長門「面子は揃っているのか?」
龍驤「陸軍から最近来た娘が打てるらしいから誘っといたわ!あと一人はまぁすぐに見つかるやろ」
長門「提督のやつが皆に広めていたらしいからな、私の方でも探して……」
雪風「みなさん!麻雀やるんですか!」
龍驤「お、おうせやけど小童麻雀わかるんか?」
雪風「はい!しれぇにさっき教えてもらいました!」
龍驤「ほなやってみよか!(なんちゅうやっちゃ、鴨がネギ背負ってノコノコきやったで……!)」
長門「い、いいのか?初心者と言えどチョンボしたらしっかりバップ払いしてもらうが」
雪風「はい!雪風は大丈夫です!」
元スレ
龍驤「久しぶりにうちと麻雀やろうや!」長門「良いだろう」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1456924703/
あきつ丸「……なるほど、海軍の田舎者はろくに打てる面子も揃えられないと、そういうことでありますか」
龍驤「そんなん言わずになぁ!今日は楽しく打とうや!ほいだら長門、今日のレートはどうするん?」
長門「やはり雪風は初心者な事もあるし、陽炎に聞いたらお小遣いは一ヶ月に300円だそうだからここはなるべく低いレートで」
あきつ丸「納得いきませんなぁ、今日は最低でもテンピン、それ以下なら打たないつもりであります」
龍驤「し、仕方あらへん!小童には授業料だと思ってもらうしかあらへんなぁ(ナイスやで陸軍のキョンシーもどき!この小童は陽炎型やから支払いなら他の姐さん共から巻き上げればえてんや!)」
雪風「わくわくします!」
龍驤「ほなさっそくはじめよか!サイコロ投げぇの……あちゃー、親はうちからか、」
長門「雪風わかるか?順番は龍驤、雪風、陸軍の、私の順番に回るんだからな?」
雪風「雪風の自風は南ですね!だいじょぶです!」
あきつ丸「ふん、さっさと飛ばしてもっとマシなメンツを呼び込みたいところでありますなぁ」
龍驤「打ち始めるでー、自動雀卓やからこの辺りは楽やね」カラコロカラコロ
東一局 一巡目
龍驤(長門はまぁいつも打ってるからある程度どんな打ち筋なのかはわかる、小童は初心者やし論外だとして問題はあのキョンシーや、まずこの局であいつを見極めんと)パチッ
雪風「わぁ!緑の牌がたくさんあります!」ワキワキ
長門「こ、こら雪風そう言うことは言っちゃダメなんだ!」
あきつ丸「やれやれ、でありますな」パチッ
長門「と、とりあえず次から気をつけるんだぞ雪風」パチッ
四巡目
龍驤(しかしまぁ索子がきいひんなぁ、ドラは五索なんやから絡め手にしておきたかったけど、しゃあないやね)パチッ
雪風「雪風、リーチします!」ターンッ
龍驤「なんやて!?早いなぁ、ホンマにちゃんと聴牌形になっとるんか?」
あきつ丸「もちろんそうじゃなかったならチョンボ払い各家に8000点ずつでありますな、開局時に各持点は25000、いきなり瀕死でありますなぁ」ニヤニヤ
長門「ま、まだ雪風がチョンボしたと決まったわけじゃないだろ」パチッ
雪風「むぅ~、雪風ちゃんとてんぱいしてます!あっ、ツモです!」タァァンッ
龍驤「い、一発自摸かいな!?」
あきつ丸「ではでは早速文字通りお手並みを拝見させてもらいましょうか、であります」ニタニタ
雪風「えっと、えーっと、リーチイッパツツモイーペーホンイツハツです!」
龍驤「……はぇ?いや、いやいやいやこれは、これは」
長門「……緑一色、これは役満だぞ雪風……」
あきつ丸「……!?」
雪風「やくまん、ってなんですか!」
龍驤「いっちゃん凄い役やぞ!いっちゃん凄いやっちゃでこれ!」
長門「すごいじゃないか雪風!いきなり役満だなんて」
雪風「やったぁ!」
あきつ丸「ケッ、少しやり過ぎなビギナーズラックではありますが、まぁ良い、直ぐに捲って飛ばしてやるであります」
東二局 親雪風 一巡目
龍驤「いきなり親流されてもうた、しかも役満親っ被りなんて……こりゃもう東場は抑えにかかってなんとかして二家狙いかなぁ」パチッ
雪風「わぁ!リーチです!」ダァァン
あきつ丸「だ、ダブリー!?」
長門「ゆ、雪風すごいぞ!やれる娘じゃないか雪風!」
龍驤「ホンマかいな!?完全に流れが小童にいっとるでこれ!」
あきつ丸「こ、こんなもん当たったら事故でありますよぉ!」パチッ
雪風「それです!!」
あきつ丸「なにぃ!?ぺ、北待ち!?」
雪風「えっと、ダブリーイッパツトイトイ、です!」
あきつ丸「お、親満……」ガタガタガタガタ
雪風「何点ですか!雪風まだ点数の計算の仕方がわかりません!」
長門「お、親の満貫は12000点だぞ雪風」
龍驤「あ、悪魔や……!!うちはとてつもない勘違いをしとった、鴨がネギ背負って来たんやない、うちらが鴨なんや……!!」
陽炎「待ちなさい!」
雪風「陽炎お姉さんです!」
龍驤「な、なんや小童の姉さんやないか!」
陽炎「雪風が初心者だからってこれはずるいわ!点数計算ができない娘を騙すなんて!」
長門「なんのことだ……?」
あきつ丸「やめろであります!それ以上は言うなであります!!」
陽炎「雪風の手牌をよく見て!」
龍驤「な、なんなんや、って、これは……」
長門「四暗刻……!!!」
あきつ丸「あっ、あっ、」
陽炎「親の役満は四万六千点、それを直撃したそこのなんちゃって陸軍はしっかり払いなさい!」
あきつ丸「ああああああああああああああああみょんみょんみょんみょん」ブリリリリブチィブチブチチチブブブブ
龍驤「こ、こんな事があり得るんかいな……わずか東二局にして終局、それも、それも役満を二発もブチかまして和了るなんて……」
陽炎「すごいじゃない雪風!あなたこの鎮守府でこれまで最強と言われていたあの長門さんを抜いて一家になったのよ!」
雪風「雪風嬉しいです!」ワキワキ
長門「せ、精算しよう」
龍驤「せやね、長門はなんだかんだ言って二家に抑えとったんやな、まぁこんなん抑えも何もあらへんけど」
長門「うむ、単に運が良かったのだ、さて、レートはテンピン、アリアリで、陸軍のやつはこれから更に役満賞と飛び賞払いをするから……」
龍驤「少なくとも一月三百円のお小遣いの小童には有り余る程の大金が手に入るんやな……」
陽炎「大丈夫よ雪風!こんなにたくさんのお金無くしちゃったら大変だから私がしっかり管理してあげるわ!」
雪風「わぁ!ありがとうございます!」
あきつ丸「バナナウンコぱくぱくもぐもぐwwwwwwwwwwww」
青葉「青葉、見ちゃいました!」
古鷹「な、なに青葉急に!」
青葉「行きましょう!雪風ちゃんは貴女にきっと相応しい打ち手ですっ!」ダッ
古鷹「ちょ、ちょっと青葉ぁ!」
島風「終わるのはっやーい、でもしまかぜなら負けませんよー」
扶桑「きっと私がチラチラ対局を見ていたから皆さんの手が振るわなかったのね、申し訳ありません……」
山城「姉様、それは多分違います、私があの子の相手をしてみます、だからしっかり見守っててください」
雪風「雪風、もういっかい麻雀やりたいです!」キラキラ
長門「たしかに早く終わりすぎた感はあるが、しかしなぁ、」
龍驤「わ、悪いけどうちは抜けるで!このままこの小童と打ち続けたら給料何ヶ月分吸い取られるかわからへん!」
雪風「むぅー、雪風、嫌われちゃったんですか……」
陽炎「ち、ちょっと長門さんも龍驤さんも酷いわよ!妹を虐めるなんて私と不知火が黙ってないわよ」
青葉「心配ありません!打ち手ならここに一人います!」
古鷹「ふぇ、ちょ、ちょっと待ってよ青葉!私が打つの!?」
島風「オー、面子入れ替えるのー?ならしまかぜもやるよー」
山城「い、行ってきます姉様!どうか見守っててください!」
扶桑「山城、あまり無理はしちゃダメよ……」フワフワ
龍驤「な、なんや急に集まってきよったで」
長門「面子だけじゃないな、ギャラリーも増えてきた」
あきつ丸「あたし、あきちゅまりゅってゆーの、よろちくねぇ」ニコニコ
東一局 親雪風
雪風「雪風が親です!がんばります!」ギラギラ
雪風「ゲームスタートです!」パチッ
龍驤「さ、流石にまたダブリーって事は無いみたいやね」
長門「あぁ、しかし見てみろ雪風の手牌、この配牌直後で既にイーシャンテン!やはり何か流れ以上のものを持ち合わせているのかもしれない」
古鷹「うぅ、こんなに皆に見られながら打つのは緊張しちゃうよ……」パチッ
山城「はぁ姉様、いきなり九種九牌みたいです、不幸だわ……」パタッ
島風「オゥッ!?しまかぜまだなにもしてないのにー」
龍驤「き、九牌流局!?なぁ長門、うちの鎮守府ではこの場合親は流れるんか!?」
長門「い、いやうちの鎮守府では親継続で再配牌再開局になる、本場にはならないがな」
雪風「もういっかいですね!がんばります、あ!リーチです!」ズダァァァン
龍驤「き、きよったで!小童のダブリーや!やっぱりただもんや無いみたいやねながもん」
長門「こ、これはもはや運がいいでは済ませられないぞ」
古鷹「そ、そんなぁ……ダブルリーチなんて……で、でも私も負けたくないから!!」カッッ
陽炎「な、なにごと!古鷹さんの片目が光ってる……」
青葉「きゃぁーーー!!青葉、あの探照灯の光を見ちゃうと興奮しちゃいます!」
古鷹(大丈夫、この娘の手牌はおそらく高くても跳ね止まり、それにさっきみたいな綺麗な待ち方じゃない、山城さん、ここは通せます)ゴゴゴゴゴ
山城「な、なにか″能力″を使ってくれたのかしら、でもごめんなさい安心して、私また九種九牌だから」パタッ
島風「オゥッ!!?」
龍驤「な、なんやて!?なんちゅう配牌の運の無さなんや!」
長門「い、いや違うぞよく見ろ龍驤、山城の手配はむしろ国士無双を狙いにいける良配牌でもあった、それを、あえてスルーし流局を優先したんだ」
雪風「むぅー、またです!」
扶桑(それでいいのよ山城、そうやって流局させ続ければあの子の流れもいずれ途切れる)
雪風「むぅー、なんかさっきまでと違って雪風の手が綺麗じゃない気がします……」パチッ
古鷹「よ、よかった……いきなり探照灯照射しちゃうと体力持っていかれちゃうし……」パチッ
山城「普通の配牌、いいわ、打ってみせるわよ」パチッ
島風「みんな打つのおっそーい」パチッ
龍驤「な、なんやこの局、急に皆の配牌が普通に、普通になっとるで」
長門「それが正に普通なんだがな、先程までが異常だったんだ」
陽炎(そっか、山城さんが雪風の運をネガティブなオーラで相殺してるんだ)
雪風「雪風、がんばります!」パチッ
東一局 十二巡目
雪風「むぅー全然てんぱいできません……」パチッ
古鷹(山城さんが雪風ちゃんを抑えてくれてる……けどそれだけじゃない、私や山城さん自身にもまるで動きがない……一体何が起きてるの)パチッ
山城「はぁ……カンチャン塗れです姉様……まるで手が進まないなんて不幸ね」パチッ
島風「みんな打つのおっそーい!」シュバッ
東一局 十八巡目
雪風「東一局が終わっちゃいます!」パチッ
古鷹「そ、そんなぁ……なんとかせめて聴牌したかったのに……」パチッ
山城「不幸だわ……無駄に雪風ちゃんを警戒して聴牌形崩しちゃったし……この局も流局ね」パチッ
島風「……来るのおっそーい!」ギュイイイイイイン
長門「な、なにぃ!!?まさか島風、引いたのか!!」
島風「……ハイテイラオユエ」ズドォォォォォン
龍驤「なんやて!?は、海底自摸!!?」
島風「ふっふーん、ハイテイドラ3,満貫ですよー」
雪風「わぁ、し、至近弾です!」
古鷹「こ、これって形式聴牌、しかも河を見るとフリテンしてる……」
山城「なんて和了られ方なの、悔しいわね……」
長門「龍驤、これをどう思う」
龍驤「どうも何も、うちはこのうさ耳の手の動きをずっと見とったけど、明らかに海底で和了れるのがわかっとったような不思議な打ち筋やったで……このうさ耳、只者やあらへんで……!!」
東二局 八巡目
雪風「それロンです!」
古鷹「へぁっ!?」ビクッ
島風「和了られちゃったー」
雪風「リーチタンヤオドラ、3900点です!」
長門「和了ったとは言え、先程までの雪風とは程々別人のような低火力だな」
龍驤「山城の不幸オーラに小童が圧されてるんやね、それでもあがれるあたりやっぱり怖いなぁ」
山城「……姉様、見ていてくれてますか……山城はこの局何もしませんでした」
扶桑「それでいいのよ山城、ただでさえ艦橋が目立つのにそれ以上目立ったら困ることもあるわ」
東三局 十巡目
山城「どうせイッパツなんてありえないけど、リーチ」パチィィン
島風「追いかけっこしたいのー?負けませんよー!リーチ!」バチィィン
雪風「雪風もリーチです!」ズドォォォォォン
古鷹「うわぁ!どうしよう!」アタフタ
陽炎(三軒リーチ!でも同じ運任せなら恐らく雪風が先に和了れる!もっと稼ぐのよ雪風!)
龍驤「この三軒リーチ、おまけに山城は親リーやで、あのエロエロインナーのオッドアイちゃんは逃げ切れたら奇跡やね」
長門「たしかに普通に回避できるかと言われると厳しい、ダブルロンの可能性もあると考えればここは降りるべきだがしかし、先程古鷹が見せたあれが発動すればあるいは……」
古鷹「ど、どうしよう……ここで降りればきっとあとは他の三人がリーチの打ち合い、防御を捨てた殴り合いをしてくれるから古鷹は助かるけど……」
古鷹 「けど、それじゃ重巡洋艦の良い所、知ってもらえないから!」ゴゴゴゴゴ
あきつ丸「……一雨来ますなぁ」
秋津洲「こいつ急に正常になったかも!?」
龍驤「き、きたで!エロインナーの探照灯が輝きよったで!」
青葉「青葉、わくわくしちゃいます!」ワキワキ
ゴゴゴゴゴ……
古鷹(一巡先の未来を見る!!)ギュイイイイイイン
古鷹(……次で雪風ちゃんが倍満ツモ!?だ、ダメこんなの!せっかく山城さんが抑えてくれたんだから無駄に出来ない……!なら、どうしたらいいの……?)
ギュイイイイイイン
古鷹(それなら場を見る……!安牌は古鷹が握ってるけど、それを手放したら聴牌とれなくなっちゃう、かと言ってここで突っぱねたらそれが今度は島風ちゃんと山城さんのどちらかの当たり牌……)
古鷹「……つまり、ここで、この古鷹の番でこの東三局を終わらせなくちゃ!」
長門「な、何をする気だ……」
山城「振り込み覚悟したのかしら、貴女も不幸ね……」
古鷹「……カン!」バチッ
龍驤「は、はぁ!?ここでカンって、アホかいな!!三軒リーチ真っ只中なんやで!?」
長門(何を考えているんだ古鷹……あぁほら新ドラが見事に雪風の手牌に乗ったぞ)
雪風「わぁい!これであがったら雪風の勝ちです!」
古鷹(ここでとめちゃダメ、もう一歩だけ先へ行かなきゃ……!)
古鷹「もいっこ、カン!!!」バチバチチ
龍驤「こ、こりゃアカンわ!!新ドラ2つともイーピンやで!」
長門「ゆ、雪風の手牌はこれで三倍満確定だぞ……古鷹!」
古鷹「いえ、これでいいんです……ツモ!!嶺上開花!!」ズバァァァァ
島風「オォオウッ!!!?」
バシュゥゥゥウ
古鷹「……リンシャンツモ、タンヤオドドラ6、倍満です!」ゴゴゴゴゴ……
青葉「青葉、感激です!!」
雪風「そ、そんなぁ~」
山城「姉様見ましたか?あれが嶺上開花ですって」
扶桑「すごいわね山城、私達じゃ絶対にあれで和了れないものね……」
龍驤「えらいこっちゃ、えらいこっちゃでぇ……!!あの絶望的な三軒リーチを回避するだけやあらへんかった、自身の手牌を爆発手に変えよったんや!」
長門「まさか古鷹がこれ程の打ち手だとは……、これは羽黒の重巡最強の座が危ぶまれるな」
東四局 一巡目
島風「しまかぜに親来るのおっそーい!」シュバッ
雪風「雪風、流れが読めなくなりました……」パチッ
古鷹「ハァ……ハァ……少し疲れが……ごめんね青葉、後で必ずお礼するから間宮さんの特性スイーツ買ってきて!」
青葉「お礼!!お礼!って何ですか!青葉了解しちゃいましたぁ!」
山城「後はもう煮られるなり焼かれるなり、勝手にすればいいんだわ……」パチッ
島風「ここからはもうちょっと早く打つよー」シュバッ
東四局 三巡目
雪風「雪風、前に進みます!リーチです!」ドゴォォオォ
龍驤「相変わらず馬鹿みたいな速さで馬鹿みたいな手を作りよるなぁ小童」
陽炎(よし!理想形三面待ちの満各リーチ!今度こそ決めちゃいなさい雪風!)
古鷹「ダメだ……疲れちゃって探照灯が使えない……ここはもう安牌で逃げなきゃダメみたい……」パチッ
山城「私も、もう東場なんてどうでもいいのよ……」パチッ
島風「ポンッ!」カチャ
長門「おぉ、島風が動いた」
龍驤「只の一発消し……ってわけでもあらへんなこれは」
雪風「むぅー、でも、負けませんから!」パチッ
島風「それもポンするよー」カチャ
雪風「そんな!でもまた雪風のツモ番です!えい!」シュッ
雪風「むぅ、これじゃないです」パチッ
島風「それももらうよーポンッ」カチャ
龍驤「なんや、あっという間に3フーロしよったで」
雪風「むぅ!ここで引きます!あれっ、ダメでした!」パチッ
島風「それもポンだよー」カチャ
龍驤「え、た、単騎待ちかいな!?」
長門「しかもよく見ろ龍驤、島風が待っているスーワンは既に二枚は古鷹が使ってしまっている、あの形からスーワンが出てくる事はまず無いだろう、実質これは地獄単騎だ」
雪風「まままさか、これで雪風が引けなかったらその牌が当たりになったりするんですか!」シュッ
雪風「ひっ、引けませんでした!雪風ピンチです!」パチッ
島風「その子じゃないよー、」
陽炎(ゆ、雪風の運が良くて助かったわ……)
古鷹「ど、どうしようすっかり油断しちゃってた……島風ちゃんの単騎に雪風ちゃんのリーチを警戒してって考えると……青葉が間宮さんのスイーツ買ってきてくれるまで降りるしかないや……」パチッ
山城「どうせこの牌が当たりなのよ」パチッ
雪風「むーうちがいます、ここで引きます!雪風が勝ちます!」シュッ
雪風「あれ、また引けませんでした!」
島風「……ぼっちじゃないよー」
島風「ロン!タンヤオトイトイドラ3ではねまんだよー」オッオッ
雪風「そんなぁ!雪風、修理に参りたいです!」
龍驤「あ、あの小童がうさ耳に振り込んだで!?」
長門「王座陥落か、おまけに跳満直撃となるとかなりの痛手だろう」
南一局
長門「南場か、ここからが本番だな」
龍驤「そういえば昔一緒に打ったリベッチオっちゅうパスタっ娘はたしか南場から異様に強ぉなっとったな」
長門「あの娘はかわいかったが、このメンツに放り込んだら恐らく東場の時点で飛んでいただろう、それほどまでにこの四人のレベルは高いんだ」
雪風「ゲームスタートです!よろしくお願いします!」パチッ
古鷹「青葉が間に合ってくれてよかった……これで後半戦も重巡洋艦の良い所、たくさん見せちゃうよ!」パチッ
山城「姉様いつの間にか吹雪とかいう駆逐艦にたぶらかされて何処かへ行ってしまった……不幸だわもういいもう無理もうやる気ない」パチィ
島風「ちょっと山城ー打つのおっそーい!」ヒュバッ
南一局 八巡目
雪風「雪風、リーチします!」ズゴォォオオォ
龍驤「あちゃー、なんか知らんけど小童が元気取り戻しとるで」
古鷹(リーチされた、でもね雪風ちゃん、麻雀にはダマっていう戦い方もあるの、私ももうテンパってるから!負けないよ!)パチッ
山城「あーきつい、考えれば考えるほど負ける気がする……」
━━力が欲しいか━━
山城「え……?」
━━敵は、何のために攻めてくるのだ━━
山城「やだ幻聴……?もう勘弁してよ……」
島風「追っかけるよー、リーチ!」パチン
雪風「むうう!イッパツツモできませんでした!」パチッ
古鷹「くっ、またきつくなっちゃうのかな、でもここでまだ探照灯は使えない……!」パチッ
山城「あぁー、もうどれを出しても当たる気しかしないわ」ドヨォ
━━ならば、当たってしまえばいいだろう━━
山城「ちょっと本当に幻聴は勘弁してよ……」
━━出すのだ、貴女の最良の瑞雲を発艦させればいい━━
山城「……もう後は何も知らないわよ……」パチッ
古鷹「あっ、それロンです!」
山城「ほら当たった……もう幻聴に従うなんていよいよ末期じゃない……」
雪風「雪風もロンです!」
山城「あーダブルロン、ほらもう好きにしてよもう」
島風「あれっ、しまかぜもそれが欲しかったよーロン」
長門「おや、これはまさか」
龍驤「珍しいな、三家和やね、山城はこれでなんとか一命をとりとめたっちゅうことか」
山城「なに、三家和……?不幸中の幸いねってやかましいわよもう……」
伊勢「ちょっと日向ー?何一人でブツブツ言ってるの?」
日向「なぁに、救いを述べていたのさ」
伊勢「もう、グズグズしてるなら先に行っちゃうからね」
日向「心配無い、これで貴女が振り込む時は必ず他家は三家和になる、不幸なことにな」ニヤッ
山城「やかましいわーもう、これ絶対危ない兆候よ、姉様はぁ姉様はやく帰ってきて」
南二局
古鷹(正直言ってここで、この私の親で決めきらなきゃもうダメかもしれない……だから、ここで終わらせる!!)ゴゴゴゴゴ……
龍驤「な、なんやいきなりエロインナーの片目が光りだしたで……?」
あきつ丸「フン、ろくな考えではありませんなぁ、あやつはここで誰かを飛ばして終わらせる気でありますよ」
長門「なんだ貴様正気に戻ったのか」
秋津洲「飛ばすのは大抵ちゃんの得意分野かも!」
龍驤「なんや小煩いの増えとるやないか……」
古鷹「ごめんね加古、やくそくやぶっちゃう……!三巡先を、見る!!」ギュイイイイイイン
古鷹(やっぱり予想通り……この局で雪風ちゃんはダブルリーチ、その直後に島風ちゃんも追っかけリーチ、島風ちゃんがその次の巡でツモれず雪風ちゃんが倍満ツモって終わっちゃう……)
古鷹(でもね、ずるいかもしれないけど古鷹はそれがわかるから、なんとかできるんだ!)
古鷹「……いくよ!」パチッ
━━瑞雲と単に言えどもそれは実に様々な魅力を内包している、次は瑞雲の性能だけでなくその外観にも言及してみようと思う━━
山城「あ゛ーーー幻聴が止まらない……」パチッ
島風「山城さっきからおっそーい!!」パチッ
雪風「あっ、雪風リーチです!!」バゴォオオオオオン
龍驤「まぁたダブリーやで!!?」
長門「ここまで来ると最早雪風が聴牌していない状況に違和感を覚えるまでになってくるな」
龍驤「み、見てみぃ長門雪風の手牌を!このダブルリーチで倍満確定やで!?えらいこっちゃホンマに……」
古鷹「そうはさせないよ!チー!」
龍驤「な、なんや古鷹のそのチーは、待ってればイーペーコーになったかもしれん形やぞ!」
あきつ丸「なるほど、ツモ番をずらしたのでありますなぁ、おそらくあのスケべオッドアイには見えていたのでありましょうよ、この先の未来が」
秋津洲「何言ってんだこいつかも」
長門「やはり正気では無かったか、おいだれかそこの気狂い陸軍もどきを入渠させてやれ!」
古鷹「やったね!これで暫くはなんとかなるはず、あとはさっきみたいになんとかツモを雪風ちゃんに与えないようにすれば……!」
山城「あら、これは珍しいわね、ふふん、どうせ手が進まないのならやっちゃうわよ、カン!」パチィン
古鷹「あ、そ、そんなぁ……その牌は古鷹が引くはずだったのに……!」
山城「……?あらら?珍しいわね、手が進んだわよ」カチャ
島風「もうおそいよーリーチ!」
古鷹(き、きた島風ちゃんのリーチ!でもこれは雪風ちゃんへの追っかけリーチだから、私と山城さんがなんとか避ければ、雪風ちゃんとの殴り合いになる!)
雪風「雪風、ツモできませんでした!むうー、」カチャ
島風「ローン!」パタッ
古鷹「えっ……?!」
山城「ちょっと待ってもう……」
島風「山城のカンのおかげでおっきい手になったよー、」
島風「リーチイッパツピンフドラ4、跳ねますよー」
雪風「あああ!!またはねまんです!!」ガクガクガク
陽炎「ちょ、雪風しっかりして!気を確かに!おねえちゃん達のお小遣い守って!!」
古鷹(そんな……雪風ちゃんのツモを回避したら島風ちゃんに当たりがまわっちゃうなんて……)
古鷹(……いや、もしかして、もしかして島風ちゃんが最初からそれを読んでいたら……?古鷹がツモ番をズラしたその先まで読んでいたのなら……)
島風「ふるたかーまだ追いかけっこするのー?」ジトッ
古鷹「ヒッ……」ビクッ
古鷹(ば、化物は雪風ちゃんじゃない!本物の化物は島風ちゃんなんだ!!)
山城「さて親ねっと……いつの間にか雪風が四家になってるじゃない、これならなんとかなりそうね……」
南三局 十五巡目
━━ところで航空戦艦というのは実に先進的な発想だったのだが、問題はその機能の配分、バランスだったのだ━━
山城「はぁぁぁ幻聴のせいで集中力切れたしもう一生聴牌出来る気しないわ……」
扶桑「山城、そんなこと言ったらダメよ、諦めないで頑張って」フワフワ
山城「わぁ姉様!!おかえりなさいませ姉様!!」
山城「急になんだか頑張れる気がします姉様!姉様ぁはっはぁーん!!」キラキラ
島風「山城さっきからほんとーにおっそーい!!」パチッ
雪風「むううううーーー雪風、イーシャンテンから全く進めません……」パチッ
古鷹「ハァ……ハァ……」パチッ
十八巡目
龍驤「久しぶりに流局が見えてきたね」
長門「……いや龍驤、島風の手牌に注目しろ」
龍驤「なんやっ……てこれはまさか、さっきのやつか?そう言えばうさ耳はさっき妙な海底和了りをしとったけど……」
長門「今回のハイテイツモは山城だ、さてどうなるか……」
山城「すごいわ姉様!聴牌してから実に九巡も巡って当たりの気配がないなんて!」
扶桑「誰かに直撃なんて可哀想よ山城、それでいいのよ」
山城「そして姉様この局も和了れませんでした、はい流局と」パチッ
島風「くるのおっそーい!それローン」パタッ
長門「やはり来たか……!!」
島風「ホウテイピンフタンヤオサンショクドラドラ、跳ねるよー」
山城「な、なんで……?振り込む時は必ず三家和になるんじゃ……?そ、そう言えば幻聴が聞こえない!そ、そんな!見捨てないで!幻聴!ねぇ幻聴!!」
長門「後で山城を無理にでも入渠させてやれ、イカれてる」
陽炎「しかし、なんなのよこの点差……」
長門「最初は雪風の一人勝ちかと思っていたが、今じゃもう島風の独断場じゃないか……」
龍驤「思い返してみれば、出る杭を的確に狙い打っていたんやうさ耳は……エロインナーが頑張れば一家は狙えるかもしれんが、それでも最低満貫は必要、ラス親はうさ耳やし次はみんなには厳しいオーラスやね」
オーラス
島風「ここまでくるのおっそーい!すぐに終わらせるよー」パチッ
雪風「ま、負けませんから!リーチです!」ズガァァアアアァアン
古鷹「ふ、古鷹だって負けないよ!」ギュイイイイイイン
山城「姉様、幻聴が聞こえないの姉様……姉様ぁ……」ドヨォ
島風「ふっふーん、しまかぜは最後ははやくてつっよーい手をつくりますよー!」
長門「……!!」
龍驤「な、長門にも見えたんか、うさ耳の手牌……」
長門「し、島風のあの手牌……まさか、出たら伝説になるぞ……」
オーラス七巡目
島風「わーい、これで終わりだよー」パチッ
雪風「ひ、引けません!全然当たりがひけません!雪風ピンチです!!」アセアセ
古鷹(ダメだよこんなの……!!よりによって最後に島風ちゃんはあんな役を張っちゃうなんて……!!古鷹の読みが正しいなら、本当なら直ぐにでも切りたい″この牌″があたり、これを切らなきゃ聴牌できないのに……どう頑張っても勝てないよ……)パチッ
山城「姉様みてください!ローシャンテンから手が全く進みません」パチッ
島風「……今回は、はやくきてくれたね」ニヤッ
長門「ま、まさかっ!!!」
ゴゴゴゴゴ……
島風「ツモー!!!!」
バシュウウウウウウウ
島風「……ふふん、みんな飛んじゃったよー?」ジトーッ
雪風「えっ……?」
山城「みんなって、どういうこと……?」
古鷹「おトイレいきたいよぉ……」プルプル
島風「……大三元、」
龍驤「や、役満んんん!?ここで役満かいな!!」
長門「……いや、まだだ」
島風「……字一色、」
龍驤「だ、ダブル……役満……」
あきつ丸「ま、まだでありますよ……」
島風「……そして、四暗刻、単騎!!!」ゴゴゴゴゴゴオオオオオオオオオオオオオ
古鷹「あっそ、そんな、そんなぁぁ……」チョロチョロ
山城「姉様、たまにはラッキーがあるものですね、こんな凄いものを見られるなんて」
雪風「あああああああああああああああああああああ!!!!!!!」ビクビクビクビク
龍驤「ふぉ、ふぉっふぉ、フォース役満……」
島風「全然飛んじゃいましたよー、」
雪風「それは、それは雪風がやりたかったことなのに……雪風は奇跡の駆逐艦のはずじゃ……」
島風「雪風よりもはやく奇跡をおこしたんだよー、おっそーいんだもん」
雪風「奇跡じゃないです……奇跡じゃないですううううわぁぁぁぁん!!!」
山城「やっぱりオセロとかの方が面白いわね、完全に負けたわ」
古鷹「うぅっ、うぐっ、や、やめてよ青葉ぁ……」
青葉「ああああああああああああ聖水が!!聖水が溢れ出してます!!」ペロペロレロレロアヘヘンアヘアヘ
長門「……何者なのだ、貴様は」
島風「しまかぜはみんなよりもはやく何かができるんだよー、すごいよねー」
龍驤「ほ、ホンマにえらいもん見せられたで……」
島風「精算よろしくねー、提督が後でみんなのお給料から差し引いてくれるよー、じゃあねー」
睦月「およ?およよ?遂に島風ちゃんが本気を出したみたいにゃしい!みんなで褒めに行くが良いぞ」
ローマ「まぁまぁって所ね、そうね、確かにあの長門以来久々に私達とまともに張り合えそうな娘だわ」
金剛「ヘーイアブぅ!まずはyouが私達提督門下四天王の力を見せつけてやるデース!」
阿武隈「エッワタシィ!?」
終わり