モーグリ「チョコボはいいよな! 鳥頭で何をしてもすぐに忘れるからいろいろと利用できる」
モーグリ「しかも肉はうまいし羽や爪は売れる! オスとメスを一緒に育てるだけで卵も産むし、その卵も高額と来たものだ!」
モーグリ「これで俺は大金持ちだ!」
子モーグリ「……」
元スレ
モーグリ「チョコボうめえwww」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330941343/
子モーグリ(お金のために利用するなんて、チョコボたちがかわいそうだ)
子モーグリ(でも、僕独りじゃ何もしてあげられない……)
子モーグリ(きっと今日も何羽ものチョコボが売り出されちゃうんだ……)
モーグリ「チョコボ最高だな!」
子モーグリ「……うん……」
子モーグリ「……ハァ、お父さん、お金のことばかりで全くチョコボの小屋の掃除をしない……」
子モーグリ(せめて、そのくらいはしてあげてもいいのに……)
子モーグリ「あれ、牧草に何か埋まって……あ!」
子モーグリ「チョコボの卵だ……なんでこんなところに……?」
子モーグリ「……!? ひ、ヒビが……う、生まれる!?」
子チョコボ「……キュピ!」
子モーグリ「うわっ!?」
子チョコボ「……? おとーさん?」
子モーグリ「え?」
子チョコボ「キュピ! はじめまして、おとーさん!」
8 : 以下、名... - 2012/03/05(月) 19:06:54.88 Xuq6zqPk0 4/34何かいてるんだろ、俺……
9 : 以下、名... - 2012/03/05(月) 19:09:57.41 hSX9Ro8y0 5/34>>8
大丈夫だ続けろ
モーグリ「子モーグリ、掃除はすんだか?」
子モーグリ「……! まずい、お父さんだ! いいかい、絶対にしゃべっちゃダメだぞ、すぐに戻ってくるからここから出てもダメだ! わかった?」
子チョコボ「キュピ!」
子モーグリ「も、もうすぐ終わるよ!」
モーグリ「それじゃあ、掃除が終わったらチョコボ肉でも食べに行こうか!」
子モーグリ「……」
子モーグリ「おまたせ。ごめんね遅くなっちゃって」
子チョコボ「キュピ!」
子モーグリ「よしよし、おいしいかい?」
子チョコボ「おいしい! おとーさん、ありがとう!」
子モーグリ「……」
子モーグリ(きっとこの子の本当の親はもう売りに出されちゃったんだろうな……この子だけは、なんとしても僕が……)
子チョコボ「おとーさん、あそぼう!」
子モーグリ「そうだね、牧場の外へ行けばお父さんの目にも留まらないはず……こっそり行くよ?」
子チョコボ「キュピ!」
子モーグリ「いいかい、これを取ってくるんだ! いけっ!」
子チョコボ「キュピ!」
子モーグリ(うわっ! 早い!)
子チョコボ「取ったよ!」
子モーグリ「よしよし、えらいぞ!」
子モーグリ(お父さんは表でしかチョコボたちを見ていない……この調子なら子チョコボが見つかることはないはず……)
子チョコボ「気持ちいいキュピ!」
子モーグリ「ふふ、ブラシが気に入ったかい?」
子チョコボ「キュピ!」
子モーグリ(ある程度育ったら森へ返してあげよう。この子には生き延びてほしい……)
モーグリ「うーん、おかしいな……」
子モーグリ「どうしたの?」
モーグリ「1ヶ月くらい前から食費がやけにかかってるんだよ。まるで子供のチョコボが1羽多くいるみたいな……」
子モーグリ「そ、そうなの? 大人のチョコボがいっぱい食べ過ぎてるだけじゃない?」
モーグリ「いや、念のため、明日小屋を整理してみるか。もしかすると売り物が増えるかもしれないからな」
子モーグリ「……」
子モーグリ(このままじゃあの子が見つかっちゃう……なんとしても、今夜中に何とかしなくちゃ……)
子モーグリ(……でも、どうすれば……)
子モーグリ(……お父さん、ごめんなさい)
子チョコボ「キュピ? おとーさん、どうしたの?」
子モーグリ「今から旅に出るよ。お父さんの手の届かなくなる場所までね」
子モーグリ(夜の森はやっぱり怖いなぁ……)
子チョコボ「キュピ?」
子モーグリ「大丈夫だよ。さ、進もう」
子チョコボ「キュピ!」
子モーグリ(ためてたお小遣い、全部持ってきたけど、なくなるのも時間の問題だ……お金を稼ぐ方法を考えなくちゃ……)
プリン「ばぁ!」
子モーグリ「!!?」
子モーグリ(も、モンスターだ!?)
子モーグリ「うわあ!」ばこっ!
プリン「ぎゃあ!?」
子チョコボ「キュピ!」げしっ
プリン「ぐぅ!」ぽんっ
子モーグリ「た、倒せた?」
子モーグリ「……何だか、罪悪感が……でも、倒さないと殺されちゃうし……」
子モーグリ「……平和な場所を探したい……」
子モーグリ「だいぶ長い間歩いたけど、このまま旅を続けるわけには行かないし……」
子チョコボ「キュピ! おいしい!」
子モーグリ「え……?」
???「あ……」
子モーグリ「! だ、ダメだよ子チョコボ! これはこの人のだから! す、すいません!」
???「ううん、いいよ。でもね、人のものを勝手に食べちゃダメだよ」
子チョコボ「キュピ?」
子モーグリ「本当にごめんなさい……あ、あの、弁償をするので……」
???「いいよ、そこまで食べたかったものじゃないから……ところで君達は旅をしてるの?」
子モーグリ「は、はい……」
シロマ「そうなんだ。私はシロマ。私も旅をしてる途中なんだ」
子モーグリ「僕は子モーグリ、こっちは子チョコボっていいます。シロマさんも旅をしてるんですか?」
シロマ「うん。旅をするのがすきだし、いろいろなものが見れるからね」
子モーグリ「あ、あの、こんなことを聞くのは失礼ですけど……お金ってどうしてるんですか?」
シロマ「お金? えっと、ダンジョンに入ってアイテムを探して、それを売ってるの」
子モーグリ「……ダンジョンかぁ……僕らは弱いから無理だよ……」
シロマ「……君達はなんで旅をしてるの? 聞かせてもらってもいい?」
子モーグリ「……実は……」
シロマ「……そっか。この子を守るために……」
子モーグリ「せめて、僕が強ければ……」
シロマ「……もしよかったら私と一緒に来る?」
子モーグリ「! ほ、本当ですか!? で、でも、僕達、何も出来ませんし……」
シロマ「大丈夫、君達もすぐに強くなれるよ。守りたいと思う気持ちは一番の武器であり、盾でもあるから」
子モーグリ(この人、14歳……?)
子チョコボ「キュピ!」
子モーグリ「えいっ!」
シロマ「そうそう、その調子だよ!」
子モーグリ「た、戦えているんでしょうか?」
シロマ「うん、思ったよりも十分強いし、自信を持ったほうがいいよ」
子モーグリ「あ、ありがとうございます!」
シロマ「あ、あんなところにアイテム発見!」
子モーグリ(ちゃ、ちゃっかりしてるなぁ……)
子モーグリ「短い間でしたが、ありがとうございました」
子チョコボ「キュピ!」
シロマ「ううん、君達もだいぶ強くなったみたいだし、ダンジョンにも入れると思うよ」
シロマ「じゃあ、またいつかどこかでね」
子モーグリ「ありがとうございました。さようなら」
子チョコボ「きゅぴ!」
子チョコボ「アイテムいっぱい!」
子モーグリ「これだけあれば次の町でゆっくりしていけそうだね」
子チョコボ「キュピ!」
子モーグリ「……ん……なんだろう、こんな遅くに物音……?」
シーフ「気づかれたか」しゅんっ
子モーグリ「!!? あ、アイテムがない!?」
子モーグリ「……ど、どうしよう、このままじゃ一文無しだよ……」
子モーグリ「……はぁ……なんてついていないんだろう」
子チョコボ「キュピ?」
子モーグリ(でも、残ってるお金でこの子のご飯だけは買えた……よかった……)
子チョコボ「キュピ! おとーさん、食べないの?」
子モーグリ「う、うん、食欲がないんだ……」
子モーグリ「……うぅ、おなかがすいた……」
子チョコボ「キュピ! おとーさん、半分あげる」
子モーグリ「……え? いいの?」
子チョコボ「キュピ!」
子モーグリ「……ありがとう……」
子モーグリ「でも、大丈夫。全部食べていいんだよ」
子チョコボ「キュピ……」
子モーグリ(自分で決めたんだ。絶対にこの子に負担はかけないぞ)
子モーグリ「……うぅ……」
子チョコボ「……」
子モーグリ(おなかがすいた、次の町はまだなのかな……)
子チョコボ「きゅぴぃ……」
子モーグリ(……いつか食べた、チョコボの肉、おいしかったな……あっ!)
子モーグリ(ぼ、僕は何てことを……)
子チョコボ「……キュピ?」
子モーグリ「な、なんでもないよ」
子モーグリ「……もうだめ……歩けない……」
子チョコボ「きゅぴぃ……」
子モーグリ(もう、僕……しんじゃうのかな……?)
子チョコボ「おとーさん……?」
子モーグリ「……子チョコボ、いい? このままずっとまっすぐ行けば町がある。町で優しい人を探すんだ。その人と一緒に暮らしていくんだ……そうすれば……」
子チョコボ「おとーさんとお別れいや!」
子モーグリ「……子チョコボ……」
ずーん……ずーん……
子モーグリ(何の音だろう……モンスターかもしれない)
子チョコボ「きゅぴ!」
子モーグリ「子チョコボ、早く、行って……」
子チョコボ「やだ!」
ずーん! ずーん!
子モーグリ(……あぁ、もうだめだ……)
デブチョコボ「ん。君達こんなところで何してるの?」
子モーグリ「……え、もんすたーじゃ、な……い……?」がくん
子チョコボ「おとーさん!?」
デブチョコボ「……」
子モーグリ「がつがつっ!」
子チョコボ「ぱくぱく!」
デブチョコボ「よほどおなかがすいてたんだね」
子モーグリ「あ、の……ごくんっ、ありがとうございます」
デブチョコボ「いいよいいよ。困ったときはお互い様さ」
子モーグリ「……あの、デブチョコボさん、デブチョコボさんってどうして旅を……?」
デブチョコボ「それは、世の中にはおいしいものがいっぱいあるからさ! ぼくの目的はこの世界のおいしいものをすべて食べつくすことだからね」
子モーグリ「そ、そうなんですか……」
子モーグリ「あの、もうひとつ聞きたいんですけど、デブチョコボさんって……どこから来たんですか?」
デブチョコボ「ぼく? ぼくはこの山の向こうにあるチョコボの村からだよ」
子モーグリ「! そんな場所が!?」
デブチョコボ「まぁ、チョコボ族なら誰も拒むことはないけど、君はモーグリ族だからね……」
子モーグリ「……その場所なら、きっとこの子も……」
子チョコボ「キュピ?」
子モーグリ「うぅ、見た目より険しい山だなぁ……」
子チョコボ「おとーさん、がんばって!」
子モーグリ「うん、もう少しだからね」
子チョコボ「きゅぴ!」
子モーグリ(ぼくは、この旅が終わったらどうしよう……僕は……)
子モーグリ「ここがチョコボの村?」
子チョコボ「キュピ! 僕と同じ人がいっぱい!」
チョコボ「む、ここから先は立ち入り禁止だ」
子モーグリ「あの、僕はいいんです! ただ、この子だけでも……」
チョコボ「……? どういうことだ?」
子モーグリ「……実は……」
チョコボ「事情はわかった。この子はこの村で預かろう。だが、君はどうするつもりだ?」
子モーグリ「……」
チョコボ「……そうか」
子チョコボ「?」
子モーグリ「あ、いけない。忘れ物しちゃった。子チョコボ、先に行って待っててくれないかな?」
子チョコボ「キュピ!」
子モーグリ「……」
チョコボ「……本当にそれでいいのかい?」
子モーグリ「……はい……」
子モーグリ「これで一人かぁ……」
子モーグリ「……何だか、あっという間だったなぁ……」
子チョコボ「キュピ! おとーさん!」
子モーグリ「!!?」
子チョコボ「遅いから来ちゃった、キュピ!」
子モーグリ「……」
子モーグリ「……あーあ、せっかく邪魔な奴を追い払えたと思ったのに」
子チョコボ「キュピ!!?」
子モーグリ「お前なんて、金食い虫なだけだ! レアアイテム探しにも役に立たないし……お前なんてずっとあの村で暮らしていればいいんだよ!」
子チョコボ「……きゅぴ……おとーさん……」
子モーグリ「それにお前は僕の子供じゃない! おとーさんなんてなれなれしく呼ぶな!」
子チョコボ「きゅぴ……」
子モーグリ「わかったらさっさともどれ! いいな!」
子チョコボ「……きゅ……」
子モーグリ(……これでいいんだ……僕と一緒にいたら、あの子はしあわせになれない……)
モンスター「ばぁ!」
子モーグリ「……うわっ!?」
子モーグリ(知らないうちにモンスターに囲まれて……)
子モーグリ「……いままで、チョコボたちが殺されるのを見過ごしてきた報いかな……?」
子チョコボ「キュピー!」どかっ!
子モーグリ「!? 子チョコボ!?」
子チョコボ「おとーさんじゃなくてもいい! 子モーグリ、守る!」
子モーグリ「……子チョコボ……そ、そうだ! シロマさんから貰ったあのカードを使えば……!」
子チョコボ「キュピ?」
子モーグリ「どこに跳ぶ川からないけど……テレポカード!」
子モーグリ「……どこだろう、ここ……」
子チョコボ「……キュピ?」
子モーグリ「……でも、助かったんだ……」
子モーグリ「……子チョコボ、本当に僕と一緒に来てよかったの?」
子チョコボ「キュピ! 僕、子モーグリ大好き!」
子モーグリ「……じゃあ、もう少し、一緒に旅を続けようか」
子チョコボ「キュピ!!!」
子モーグリ「今度は、親子としてじゃない。友達として……もう一度はじめから……」
子モーグリ「さ、出発しよう。子チョコボ」
子チョコボ「キュピー!」
おしまい
61 : 以下、名... - 2012/03/05(月) 21:06:52.85 Xuq6zqPk0 34/34何かいてたんだ、俺