P「ふぃー…。今日は事務所が正月休みなのに来ちゃう俺…」
P「独り身だから沁みるなぁ…」
ーーーーー
事務所
P「折角来たし、書類整理でもしてくかな」
P「~~~♪」
P「って、これは…」
P「美希が来た頃の資料か」
ペラリ
P「(結局、去年はAランクで終わっちゃったな)」
P「(俺は美希のポテンシャルを引き出せたのか…?)」
P「(ホントに俺に…)」
P「って、辛気くさいな俺」
P「(キラキラしたい、か…。担当としてはやはりSランクになって貰いたい)」
グギュルルルル
P「そういやまだ朝飯すら食ってないや…」
ーーーーーー
コンビニ
P「手持ちは587円…。引き出すの忘れてた」
美希「あれ!ハニー!」
P「のわっ!?」
美希「ハニー!あけおめなの!」
P「あけおめ、美希。何か買い物か?」
美希「別にそういうワケじゃないの。何となくふら~っと来ちゃったカンジ?」
美希「そういうハニーはどうしたの?」
P「朝昼ご飯を買いに来た。事務所で書類整理してたんだ」
P「(独り身の淋しさを紛らわすため!なんて言えないよなぁ)」
美希「事務所開いてるの!?」
P「うん。来るか?暖房弱いけどな」
美希「行きたいの!」
P「俺の飯を買ってからな」
ーーーーーー
美希「ハニーはお腹が空いてるんだよね?」
P「え、あ、うん…」
美希「じゃあどうしてハニーはうまい棒しか持ってないの?」
P「(い、痛いところを…!)」
P「(しかしプロデューサーの威厳的に、ポケットの小銭しか無いのはダサすぎる…!)」
ATM「<アンチャン、カネ、ヒキダセルヨ>」
P「(貴様は…ATM!?)」
ATM「<ノグチダロウガ、イチヨウダロウガ、ナンナラ、ユキチデモ、ダスゼ>」
P「(しかし、時間外手数料が…っ!)」
ATM「<オンナノコノマエデ、ハジサラスノカ?>」
P「(ぐっ…!クソ、足元見やがって!)」
ATM「<マイドアリ!525エン、イタダイタゼ!>」
P「…美希。お金下ろして来る」
美希「えっ!じゃあミキもおにぎり食べたいな!」
P「」
美希「だめ…かな?」
P「(上目遣いの美希…可愛過ぎるッ…!)」
P「(さようなら諭吉…君は美希の笑顔になるんだよ…)」
美希「ハニー…」ウルウル
P「…二個までだぞ」
美希「やったー!ハニー大好きなの!」
P「ハハハ」
ーーーーーー
事務所
P「おー寒い寒い。ちょっとは事務所があったかくて助かった」
美希「二人きりなの」
P「今更遅いぞー…!」ワキワキ
美希「ハニーが野獣になったの!…でも、いいの。ミキ、全部ハニーに…」
P「冗談だ」
美希「聞こえないのー」
P「アイドルに手は出しません」
美希「でもハニーのおにぎりがあるから寂しくないの!」
P「食われんのは俺…?」
美希「のワの」
P「春香みたいなごまかし方だな」
ーーーーーー
P「さってと。そろそろ帰りますかなー…」
美希「あふぅ…。ハニー、かえるの…?」
P「うん。あんまり長居すると光熱費が、な…」
美希「や!もう少しハニーと一緒がいいの!」
P「うーむ…。しかしなぁ。…そうだ!」
P「初詣に行こうか」
美希「でも今日は3日なの」
P「俺はまだ行ってないからいーの」
P「じゃあ俺はこれで!」
美希「み、ミキも行くのっ!」
P「じゃあ軽く掃除してくか。…嫌そうな顔しない」
美希「しかたないの…」
ーーーーーー
P「着いたぞ。小さな神社だが、まぁいいだろ」
美希「ここにはなんの神様が奉られてるの?」
P「スサノオノミコトという戦の神だ」
美希「…」
P「…今年こそは、って思ってさ」
P「まあ…そんなに都合よく神様は助けてくれないけど」
P「俺は美希を必ずSランクにしてやるから」
P「取りあえず、願くらいは掛けとこうかと…」
美希「…ぷふっ」
美希「あははっ…」
P「何だよ!こっちはまじめに…」
美希「プロデューサー。今年もよろしくお願いします、なの」
P「!」
美希「ミキ、ハ…プロデューサーの期待に応えられるよう、頑張ります、なの」
美希「…びっくりした?」
P「…結構、な」
美希「じゃあ早速、お参りに行くの!ハニー、早く!」
P「あ、待て美希!走ると転けるぞ!」
美希「転けるのは春香だけなのー!」
ーーーーーー
社務所
P「げっ、凶か…よりによって」
美希「ハニー見て!大吉なの!」
P「相殺して小吉、ってとこかな」
P「(…努力次第では大きな躍進、か)」
美希「ハニーに運は分けられないの」
P「え!?じゃあ俺は凶な一年かよ!」
美希「ハニーから運気をさらにいただいて、ミキは超大吉になるの!」
P「俺は大凶か…」
美希「超大凶なの」
P「Oh…」
ーーーーーー
P「ついでにお守りも買ってくか」
美希「ハニー!これ欲しいの!」
P「どれどれ…って、学業成就…」
美希「ミキ間違えてる?」
P「芸能とは学問なのか。それが問題だな」
美希「じゃあこれがいいな!」
P「必勝祈願か。まぁIUは戦だから、アリだな」
P「じゃあこれを…二つ」
巫女「500円です」
P「あっ、あと健康祈願を…1、2、3…15個下さい」
巫女「ええっ…っと、4250円になります」
P「」
ーーーーーー
翌日
春香「あ、プロデューサー!おはようございます!」
P「おはよう。あ、これ。もっとけ」
春香「お守り、ですか?」
P「ちょいと色々あってな。お土産だ」
春香「あ、ありがとうございますっ!」
P「どういたしまして」
P「(さて、他のみんなにも渡そうかな)」
P「(効果あれば良いなぁ)」
ーーーーーー
361日後 紅白
P「よっしゃ美希!バッチリ決めてこい!」
美希「はいなの!」
律子「プロデューサー殿、凄いですね、美希は」
P「そらな。ちゃんと自分で掴んだんだ。美希は本当に凄い」
律子「…ええ」
律子「(でも、本当は貴方の力も半分なのにね)」
律子「(ま、そんな話は野暮ってことかしら)」
美希『今日は来てくれて、ありがとう、なのー!』
P「(美希は自らSランクの称号を掴み取った)」
P「(本当に勝ち取れるとはな)」
P「(もうすぐ年開けか)」
P「(今年もまた、美希と二人であの神社に行こう)」
美希『~~~♪』
P「(今度はお礼に、だけどな)」
おわり