アスカ(日本の家って冷房が効きすぎなのよね。正直冷え性気味のアタシにはちょっと寒い。いえ、だいぶ寒い)ブルッ
アスカ(そこでこのタイツの出番ってわけ)
モゾモゾ
アスカ(はー。ぬくぬく)
アスカ(うん。タイツって女の子の味方よね)
アスカ(あとシンジの部屋から拝借してきたこのロングパーカーもぬくいわ)
アスカ(ちょっとサイズがおおきいけどまあ我慢してやるしかないわね)
アスカ(それに……)
クンクン
アスカ(……うん、うん。これは中々)
ガチャ
シンジ「ふー。ただいまー」
アスカ「おかえりー」
シンジ「なんだ、アスカも帰ってきてたんだ」
アスカ「なんだとは何よ」
シンジ「だってイブの夜は委員長の家でクリスマスパーティだって言ってたじゃないか」
アスカ「アンタばかァ? せっかくのイブにヒカリを独り占めしていいわけないでしょ。そっちこそどうなのよ」
シンジ「手はず通りにトウジを送り出してきたよ」
アスカ「これであの二人はバッチリね」
シンジ「僕らはさしずめ愛のキューピッドだね」
アスカ「まあその結果一人身の夜を過ごすことになったわけだけど」
シンジ「仕方ないよ。ケンスケだって血の涙を流しながらケンタッキーのフライドチキンを齧ることにするって言ってたし……って」
シンジ「あー! なんだよ、それ僕のパーカーじゃないか!」
アスカ「ぬくいわ」
シンジ「勝手に着ないでよ!」
アスカ「別にいいでしょ。減るもんじゃなし。あとでアタシのニオイつきで返してあげるわよ」
シンジ「変態かよ!」ダンッ
アスカ「とにかく、あれよ」
アスカ「寒いの」
シンジ「気温は34度だけど」
アスカ「そう。アタシもそれに騙されたわ。そんなに暑いなら長袖なんかいらないと思って持ってこなかったのよ」
アスカ「ところがどっこい」
シンジ「あー、まあ、そうだね」
アスカ「なによ、部屋ん中はめちゃくちゃ涼しいじゃない!」
アスカ「むしろ寒いじゃない!」
シンジ「仕方ないよ。みんな家の中でくらい涼みたいんだから」
アスカ「でも女の子には過酷な環境だわ。そこでアンタのコレをしばらく借りることにしたの。いいわね?」
シンジ「べつにいいけどさ」
アスカ「死ぬ前には返すわよ」
シンジ「いいよ。もう着ないからあげるよそれ。それに正直かなり似合うよ。かわいいよアスカ」
アスカ「えっ」キュン
アスカ「そ、そう?」
シンジ「かわいいかわいい」
アスカ「なによその投げやりな態度」
シンジ「かわいいよ」
シンジ「まずソファの上で小さく体育座りしてる時点でだいぶかわいかったよ。正直リビングに入った瞬間何事かと思った。しかも膝をスポッとパーカーの中に入れてフードを被ってるし」
シンジ「なんだよ小動物かよ。冬眠中のごくまさんじゃないか。かわいいよ」
シンジ「パーカーのすそからちょこんと出た足の爪先がぴょこぴょこしてるあたりもだいぶかわいかったよ。タイツなんか穿いてるもんだから正直たまらないよ。何事だよ」
シンジ「かわいいよ」
アスカ「」
シンジ「かわいいかわいい」
アスカ「……なんでそんな無表情で淡々とほめんのよ! なんか企んでんの!? 褒め殺しなの!?」
シンジ「僕だってクリスマスぐらいは浮かれて本音がだだ漏れになるよ」
アスカ「うー」スポッ
アスカ(なによ。ぜんぜん本心って感じじゃないじゃない。でも正直悪い気はしないわよ)
アスカ(フードで顔をすっぽり隠す程度にはうれしいわよ!)
シンジ「アスカ、前々から思ってたけど足がすごくきれいだよね」
アスカ「!?」
アスカ(コイツいつの間に足元に……!)
シンジ「女の人の足ってハイヒールで変形してたりしてよく見ると正視に耐えないようなものが多々あるけどアスカの足はすごくきれいだよ。指がシュンってして爪もきれいな形をしてるし」
シンジ「それに足首もぎゅっとしまってるしね。この辺は努力じゃどうにもならないところも結構あるよ。生まれついての造形美なんだ」
シンジ「きっとアスカは神さまの手で特別に形を作られたんだね」
アスカ(なにコイツ気持ち悪い……)キュン
シンジ「それに第一足の長さがおかしいよ。腰の高さが変だよ。なんだよ、学校で背の順に並ぶ時に前後の女の子と比べたら一目瞭然だよ。そりゃ後ろの女の子も『えええ!?』って顔になるよ」
シンジ「ただでさえヤバいアスカの脚線美がタイツの相乗効果で女神じゃないか。どうすんだよこれ。生で拝んじゃったよ」
シンジ「もうだめだ。新世紀の女神の誕生だ。崇拝しかない」
シンジ「ここに神殿を建てよう」
アスカ(気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い)
アスカ(なにコイツなんなの。ほんっと気持ち悪い。いきなりアタシの足を無垢な子どもみたいな目で見つめ始めて……)ドキドキ
シンジ「それにロングパーカーから伸びるタイツに包まれた足って一体なんだよ。ロンギヌスの槍も月までブッ飛ぶこの衝撃。アスカさ、なんでスカートもズボンも穿いてないの?」
アスカ「え……っと、そりゃ部屋着だし、その方が楽だし」
シンジ「すばらしいよ」
アスカ「」ゾクゥ
シンジ「たとえようもないよ。パーカーの裾ってスカートみたいに外に広がってないからね。なんていうかそのぶんアスカの太もものラインにピタァっと密着して動く度にこういい感じになるんだ」
シンジ「とてもいい感じになるんだよ」
アスカ「なんで二度言うの!?」
シンジ「大切なことだからだよ。とにかくその格好はすばらしいよ。そんな格好で僕を待っててくれるなんて正直感無量だよ」
アスカ「べべべ別にアンタを待ってたわけじゃないわよ!」
シンジ「黒タイツのさ」
アスカ「アタシの話を聞きなさいよ!」
シンジ「この足の指のところに密着してシワが寄ってる感じって最高だよな……」
アスカ(またなんか語りはじめた)
シンジ「薄ければ薄いで透けた感じがいいし」
シンジ「厚ければ厚いでその生地の感じがまたたまらないよ」
シンジ「そして今アスカが穿いてるそれは僕の好みにドストライクだ」
アスカ「へ、へえ」
シンジ「うん。ドストライクなんだよ。今何かしろって言われたら聖母を崇める中世の高潔な騎士のように行動してしまいそうな気がするよ」
アスカ「……あの、じゃあ小腹が空いたけど」
シンジ「うん。喜んで作るよ」スッ
アスカ(なにコイツ満ち足りた顔してんのよ……)
アスカ(きもちわる)キュン
アスカ「なに作るの?」
シンジ「レタスとスモークサーモンのサンドイッチだよ」パァァ…
アスカ「へ、へえ」
アスカ(バカシンジからなにか有無を言わさないオーラを感じるわ。なんで? バカシンジって強く出られない……)
シンジ「まずは玉ねぎとレタスをうすくスライス」
トントントントントントントントン
シンジ「そして冷水へ10分くらいさらすんだ」
バシャー
シンジ「食感がパリッとするからね」
アスカ「そうなんだ」
シンジ「うん。女神なアスカに相応しいサンドイッチを作ってみせるよ。今の僕は気合が入ってるからね」
アスカ「女神女神うっさいわね!」
アスカ「ま、まあ言いたければもっと言ってもいいけど」
シンジ「アスカは女神だよ。やっぱりアスカがナンバーワン&オンリーワン。イエス!」
シンジ「パンは1cmのバターフレンチ。スモークサーモンにはこれが抜群に合うからね。アスカにタイツが似合うのとおんなじさ」
シンジ「さて玉ねぎとレタスがいい感じになるのを待つ間にホースラディッシュ・マスタードを作るよ」
アスカ「ホースラディッシュってなによ」
シンジ「ピリッと香る西洋わさびだよ。これがサンドイッチのアクセントになるんだ。アスカのツンデレと同じだよ」
アスカ「ツンデレじゃない!」
シンジ「アスカはかわいいなあ」パァァ
アスカ「くっ」
シンジ「で、このホースラディッシュはすりおろしてマスタードと混ぜ合わせるよ。その際に水気を切っておくことを忘れないでね」
シンジ「水分でべしょっとしたサンドイッチを女神で天使なアスカに食べさせるわけにはいかないからね」
アスカ「アンタ料理を始めたとたんにアタシへの崇拝が適当になってきたわね……」
シンジ「そんなことないよ。僕は四六時中アスカのことしか考えてないんだ。本当だよ」
アスカ「あー、はいはいはいはい」
シンジ「と、ここで玉ねぎとレタスを冷水から上げてキッチンペーパーできちんと水気をふきとる」ギュッ
シンジ「さあ仕上げるよ」
シンジ「まずはバターフレンチの片側にバターを塗る」サッ
シンジ「次にホースラディッシュ・マスタード」スッ
シンジ「パンの大きさに千切ったレタス」ドサッ
シンジ「スモークサーモン」ティパァ
シンジ「たまねぎ」スパァー
シンジ「そしてその上にバターフレンチ」ティン
シンジ「と、これだけでもおいしいけれど、ケパーが余ってるから刻んで塩っけをプラスしよう」ケパー
シンジ「できた。名付けて『愛と崇拝のスモークサーモンサンドイッチ』だ」
アスカ「アンタそれさっき言ってたのと違くない?」
シンジ「愛と信仰心をたっぷり込めたんだ」
アスカ「はいはい」
アスカ「じゃビールと一緒に食べましょうよ」
シンジ「うん」パァァ
アスカ(うざっ)キュン
シンジ「ビールはハイネケン一択だね。緑色の瓶が美しい世界最高のビールだよ。言わばビール界におけるアスカだ」
アスカ「ちょ……っとよくわからないわね」
シンジ「レーベンブロイもあるよ」ティン
アスカ「まあなんでもいいわよ。ソファに座って食べるからお皿ちょうだい」
シンジ「うん。ああ、かわいいなあ。そのちょっと内股気味にソファに三角座りしてつま先同士がきゅっと八の字になる感じすごくいいよ」
シンジ「すごくいいよ最高だよ。崇め奉らざるをえないよ。だめだ、なにか女神アスカに対する祈りの言葉を考えないと」
アスカ「食べていい?」
シンジ「うん。僕のことは気にしないでおいしく食べてよ」
アスカ「めちゃくちゃ気になるけど……でもまあいいわ。食べる。いただきまーす」モグモグ
シンジ「だめだ。アスカが僕の料理を食べてるのに祈祷文なんて考えてる場合じゃなかった」
アスカ「うん……うん。悪くないわよ」
シンジ「ほんと?」
アスカ「この……」モグッ
アスカ「スモークサーモンの濃厚なうまみとバターフレンチのバターのコクが相性抜群っていうか……そこにレタスのシャキッとくる食感の爽やかさ、たまねぎのパリッとした香味」
アスカ「それに……」モグモグ
アスカ「ホースラディッシュ・マスタードのピリピリくる辛味がなんとも言えないわね。うん、おいしいわ」ペロッ
シンジ「あああかわいいよアスカかわいいかわいいもうやばいよなんだよこれ」
シンジ「唇の横についたマスタードをペロッてするところとかもうやばいよ。やばい。だめだ僕も料理についてなにかしらのうんちくを語るべきなんだろうけど不可能だ。アスカが女神すぎる」
アスカ(無視無視)
アスカ「野菜の水っけをきちんと切ったのもよかったのよね。うん、普通はほら、サンドイッチってパンを噛んだ時に野菜の水分がジュワッと出て嫌な気分にさせられるけど、これは」サッ
シンジ「ああ。アスカが小さなほっそりした手でパーカーのお腹のところに落ちたパンくずをサッと払った。可愛すぎる。やばい。やばいどうしようやばいよ。かわいいよ」
アスカ「……」モグモグ
アスカ「で、このバターとサーモンでちょっとくどくなった口の中へビールを……」
シンジ「」ジー
カポッ…
シンジ「うん。うん……うん!」ティン
シンジ「ティンときた! アスカの小さな唇がビール瓶をくわえたよ! そして……!?」
ゴクッ…
シンジ「そう! その細い喉がゴクッと……鳴る! よし! きたああああ!」ダンッ!ダンダンダンダンッ!
プハァ
アスカ「うるさい」
シンジ「なんだよ、アスカが可愛すぎるのがいけないんじゃないか! 女神すぎるのがいけないんじゃないか! 正直アスカとご飯食べたらこうなるってわかってたんだよ!」
シンジ「料理より料理を食べるアスカの方がだんぜん魅力的なんだからしかたないじゃないか!」
アスカ「…………」ジー
シンジ「…………」
アスカ「……」モグッ
シンジ「!」ガタッ
アスカ「……」グビッ
シンジ「!」ガタタッ
アスカ「いいわよ、喋りなさいよ! 逆に気になるわよ!」
シンジ「アスカ」
シンジ「やっぱりアスカがナンバーワンだよ……もう僕じゃアスカのナンバーワン&オンリーワンな神々しいまでの魅力を言葉にできないや」
シンジ「正直クリスマスだからちょっといい感じの雰囲気の中でサンドイッチを食べようと思って家に帰ってきたんだ」
シンジ「でもだめだったよ。あふれるアスカへの愛を抑えきれないんだ。他の人と同じように冷静に料理の味を語るわけにはいかないんだ!」
シンジ「ダメなんだよ!」
アスカ「」モグモグ
シンジ「ぜんぜんダメだったよ!」
シンジ「アスカ!」
アスカ「なによ」
シンジ「かわいいよ!」
アスカ「当然でしょ」
アスカ「そしてアンタのその言葉にも急激に慣れたわよ」
シンジ「うん。やっぱりアスカがナンバーワンだ!」
シンジ「ナンバーワンだ―!」
シンジ「だー!」
シンジ「だー」
シンジ「だー……」エコー
そしてクリスマスの夜は更けていく。
やたらハイテンションのシンジと、
呆れて物も言えないアスカ(でも機嫌は悪くない)のどんちゃん騒ぎは、
次の日の明け方まで続いたのであった……。
なお相田ケンスケは一人でケンタッキーフライドチキンを食べて夜10時に就寝した模様。 オワリ
92 : 以下、名... - 2012/12/26(水) 01:07:29.89 c/dtNOZp0 16/16だめだこのSSは! 失敗作だ! とても食べられませんよ!
くっそー!
アスカかわいいなー!
くっそおー!(ジタバタ

