P「!!」
響「弁償してよ!ねえ、弁償してよ!」
P「す、すまん悪気は無かったんだ……」
響「謝ったって消しゴムの角は帰ってこないぞ!どうしてくれるんだ!」
P「うう……」
響「弁償してよ!弁償してよ!」
P「ゆ、許してくれ!なんでもするから!」
響「じゃあ自分の消しゴムの角を元に戻して!」
P「む、無理だよ……」
元スレ
響「プロデューサー、勝手に消しゴムの角使ったな!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1360040943/
響「なんでもするって言ったじゃないか!うそつき!」
P「それ以外で頼むよ!そうだ、なんか欲しいものとかないのか?」
響「自分を安く見ないでほしいぞ!モノでどうにかしようっていう根性が気に入らない!すごく!」
P「そ、そんなつもりじゃ……」
響「そんなだから人の消しゴムの角も平気で使えるんだな。見損なったぞ」
P「うう……ハッ、そうだ!響、ちょっと消しゴムを貸してくれ!これをこうして……」コソコソ
響「?」
P「ほら響、角が復活したぞ!」
響「ほ、本当だ!うわー、すごいぞプロデューサー!」
P「ま、まあ俺くらいになるとこのくらいのことは余裕で……」
響「わーいわーい!」ブンブン
P「おいおい、そんなに振り回すと危ないぞ」
響「だってうれしくって!あ、スリーブが飛んでいっちゃったぞ」
P「!?」
響「あ、あれ?スリーブ側の角が……まさかプロデューサー……」
P「……」ビクビク
響「上下入れ替えてスリーブに差し込み直しただけだったんだな!!」
P「ご、ごめん!!」
響「ひどすぎるぞ!こんな人を騙すような真似までして……!」
響「こんな、こんな……ウウォオアアアアアアア!!!!」
P「悪かった!本当に悪かった!許して……!」
響「見苦しいぞ!キレて頭痛くなるなんて初めての体験を今したことから察するに自分は相当おこってるんだぞ!」
P「本当に、なんでもするから、許して!!」
響「何があろうと許さない!本当だぞ!」
P「そんな……」
響「フンだ!」プイッ
P「(くそ、なんでこんなことに……。思い起こせば三分前……)」
P『響ー、消しゴム貸してくれー』
響『はい』
P『サンキュー』ゴシゴシ
P『よし、返すわ』
響『うん』
P「(魔が差してついうっかり角を使ってしまったんだ……)」
響「もう自分帰る!お疲れさま!」
バターン
小鳥「大変なことになりましたねプロデューサーさん……」
P「いいえ、全部俺が悪いんですから……」
小鳥「響ちゃん、明日には機嫌治ってるといいですね」
P「ええ、本当に」
小鳥「私なんか先端恐怖症だから消しゴムの角はさっさと使っちゃうんですけどね」
P「ふぅーん」
翌日
響「はいさーい」
小鳥「おはよう響ちゃん」
P「お、おはよう響……」
響「……ふんっ」
P「(仕事は休まないでくれたからよかった。さすがにプロだな)」
P「今日のスケジュールは、CMの撮影だぞ」
響「へーそっかー」
P「……車で待ってるから、準備終わったら来てくれ」
響「はーい」
P「(冷たいなあ……)」
数分後
車「ブウゥゥン」
響「……」
P「……(気まずい。あ、そういえば)」
P「響、この前貸した三十円返してくれよ」
響「え、なんのことだ?」
P「なんのこと、じゃないだろ。この前電話かけるのに小銭がないから三十円貸しただろ?」
響「いやあ、記憶にないぞ……」
P「そんなわけないだろ。故郷に電報打つとか言ってたじゃないか」
響「あー……」
響「円安」
P「え?」
響「円安凄いな、最近。前まで七十前半だったのに」
P「そうだなあ。今は八十いくらだったっけ?今のうちに舶来のもんは買っておこうかな」
響「そうしておいたほうがいいぞ。自分のペット達の餌も海外通販で買ってるのがあるから大変だ」
P「そうなのか。結構めんどくさそうだな。ところでさ、三十円返してよ」
響「雪」
P「10cmも積もったら仕事にならないよな。事務所の前とかはやよいに雪かきでも頼もうかなあ」
響「自分の故郷は雪なんて無縁だから大変だけど少し楽しいな」
P「へぇー」
P「そんでさ、三十円」
響「峯岸みなみ」
P「あー、彼女もやっちまったって感じだよな」
響「うんうん、自分の場合他人事じゃないしな。それにしても坊主って……」
P「あれは強要させられたんならちょっとひどいよな……」
響「本当、ファンを裏切ったとはいえ女の子なのにな」
P「その代わりこっちに仕事がまわると思うと複雑だ」
響「そうだなー。AKBの中でも知名度あるほうだったし」
P「三十円」
響「体罰問題」
P「体罰はなー。難しいところだよな。三十円返して」
響「芸能界も体育会系なところあるしな」
P「三十円」
響「ん?」
P「だから、三十円返してって言ってんの」
響「あー、もうなんなんだ。三十円三十円って」
P「俺がお前に貸したんだろ!」
響「やだなー。ケチがスーツ着て車運転してるぞ」
P「おい」
響「うるさいぞまったく!返せばいいんでしょ返せば!ほら!」チャリン
P「……おーいおいおい」
響「なんだよう」
P「ギザ十が無い」
響「は?」
P「お前に貸したのギザ十入ってたのに、これ全部ツルッツルじゃん」
響「なっ、どうでもいいだろギザギザなんて!」
P「それお前が決めることじゃないと
思う」
響「ギザ十なんて今持ってないぞ!」
P「あーあー……」
携帯「♪リンリンリリンリンリンリリンリン」
P「おっと電話が……もしもし?え、大雪で仕事が無くなった?あらら、了解です」ピッ
響「仕事、中止になったのか?」
P「そうみたいだな。手帳書き直さないと。あ、今日は新品の消しゴム持ってきてるからな。よっ、ほっ」ゴシッ ゴシッ
響「……ん?なんでそんな消しにくそうにしてるんだ?」
P「いや、ほら。昨日響には悪いことしたからな。日頃から気をつけようと思って……」
響「(プロデューサー、ちゃんと反省してくれたんだな……)」
P「ああっ、力込めすぎて落としてしまった!しかもシートの奥のほうに入ったため取れそうもない!困った!」
P「くそ、せっかく、角を使わない消しゴムの使い方をマスターしようとしていたのに……!」
響「……はい。貸してあげるよ、自分の消しゴム」
P「……いいのか?響」
響「うん……で、でも、許した訳じゃないからね!」
P「ハハ、わかってるよ。あーあ、四つもあった角が昨日俺が使ったせいで三つに減って……。ありがたく使わせてもらうよ」
響「うん」
P「じゃあ遠慮なく……角で!オラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」ゴシゴシゴシゴシ
響「う、うぎゃー!?何してるんだ!!」
P「なにが?」
響「だ、だって角は使わないって……!」
P「勘違いするな。俺は、自分の消しゴムの角使わないようにしただけだよーん」
響「くおおおおおお……!!!!」
P「ほら、使いまくって滑らかにしといてやったぞ。さっき貰った十円みたいにな!ハッハッハッハッハ!」
響「……そうか、そういうつもりならこっちにも考えがあるさー」
P「ヘッ、負け惜しみを。ほら、事務所についたぞ!消しカスが体にかかる前にさっさと降りろ!」
P「いやあ、傑作だったな。あのときの響の顔ったら。これであいつも角が取れて丸い性格になるだろ」
響「じゃあ自分帰るぞ。お疲れ様ピヨ子」
小鳥「気をつけてね。さようなら」
P「道路もツルッツルだからな!転ぶなよ!」
響「……」
P「ハハハハ、笑いがとまらないなあ。さーて事務仕事をやらなくちゃならないな」
数時間後
P「さーて帰るか。あれ、俺のビニール傘がない……さてはあいつ盗みやがったな!ん、傘立ての底に紙が……」ピラッ
『今日は冷え込むから風邪に気をつけたほうがいいぞ』
P「くっそおおおおおおおお」
翌日
響「昨日は夜まで雪降ってたなー」ニヤニヤ
小鳥「寒かったわねえ。ところで、なんで響ちゃんうれしそうなの?」
響「雪ってあんまり見たことないから、見れてうれしいんだぞ!」
小鳥「(ふふふ、かわいいわね)」
P「……二人とも、お茶入ったから、よかったらどうぞ」
響「お、気が利くなあ」ニヤニヤ
小鳥「ありがとうございます、プロデューサーさん」
P「いえいえ」
響「あ、自分の、茶柱が立ってる!縁起がいいな!」
P「それはよかったなあ」
小鳥「どれどれ……あら?なんだかやけに黒い茶柱ね」
響「え、そんな……。あ、確かによく見てみると黒いし、堅そうな……」
小鳥「これ、もしかして……」
響「シャー芯……シャープペンの、芯だ……。プロデューサー!!」
P「えー何か証拠でもー?」
響「証拠とかそんなこといきなり言う出す奴が犯人に決まってるだろ!」
P「よく見てみろよ。俺が使ってるシャー芯はHB。それは2Bだろ?」
響「見ただけでなんでそんな正確にわかるんだ!?」
P「そういえば、いつだか誰かさんにシャー芯貸したら2Bで返ってきたなあ……。ちゃんとHBで返してほしいもんだよな?」
響「ぐぬぬぬぬぬぬぬ……!!!」
小鳥「お茶おいしいわ」
P「2Bのシャー芯使ってるのは、誰だったかなあ?」
響「ゴクッゴクッゴクッゴクッ」
P「!?」
響「はい、シャー芯は飲んだからもう2Bかどうかなんてわからないぞー。残念だったな!」
P「チィ……」
数週間後
響「うぎゃー!?自分のバトル鉛筆が両端削られてるぞ!!」
P「俺のカップヌードルの底のシール勝手に剥がした奴誰だ!!」
響「掃除してないのにトイレットペーパーが三角折りにされてるぞー!」
P「俺のクロスワードブックがボールペンで書き進められて間違えたまま放置されてる!」
響「ピン札の諭吉がくしゃくしゃに!」
P「マンガが『人』←この状態で伏せられてる!」
響「スマホの保護シートが剥がされてる!!」
P「眼鏡に指紋ついてる!」
その後
P「はあ……まさかストレスで痔になるとは。ボ○ギノールはどこかなっと……」
ピトッ
P「あっ、ボラギノールに手を伸ばしたら誰かと手が触れ合ってしまった!ごめんなさい!」
響「いいえこちらこそ……ってプロデューサー!?」
P「響!ま、まさかお前も痔に……?」
響「だ、誰にも言わないでほしいさー!」
P「プッ……アハハハハ。何やってんだろうな俺たち」
響「うー……笑いすぎだぞ」
P「響、もう俺たち仲直りしないか?今まで悪かったよ」
響「……実は、自分もずっと謝りたかったんだ。でも、なんだか意地になっちゃって……」
P「俺もそんなとこさ。それじゃ、ボラギノール買って、事務所に戻ろうか」
響「うん!自分、塗ってあげるぞ!」
P「嫁入り前の娘にそんなことさせるわけには……」
響「じゃあプロデューサーが責任とってくれればいいでしょ!」
P「お、大人をからかうなまったく。でも、まあ、せっかくだし塗って貰おうかなー、なんて」
響「まかせて!」
一時間後
P「ボンドじゃねーか!!!覚えてろよ!!!」
おわり