1 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 01:44:08.147 c++5Te280 1/20

コンコンッ

「入るよ」

ガチャッ

「どうしたんだこんな時間に」

「ねぇ兄貴、あの約束覚えてる……?」

「……ああ、>>4だろ?」

元スレ
妹「あの約束覚えてる?」兄「>>4だろ?」
http://mi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1651941848/

4 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 01:46:17.765 f/wE8tEh0 2/20



13 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 01:51:22.420 c++5Te280 3/20

「誰だろ……?」

「…………」

「来てもらって悪いんだけどごめん、思い出せなくて……」

「こんな時間に家にいるってことは妹……かな?」

「あ、うん、そうだよ」

そう、私のお兄ちゃんは記憶が欠落してしまう病を抱えているのだ
約束どころか私自身の事さえ忘れてしまうのもいつもの事だ

「ご、ごめんね……何でもないから!部屋に戻るね」

「>>16」

16 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 01:52:38.163 4r2xvIcJ0 4/20

俺誰?

20 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 01:55:42.440 c++5Te280 5/20

「俺誰?」

「えっ」

お兄ちゃんの病状は深刻なものだったが
自分の事さえ忘れてしまうのは初めてだ
このままでは話すことさえも叶わなくなる……
そんな不安が過ぎった私は先生に相談しに行く事にした

~翌日・病院~

医者「なるほど、ご自身のことさえも……」

「な、なんとか治すことは……せめて病気の進行を遅くすることは出来ませんか!?」ポロポロ

医者「……>>23ですね」

23 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 01:57:05.594 z3P71qDn0 6/20

眠い

29 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 01:59:36.365 c++5Te280 7/20

医者「ふあぁ……眠いですね」

「ち、ちょっと!先生!? 私は真面目に……」

医者「す、すみません……寝不足なもので」

「あ、改めて……兄の病気に何か出来ることはないんですか!?」

医者「>>33ですね」

33 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 02:00:39.050 4r2xvIcJ0 8/20

私も記憶喪失みたい

38 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 02:04:53.123 c++5Te280 9/20

医者「私も記憶喪失みたいですね……」

「えっ」

医者「あなたの事が思い出せないんです」

医者「文脈から察するに患者さんのご家族だとは思うのですが……」

何かがおかしい、こんなにも身近な人が記憶喪失になるなんて……
私は絶望しながら家に帰った

~家~

「これからどうすれば……」

「…………」

「あっ、お兄ちゃん……」

「これから晩御飯の準備をするね」

「>>40」

40 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 02:05:38.154 xassRk1ra 10/20

ありがとうお母さん

44 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 02:09:44.930 c++5Te280 11/20

「ありがとうお母さん」

「……うん」

母は既に亡くなっているが、訂正した所で何になると言うのだ
今の私に出来るのはただ混濁した兄の記憶を受け入れ
力のない笑顔を向ける事だけだ

~夕食後~

「ごちそうさまでした」

「お粗末様でした。ご飯どうだった?」

「>>47」

47 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 02:10:57.033 SPHaktXt0 12/20

オロロロロロロロロ

50 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 02:15:15.581 c++5Te280 13/20

「オロロロロロロロロ」

「……そっか、口に合わなかったか」

「当然だよね。お兄ちゃんの料理に毒を混ぜたんだから」

「はぁっ、はぁっ……」

「ごめんね、もう限界なんだ。お兄ちゃんを支えられないよもう」

「弱い妹でごめんなさい、私も後を追って逝くから、ちょっと待っててね……」ポロポロ

「>>54」

54 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 02:16:31.629 4r2xvIcJ0 14/20

なんで口の中がすっぱいんだ?

64 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 02:21:37.332 c++5Te280 15/20

「なんで口の中がすっぱいんだ?」

「吐いたからか、それとも毒がそういうものなのか……」

「でも、そんな事もうどうだっていいよ」

「うぐっ」バタッ

「……効果が出たみたい。せめて運んであげるね」

~兄の部屋~

「ベッドに寝かして……と」

「……ん?なんだろこの手紙。お兄ちゃんの字みたいだけど」

手紙の内容 >>68

68 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 02:23:45.100 b1X1tEIS0 16/20

高田健志って偉いよなぁ!?

89 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 02:30:49.905 c++5Te280 17/20

手紙:高田健志って偉いよなぁ!?

「…………」

何を期待していたのだろうか
お兄ちゃんは自分が死ぬなんて分からなかったはず
だから、私のために遺すものなどあるはず無いのに

しかし、わざわざ手紙を書くということは
お兄ちゃんにとってこの高田さんとやらは相当偉い人に違いない
私はこの手紙を花の代わりに亡き兄に手向けた

~リビング~

「……さて、私も逝くね」

パクッ

「……オロロロロロ」

(ああ、視界が霞む……お兄ちゃんもこんなに苦しかったんだ)

「…………」

「!?」

(こ、これは幻覚!? それとも走馬灯……!?)

「>>95」

95 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 02:32:16.613 tQI2sz/X0 18/20

びっくりするほどユートピア

127 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 02:46:34.410 c++5Te280 19/20

「びっくりするほどユートピア」

そう言うとお兄ちゃんは自らの尻を叩き出した

「最後に見る幻覚がこんな姿なん……!?」

すると私の体が透け始めた
お兄ちゃんの目には涙が溜まっていた

「俺が、成仏させてやるから……」ポロポロ

それを見て全てを思い出した
私はお母さんと一緒に買物の帰り道に事故で……
しかしその早すぎる死のせいで成仏出来ずにいたのだ

そして、霊であることから目を逸らし大好きなお兄ちゃんのそばに居たのだ
しかし成長するにつれて私の事を忘れると不安になり、それを病気扱いして
覚えているうちにお兄ちゃんもこちらの世界へ誘おうと……

「……そっか、全て分かってたんだね」

「約束、覚えてるよ」

「え……?」

「『どんな苦しみからも妹を助ける』」

「!!」

「生前は叶わなかったけど……」

「……うぅん、いいの」

「妹の事は一生忘れない。今までもこれからも」

「ずっと俺の心に生き続けてるから……」

「……だから、安心して逝ってくれ」

「うん」ニコ

サアアァァッ

「あり、がとう……」

139 : 以下、5... - 2022/05/08(日) 02:52:44.541 c++5Te280 20/20

医者「お名前は?」

「兄です」

医者「昨日の夕ご飯は?」

「カレーです」

医者「ふふっ、ご自身の事さえも分からなくなった時はどうなるかと思いましたが……」

医者「若年性アルツハイマーの進行も遅くなっているみたいですね」

医者「何かあったんですか?」

「……絶対に忘れちゃいけない事を思い出したんです」

医者「ふふふっ、それではこれからも力を合わせて頑張っていきましょうか」

「……はいっ!」



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