1 : 1 - 2014/10/08 23:16:53.28 foJxGmAf0 1/19

・アイマスSSです。
・すぐ終わります。

ではよろしくお願いします。

元スレ
貴音「貴方様、今宵も月が……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1412777803/

2 : 1 - 2014/10/08 23:18:25.31 foJxGmAf0 2/19


貴音「……………………赤ェ!!!」

貴音「えっ…………」

貴音「えっえっ…………」

貴音「月……、わっつろん……!?」

貴音「と、兎に角皆にもこの異常事態を報せねば……!!」

3 : 1 - 2014/10/08 23:19:17.12 foJxGmAf0 3/19


TV『現在、皆既月食をより良い場所で観ようと、多くの方々がこの山に~』

春香「皆既月食だって、凄いよね」

「自分、沖縄に居た頃は見たことなんて無かったなぁ……」

春香「え、でも皆既月食って年に何回もあるんだよ?」

「ええぇ、そうなの!?」

春香「もしかして、ずっと気付かなかった……、とか?」

「い、いや気付かなかったワケない! うん、見たことあるぞ!!」

春香「でも見たこと無かったって言ったよね?」

「うがっ……!! それは……、そのぅ……」

4 : 1 - 2014/10/08 23:19:56.76 foJxGmAf0 4/19


貴音「皆は居ますか!?」バァン

「貴音? どうかしたのか?」

貴音「月!! 月が赤いのです!!!」

春香「あぁ、それは皆既…………」

貴音「怪奇ぃ!? そ、そんな面妖な事が!?」

春香「そ、そうじゃなくて……、皆既げっしょ」

貴音「響!! 響はこの事態をご存知なのですか!?」

「えっ……、あの……、自分はぁ…………」

貴音「響!!!!」

「ひぃ知らないぃ!! 知らないです!!!」

5 : 1 - 2014/10/08 23:20:39.74 foJxGmAf0 5/19


貴音「響も知らない程、となると。 やはり突然起こった現象……」

春香「いやいやいやいや貴音さん待って」

貴音「……はっ!? そういえば春香、春香はなにやら知っている素振りでしたが……」

春香「勿論知ってますよ! あれはですね?」

貴音「………………!!!!」

春香「怪奇げ……、どうかしました?」

貴音「よもや……、春香が月を……!?」

春香「なんで!!!」

貴音「私も響も知らないことを、春香は知っていた。 という事から導き出される答えは……」

春香「…………ふっふっふ」

貴音「やはり!!!!!」

春香「あぁあぁぁ違うんですちょっとノってみようと思っただけで」

6 : 1 - 2014/10/08 23:21:35.13 foJxGmAf0 6/19


貴音「響!! ここに居ては危険です、早く逃げるのです!!!」

「え、ちょ」

春香「ま、待っ」

貴音「響、早く!!! 私はプロデューサーの元へ行って参ります!!!」

「たかっ」

ビュンッッ

春香「」ポツーン

7 : 1 - 2014/10/08 23:22:36.16 foJxGmAf0 7/19



P「………………んー?」

P「……うん」

P「………………あ゛ぁ腰痛ぇ」

P「……よし、取り合えずこっちは一段落っと」

貴音「貴方様貴方様!!!」バァン

P「やたら賑やかなんが来たな……」

貴音「貴方様、空が!! いやさ月が!!!」

P「んー、そういう時もある」

貴音「なんと響も知らなかったようで、やはり異常事態としか!!」

P「異常っちゃ異常だな」

貴音「実は春香が裏で手を引いていたようで」

P「マジか」

8 : 1 - 2014/10/08 23:23:18.59 foJxGmAf0 8/19


貴音「ですが今は春香よりも、月の問題を解決することが先決!!」

P「どうやって?」

貴音「むぅん…………」

P「むぅんて」

貴音「まずは貴方様、あの月を見てください」

P「んー」カタカタ

貴音「見ての通り赤く濁ってしまい、かつての煌びやかさは失われてしまいました」

P「んー」カタカタ

貴音「あれでは、月に住む兎も餅を搗くことが出来ないでしょう。 ……あぁ餅」

P「んー」カタカタ

貴音「貴方様? 見てますか?」

P「見てる見てる」カタカタ

9 : 1 - 2014/10/08 23:24:03.98 foJxGmAf0 9/19


貴音「ならば良いのです。 ……あの美しさを取り戻すためには、やはり祈りしか無いと」

P「んー」カタカタ

貴音「祈りが届けば、きっと月を覆う物も晴れるのではないかと」

P「んー」カタカタ

貴音「貴方様?」

P「んー」カタカタ

貴音「見ていられるのですよね?」

P「うん、見てる見てる」カタカタ

貴音「…………そうですか」

P「うん」カタカタ

10 : 1 - 2014/10/08 23:25:04.21 foJxGmAf0 10/19


貴音「それでですね、祈りをするにしても、その祈りを届けさせるにはといった部分が一番重要かと」

P「んー」カタカタ

貴音「そこで歌を届けようかと。 765プロの皆で歌うことで、月まで歌を届けさせるのです」

P「んー」カタカタ

貴音「…………貴方様」

P「見てる見てる」カタカタ

貴音「………………」

P「んー」カタカタ

貴音「………………………………」

P「んー」カタカタ

貴音「…………………………貴方さ、あな、お前ェ!!!!!」

P「」ビクゥ

11 : 1 - 2014/10/08 23:25:40.37 foJxGmAf0 11/19


貴音「見ていないでしょう聞いていないでしょう!!!!」

P「い、いやちゃんと」

貴音「では、思い出してください。 私は先程月に何をすれば良いと言いましたか?」

P「………………舞いだっけ?」

貴音「…………ッッ」ブチィ

P「すいません聞いてませんでした何のことだったんでしょうか!!!」

貴音「…………あの月のことです」

P「あの月……?」

貴音「百聞は一見に如かず、こちらに」

P「………………あぁ、そういえば今日か」

貴音「まさかっ、貴方様もご存知で!?」

12 : 1 - 2014/10/08 23:26:24.25 foJxGmAf0 12/19


P「あぁ、皆既月食だな」

貴音「怪奇……!! やはり……!!!」

P「お前何か勘違いしてないか……? 皆既月食、こんな字な。 それよりも月食の説明か。
 月食って言うのは、地球が太陽と月の間に入って影になることを言うんだ」

貴音「…………普通太陽と月の間に、地球はあるのでは……!?」

P「お前小学校の時習わなかった? そこの説明はまたするから今は待ってろ。
 まぁ、太陽と月の間に入れば、太陽の光が地球に当たって、影が出来るよな? その影が月に当たるんだ」

貴音「……そのせいで暗く見えると?」

P「まぁ、そんな感じ。 で、地球が太陽を殆ど全部隠しちゃうのが皆既月食って言うんだ。
 ちょっとしか影にならない奴は、逆に部分月食って言う」

貴音「………………つまり」

P「別に月はおかしくもなんともないし、明日になればいつも通りになってるよ。
 いや、確か月食ってめちゃくちゃ短いんだっけ? あと数時間もすれば元通りかもな」

13 : 1 - 2014/10/08 23:27:59.70 foJxGmAf0 13/19


貴音「……………………」

P「他に聞きたい事は?」

貴音「……一つだけ」

P「ん」

貴音「………………私の、取り越し苦労だった、と?」

P「……残念ながら、その通りで御座います」

貴音「…………ほーりーしっ!!!」

P「お前なんでそんな無理して英語使おうとすんの?」

14 : 1 - 2014/10/08 23:28:59.56 foJxGmAf0 14/19


貴音「……少々取り乱してしまいました、お恥ずかしい限り……」

P「そんな事ないさ、貴音のそういう所。 俺は好感が持てる」

貴音「早とちりすることがでしょうか……?」

P「そう卑屈になるな。 お前だけだよ、いつも通りの真っ白い月に戻ることを喜ぶのは」

貴音「…………というと?」

P「皆、毎日月を眺めたりしないくせに、こういう時だけ躍起になって見ようとする。
 月の色が変わっただけだぞ? そんなん月に行ってペンキ塗りたくれば済む話だろ。
 ……何の話だっけ、あぁそうだ。 何が言いたいかと言うと、こういう時だけ月を見る奴よりも、貴音みたいな奴の方が俺は好きだなって話」

貴音「………………」

P「……なんか柄にも無いことくっちゃべっちまったな。 忘れてくれ」

15 : 1 - 2014/10/08 23:29:30.39 foJxGmAf0 15/19


貴音「………………」

P「…………貴音?」

貴音「……貴方様。 月が綺麗ですね」

P「何だよそれ、さっきまで月がおかしいとかのたまってただろ?」

貴音「…………ふふっ、そうですね」

P「……、なんか隠してないか?」

貴音「ふふ、ふふふっ。 いいえ、何も? ただ月が綺麗だと申しただけの事です」

P「嘘つけ、やたら笑いやがって。 月が綺麗以外にも………………、あ。
 お、お前もしかして……」

貴音「ふふっ、とっぷしぃくれっとで御座います♪」

16 : 1 - 2014/10/08 23:30:08.58 foJxGmAf0 16/19


・ ・ ・ ・ ・


春香「貴音さん、帰ってこないね」

「プロデューサーが止めてくれてるから大丈夫だろ」

春香「うん、そうなんだけど…………」

「だけど? どうかしたの?」

春香「一つだけ気になる事があって。 貴音さんについてなんだけど」

「なになに?」

春香「貴音さんって、月をいっつも見てるよね? そりゃもう、気付いたらってくらい」

「ん~、そうだなぁ。 言い方悪いけど、暇さえあれば見てるってくらいだよね」

17 : 1 - 2014/10/08 23:30:55.36 foJxGmAf0 17/19


春香「うん、夜になるといっつも話しかけづらいんだよね。 邪魔しちゃうみたいで。 それでなんだけど……。
   なんで貴音さん、皆既月食の事知らなかったのかな?」

「そりゃ、自分みたいにたまたま知らなかったからとか……」

春香「響ちゃんと違って、ほぼ毎日のペースで月を見てるのに?」

「あ…………」

春香「さっき貴音さんが来る前に言ったように、月食って年に何回かあるくらいの頻度で起こってるの。
   だから、貴音さんが今日初めて見たっていうのは、絶対おかしいと思う」

「…………何が言いたいんだ?」

春香「もしかして…………」

「もしかして…………?」

18 : 1 - 2014/10/08 23:32:00.88 foJxGmAf0 18/19


春香「ここに来るまで貴音さんは月食の無い、地球とは別の所で月を見てたとか!!!」

「………………」

春香「……………………」

「…………………………ぷ」

春香「あっはははは!」

「あっははっはははは!!」

春香「はぁ、はぁ……」

「ははは…………」

春香「…………まっさかねぇ~」





おしまい

19 : 1 - 2014/10/08 23:34:10.75 foJxGmAf0 19/19

ここまで読んでいただき、どうも有難う御座いました。
なんとか皆既月食があった日の内に書けました。

書かなきゃ勿体無いと思って書き上げたんですが、かなり既出ネタっぽいですね。
ありがちな感じ、被ってたらごめんなさい。

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