってね」
メリー「こ、これはきっとたまたまで…他のやつだったらさ」
花子「けど、どれを選んでもあまり変わらないと思いますよ。女の人ってあんまり萌えなんて分かってくれないと思いますし」
口裂け女「むしろ女の方から見たら、ぶりっこの泥棒猫ぐらいにしか見てもらえないでしょうね」
貞子「で、メリーに対する憎しみがうなぎのぼりっと…」
メリー「…ダメじゃん」
口裂け女「まあ発想は良かったとは思うけどね」
花子「今度試してみようかな…」
貞子「花子ちゃんなら大丈夫だとは思うけど、ほどほどにね?」
メリー「あー、せっかくの名案だったのにな~」
口裂け女「まあやっぱり地道に頑張るしかないわね」
貞子「けどやっぱ妖怪でも苦労するんだよね~」
花子「そうですね、なんか楽なイメージも持たれてますけど」
口裂け女「たぶん鬼太郎の影響かねぇ」
花子「夜は墓場で運動会…だっけ?」
貞子「なんでそんなところで運動会をするんだか」
メリー「やっぱちゃんとグラウンドでやりたいよね」
花子「後は学校がないとか何とか…」
貞子「その分自分で学ぶ事が多いっての!!」
口裂け女「まあまあ、あれはあくまでアニメだしね」
花子「鬼太郎さんか、けど本当にいてくれないんですかね」
貞子「万が一いたらきっと過労死しちゃうと思うけど…」
メリー「いろいろ問題が多いからね、妖怪も人間も」
花子「けど、ああいうひーろーって憧れませんか?」
口裂け女「憧れ?そうだね~」
貞子「私は無理だわ。あそこまでお人よしにはなれそうにないし」
メリー「私もかな、っていうか私があんなことしたら商売あがったりだしね」
口裂け女「商売って…もうちょっとほかの言い方ないの?」
メリー「いやだってそうでしょ?それが仕事みたいなもんだし」
貞子「綺麗事だけじゃ生きてはいけないんだよね…妖怪だけど」
口裂け女「まあ、そうだけどさ」
花子「…やっぱおかしいですよね、そういうのに憧れるのって」
口裂け女「い、いや、全部がそういうわけじゃないと思うよ!?」
メリー「っていうか花子ちゃんは憧れてるの?」
花子「…おかしいですか?」
貞子「いや、全然!!…けど、なんで」
メリー「やっぱ小学校の子たちを見てると守りたくなっちゃうとか?」
花子「…それもあるんですけど、何もできない自分が悔しくなる時があって…」
口裂け女「…詳しく教えてもらえる?」
花子「…私も一日中トイレにいるわけじゃなくて、放課後とか人が少なくなったときとかに学校を出歩くんですよ」
貞子「まあ一日中あんなところにいたくはないわな」
花子「で、その歩いてる時とかに…見かけちゃうんですよ」
メリー「なに、逢引の現場とか?」
口裂け女「あんたは黙ってて!!」
メリー「あぅ」
花子「それならまだいいんですけど…そうじゃなくって…その」
貞子「っていうか逢引だったらいいんだ」
口裂け女「…いじめの現場か」
花子「…はい」
メリー「……」
貞子「……」
花子「…本当は、見かけたらすぐにでも止めてあげたいんですけど、私は妖怪だから…」
貞子「なるほど、手が出せないってね」
メリー「けど、ラップ音とかで警告とかは!」
花子「一回やってみましたけど…逆効果でした」
花子「そのいじめられてる子がまるでやったみたいな事になって、もっとひどくなっちゃって…」
口裂け女「…辛いねぇ、それは」
花子「…私は妖怪ですし、それなりに長くは生きてますけど、そういう現場を見るのが一番つらいんです」
花子「それに、最近になって昔よりもっとそういうのが増えてきて…」ジワッ
花子「その泣いてる子を見ると…私…!!」グスッ!
口裂け女「…!!よしよし」
花子「…う、うぅ…」
貞子「まさかここまで重かったとは…」
メリー「なんか…悪かったね、馬鹿にした風に言っちゃってさ」
花子「いいんです、実際、私は何もできないんですから…」
口裂け女「違うよ、花子ちゃんはこうやって他の子を思いやる事が出来てるじゃん!それだってすごい事だよ」
花子「そう…ですか?」
口裂け女「そうだよ!!だから花子ちゃん一人で抱え込むことないって!!」
花子「…ありがとうございます!」
口裂け女「うん、どういたしまして!!」
貞子「しっかし、今ってどうしてそこまで荒れてるのかねぇ?」
口裂け女「そういうのは昔からあったりはしたけどね」
メリー「なんだったらそのいじめっ子とかのケータイの番号が分かれば」
口裂け女「やめなさい」
メリー「…やっぱり?」
花子「メリーさんの気持ちは嬉しいですけど、結局のところ本人たちの問題ですから…」
貞子「…あー!!なんかさっきからしけっぽい話題ばかりだね」
花子「そうですね、ごめんなさい!!せっかく久しぶりに集まったっていうのに」
口裂け女「いや、いいのいいの。こんな集まりだから言えた事なんだしさ」
メリー「けど明るい話題って…何かある?」
花子「妖怪が明るい話題っていうのもどうかとおもいますが」
貞子「そうだ、これからについてとかは?」
口裂け女「なに、まさかあんたも萌えに特化しろとかいうわけ?」
貞子「いやいやそうじゃなくて、やっぱり私たちもこう今風にかわっていったほうがいいんじゃないかと思って」
花子「まあ、やってる事はあまり昔から変わってませんからね」
貞子「だから、せめて恰好だけでも変えるのはどうかなと」
メリー「メイド服とかセーラー服とかですね分かります」
口裂け女「あんたの脳内はどうなってんのよ?」
メリー「いたって普通です」
貞子「普通って言葉を辞書で調べなおしてきなさい!!」
花子「格好ですか…例えば?」
貞子「そうだね、例えば花子ちゃんだったらそのま○ちゃんのような恰好から、この雑誌を参考にしまして…」バサッ
口裂け女「何これ?」
貞子「小学生向けのファッション雑誌よ」
メリー「かわいいね~ってか今ってそんな雑誌もあるんだ」
貞子「結構需要はあるみたいよ」
花子「けどこうして見ると本当に可愛いですね」
貞子「で、髪を少し脱色したりしまして」
口裂け女「いやいや、ちょっと待て」
花子「この髪も気にいってますので、いじるのはちょっと…」
貞子「それなら仕方がない」
メリー「ずいぶん大胆な発想するね」
貞子「いや、花子ちゃんなら似合うかなーと思っただけよ」
花子「あ、これかわいいです!!」
貞子「なになに…は―こういうスポーツ系のがお好みですか」
花子「はい!あまり外に出る機会がないのでこういうのに憧れるんですよね」
メリー「うん、これだったら花子ちゃんにぴったりかも!」
花子「いいなぁー本当にこういうの」
口裂け女「けど買いに行くのは大変そうだよね~」
貞子「いやいや、今は通販っていう便利な手段もあるから何とかなるもんよ」
メリー「けど学校宛てに花子ちゃんの荷物が届いたら違和感ありまくりでしょ?」
花子「そうですよね」
貞子「なんだったら私が注文してあげようか」
花子「本当ですか!!」
貞子「いいよー、サイズさえ分かれば別に」
花子「じゃあちょっと待っててくださいね、今サイズ書きますので」カキカキ
口裂け女「…で、あんたの所には無事に届くの?」
貞子「うん、井戸の近くまでちゃんと持ってきてくれるんだなーこれが」
メリー「配達員、肝が座ってるね」
口裂け女「…普通怪しむ、っていうか怖がるでしょう」
貞子「まあ、商売だしいいんじゃない?」
花子「…はい!書きあがりました!!」
貞子「あいよー、じゃあ届いたら連絡入れるね~」
花子「じゃあこれどうぞ!私専用のパソコンのメールアドレスです!!」
貞子「うん、了解したよ!」
口裂け女「っていうか花子ちゃん、学校パソコンをずいぶん有効活用しているのね」
花子「基本夜はヒマですからね」
貞子「で、相談なんですが…」
口裂け女「はいはい、あんたは何を相談したいの?」
貞子「うん、あのさ、私に似合う服って…なんだと思う?」
メリー「服ねぇ…貞子って基本白いワンピースだからね」
口裂け女「冬でも変わんないところはすごいとは思うけどさ」
貞子「いやいや、これでも結構中に着てるんだよ」
花子「えっ、それなら上着着た方が早くないですか?」
貞子「まあそうなんだけどさ、ほら、イメージってのがあるじゃん」
メリー「確かに…その服装だからこそのインパクトってのはあるね」
口裂け女「だったらそのままでもいいじゃん」
貞子「まあそうなんだけど…最近外に出るようにしたらさ、結構注目されるわけよ」
メリー「この時期にそんなワンピースで出歩けばそりゃあ目立つわ」
貞子「で、このままだと正体までばれかねないからさ、なんか普通に溶け込めそうな服はないかと思ってさ」
メリー「それで似合う服を聞きたいってね」
貞子「だって、私あんま服の事よく分からないし、下手な服着たら悪化しかねないしさ」
口裂け女「そう?貞子だったらどんな服着てもあいそうなもんだけど…」
花子「ですよね、そこまで気にしなくていいんじゃないですか?」
メリー「そんなあなたに林家○―の服一式を…」
貞子「…井戸に沈めてあげようか?」┣¨┣¨┣¨┣¨ド
メリー「すいませんごめんなさいもうしませんからゆるしてください」
花子「これが貞子さんの力…恐ろしいです」
口裂け女「いやいや、ここのみんな大体それぐらいの力持ってるでしょうに」
花子「そうですか?」
口裂け女「そうだって、だからこそこうやって自由に出歩ける訳だし」
口裂け女『…まあ、一番力を持ってそうなのが花子ちゃんってのは伏せておこうか』
貞子「で、改めて聞くとどういう服が似合いそうかな?」
花子「そうですね…やっぱ和服っぽいのが似合いそうですよね」
口裂け女「そうだね、その黒髪にあうんじゃないかな」
メリー「けどその髪、そんだけ長いと手入れが大変じゃない?」
貞子「そうでもないよ、もう慣れてるしね」
花子「後は…そうですね、赤とか原色が似合うと思いますよ」
貞子「なるほど、参考にします」
メリー「後は髪形をこんな風にしたら?」
貞子「どれどれ…って何これ?」
メリー「メガ盛りというやつみたいよ」
花子「うわぁ…」
口裂け女「これって人間の髪形?デンドロビウムみたいにみえるんだけど?」
メリー「それならノイエジールの方が感じ的には合ってるんじゃない」
花子「またそんなマニアックな…」
貞子「ってできるかーーーーーー!!!!!」
メリー「いいじゃん!!おもしろそうで!」
貞子「こんなんインパクトが強すぎるっつーの!」
口裂け女「…けどこれなら、ビデオから出てこなくても呪えるかもよ?」
花子「こんな髪形の人が近づいてきたら、まあ度胆を抜かれますね」
貞子「いやいや、別に私そこまでしたくはないからさ」
花子「まあ貞子さんはそのきれいなストレートが一番似合ってますって」
貞子「そ、そうかな?」
花子「そうですって!!自信を持ってください!」
口裂け女「そうだね、変にこだわらない方がいいよ」
貞子「…、うん、ありがとう!!」
メリー「けどそんなおしゃれしても行く先がパチンコ屋ってどうなのよ?」
貞子「黙らっしゃい」
メリー「けど、私は特に服装とかは気にしてないかな~」
花子「まあメリーさんって何着ても似あいそうですよね」
口裂け女「…確かに、軽い茶髪に人形のような瞳…おまけにスタイルもバッチリだしね」
貞子「完全にチートよね、存在自体も」
メリー「いや、まあ…こればっかりは何ともいえないんだけどさ」
メリー「ってか存在の事言ったら私たち全員チート級じゃん」
口裂け女「否定はしない」
貞子「まあそれは置いといて、あんたは何着ても似合うんだから別にいいでしょ?」
メリー「けどさ、イメチェンてのもいいと思わない?」
花子「マンネリ打破ってやつですね」
貞子「マンネリねぇ…そうだ」
メリー「なになに!」
貞子「いっそどっかの制服でも手に入れてギャルでも目指してみたらどう」
メリー「………え?」
口裂け女「あー、いけるいける」
メリー「いやいや、ちょ、ちょっと待ってよ!!」
花子「そうですね…だったらブレザーとかが似合うんじゃないんでしょうか?」
貞子「花子ちゃん、いい発想だね」
花子「へへっ!」
メリー「待てーーーい!!」
口裂け女「何よ、せっかく真剣に議論してあげてるのに」
メリー「その議論の方向がとんでもない所に向かってるんだけど!」
貞子「………?」
メリー「いや、何不思議そうな顔してるわけ?」
口裂け女「いいじゃない、似合わないとは言ってないんだからさ」
花子「そうですよ!」
メリー「いや、そのりくつはおかしい」
メリー「…まあ、百歩譲って着たとしよう」
花子「あ、ノってくれるんですね?」
メリー「で、そんな…女子高生の恰好して、誰かのケータイに電話を入れると」
貞子「あんたの場合はそうしないと何もできないしね」
メリー「で、誰か知らない人がでて徐々にその人の家に近づいていってさ」
メリー「そして、最後にはその人の背後に忍び寄って…」
口裂け女「…その流れってなんか、幽霊っていうか」
貞子「援交に来た女子高生みたいだね」
メリー「でしょ!妖怪としてこれってどうなのよ!?」
花子「けどそれなら証拠もごまかせていいんじゃないんですか?」
メリー「いやいや、流石に私にもプライドがあるから、そんな痴情の縺れとかにはしたくないからさ」
貞子「変な所で気を使うんだね~」
メリー「…だったらあんたもセーラー服でも着てみるかい?」
貞子「全力でお断りします」
メリー「ああ…こんなんならこのままでいいや」
花子「あれ、マンネリのままでいいんですか?」
メリー「よくはないけど…このまま話してても碌な事になりそうにないし」
貞子「諦めたら、そこで試合終了ですよ?」
メリー「安西先生の台詞を出せば、何でもまとまると思うなよ?」
口裂け女「けどマンネリねぇ…」
花子「あれ、口裂け女さんもマンネリを打破したいんですか?」
口裂け女「いや、服の事じゃなくって」
貞子「よし、ここは意外性を狙ってドロンジョ様ファッションで」
メリー「いやいや、それならこっちの白バニーの方が…」
口裂け女「だから違うっていってるだろうがこのスットコドッコイ共が!」
花子「…けど、電柱の陰にそういう人がいたら、間違いなく驚きますよ?」
メリー「まあ、もうそれは妖怪っていうかただの痴女だけどね」
貞子「まあ冗談は置いといて、口裂け女ちゃんは時期によって服も変えてるみたいだしさ、そこまで気にする事はないんじゃないの?」
口裂け女「そりゃまあ、いつも同じ格好だと怪しまれるからちゃんと変えているよ」
メリー「はー、大変だね~」
口裂け女「で、まあ問題は服じゃなくてマスクなんだけど…」
貞子「ああ、そっちね」
花子「そういえば、マスクはずっとそれなんですか?」
口裂け女「いや、ちゃんと交換はしてるんだけどさ、時期によってはやっぱり結構目立つんだよね」
メリー「今の時期ならともかく、夏場なんて怪しさ全開だな」
口裂け女「だからさ、なんかいいのってないかな?」
花子「けど、口裂け女さんの口を隠すとなると、なかなか難しいですよ?」
貞子「確かに、まあ名前の通りかなーり大きく裂けてるからね」
口裂け女「やめて!!コンプレックスなんだからあまり言わないで!」
貞子「…ゴメン」
メリー「ならさ、いっそお面でもかぶったらどう?」
口裂け女「…お面を?」
メリー「そう、それなら口も隠せるし子供も寄ってくるだろうし一石二鳥じゃない?」
花子「まあ一理ありますね」
口裂け女「お面ねぇ…」
貞子「お面って言ったらやっぱホッケーマスクだよね」
メリー「で、片手にチェーンソーを持っていると」
口裂け女「もうそれ別の妖怪じゃない」
花子「じゃあここは無難にハットリ君もマスクでも」
口裂け女「完全にトモダチじゃん」
貞子「あれは最後の方は意味が分かんなかったわ…」
メリー「いや、あれは途中からもう訳が分かんなかったからさ」
口裂け女「っていうかあんたたち真面目に考える気ないでしょう?」
貞子「いえいえ、そんなバカな」
花子「ちょっとユーモアも必要かと思いまして」
メリー「そうそう、ただ脱線しただけだからさ」
口裂け女「なんで脱線しちゃってんのよ!」
メリー「まあ、何というか…ノリ?」
口裂け女「ちょっとは真剣に考えて!」
貞子「じゃあ、ちょっと和風に」
口裂け女『嫌な予感しかしない…』
花子「お多福」
貞子「般若」
メリー「ナマハゲ」
口裂け女「期待した私が愚かだったわね…」
メリー「結局、イメチェンが決定したのは花子ちゃんだけか…」
貞子「下手に変えるとなんかえらい事になりそうだからね」
口裂け女「っていうか、あんたたちがまともな意見を出さなかったからでしょうが!」
花子「ごめんなさい」
口裂け女「いや、花子ちゃんはいいんだけどさ」
貞子「あ、差別だ」
メリー「そうだそうだ―!!私たちもちゃんと敬えー!!」
口裂け女「やかましい!」
貞子「っていうか一番ノリノリだったのが花子ちゃんなんだけどね」
花子「なんていうか、みなさんのかわいくなった姿を見てみたくなったもので」
口裂け女「なっ!か、かわいいって///」
貞子「いや~、こう改めて言われるとお世辞でも嬉しいもんだね」
花子「そんな、お世辞じゃないですよ」
メリー「ねえ…なんか一名ショートしてますけど」
口裂け女「///」ブシュー!!!
貞子「わぁ!なんか頭からマンガみたいに蒸気が出てきてるよ!!」
花子「ウェイターさん、水くださーい!!」
メリー「なんていうか…ここまで純粋なのも珍しくない?」
貞子「まあ、今までが今までだからね」
ウェイター「落ち着きましたでしょうか?」
口裂け女「…ご迷惑おかけしました」
花子「けど落ち着いて本当によかったですよ」
ウェイター「ところで皆様、落ち着いたところで飲み物のお替わりは大丈夫でしょうか?」
貞子「あ、そういえばみんなもうあんまりないね?」
メリー「じゃあ追加お願いします!!」
ウェイター「かしこまりました。では、しばらくお待ちください」
花子「はあ…ずいぶん騒いじゃいましたね」
貞子「お店の人からしてみたら最高に迷惑な客だよね」
メリー「普通の人ならともかく、まず人でもないのにさ」
花子「それなのに愚痴も言わないなんて…すごくいい人ですよね」
ウェイター「いえいえ、少しぐらいにぎやかな方がちょうどいいものです」
貞子「わっ!ビックリ!!」
ウェイター「失礼しました、替えの飲み物が用意できましたので」
口裂け女「本当に騒がしくして申し訳ございません!!」
ウェイター「いえ、あなた方にとってはあまり騒げる機会もないでしょうし、こちらとしてもかまいませんからそんな気にせずとも大丈夫ですよ」
花子「そんな、そこまで気をつかってもらわなくても」
ウェイター「気にしないでください。それでは、ごゆっくりどうぞ」
貞子「ウェイターさんはああいってくれたけど…本当にいいのかね?」
メリー「まああんま気にしすぎると逆にまた気を使わせちゃいそうだし、いいんじゃないかな?」
花子「…そうですね」
口裂け女「ゴメン、私のせいで…」
花子「そんな、気にしないでくださいって!!」
貞子「そうそう、気にしてても何も始まらないってさ」
メリー「どうせならもっと私に気を使ってもらってもいいんd」
口裂け女「ゴメン、それは無理」
メリー「即答かい!!」
貞子「っていうか、イメチェンで思い出したんだけどさ」
口裂け女「何、なんかやって失敗したの?」
貞子「いや、失敗じゃなくてさ…やっぱマンネリ化を打破しようと参考にホラーDVDを借りてみたわけよ」
メリー「ずいぶんと研究熱心だね」
花子「けど貞子さんなら見なくても大丈夫な気もしますけど…」
貞子「いやいや、常に時代のニーズを捉えないと遅れちゃうからね!!」
口裂け女「まるでどこかのIT社長みたいな発言だな」
貞子「……まあ、見て後悔したんだけどね」
花子「で、借りたDVDってなんだったんですか?」
貞子「…いや、自分とは違う怖さのsawシリーズを」
メリー「うわぁ…」
花子「あれ、メリーさんも見た事があるんですか?」
メリー「まあ…SAW一巻だけねけ。けど、あれはないわ」
口裂け女「私は見たこといんだけど、どんな内容なの」
花子「私も見たことないです」
メリー「うん、簡単に言えば…『後味の悪いサスペンス』かな」
貞子「うん…大体あってる」
花子「サスペンスってことは、最後は崖の先端に立ったりするんですか?」
メリー「いや、それは日本だけだからね。外国では(多分)やってないから」
貞子「…どっちかっていうと、悪が勝った感じの終わり方かな?」
口裂け女「勧善懲悪の好きな日本人には合いそうもない感じだね」
貞子「その通り、見てて私も嫌になっちゃってさ」
花子「…そりゃあ嫌になりますね」
貞子「けど借りたからには嫌でも見なくちゃいけないかな~と思っちゃってさ」
口裂け女「で、全部見たのね」
貞子「正直後悔した」
貞子「だって、見ててもどこにも救いがないんだよ!!しかも人の心理をうまく突いた仕掛けだらけだしさ」
花子「仕掛けって、トラップの事ですか」
貞子「あれはもうそんなレベルじゃないよ、マジで」
口裂け女「といっても映画なんだし、結構甘いんじゃないの?」
貞子「その考えが大甘だよ!」
花子「ちなみにどんなのがあったんですか?」
貞子「例をあげるとね…○身体に爆弾→パスワードを打ち込め→壁一面に数字とか…○相手を追う→足元にピアノ線→ショットガン→」
口裂け女「分かった、もういい、もういいから」
花子「そ れ は ひ ど い」
貞子「でしょう?」
貞子「でしょう?」
メリー「で、結局参考になったの?」
貞子「いやいやいや、無理無理」
花子「やっぱりできませんか」
貞子「できないっていうか…まずあんな発想ができないから」
メリー「あれを見ると、つくづく人間の発想って恐ろしいんだな~ってのが実感できるよね」
貞子「同感、いくら私でもあれはできないわ」
口裂け女「けど、聞いてるだけだと貞子にその要素を合わせたら最狂だと思うんだけど」
メリー「なるほど、密室のTVから出る貞子、で、脱出するには時限式の難解なゲームに勝たないといけない…こんな感じかな?」
花子「…まともな人間なら確実に発狂しますね」
メリー「ゲームどころじゃないだろうね」
貞子「っていうかそれなら私っていらないじゃんか」
メリー「そんなことないよ!!ほら、グリコのキャラメルだって美味しいじゃん!」
貞子「私の価値はキャラメル程度かいな」
メリー「のワの」
口裂け女「なーにやってんだか」
メリー「まあ冗談は置いといて」
貞子「私の事は冗談で流されちゃうんかい」
メリー「まあまあ、いやその事もそうなんだけどさ、こうして見るとなんか驚かすハードルがあがってきてるな―って思ってさ」
花子「まあ確かに…生半可な事じゃ驚かなくなったみたいですね」
口裂け女「っていうかさ、これっていっていいのか分かんないけどさ…」
貞子「?思った事はすぐに言った方がいいと思うよ」
メリー「そうだって!ただでさえ日本人は意見を言わずにため込む民族なんだから、こんな仲間内ではハッキリ言った方がいいって」
花子「私たちって日本人のカテゴリに入っていいんですかね?」
貞子「いいんじゃないの?」
口裂け女「じゃあ言うけど…」
メリー「バッチこーい!」
口裂け女「…私たちってさ、思ってるより地味なんじゃないかな?」
花子「 」
貞子「 」
メリー「 」
口裂け女「ほらー。やっぱこんな空気になった~!!」
花子「地味…ですかね?私たちって」
貞子「いやいや、これでも驚かせるのには自信があるんですけど」
口裂け女「じゃあさっき言ってたSAWとかと比べるとどうよ?」
メリー「……くらべる対象間違ってない?」
口裂け女「まあ始めのインパクト的にはどうよって話よ」
貞子「まあ、あれから比べたらねぇ…地味だろうね」
花子「私たちの場合はどうしても、気づいたらいた!!的な登場の仕方になりますし」
口裂け女「でしょ!そう考えると私たちのやり方ってやっぱ地味だと思うわけよ」
花子「一理ありますね」
メリー「けどさ、地味とはいっても、いまさら変えられないでしょう。さっき言ったみたいに萌化するのなら話は別だろうけど」
貞子「あんたはまだそれを引っ張るのか」
口裂け女「いやいや、あくまで私が言いたいのはやり方が地味かなーってだけで、別に変えていこうなんて思ってもいないからさ」
メリー「ほう、じゃあその心は?」
花子「なんか笑点みたいですね」
口裂け女「まあ私が言いたいのはさ、やっぱ地味かもしれないし、ハードルがあがってきて脅かすのは難しくなっていくかもしれないけど…私たちぐらいはこのままでもいいんじゃないのかなってことを言いたかったのよ」
メリー「長い!」
花子「うわぁ…」
貞子「ここでそれを言うか…」
口裂け女「あんたのおかげで台無しだよ!!」
メリー「あれ…もしかしてやっちゃった?」
貞子「うん、間違いなくやっちゃったね」
口裂け女「全く…あんたってやつは」
花子「まあ、いいじゃないですか、メリーさんらしくって」
口裂け女「けどねぇ…少しは空気を読んでよ」
メリー「だ が 断 る」
貞子「いい加減にしなさい!!」
花子「で…気を取り直して、口裂け女さん。変わらないのがいいって…?」
口裂け女「いやぁ、ほら、さっきも散々話してきたけどさ、私たちの環境って良くも悪くもどんどん変わって行ってるわけじゃん」
メリー「おかげで便利になった面もあるけどね」
口裂け女「確かに私も一時期時代に合わせた方がいいと思った時もあったんだけどさ、なんか違うんじゃないかな~って思ったわけ」
貞子「私の場合、合わせていかないと死活問題なんだけど…」
花子「もうビデオもあんまりないですしね」
口裂け女「あー、そういう意味じゃなくってさ」
口裂け女「ほら、私たちって結局噂があって初めて存在してる面もあるじゃん」
花子「私なんてその典型ですね」
口裂け女「でさ、その私たちが自分たちのイメージを時代の流れに合わせて変えていくのは…正直不安なんだよね」
メリー「えらい人はいいました。向上心のないやつは馬鹿だって」
貞子「お前はどこの先生だ!」
口裂け女「また微妙なつっこみね」
貞子「いちいちネタを求めないでよ」
花子「夏目漱石ですか…またマイナーなところを」
口裂け女「…まあ、そのあほうは置いといて」
メリー「ついにアホ扱いされちゃったよ」
貞子「自業自得よ」
口裂け女「でさ、もしも私たちが変わったとしたらさ…それはもう私たちじゃないんじゃないのかなーって思ってさ」
貞子「つまり、変わった私たちは、もはや別物なんじゃないのかってこと?」
口裂け女「そういうこと」
メリー「えらい哲学的な話ですなぁ~」
花子「けど、私たちには変わりはないんじゃないんですか?」
口裂け女「そりゃそうだけど、私たち以外の人からしてみたら」
貞子「驚かれはするけど…また別の存在としてでしょうね」
メリー「ってことはつまり?」
口裂け女「新しい存在として…まあ今の私たちの存在が消えてしまうような気がしてね」
花子「…少し考えすぎじゃないですか?」
メリー「そうだって!!気にしすぎは痴呆の始まりだよ!!」
貞子「もう痴呆って概念もないでしょ、私たち」
口裂け女「まあ、そうだとは思うんだけど…私たちのイメージってもう完全に定着しているからさ、ちょっとね」
貞子「…確かに存在してるだけでも奇跡だよね」
花子「よく考えたら、いつからこう存在していたかなんて思い出せませんね」
口裂け女「うん、実は私もなんだ」
貞子「そういえば私も」
メリー「ここで私も…って同意すると思ったか!!」
貞子「違うの!?」
メリー「うんにゃ、私も同じだよ」
口裂け女「さっきからいちいちまぎらわしい事すんなーーー!!!」
メリー「ちょ、スト、スト―――っプ!!!」バチーン!
メリー「うう…ほっぺが痛いよー」ヒリヒリ…
貞子「まあきれいなモミジだこと」
花子「ですね」
メリー「何この冷静すぎる対応は」
口裂け女「さっきも言ったけど、自業自得よ」
メリー「うぅ…、まあ冗談抜きに、私もいつからいたかってのは分かんないね」
メリー「気づいた時には街のみんなの噂どおりの行動をしてた…ってところかな」
貞子「そうね、私もそんな感じだし」
口裂け女「私も、だから…一つ仮定してみる事にしたの」
貞子「仮定?」
口裂け女「そう、私たちって実は人の噂によって作られて、そしてその元となる噂が消えたとき、私たちも消えるんじゃないのかなって…ね」
メリー「!!!」
貞子「!!!」
花子「…やっぱそうですかね、薄々感づいていましたけど」
口裂け女「ずいぶん落ち着いてるね、花子ちゃん」
花子「まあ長い事やってますからね、けど…」
貞子「認めたくはないよね、こんな事はさ」
口裂け女「だから、こういうイメチェンとかも、下手したら自分たちの存在を消すだけなんじゃないのかな…って思っちゃってね」
貞子「…まあ、消えるのは嫌だよね」
口裂け女「うん、まあこんなん存在だし、あまり好かれない存在だって事は自覚してるけどさ」
口裂け女「…忘れ去られて消えるなんて…嫌」
花子「……」
貞子「……」
メリー「……」
メリー「……あー」
貞子「メリー?」
メリー「あーも―!みんなして暗―い!!!」
花子「メ、メリーさん!?」
メリー「全く、妖怪なのに何細かいこと気にしてるのさ!!」
貞子「細かい事って…あんたねぇ」
メリー「消えるのが怖い?じゃあ人は不滅とでもいうの?」
口裂け女「そ、それは…」
メリー「違うよね。人だっていつ消えるかも分からないけど、それでも必死で生きてるんだよ」
メリー「だから…例え私たちが忘れられたとしても、それは仕方がない事だし、むしろそれが自然なんだよ」
花子「…メリーさん」
メリー「だからさ…そこまで気にすることないって」
メリー「それに、噂なんてもんはそう簡単にはなくならないもんだし、忘れた頃にまた復活なんて事があるかもよ」
メリー「まあ、イメチェンを提案したのは私なんだけどね!!」
口裂け女「……そうね、案外そんなもんかも」
メリー「そうそう、だから今を楽しく生きた方が絶対いいって…まあ私の言うことでもないか」
口裂け女「…うん、あんたに慰められるとは思わなかったけど」
メリー「ひどいな―、で」
貞子「……」
花子「……」
メリー「なんであんたたち2人はポカーンとしてるの」
貞子「いや、なんていうかあんたの口からそんなまともな事を言うなんて予想してなくてね」
花子「思わずあっけにとられていました」
メリー「ねえ、泣いていい?私泣いていい?」
ボーン… ボーン…
貞子「うん、いまどき振り子時計なんて珍しいね?」
口裂け女「オーナーの趣味なんだってさ」
花子「はあ、いい趣味ですね、お店の雰囲気にもぴったりですし」
メリー「そうだね。まあ電波時計とかのほうがいいんかもしれないけど」
貞子「それだと正確なだけで、店の雰囲気とは調和しないだろうね」
花子「正確さよりも大事なものですか…」
口裂け女「案外今の時代に一番足りてないものかもね」
貞子「まあ、それに気づくのはある程度の余裕がなくちゃね」
メリー「≠現代人には余裕がないと」
貞子「そうなんじゃない?少なくとも私からはそう見えるんだけど」
口裂け女「それってつまり、妖怪視線から見ればって事?」
貞子「そう、やっぱさ、なんか今っておかしいよね」
貞子「まあ他人を脅かしてる私たちが言う事じゃないとは思うけどさ」
貞子「ただ狗のように働いて、何も希望も持たず生きて、家族がいても話しもしない…これが正常かね」
花子「…昔みたいに家族団欒って家は滅多にないんですかね?」
口裂け女「無い事はないと思うよ、ただ絶対数が少ないだけで」
メリー「昔は珍しくもなかったんだけどね」
貞子「まあ、それ以外にもそう思う一番の理由がさ」
貞子「…子殺しが日常化してる事なんだけどさ」
花子「……」
口裂け女「貞子…」
貞子「まあ、私の事はどうでもいいのよ、今は十分楽しく生きてるしさ」
メリー「…それは本音なの?」
貞子「半分は」
花子「じゃあ残り半分は?」
貞子「…正直憎悪しかないね」
口裂け女「本当、今はくだらない理由で起きてるからね」
貞子「『夜泣きが五月蠅かった』『育児に疲れた』とかさ」
花子「もっとひどい理由もありますよね」
貞子「…なにそれ?」
貞子「なんで、なんでそんな事が出来るのさ!!」ガタッ!!
メリー「ちょ、落ち着いて」
口裂け女「おお!メリーがフォローしてる」
花子「レアですね」
メリー「何冷静に分析してるのよ!!」
貞子「その気持ちも分かんない事もないけどさ!」
貞子「だからって!その子の将来まで潰す事なんてないじゃん!!」
花子「…リセットでもできると思ってるんじゃないんですか?」
口裂け女「ずいぶん冷静だね」
花子「私も…何度か見てきてますし」
貞子「リセット!?できるわけないじゃん、だって還ってこないんだよ!」
貞子「なのに、なんで分かんないのよ!!」
メリー「…ドラ○もんの作者の短編集にそんな話あったな…」
口裂け女「そんなんあるの?」
メリー「確か、人口が増えすぎた未来の話でね」
メリー「人々は生きるためのカロリーを得るために命っていく概念がどんどんないがしろになっていく…ていうような話よ」
花子「そんなの書いていたんですか?オバ○とかのイメージかなかったんですけど」
メリー「結構そういう内容のはあるよ」
口裂け女「なんていうか…今の状況によく似てるね」
メリー「予言してるみたいでしょ、今の話を聞いてたらふと思い出してね」
貞子「マンガの世界に今が近づいていってるの…?」
メリー「そこまで人は愚かじゃないとは思うけどさ」
メリー「少なくとも大切な何かを無くしている点は同じなんじゃないかな?」
口裂け女「嫌なもんだね、本当にさ」
貞子「…みんな昔みたいに戻れるのかな?」
メリー「そりゃ分からないよ。私たちじゃ」
花子「ですよね、結局それを決めるのは今生きてる人達ですし」
口裂け女「私たちにできるのは…そんな犠牲が無くなる日を祈る事だけだね」
貞子「うん、なるべく早くそういう事がない、生きる事に余裕のある日常を取り戻してもらえるように…!」
花子「ですね、貞子さん!」
メリー「まあ脅かす相手がいなくなったら元も子もないしね!」
花子「さっきまでシリアスだったと思ったら」
口裂け女「やっぱりメリーはメリーだったか」
メリー「もう、本当にひどいなーみんな」
口裂け女「まあやっぱそう簡単には変わらないか」
貞子「…だね」
花子「で、そろそろ時間じゃないですか?」
口裂け女「ありゃ、そういやさっき時計が鳴ってたっけ」
貞子「そういえばもうそんな時間か…」
メリー「いや、結局グダグタで終わっちゃったね」
三人「お前が原因だろーが!!!」
メリー「あーうー」
貞子「じゃあ花子ちゃん、後で服が届き次第届けるから、学校のどこかにビデオセットしといてもらえる?」
花子「了解です!!」
貞子「じゃあこれがビデオだから、頃合いをみて再生して」ヒョイ!
花子「はーい」
口裂け女「しっかし、やっぱチート技能ねそれ」
メリー「ホントだね。ってか学校にビデオはあるの?」
花子「確かどこかの倉庫に眠ってたと思います」
貞子「それならよかった、じゃあお願いね」
口裂け女「さて、じゃあそろそろお会計にしますか」
メリー「どうぞどうぞ」
口裂け女「なに人に押し付けようとしてるのよ」
メリー「いや、ここは幹事様が払うのかと…」
口裂け女「誰が幹事だ」
貞子「なんだったら私が出そうか?お金はあるから」
メリー「出ましたブルジョワ発言!!じゃあお言葉に甘えて…」
口裂け女「なにを言ってんの!こういうのは貸し借り無しよ」
花子「そうですね!」
貞子「そんな、気にしなくてもいいのに」
口裂け女「いいからいいから、みんな払えるんだしさ」
メリー「うぐっ、花子ちゃんに言われちゃ何も言えないじゃん…」
口裂け女「あんたは少しはプライドを持ちなさい」
花子「じゃあウェイターさん、お会計お願いしまーす!」
ウェイター「かしこまりました」
~ ~ ~
ウェイター「…はい、ありがとうございました」
花子「いえいえ、こちらこそご馳走様でした!!」
貞子「さて、じゃあそろそろ行きますか」
メリー「あー、またランダムに電話をかける仕事が始まるよ…」
口裂け女「まあ、がんばっていきましょうか!!」
貞子「次はいつごろ集まれるかね…」
花子「…できたら今度は間を開けないで集まりたいですね」
口裂け女「そうだね、じゃあ夏頃にでも集まるようにしますか」
貞子「うぐっ!じゃあ今のうちから予定立てとかないと」
花子「夏場は書き入れ時ですからね」
口裂け女「じゃあ、また決まったら連絡入れるからその時はよろしくね~」
花子「了解です!!」
貞子「はいよー」
メリー「じゃあさ、今度集まる時はゲーム持っていいかな?」
貞子「私たちは別にいいけど…お店に迷惑がかかるんじゃない?」
メリー「大丈夫!ちょっとしたTRPGだからあんま騒がしくならないからさ」
花子「TRPG…ってテーブルトークのやつですよね、最近ニコニコで話題の」
メリー「そうそう、それ!私も結構興味があってさ」
口裂け女「…で、内容は?」
メリー「当然クトゥルフTRPGよ!!」
花子「いいですね!マーシャルアーツ万歳!」
メリー「花子ちゃん分かってるねぇ~」
貞子「…妖怪が邪神のTRPGをやるのってどうなのかしら?」
口裂け女「いいんじゃない?本人たちがノリノリなら」
貞子「むしろ私たちの存在こそsan値を削りそうなもんだけどね」
口裂け女「ってか貞子もけっこう知ってるのね」
貞子「まあ、それなりには」
~カランカラーン~
メリー「さてっと…」ppp
メリー「もしもし、私メリー、今あなたの近くの駅にいるの…」pi!
メリー「じゃあ、私はこのまま仕事に行くね~」
貞子「はいよ、気をつけてね~」
花子「さようなら~」
口裂け女「元気でね~」
メリー「ありがとー、じゃあねー」ダダダダダダダー!
貞子「ものすごい速さで走ってたね…」
口裂け女「まあ、まだ駅についてなかったしね」
花子「本当に律儀ですね…」
貞子「じゃあ、私もいくね」
口裂け女「うん、貞子も気をつけてね」
貞子「大丈夫よ!じゃあ花子ちゃん、またね」
花子「はい、よろしくお願いします!!」
貞子「じゃあねー」ノシ
口裂け女「じゃあ、私たちもいこっか」
花子「そうですね…けど、ホッとしました」
口裂け女「?何が」
花子「いや、色々と悩みを抱えてるのって私だけじゃないんだなーって」
口裂け女「そりゃそうだって、悩みなんて生きてれば誰にでもあるって」
花子「ええ…今日みんなと話して、それを実感しました」
口裂け女「まあ、よかったじゃん。気持ちが少しでもすっきりしたんだったらさ」
花子「はい!!それで口裂け女さん」
口裂け女「…なんだい?」
花子「今回は、本当にありがとうございました!!」
口裂け女「…どういたしまして」
~数ヵ月後~
少女「ここのトイレだよね、確か」
少女「三回ノックして話しかけると、花子さんが出るって…」
少女「…けど、噂だし!!そんな訳ないよね!」
少女「じゃあ、さっそく」コンコンコン
少女「は、はーなこさん、遊びましょ~」
シーン…
少女「…やっぱ噂か、そうだよn」ガタッ
???「はぁーい!」
少女「きゃあ!!…ってなんだ、脅かさないでよ~」
花子「…えっ?」
少女「いや、花子さんってもっとこう、レトロな格好じゃん」
少女「けどさ、それ今流行りの雑誌に載ってた服だよね?」
花子「ああ、まあ雑誌を読んで買ったから…」
少女「全く…本当に驚いたんだからね!!」
花子「え、えぇ~」
少女「けどさ、本気にしちゃう子もいるからこういうイタズラはやめといた方がいいよ?」
花子「いや、悪戯じゃないんだけど…」
少女「またまたー、まあ何にしてもほどほどにね!!」タッタッタッタッタ…
花子「あ、ちょっと、待って…」
花子「………」
花子「だめだこりゃ」
End