永吉昴「次の撮影まで待機かー。結構時間あるな」
エミリー「あの、昴さん。この時間で漢字を教えてもらえますか? 聞きたいことがありまして」
昴「……ああ、前オファーの仕事でそんなこと言ってたな。オレがわかるか自信ないけど」
エミリー「ありがとうございます」
元スレ
永吉昴「るるるきゅーって所」
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1663598760/
エミリー「『スペードのQ』の歌詞の表記に、うんうんそうん」
昴「は? え? 何?」
エミリー「うんうんそうんきれんょれんとつ」
昴「ちょっと、待てって!」
昴「あの文字化けの所だろ? るるるきゅーるるるきゅーって歌ってる」
エミリー「はい。あ、この台本の裏に書きますね」
昴「は?」
繧「繧ソ繧キ縺ョ縺吶∋縺ヲ繧偵≠縺偵k繧薙□縺九i
エミリー「これでしゅ」
昴「なんで書けるんだよ……」
エミリー「大和撫子の嗜みでしゅ」
昴「……まぁいっか。でも、これの意味ってたしか『アタシの全てをあげるんだから』だったよな?」
エミリー「ふふっ。昴さん、おもしろいですね」
昴「何が?」
エミリー「文字数に対して、それは意訳しすぎではないですか?」
昴「意訳? どういうこと?」
エミリー「まるで新喜劇のようですよ。長い台詞を言った時に、一言で通訳するという洒落ですよね」
昴「いや……って、そんなことあるの?」
エミリー「はい。逆に一言の台詞を、長々と通訳するという洒落もある、と奈緒さんがおっしゃってました」
昴「へぇ……って、オレはそんなつもりじゃなくて」
双海亜美「話は聞かせて貰ったよ!」
昴「亜美……ゲームはもういいのか?」
亜美「今日のログインボーナスは貰ったからねぃ。そしたら、何かおもしろい話をしてるっぽいじゃん」
エミリー「どこから聞かれてましたか?」
亜美「なでしこがるるるきゅーるるるきゅーを漢字で読んでたとこから」
昴「ほぼ全部じゃん」
エミリー「亜美さんはわかるのですか?」
亜美「なでしこ、亜美が漢字のことがわかるとでも?」
エミリー「それは、えっと……」
昴「困らせるなって。じゃあ何でそんな元気に割り込んだんだよ」
亜美「亜美も気になってさ、前にしゃべったんだけど、この答えを知ってる人がいるんだよねぃ」
エミリー「え! どなたですか?」
北沢志保「ちょっと亜美。私は自分なりに解釈したって言っただけよ」
亜美「ほらね。しほりんがカイシャヲクビになったっぽいよ」
エミリー「えっと……志保さん、歌詞の意味、わかるのですか?」
志保「歌詞を貰った時に漢字の意味まで調べたのよ。それで、隠された意味を考えただけ」
エミリー「すごいでしゅ!」
昴「その漢字に意味はないと思うけどな……」
志保「この繧は、ぼかし模様。縺は、からまって解けなくなる。吶は、どもるって意味ね」
エミリー「はい」
志保「だから、『繧「繧ソ繧キ縺ョ縺吶』の部分は、ぼかして×3、からまって解けなくなって×2、言葉に詰まるってこと」
亜美「何だか怪しいふいんきっしょ」
志保「雰囲気よ。でも、怪しいというのはそうね」
エミリー「ちなみに、小さい文字はどうお考えですか?」
志保「それは話し言葉だから、語尾が伸びたり声にならない声を出したり、何かを引きずるイメージね」
昴「そこまで考えたのかよ……」
志保「次の『∋縺ヲ繧偵≠』だけど、数学の記号で含む、とか、でない、って言うのが入ってるの」
亜美「へぇ」
志保「偵は、探偵の偵で、うかがうって意味ね」
エミリー「これは知ってましゅ!」
志保「だから、からまって解けなくなるのをぼかして様子を伺っているわけではない、という意味を含んでるのよ」
亜美「なるほど?」
昴「わかってないよな」
志保「最後の『縺偵k繧薙□縺九i』なんだけど、薙が、よこにはらって切るという意味ね」
エミリー「薙刀で使いますよね」
亜美「へえ」
志保「だから、からまって解けなくなって様子を伺っている状態で、ぼかして横にはらって切ってからまって九つになる……」
亜美「……うん」
昴「結局、よくわからないよな」
志保「そうね。私もこれだけでは全然わからなかったの」
エミリー「そうなんですか?」
志保「でも、さっき昴さんが言っていた、文字化けする前の『アタシの全てをあげるんだから』がヒントになったのよ」
昴「へ?」
志保「テーマがヤンデレ……その過激派になると、最後の部分はきっとこう考えるんじゃないか、って」
昴「……嫌な予感」
志保「切ってからめた私の九つの部位……髪や血や肉を、この料理に入れたの。愛するあなたに食べて欲しい……」
亜美「ひぇっ!」
エミリー「ひっ、怖いでしゅ!」
昴「やっぱりな! クルリウタじゃないんだから!」
おわり