https://youtu.be/BYcinrp04s4
雪穂「結婚・・・?」
「うん!ユキホは親友だから、一番早く伝えたくて!」
雪穂「そう、なんだ。おめでとう」
「えへへ、ありがとう!私達ももうオトナなんだね!」
雪穂「・・・そうだね」
「式、絶対来てよ?。お姉ちゃんの隣に席作るからさ」
雪穂「・・・いつ頃?」
「えーと日取りは・・・」
雪穂「・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー会社ー
雪穂「お疲れ様です」
「ああお疲れ、ありがとう、出張買って出てくれて」
雪穂「良いんです、会社の為ですし」
「はは、ありがとう。出発は25日の夜だから」
雪穂「25日・・・」
・・・日取りは、25日!
雪穂「・・・」
「あ、何か予定あったりする?最悪ズラせるよ?」
雪穂「・・・いえ、ありません」
「そっか、じゃあお疲れ。しっかり休んでね」
「と言ってももう0:00だけど・・・」
雪穂「ですね」
「雪穂ちゃんって電車だっけ?」
雪穂「いえ、自転車です」
「なら終電関係無いか、夜道には気を付けてね」
雪穂「はい、お疲れ様でした」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
雪穂「・・・ふぅ、寒っ」
雪穂「お腹減ったな・・・コンビニ行こ」
雪穂「・・・あ、そうだ」
ピッピッ
プルルル・・・
「ユキホ!どうなった?」
雪穂「本当にごめん亜里沙、式の日、出張入っちゃった」
「そんなぁ~・・・でもしょうがないか」
雪穂「ごめん、近い内会おう。ちゃんと祝いたいからさ」
「うん、大丈夫!私達ももうオトナだもんね!」
雪穂「・・・オトナ・・・か」
「じゃあねユキホ、お仕事頑張って!」
雪穂「うん」
ピッ
雪穂「・・・カッコ悪」
雪穂「はぁ・・・帰ろ」
雪穂「・・・あれ?」
雪穂「・・・チャリ盗まれたし・・・」
雪穂「も~・・・この辺にあったりしないかな・・・」
スタスタ・・・
雪穂「無いかぁ・・・」
雪穂「・・・私、何してんだろ」
ー私達、もうオトナだもんね!ー
雪穂「・・・そうは思えないけどな」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
アリアトアシター
雪穂「・・・」ガサッ
プシュッ
雪穂「・・・」ゴクッ
雪穂「ふう・・・」
音ノ木坂から出て、もう何年になるんだろ
やりたい事も無かった癖に、家の事を継ぐなんてまっぴらだったから
家を飛び出して、気付けばもう25歳
私は何かが出来るオトナになれてるのかな
・・・少なくとも、友達の結婚式にわざと出席しない位には、悪いオトナになっちゃってるね
雪穂「・・・今よりは、マシになりたい」
雪穂「・・・私はまだ若い」ゴクッ
ー自宅ー
雪穂「・・・もう02:00か、お風呂も入ったし、歯磨いて寝よ」
雪穂「うわ、鏡ヒビ入ってんじゃん・・・」ピトッ・・・
雪穂「・・・」
ユキホ「・・・」
雪穂「・・・何見てんだよ」
ユキホ「このままでいいの?」
雪穂「・・・今はこれで良いじゃない」
ユキホ「不安は無いの?」
雪穂「・・・不安だらけだよ!!」ドンッ!
ピシッ
雪穂「はぁ、はぁ・・・!」
雪穂「・・・寝よう」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー朝ー
雪穂「・・・む」
雪穂「うはぁっ!!体重増えた!?」ガバッ
チュンチュン・・・
雪穂「・・・朝か」
雪穂「仕事行かなきゃ・・・今何時だ」
10:00
雪穂「・・・は?」
ピッピッピッピッ!
プルルル・・・
「雪穂ちゃんおはよー、どしたの?」
雪穂「先輩申し訳有りません!寝坊してしまって・・・今すぐ向かいますので!」
「え?雪穂ちゃん今日は休みじゃなかったっけ?」
雪穂「ほえ?」
「えーとね・・・うん、休みだよ」
雪穂「あ・・・すみません」
「ふふ、さては疲れてるな?映画でも行って、羽根伸ばしてきな」
雪穂「はい・・・ありがとうございます・・・」
「うん、また明日」
ピッ
雪穂「・・・映画・・・か」
ー映画館ー
雪穂「久しぶりだな、映画館」
雪穂「先輩もああ言ってたし、たまにはこういうのも悪くないね」
雪穂「今日は、羽伸ばしまくろう」
「いらっしゃいませ」
雪穂「あ、この映画なんですけど・・・祝日割も使いたいんですが・・・」
「そちらは・・・申し訳有りません。座席が全て埋まってしまっております」
雪穂「・・・え、48席全部ですか?」
「はい、祝日とあってか、家族連れのお客様が沢山御予約されてまして・・・」
雪穂「・・・家族連れ・・・成程」
「大変申し訳有りません」
雪穂「いえ、大丈夫です。また来ますね」
「お待ちしております」
スタスタ・・・
雪穂「・・・」
雪穂「・・・トイレどこだ」
ートイレー
雪穂「・・・」
ユキホ「・・・」
雪穂「またアンタか・・・」
ユキホ「残念だったね、映画」
雪穂「・・・」
ユキホ「家族連れが沢山いるんだってさ」
ユキホ「祝日だし、余計ね」
雪穂「・・・何が言いたいの」
ユキホ「いや別に。ただもうすぐ家庭を持つ予定の友達も居るし」
雪穂「っ!!」
ユキホ「・・・不安なの?25歳だから?」
ユキホ「何か一つしくじっただけで、今まで築き上げた立場が崩れる歳だもんね」
雪穂「・・・私だって仕事して、頑張ってんだよ」
ユキホ「あ、そう?じゃあその他に何かしてる?」
雪穂「他に何があんのさ!!」
ユキホ「私には、何もしてない様に見えるけどね・・・」
雪穂「・・・そりゃ私だって、今よりは、マシになりたいよ・・・」
ユキホ「・・・」
雪穂「・・・私はまだ、若い」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
雪穂「コンビニ行こ・・・」
スタスタ・・・
雪穂「・・・」
キャッキャッ・・・
「ねーねー!私リコーダー上手くなったよね!?」
「そうですか?私には上手いとは思えませんが」
「えぇー、私は好きな音だなぁ」
雪穂「・・・」
「むう、そんなに言うなら吹いてあげる!よく聞いててねー・・・?」スッ
・・・~♪
雪穂「・・・ふふ」
下手っぴな音・・・
そう言えば、あの子達のいる公園って・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ゆきほ「おねーちゃん!こんな所になにがあんの!?」
ほのか「見て見て!ほら!」
ガサガサ・・・
ゆきほ「・・・わあ、なにこれ!?」
ほのか「へへーん、うみちゃんとことりちゃんと一緒につくったひみつ基地なんだよ!」
ゆきほ「ひみつきち・・・」
ほのか「ゆきほにはとくべつに教えてあげる!」
ゆきほ「おねーちゃん・・・ありがとう!」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
雪穂「・・・いくつの頃だったっけ、思い出せないや」
雪穂「お姉ちゃん・・・」
音ノ木坂に住んでるお姉ちゃんは、穂むらを継いで繁盛させた後、新しい店を作って独立した
新しい景色を見て、新しい目になって、新しい自分になってる
あのリコーダーの女の子の様に、夕陽がまだ味方だった頃の様に
夢中になれる事があるって、本当に素晴らしいと思う
そして、羨ましい
ー自宅ー
「23:00」
雪穂「・・・」プシュッ
ゴクッ
雪穂「・・・ふぅ」
ゴトンッ
雪穂「うわっ!急に何さ・・・」ゴソゴソ
ー歌詞ノートー
雪穂「これ・・・あの時の・・・」
雪穂「・・・」ペラッ
ーμ'sのページ!ー
ー私達の歌!(亜里沙以外見ちゃダメ!)ー
ー無題ー
雪穂「・・・そういや、あの時は海未さんを見て、作詞に憧れたっけ・・・」ペラッ
雪穂「・・・」
雪穂「・・・」スッ
カキカキ・・・
雪穂「・・・」
ユキホ「・・・こんな時間に、誰が聞く訳でもないのに」
ユキホ「何してんのさ」
雪穂「分かんない」
ユキホ「・・・そう」
カキカキ・・・
雪穂「今まで、私から飛び出していった色んなコトバ」
雪穂「今まで、私から飛び出していった色んなメロディ」
ユキホ「・・・」
雪穂「音楽を辞めちゃった真姫さんや、仕事辞めたいってずっと愚痴ってた凛さんとかに」
雪穂「届いて欲しいと思ってる」カキカキ
ユキホ「へえ、そのノート見せるんだ」
雪穂「見せないけど、届いて欲しい」
ユキホ「・・・何言ってんの?」
雪穂「・・・アンタも私もまだ若い、私達はまだ若いんだから」
雪穂「・・・これから私達に何が出来るか、考える時間は幾らでもあるんだよ」カキカキ
ユキホ「・・・気取っちゃってさ」
雪穂「・・・ふふ」
何も出来ない
何もしようとしない私だって
少しはマシになりたい
その術は分からない
けど
気付けないなら、気付けないなりに明日を手繰り寄せれば
何かを、見つけられるかもしれない
ユキホ「・・・ま、頑張れば」
雪穂「・・・ありがと」
カキカキ・・・
雪穂「・・・よし」
パタン・・・
ー25歳ー
Twenty Five Blues For You・・・
15 : 名無しで... - 2018/12/25(火) 21:49:15.86 zw4RKj/s 13/13絵里「雨の日のコーヒー」
https://ayamevip.com/archives/57059559.html
穂乃果「第一次音ノ木坂抗争」
https://ayamevip.com/archives/57059562.html
絵里「青に」にこ「落ちていく」
https://ayamevip.com/archives/57062812.html
にこ「絵里って」希「映画の影響」ことり「受け過ぎだよね」
https://ayamevip.com/archives/57062820.html
絵里「ゲームセンターに行きましょう!」にこ「拒否」希「話を聞こう」
https://ayamevip.com/archives/57062822.html
絵里「ノッキン・オン」にこ「ヘブンズ・ドア」
https://ayamevip.com/archives/57064769.html
絵里「予告編」
https://ayamevip.com/archives/57064794.html
穂乃果&ツバサ「聖♥おねえさん」
https://ayamevip.com/archives/57064798.html
絵里「真夜中に」にこ「愚痴を肴に」希「姦しく」
https://ayamevip.com/archives/57064806.html
海未「穂むらでの」ダイヤ「一幕」
https://ayamevip.com/archives/57080574.html
絵里「あの時の音と、あの時の色」
https://ayamevip.com/archives/57080576.html
クリスマスに何書いてんでしょうか
前作です