カンナ「拾ったか……」
りあむ「うわっ! 誰!?」
カンナ「私の名前はカンナ。このBUZZ☆NOTEの持ち主よ」
りあむ「BUZZ☆NOTE……」
元スレ
りあむ「BUZZ☆NOTE」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1574175689/
カンナ「このノートさえあれば例え一文字でもRTもいいねもフォロワー数も1万以上は確実!」
りあむ「えーほんとー? 嘘だったらめっちゃやむよー。まぁ、試しにPサマの名前を……」
りあむ「……うわっ!」
りあむ「Pサマ、いきなりトゥイッターもアンスタグラムもファイスブックも立ち上げてわずか数分なのにどんどんフォロワー数が上がっていく! 初めての挨拶もいいねやRTがされていって……」
りあむ「いやでもなぁ……これだけじゃ」
りあむ「そうだ! 事務員のちひろさん! ちひろさんならどうよ……」
りあむ「…………」
りあむ「Pサマと同じく鰻登り……」
カンナ「どう? 気分は」
りあむ「決まりだ」
りあむ「BUZZ☆NOTE! 本物だ!」
りあむ「そうと決まれば早速りあむちゃんもー」
りあむ「おおっ……」
りあむ「『あ』ってしか打ってないのに!」
りあむ「どんどんいいね、RTが増えてく!」
りあむ「これだよ! これ!」
りあむ「もうメンヘラツイートしなくてもやっていける!!」
りあむ「よっしゃあ、こっからはあいうえお作文でもしてー」
りあむ「よしっ! よしっ! どのツイートもいいね、RTが1万以上!」
りあむ「オタクども! 見たか! これがりあむちゃんの実力だー!!」
その後、りあむの炎上目的のツイートは見るからに減っていった。
代わりに、憑き物が落ちたかのように清らかなツイートばかりがなされるようになった。
『ごきげんよう、ファンの皆様。いかがお過ごしですか? 私は今……』
『このコーヒーは大変美味ですこと』
『今日はパフェですわ』
こんな雅なツイートばかり。
外見も身なりも清純派そのものへと変わっていき、ピンク髪に染めていた髪は黒髪に戻した。そんな折である。
いつものように雅なツイートをしていると……。
りあむ「ん?」
『りあむ……お前……それでいいのか?』
『お前は、炎上系アイドルのはずだ。それがどうして……』
こういったリプが散見され始める。が、それも少数意見。
りあむ「あぁ、アンチの方ですか。忌まわしい」
りあむ『もう私は炎上系アイドルではなくってよ。それでは御機嫌よう』
りあむ「全く……」
りあむ(でも……何故か……物寂しい)
りあむ(私は……ボクは、今まで、炎上系アイドルとしてやってきた)
りあむ(今、誰もdisる奴はいなくなった)
りあむ(いても、あんなふうに心配する奴らだけ)
りあむ(でも、その心配する奴らって……)
りあむ(……馬鹿だなぁ)
りあむ(せっかく炎上生活とはオサラバだってのに)
りあむ(それを懐かしんでる自分がいる)
りあむ(…………)
りあむ(ボクは……炎上さえしなくなれば幸せになれると思ってた)
りあむ(最初はホントにそうだった。でも違った)
りあむ(それは、仮初の幸せ)
りあむ(本当の幸せは、僕が僕らしくあることだ!)
りあむ「カンナ」
カンナ「何?」
りあむ「所有権、放棄する」
りあむ「これで何もかもリセット。ボクは古巣に帰るよ」
カンナ「後悔はないの?」
りあむ「ない」
りあむ「気づいたから……」
りあむ「ホントに大切なのは、ボクを理解してくれる人たちだってこと」
カンナ「わかった」
りあむ(……これで、ボクは)
りあむ(元の炎上系アイドルに戻る)
りあむ(でも、これで良かったんだ)
りあむ(さよなら、仮初の私。おかえり、本当のボク)
END
17 : 以下、?... - 2019/11/20 00:28:19.068 OX5N3Rpr0HAPPY 16/16大分コンパクトになりましたが、簡潔です。
ここまで読んでくださってありがとうございました。