1 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 22:57:32.69 xZJ3HO7O0 1/22

「……っておい、今日は休みなのに何で事務所に来てるんだ」

「いいじゃん別に、ちょっと気が向いただけ」

「向いただけってなぁ……」

「プロデューサーこそ、今日は休みじゃないの?」

「俺は溜まった書類があるからな、ちょっとそれを片付けようと」

「まぁそんなに多くないから、ぱぱっと片付けて帰るけどな」

「そっか」



元スレ
モバP「今日は全員休みだ」凛「おはよ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1360159052/

5 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:00:59.52 xZJ3HO7O0 2/22

「凛もこんな所に居るより、どっか遊びにでも行ったらいいんじゃないか?」

「たまの休みなんだし、他の連中とさ」

「みんな予定が入ってるみたいでさ、今日は捕まらなかった」

「加蓮……は定期健診か」

「うん、加蓮はちょっとぼやいてたよ?」

「んー?」

「『ここのところは体の調子もいいから病院なんていいのに』って」

「まぁそうはいっても気を抜くと調子崩したりするからなぁ」

「特に今は寒い季節だし、十分……それ以上に気を付けんと」

「まぁね……でもそのせいで『外に出られないー!』って」

「今度加蓮にはもう少し休みをあげるようにするか……」


7 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:04:12.94 xZJ3HO7O0 3/22

「あと他には……奈緒とかはどうした?」

「奈緒は久しぶりの休みだからって『溜まってたアニメ消化する!』って」

「学校終わったら一直線に家に帰っていったよ」

「どんだけ溜まってたんだ……それで今日は一人ってことか」

「うん、だからこのまま家に帰るのも……って思って寄ってみた」

「まぁ……俺は仕事がちょっとあるからあんまり相手にしてやれないけど」


「別に大丈夫だよ」 ゴソゴソ……

「ん、どうした?」

「宿題、出されたからここでやってく」

「それこそ家でやればいいんじゃ……」

「別に、私は静かな所ならどこでも勉強できるし」

「ま、まぁそれならいいけど……まぁ頑張れ」


9 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:07:39.74 xZJ3HO7O0 4/22

「うん。隣の机、借りていい?」

「ちひろさんのデスクか? まぁ開けたりしなけりゃいいんじゃないかな、今日はちひろさんも居ないし」

「ん」

「んじゃ俺も仕事の続きやるぞ」




    カタカタ……カタッカタカタッ
         
         カリカリ……カリ……ンー……カリカリカリ……
  カタッ……ターン……



(普段皆が居る時は騒がしいもんだが、二人程度だと静かなモンだな……)


   カタカタ……カタッ……


11 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:10:52.27 xZJ3HO7O0 5/22

 
「……………」


「……………」


「………」

「……ん」チラッ


       カリカリ………カリカリカリ……


「……ほぉ、随分と綺麗な字、書くんだな」

「!」バッ

「ちょっと、何見てるの?」

「そりゃ隣でノート広げてれば見えるだろ」

「見ちゃだめ」

「宿題なんだから別に恥かしいもんじゃないだろ?」

「宿題でも女の子のノート見るなんて駄目に決まってるでしょ?」


15 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:13:31.55 xZJ3HO7O0 6/22

「そういうもんかねぇ……」

「そういうもんなの、だから見ちゃだめ」

「だったら、あっちのテーブルソファーでやれば俺は見えないぞ」

「プロデューサーが横を見なけりゃいいじゃん、私はここで宿題やる」

「静かならどこでも勉強できるんだろ?」

「だからとなr……んんっ……だからど、どんな所でやっても私の勝手だよ」

「へいへい……じゃあ横見ないでおくから」

「二人で残りの宿題と仕事やっつけようか」

「ん……」



    カタカタ……カタッカタカタッ……ヤベッ……
         
         カリカリ……カリ……マチガエタ……カリカリカリ……
  カタッ……ターン……


―――――――
――――――
―――――


19 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:16:51.02 xZJ3HO7O0 7/22

 
(……と、まぁ黙って仕事を続けてるが)

(もう片付いちゃったんだよな……でも凛はまだみたいだし)

(まぁ先の分もやっといて損は無いから、進めておくか)



(……どうしよう、もうすぐ宿題終わっちゃう……)

(……もうちょっと………ぁ……あと1問)



    カタカタ……カタッカタカタッ

         カリ…カリ…カリ…

  カタッ……ターン……ターン……ターン…………スッ……



  コトッ

「?」

「ほれ。お茶でも飲んで一息つくか」


20 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:19:14.10 xZJ3HO7O0 8/22

「……ありがと。そっちはコーヒー?」

「あぁ、ブラックのな。そっちは緑茶でよかったろ?」

「………同じじゃないんだ」

「俺はいつもコーヒーのブラックだし、そっちは飲めないだろ」

「この味はお子様にはわかるまいて」

「む……ちょっとそのコーヒーちょうだい」

「ほぉ……飲めるのか?」

「飲めるよ私だってそれくらい」


    ズズッ……


「……ぅぇっ、にがっ」

「ははっ、だから言ったろ。すっごい渋そうな顔してるぞ」

「ぅー……うるさい……けほっ」


23 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:22:44.97 xZJ3HO7O0 9/22

「大人しくお茶の方飲んどけ、なるべく渋みの無いようにいれたつもりだが」

「おいしくなかったら言ってくれよな」

「……ん」ズズッ…


「どうだ?」

「ん……ちょっと腹立つけど、こっちがいい……」

「ははっ、それならよかった」

「そっちの好みはわかってたつもりだけど、コーヒーが良いって言い出したからどうしようかと」

「…………ん、おいしい」

「おう、火傷しないようにゆっくり飲めよ」

「また子ども扱いするんだから……それぐらい大丈夫」


24 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:25:53.40 xZJ3HO7O0 10/22

「といっても凛はまだまだ15の子供だよ」

「コーヒーを苦いって言う程度にはな」

「ふんっ……そのうちコーヒーぐらい飲めるようになってやるんだから」

「そのうち、な」



「……そっちは、仕事終わりそう?」

「ん? あぁほぼ片付いてるぞ」

「そっか……」

「そっちは宿題まだなのか?」

「もうちょっと、かな」


25 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:27:38.51 xZJ3HO7O0 11/22

「ふむ……もうすぐ夕方になるし、宿題終わらせて帰るなら送ってやろうか?」

「……! いいの?」

「俺も仕事片付けたらあとは何もないし、それぐらいだったら大丈夫だぞ」

「……じゃあ、残り片付ける、すぐ終わるから」

「あいよ、俺ももうひと頑張りっと……」


―――――――
――――――
―――――


「おーっし忘れ物はないな?」

「ん、大丈夫だよ」

「じゃ、車乗った乗った」


     …………ブロロロロ……


30 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:30:17.29 xZJ3HO7O0 12/22

「これ……いつもの車じゃないね」

「あぁ、いつものは社用車だからな、今日は休みだから俺の車で来たってワケさ」

「そうなんだ……初めて見るかな」

「他の連中も見た事はー……うん、ないな」

「それじゃあ、私はこの車乗るの初めて?」

「まぁ初めてだな、いつも一人で乗ってるし」

「……そっか」


「そんな俺の車が物珍しいか? なんかニコニコしてるみたいだけど」

「そ……そんなんじゃないよ、気のせいだよ」


37 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:33:19.79 xZJ3HO7O0 13/22

「気のせいかぁ? ……んん~?」

「ちょっと……前向いて運転してよ」

「今は赤信号だ」

「や、やだっ顔近づけないでよ」

「……ははっ、悪い悪い、ちょっとからかっただけだ」

「っと、信号変わったから行くか」

「………もうっ」



(ウチ……つくまでもうちょっとあるかな)

(……そうだ)


   ゴソゴソ……ポチポチ


「どうしたー? 何かあったか?」

「んーん、何でもない、ちょっと家に電話」

「あいよ」


40 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:36:28.49 xZJ3HO7O0 14/22

 
    ピッピッ……プルルルル……………


「……あ、もしもし? お母さん? うん、私」

「これから帰るよ…うん、ちょっと事務所寄ってたの」

「それとさ……晩御飯、一人分多く作れない?」

「んー……?」

「うん……今送ってもらってるの、プロデューサーに」

「んんー…………?」

「大丈夫? よかった……ありがと、それじゃもう少ししたら着くから…うん、わかった」

  ……ピッ


「ということで、プロデューサーはウチでご飯食べること」

「はぁっ!? な、なんでまた……今一人分とか言ってたのは俺の事かっ」


45 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:40:16.27 xZJ3HO7O0 15/22

「そ、どうせそっちは帰ってもご飯とか無いんでしょ?」

「だったらウチで食べていこうよ」

「しかしだなぁ……別にそういうつもりで送ってるワケじゃないが……」

「いいの、お母さんも全然オッケーって言ってたし」

「多分もう材料買い出しに言ったと思うよ」

「ね、だから食べてきなよ」

「う、ううむ……いいのか?」

「お母さんも『是非来て下さい』って言ってたよ」


「……じゃあ、ご馳走になろうかな」

「……うんっ」

「因みに、今日のメニューは何なんだ?」

「さあてね、来てからのお楽しみだよ」


48 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:43:19.91 xZJ3HO7O0 16/22

「……ふふっ」

「今日のはご馳走なのか、随分と嬉しそうだが」

「そうじゃないけど……楽しみ」


「ふむ……ま、あとは着いてからだな」

「うん、早く行こっ」

「あんまり飛ばしたら危ないからこのまま安全運転だ」

「ウチでハナコも待ってるよ」

「ぐっ……ハナコはいかん、撫でたくなる」

「ハナコもプロデューサーと一緒に居たいって言ってたよー」

「うぐぐっ……す、少しだけだからな、少しだけスピード出すぞ」


52 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:46:39.66 xZJ3HO7O0 17/22

「ふふっ……プロデューサーって犬好きだよね」

「犬だけじゃないけどな、動物全般好きな方さ」

「今度、一緒に散歩でもいってみる?」

「ハナコの散歩か……ちょっと行ってみたいかもな」

「今日はもう散歩しないけど、また休みの時にさ、おいでよ」

「今日はないのか……残念」

「休みまた取ってウチに来ればいいから、さ」

「そう毎度お邪魔するのもなぁ……」

「大丈夫、ウチはみんな歓迎するって」

「ま、まぁ……また機会があったらな」

「うん」


54 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:49:37.25 xZJ3HO7O0 18/22

 
  ガチャッ……バタン
     バタンッ

「おっし、着いたっと」

「それじゃ、ついてきて」

「いいのか? このままお邪魔しても」

「いいのいいの、早く早くっ」

「わかったわかった、そう急かすなって」

「それじゃ……」


      『ただいま』
      『お邪魔します』


―――――――
――――――
―――――


58 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:52:30.10 xZJ3HO7O0 19/22

 -後日-


奈緒「おーっす、おはよ」

「ん、おはよ」

加蓮「おはよっと」

奈緒「ん、凛それ何飲んでんだ?」

「コーヒーをね」

加蓮「凛がコーヒーって珍しい……ってそれ一番甘いって言われてるやつじゃん」

奈緒「MA○コーヒーか……それ飲んだ事ないんだよな、ちょっとくれるか?」

「ん、いいよ」

奈緒「サンキュ…………ぐおっ!? これHOTかよォ!?」

「? おいしいよね?」

奈緒「い、いや……これちょっと甘すぎやしないか……ぅぇー口の中が」


61 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:54:36.92 xZJ3HO7O0 20/22

加蓮「うわぁ……あまったるい香りがすごいよ、HOTな分シェイクとかより凄いかも」

「おいしいコーヒー探してみたんだけど……」

奈緒「これコーヒーどころかカフェオレ以上だろ……凛は舌がお子様だな!」

「ちょっと、そっちまでお子様扱いする気?」

加蓮「ん……? 『そっちまで』?」

奈緒「んー………? コーヒーなんてめったに飲まない上に、お子様扱いされて……?」

奈緒「こりゃあ……」

加蓮「何かありましたなぁ……」

「な、何よ二人とも」

奈緒「そりゃあこっちの台詞だなぁ……?」

加蓮「さぁて何があったか聞かせてもらおうかな、『お子様凛ちゃん』?」


62 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:56:21.44 xZJ3HO7O0 21/22

「二人ともたいして年離れてないじゃんっ、何もないってば、何も話さないよ!」

奈緒「おやぁ?」

加蓮「話せないじゃなくて、話さないときましたなぁ?」

奈緒加蓮「徹底的に追求しないとねぇ……!」


「な、なんでもないからぁっ!」


-おしまい-


65 : 以下、名... - 2013/02/06(水) 23:58:11.63 xZJ3HO7O0 22/22

以上。駄文お目汚し失礼致しました。

支援保守もらった割に短くてすみません、ありがとうございました


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