あやめ速報-SSまとめ-

数分後

ｶﾞﾁｬ

「お、お疲れ様でーす！」

モバP「おっ、お疲れ様、あかり」

あかり「あ、プロデューサーさん！」

あきら「……」

あきら（うわ、見た目なんか正統派アイドルっぽい。765の天海春香とか、ウチの島村卯月とか、その系統じゃん）

あきら（なんつーか、キラキラしてる系？　……うわ、距離感謎い）

あかり「お疲れ様ですんご！」

モバP「おう、今日も元気だなハハハ」

あきら「！」

あきら（まさか、J？　いや、そんなわけないか）

あかり「えへへ。辻野あかり今日も頑張るんご♪」

モバP「うん、それはちょっと島村さんに怒られるからやめような？」

あかり「ん？　あれ、この人は……？」

あきら「…ぁ」

あきら（ヤバイヤバイ、きたきた、急にきた、話しかけられた）

あかり「見かけない顔んご、ですね」

モバP「あぁ、紹介するぞ、この子はお前と同じ新人アイドルの砂塚あきらだ」

あきら「……ど、どーもデス」ﾍﾟｺﾘ

あかり「え？　もしかして新人さん！？　同期んご！？」ｸﾞｲ

あきら（うわ、グイグイ来るなこの子、ちょっと近い近い）

あかり「うわー初めまして！　私、辻野あかりって言います！　山形生まれの15歳です！　今日から宜しくんご♪」

あきら「ぁ、ぇ、わ、私は砂塚あきら、デス。ま、まあ宜しく……」

あかり「わ～、やった～！！　周りは先輩だらけで少し心細かったんだ～！」ｳﾃﾞﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

あきら「うわ、ちょ、まっ」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

あきら（きゅ、急に手掴むってパーソナルスペース狭すぎなんデスけど！？）

あかり「えへへ～、あきらちゃん、ですね、一緒にアイドル頑張ろうね！」ｷﾗｰﾝ

あきら「ぅっ……！　ま、眩しい……///」

モバP「ハハハ、いいねー早速仲良くなって」

あきら（いや、最初っから飛ばしすぎでしょ、この子。　でも、笑顔とかホントアイドルみたい）

あきら（うわ、どうしよう、私やっていけるのかな。　容姿は……まあ、何とかなるかもだけど、性格はどうしようもないし）

あきら（……ま、いっか。　とりあえず飽きるまでだし。　辞めたいときに辞めるでいいでしょ）

数日後

あきら「ふーん」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

あきら（この事務所のアイドル、城ヶ崎姉妹とか、大槻唯とか、早坂美玲とかいるんだ）

あきら（この人たちのコーデ参考なるし、話してみたいな）

ﾄﾞｱｶﾞﾁｬ

あかり「あきらちゃーん！」

あきら「！」ﾋﾞｸｯ

あかり「こんにちはんご！　あっ業界的にはおはようございますんごかな？」

あきら「お、おはよう辻野サン。　今日もお元気デスね」

あかり「あ、また辻野さんって！　あかりでいいのに」

あきら「いや、まだ会って数日そこらだし、日も浅いし、距離感適度にだし、ハズいし」

あかり「そんなありすちゃんみたいなこと私は言わないんご！」

あきら「まあ、名前呼びは追々ね、辻野サン」

あかり「んもー！　あきらちゃんひといんご！」

あきら「♯ところで♯何か用事ある？」

あかり「あ、、出た、♯！　♯って何？」

あきら「気にしないで、どうぞ」

あかり「今日やっと私達の宣材写真撮るみたい！　念願のデビューまで近づいたってことんごよ！」

あきら「あ、そーなんだ。　プロデューサーサン、事務所には来いって言ってたけど、何やるかまでは聞いてなかった」

あかり「えへへ～、これであかりんごのアイドル人生のスタートラインにもう少しで立てるんごよ！　嬉しいなあ」

あきら「……そっか」

あきら（この子はアイドルになりたくて東京まで来たのかな？　私と違う……？）

あきら（アイドルって、楽しいのかな）

あきら「♯そういえば♯あかりんご♯とは」

あかり「♯アイドルっぽい名前♯考えました」

あきら「いや、そこは普通に答えて、どうぞ」

スタジオ

ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ

あかり「え、えへへ」

「うーん、ちょっと表情固いかなああかりちゃん。リラックスリラックス」

あかり「わ、へ、あはは」

「今、アイドルがしちゃいけない顔してるよー」

あきら（あの子、緊張してる？　そうは見えなかったけど）

あかり「ピ、ピース！」ﾀﾞﾌﾞﾋﾟ

「それは島村さんに怒られちゃうからやめてね」

あきら（グッダグダじゃん。　ウケる）

「ハーイ、お疲れ様でしたー、ちょつも休憩入りまーす」


あかり「うぅ、やっと終わったー……んご」

あきら「お疲れ様、辻野サン」

あかり「あ、あきらちゃん……」

あきら「どうしたの？　スタジオ入る前の元気ないじゃん」

あかり「え、えへへ……実はね、私人前に立つの苦手で……」

あきら「何それ、アイドルってそれこそ人前立って目立つお仕事じゃん」

あかり「だって、プロデューサーさんに、『君なら、トップアイドルも夢じゃないぞ！』って言われてスカウトされたし……。　父ちゃんもお母ちゃんも『アイドルやれー』って、言われたし……」

あきら「……それ、プロデューサーサンから自分にも言われたし」

あかり「うぇっ！？　そ、そーなの！？」

あきら「あのプロデューサーサン、見境ないんデスネ……」

あかり「うぅ、で、でも、私でも、頑張ればアイドルになれるかなあって、キラキラしてるところ立てるかなあって」

あきら「……」

「それじゃあ、撮影再開しまーす！」

あきら「あ、自分か」

あかり「あ、あきらちゃん、大丈夫んご？」

あきら「……まー、適当にやって、ダメならそれでいいんじゃないんデスか？」

あかり「えー！　それは駄目じゃないかなあ……？」

あきら「……ジョーダン。頑張ってみマスよ」

あかり「え……」

あきら（……上等じゃん、アイドル。SNSじゃないけど、映えればいいんでしょ）

あきら（こんなん、余裕だし……！）

モバP「……ﾌﾟｯ、それがこの写真、と……ﾑﾌｫｯ！」

あきら「わ、笑うな！///」

あかり「わーっ、あきらちゃん、めんごいなあー！」

モバP「うわ、この写真、効果音つけてえー！　キャルーンってつけてえー！　」ｹﾞﾗｹﾞﾗ

あきら「～～ッッ！　もう、アイドル辞める！」

モバP「あきらちゃん、それは本田さんのだからやめようね」

あきら（私、あんな顔してたのか……、ヤバイ、激ハズで草も生えない）

あかり「でもでも、あきらちゃん、すごくかわいいんご！」

あきら「ありがと、辻野サン」

モバP「まあ、実際にはあきらはクールで売り出すつもりだから、このやさぐれた感じの写真で宣材使わさせてもらうぞ」

あきら「……そりゃドーモ」

あきら（うぅ……慣れないことするもんじゃないな）

あかり「でも、あきらちゃん、すっごいなあー」

あきら「……何が？」

あかり「だって、カメラマンさんがカメラ向けるたびに、色んな表情で撮影してたし！　それにすごく自然体だったし！」

あきら「ま、まー写真は撮り慣れてるというか……SNS上げてるし自撮り」

あかり「えすえぬえす？」

あきら「……は？」

モバP「あー、あかりはあまり流行に敏感ではなくてな？　あきらとは正反対だな」

あきら「ナルホド。　大体理解した」

あかり「えぇー、えすえぬえすって何んご？あきらちゃん？」

あきら「後で教えるよ、自分、ネットには強いから」

あかり「わぁー！　すごいんご、あきらちゃん♪」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

あきら「……これって馬鹿にされてない？」

モバP「あかりはそんなことしない、多分」

あかり「ねーねー、あきらちゃん、教えてーんご」ﾕｻﾕｻ

あきら「わ、わかったから揺らさないで」

あかり「えへへー、ご享受お願いします！　あきらせんせぇ！」ギュッ

あきら「っ……///　だ、だから近いってこのリンゴは……っ///」

　

ｷｬｯｷｬｳﾌﾌ



モバP「うーん、尊い」

ちひろ「プロデューサーさーん、仕事しないとジュエル回収しますよー」

モバP「ﾋｪｯ」




おわり