絵里「・・・ガン?」
「はい」
絵里「・・・手術、ですか?」
「既に、あちこちに転移しています」
「もうこれ以上、手術した所で・・・」
絵里「そう、ですか」
「入院をお勧めします、すぐにでも」
絵里「・・・分かりました」
「準備はすぐ出来ますか?」
絵里「ええ、まあ」
「結構です、ではすぐにでも」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
元スレ
絵里「ノッキン・オン」にこ「ヘブンズ・ドア」
http://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1537541300/
病棟
コツコツ・・・
「こちらです」
絵里「はい」
ガチャ
「・・・もう」
「煙草は駄目だって言ったでしょう?」
?「・・・」
絵里「・・・」
「じゃ、何かあったら呼んでくださいね」
絵里「あ、はい」
「では」
スタスタ
?「ねぇ」
「?」
?「アイドル雑誌買ってきて」
「・・・」ハァ
?「・・・」カサッ キンッ
?「フゥー・・・」
絵里「あの、煙草辞めてくれません?」
にこ「・・・」フゥー
絵里「・・・」
にこ「死んだ様な顔ね、アンタ」
絵里「・・・!」
にこ「そんな顔の奴と一緒の部屋なんて、やなこったって言ってんの」
絵里「死んでない」
にこ「・・・」
絵里「・・・まだ生きてる」
にこ「そりゃ殊勝なこって」
絵里「・・・」
にこ「フゥー・・・」
にこ「私はね、もう何日も無いのよ」
にこ「脳腫瘍だから」トントン
絵里「そう、言われたの?」
にこ「・・・」コクッ
絵里「私も、ガンで」
絵里「手術した所で、意味無いって」
にこ「へえ」
絵里「・・・」
にこ「・・・要するに、ここで死ぬ迄仲良くしろって事ね」
にこ「・・・笑える」
ガッシャーン!
にこえり「「!?」」
壁にかけてあった十字架が真下に落ちて、はずみで棚が開く・・・
キィ-・・・
ーテキーラー
にこ「・・・」
絵里「・・・」
https://youtu.be/2C0OEVWKZv0
厨房
絵里「や、やっぱりまずいんじゃ・・・」
にこ「じゃ何?律儀に看護婦に「テキーラ飲むから塩とレモン下さい」って言うの?」
絵里「いや・・・」
ガサッ
絵里「あ、塩・・・」
ドドドドッ
にこ「レモンと」
コッコッコッ・・・
絵里「・・・」
にこ「・・・はい」
キン
絵里「・・・」グビッ
にこ「・・・」グイッ
ーーーーーーーーーーーーーーーー
絵里「だからほんとなのよ!」
絵里「銃を何発も撃たれたと思ったら、全弾外れたの!」
にこ「フフッ、まっさかぁ!」
アハハハ・・・
絵里「ふう・・・」グイッ
にこ「・・・私も、こんなとこさっさと抜け出して、海に行きたい」
絵里「海・・・ねぇ」カラン
にこ「そうよ」
にこ「いい?想像して」
にこ「貴女は今、砂浜にいる」
にこ「カラッとして、暖かい、過ごしやすい気候」
絵里「うんうん」
にこ「息を吸って、大きく」
絵里「すぅー・・・」
にこ「真っ青な海から、優しい潮の香りがしてくるの」
にこ「んで、右手にテキーラって訳」
にこ「アハハ・・・」グイッ
絵里「・・・でも私、海を見た事無いの」
にこ「・・・」カラン
絵里「いつか見てみたいって思ってたけど、中々機会が無くて」
にこ「・・・冗談でしょ?」
絵里「・・・」
にこ「今までずっと生きてきて、それももうすぐ終わるって時に」
にこ「一度も、海を見た事ないの?」
絵里「・・・」
にこ「・・・天国で、何が流行ってるか知ってる?」
絵里「天国で・・・?」
にこ「そ、天国で」
にこ「天国では、海の話をするの」
絵里「・・・」
にこ「夕暮れ時に、太陽が真っ赤に染まりながら、海に溶けていくのよ」
にこ「鮮やかな光がじんわり広がって」
にこ「場末のBARで頼んだ、テキーラサンライズを混ぜた時の様に」
にこ「深い海の色と混ざりあって・・・」
絵里「・・・」
にこ「でも、アンタはその話に乗れない」
にこ「海を見た事が無いから」
絵里「・・・」グイッ
にこ「可哀想、天国では仲間外れにされるかも・・・」グイッ
絵里「・・・どうにか、ならないかしら・・・?」
にこ「・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー駐車場ー
にこ「・・・おっ、こいつは上物ね」
絵里「良い色・・・」
ガチャ
絵里「・・・開いてる」
にこ「よっこいせと」
にこ「車の鍵、無いわよね・・・」
絵里「・・・」
ガンッ!
絵里「あいだぁ!?」
にこ「プフッ、何してんのよ」
トサッ チャリン
絵里「あ・・・」
にこ「鍵・・・」
ブルルン!
にこ「車パクるのって、案外チョロいのね・・・」
絵里「ふひひっ」
ブーン・・・
?「・・・」
?「・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
郊外
絵里「・・・Zzz」
パァン!!
絵里「・・・っ!」ビクッ
パァン!! カランカラン・・・
絵里「・・・何・・・?」ガチャ
にこ「・・・」
パァン!!
絵里「うー・・・頭痛い・・・」
にこ「おはよ」パァン!!
絵里「何よそれ、ハンドガンなんてどうしたの?」
にこ「ん、ダッシュボードに入ってた」
にこ「儲けもんね」パァン!!
絵里「ダッシュボード・・・」
絵里「何この車」
にこ「C2型 コルベットスティングレイ1963年式!」
絵里「スティングレイ・・・いやそうじゃなくて」
絵里「どこから持ってきたのよ」
にこ「病院の駐車場からパクってきたのよ」
にこ「貴女も頭ぶつけて手伝ってくれたじゃないの」カサッ
絵里「あうー・・・全然覚えてない・・・」
にこ「・・・」カラン
絵里「・・・それは?薬?」
にこ「ん、何か頭痛が酷い時に飲むと良いらしいわよ」
絵里「頭痛・・・」
にこ「よく効くのよこれ、脳腫瘍でも安心!」
絵里「・・・にこさん、でしたっけ」
にこ「にこで良いわよ」
絵里「じゃあにこ、やっぱり戻りましょう」
絵里「こんなの良くないわよ・・・」
にこ「・・・」
絵里「海なんて、見れなくていいから・・・」
にこ「絵里、この私が付いてるのよ」
絵里「・・・」
にこ「何も、心配しなくて良いの」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーとあるアジトー
海未「車を取られた?」
?「・・・」
?「・・・」
海未「・・・真姫」
真姫「・・・」ビクッ
海未「説明してもらえますか?」
真姫「・・・はい、まずですね・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ドガン!
真姫「ちょ、ちょっと!!何してんのよ!!」
凛「ま、真姫ちゃんが突っかかってくるからにゃ!!」
真姫「アンタのアホみたいなジョークに飽き飽きしてたからよ!!」
凛「やばいにゃ、生きてるのかな?」
雪穂「・・・」
ガチャ
真姫「ち、ちょっと、大丈夫?」
凛「大きい怪我は無さそうにゃ・・・」
ムクッ
雪穂「・・・あー、足イったなこりゃ」
真姫「え、え?そうは見えないけd」
雪穂「アイタタタ!!動かさないで下さいよ!!」
真姫「ご、ごめんなさい」
雪穂「・・・病院」
真姫「はい?」
雪穂「病院、連れてって下さい」
真姫「び、病院?」
凛「真姫ちゃん駄目だよ!今は車運んでる最中だし、こいつも大丈夫そうだし!」
真姫「で、でも、万が一大きい怪我をしてたら・・・」
雪穂「ちょっとぉ、大丈夫じゃないんですけどー」
凛「何でアナタが凛と真姫ちゃんの間に入ってくるのぉ!?」
真姫「と、取り敢えず病院に連れて行きましょ・・・」
凛「・・・んもう!」
ガチャ
ブーン・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー病院ー
医者「んー、大丈夫そうですねー」
凛「ほらぁ!」
真姫「よ、良かった・・・」
雪穂「ちぇー」
看護婦「取り敢えず、こちらの書類に必要事項をお書き下さい」
真姫「あ、実は私達、結構先を急いでて・・・」
凛「しょうがないから書くにゃ、貸して」
雪穂「おーい、轢いた本人がやる気ないってどういう事ですかー?」
凛「・・・」カキカキ
真姫「・・・ふん、貴女だって何ともない癖によく言うわよ」
雪穂「はぁー!?しっかり怪我してますー!貴女には分からんでしょうねぇ!!」
真姫「・・・」イライラカミノケクルクル
雪穂「こちとら怪我人なのに蔑ろにしてさー!それでいいと思ってんのー!?へいへーい!!」
真姫「・・・っ!!」スチャッ
医者達「!?!?」
雪穂「・・・っ!」
凛「真姫ちゃん、ここ病院だよ」カキカキ
真姫「・・・」スッ
凛「・・・はい、書き終わったよ」
医者「あ、ありがとうございます・・・」
真姫「あまり舐めない方がいいわよ」
雪穂「・・・ふんだ」
凛「行こう、大分時間食っちゃった」
真姫「そうね」
スタスタ
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー駐車場ー
真姫「海未さん、怒ってないかしら」
凛「うーん、事情を説明すれば何とか・・・」
ブーン・・・
りんまき「「え?」」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー現在ー
海未「ちょちょちょ、ちょっと待って下さい」
海未「人を轢いたんですか?」
真姫「は、はいまあ」
海未「で、病院に連れてったと」
凛「そうです、ちゃんと書くまで帰してくんなくて・・・」
海未「それで駐車場まで行ったら、車を盗られていたと」
りんまき「「はい」」
海未「貴女達、鍵はどうしたんですか?」
真姫「いや、それがその」
凛「すぐ戻ってこれると、思ってたので・・・」
海未「・・・」ハァー・・・
海未「・・・分かりました、後は私が処理しておきます・・・」
海未「貴女達は少し休んでて下さい・・・」
真姫「お、怒らないんですか・・・?」
海未「・・・まあ、車如き盗まれても、"ケース"が無事ならどうとでもなりますし」
海未「きちんと取り出しておいたんでしょう?」
りんまき「「・・・」」
海未「・・・えーと、確認していいですか?」
海未「ケースは、無事、なんですよね?」
りんまき「「・・・」」
海未「・・・」アゼン
凛「・・・すいません」
真姫「」ガクブル
海未「・・・前言撤回、ケースを探し出して来なさい」
りんまき「「・・・」」
海未「・・・今すぐッ!!」
りんまき「「は、はいぃ!!」」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー郊外ー
にこ「・・・」ガチャ
トランク内には、ケースが1つ
絵里「・・・」スッ
にこ「・・・開けて、持っておくから」
絵里「・・・ええ」
ガチャ
絵里「・・・」パチクリ
にこ「・・・ハッピーかしら?」
絵里「・・・」
にこ「絵里!」
絵里「!」ハッ
にこ「ハッピー?」
絵里「・・・えぇ、ハッピーよ」
https://youtu.be/I_izvAbhExY
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーとある警察署ー
希「・・・やから、ちょっと気張りすぎなんよ」
希「責任は上司のウチが取ってあげられるんやし」
希「ちょっと失敗した位で気落としたらあかんよ、肩の力抜いてな」
?「・・・」
希「もっと楽しんで仕事しよや」
希「部署のコーヒーが美味い、ドーナツが美味い」
希「そんなんでええやろ?」モグッ
?「・・・」
希「ま、花陽ちゃんがそのもちもちのお腹を気にしてダイエット中ってんなら、話は別やけどな」
花陽「・・・」
希「・・・何や、図星かいな?」
花陽「・・・希さんに関係ないでしょう、ほっといて下さい」プイ
希「にしし、相変わらずかわええなぁ」
プルルル・・・
ガチャ
希「はい、音ノ木坂警察」
希「はい、はい私です」モグモグ
花陽「・・・」
希「え?いやなんも食べてませんよ」
希「ほんとですって、はい」
希「はい、分かりました、すぐ向かいます、失礼します」
ガチャ
花陽「次は何処へ行くんですか?」
希「うん、前に病院から通報があったやろ?入院患者二名が行方不明っての」
花陽「ああ」
希「その二人が、高級ホテルに入ってくのを、非番の警察官が見たって通報が入ったんや」
希「やから、確認に行くで花陽ちゃん」
希「んま、安い仕事やけど、これでお給料入るんやったら儲けもんやろ?」
希「ささっと片付けましょ」ガタッ
花陽「・・・どこからそんなお金捻出したんですかね」ガタッ
希「そないなもん、ふん捕まえりゃ分かる事や」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー高級ホテルー
https://youtu.be/yURRmWtbTbo
にこ「ひゃっほう!!」ボフン
絵里「わふーい!」ボフン
にこ「来て来て!」
絵里「なになに!?」
ガシッ 肩組み
にこ「アルマゲドン」
絵里「ブフォ!!www」
にこ「5本吸いに挑戦してみた」
絵里「ライターです」カチッ
にこ「・・・」スゥー・・・
絵里「・・・」
にこ「ゲホァッ!!」
絵里「そりゃそーよ!wそりゃそーよ!w」
ガサッ
にこ「はい、酒」
絵里「わーい」
にこ「乾杯」
絵里「・・・」グビグビグビ
にこ「ラッパ飲みぃ!?www」
絵里「ぷっはぁ!!美味い!!」
にこ「見て、ベットの上で泳げるわよ!!」スイスイ
絵里「おっと日本代表矢澤選手、怒涛の追い上げだぁ!!」
にこ「ぷはっ!・・・ぷはっ!」
絵里「ま、まるでw水の中にいる様です!!ww」
にこ「泳いでんだから水の中でしょ!!」
絵里「それもそうね!!」
アハハハハ・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーー
真姫「はい、見つけました」
真姫「シルバーのコルベットに乗った入院患者」
真姫「はい、高級ホテルにいるそうです」
真姫「警察の無線を傍受しました」
真姫「はい、間違いありません」
真姫「ナンバーも同じです」
凛「・・・」
真姫「大丈夫です、信じて下さい」
真姫「勿論100%です!」
真姫「・・・90%位?」
真姫「え?」
真姫「・・・大丈夫ですって」
真姫「はい、それでは」
ガチャン
真姫「凛」
凛「あ、ちょうちょ」
真姫「凛!!」
凛「にゃ?」
真姫「行くわよ」
凛「海未さんどうだった?」
真姫「どうもこうも、カンカンよ」
真姫「取り返せなかったら、何が起こるか・・・」
凛「いざとなったら、真姫ちゃんだけ置いて逃げるにゃ」
真姫「・・・」チョイチョイ
凛「にゃ?」スッ
真姫「・・・」ズビシッ
凛「んにゃあ!デコピンは辞めるにゃ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー高級ホテルー
にこ「・・・書けた?」
絵里「・・・んー」
にこ「・・・」ソーッ・・・
絵里「・・・!」サッ
にこ「何個書いた?」
絵里「ん、8個」
にこ「8?」
絵里「死ぬ迄にやりたい事なんて書ききれないわよ」
絵里「にこは何個なの?」
にこ「20」
絵里「・・・」
にこ「お互いの、一番を決めた方が良さそうね?」ゴロン
絵里「・・・」ゴロン
にこえり「「・・・」」
絵里「時間、かかるわよ」
にこ「じゃこうしましょ」
にこ「お互いのやりたい事リストは見ずに、数字だけ言って」
にこ「その数字を実行するのよ」
絵里「ほほう」
にこ「不正無しよ?」
絵里「分かったわ、どっちから言う?」
にこ「・・・」ジーッ・・・
絵里「・・・了解」
絵里「20の中からでしょ・・・?」
絵里「うーん・・・」
にこ「・・・」
絵里「じゃあ、1番目!」
にこ「・・・"ママにキャデラックを贈る"」
絵里「"ママにキャデラックを贈る"?」
にこ「そうよ」
にこ「エルヴィス・プレスリーを?」
絵里「・・・まあ、名前位は」
にこ「ママ、世界で一番熱心なプレスリーのファンなの」
にこ「よくプレスリーをテレビで見てたわ、録画とDVDだけどね」
にこ「まあ、流石に実物は無理だけど」
にこ「そのママの、テレビ見てる後ろ姿が、妙に頭に残ってるの」
にこ「大きくなったら、本物みたいにキャデラックを贈ろうって思ったわ」
にこ「もう、叶わないかなって諦めてたけど」
絵里「・・・」
にこ「今は違う」
絵里「すごくイイわね・・・」
にこ「・・・そう?」
絵里「気に入った」
にこ「よし、次は私が選ぶわよ」ゴロン
絵里「うん」ゴロン
にこ「じゃあ・・・7!」
にこ「あいや、1!」
絵里「・・・」
にこ「私も1にする」
絵里「番号変えちゃ・・・」
にこ「・・・」バッ
絵里「あっ」
にこ「・・・」ジーッ
にこ「・・・ふふ、これが絵里のやりたい事?」
絵里「・・・そうよ、貴女と比べると凄い恥ずかしいんだけど・・・///」
にこ「そんな事ないわ、とても素敵じゃない」
にこ「"チョコレートに埋まりたい"なんて」
絵里「埋まりたいじゃなくて食べまくる、よ」
にこ「どっちも一緒よ」
絵里「違うわよ」
にこ「ふふ」
絵里「全く」
ズキッ
にこ「・・・」
絵里「・・・」
にこ「・・・う」
絵里「・・・?」
にこ「・・・あ゛ぅ・・・!」
絵里「にこ・・・?」
にこ「ぐぅ・・・あ゛ぁ・・・っ!!」
絵里「にこ?ちょっと、にこ!?」
絵里「く、薬!」ドタッ
ガラガラッ
バタン
カラカラン・・・
絵里「これで・・・」
にこ「あ゛ぁ・・・がぁっ・・・!!」
絵里「にこ、これ飲んで・・・」
グイッ
にこ「うぅ・・・」
絵里「・・・大丈夫、大丈夫よ」ギュッ
にこ「ぅ・・・」
絵里「・・・」ナデ・・・
にこ「・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ブーン・・・
希「ええ、向かってますよ」
希「はい、小泉と一緒です」
希「・・・朝には着くかと」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
凛「ホテル迄どれくらいかかるの?」
真姫「まあそんなにかからないわ、朝には着くと思う」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
にこ「・・・」スゥ・・・
絵里「・・・」ギュッ
コチ コチ コチ・・・
にこ「・・・」
絵里「・・・」スゥ・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー朝ー
絵里「・・・」
にこ「・・・む」
絵里「にこ?」
にこ「ふぁ・・・あ」
絵里「大丈夫?頭痛は?」
にこ「無いわ、迷惑かけたみたいね」
絵里「良いのよ・・・」
にこ「ありがとう、シャワー行ってくる」
絵里「うん」
バタン
絵里「・・・ふう」
ガラッ
絵里「良い天気ね・・・」
絵里「ん?」スッ
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーホテル屋外駐車場ー
凛「あったにゃ、コルベット!」
真姫「間違いないわね」
凛「パトもあるし、用心しないと」
真姫「警察も耳が早い・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
絵里「・・・まずい」
ドタドタ・・・!!
絵里「にこぉっ!!」ガラァッ!!
にこ「わひゃう!!何よこっちはシャワー中よ!?」
絵里「警察が来てる!」
にこ「・・・」シャー
絵里「・・・」
キュッ
にこ「行くわよ、準備して」
絵里「ええ」
https://youtu.be/UJ1tBVtYOBc
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー廊下ー
にこ「ケースは?」スタスタ
絵里「持ったわ」スタスタ
チン
ガラッ
希「・・・ふう、この階?」
花陽「はい、この階で間違いな・・・」
希「ん?・・・あ」
にこ「・・・」
絵里「・・・」
絵里「あー・・・」
にこ「・・・」チャキッ
希「・・・っ」スチャッ
花陽「・・・!」スッ
にこ「・・・絵里、ちょっとしゃがんで」ボソッ
絵里「・・・え?分かったけど・・・」スッ
グイッ!
絵里「え」
にこ「・・・」スチャッ
にこは絵里のこめかみに銃を当てる
絵里「・・・」
にこ「・・・」
希「・・・落ち着いてな、ここに銃は置く」カタン
花陽「・・・!」フルフル
希「・・・花陽ちゃんもや、ゆっくり下ろし」
絵里「・・・」
にこ「・・・着いてきてもらうわ」スチャッ
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー少し遡るー
凛「・・・てか、割と綺麗に乗ってるもんだにゃ」
真姫「てっきり傷だらけかと思ったわね」
凛「・・・相手が抵抗して来たら、どうするにゃ?」
真姫「・・・」スチャッ
ースタームルガー Mk1ー
凛「骨董品にゃ」
真姫「カッコイイじゃない、スマートで」
凛「今どきオールドは流行らないにゃー」
真姫「ま、いいからさっさと行くわよ」
真姫「これ以上、私達の金を使われる訳には行かないからね」
凛「はーい」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーホテル内ー
にこ「~♪」フンフン
絵里「・・・にこ」
にこ「んー?」
絵里「やり過ぎじゃないかしら・・・」
にこ「そーお?」
椅子に縛られた花陽の上に、対面する様に乗る希
にこ「こんなもんでしょ」
花陽「///」プシュー
希「・・・アンタら、こんな事してタダで済むと思うなや」
希「今に応援が来るからっ・・・!!」ムググ
にこ「しー・・・」ガムテペタッ
希「・・・」
にこ「お似合いよ、イカしてるわ」
絵里「・・・」ハァ・・・
絵里「警察縛り上げるなんて、正気の沙汰じゃないわよ」
にこ「大丈夫よ、こんくらい」
絵里「イカれてるわ・・・」
コツコツ・・・
にこ「あによ、アンタが海に行きたいって言ったからこうなったんでしょー?」
絵里「私はこんな事してまで行きたい訳じゃないわよ!」
にこ「なぁにを今更、アンタ既に車パクってんのよ?」
絵里「あれは、酔ってて覚えてなくて・・・」
にこ「酔ってたら許されるとでも思ってんの?」
絵里「うっ」
ウィーン・・・
絵里「お母さん悲しむわよ」
にこ「アンタ急に弱いとこ突くの辞めなさいよ!」ペシッ
絵里「・・・」ペシッ
にこ「・・・」ベシッ
絵里「・・・」ベシッ
コツコツ・・・
にこ「あによこん畜生・・・ッ!!」グググッ・・・
絵里「アンタこそ・・・ッ!!」グググッ・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「あ・・・よこん畜・・・ッ!!」
「ア・・・タこそ・・・ッ!!」
凛「・・・何か揉めてないかにゃー?」
真姫「・・・」
ガチャ
にこえり「「・・・」」
希「・・・」
花陽「・・・///」
真姫「えーと、ここ2人部屋じゃ無かったでしたっけ」
絵里「・・・」
にこ「・・・」
凛「どちら様にゃ?」
にこ「・・・あー、おほん」
にこ「我々は、音ノ木坂警察署の者です」
希「・・・!?」ムグ
りんまき「「警察?」」
にこ「貴女達は何者かしら」
真姫「・・・私達、車盗られたんです」
凛「ケースも」
真姫「その犯人が、ここに泊まってるって聞いて来たんです」
絵里「・・・」
にこ「あー・・・」
にこ「・・・よっと、これの事かしら」ドスン
凛「あ、それにゃ!」
にこ「車の鍵はこれね」
真姫「あ、ありがとうございます・・・」チャリッ
にこ「今回は運が良かったのよ、次取り戻せるかは分からない」
にこ「こういう事は無くしていきなさい」
絵里「・・・」
凛「はい!」
にこ「宜しい、では我々は応援を呼んでくるから、暫く待ってて頂戴」スタスタ
絵里「・・・静かに待っててね」スタスタ
希「・・・」ムググ
りんまき「「・・・」」
ガチャ
バタン
真姫「・・・話の分かるデカね」
凛「言ってみるもんだにゃ」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー高級ホテル前ー
にこ「・・・」カチッ シュボッ
にこ「・・・」フゥー
絵里「お金、無くなったわね」
にこ「・・・」スッ
にこは自身のスカートをたくしあげる
太ももに巻き付けられた札束
絵里「・・・呆れた」
にこ「にしし・・・」
スタスタ・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーー
スタスタ・・・
にこ「・・・」フゥー
絵里「・・・諸々、買ってきたわ」
にこ「ん、ありがと」
絵里「・・・」
にこ「行きましょ」
コツコツ・・・
絵里「・・・しかし、改めて考えると恐ろしい事してるわよね、私達」コツコツ
絵里「貴女が機転利かせてくれなきゃ、今頃捕まってたわね」コツコツ
絵里「・・・にこ?」
にこ「・・・」
絵里「どうしたの、そんなとこで止まって・・・」
にこ「・・・」ユビサシ
絵里「ん・・・?」
そこには、青い海のポスターが貼ってあった
にこ「・・・」
絵里「・・・」
絵里「海・・・」
にこ「・・・ぅ」フラッ
絵里「・・・にこ?」
にこ「・・・う゛ぁ」
絵里「ちょ、ちょっとにこ!」
にこ「う゛ぅ・・・あ゛ぁっ・・・!!」ドサッ
道端に倒れ込んでしまうにこ
絵里「にこッ!にこッ!!」
にこ「あ゛がぁ・・・っ!!」
絵里「ま、待ってて、待っててにこ!!」タタッ
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー薬局ー
穂乃果「えーと、ここにこれを・・・」
バタァン!!
穂乃果「ほぇっ!?」
絵里「ハァッ・・・!ハァ・・・!」ドタッ
穂乃果「ど、どうしました!?」
絵里「こ、これと同じ奴を・・・ !!」カラン
穂乃果「これは・・・」
絵里「早くっ!急いでるの!!」
穂乃果「・・・処方箋はありますか?」
絵里「え・・・?」
穂乃果「これは非常に強い薬で、病院からの処方箋が無いと、お出し出来ないんです・・・」
絵里「そんなっ、お願いお金なら幾らでも・・・っ!!」ガサゴソ
穂乃果「処方箋が無ければウチでは、どうしようも・・・」
絵里「そんな・・・」
穂乃果「ごめんなさい・・・」
絵里「・・・」
・・・スタスタ
穂乃果「・・・」
絵里「・・・」
穂乃果「・・・?」
絵里「・・・っ」クルッ
スチャッ・・・
穂乃果「・・・っ!!」
パァン・・・!!
絵里「・・・」
穂乃果「・・・っ」
絵里「・・・」スチャッ
穂乃果「・・・少々お待ち下さい」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー道端ー
にこ「う゛ぅ・・・ぐっ・・・!!」
絵里「にこっ、にこっ!!」タタタッ
にこ「絵・・・里・・・」
絵里「大丈夫、薬を持ってきたわ」グイッ
絵里「さあ、飲んで」
にこ「・・・」ゴクン・・・
絵里「・・・」ギュッ
にこ「・・・」
絵里「・・・」・・・チラッ
穂乃果「・・・」
絵里「・・・」フイッ
絵里「・・・さあにこ、肩を貸すわ」
絵里「移動するわよ」グイッ
にこ「・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー音ノ木坂警察署 喫煙室ー
希「・・・ったく、えらい目に遭ったわ・・・」フゥー
希「なんでウチが花陽ちゃんとしっぽりせなあかんねん」
花陽「希さんて、意外と重いんですね」
希「・・・ないすばでーの美女やから、しゃあないやろ」
ガチャ
「失礼します、小泉さん、これを」
花陽「ありがとうございます」ペラッ
希「・・・」フゥー
花陽「・・・希さん」
希「ん?」
花陽「奴等、今度は薬局強盗ですよ、ほら」ペラッ
希「・・・」
希「・・・」クテン
花陽「追わないんですか・・・?」
希「・・・ちょっと休ませて・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー薬局ー
穂乃果「・・・」ニコニコ
希「・・・」
穂乃果「?」ニコニコ
希「・・・強盗入ったってのに、えらい機嫌ええやないか」
穂乃果「そうかなぁ?」
希「・・・賄賂でも貰ったんとちゃうか・・・」
穂乃果「そんな訳無いじゃん!」
ガチャ
希「おう、花陽ちゃん」
花陽「・・・目撃者の証言によると」
花陽「犯人達は薬を手に入れ、そのまま郊外へ向かったそうです」
希「ウチらはいつも後手やな・・・」
花陽「希さんがいつもサボるからでしょ」
希「・・・なぁ花陽ちゃん」
花陽「はい?」
希「ちゃんと親孝行、してる?」
花陽「・・・何ですか、いきなり」
希「・・・別に?ウチだったら、死に際はどうしよっかなーって事よ」スタスタ
花陽「ちょ、どこへ行くんですか?」
希「・・・ん、張り込みには、あんぱんと牛乳やろ?」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー車屋ー
にこ「あー・・・、ったく」
にこ「頭痛いわ」
絵里「薬、欲しかったら言ってね」
絵里「薬局に500万も置いて来たんだから」
にこ「・・・アホか」
https://youtu.be/bpOSxM0rNPM
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ブーン・・・
絵里「・・・」
にこ「・・・」
絵里「・・・お母さんとは、どれくらい会ってないの?」
にこ「・・・もう随分ね」
絵里「仲は?」
にこ「悪くは、なかったわよ」
絵里「・・・そ」
にこ「・・・」
ブーン・・・
絵里「・・・もしかして、緊張してる?」
にこ「・・・」
絵里「・・・」
にこ「・・・///」ペシペシペシ
絵里「ちょ、痛い痛い、運転中!」フフッ
ブーン・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーー
にこ「・・・Zzz」スゥ
絵里「・・・」
ブーン・・・
Crawlin' back to you・・・
にこ「・・・」
絵里「・・・ふふ」
ブーン・・・
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「・・・地元のディーラーからの情報によると、犯人の二人組はピンクのキャデラックを購入」
「後に西へ移動」
「二人組の一人、矢澤にこの実家に向かっていると見て間違いないでしょう」
希「・・・プレスリー気取りかな」モグッ
「母への贈り物ですか・・・」
希「・・・」
「て言うより、いつから気付いてたんです?相も変わらず勘ですか?」
「・・・そこだけは尊敬してます」
希「・・・」
「・・・聞いてます?」
希「・・・何で小粒のあんぱん5個入りにしちゃったのかなって」
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絵里「ポスト、あったわよ」
にこ「ん・・・よっこいせと」
ガコン
にこ「これで全部?」
絵里「うん」
にこ「・・・粋ね」
絵里「こういうお金は、パーっと使った方が良いのよ」
にこ「・・・染まってきたわね」
ブーン・・・
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「無線中に食べないで下さいって、いつも言ってるじゃないですか」
希「ごめんごめん」
「分かってくださいね」
「ていうか、そんなに食べて何で太らないんですか」
希「んー、花陽ちゃんと身体の作りが違うんとちゃう?」
「・・・私だってそんな太ってないですから」
「希さんはいつも茶化しますけど」
希「・・・」
ブーン・・・
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「こないだ測った時だって体重はーーー」
希「花陽ちゃん」
「はい?」
希「来たで」
「・・・応援を送ります、無茶はしないで下さい」
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ブーン・・・ キキッ
にこ「・・・」
バタン
絵里「・・・」
ザーッ・・・
にこ「・・・」
にこ「・・・」チラッ
絵里「・・・」コクン
にこ「・・・ふう」
ピンポーン
ガチャ
にこママ「はい、どちらさ・・・」
にこ「・・・ハーイ、ママ」
にこママ「・・・にこ?」
にこ「・・・うん」
ザーッ・・・
にこママ「・・・一体、今まで何してたの・・・?」
にこ「・・・」
にこママ「・・・ちょっと痩せたんじゃない?」サラ・・・
にこ「・・・」
にこママ「ちゃんとご飯、食べれてる?」
にこ「・・・」
にこママ「・・・」ハァ
ギュッ
にこ「・・・ママ、あれ見て」
にこママ「え・・・?」
絵里「・・・」
ガチャ・・・
ーピンク色のキャデラックー
にこママ「素敵ね・・・まるでエルヴィスみたい」
にこ「・・・」
にこママ「ママ、免許持ってないのに」グスッ
絵里「・・・」
にこママ「取りに行かなきゃね・・・」
にこママ「愛してるわ、にこ」
にこ「・・・」ギュッ・・・
ザーッ・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーー
希「・・・ジェイル・ロック」スチャッ
キキーッ・・・!!
にこママ「!?」
にこ「・・・」
絵里「・・・」
花陽「動くなッ!!警察です!!」
にこ「・・・っ!」スチャッ
花陽「一人は抑えました!」
絵里「・・・っ」ググッ
希「銃を下ろしな、矢澤にこ」
にこ「ママ!家の中に!!」
にこママ「何、何なの」
にこ「早くっ!!」
希「落ち着き、ゆっくりでええから」
絵里「言う事を聞いて、にこ!!」
にこ「絵里は黙ってて!!」
希「妙な真似しなければ撃たない」スチャッ
にこ「っ!!」スチャッ
絵里「にこっ!!」
にこ「・・・!」
絵里「もう、海は良いからっ!!」
にこ「・・・」
絵里「・・・もっと、自分の為に生きて」
絵里「私にはまだ、時間がある」
絵里「別の機会に行く事だってーーー」
にこ「・・・だったら私はいつ見に行けばいいのよッ!!」
ザーッ・・・
絵里「・・・にこ」
にこ「・・・っ」
希「・・・」スチャッ
花陽「・・・」
絵里「・・・」
にこ「・・・」フラッ
ドサッ
にこママ「にこ・・・?」
絵里「・・・っ!離してっ!!」グイッ!!
花陽「あっ・・・!」
タタタッ
絵里「にこっ!にこっ!!」
希「・・・ええ気味や」
絵里「・・・何ですって?」
希「・・・」
絵里「貴女に、何が分かるのよッ!!」
ザーッ・・・
絵里「この子は今、脳腫瘍でも必死で生きてるのよッ!」
絵里「早く救急車を呼びなさいっ!!」
絵里「死体を逮捕するつもり!?」
希「・・・」
花陽「・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ピーポー・・・
にこ「・・・」ガシャン
絵里「私も乗ります」
花陽「ちょっ、貴女も乗るんですか?」
絵里「・・・この子は私の親友よ」
絵里「病院も、医者も知ってる」
絵里「手出しは無用よ」
花陽「・・・」
希「・・・付き添ってやり」
花陽「・・・はい」スッ
にこママ「・・・」
絵里「・・・ごめんなさい」
にこママ「・・・良いの」
<マッテヨ ココロー バックダンサー・・・
希「・・・」
バタン!
ブーン・・・
絵里「・・・」
にこ「・・・」
花陽「・・・救急車の助手席は初めてです」
「そうなんですか?」
ブーン・・・
絵里「・・・にこ・・・」スッ
にこ「・・・」パチッ
にこは目を開けた
絵里「・・・!」バッ
花陽「痩せる為にはどうすればいいんですかね・・・?」
「まあ、不健康な生活を改めないと・・・」
にこ「・・・」ニヤッ
絵里「・・・」ハァ-・・・
ーーーーーーーーーーーーーーー
キキーッ!!
バタァン!!
ーーーーーーーーーーーーーーーー
にこ「・・・よっこいせと」ギュー
絵里「ごめんなさいね、刑事さんとお医者さん」
「」
花陽「・・・」ムググ
にこ「・・・さ、行きましょ」
絵里「・・・悪い人」
ブーン・・・
「まいど!」
にこ「キャンピングカーもイイわね」
絵里「流石に、救急車で移動はね・・・」
にこ「強盗しといて良かったわ」
絵里「・・・そんな言葉、人生で聞きたくなかった」
ブーン・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー高級チョコレート店ー
キキッ
にこ「・・・」シュボッ フゥー・・・
絵里「・・・わあ・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ガヤガヤ・・・
にこ「・・・」
絵里「・・・」ソワソワ
「いらっしゃいませ」
にこ「どうも、ここって買って食べるとか出来るの?」
客「金さえあればな」
にこ「そう、頼めるかしら」
「かしこまりました、こちらへどうぞ」
絵里「・・・」ワクワク
スタスタ・・・
ーVIPルームー
「・・・では、ありったけのチョコを」パンパン!
キィー・・・
ゾロゾロ・・・
絵里「・・・!」パァッ
にこ「わーお」
古今東西、ありとあらゆるチョコレート
絵里「こ、これは何事かしら」
にこ「何言ってんの、アンタの"やりたい事"でしょ?」
絵里「そ、そうね」ソワソワ
にこ「・・・ふふ」フゥー・・・
絵里「えと、2つくらいでも良いのかしら」
「持ち合わせが足りるのでしたら、全部でも」
絵里「おっほ」
にこ「・・・」ニヤニヤ
絵里「ひゃっほぅ!!」
にこ「この上に行けばいいの?」
「はい、こちらへどうぞ」
スタスタ・・・
凛「・・・」
真姫「・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー別室ー
海未「・・・何をニヤニヤしてるんですか」
凛「いやぁー、ね?」
真姫「ふふ・・・」
海未「ケースと車を取り戻せても、信頼はそう簡単に回復するものではありませんよ」
真姫「・・・その信頼を落とすきっかけになった二人組が、ここにいるとしても?」
凛「・・・」ニヤッ
海未「・・・ほう」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
絵里「あー・・・」
にこ「体中が甘ったるいわよ・・・何ぼけーっとしてんのよ」フフッ
絵里「そりゃボーッともするわよ・・・」
にこ「・・・吸う?」
絵里「ん・・・」
ジジッ・・・
絵里「フゥー・・・」
にこ「ふふ、染まり切ったわね」
絵里「もう、死んでもいいかも・・・」
チャキッ
真姫「そう、それは良かった」
凛「手間が省けそうにゃ」
絵里「・・・っ」
にこ「・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー地下ー
ドタドタ・・・
凛「ほら、こっちにゃ」ドン
真姫「アンタもよ」
絵里「・・・」
にこ「・・・」ハァ
海未「・・・よし、揃いましたね」
海未「では、お二人にお聞きしたい事があるのですが」
にこ「・・・」
絵里「・・・」
海未「貴女達が病院で拝借した車と、ケースの中身1000万円」
海未「あれは元々ウチの物でしてね」
海未「まあ、車は戻ってきましたが・・・」
海未「単刀直入に聞きます、残りの金はどうしましたか?」
にこ「あー・・・金って?」
絵里「・・・」
海未「・・・とぼけないで下さいね」
海未「もしお返し頂いた暁には、お二人を生きてお返ししますよ」
海未「これからの"長い人生"、無くしたくは無いでしょう?」フフッ
絵里「・・・プフッ」
にこ「フフフ・・・」
海未「・・・え?フフッ」
絵里「アッハハハ!」
にこ「いや失礼、アハハッ・・・」
凛「・・・ブフッ」
真姫「フフフフ・・・」
海未「アハハ・・・何がおかしいんですか」スッ
りんまき「」
絵里「・・・」
にこ「・・・」
海未「で、何の話でしたっけ?」
りんまき「金」
海未「そうです、それ」
絵里「お金ね、お世話になった人に郵便で送っちゃったわ」
にこ「・・・ん、そういう事」
真姫「・・・送った、ですって?」
凛「にゃー・・・」
海未「・・・そうですか、では殺しましょう」
スチャッ
絵里「・・・」
にこ「・・・殺れば?」
海未「は・・・?」
にこ「私達はどうせもう死ぬのよ、余計な同情はいらない」
にこ「さっさと殺してくれんなら儲けもんよ」
海未「・・・っ!では、貴女からですっ!!」チャキッ
絵里「・・・んー、私ももう死ぬし・・・ガンで」
海未「っ!?」
絵里「もう最終ステージだし・・・にこと同じ考えよ」
にこ「よ」
海未「黙りなさい!!」
凛「・・・」スチャッ
真姫「・・・」スチャッ
海未「なら、今殺します」チャキッ
絵里「・・・っ」ギュッ
にこ「・・・っ」ギュッ
海未「・・・」フルフル・・・
コツ・・・コツ・・・
海未「・・・!!」
凛「あっ・・・」
真姫「・・・銃、しまいなさい」スッ
凛「うん・・・」スッ
コツコツ・・・
ツバサ「・・・」
海未「・・・お疲れ様です、ボス」
ツバサ「・・・この二人は?」
海未「この二人が、我々の金と車を盗んだ張本人です」
ツバサ「・・・」
真姫「私達の不手際です、しかし今ケジメを付けようとしてまして」
凛「そうですにゃ」
ツバサ「・・・二人を」クイッ
海未「・・・行きなさい」
りんまき「「・・・」」
スタスタ・・・
ツバサ「・・・貴女達が犯人?」
にこ「・・・えぇ、まあ」
絵里「・・・そうです」
ツバサ「テレビを見たわ、二人とも凄い犯罪者ね」クスクス
海未「・・・」
ツバサ「・・・貴女達は、海が見たいんだっけ?」
にこ「・・・はい」
絵里「・・・」
ツバサ「・・・命は取らないわ、時間が無いんでしょ?」
海未「!?」
絵里「え」パァッ
にこ「・・・!」パァッ
ツバサ「・・・ほら、早く行きなさい」
絵里「は、はい!」
にこ「で、ではっ!」
ドタドタ・・・
海未「な、何故なのです!?」
ツバサ「・・・天国では、誰もが話題にするのよ、海の話を」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「夕暮れ時に、太陽が真っ赤に染まりながら、海に溶けていくの」
「鮮やかな光が、じんわり広がって」
「場末のBARで頼んだ、テキーラサンライズを混ぜた時の様に」
「深い海の色と、混ざりあって」
「そんな話をするのですか・・・?」
「天国では皆、そう話してるのよ・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ブーン・・・
キキッ・・・
絵里「・・・」
にこ「・・・」
ザザァ・・・
にこ「・・・ここが海ね」
絵里「・・・潮の香り、分かる?」
にこ「うん・・・」
絵里「・・・」ザッザッ
にこ「・・・絵里」
絵里「ん?」
にこ「・・・アンタに言ってない事がある」
絵里「・・・分かってるわ」
にこ「・・・!」
絵里「でも、私に言わせてね」
にこ「・・・」グスッ
絵里「貴女は、怖がらなくていいのよ」
にこ「・・・」コクッ
絵里「・・・」ニコッ
ザッザッ・・・
ザザーン・・・ザザーン・・・
絵里「・・・」
にこ「・・・」
絵里「・・・」グイッ
にこ「・・・」シュボッ フゥー・・・
絵里「・・・ん」チャポッ
にこ「・・・ありがと」グイッ
絵里「・・・」
にこ「よっと・・・」ストン
絵里「・・・」
にこ「・・・」フゥー・・・
https://youtu.be/_bWzyiU-S_w
ザザーン・・・ザザーン・・・
絵里「・・・」
にこ「・・・」フゥー・・・
にこ「・・・」ポロッ
絵里「・・・」
にこ「・・・」ドサッ
絵里「・・・」ストン
にこ「」
絵里「・・・」グイッ
ザザーン・・・ザザーン・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーー
亜里沙「もー、何ですか」
ことり「はい、壁に手をついて下さい!」
ガサゴソ
ことり「・・・」パッ
亜里沙「・・・」
ことり「このお金は?サンタさんから?」
亜里沙「サンタさん?違いますよ、今朝郵便受けに入ってたんです!」
ことり「・・・郵便受けに?」
亜里沙「"絵里&にこ"よりって!」
ことり「・・・貴女の言ってる事が本当で、これが郵便受けに入ってたのなら・・・」
亜里沙「・・・」
ことり「・・・"絵里&にこ"って、誰なんでしょうね?」
亜里沙「さあ?」
106 : 名無しで... - 2018/09/23(日) 21:59:33.68 XrZK2MBa 84/84終わりでーす
絵里「雨の日のコーヒー」
https://ayamevip.com/archives/57059559.html
穂乃果「第一次音ノ木坂抗争」
https://ayamevip.com/archives/57059562.html
絵里「青に」にこ「落ちていく」
https://ayamevip.com/archives/57062812.html
にこ「絵里って」希「映画の影響」ことり「受け過ぎだよね」
https://ayamevip.com/archives/57062820.html
絵里「ゲームセンターに行きましょう!」にこ「拒否」希「話を聞こう」
https://ayamevip.com/archives/57062822.html
前作ですが宜しければ