少女「マッチ…マッチいりませんか」
イラナイ
シネ
ヤダーイマドキ
少女「…誰も買ってくれないよ…」
女「よし買おう」
少女「…幻聴かな、今何か」
女「だから、買うと言ってるんだ」
少女「!」
少女「あ、ありがとうございます!1箱20…」
女「違う」
少女「…え?」
女「君を買いたい」
元スレ
少女「マ、マッチいりませんか…?」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1229534156/
女「いくらだ」
少女「あ、あの…私は売り物じゃ…」
女「惚れてしまったんだ、仕方ない」
少女「そんな…」
女「私に買われたら毎日三食食べさせるぞ」
少女「う…」キュルル
女「熱いお湯を並々と注いだ浴槽にダイブさせてやる。その後はもちろんふかふかの布団で寝るんだ」
少女「……」ゴクリ
女「…で、いくらだ」
少女「実は…」
女「ん?」
少女「恥ずかしながら、お金の価値の基準が分からないのです…」
女「……そうか」
少女「こんな子を買っても…何も出来ないですよ」
女「そんなことはないさ。…そうだな、500円はどうだ?」
少女「500円…えと、マッチ1箱が20銭だから…うーん…」
女「…気にするな」
女「今日でくだらんマッチ売りはやめて私と暮らそう」
少女「…はい!」
女「(しかしこんな上玉が500円で…ボロいな)」
女「小さな家だが上がってくれ」
少女「…」
女「…どうした?」
少女「私…臭いませんか?」
女「どれどれ」クンカクンカ
少女「ど、どうでしょうか…」ドキドキ
女「…うん」
少女「ちょ、ちょっと」
女「…まずは風呂だな」
少女「やっぱりくさいんだ…」
少女「ふあー…」ザパー
少女「良い気持ちですねー」
女「…」ジーッ
少女「…」
女「あ、すまん。つい…」
少女「…いえ、良いんです」
女「…」
少女「…」
女「さ!風呂から出たら私の手料理を食わせてやる!」
少女「おいひ…」ムシャムシャ
女「そ、そうか?」
少女「こんな美味しいもの、生まれてはじめて食べます!」
女「そんなに誉められると…照れるぞ」
少女「ん~!」ガツガツ
女「ふ…可愛いな」
少女「わあ…ホントにふかふか…」
女「(…お楽しみはこれからだ)」
少女「お布団で寝るのなんていつぶりだろ」
少女「あなたには何とお礼したらいいのか…」
少女「私に出来ることがあれば何でもお申し付けくださいね」ペコリ
女「か…可愛い」ガバッ
少女「きゃっ!」
女「…ぎゅってしていいか」
少女「は、はい」
女「…ありがとう」
少女「あったかい…」
女「……」
少女「え…泣いて…?」
女「……何でもないぞ、泣いてなんかいない」
少女「でも…」
女「…うるさい、今はこうさせてくれ」
少女「…はい」
少女「…おはようございます」
女「……ん…朝…か」
少女「朝ですよっ」
女「…焦げ臭い……焦げてるぞ!」
少女「…?」
少女「あっ!」
女「早く火を切るんだ、まずいことになるぞ」
少女「こ、これかな」カチッ
ゴオッ
女「逆!」
少女「…すみません」
女「一体何を」
少女「お役に立ちたくて、朝食を昨日の夕食の見よう見まねでやってみたら…」
女「…炭になったわけか」
少女「ほ、ほんと私ったらバカで…余計なことしてすみません!」
女「楽しいな」
女「こうやって…ドジをして、ドジを恥じる人間がいて…それを笑えるなんて幸せだ」
少女「…」
女「この家は狭いが…一人では寂しすぎるんだ」
少女「……」
女「すまん、仕事行ってくる」
少女「…いなくなりませんから」
女「?」
少女「い、いなくなりませんからっ!」
女「ふふ…ありがとう」
女「帰ってきたら…居なくなってるなんてやめてくれよ」
少女「お仕事…頑張ってください!」
女「ああ」
女「(いってきますのチューを…)」
女「…」
少女「…?」
女「い、いや行ってくる」
少女「…行っちゃった?」
少女「…」
少女「うん、行ったみたい。そろそろ私もお仕事しようかな」
少女「金目の物は…ここかな」ガサガサ
少女「よし、あったあった」
少女「…それにしても汚いオヤジならともかく女の人に買われるなんて初めて」
少女「そーいう趣味なのかな?ま、いいけど」
少女「…大体こんなもんね」
少女「終わったらちょっと小腹空いたし冷蔵庫の中のものでも…」
ガッ
少女「ほとんど入ってないじゃない」
少女「…あ。昨日の夕食で使っちゃったのかな」
少女「…ん?」
少女「きゃあああっ!ゆ、指!?」
少女「な…なんでこんな…」
女「見てしまったか」
少女「!?」
少女「ど、どどどうして…?」
女「忘れ物だ。あまりにも幸せでつい浮かれてしまってな」
少女「…ひっ」
女「しかし…指を見てしまうとは…」
少女「(ま…まさか昨日の肉は…)」
女「…なあ」
少女「ひっ…こ、こないで…」
女「君はやはり物盗りだったのか」
少女「あ…(し、しまった!)」
女「…知っていたんだ、最近乞食になって金品を奪う輩が出るということは」
少女「え…」
女「そしてそれが君ということも薄々感づいていた」
少女「う…(私が新しい肉になるんだわ…)」
女「金なんか盗られても構わなかった。人の温もりが欲しかった」
女「…そんな物盗りなんかやめてずっと家に居てくれ」
少女「(食料にされ…ない?)」
女「突然大事な人が居なくなるのはもうたくさんだ」ギュッ
少女「わ…」
女「頼む…」
少女「で、でも私はどろぼ」
女「そうしなければ君は生きていけなかったんだろ?これからは私が君を食わせていく」
少女「う…優しすぎます…」
少女「そういえば指…!」
女「あぁ、あれは」
少女「昨日のお肉って!?」
女「…なわけないだろ」
女「訳を話すのは…少し面倒だな」
少女「は、話してくれないと…一緒に暮らせませんよ!」
女「それは重大だな」
少女「は、早く話してくださいよー…。怖いですよ…」
女「この指か…まあそろそろ食べなければと思ってたんだ」
少女「ゆゆゆ指を!?」
少女「…」ビクビク
女「む」パク
女「うん、うまいな」
少女「~!」
女「…お前も食べるか?」
少女「い、いえ…えええ遠慮しときまふがっ」グイッ
女「遠慮するな、ほら」
少女「(た、食べちゃった!指、食べちゃった!)」
女「…うまいだろ。ふふふ」
少女「もがもが」
少女「うぁー…指ってこんなに甘い…甘い!?」
女「ふふふ、騙されたな」
少女「これは…!」
女「チョコレートだ」
少女「2日引っ張ってそんなオチですか…」
女「2日?まだ君と出会って1日も経ってないぞ」
少女「い、いえ…こっちの話です」
女「この指チョコ、何故か巷では不人気らしい…おかしい」
少女「(…女さんって趣味がアレだなあ)」
女「…で、これから一緒に暮らしてくれるのか」
少女「そ、そりゃ願ってもないです…けど」
女「?」
少女「自信が無いんです」
少女「今までの暮らしが…その…あれでしたから」
少女「うまくやっていけるのかなって」
女「…心配するな」
女「まだ若い娘がそんな小さなことで悩むな!」
少女「女さんだってそんなに歳離れてないような…」
女「…」
少女「…」
女「ああ、まあそういうことだ」
少女「…クスッ」
少女「ありがとうございます…なんか少し吹っ切れました」
女「君が気に病むことは無いんだ。これからは私が君の家族だ」
少女「女さん…」
少女「…そ、そういえば仕事は」
女「ま、今日くらい良いだろう」
少女「…なら、甘えてもいいですか?」
女「私を姉と呼んでくれるなら」
少女「…お…おね…」
女「さあ」
少女「お姉…ちゃん?」
女「くっ…!」
女「…良い響きだ」
おわり
371 : 以下、名... - 2008/12/19(金) 22:10:59.71 3KRNO/vTO 25/25とりあえず終わり
思いつきで書いてたから投下速度が冨樫ペースになった、いつもこんなんですまんかった
しかも今日は投下するタイミングが悪かったな