P「え?そうだなあ……あ、竜宮小町のライブツアー最終日だったな」
美希「ぶー……ハニーのバカ……」
P「どうかしたのか?」
美希「ふんっ。もういいの、ミキお仕事行ってくるね。帰ってくるまでに分からなかったらオシオキなの!」
P「ああっと、そうだ、美希。今日の仕事は午前中だけになったからな。午後は時間空けて、出かける準備しとけよ」
美希「え?どうして?」
P「……今日は美希の誕生日だからな。二人でどっか出かけようかなって」
美希「!!」
美希(なーんだ……ちゃんとわかってたの!)
美希「やっぱりハニー、だーい好きなの!」ギュッ
元スレ
美希「ねえねえハニー、今日って何の日か分かる?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1353603181/
P「こらこら、こっちの仕事が捗らないだろ。とっとと終わらせて来い」
美希「うんっ!いってきますなの!」
P「後で迎えに行くから、準備済ませたら駅前で待っててくれ」
美希「了解なの!」ガチャリ、バタン
0:13 P.M
■駅前――
美希「あふぅ。ようやく仕事が終わったの。言われた通り変装もしてきたし、バッチリだね!」
美希「ハニー、まだかな」ドキドキ
美希「…………」キョロキョロ
美希「わあ……周りはカップルばっかりなの」
美希「今日だったら、ハニーも腕組んで歩いてくれるかな?」
美希「……どこつれてってくれるのかな。すっごく楽しみなの!あはっ」
P「おーい、美希!」
美希「あ、ハニー!」
P「悪い、待ったか。ちょっと外回りで時間食っちゃって……」
美希「ううん、美希も今来たとこだよ」
P「そうか。じゃ、行くか」
美希「うんっ」
P「しっかし、今日は冷えるなぁ。もうすぐ12月だし」
美希「ねえハニー。ミキも寒いから、温かくして歩こ?」
P「どうするんだ?」
美希「こうして歩くの!」ギュッ
P「……まあ予想は出来たけどさ」
美希「しゅっぱつしんこうなのー!」
P「ははっ、まったくお前ってヤツは……」ヤレヤレ
美希「ハニー、最初はどこに行くの?」
P「ん?そうだなあ……まずは昼メシでも食いに行くか」
美希「さんせーなの。ミキもお腹ペコペコなの」
P「駅弁でいいかな。ちょっと電車に乗ろうかと思ってるんだけど」
美希「うん、全然OKだよ。ハニーとゆっくり二人旅だね」
P「そうだな。お、ちょうどいい売店が」
美希「いい匂いなの。あ!おにぎり!」
P「よし、どれがいい?」
美希「うーんとね、じゃあコレとコレ!」
P「よし。……すいません、おにぎり2つとこの弁当ください」
ガタンゴトン……
美希「んー美味しいの!」
P「そんなにガツガツ食ってたらのど詰まらせるぞ」
美希「ふぁいふぉーふあお」
P「食うか喋るかどっちかにしてくれ」
美希「ふう、ご馳走さまなの。すっごく美味しかったの」
P「はは、よかったな」
美希「…………」
P「…………」パクパク
美希「…………」
P「…………」パクパク
P「ん?どうした、急に黙り込んで」
美希「…………」ジーッ
P「…………」
P「……欲しいのか?」
美希「いいの!?」パアァ
P「食いかけだぞ?」
美希「それでも食べるの!」
P「……ほれ」
美希「いただきますなの!」パクッ
美希「ん~美味しいの」
P「ただのエビフライだけどな」
美希「ハニー味なの」
P「こら、アイドルがそんな事言うんじゃないの」
美希「ハニーはそういうの気にしすぎだって思うな」
美希「ところでハニー、電車はどこで降りるの?」
P「次の駅で降りるぞ。後少しだ」
美希「意外と近いんだね」
P「日帰りだし、もう昼過ぎなんだからあんまり遠くには行けないよ」
美希「それもそうだね。でも、ちょっとびっくりしちゃったの」
P「何が?」
美希「ハニーからデートのお誘いなんて、珍しいの」
P「ああ、そのことか。まあ、なんだ。最近は結構頑張ってくれてるし、今日くらいはわがままに付き合ってもいいかなってさ」
P「昨日と一昨日徹夜で今日の分まで事務の仕事終わらせたんだぞ?」
美希「そうなんだ。ありがと、ハニー!」
美希「でも、わがままって言い方はヒドイって思うな?」
P「あはは。間違ってはいないだろ?」
美希「むー。じゃあ今日はいっぱいわがまま言っちゃうの!」
P「俺に出来ないことは無理だからな?」
美希「ハニーは頑張れば何でもできるの!」
P「……お金、足りるかなぁ」
1:34 P.M
■目的地、駅前
美希「到着なの!」
P「よし、少し歩こうか」
美希「はいなの!」ギュッ
P「なあ、これちょっと歩きにくくないか?」
美希「美希はわがままだから、離さないの」
P「わかったわかった。美希はいい子だから、離してくれ」
美希「あはっ。やーなの!」
P「……恥ずかしいんだよなぁこれ」
美希「そのうち慣れるの!さ、いこ?」
1:53 P.M
■デパート前
美希「ここが目的地なの?」
P「ああ。最近できたばかりのデパートでね」
美希「おっきいデパートなの。何でもありそうだね!」
P「今日はここで買い物しようかと思ってさ。……テーマパークみたいなのがよかったか?」
美希「ううん、ミキお買い物大好きだし、ハニーとならどこにいても楽しいの」
P「そっか、それならよかった」
美希「ねえ、早く入ろ?」
P「そうだな」
■衣類量販店
美希「ねえハニー、こういうの、どうかな?」
P「お、なかなかいいじゃないか。こんなのもあったぞ」
美希「あ、それすごくカワイイの!」
P「あとは……こっちはどうだ?俺としてはこういうカジュアルなやつも似合うと思うぞ」
美希「それも素敵なの。ハニーはやっぱり服選ぶの得意だね!」
P「はっはっは。伊達にプロデューサーはやってないからな」
美希「センスがいいと助かるの!」
P「これ、試着してみたらどうだ?」
美希「了解なの!覗いちゃダメだよ?」
P「するかそんな事!」
美希「あはっ、じゃ、ちょっと待っててね」シャーッ
P「さてと、帽子なんかも見てみるか。……お、これは春香に似合いそうだな」
美希「ハニー!今日は春香の話しちゃ、や!」
P「おっと、聞こえたか。悪い悪い、ついな」
美希「後でキャラメルマキアート奢ってくれたら許してあげるの!」
P「はいはい」
美希「お待たせなの!」シャーッ
美希「ハニー、似合ってる?」
P「やっぱり俺の見立てに狂いはなかったな。すごく似合ってるぞ、美希」
美希「ホント?あはっ、嬉しいの!」
P「ほんと、美希は何でも着こなすなぁ」
美希「ハニーが選んでくれたからなの。ねえねえ、こっちも着てみていいかな?」
P「おお、好きなだけ試着していいぞ」
美希「はーい!」シャーッ
美希「いっぱい買っちゃったの!」
P「ちょっと使いすぎた気も……」
美希「ハニー、今度はハニーの服見に行きたいな」
P「え?俺はいいよ。今日は美希の誕生日なんだし」
美希「いいの!お買い物っていうのはお互いに選びあいっこするから楽しいんだよ?ハニーとこういうところに来ることなんてめったにないから、今選びたいの」
P「そ、そうか?まあ、美希がそうしたいならいいけど」
■メンズファッションコーナー
美希「スーツのハニーもかっこいいけど、やっぱり私服が一番なの!」
P「お、お手柔らかにな」
美希「任せなさいなの。えーっと……」
美希「このジャケットに、このデニムと、赤のTシャツ!これ、着て見てほしいの!」
P「お、よし。じゃちょっと待ってろ」シャーッ
美希「……よーし!ハニーが着替えてる間に、いっぱい選んじゃうの」
美希「題して、ハニー改造計画なのーっ!」
P「おいおい。改造はやめてくれないか?」
美希「あはっ、聞こえちゃったの」
P「なんか、ちょっと若づくりしてないかな?」
美希「だってハニーはまだおじさんじゃないの。シブいのばっかりじゃモテないって思うな」
P「お?モテた方がいいのか?」
美希「……! 今のなしなの!でも、この方が断然カッコイイの!」
P「あはは……どうせ仕事ばっかりだし、あんまり着ないぞ、こういうの」
美希「ミキと定期的にデートすればいいって思うな」
P「お仕事をしなさい」
美希「じゃあ、お仕事頑張るから、おやすみが出来たらデートしてね?」
P「……さて、次の服を着ようかな」
美希「あ、待ってハニー!はぐらかしちゃダメなのー!」
P「あああ、財布が軽くなる……」
美希「ご、ごめんなさいなの……ちょっと調子に乗りすぎちゃったよね」
P「いや、普段あんまりお金使わないから、こういう時にパーッと使う方がいいんだよ」
美希「……ありがとう、ハニー」
P「さて、次はどこに行こうか?」
美希「……あ!ちょっと遊んでかない?」
P「おお、ゲームコーナーか」
美希「ねえねえハニー、太鼓の達人で勝負なの!」
P「よし、受けて立とう」
モードヲエラブドン!
美希「鬼一択なの!」
P「いきなりガチだな……」
P「そういえば、事務所のみんなの曲もいくつか入ってたな」
美希「うん。このゲームの会社の名前がミキたちのプロダクションと同じ名前だって社長さんが言ってたの。だから入れてもらえたんだって」
P「なるほどな。そんな裏話が」
美希「『Relations』で行くの!」
P「あーなんか緊張してきたな」
サア、ハジマルドン!
ノルマクリア成功!
P たたけた率 99%
美希 たたけた率 97%
美希「ええっ?負けちゃったの!」
P「美希も結構やるじゃないか」
美希「自信あったのに、ハニーどうしてそんなに上手なの?」
P「中学の時に友達の家でよくやってたからな。それについこの前偶然『Relations』の鬼をやったんだよ」
美希「そうなんだ。一人だったの?」
P「え?……あ、ああ。一人だったかな」
P(ほんとは真美とだけどな)
美希「よーし、リベンジなの!」
P「しょうがないな。相手になるよ」
P「結局1000円近くも使ってしまった」
美希「ハニー。最後にプリクラ撮るの!」
P「おお、いいぞ」
美希「ハニーとプリクラ撮るの、初めてなの」
P「俺はこういうの自体初めてだ……」
美希「美希に任せて。よし、これでOKなの。」
3、2、1――
美希「あはっ」ダキッ
P「うお!?」
パシャッ!
美希「ハニーとのラブラブ写真、ゲットなのー!」
P「まったく、いきなりで驚いたぞ」
美希「驚いてるハニーの顔を撮りたかったの。ラクガキしようっと」カキカキ
美希「でーきた!どう、ハニー!」
P「ははは。情けない顔だな」
美希「そんなことないの。美希の宝物にするね?」
P「そんな大げさな」
美希「ハニーもこれ、ケータイに貼っておいてね!」
5:34 P.M
美希「いろいろ見てたらもう真っ暗なの」
P「そうだな。そろそろ行こうか」
美希「うん。ハニー、荷物重くないかな?」
P「これくらい任せろ。紙袋二つくらい、持てなくてどうすんだってな」
美希「ねえハニー」
P「ん?どうかしたか?」
美希「ううん、今日は美希のために一日中付き合ってくれて、ありがとうなの。すっごく楽しかったの!」
P「いいんだよ、これくらい。俺も久しぶりに楽しい一日だったしな」
美希「今のミキたち、恋人みたいに見えるかな?」
P「さあな。でもまあ、恋人らしいことは出来たんじゃないか?」
美希「うんっ!」
P「よし、行こうか」
美希「はいなの!……あ、ハニー、見て見て、すっごく綺麗なの!」
P「おお、そういえばここはここらじゃ随一のイルミネーションスポットだったな」
美希「すっごいキラキラしてるの」
P「まるでステージの美希みたいじゃないか」
美希「ミキももっともっとキラキラしたいの!」
P「俺がキラキラさせてやるよ。もっと、もっとな」
美希「期待してるからね?ハニー」
P「裏切らないように頑張らなきゃな」
7:13 P.M
■765プロダクション
P「ただいま戻りましたー」ドサッ
美希「ただいまなのー」
パンッ、パンッ!
あずさ「美希ちゃん」
やよい「誕生日、おめでとうございますー!」
美希「みんな……ありがとうなの!」
伊織「あんたのために用意した料理なんだから、味わって食べなさいよね」
春香「今日は美希のお誕生パーティーだよ」
雪歩「春香ちゃんと私で、ケーキも作ったんだよ。みんなで食べよう?」
美希「うん、美希お腹ペコペコなの!」
真「それにしても、美希とプロデューサーが帰ってくる前に飾り付けを一から始めろなんて、無茶言いますよねプロデューサーも」
P「あはは、すまないな。みんなには無理させちゃったみたいで」
真美「もーつかれちったYO!」
亜美「亜美たちともデートを要求します!」
美希「それはダメなの!許さないの!」
響「じ、自分はデートなんて別に……」
亜美「素直になりなよ→ひびきん」
響「じ、自分は素直だぞ!」
P「あはは。でもまあそのぶん、今日はパーットやろう」
貴音「あなた様……わたくし……もう我慢ができません」グーギュルギュルキュー
千早「確かに、二人が帰ってくるまで食べてはいけないというのは、少し辛かったですね」
やよい「うっうー!それじゃあ食べましょう!」
「いただきまーす!」
美希「ハニー、今日はありがとうなの!」
Fin
アフターストーリー的なもの
8:42 P.M
■765プロ、屋上
P「お、こんなとこにいたのか。探したぞ美希」
美希「あ、ハニー」
P「早く中に入ろう。風邪引くぞ」
美希「もうそろそろ戻ろうと思ってたの」
P「なにしてたんだ、こんなとこで」
美希「お星様を見てたの。今日はよく見えるから」
P「ほんとだ。綺麗なもんだな」
美希「なんだか、もう今日が終わっちゃうって思うと、少しさびしくなっちゃったの」
P「美希……」
美希「今日ほど充実した誕生日って、今までなかったの。とっても楽しくて、ハニーと一日中一緒にいられたんだもん」
P「喜んでもらえたなら、俺は嬉しいよ」
P「そういえば、俺からはまだちゃんと言ってなかったな」
美希「え?何を?」
P「誕生日、おめでとう。美希」
美希「……うん、ありがとうなの」
P「これ……俺からのプレゼントだ」
美希「プレゼント?でも、それなら服をいっぱい……」
P「あれはプレゼントじゃなくて、デートの一環だろ?それとは別で初めから用意してたんだよ」
美希「ハニー……!ありがと!開けてもいい?」
P「ああ」
パカッ
美希「わあっ……星のカタチのペンダントなの……綺麗」
P「あんまり高いのは買えなかったけど、これなら似合うかなって」
美希「うん。とっても嬉しいの」ダキッ
P「美希……」
美希「今は……今だけは、抱きしめてほしいな」
P「……ま、わがままは聞いてやるって言ったしな」ギュッ
美希「なんだか、落ちつくの……」
P「寒くないか?」
美希「ハニーに抱きしめてもらってるから、暖かいの」
P「そっか」
美希「ハニー……このペンダント、大切にするね」
P「おう。そうしてくれ」
美希「…………」
P「…………」
美希「このペンダントの星も、空の星も、綺麗だね」
P「ミキも星に負けないくらい、キラキラしてるよ」
美希「ハニーがいてくれたからなの。ミキは一人じゃ、キラキラ出来ないから」
美希「だから、ずっとミキのそばにいてほしいな」
P「…………美希がもう少し大人になっても、同じことを言ってくれたら、考えるよ」
美希「……うん、約束、だよ?」
P「ああ」
美希「ずーっと、ミキのこと、キラキラさせてね!」
THE END