1 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 14:39:27.40 aLHEfsRPO 1/52

「失敗したのは、そっちが悪いんだろ!?」

伊織「何よ!あんたが悪いんじゃない!」

ギャーギャー……キィーキィー……まこまこ……



春香「……ど、どうしたの?あの2人?」

雪歩「今日のダンスレッスン、伊織ちゃんと真ちゃんが一緒だったんだけど…」

雪歩「その…なかなか息が合わなかったらしくて…」

春香「あぁー、あの2人はねー…」

元スレ
貴音「皆の衆!四条音頭が始まりますよ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1414561167/

2 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 14:46:52.05 aLHEfsRPO 2/52

伊織「何よ!」ギロッ

「何さ!」ジロッ

雪歩「ふ、2人とも、落ち着いてよ……」オロオロ

伊織「「雪歩は黙ってて!」」くわっ!

雪歩「ひゅぅぅ……」シュン

伊織「ふん!もうあんたの顔なんて見たくもないわ!」プイッ

「こっちの台詞だよ!」プイッ

3 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 14:51:12.45 aLHEfsRPO 3/52

春香「ふ、2人とも仲良くしようよ!ね?」

伊織「絶・対、イヤ!」

「こっちもだよ!」

春香「はぁ……どうすればいいのかなぁ」ガクンッ

雪歩「うぅ……誰かぁ……2人を仲良くして下さいぃ」グスッ




ドンッ……

5 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 14:56:10.45 aLHEfsRPO 4/52

春香「………え?」

雪歩「今、和太鼓を叩いた音が……」

ドドンッ……

伊織「空耳じゃないわ……!」

「だ、誰!?和太鼓を叩いてるのは!?」

6 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 15:00:40.12 aLHEfsRPO 5/52

ドドドンッ!

貴音「はっ!」


ドドドンッ、ドドドンッ、ドドドンッ、ドドドンッ!

ドォンッ!

雪歩「し、四条さん!?」

春香「貴音さんが、ハッピを着て太鼓を叩いてる……」

「ど……どうしちゃったの?貴音?」

伊織「どこで調達したのよ……その和太鼓」

7 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 15:04:57.13 aLHEfsRPO 6/52

ドドッ!カッ!

貴音「皆の衆!」

貴音「四条音頭が始まりますよ!」

春香「………え?」

「四条音頭って……何?」


〜〜〜〜〜〜〜〜(メロディ再生)

伊織「な、何?この祭りに流れてそうな笛や小太鼓の音は……」

雪歩「どこから鳴ってるんだろう……」

9 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 15:10:57.55 aLHEfsRPO 7/52

ドンッドンッドンッ!カラカッカ!


ドドンガドン!


貴音「やぁ!」

ドンッドンッドンッ!カラカッカ!

ドドンガドン!

貴音「せいやぁ!」

10 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 15:17:10.36 aLHEfsRPO 8/52

『四条音頭』
作詞・作曲・演奏 四条貴音


めんめんめん めめんがめん(あ、そりゃ)

ようようよう よようがよう(あ、どした)

朝はカップで らあめん(はーい)

昼はお店で らあめん(ほいやぁっ)

夜は屋台で らあめん(それそれっ)

そして夢で らあめん風呂(熱いっ!)

あ それそれそれそれ やーいやい(そりゃそりゃ)

あ やれやれやれやれ そーれんそーれん(げろっぱ)

今宵も月が満月 月が綺麗ですね (どんどぱっぱ どんどぱっぱ どんぱっぱ)


いぇいっ!

12 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 15:22:29.50 aLHEfsRPO 9/52

ドンッ!

貴音「……ふぅ」

春香「……………」

「……………」

伊織「……………」

雪歩「………………」パチパチパチ……

貴音「では、失敬」ダッ

「あっ……!」

伊織「行っちゃったわね……」

春香「何しに来たんだろう……」

「………ぷっ」

「あはははははは!」

伊織「!?」

13 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 15:26:16.77 aLHEfsRPO 10/52

伊織「な、何よ、急に笑い出して……」

「ははは……いやね」

「なんか、喧嘩してるのが一気に馬鹿らしくなっちゃってさ」

伊織「まぁ……確かに、そうね」

「………伊織、ごめん」

伊織「え?」

「次からのダンスレッスン、ちゃんと失敗しないように気を付けるよ」

伊織「きゅ、急に折れないでよ……」

14 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 15:30:12.79 aLHEfsRPO 11/52

伊織「……わ、私も見直す点はあったわ……ごめん」

伊織「私も気を付けるから、次は成功させるわよ!」

「うん!」

雪歩「仲直りしてくれて、よかったぁ……」

春香「これも、貴音さん……いや」

春香「四条音頭のおかげだね!」

15 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 15:36:40.32 aLHEfsRPO 12/52






貴音「……………」チラッ

貴音「どうやら、仲直りしてくれたようですね……」

貴音「さて、次の喧嘩はいずこに……」ザッザッ…



四条貴音の四条音頭は、まだまだ続く

第一部 完

16 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 15:41:41.19 aLHEfsRPO 13/52

真美「おっはよーん!」

亜美「……………」

あずさ「……………」

真美「………あれあれ?どったの?2人とも」

亜美「あ、真美……」

あずさ「実は……」チラッ

真美「?」チラッ

17 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 15:46:29.33 aLHEfsRPO 14/52

美希「…………………」ジーーー

律子「…………………」カタカタ

真美「……なんで、ミキミキは律っちゃんを見つめてるの?」

亜美「なんかね、律っちゃんが兄ちゃんにチューしてる所をミキミキが見たらしいんだ」

真美「えぇっ!?」

あずさ「で、でも、律子さんはネクタイをしめてあげただけで、誤解だって…」

真美「あっ、そうなの?」

亜美「それをミキミキが疑っててね……」

19 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 15:50:49.86 aLHEfsRPO 15/52

美希「……律子、ハニーとチューしてたの」ジー

律子「だから、ただネクタイをしめてあげてただけよ!」

律子「あと、律子『さん』!」

美希「ううん、あれは絶対キスしてたの!」

律子「だから、あの時美希の位置から見たらそう見えただけであって…」

20 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 15:56:07.69 aLHEfsRPO 16/52

美希「ハニーを取っちゃ、ヤ!」

律子「も、もう!話を聞きなさい!」

亜美「ずっとこんな調子なんだYO〜…」

あずさ「どうにか、ならないかしらね〜…」

真美「う〜ん、困った困った……」





ドドンッ…

21 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 16:00:08.49 aLHEfsRPO 17/52

亜美「……へ?」

あずさ「今の音……和太鼓?」

真美「近くで祭りでもしてるのかな……?」

ドドドンッ…

美希「……音が近くなって来てるの」

律子「ちょ、ちょっと……何事よ?」

22 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 16:04:36.75 aLHEfsRPO 18/52




ドドドンッ!

貴音「はっ!」


ドドドンッ、ドドドンッ、ドドドンッ、ドドドン!

ドォンッ!

亜美真美「お、お姫ちん!?」

美希「貴音が祭り衣装着て、和太鼓叩いてるの……」

律子「な、なんなのよ、これは……」

あずさ「あ、あら〜、はちまきが似合ってるわね〜」

23 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 16:08:35.12 aLHEfsRPO 19/52

ドドッ!カッ!

貴音「皆の衆!」

貴音「四条音頭が始まりますよ!」

亜美「四条……音頭?」

真美「そんなこと言われても、真美達踊れないYO〜!」

〜〜〜〜〜〜〜〜(メロディ再生)

あずさ「あらあら、祭りに来た気分になる曲ね〜」

律子「笛や小太鼓の音…本格的に祭りになって来たわね」

美希「なんなのなの……これ」

25 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 16:12:44.39 aLHEfsRPO 20/52

ドンッドンッドンッ!カラカッカ!


ドドンガドン!


貴音「せいっ!」

ドンッドンッドンッ!カラカッカ!

ドドンガドン!

貴音「ちぇすとっ!」

26 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 16:20:00.86 aLHEfsRPO 21/52

『四条音頭 二番』
作詞・四条貴音 作曲・武田蒼一


めんめんめん めめんがめん(あ、そりゃ)

ようようよう よようがよう(あ、どした)

朝は軽く おでんを(ぱくっ)

昼は自販機で おでんを(秋葉原っ)

夜は屋台で おでんを(もう一杯っ!)

そして夢で おでんぷぅる(ふりぃしか泳がない!)

あ やいやいやいやい そーれそれ(はぁ、どっこい)

あ それそれそれそれ やいーんやいん(いけずです///)

今宵も月が満月 月が綺麗ですね(どんどぱっぱ どんどぱっぱ どんぱっぱ)

ぶいぶいっ!

29 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 16:25:36.87 aLHEfsRPO 22/52

ドンッ!

貴音「……ふぅ」

亜美「…………………」

真美「…………………」

美希「…………………」

律子「…………………」

あずさ「じょ……上手ね〜」パチパチパチ…

貴音「では、退散」シュダッ

亜美「あっ……!」

真美「……行っちゃった」

31 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 16:29:37.32 aLHEfsRPO 23/52

美希「………よくわかんなかったけど」

美希「なんか、いつまでも疑ってる自分が馬鹿らしくなって来たの」

美希「律子…さん、ごめんなさい、信じなくって…」

律子「……もういいのよ、怒ってないわ」

美希「………律子」

律子「律子『さん』!」

美希「は、はいなの」

32 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 16:33:53.14 aLHEfsRPO 24/52

あずさ「よかったわ〜、一件落着ね」

真美「これも、お姫ちんのおかげだね!」

亜美「ありがとう!お姫ちん!」

亜美真美「ありがとう!四条音頭!」

33 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 16:35:07.83 aLHEfsRPO 25/52




貴音「……………」チラッ

貴音「謝儀の言葉をもらうのは、真、気持ちの良い事ですね」

貴音「では、次の喧嘩やとらぶるを探すといたしま……」

ピキッ!

貴音「うっ……!」ズキッ

貴音「………………」

貴音「そろそろ……私の腕は、限界なのでしょうか……」

貴音「………あなた様」


第2部 完

35 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 16:40:43.50 aLHEfsRPO 26/52

「おーい!やよいー!」

やよい「あ、響さん!おはようございまーす!」

「やよい、帰りに少し祭りに行かないか?」

やよい「祭り……ですか?」

「うん!貴音が招待してくれたんだ!」

「祭りのイベントで出るから、ぜひ来て欲しいって言ってたんだ」

やよい「イベント……って、何のですか?」

36 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 16:44:43.48 aLHEfsRPO 27/52

「それは……トップシークレットだって」

やよい「うぅ〜…そう言われると、気になります〜」

「だから、帰りに一緒に行こ?ね?」

やよい「そうですね、じゃあ少しだけ……」

「よし!じゃあ、帰る頃になったら……」





貴音「なぜですか!?あなた様!!」

39 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 16:50:58.57 aLHEfsRPO 28/52

「!?」ビクッ

やよい「い、今、奥の部屋から四条さんの声が……」

「ど、どうしたんだ……?」

「ちょっと、見てくるぞ」タタタ

やよい「あっ、私も行きます」タタタ



「貴音?どうし……」ヒョコッ

貴音「なぜ、止めるのですか!?」

P「お前の為なんだ、わかってくれ」

40 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 16:54:33.58 aLHEfsRPO 29/52

貴音「私は、この日のために日々努力をしてきたのですよ!?」

貴音「それなのに……なぜ!?」

P「……今回は、残念だが諦めてもらうぞ」

P「また次のチャンスを待つしかないさ」

貴音「………くっ!」ギリッ

貴音「私は、何を言われようと出場いたします!」

41 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 16:59:02.82 aLHEfsRPO 30/52

P「貴音!ダメだ!」

貴音「あなた様の、わからずや!」ダッ

P「あっ……貴音!待て!」

(こっちに走って来る!)

貴音「………あっ」ピタッ

やよい「貴音さん………」

「……どうしたんだ?貴音?」

43 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 17:03:57.96 aLHEfsRPO 31/52

貴音「………………」

貴音「失礼……いたします」ダッ

「あっ……」

タタタタ………



「…………行っちゃった」

やよい「プロデューサー……貴音さん、どうしたんですか?」

P「………………」

44 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 17:07:27.12 aLHEfsRPO 32/52



「結局、プロデューサーは貴音の事について何も教えてくれなかったぞ……」

「貴音……いったいどうしたんだろ」

やよい「響さん!」

やよい「せっかく、お祭りに来たんですよ!」

やよい「四条さんの事も、確かに気になりますけど……」

やよい「今は、一緒に楽しみましょう!」

「やよい……」

45 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 17:11:05.79 aLHEfsRPO 33/52

やよい「千早さんも来てくれましたし、もっと楽しみましょう!」

やよい「ね、千早さん!」

千早「え、えぇ」

千早(高槻さんに誘われたら、断れないわ…///)

千早「それで、四条さんが出るイベントって何かしら?」

「祭りの踊り場で待ってたら分かるって言ってたけど……」

「でも、今日の昼の様子じゃ、出るかどうかわからないぞ……」

やよい「貴音さん……」

46 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 17:15:56.23 aLHEfsRPO 34/52

アナウンス『みなさん、お待たせいたしました!』

アナウンス『この祭りのメイン、和太鼓の演奏を披露いたします!』

アナウンス『音楽に合わせて、自由に踊って下さい!』

「へぇ〜、和太鼓かぁ」

やよい「楽しみですね!」

千早「誰が演奏するのかしら……」

アナウンス『では、今回和太鼓を演奏する方をご紹介いたします!』

アナウンス『登場していただきましょう!』

アナウンス『765プロアイドル、四条貴音さんでぇす!』

やよい千早「「「!!?」」」

47 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 17:19:21.92 aLHEfsRPO 35/52

「た、貴音が演奏!?」

やよい「あっ!和太鼓の前に、貴音さんが!」

千早「四条さん……もう構えてるわ」



貴音「………………」ガシッ

アナウンス『おっ、もう準備万端のようですね!』

アナウンス『では、早速演奏していただきましょう!』

アナウンス『曲は、『四条音頭 三番』!!』

アナウンス『どうぞ!!』

52 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 17:23:40.79 aLHEfsRPO 36/52

「だから、貴音は今日の祭りに招待したのか……」

P「くっ……遅かったか!」タタタ

千早「プロデューサー!」

P「みんな、貴音を止めるんだ!」

やよい「え……?どうしてですか?」

P「あいつの腕の容態は、尺骨疲労骨折寸前なんだ!」

53 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 17:27:56.10 aLHEfsRPO 37/52

千早「尺骨疲労骨折!?」

「それって……どんなの?」

P「wikiれ!」

やよい「とにかく、骨折しそうなんですよね?」

P「あぁ、このまま腕を酷使したらポキッといくぞ!」

千早「そんな……!」

「た、貴音ぇ!やめてぇーーー!」

54 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 17:32:53.54 aLHEfsRPO 38/52

ワーワー……貴音ぇー……

貴音「……これは、響の声」

貴音「どうやら、尺骨疲労骨折の事を知ってしまったようですね…」

貴音「……しかし、私は」グッ

貴音「なり遂げなければ、ならないのです!」

貴音「はぁっ!」

ドドンッ…

「!」

P「始めちまったか……くそっ!」ダッ

千早「プロデューサー!」

P「貴音を止めて来る!お前達は救急車を……」タタタ





カラッ……

57 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 17:38:54.09 aLHEfsRPO 39/52

P「……え?」

やよい「今の音は……?」

千早「………あっ!」

千早「四条さんが、腕をおさえてるわ!」

「痛そうな表情をしてるぞ!」

P「そうか……今の音は木鉢を落とした音……」

P「限界か……早く病院に」

やよい「………!!」

やよい「プロデューサー!貴音さんが!」

P「え?」クルッ

P「…………!!」

P「木鉢を……拾おうとしてる……」

58 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 17:46:28.57 grBLMo/s0 40/52

「貴音………」

P「な、何をしてるんだ!そこまでして、何になるんだ!貴音!」

P「和太鼓を演奏する事に、何があるんだ!」

「………きっと、貴音にはそれがわかってるんだよ」

P「……え?」

59 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 17:52:24.10 grBLMo/s0 41/52

「貴音には、和太鼓を演奏したら見える素晴らしい世界があるんだよ」

「自分やプロデューサー、他の人には理解出来ない世界……」

「でも、貴音にとっては是が非でも見たい、そんな素晴らしい世界……」

「その世界を見るために、例え苦しくても痛くても……」

「貴音は、和太鼓を演奏したいんだ!」

P「…………………」

P「え……あ、うん……」

千早「プロデューサー!四条さん、とても辛そうです!」

P「くっ……強制的に止めるしか無いようだな!」ダッ

60 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 17:58:01.74 grBLMo/s0 42/52

やよい「プロデューサー!」

P「うぉっ!」ピタッ

P「な、なんだよ!早く止めさせて来れよ!」

やよい「あの、お願いがあるんです!」

P「……?」

61 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 18:04:05.38 grBLMo/s0 43/52

貴音「くぅっ……こんなにも、症状は悪くなっていたのですね」

貴音「しかし、私は……叩かなければならないのです」

貴音「この、樹齢100年以上の木で出来た……」

貴音「この、和太鼓を!!」スクッ

貴音「いざ!!」バッ




P「………貴音」

貴音「………!」

62 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 18:09:31.38 grBLMo/s0 44/52

貴音「あなた様……」

P「……木鉢を、置くんだ」

貴音「……それは、出来ない相談です」

貴音「私は、ここで四条音頭(三番)を演奏しなければならない使命があるのです」

貴音「邪魔はしないでいただきたいです」

P「………貴音」

P「お前には、和太鼓が無くったって四条音頭が演奏できるじゃないか」

貴音「………それは、どういうことでしょうか?」

P「お前には、歌があるじゃないか」

63 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 18:13:12.22 grBLMo/s0 45/52

貴音「歌……ですか?」

P「あぁ」

P「ほら、あいつらの様にな」

貴音「あいつら……?」スッ

貴音「!!」

65 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 18:18:43.03 grBLMo/s0 46/52

やよい「めんめんめん めめんがめん!」

「あ、そりゃ!!」

千早「よ……ようようよう よようがよう///」

「あ、どした!!」





貴音「なんと……皆が、四条音頭を歌って……」

P「あぁ」

P「やよいが、貴音に一緒に歌って欲しいって」

P「お前に伝えるように、さっき頼まれた」

貴音「高槻やよいが……」

67 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 18:22:53.02 grBLMo/s0 47/52

P「さぁ、お前も歌ってこい!」

貴音「プロデューサー……」

貴音「ありがとうございます」ぺこっ

P「それは、やよいに言ってやれ」

貴音「………はい!」タタタ

68 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 18:28:59.57 grBLMo/s0 48/52

やよい「あ!貴音さん!」

貴音「やよい、ありがとうございます」ぺこっ

やよい「いえ、そんな……」

やよい「みんなと一緒に歌えたら、楽しいかなーって思って!えへへっ!」

「うんうん、皆で歌えば楽しいよね!」

千早「ふふふ、高槻さんらしいわね」

貴音「やよい……響……千早……」

貴音「………ふふふ」

貴音「さぁ!らすとすぱーとですよ!皆の衆!」

千早「はい!」

69 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 18:35:45.51 grBLMo/s0 49/52

『四条貴音 三番』
作詞・黒井崇男 作曲・武田蒼一


めんめんめん めめんがめん(うっうー!)

ようようよう よようがよう(はいさーい!)

歌を歌おう ぼおかる(はーい)

激しく動け だんす(ほいやぁっ)

魅了させます ヴィジュアル(それそれっ)

ぐらびあ撮影 どんとこい(くっ!)

あ それそれそれそれ やーいやい(ハイターッチ!)

あ やれやれやれやれ そーれんそーれん(なんくるないさー!)

今宵も月が満月 月が綺麗ですね(どんどぱっぱ どんどぱっぱ どんぱっぱ)

ヴァイッ!


71 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 18:43:05.50 grBLMo/s0 50/52

次の日

P「貴音……本当に捨てちゃっていいのか?」

貴音「はい、私にはもう和太鼓は必要ありません」

貴音「私には……支えてくれる仲間がいますから」

P「貴音……」

貴音「もちろん、あなた様も含めてですよ?」

P「ははっ……それは嬉しいな」

72 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 18:51:22.75 grBLMo/s0 51/52





冬馬「今日のレッスンはなかなかキツかったな……」スタスタ

冬馬「………ん?」ピタッ

冬馬「………和太鼓だよな、これ」

冬馬「なんでこんなゴミ捨て場に……」

冬馬「木鉢もあるな……」

冬馬「………少し、叩いてみるか」

冬馬「せぇー……の!!」



ドドンッ!

冬馬「!!」

74 : ◆p3yuNM37DY - 2014/10/29 18:54:15.79 grBLMo/s0 52/52

冬馬「…………見えた」

冬馬「今……見えたぞ」

冬馬「俺の求めていた……」


冬馬「素晴らしき、和太鼓の世界が!!」






最終章 完

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