やよい「それじゃ、今日もありがとうございましたー!」
P「うん、お疲れさま!」
P「やよいはいつも元気だな」
やよい「はい!それに今日は雨の日じゃないですか!」
P「?やよい、雨の日が好きなのか?」
元スレ
やよい「わたしとハクサイ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1362015946/
やよい「はい!だって雨の日だと、近所のスーパーで雨の日セールが行われるんです!」
やよい「いつもは5%引きなのに、10%引きになるんですよー!」
P「お、おう…そうか」
やよい「はい、それじゃお先に失礼しまーす!」ガルーン
P「…やよいは売れてきても変わらんなぁ」
律子「やよいですからね」
P「それで納得できてしまうのがすごい」
律子「やよいですからね」
・
・
ザァーーーーー…
やよい「あっるっこぉ~、あっるっこぉ~♪」
やよい「わたしっは~げんきぃ~…う?」
ぬこ「…」
やよい「はわっ!?ねこさんですー!」
ぬこ「…ナァー」
やよい「ぬ、濡れちゃってる…」
やよい「と、取りあえず一緒に入りましょうか?ねこさん」
ぬこ「ンァー」ゴロゴロ
やよい「えへへ…かわいいですー!」
やよい「…でもこれって」
『拾ってください』
やよい「…」
やよい「どうしましょー…」
ザァーーーーーー…
やよい「うぅ…早く行かないとセールも終わっちゃうし…ごはんも作らないと…」
やよい「…」チラッ
ぬこ「?」キョトン
やよい「うぅ…」
やよい「…」
やよい「…よしっ」
やよい「と、取りあえずカサはこのままで…」
やよい「…あ」
やよい「あ、あの!すいません!」
顔にキズのある人「ああん?」
やよい「ええと…その」
やよい「…お兄さん、ねこおうちで飼えませんかー?」
キズのある人「は?なに言ってん…」
やよい「あの…」
キズの人「…」
キズの人「…あー」
キズの人「…どうした?」
やよい「そ、それが…あそこのダンボールにですね…」
キズの人「…なるほど」
キズの人「…お嬢ちゃん、すまん。うちでは飼えん」
やよい「そうですかー…すいません、引き止めてしまいまして…」
キズの人「…」
キズの人「…ずぶ濡れじゃねぇか。風邪ひいちまうぞ」
やよい「カサはねこさんに貸してるのでー…大丈夫です!わたし元気ですから」
やよい「それじゃ、ありがとうございましたー!」
キズの人「…」
・
・
やよい「そうですか…いいえ、ありがとうございました」
やよい「…」
やよい「うぅ…あんまり人も通らないですー…」
ぬこ「…ナー…」
ザァーーーーーーー…
やよい「…」
やよい「…ううん、まだまだです!」
「嬢ちゃん」
やよい「う?」
キズの人「よう…」
やよい「あ、さっきのお兄さん…」
キズの人「…ほら」
やよい「…?」
やよい「カサとカイロ…とネコ缶?」
キズの人「やるよ」
やよい「ええ!?そんな…悪いですー!」
キズの人「いいんだ」
やよい「でもー…」
キズの人「もらってくれ…飼ってくれる人、見つかるといいな」
やよい「…ありがとう」
やよい「ありがとうございます!お兄さんはとっても優しい人ですね!」
キズの人「…」
やよい「な、なにかお返しできればいいんですけど…」
キズの人「…いいよ」
やよい「…あ!わたし765プロっていうところでアイドルしてます、高槻やよいといいます!」
キズの人「765プロ…?」
やよい「はい!なので今度ぜひ事務所に来てください!なにかお礼がしたいです!」
キズの人「アイドルさん…ね…」
やよい「はい!ぜひ!」
キズの人「…がんばってな」
やよい「本当にありがとうございました!必ず来てくださいね!」
キズの人「ん…気が向いたら」
やよい「ありがとうございました!」ガルーン
やよい「…」
やよい「えへへ…とってもいい人でしたー」
ぬこ「…ンナ」
やよい「うーん…とりあえずネコ缶を…」パカ
やよい「はい、どうぞ!」
ぬこ「…」パクパク
やよい「えへへ…おいしいですかー?」
やよい「とってもお腹すいてたみたいですー…」
やよい「…おなか…すいた…」
やよい「…む!もうひと頑張り!」
・
・
「」ガチャン
「765プロ…765…」
「…これか。あー…」
「」ポパピプペ
「…」プルルルルル…
「…ああ、もしもし…」
「あんたんとこのアイドルがな…」
・
・
やよい「…そうですか…いえ!ありがとうございましたー!」
やよい「…」
ぬこ「…ナァー」
やよい「あ…ごめんね。次…がんばるから…」
ぬこ「ンァー」
やよい「…寒いですー…」
やよい「…」
…キィッ!ガチャ!
「やよいっ!」
やよい「う…?」
律子「あんた何やってるの!?」
やよい「あれ…律子さんー…?」
律子「くっ…とりあえず車に乗りなさい。事情は後で聞くわ」
やよい「で、でも…ねこさんが…」
ぬこ「…ナァー」
律子「…そういうことね。もう聞かなくてもわかったわ」
律子「一緒でいいから乗りなさい」
やよい「…すいません」
律子「やよいが謝ることじゃないわ」
やよい「…」バタム
・
・
律子「ふぅ…」ガチャ
P「おかえり、って…なんだそれ?」
律子「ええ…原因はこれでしたよ」
P「…捨て猫か」
律子「はい」
P「あー…なるほど」
P「一概には怒れんなぁ、これは」
律子「そうですね…」
P「ちょっとまず律子も座っとけ。今熱いお茶でも入れるから…」
律子「すいません…ふぅ」ストン
律子「…」チラ
ぬこ「ンナー」
律子「…ふふ」ウリウリ
ぬこ「…」ゴロゴロ
律子「♪」
P「ほら」
律子「あ、ありがとうございます」
P「…やよいは?」
律子「びしょ濡れでしたからね。熱いお風呂入ってあったかくして寝なさいって言っておきました」
律子「風邪、引いてなきゃいいんですけど…」
P「ああ」
P「んで…ずっとそこから離れられなくなってたのか?」
律子「どころか、道行く人に声かけて飼ってくれる人探してたみたいで…」
P「やよいぃ…」
律子「おそらくあの電話も」
P「その声をかけられた人の誰か、ってことか」
律子「ええ」
律子「…正直、こればっかりは交通事故みたいなものですからね」
P「?」
律子「唐突に出くわして、避けようと思っても避けられず」
P「ああ…なるほどな」
律子「まぁ、一人でなんとかしようとせずすぐ大人に…」
律子「この場合は私たちにでも連絡すべきでしたね。そこだけです」
P「あー、やよいはあんまり頼ることを知らないからな…」
ぬこ「ンナー」
P「おっと、それよりこの先どうするかだな」
律子「ですね」
P「うーん…しかし、かわいいなこいつ」
律子「え、ええ、まぁ…」
P「うりうり」
ぬこ「!」ピョン!
律子(かわいい…)
P「はは…いいなぁ猫も」
P「ってもずっと置いとくわけにもなぁ」
P「…律子?」
律子「ひゃい!?な、なんでふか!?」
P「…」
律子「ひ、引き取り手の事なんですが!」
P「ああ…事務所内だったら響とか可能性高そうだけど…」
律子「…たしかもう猫飼ってましたよね」
P「ああ。ねこ吉」
律子「うーん…微妙ですね」
P「あとアパート組はたぶんダメだろ…あずささんと千早か」
P「あ!音無さんとかどうかな!?」
律子「小鳥さんですか」
P「あ、小鳥だから猫はダメかな!?」
律子「…」
P「…ごめんなさい」
律子「…まぁここで話しても進展はなさそうですね」
P「だな。やっぱ明日全員に聞いてみて、それからまた考えるか」
P「誰か引き取ってくれたら一番いいんだがな」
律子「ですね」
―翌日
やよい「うぅ~…心配で早く来すぎちゃいましたー…」
やよい「…8時」
やよい「まだカギ…」
ガチャ
やよい「あ、あれ!?」
やよい「あいてる…」
やよい「お、おはようございま~す…」
「ンニャー!」
やよい「…!ねこさん!」
やよい「よかった!元気ですー!」
やよい「うっうー!はい、たーっ…」
ぬこ「?」
やよい「…ちは、できませんよねー…あはは」
「…んぁ…?」
やよい「わ!」
「ありゃ…寝てた…」
やよい「プ、プロデューサー…?」
P「ん…あれ…やよい…」
P「やよい!?い、今何時だ!?」
やよい「えーと、8時すぎくらいですー」
P「8時…か。はぁ~…」
P「みんなの出勤時間まで寝ちまったのかと…」
やよい「大丈夫ですよー!私はねこさんが心配で早く来すぎちゃって…」
P「あ、そうか!猫…!」
やよい「ここですー!すっごく元気で安心しましたー!」
ぬこ「ナー」
P「そ、そうか…よかった」
やよい「プロデューサーは朝早くからどうしたんですかー?」
P「ん…ああ実は…」
やよい「?」
P「…猫が心配で早く来すぎたんだ」
やよい「プロデューサーもですかー!私とおんなじですね!」
P(猫をほっとくと危ないからって事務所に泊まったなんて言えないYO!)
P「まぁ結局寝ちまったしな…」
やよい「あのー…プロデューサー…」
P「ん…?」
やよい「小鳥さんのデスクがー…」
P「…」
P「Oh…」
P(なぜか小鳥さんのデスクの一番下の引き出しだけ重点的に荒らされている…)
やよい「ど、どーしましょー!」
P「う~ん…」
ぬこ「?」
P「…コイツに罪はない」
・
・
響「う~ん…うちにはねこ吉が…あ!で、でもどうしてもの時は面倒見るぞ!」
千早「ごめんなさい…本当にごめんなさい!!うちはマンションだから…!くっ…!」
伊織「まぁ預かるぐらいならいいけど…飼うのはちょっと難しいかも…ごめんねやよい」
小鳥「………ぴよぉ…ぴよぉ…」シクシク
P「う~ん…やっぱり難しいよな…」
やよい「ですねー…」
ぬこ「…ファ」
P「とりあえずやよいは仕事行ってくれ。時間だ」
やよい「はいー…」
P「こっちで今後のことは考えとく。あとは世話の注意点とかも…」
響「はいさーい!」
P「先生がいるから大丈夫だ」
律子「そうよ。ちゃんと考えとくから」
やよい「…はい!よろしくお願いしますー!」ガルーン
やよい「じゃあ、行ってきます!」バタン
P「…ふむ」
P「では今から作戦会議…いや、臨時講習をはじめる」
響「なんでも聞いてくれさー!」
P「お願いします!先生!」
響「ふっふっふっ…メモの用意はいいかね?」
P「はい!」サッ
律子「…内容は真面目にね」
響「…そうだなぁ…じゃあまず食べ物!」
P「そういえば今朝ネコ缶を与えましたが、大丈夫でしょうか先生?」
響「…そのキャラめんどくさいぞ」
P「はい!」
律子「…」
響「えーと、見たところこの子は多分生後…半年くらいだと思うさー」
響「だから基本的には固形物も大丈夫。ネコ缶もOK」
響「ただ一応ドライフードはやめといたほうがいいさー」
P「ふむふむ」メモメモ
響「あ、あと基本人間の食べ物はあげない方がいいぞ?」
P「あー…かわいがってお菓子とかやっちゃいそうだなぁうちのやつら」
響「美希はおにぎりとかあげちゃいそうだね」
律子「春香はクッキー?」
P「雪歩はお茶?」
響「貴音は…」
P・律子「…」
響「…」
律子「たしかネギとかダメなのよね?」
響「うん、たまねぎもね。あとはネコにあげてるイメージ強いけど魚とか」
P「え?ダメなの?」
響「魚自体はいいんだけど、結構骨をひっかけちゃうさー」
響「だからやるとしてもほぐし身を。あ、塩分も入ってたらダメ。骨はできるだけ取り除く!」
P「」メモメモ
律子「っていうかさすがに魚はメモしなくても…」
響「あ、あと牛乳はちょっと注意かも。よくあげてるイメージあるからねー」
P「うっそ!?」
響「これも結構猫によるんだけど…牛乳で下痢しちゃう子もけっこういるみたい」
響「冷蔵庫で冷やされた温度がダメって話もあるけど…」
響「この子はまだ子猫だし、やっぱりあげない方が無難さー」
P「食事だけでも大変だな…」
響「うん。長年飼う場合は栄養とか体重とか考えて食事を出すんだけど…」
響「ここに居るうちは食事は缶詰、人間の食べ物は与えない!って徹底すればだいじょぶさー」
響「あ、水はいつでも飲めるようにね!」
P「缶詰の種類はなんでもいいのか?」
響「まだ成長期だから、高カロリーって書いてあるやつを選ぶといいかも」
律子「食事の回数とかはあるの?」
響「この子ぐらいだと3回かな」
律子「人間と同じね」
P「貴音ェ…」
P「あ、待った。1食につき1缶でいいんだよな?」
響「うん。基本的には1缶で1食分の分量になってるから」
P「ふむ…こんなところか」
響「あとは?なんか楽しくなってきたぞ!いつもと立場が違うって感じで!」
P「ぐ…!」
律子「まぁ確かにね…」
P「あー…そうだ」
P「さっきちょこっと出てきたが…粗相の問題が」
律子「あー…」
響「うーん、正直覚悟しといたほうがいいかも…」
P「予想はしていたが…」
響「昨日ここに来たばっかりだし…」
響「一回トイレの場所を覚えるとあとはけっこう大丈夫なんだけどね…」
響「あ、そうだ!あの子って何に入ってたの?」
P「?ダンボールだが…」
響「その中になにか入ってなかった?新聞紙とかセーターとか…」
律子「…たしか毛布が入ってたような」
響「それ使ったらいいぞ!」
P「?」
響「その毛布をダンボールに入れて寝床にしてやると、自分の匂いが残ってるからきっと安心するさー!」
律子「なるほど…」
響「それで、寝床の近くに猫のトイレ用の砂敷いたダンボールをもう一つ置いとく!」
響「そうすればちょっとはトイレって理解するの早くなるかも…」
P「場所はどこでもいいのか?」
響「静かなところ。寝てる時もトイレの時も猫にとっては無防備だからね」
響「本能的に人目につかない静かなところを好む子が多いさー」
響「まぁ完全に人に慣れちゃえば別だけど」
P「なるほど…静かなところね…」
P「給湯室とか?」
律子「結構人出入りしますよ」
P「…社長室とか」
律子「…怒られますよ」
P「…すまん」
響「あ、もちろん猫が自由に行けるとこだぞ!」
律子「社長室消えましたね」
P「いやいっそのこと社長室で飼えば…」
律子「…」
響「あ、あと爪とぎは…」
・
・
・
・
P「つ、疲れた…」
律子「多い…」
響「じゃあまた何かあったら聞いてくれさー!」
P「響…」
響「?」
P「お前…すごいな」
響「へ?」
P「知識もだが…そんなことをみんなにやってるんだろ?しかも10匹…」
響「当然さー!家族だからな!」
律子「本当に…見直したわ」
響「へへ…自分完璧だからな!じゃあ仕事行ってくるさー!」
律子「くぅ…」
P「…休憩を所望する」
律子「そうですね…」
P「音無さんもご飯でも食べに行きませんか?」
小鳥「………ぴよぉ…」コク
律子「…小鳥さん」
律子「あ、でも三人でちゃうと…」
P「…」
ぬこ「?」
P「…」
律子「…」
小鳥「…」
P「しゃちょ~」
高木「な、なんだね!ついにご飯の誘いかね!?いやぁこの時をどれほど…!」
P「すいません、この子みててもらっていいですか?」
高木「…」
律子「30分ぐらいで戻りますんで」バタン
高木「…」
ぬこ「ナー?」
高木「…」
高木「…」ナデナデ
ぬこ「…」ゴロゴロ
高木「…」/////
・
・
P「戻りましたー」
<ドウダドウダ?イクゾ?イッチャウヨキミィ! ナァー!
P「…」
律子「…」
P「…しかし、生き物を飼うってやっぱ大変だな」
律子「ええ…」
P「正直ここにいても問題ないかなってちょっと思ってたんだが…」
律子「同じく…」
律子「あ、そういえばあの子名前はないんですか?」
P「ああ…今のところないな」
P「やよいが帰ってきたら聞いてみるか」
・
・
やよい「じゃあ、ハクサイにします!」
律子「は、はくさい?」
P「白菜ってあれか?あのトム・ハンクスに似てる白菜か?」
律子「何言ってんですか…」
やよい「はい!ちょうどあの子とあった日、絶対に白菜買わなきゃなって思ってたんです!」
やよい「ちくわとちょっと迷ったんですけどー…」
律子(これは…)
P(センスがある…のか?)
ぬこ「ンナー」
やよい「えへへ…今日からキミはハクサイですよ、ハクサイ!」
ハクサイ「ニャー!」グリグリ
やよい「気に入りましたかー!よかったですー!えへへ…」
P「まぁかわいいからいいか…」
律子「猫が…ですよね?」
―翌日
P「やよい軍曹、本日の任務を与える!」
やよい「は、はい?」
P「返事ははいではない!くっ…!」
P「亜美軍曹!真美軍曹!」
亜美「サー!イェッサー!」シュタッ!
真美「本日の任務はなんでありますか!?」シュタッ!
P「これがあるべき軍人の姿だ…見習い給え」
やよい「…さ、さー!いぇっさー!」シタ!
亜美・真美・P(…これは反則っしょー…)
・
・
春香「ほら~、ハクサイクッキーだよー」
やよい「ダメです!」
春香「きゃ!や、やよい!?」
やよい「人間の食べ物をハクサイに与えてはいけません!」
春香「そ、そうなの?」
やよい「いいですか!?まずクッキーにはたくさんお砂糖が含まれていますし…」
やよい「間食を続けることで……それに体重も……ひいては将来的に……」
のワの「」
P「…任務を忠実に遂行しておる」
律子「…なんですか、任務って」
P「ん?ああ、響から聞いた中で食事とトイレの担当をやよいに命じた」
P「特に、アイドルがハクサイに人間の食べ物を与えることを防ぐことと、」
P「もしそこらへんに粗相をしたとき、すぐトイレに連れて行くこと、及びその掃除を厳命した」
律子「そうなんですね…てっきりプロデューサーが手伝ってあげるのかと」
P「拾ってきたのはやよいだ。例えしょうがなかったとしても」
P「…責任は持つべきだろう」
律子「ふふ、結構厳しいんですね」
P「心の中では血涙流してるけどな」
律子「…」
P「あれ!?つっこみ放棄!?」
―翌日
千早「かわいいわね」
伊織「かわいいわ」
やよい「ほら~ねこじゃらしですよ~」
ハクサイ「」ソワソワ
やよい「ほ~ら、ほ~ら…」
ハクサイ「!」ハシッ!
やよい「あ~!つかまっちゃいましたー!えへへ」
千早「…とってもかわいいわね」
伊織「…とってもかわいいわ」
真「猫が…だよね?」
P「例の件、進んでるか?」
律子「はい」
―翌日
やよい「事務所のホームページに飼い主募集って載せるのはどーでしょーか?」
あずさ「あら~いい考えだわ~」
あずさ「特にやよいちゃんと2ショットで映ってたら、かわいさで飼い主さんすぐ見つかるわよ~」
P「それも一度考えたんですが…」
律子「…アイドルに会いたさや、興味本位で飼い主になりますって言ってくる人がいないとも限りません」
あずさ「…なるほど」
やよい「うっうー!ちゃんと考えてくれてるんですねー!」
やよい「よかったね、ハクサイ!」
ハクサイ「ファ…」
―翌日
美希「ほら~ハクサイおにぎりなの~」
やよい「美希さんダメです!ハクサイに人間の食べ物は…!」
雪歩「ハクサイちゃん、お茶どうぞ」
やよい「わわ、雪歩さんまでー!ハクサイに食べ物は…」
雪歩「食べ物じゃないよ?」
やよい「与えちゃ…え?」
雪歩「これ飲み物だけど…ダメかなぁ?」
やよい「…えっと…その…」
やよい「ちょ、ちょっと待っててください!ぷろでゅーさー…!」
雪歩「ふふふ」
雪歩「ハクサイちゃんの飼い主さんはかわいいねぇ」
ハクサイ「ンナー…」
P「どうだ?」
律子「進捗なし、ですね」
―翌日
やよい「プロデューサー聞いてください!」
P「ん?どうした?」
やよい「ハクサイがトイレをちゃんとできるようになったんです!」
P「おお!すごいじゃないか!」
やよい「はい!もうほとんど自分でトイレでですね…!」
P「あっ…」
やよい「えっ?」
ハクサイ「」シャー…
P「…」
やよい「…」
ハクサイ「ファ…」
―翌日
真「ほら~煮干だよ~」
あずさ「おせんべい、食べますか~」
やよい「もう!二人ともめっ!ですよー!」
貴音「…」チュルチュル
ハクサイ「ンナー」スリスリ
貴音「…」チュル…
ハクサイ「ニャー」ゴロゴロ
貴音「…申し訳ありません」
貴音「これだけは分けて差し上げるわけには…」
やよい「うっうー!貴音さんは私の言うことをちゃんと聞いて、守ってくれてありがとうございますー!」
貴音「もちろんですよ」ニッコリ
真・あずさ・ハクサイ「…」
P「そろそろ事務所に泊まるのも限界かなーって…」
律子「やよいのためですよ」
P「そりゃやるしかねぇなぁ!やったるぜ!!」
律子「…」
―翌日
美希「ハクサイふわふわでとってもあったかいの!なんだか眠くなってくるの…」
春香「美希!次私だよ、私!」
真「春香!次はボクだよ!」
高木「何を言ってるのかね!?次は私だよ君たちぃ!」
春香・真「…」
やよい「えへへ、ハクサイは人気者ですー!」
・
・
律子「プロデューサー、見つかりましたよ」
P「!?」
律子「メールでもやり取りしましたし、大丈夫だと思います」
P「でかした!さすがだな律子!」
律子「ええ…なんですが」
P「…ん?」
律子「その…向こうに預ける日なんですが」
律子「…明日にでもと」
―夜
P「…」
律子「…」
やよい「もー!べろちょろはダメですよー!あはは!」
P「やよい…ちょっといいか?」
やよい「えへへ…はい!なんですかー?」
P「ハクサイの話だが…」
P「…引き取り手が、決まった」
やよい「!?」
やよい「…そう…ですか」
P「ああ…律子」
律子「…実は前々から里親募集掲示板に写真と状況を載せていたの」
やよい「…」
律子「そこは引き取り手の情報もある程度公開されていて、」
律子「引き取りたい理由や家族構成などがわかるようになっている」
律子「つまり、イタズラやなりすましなどはほぼない掲示板よ」
やよい「…」
律子「こちらも…やよい、実はハクサイは一度ちゃんとした病院に連れて行ったわ」
やよい「…え?」
律子「そこで健康状態を調べてもらったの」
律子「幸いなことに…すごく健康だったわ。猫エイズにもかかっていなかったし」
律子「そういった健康状態、何日か前に拾ってきたこと、現在の状態などを載せて…」
律子「お互い納得した上での今回の話なの」
律子「…相手の方は、年配のご婦人よ」
律子「息子さんたちも独立して、旦那さんと老後の二人暮らし」
律子「以前に猫を飼った経験もあるそうよ」
律子「…きっと可愛がってもらえるわ。保証する」
やよい「…」
P「…ハクサイは、直接引き取りに来てもらうことになってる」
P「それが…」
P「…急だが、明日なんだ」
やよい「!?」
P「すまん…」
やよい「…」
やよい「よかったね!ハクサイ!!」
P「!…」
やよい「プロデューサー、律子さん、本当にありがとうございました!」
やよい「そこまで考えてもらってるなんて…えへへ」
やよい「ハクサイは幸せだね!」
ハクサイ「…ニァ」
律子「やよい…」
やよい「じゃあ明日ですね!行こ!ハクサイ!」
P「…」
律子「…プロデューサー殿」
P「…俺もそこまで鈍くないさ」
律子「…」
P「…そりゃ…ショックだよな」
―翌日
美希「ミキ、ハクサイのこと気に入ってたのになぁ…ショックなの…」
亜美「くっ…!まだ額に肉って書いてなかったのに…!」
真美「幸せになれよ…あんちくしょう!」
響「やよい…」
やよい「はい!なんですか響さん!?」
響「…」
P(社長は…?)
律子(社長室で号泣してますよ…)
P「…」
P「…みんな」
P「みんな…ハクサイはちゃんとした飼い主さんのところに行く」
P「きっと…幸せになるよ」
春香「…そ、そうですね!」
P「じゃあ、各自仕事に向かってくれ…」
律子(プロデューサー殿…)
P(ああ…)
P「…響。ちょっといいか?」
響「?」
・
・
P「…それで、できる限りでいいんだが最後にハクサイの気持ちを…」
響「…」
響「…そんなことしなくてもだいじょうぶさー」
P「え…」
響「へへ…動物はかけた愛情は必ず返してくれるんだぞ!」
響「だから…きっとだいじょうぶ!」
P「響…」
響「じゃあ自分仕事いくさー!」
P「…響!」
響「?」
P「いろいろ…ありがとな」
響「…へへ」
響「なんくるないさー!」
・
・
やよい「じゃあね…ハクサイ…」
ハクサイ「?」
やよい「えへへ…」
やよい「じゃあ私も仕事…」
P「待ったやよい」
やよい「…はい…?」
P「やよいは残れ。仕事の時間は少しずらしてある」
やよい「え…?」
P「…本当はやよいが言い出してきたら、最後まで居させてあげる時間だったんだが…」
P「…プロデューサー命令だ」
P「やよいにはその義務がある」
やよい「…」
・
・
コンコン
老婦人「失礼します」
律子「わざわざご足労願ってすいません。どうぞこちらへ…」
老婦人「いえいえ、こちらこそご丁寧に…」
・
・
P「やよい、いいのか?こんな影から見るだけで…」
やよい「えへへ…いいんですー…」
やよい「相手の方を確認したかっただけですから…」
やよい「…とても上品で、優しそうな方ですね…安心しました」
P「…」
やよい「…ねぇプロデューサー?」
P「うん?」
やよい「今までありがとうございました」
P「…ハクサイを拾って、育ててきたのはやよいだろ?」
やよい「…私、知ってましたよー」
やよい「プロデューサーが毎日事務所に泊まって、ハクサイの面倒見てくれてること」
P「…それは」
やよい「それにハクサイのごはんも、トイレ用の砂も、遊び道具も…病院まで」
やよい「みんなプロデューサーと律子さんが協力してくれてるってこと」
P「…」
やよい「知ってたのに…黙ってましたー」
やよい「わたし…ずるい子なんですー…」
P「…!やよい!それ、は……」
P「…やよい」
やよい「…わたしの…うち…ひっ……では…」
やよい「かえ、ませんから…ひっぐ…ぅうん…あずかる…こともぉ…」
やよい「なの、に…ひろ…って…いちばん…えぐ…ハグ、サイと……あそ、んでぇ…」
やよい「…わ、たし…」
P「…やよい。それは違う」
やよい「…ぅう…」
P「やよいはハクサイに…きっと一番大事なものをあげたよ」
『それではそろそろ…』
P「…!」
・
・
老婦人「それではそろそろお暇させていただきます。本当にありがとうございました」
律子「いえ、こちらこそ。可愛がってあげてください」
ハクサイ「…ンナ」
律子(元気でね…ハクサイ)
律子「そちらのケージですね」
老婦人「はい」
律子「!?わ…!」
ハクサイ「…」タタタタタ…
律子「あ、すいません…すぐ!」
やよい「うぐ…え………え?」
ハクサイ「ナァー」スリスリ
やよい「ハ…グ…?」
ハクサイ「ニャア」
やよい「…」
やよい「…!うぅ…!」
やよい「…ぅぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああん!」ギュ
P「やよい…」
やよい「うあああああああああああん!!」
ハクサイ「…ニア」
やよい「ぁぁぁぁ…!っ…うぐ…げんき…で!…はぐ…さ…い…ぅうう!」
やよい「げんぎでね!ひっ…げんき、で…ぅぅぅぅぅ…」
やよい「…きっ、ど…き……ひっ…ぐ…きっど…しっ…!」
やよい「しあ…わぜに…なっ、て…うぅぅぅぅぅ…」
ハクサイ「…ナァー」スリスリ
やよい「…ぅぁぁぁぁあああああああああん!」
P「…」
律子「やよい…」
老婦人「あらあら…これは遠慮したほうが…よろしいですか?」
律子「あ…その…」
やよい「まっ…ぐ……!…まっ、て…ぐださい!」
やよい「まっ…………で…」
律子「…すいません、少々お待ちいただいてもよろしいですか?」
老婦人「…もちろんです」
律子「…さ」
律子「立って…やよい」
律子「…」
律子「…あなたの仕事よ」
やよい「ぅう…ぐ…は……」
やよい「……は…い…!」
老婦人「…」
やよい「…ひぐ…うぇ…こっ…このご…」
やよい「…この、こ…を…この…!」
やよい「このごを!よろじぐおねがいしますぅ!…うぅ…ぐ…」
老婦人「…ええ、確かに」
老婦人「あなたに負けないくらい、愛情を注ぐからね」
やよい「ひっ…は、い…!」
ハクサイ「ニャウ」
やよい「…げん、ぎ…で……………」
やよい(…幸せに…なってね、ハクサイ―)
やよい(こうして、ハクサイと私の10日間の生活は終わりました)
―1ヶ月後
やよい「ただいまもどりましたぁ!」バァン
P「お、おかえり!うん、まだまだ元気だな!」
やよい「うっうー!まだまだ元気ですよー!」
P「雨なのに元気なのはいいことだ。今日は雨の日セールは行くのか?」
やよい「はい!もちろんですー!」
P「…それ、ちょっと遅らせられないか?」
やよい「う?」
P「はは、実はな…」
「ナァー!」トトトト…
やよい「え…!」
やよい「ああーーーーー!ハクサイ!?」
ハクサイ「ナァ」
やよい「はわ!?ほんとにハクサイですー!」ギュ
老婦人「ふふ…こんにちは」
やよい「あ!おばさん!遊びに来てくれたんですかー!?」
老婦人「ええ…ふふ、そこでこちらのプロデューサーさんとお会いして」
P「お茶に誘ったんだ。やよいもそろそろ戻ってくる時間だったしな」
やよい「はわー!うれしいですー!」
老婦人「こちらこそ」
老婦人「それに聞きたいこともあったんだけれど…もう解決しちゃったわ、ふふ」
やよい「え?」
P「はは…この方のお宅で色々と名前をつけてみたらしいんだけど」
P「呼んでも反応してくれないんだってさ」
老婦人「ええ、だから以前こちらではなんていうお名前だったのかと思ってね」
老婦人「でも…ふふ、さっきのやよいちゃんの元気な声で解決したわ」
P「よかったな…名前相当気に入ってたみたいだぞ」
やよい「…!」
やよい「はい!この子の名前は…!」
やよい「ハクサイっていいますー!」ハクサイ「ナァー」
おわり!
122 : VIPに... - 2013/03/01 16:30:47.93 n/lKrcef0 117/117以上です。読んでくれた人乙でした&ありがとうございました。